
総合評価
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powered by ブクログ“周りからは理解されにくい悩み”を抱えている人が登場する作品です。 自分では努力して悩みを解決しようとするけれど、 周りからは悩みを理解されず、周りとの些細な身体の違いだけで、本人はこんなにも”疎外感”を感じるものなのかと読んでいて、軽くショックを受けました。 また、悩みを持つ相手のことを考え、配慮しているつもりでも、「その配慮自体が他の人と区別されているみたいで嫌」ってなることもあると思います。 悩んでいる方への接し方は本当に難しいですね、、、
23投稿日: 2025.09.24
powered by ブクログ見えない困難を抱える中学生の物語です。この本にはいろいろな悩みや困難を抱える中学生が登場します。文字を読むのが遅い、字が書くのか下手、ジェンダー、不登校などの悩みを抱えています。しかし、悩みを抱えているのになかなか大人たちに理解して貰えず登場人物たちは苦しんでゆきます。 物語では担任が本を読んだ冊数を班で競うという活動をさせているのですが文字を読むのが遅いひすいはなかなか読み進められません。でも、担任はそれを理解していません。担任はいろいろな意地悪をしてきます。 人の悩みはその人しか分からないけれどしっかり理解しようとするのは大事だとおもいました。
70投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログディスクレシアのひすい。 ディスグラフィアの心桜。 ジェンダーに悩む理幹…。 「生きにくさ」を抱える中学生の、連作小説。 * 痛い。 読んでいる間ずっと、チクチク、ヒリヒリと痛かった。 みんな、生きづらさを抱えて生きている。 「いい子」「いい人」でありたいと思い、 そんな自分に嫌気がさしたりしながら 摂食障害になる小春の章が、一番ヒリヒリした。 私も「いい人」症候群になっていると気づいていたから。 生きづらいのは私だけではない。 子どもだけではない。 生きづらいけれど、生きてようね。 一人、「生きてようね」ゲームをしてみる。 * 口を開けば悪口ばかりの娘と、高学年に進めたい。
6投稿日: 2024.09.14
powered by ブクログ自分の中で1番好きな小説です!!! 視点がどんどん変わっていき、この世の中ではこんな人もこんな悩みを抱えている人もいるのだなっと感じさせる物語で 一人一人どうやって生きていくかどう思ってるのかみたいなのが分かります 自分はこれを小説という観点で一番最初に読みました 読みやすくお話的にも飽きないので小説読もうもしてる人にはオススメです!!
2投稿日: 2024.08.03
powered by ブクログディスクレシア(読むのが苦手)な子、性自認が「男」でも「女」でもない(戸籍上の)女子、漢字を書くことが苦手な子、里親制度で養子になった子、大人の言う「いい子」であることを自分に科す子、他人を弄るしかコミユニケーションが取れない子、過敏症が理解されずに怒りを爆発させる子、など様々な生徒がクラスの中にいます。 それぞれの生徒の視点から描かれる連作短編集です。 きっと、公立中学校には作品に描かれているように多様な生徒がいるのだろうと思います。 「普通」ってなんだろう、「当たり前」ってなんだろう、と読んでいるうちに何が正しいのかわからなくなり、改めて考えさせられる小説でもありました。 ただ、冒頭から出てくる担任が進める、「本を読んだ冊数を競う」という取り組みには、司書教諭として嫌悪感を抱きました。 本を多く読むことが正義ではありませんし、読書の仕方も様々であるはずです。もちろん、「多くの本を読む」ことは素晴らしいことではありますが、あくまでひとつの価値であってそれを他者に強制すべきではありませんし、この取り組みによって読書が苦痛に感じられるようになる生徒もいるでしょう。 フィクションとはいえ(そしてある種の「悪役」として描かれるキャラクターの言動であるとはいえ)、作品の立ち上がりでゲンナリするキャラが出てきたことで、作品を素直に楽しめなかった気もします。
7投稿日: 2024.07.19
powered by ブクログ誰しも得意不得意はある。大切なのはそれを認め合って助け合うこと。 そんなことを改めて気づかされる1冊でした。
0投稿日: 2024.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
子どもが中学生になったらいいかな。いろいろな発達障害の子たちの連作短編集。小説という形だから伝わるものもあるかと。特にオチも何もなく、ちょっと文章表現に物足りないところもあるけど、著者の方の実体験があるためか、静かに胸を打つ感じ。
0投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログ自分のことかなって一瞬ドキッとする場面があった。いつもバカやってるあの子はもしかしたらこんな気持ちだったのかも知れないと、日常を見直すきっかけにもなりました。自分らしくあることがいいと思わせてくれる本でした。
1投稿日: 2024.05.23
powered by ブクログ結論 いろんな人がいて いろんな考え方があるってこと。 印象が良くない人でも 話してみれば意外といい人かもしれない。 様々な視点から その人を見てみることが大切。 見た目や行動で 判断してはいけない。
0投稿日: 2023.09.27
powered by ブクログ読書会のため。 いやー読みづらかった。 どうしてだろうか。親切丁寧でわかりやすい描写なのに。 ステレオタイプと感じることが多かったからだろうか?キャラが大雑把に思えるからだろうか?
0投稿日: 2023.08.28
powered by ブクログ養子になった異性の弟は同級生。ディスレクシア、摂食障害、文字が書けない学習障害、化学物質過敏症等等。見かけからはわからない悩みを皆が抱えていて、一人悩む中学生達。 助けのヒントをくれる大人、子どもを自分の作品と言う親、思い通りに矯正しようとする先生、支えてくれる先生、こちらも様々。 子供目線で書かれており、読んでいて暗くならないのは大きなプラスポイント! 作者の体験も下地になっているのでしょうか。中学生の悩みと解決のヒントになりそうな小説でした。 #中学生
1投稿日: 2023.06.06
powered by ブクログ「変な人」って思う人も その人の立場になってみればその人なりの考えに基づいた行動であって 事情があったりする 「知らない」とないことになってしまうから、みんな一生懸命に自己主張していいんだと思った 同じにできないことを隠したり黙って我慢するのがいいことじゃなくて 配慮する側だけじゃなくて、配慮される側もされる側でいっぱい考えてるから
0投稿日: 2023.03.19
powered by ブクログあなたは、「きみ」の存在を意識しているだろうか 読むのが苦手なひすい。書くことが苦手な心桜。女にも男にも分られたくない理幹。養育里親の養子となった拓真。過食ぎみの小晴。化学物質過敏症の留美名……。周囲から理解されにくい困りごとを抱えた中学生たちの苦しみと希望を描く連作短編集。あなた自身の中にも、あなたの周囲の人の中にも、彼らと似た部分があるかもしれない。「怠けている」「わがままだ」と決めつけず、「きみ」の存在を意識し合えたら、どんな世界になるだろう。 「あの子がそんなふうに困っていたなんて、全然気づかなかった。なんていう大人にはならないよ。」 ーーーーー ある6年生の2学期ベスト本。この本の中では、中学2年生たちが深く深く悩んでいる姿が描かれていて、読んでいると辛くなるシーンが多い。しかし、さまざまな困りごとや苦しみを抱えた人がいるということに、共感しながら気づくことができる。6年生になると、こうした本をベスト本に選ぶ子がいるんだなと驚いた。気軽には勧められない作品だけど、こうした作品を必要としていたり、知れてよかったと思ったりする子もいるんだな。読んでみてよかった。 お話ごとに語り手が変わることで、それぞれの子の抱える苦しみも、その苦しみが周囲に理解されないもどかしさもよく伝わってくる。「困りごと」を抱えている「きみ」の存在を意識することが、「双方向の配慮」への第一歩なんだなというメッセージを受け取ったように思う。 困っている様子のリアルな描写がすごいな、勉強になるなあと思いながら読んだが、あとがきで、作者自身がひすいでもあり、心桜でもあり、留美名でもあると知り、納得した。
0投稿日: 2023.01.02
powered by ブクログスクールカースト、過敏症、ディスグラフィア、里親制度、性同一性障害、様々な問題が詰め込まれた1冊だった。学校は、多様な中学生が、同じ時間を過ごす一番人間関係が難しい場所。この本を読んで共感できる登場人物がいれば、孤独が少しラクになるかも。
9投稿日: 2022.09.30
powered by ブクログこれはなんというか「小説」というよりも「知識の本」だな…。全体を通して何か太い軸があるのかと思ったらそうでもなく、投げっぱなしになった登場人物もけっこういるし。それは、物語構成の失敗としてそうなったのではなく、もともとこの本が最初から、物語的面白さではなく、いろんな困り事について知ってください、という啓発目的に重心を置いているからだと感じた。 理幹の話あたりまでは、拓真と関わってきたのもあって、困った子どうしが連帯してわからずやの大人をやっつける!みたいなカタルシスを想定していたんだけど、そんなことはなかった…。 前に学校で働いていたのでわかる、角野みたいな大人って本当によくいる。人の話を聞きましょう、って言うけど、それは先生の言うことに従いなさいっていう意味でしかなくて、自分が生徒の話を真面目に聞くことなんてない。 これだけいろんな人間がいるんだから、全員を同じ枠に押し込めて画一的教育をすることに躍起になるよりも、一人一人に寄り添っていった方が結果的には手間が少ないんじゃないか?と思う。いったん配慮がうまく回り出せばその方法を続ければいいんだし、大人の想定する枠からはみ出すたびに押し込めるその労力が無駄。しかし学校現場では、その押し込める無駄な労力をかけていることが評価されたりするから……ほんとに恐ろしいところ。 心桜みたいに自分の意志を押し通せたり、そうでなくても理幹や拓真のように自分の中で違和感をしっかり持って言語化できていたりする子はまだいい方で、賀川さんみたいに大人の言うことを内面化してしまってる子がいちばん厄介だしかわいそう。 大人と戦える子と、大人の言うことに合わせすぎる子の分かれ目は、身近な大人にどれだけ恵まれたか、だと思う。心桜はネットの知り合いが、理幹には祖父がいたから、自分は自分として考えて言葉を発していいんだ、っていうふうに思えた。拓真は経験したことと読書量のおかげかな。 自分がいるのが世界のほんの狭い一部、って気づけるかどうか。そういうことを気づかせてくれる大人に恵まれないと、狭い世界の中で、身近な大人の言うことは絶対なんだ、って信じてしまって、自分で自分を縛るようなかわいそうなことになる。大人なんてだいたい「化石」なので、登場人物たちみんなに強く生きてほしい。 何か困り事を打ち明けられたときに、ふざけてるとかわがままだとか思わずに、まずは「そうなんだ」と受け止めること。自分の感覚だけで考えて否定するのではなく、違う感覚を持った人間の話を、誠意と興味を持って聞くこと。そして理想を言えば「話してくれてありがとう」と付け加えたい。 人はそれぞれ違う。自分が困らないことでも誰かは困っているかもしれないし、逆に自分がめちゃくちゃ困っていることは誰かにとってはなんでもないことだったりする。 そういう、バラバラな人間が集まって生きているのがこの社会(そして偶然同い年なだけのバラバラな人間が強制的に集められたのが学校)なんだということを、もっとたくさんの人にわかってほしいし、自分も忘れずにいたい。 ただ理幹の描き方はちょっと詰めが甘いというか、どういう設定?となってしまった。生まれてすぐに手術をした+大柄で男子生徒が女子制服を着ているみたい、って描写から、おそらくDSDなのだろうけど、それとXジェンダー・ノンバイナリーの抱える問題をごっちゃにしてしまっている。確かに「性別で分けられることへの違和」というのはDSDも感じるところではあるだろうけど、典型的パターンではないのでは。身体がそうだからと言って自認も揺らぐわけではなく、むしろ一般と同じく割合的には男女どちらかを自認することが多いと聞いたことあるんだけど…自分の勉強不足もあるが、この曖昧な描き方はどうなのか?と思う。ディスレクシアとディスグラフィアを細かく区別して描くぐらいなら、性別違和も自認の問題なのかDSDなのか、その複合なのか、はっきりしてほしかったし、作者の勉強不足ならば残念に思う。
3投稿日: 2022.07.26
powered by ブクログディスレクシア、書字障害、過敏症、ジェンダーetc。色々抱える中学2年生の少年少女が主人公の連作短編集。「生きてようね。みんな、死なないで、生きていてね」これを書くのに心桜はどれだけの時間を費やしたんだろう。心に刺さる話だった。普通ってなんだろう。色んなことを理解するためには知識も必要と感じた。ちゃんと話を聞いてあげられる人でありたい。生きづらさを感じている子に。あと、大人も読むべき。
0投稿日: 2022.02.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多様性を受け入れていたつもりだったけれど、、、。 学習障害のグレーゾーンにいる子、過敏症、ストレスによる過食、ジェンダー問題、いろんな悩みや課題を抱えた子たちが出てくるが、それぞれ当事者目線で描かれており、どんなことに困っているのか、当事者が感じている生きづらさや、周りに理解されない苦しみなど、すごくよく表現されている。あー、こんな大人いるなぁと身につまされる思い。わかったつもりになっちゃいけないんだな、と思った。本当に理解する、ということは、難しい。向き合うことが大事。 この本の登場人物たちと同じ年頃の中高生、いや大人が読むべきか?
12投稿日: 2021.11.07
powered by ブクログ学生時代に感じていた先生からの自分本位な言葉、教室のいづらさ、逃げ場所、この本を読んで思い出しました。 言葉では表せない自分の心の中のもやもやを、他の誰かも感じたことがあるのかも、と思うと、そういう人と出会ってみたいと、少しワクワクしました。 少し極端な表現がある気がしましたが、それも個人が感じ取る個性の一つなので、学生時代に、誰かに言えなかった、隠していたようなモヤモヤがある人には一度読んでみてもらいたい本です。 "ラインスタンプ"という表現が出てくる感じが、現代っぽいなと感じます。
0投稿日: 2021.09.14
powered by ブクログ人には理解してもらえない困っていること、ある。 誤解されたり、うまく説明できなかったり。 そういうもどかしい様子がうまく書かれている。 ディスレクシアのグレーゾーンにいるひすい。 女にも男にも分けられたくない理幹。 書字の違和感により合理的配慮を求める心桜。 両親と死別し、養育里親の養子になった拓真。 大人の期待に応えたい過食ぎみの小晴。 過敏症をわかってもらえない留美名。 障害という表現で書かれているが、 今は神経細胞の多様性と捉えられているらしい。 あとがきに、作者の体験によって書かれているとあり、驚いた。 何かに悩んでいる人に耳を傾けなければと思った。
0投稿日: 2021.09.10
powered by ブクログ読んでいて自分の心にも刺さる台詞や状況が描写されていて、もっと多くの人に読んでほしい作品だと感じた。 人と違うと、自分は間違っているのかと不安になるけど、時には自分の考えを貫くことも大切だと思った。 自分の価値観だけで物事や人を判断してしまいがちだが、相手の話をしっかりと聞くべきだと思った。 みんな違ってみんないい
0投稿日: 2021.07.30
powered by ブクログ図書館のYAコーナーにあり、何気なく手にして読んでみて、泣けた。 聞いた事のある「障害」もあれば、初めて知るものもあった。 日本では(こう書くと語弊があるかもしれないけれど、少なくとも私が過去に受けた教育に於いては) 議論する、と言うことがとても少なく、問題について話し合ったりするのは特定の教科の題材についてだったので、もっとフランクに自分が今思った事を自分の言葉で言う機会が普段の授業の中で増えたらなーと思った。 この物語の語り部がいつか集って、この時について話し合う内容を読んでみたい。
0投稿日: 2021.07.22
powered by ブクログ自分の感覚や考え方だけだといろんなことが見えなくなるんだな。 生きにくさや、困りごと…。 一人ひとりが何かの困りごとがあるのかもしれない。 私自身も、この中の登場人物と重なる部分を持っている。 読みたい本がなかなか読めなくて、 気持ちや集中が散り散りになって、 漢字もなかなか覚えられないし、 時間をなかなか守れなくて… そんな自分が好きになれなくて、一つ失敗をするたびに自分を心の中で責めていたあの頃。 その時の自分の気持ちも思い出しながら読み進めた。 発達障害、心の性、里子、過食。 こうして言葉にすると枠にはまってしまって、本書の魅力を伝えられないけれど、 この作品の登場人物の持っている困りごとは、そばにいる誰かの困りごとなのかも知れないと思えるくらいの微妙なもの。 「そんなことで悩んでいるの?」「努力が足りないんじゃない?」「もっとこうすればいいのに」 そんな周囲の考え方で苦しむ人の気持ちに立つことができた。 同じようにできない焦りが、伝わってきた。 そして決して綺麗事や理想で終わらせないところにも好感が持てた。 解決したからよかったというのではなく、自分がどれくらい困っていたかを知って欲しい、ということが本書にも書かれている。 きっと、作者の梨屋さんも、それぞれの立場からの困りごとを読者に伝えることを一番に考えているのだろう。 配慮したからいいだろうというのではなく、その一人ひとりの困りごとや生きにくさに目を向けること。 まさしく「君の存在を意識する」ことがテーマなのだろう。 みんないい方向に向かったというスッキリ感はないのかもしれないけれど、一人ひとりが自分に向き合う中で「気付いていく」過程がとても丁寧に描かれている。 大きな事件もなく淡々と日常生活が進んでいくのに、心情描写の機微に惹きつけられた。 たくさんの人に読んで欲しい作品。
1投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログ物語自体は大きな盛り上がりもなく、割とサラッと進んでいきます。 登場人物たちの抱える課題、それに対する本人たちの考え方、周りの見方などが詳細に描かれている作品です。 中学生や高校生、お子さんのいる方々、学校関係者など多くの人に読んでもらいたい作品です。
0投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログタイトルは恋愛小説?となるけど、 内容はまったく違います。 ヤングアダルトのジャンルだけど、これは大人も読むべき。 登場人物が抱える悩みは多種多様。 「読む」ことができない子、 「書く」ことができない子、 男でもなく女でもない真ん中のあの子、 養子縁組でほかの家族のなかで悩む子、 親の期待に応えたい拒食症の子、 匂いに敏感な「化学物質過敏症」の子。 自分だけが、特別ですか? 自分だけが、我慢すればいいですか? 「ほかとは違う」あの子が生きやすい世の中に、せめて変えていけたらいいなと思う。日本はみんなと一緒と前ならえが好きだからなあ、、。 大切なのはいろんなひとがいろんなことを知っていくこと。「あの子だけずるい」にならないように教育していくこと、知っていくこと。 ただちょっと、この本に出てくる大人と親が、まともな人が少なすぎてどうなのだろう…
2投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログ書かれていることが、出てくる子たちが、とてもリアル。中学生って自分のことがだんだんわかってくる時期だと思う。でも狭い世界にいると、人と違うことは「変」だって、「普通」じゃないって思われる。 違うことを受け入れること、理解することは難しいかもしれないけれど、そうできる人になれたらいい。
0投稿日: 2021.01.31
powered by ブクログ素晴らしかった。 作者の熱量や思いがひしひしと伝わってきた。 読後に改めて良いタイトルだなと感じる。 小学生や中学生の頃は同じ学区というだけで通う学校が決まっているから、当然家庭環境や学力もさまざまな子がいた。 大人になって、しかもこういう題材を扱った作品に関心があるからこそ、やっと多様な「違い」というものに対して少しは想像力を巡らすことができるようになったけれど、当時は、この本に出てきてもおかしくないような彼・彼女たちに対しても「なぜ?」と思うだけだったし、周囲の大人が理解をしようという素振りもなかった気がする。 今考えればそれは、努力をしていないだとか、わがままとは別のものだったのかもしれない。 印象的だったのが、理幹の"LGBTやLGBTQ、LGBTQIという言葉を本で読んだときから、自分がまわりから「LGBT」だと思われていると感じるようになった。"という台詞と、梅田がLGBTの虹色の本を手にして理幹に迫る場面。 自身のセクシャリティについて悩みのない人間からすれば「LGBT」という単語が広く知られることでそういった人たちも生きやすくなり、良い風潮だと考えるけれど、それはそう単純なものでもないのだろう。そういう単語を知っていたとしても「理解したい」と思う人間なんていうのはほんの一握りだということ。(そもそも理解したいなんて思うことこそが間違っているのかもしれないけれど…) LGBTに限らず、安易にそういう単語だけが一人歩きすることで、本人ですら整理がついていないのに周囲から勝手にラベリングされてしまうこと。そういう新たな苦しみを生み出してしまうこともあるのだということがとても難しいと感じる。 あと、なんとなくビバノンノンさんは小晴の兄かと思っていたのだけど、それは違うかな...。
1投稿日: 2020.10.22
powered by ブクログ子供たちが悩みながらも、怒って傷つきながらも、自分で考えることのできる子たちでよかった。 誰もがみんななにかしら抱えている。 かもしれない、のきっかけをくれる物語。タイトルがとてもいいな。子供はもちろん、(わたし自身が大人を教師を好きになれなかったこともあり)大人に読んでもらいたい。これは自分も、相手も、年齢関係なく、いつまでも忘れずに意識すべきものなのだと思う。 ただ、もどかしさに悶えたりもする(個人的に出てくる大人が菊ちゃん先生と心桜のお父さん以外ずっとむかむかした…あと梅田と田西…ちゃんと向かい合ってくれる人がいるのになぜ伝わらないのだ…!) ただだれもかれもが、抱えすぎていて、抱えていない(と一般的に思われる)子たちの意識も、わたしは感じたかったと思う。
2投稿日: 2020.09.23
powered by ブクログ感情の動きが細かく描写されていて、引き込まれて読み進めてしまう本でした。 内容は、自身について悩んだり悩みに立ち向かったりしながら日々をおくる中学生の登場人物たちの、それぞれの語りによる連作です。たとえばディスグラフィアやディスクレシアの傾向があったり、生い立ちに悩みがあったり。本人の向き合い方や周りの大人の反応や対応は様々で、理想の自分や実際の自分と照らし合わせて感じることの多い本だなーと思いました。娘も読んで、似てると思う/好きな登場人物について話したりしました。
1投稿日: 2020.09.06
powered by ブクログ多様化大切‼️ 大人が子供の事を少しでも、理解をしてくれれば、悩みも減るんだろうなーと思う 男でも、女でも性別やもろもろで否定する義務は、ナイト思うなぁー
1投稿日: 2020.08.29
powered by ブクログ配慮の必要な子供たち。 理解しようと思わなければ、 寄り添う事は難しい。 学校の対応は、いつも保守的で、 考えさせられる。
1投稿日: 2020.08.19
powered by ブクログ2020/6/22 913.6||ナシ (3階日本の小説類) 中2のひすいは本を読むのが深刻に苦手。さまざまな、見えにくい困難を抱える子どもたち。 どうしたらいいか、彼らは葛藤し、何かをつかんでいく。 「配慮とは、する/されるの一方通行じゃなくて、両方が一緒になにかするのに必要だから、どちらからも矢印が向かい合っているもの」
1投稿日: 2020.06.22
powered by ブクログ5人の中学2年生の目を通して描く連作短編集。 たぶんディスレクシアで、読むことがとても苦手な、でもそれを正面切って認めたり、周囲に配慮を求めたりするのはいやな、ひすい。そのひすいと同じクラスで、女子だけれど体が大きくさばさばしていて男子と間違えられがちな理幹(りき)。字を書くことが極端に苦手で、ひすいとは対照的に自分でその原因を調べ、周囲を説得して「合理的配慮」を求める心桜(こはる)。ひすいの弟――両親を事故で亡くしてひすいの親に養子としてひきとられた――で、高い知性と繊細な感性を持つ拓真。そして大人のいうことを聞く「いいこ」であろうとするあまり自縄自縛になり、過食症になってしまう小春。 だれもが問題をかかえていて、「中二病」という言葉でくくったらそれでおしまいになってしまうけれど、そんなものじゃない。だって、中二が終わったら終了するというようなものではなく、ほうっておけば大人になっても同じ問題を抱え続けることになるだろうから。実際、この作品に登場する大人たちもみな問題のある人ばかりで、児童文学にちょいちょい登場する、聡明な導き手はだれもいない。ひすいたちの担任の角野先生なんてひどいものだけど、“親には評価が高いが、世間体を保つのがうまいだけで、子どものことがさっぱりわかっていない”という先生って、実際いるからね。読んでいてむかむかするほどだった(^_^;; 周りの大人がちゃんと機能していない場合、子どもはなんとか生きのびて自分で知恵をつけて解決するしかない。だからこそ、心桜(こはる)が、苦手な書字で絞り出すように書いたメッセージ「生きてようね。みんな、死なないで、生きていてね」が、痛切にひびくのだろう。 でも、この作品にはもうひとつ大切なメッセージがあった。それは、ひとりで悩まないで「困ってる」と声をあげようということ。そうすれば、誰かしら手を差しのべてくれる人や助けてくれる人が出てくるかもしれない。 それが凝縮されているのが最後の1編。日本では往々にして、声をあげた人が、平和をかき乱すわがままな人と捉えられがちで、学校などはまさにその縮図なのだけど、それをどうやって必死に突き崩していくか。 そういう意味でも、大人子どもを問わず、今読まれてほしい本だと感じた。
0投稿日: 2020.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かったです 所々嫌いなわけではないができないところやサボってるわけでなくできないなどといったことがある子たちの短編集なので読みやすいです 孤児や臭い、本を読むのが遅い、字が雑になってしまう、大人の期待に応えたいなどといったことのある子からの目線なので難しかったです
1投稿日: 2020.04.02
powered by ブクログ思春期の子たちに(こっそりでもいいから)読んでもらいたい本。それぞれに何かしらの「困難」を抱えた中学生たちが主人公。障害と言えるものもあるし、そこまでではないものもある。ただ、みんな何かしら「困難」を抱えていること、その「困難」が立場が変われば見方も変わること、が瑞々しい文章で描かれています。 著者のこの視点、この世代の子たちへの寄り添い方がすごいと感じていたら、あとがきで納得させられました。著者自身がこういった「困難」を抱えて生きてきたことが書かれていました。 これから多様性がキーワードとなる社会で生きる子たちに、これらが「困難」でありながらも受容される社会を作ってもらうために、是非読んで欲しい一冊です。
0投稿日: 2020.03.31
powered by ブクログ周りには理解して貰えず1人でもがいたり、葛藤している思春期の登場人物の感情をすごくリアルに描いていて良かった。ごく普通クラスには色々な生徒がいて、それぞれ悩んだり、考えたり、お互いに理解し合い、助け合いながら成長していく同年代の登場人物に感動したし、色々な子がいるんだという発見もできた。
0投稿日: 2020.03.19
powered by ブクログ中1の娘曰く「この人の物語は曇ってる」…確かに明るくて楽しいストーリーではないけれど、私はある意味とても現代のリアルを切り取っているように思えたし、瑞々しさすら感じた 語り手が変わると同じ出来事が全く違う現象に見えてくる それが「相手の立場になって」ということなんだろう 人に分かってもらうのは難しい…そう言えば、地震の後受診した病院でも「そんな言葉が欲しかったんじゃなくて、ただ怖かった気持ちを受け入れてもらえるだけで良かったのに」と感じた25年前のことを思い出した きっと息子や娘との関係も同じことだね
1投稿日: 2020.03.15
powered by ブクログ読み書きに困難を抱える血の繋がらない姉をもつ拓真は、養育里親の制度でひすいと家族になった。女にも男にも分けられたくない子、文字を書くことに違和感を持つ子、過食気味の子、過敏症の子、いろんな困難を抱える中学2年生が登場します。わがままを言ってる?怠けている?決めつけると見えなくなること、知っていると変わってくることがあります。自分やまわりの困難を知るきっかけになる一冊。
0投稿日: 2020.01.15
powered by ブクログ両親と、同学年で3ヶ月違いの養弟と暮らすひすいの、新中学2年の担任教師は、個人が読んだ本と感想を書いた「読書カード」を掲示し、班ごとに冊数を競う方針を掲げた。彼女は、本そのものや読み聞かせは好きだったが読むことは苦手で、なかなかカードが出せず焦っていた。ところが、同じクラスの入来理幹は、プライバシーを理由にカードの提出を拒む。担任に気に入られたいひすいは、理幹の行動に驚くが、同じクラスの心桜の汚い字で幼い文章のカードにも、その字をパソコンで打ち替えたカードに張り替える担任教師にも驚くのだった。 ディスレクシア、書字障害、化学物質過敏症、里親養子、外国人の血筋、過食症……、中学2年生の様々な悩みを、語り手を替えながら描く。 *******ここからはネタバレ******* 異性で、しかも実娘と同学年の養子を迎えた親子がどう物語を展開していくか期待しながら読み始めたこの本は、結局、物語としての進展は見せず、いろいろな悩みを紹介して終わりました。 特に、著者の抱えている困難と同じ書字障害や化学物質過敏症についての記述はこれが中学2年生の言葉かと思うくらい詳細で、解説書のようです。 他の人には理解してもらいにくい困難さを理解しようとしよう、お互いが気持ちよく暮らせるように配慮し合おうということで物語は締めくくられますが、本作で紹介される悩みがたくさん過ぎていささか消化不良に感じます。 とはいえ、共感できるところもありました。理幹が、読書カードとプライバシーについて争ったところです。 私自身、高校生の時、大嫌いな国語教師から自らの心情を描いた作文を書くように言われて拒否したことがあるので、気持ちがわかります。 今でも、学校に掲示してある絵や習字等の作品、文集等を見ながら、子どもたちは自らの作品の公開を拒否できないのか、したくない子もいるだろうにと考えてしまいます、教育とプライバシーの境目についてもっと議論してほしいところです。 物語としては物足りないが、たくさんの議論のネタを提供してくれる道徳の教科書のような一冊です。 表現は平易で読みやすいけれど、ところどころ深いところがあるので、中学生以上か、しっかり考えるのが好きな高学年からオススメします。
19投稿日: 2020.01.06
powered by ブクログ生きることや勉強することに困難を抱えていたり、自分のアイデンティティを模索したりしている中学生達のお話。 現代の子ども達の身近にある問題について、本人の気持ちだけでなく、周りの人達の視点でも考えることが出来る。 ドラマや小説、教科書で、ディスレクシア、LGBT、アレルギーなどの話が出てくると、自分はちゃんと皆のことを理解できていると思いながら読む。 しかし、もし自分の子どもや友人が当事者の場合ではどうだろうか?同じように、冷静に、相手の立場になって考えることが出来るだろうか?この本にも登場する、何も分かってない親や教師のような反応をしてしまうのではないか…? 頭では分かっていても、感情や言動をコントロールするのは難しいだろうなぁと考えさせられました。 ストーリーとしては、最初の、ディスレクシアの姉と、血のつながらない弟の家族の話が、この先どう進んでいくのかも読みたかったなぁと思いました。
0投稿日: 2019.12.19
powered by ブクログ読字障害の疑いがあるひすい、性別に分けられることに違和感を感じている理幹、漢字を書くのが苦手な心桜、両親と死別しひすいの両親の養子となった拓真、大人の期待に応えたい過食気味の賀川、化学物質過敏症で教室に行けなくなった留美名。 この本には、彼らのような生きづらさを抱えた中学生達が登場する。 その中でも一番印象に残ったのは、性別に分けられることに違和感を感じている理幹だ。彼女は、体は女性でも、心は女でも男でもない、いわばXジェンダー、無性愛者である。 多様性を求める社会となった今でも尚、この社会は「男」か「女」に分けたがっている。 例えば、学校の模試や入学試験の願書、パスポートなど、私たちは様々な場面で、性別を問われている。 かくいう私の学校では毎月一度、頭髪服装検査が行われる。 特に髪型については厳しく指導される。 男子は目、耳、襟に髪の毛がかかってはいけない。 これまで約15年の間に育まれてきた私たちの個性は、大人達の手によって、大人達のものさしで測られ、切りそろえられていく。 もしも、性同一性障害で、体は男性でも心は女性という人が髪を伸ばしたら、私の学校の大人達はどのように対応してくれるのだろうか。 それでも彼らは彼らなりの「普通」を押し付けてくるのだろうか。 この本に登場する中学生達は皆悩みを持っている。それでいて、彼らは人から「個性的で変わった人」というふうに見られてしまう。 私の目には、食事中でも電車の中でも歩いていても、薄っぺらに光る四角い端末を飽きることなく凝視している彼らの方が、よっぽど変わっているように見えるのは、単なる視力の問題なのだろうか。
4投稿日: 2019.11.12
powered by ブクログすっっっごくよかった! 学校図書館に置くべき一冊だと思う 手渡したい生徒の顔が何人も浮かんでくる 個人的には、デイジー図書を生徒にも分かりやすいところに排架し直さなきゃとか、リーディングトラッカーを気軽に使えるようにできてるかとか、今いる図書館を見直すきっかけにもなりそう この本の彼らが気持ちよく使ってくれる図書館でありたいと強く思った
0投稿日: 2019.09.29
powered by ブクログ本を読むことが苦手でディスレクシアのグレーゾーンにいる子、字を書くことに違和感を持つ子、自分を女にも男にも分けられたくない子、過敏症で教室に行けない子、親と死別し養育里親の養子となった子、大人の期待に応えたくて過食気味になる子など、「みんな」と違う子がその違いに対峙していく連作短編集。 「みんな」と違うことに対しての、本人の反応や対応は様々です。そういうものだから仕方がないと諦めてしまう子、受け容れようとする子、必死に抗う子、自分の中に閉じ込めてしまおうとする子、どうしていいかわからず困惑する子。 「みんな」と違うことに対しての、他人の反応や対応も様々です。困った子だと思う、自分勝手なワガママを言っていると思う、迷惑だと思う、何とか力になれないかと悩む、そんなものだと受け容れる、そして全く気付かない気付こうとしない人も。 作者お得意の共通した舞台での語り手を変えた連作短篇の手法により、「みんな」と違うことに対しての、本人の思いと他人の見え方が交差し、より厚みと深みを増して読み手に提示されます。 本人が困っていることも、本人が必死に頑張っていることも、他人には違うように受け取られることがあることが書かれています。しかし書かれることによって困っているのだ、だから悩み何とかしようともしているのだと読み手に伝えるのです。 この作品は今現在困っている子には、寄り添い力となってくれるものとなるでしょう。作中には困っていることに対しての対処の仕方もエピソードとして織り込まれており、巻末には参考となる情報源が示されてもいます。 そしてこれは今現在困っていない全ての人にも読んで欲しいものとなります。あなたの目に怠けていると見える人、ワガママを言っていると見える人、みんなの和を乱す存在に見える人は、本当はその人自身が困っているのかもしれない。どうしようもできないのかもしれない。 その困ったことを除き取り助けることができるとは限らない。でも困っているということを知ることにより、寄り添い救える心はきっとあるでしょう。そんなことに気付かせてくれる作品でした。
0投稿日: 2019.08.25
