戦前にもいじめっ子、入試のための教育、学校運営に介入する親がいた。そういう意味で言えば、この作品はとても昭和のはじめの思い出話とは思えない。作者のブラックユーモアとさえ思われる物語である。 学院の教育を歪めたのは、軍国主義であり、戦争であったが、現在の教育理念を歪めているものは、いったい誰だと考えればよいのだろうか。