
総合評価
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powered by ブクログ青春は、音とともに――それぞれの想いが響き合う、ひと夏のハーモニー。 --- 人気シリーズということで気になって手に取った『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』。聞いてみると、まるでアニメのようにテンポがよく、軽やかに物語が進んでいきました。朗読を担当する声優さんの表現力も素晴らしく、まるで登場人物たちが目の前で演奏しているかのような臨場感があります。 自分は吹奏楽とは縁のない学生時代を過ごしてきましたが、それでも彼女たちの「本気で何かに打ち込む姿勢」や、仲間とのぶつかり合いの中で少しずつ成長していく姿に、どこか懐かしい青春の感触を思い出しました。 音楽を通して描かれる“努力の輝き”や“仲間と奏でる一瞬の奇跡”は、部活経験の有無を超えて心に響きます。吹奏楽をやっていた人はもちろん、学生時代の情熱をもう一度感じたい人にもおすすめの一冊です。
14投稿日: 2025.11.05
powered by ブクログアニメは未見。 学年同士の確執や去年までとは違う顧問の方針への戸惑い、色々なものを乗り越えてコンクールへ向かって部員たちが「チーム」になっていく過程は良いですね。 やっぱ部活ものには「真剣だからこそぶつかり合う」展開がないとね。 アニメも見て先の展開はアニメで追うか、原作をこのまま読み進めるか。 個人的には登場人物みんな関西弁なところが京都の学校の雰囲気出てて良いなーと思ったので、アニメで先の展開見ても小説で読みたくなっちゃうかも!
9投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログ僕の2024年の夏は響け!ユーフォニアムの夏だった。もちろんアニメはその以前から視聴していましたが、一気見をして身を熱くする思いをして原作に手を出したのは昨年でした。著者の武田綾乃もあの野崎まどのタイタンに競り勝って賞を受賞したりして、今めちゃくちゃ熱い若手のお一人ですよね。
0投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログ学生の頃はかなりしっかり吹奏楽をやっていたが、そんな簡単なものじゃないよと思いつつ、あるある話だなーと思いながら楽しく読んだ。
0投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アニメ、映画と観てからの原作。大まかな話はアニメ同様だけど、原作では久美子以外はほぼ関西弁なのと、本だからこその細かい描写もあり、面白かった。ここ数年は弱小だった北宇治高校吹奏楽部が、新しい顧問の滝先生が来て、新しい新入部員が入って、目まぐるしく成長していく姿に部活って良いもんだったなぁ!と思い出した。学生ならではの人間関係のごたごたもわかるし、それでも彼女たちは一つ一つに真剣で、夢中になれることがあるって素晴らしいと思う。人間関係にしてもそれぞれの人物像がはっきりしてるから、それも面白かった。
1投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログアニメ→原作の流れで読み始めたので話の流れは分かってたけどそれでも惹き込まれて熱くなれた最高の一冊でした! 少し気になった点 ・最初に気になったのは久美子以外のみんなが関西弁だったこと。アニメで標準語に慣れてたから違和感あったけど京都だし、関西弁の方が自然かもね ・アニメだと若干マイルドになってた中学時代の久美子と先輩のいざこざの部分がリアリティたっぷりに書かれてて、読んでてかなり胸が苦しくなった。あとレイナがソロ取ったあとに先輩達から事あるごとに陰口叩かれすぎててこいつらと今後やっていけんのかとはちょっと思ってしまった。中高運動部で吹部のことは何も分からないけど実際、こう言うこともあるんだろうか。 少し気になる部分はあったけど吹奏楽の知識ゼロの自分がここまで楽しめるとは思わなかった。中高時代、部活中に吹奏楽の演奏が聞こえるのは日常だったけどその裏にこんな世界があったのか!と新鮮な気持ちで読めた。部活全体で一つの目標に取り組む青春の姿も小さな人間関係で悩む姿もそのどれもが大学生になった自分にはもう手の届かないようなものであるように感じて眩しかった。 猛練習の末に掴んだ関西大会への道。この先一体どんな結末を迎えるのか、アニメも小説も非常に楽しみだ。
1投稿日: 2025.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アニメ視聴後。思ったこと箇条書き。 ・みんな関西弁!?と思ったけどここ京都だし、アニメが特殊だったんだな〜。 ・久美子が思った以上に色んなものを見ている、肌見すぎでは…? ・緑輝…りょ、りょくき…。 ・サファイアと読もうと頑張ってたけど、諦めて「みどり」読みが定着してきた。 ・みどりはアニメよりもズバズバ言うし、興味関心の振れ幅がデカい感じが強調されてて超人感が薄い。好き。 ・アスカ先輩「久美子ちゃん」 ・????? ・アスカ先輩も香織先輩に話し続けたり、ボソッと発言を聞かれてたりして超人感が若干薄れてる気がする。相変わらず怖いけど。 ・夏紀先輩が饒舌。 ・大してやる気ないけど舌は回る感じで、この子苦手かもな…と思う第一印象。アニメだとクールなダウナー寄りのキャラが徐々に熱くなってくイメージだったので、意外だった。 ・今の2年と3年でバチッで辞めたのは流石にギスギス設定過ぎて胃袋吐きそうだった。 ・この設定で希美先輩帰ってこれるの…?ホンマに? ・全国大会行ける気がしない…。 ・サンフェス早っ!アニメ版はガチで再構築してたんだな〜と感動する。削るとこ削って増やすとこ増やして凄いな。 ・葵ちゃんのシーンでチラッと見てきたアスカ先輩は、無意識に久美子からもどう見えてるかを考えてたみたいな感じなんだろうか。マルチに頭使ってるとそういうの出来そう。知らんけど。 ・久美子が秀一の髭の痕見てんのなんかおもろい。夕方くらいになると高校生でもちょっと分かるくらいには伸びるしな。アニメのあの空気だと絶対ない描写だ。 ・みどり!妹と県祭り行かないのか!?ママでもええけど! おもろすぎてこの辺から感想書かずに読み終えてしまった…。アニメと色々違うから新鮮な気持ちで楽しめた。でも、「裏切ったら56して良い」がないのはかなり驚いた。僕はあのシーンがすこぶる好きなので。
0投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログ強豪部活だとしても、というか強豪部活だからこそ?人間関係は目まぐるしく動いてる。陳腐な言葉だと、青春してるな 緑ちゃんがとても好きで、マインドを見習いたい。私は吹部未経験だけど音楽が好きで、自分が楽器を操ってるかのように思えるこの小説が好き アニメも小説も好き。是非続きを読みたい
0投稿日: 2024.11.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の久美子は子どもの頃からユーフォニアムをやっているが、自分で希望してこの楽器を選んだ訳ではない。なんとなく、人気がなくて余っていた楽器だったからなのだ。そこが、最初にホルンを選んだ自分の経験と重なった。でも、演奏している内に段々と自分の楽器に愛着が出てきたのも久美子と同じだったな。 部内での先輩後輩のソロ争いや、コンクールに出るための選抜戦。「ダメ金」。どれもこれも懐かしい。 久美子は周囲より早く楽器を始めているのもあって、今回のコンクールに出られたけれど、2年生の先輩は出られなかった。出られなかった当の本人より久美子の方が落ち込んでおり、久美子が過去に辛い経験をしてきたシーンも描かれる。実力主義なんだから、久美子のことを恨むのはお門違いだと言いたくなるがそれは正論で、そういう感情が出てきてしまうのはしょうがないことだ。熱心に部活をやっていれば猶更。しかし、夏紀(2年の先輩)は違った。自分を差し置いてコンクール出場を決めた久美子を気遣っていさえする。夏紀は特に好きなキャラクターで、後輩を気遣えるところだけではなく、地道に努力をしているところを好ましく思う。 不思議に思うのが、本書に登場する人物は皆それぞれ魅力的なのだが、久美子だけが私は掴めない。その理由をはっきりとは説明できないのだが、久美子が本当はどうしたいのかがよく分からないからだと思う。今後、久美子は変わっていくだろう。周囲の人に触発されて、久美子自身が本当にユーフォニアムを吹きたいと思えるまで、もう直ぐだと思う。
1投稿日: 2024.09.14
powered by ブクログアニメが素晴らしいと聞いて、まず原作から手に取ってみた。たぶんこれ1冊を読んだだけではこの作品の魅力は完全に理解できないと感じたので、今後もシリーズの続きを追っていきたいと思った。楽しみ。
0投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ丁度ユーフォ3期が終わったタイミングで原作の読書をスタート。ある程度内容が分かっているのもあるが、非常に読みやすかった。 改めて武田先生をはじめ京アニや関係者の皆さん、素晴らしいアニメ作品を作ってくださり、ありがとうございました。
1投稿日: 2024.06.30
powered by ブクログAmazonプライムでアニメを観てハマりました。この方の作品は短編集を一冊持っていたので名前は知っていましたが…。シリーズ化したのが読んでわかる。アニメとはまた違った楽しみがあります。部活に青春の全てを捧げられるのは、学生の特権だと思う。吹奏楽部は厳しいけど、努力したら努力した分返ってくるのが気持ちいい。読んでいて、凄くワクワクが止まらない。これからも応援させていただきます!
3投稿日: 2024.06.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館で貸出予約して1ヶ月。 ようやく手元にきた!! 嬉しすぎて貸出カードを受付に忘れて帰ってしまうほど笑 アニメも良かったけど、原作小説も面白かった! まず、久美子以外が関西弁なのに驚いた笑 宇治市の街並みの描写も細かく、 学生時代に一人旅で宇治へ行った時のことを思い出した。 聖地巡礼でもう一度行きたい。 自由曲は、あすかと緑が上手いから低音が目立つものにしたとか、 塚本が久美子とよく絡むなぁとか、 アニメでカットされてたり 文字にされて初めて気がつけたこともあり勉強になった。 特に、夏紀先輩と久美子がマックで話すシーン。 去年までやる気なかったのに今年は一生懸命取り組んでいるのは空気が変わったから。 空気に左右される集団。 少しついていけないし、これでは去年やめた子達に申し訳ない。 と夏紀が語るのを聞いて、なるほどねえと納得した。 アニメでは自分より上手い後輩にも優しい先輩といった部分が強調されて、私には聖人めいて現実感なかったけど 原作でこのセリフを言う夏紀先輩にはぐっと親近感がわいた。 続きが気になる早く2巻も読みたい。
1投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アニメを観て、こちらもちゃっかり読み始めました。 登場キャラクターの関西弁にびっくり。 アニメで観ていたので大まかな展開は知っていましたが、やっぱりよくできた構成だなぁと思います。読んでて楽しいし、面白い! 次の作品も読みます。
3投稿日: 2024.05.12
powered by ブクログ40年前吹部だったおばちゃんをも、現役で部活をやってる気分にさせてくれます。コンクールの最後の音出しやステージ袖の緊張感、結果発表の息を飲む感じ!臨場感満載でした。
11投稿日: 2024.04.30
powered by ブクログ3期のアニメ放送を前にして、TVアニメシリーズを見返したり劇場版を再復習したり、の一環で。久美子以外の登場人物が方言だったのにはちょっと驚いたけど、アニメ化に際して標準語に調整したのは好判断…だったのかもしれない。 この原作あってのアニメ。ただただありがとうございます。
0投稿日: 2024.03.29
powered by ブクログ自分も吹奏楽部だったので、共感したり懐かしいと思う部分が多かったです。アニメから入ったので、関西弁なところもまた新鮮に感じて楽しく読めました
0投稿日: 2024.02.21
powered by ブクログ吹奏楽を始めた頃のことを思い出させてくれる一冊です。顧問次第で演奏が変わる、という事実を見事に描いている作品だと思います。次の作を読みます。
0投稿日: 2024.01.25
powered by ブクログ文句無しの超オススメ。 吹奏楽の知識が無くても楽しめるので是非読んでみてください。 アニメもあるのでアニメ見てからの方が声や音楽をイメージしやすいかもしれないです。 「アニメ見たから読まなくて良いか」は間違いです。 読みましょう。必ず新しい発見があります。
0投稿日: 2024.01.10
powered by ブクログゆるゆるの部活動も楽しいけど、がっつりと全国を目指して頑張る部活動も悪くない。練習をしようとしなかったメンツが残ったという割に結果が出たというのはちょっといただけないけど。
0投稿日: 2023.12.24
powered by ブクログタイトルしか知らなかったので。 私も中高吹奏楽部だったので、とても懐かしい気持ちになりながら読んだ。部活の成績が顧問によりいかようにも変わってしまうのは本当に激しく同意。 とはいえ自分は中高生全員一緒にC部門(上の大会がない)に出る方針の学校だったため、全国大会目指してというのは無く、全国行くぞ!という団結の仕方が少し羨ましく眩しかった。オーディションやソロ決めのギスギスはとても想像できる... それでもコンクール結果発表の瞬間のドキドキなどは共通していて、プロローグとエピローグでその辺が同じように且つ対照的に書かれているのも面白いなとおもった。 あと高校生の恋の萌芽が初々しくてキュンとする。
7投稿日: 2023.12.14
powered by ブクログフォローしている方の本棚から。 吹奏楽部ではなかった私にも読みやすく、高校生の頃の一日一日の濃度の高い感じがよみがえってきて懐かしい。 部員たちがそれぞれの思いを抱えながら臨むコンクールのシーンは緊張感と高揚感でいっぱいになった! それと同時に、こちらも吹奏楽部ではないけれど、部活を頑張っている高校生の長男の毎日もこんな風なのかなと思ったら胸が熱くなり、応援の気持ちを込めてお弁当のおかずをもっと豪華にしてあげようと思った。
8投稿日: 2023.10.14
powered by ブクログあなたは、『全国大会』を目指したことがあるでしょうか? 『全国大会』という言葉を聞いてそこに何を思い浮かべるかはマチマチだと思います。それは、あなたがかつて中学、高校で所属していた部活動によっても異なるでしょう。そんな言葉に細い目で遠くを見つめたくなる方は、『本気で全国に行きたい』と厳しい練習の中に身を置いたことがある方でしょう。一方で、『単なるスローガンというかなんというか』と和気藹々とした過去を思い出す方は、『出場して楽しい思い出を作』られただけの方かもしれません。 過ぎ去って見れば、そのいずれもが間違いであり正解とも言えます。現在のあなたの中にそんな過去を振り返ることが苦にならないのであれば、いずれにしてもそれは幸せな時代だったのだと思います。 しかし、過去のあなたの記憶にある部活動のあり方はあなたが選択した結果だったのでしょうか?それとも何も考えずにその部活動の雰囲気の中に自然と導かれた結果だったのでしょうか? さてここに、『今年一年間指導していくにあたって、まずは皆さんに今年度の目標を決めてほしいと思います』と語る顧問の先生の言葉の先に、自分たちが歩むべき道を自ら選んだ部員たちが主人公となる物語があります。『十年ぐらい前までは結構名の知れた強豪校』だったものの『いまは見る影もな』く落ちぶれた吹奏楽部が舞台となるこの作品。そんな部に新しい顧問が就任したことから何かが動き出すこの作品。そしてそれは、そんな彼らの歩みの先に『絶対、北宇治高校は全国に行く』と拳を握る主人公の決意を見る物語です。 『緊張で死ぬかもしれへん』と隣にいた梓がつぶやくのを聞いて、『私も、と答えながら』『目を見開』いたのは主人公の黄前久美子(おうまえ くみこ)。『立て看板に並ぶ』『京都府吹奏楽コンクール』という『関西大会を目指す』この場に来るのは三度目だと思う久美子。そんな中、『ゆっくりと紙が広げられ』『並んだ中学校名』の隣に『金、銀、銅の文字』が書かれています。『金や!』『久美子!何ぼーっとしてんの!金やで金』と叫ぶ『梓に抱きつかれ』『ようやく笑みをこぼした』久美子。『金は金でも関西大会には進めないダメ金だけど、まあでも金賞なら及第点だ』と思う久美子。そんな中に『トランペットを握り締めた』麗奈が、『悔しい。悔しくって死にそう。なんでみんな金賞なんかで喜べんの?アタシら、全国目指してたのに』と涙を流します。『アンタは悔しくないわけ?』と『吐き出された声が、久美子の心臓にまっすぐ突き刺さ』ります。そして『アタシは悔しい。めっちゃ悔しいねん』という麗奈の絞り出すような声が『久美子の脳にいやにはっきり刻み込まれ』ました。 場面は変わり、『続きまして、校歌斉唱』という声に立ち上がった久美子。そんな中に始まった吹奏楽部の演奏に『…これはヒドイ』と思う久美子は『不ぞろいなリズム、まばらなテンポ』に『高校でも吹奏楽を続けようかと思っていたが、このレベルならやめておこう』と思います。『関西大会どころか京都大会で金賞すら無理だ』と思う久美子。続いて『新入生代表、高坂麗奈』と『新入生の挨拶』に指名された麗奈を見て、『成績優秀』だった彼女が『どうしてこの学校を選んだのだろう』と思います。式の終了後、『一年三組の教室に入』った久美子は、早速、隣に座った短髪の少女から声をかけられます。『うち加藤葉月』と紹介され、話し始めたところに担任で吹奏楽部の副顧問の松本美知恵が入って来ました。『私はこの学校でいちばん厳しい教師だと自負している』と挨拶する松本は出席をとり始めますが、何人目かで『川島…りょくき?』と詰まってしまいます。『それ、サファイアです。緑に輝くって書いて…』と『猫っ毛の少女』が手を挙げます。そして、全員の点呼が終わりその日は終了となりました。『一緒に帰ろうや』と葉月に声をかけられ一緒に帰る二人は部活動の話をします。中学校の時テニス部だったけれど、『吹部に入るつもり。なんかおもろそうやし』と語る葉月に『私、中学のとき吹部だったよ』と返す久美子。そんなところに『二人とも吹奏楽に入るつもりなん?』と『猫っ毛の少女』川島緑輝が声をかけてきて、三人は一緒に歩き出します。そんな中、緑輝が『吹奏楽の超強豪校』である聖女出身だと知って驚く久美子に、緑輝は、自分は『コントラバスひと筋』だったと告げます。そんな緑輝に『久美子ちゃんは?』と訊かれ、『私はユーフォだったよ』と返す久美子。『なんよUFO』と訊く葉月に、『UFOじゃなくて、ユーフォ。ユーフォニアムっていう低音の楽器のことだよ』と説明する久美子。『高校でも吹部に入るつもりなの?』と訊く葉月に『うん、そうだよ?』と返す緑輝。しかし、久美子は『この学校の吹部って…なんというか、さ』と言葉を濁し『ダメ金すら無理そうやし』と続け『あんなレベルの部活で我慢できる?』と訊きます。それに『普通に楽しくやれたらいいかな』と答える緑輝に、『久美子ちゃんも吹部に入るん?』と訊かれ言葉を詰まらせる久美子。そこに『久美子も吹部に入るんやんな?』と『葉月が無邪気に尋ねて』きました。『う、うん…入るつもりだよ』と諦めたようにうなずく久美子に『三人で仲良くやってこな!』と溌剌と告げる葉月。二人が笑っているのを見て、『他人に流されるのも悪くはないかもしれない』と思う久美子。そんな久美子が吹奏楽部へと入部し、中学時代同様ユーフォニアムを担当し、コンクール出場をかけて練習に明け暮れていく日々が描かれていきます。 “授業だけでは得られない、吹部女子たちの心の成長を描いた感動ストーリー!”と本の帯に書かれた言葉が”ザ・青春”を感じさせるこの作品。『関西大会連続出場、全国大会金賞…』と『音楽室の壁』に飾られた『吹奏楽部の華々しい栄光』を過去に見る中に、今やすっかり落ちぶれてしまった北宇治高校吹奏楽部を舞台に描かれていきます。高校の部活動は大きく分けると文化系と運動系に分けられると思います。試合での勝利を目指して練習に励む運動系の部活動に比して、文化系の部活動は一見、地味に見られることが多いと思います。しかし、そんな中の唯一の例外と言って良いのが吹奏楽部です。それは一つには全国コンクールの存在、そんな大会への出場を目指して一致団結して練習に励んでいくイメージがどこか運動系の部活動に近いものを想像させるからだと思います。また、吹奏楽部は小説の素材としても相応しく、実際数多くの作品が存在します。私が読んできた中では、額賀澪さん「屋上のウインドノーツ」、「風に恋う」が強く印象に残っています。ご自身も中学校時代に吹奏楽部だったという額賀さんの作品で主人公が担当する楽器は額賀さんも担当されたパーカッション、そしてアルトサックスです。吹奏楽には欠かせない楽器が印象的に奏でられるそれぞれの物語は作者である額賀さんの吹奏楽への強い愛情を見るものでもありました。そして、この作品の作者である武田綾乃さんも小・中学校時代の五年間、吹奏楽を奏でられた過去をお持ちです。そんな武田さんが担当されていた楽器こそが、この作品の主人公・久美子が担当するユーフォニアムです。額賀さんの作品のレビューにも書いた通り、私もかつて吹奏楽に関わった過去があり、自分が担当していた楽器に対しての思いはひとしおです。額賀さん、武田さんがそれぞれ自ら担当された楽器を主人公に担当させる気持ちはとてもよくわかります。 そんな武田さんのこの作品では、吹奏楽について全く知識のない方にも戸惑わないように丁寧な描き方がなされているのがとても印象的です。そんな中からユーフォニアムをはじめとする金管楽器を鳴らすには、という基本のキについて触れられた箇所を抜き出してみましょう。 『金管楽器には吹き込み口となるマウスピースという部品がある。このサイズは小型の楽器ほど小さくなり、大型の楽器ほど大きくなる』。 この位はわかるという方もいらっしゃるかと思いますが、 『木管楽器と違い、金管楽器はこのマウスピースに触れた状態で唇を震わせる。金管は奏者の唇の振動により音を生み出すのだ』。 という点はご存知でしょうか? 『リコーダーのようにただ息を吹き込むだけでは音が出ない』。 という通り、強く息を吹き込めば良いというものではなく、『音を出すにはコツがい』ります。 『あー、音が出えへん!』 そんな風にいじける初心者の葉月。『楽器を吹いているのに音が出ない』ことにストレスを感じる瞬間。この作品では、音を出せるようになってみればなんのことはない、そんな風に本当のゼロの状態から始める登場人物を用意することで全く吹奏楽を知らない方にもとてもわかりやすく物語が進んでいきます。その他にも、『金管楽器でまず重要な基礎練習といえば、ロングトーン』、『ひとつの指使いでさまざまな音を出す金管楽器にはとくに重要な練習』という『リップスラー』、そして『同時に同じ音を出し、その高低差を調節する』という『チューニング』などなど、吹奏楽を知る方には当たり前でもある言葉の数々にも丁寧な説明が入ります。それでいて、読んでいて読者を熱くするコンクールの場面など、初心者から、上級者までさまざまな位置にある読者が楽しめるようにとても良く考えられた作品だと思います。数多の吹奏楽を題材にした小説の中でも頂点に位置付けられることも多いこの作品、その理由が良くわかります。 では、次にそんな作品の登場人物を整理しておきたいと思います。とは言え、舞台となる北宇治高校吹奏楽部に所属する生徒の数はこんな風に紹介されます。 『三年が三十五人、二年が十八人、一年が二十八人』の計八十一人 これら全員の名前が登場するわけではもちろんありません。ここでは、文庫本の表紙に描かれた六人についてご紹介したいと思います。それぞれが楽器を手にしていますのでこれで特定ができると思います。 ・黄前久美子: 主人公、ユーフォニアム担当、小学校四年で加入した金管バンドから中学時代を通じて同じ楽器、制服が可愛いことで北宇治高校を選ぶ ・加藤葉月: チューバ担当、中学はテニス部、日に焼けた褐色の肌、薄い唇 ・川島緑輝: コントラバス担当、中学時代から吹奏楽で同じ楽器、名前は『サファイア』と読む、ふわふわとした猫っ毛 ・高坂麗奈: トランペット担当、中学時代から吹奏楽で同じ楽器、部活のほかに教室にも通う、艶のある長い黒髪、こぼれ落ちんばかりの大きな瞳 ・塚本秀一: トロンボーン担当、中学時代は吹奏楽部でホルン担当、久美子の幼馴染、身長一八〇センチの細長男 ・田中あすか: ユーフォニアム担当、低音パートリーダー、副部長、饒舌、抜群のプロポーション、長い黒髪、(表紙の左上の後ろ向きの人物) 以上の生徒たちをまとめ、顧問を務めるのが、『今年からこの学校にやってきた』という滝です。 ・滝昇: 二年五組の担任で音楽担当、年齢は三十四歳、スラリとした体躯に、シャツ越しでもわかる均整の取れた肉体。柔らかな印象を与えるその甘いマスクは、瞬く間に女子生徒たちの心をガッツリとつかんでいた。 男女の人数比1 : 9という中にこの顧問・滝の印象は大切です(笑)。少し漫画チックではありますが、こういった細かいキャラクター付けがこの作品にはよくあっていると思います。しかし、この顧問、ただものではないその姿を次第に垣間見せていきます。 物語は、このような土台の上に、ある意味読者が期待する王道の物語が〈プロローグ〉と〈エピローグ〉に挟まれた四つの章にまさしく起承転結のわかりやすい構成をもって描かれていきます。そんな物語にはさまざまな要素がてんこ盛りです。注目すべきポイントを三つご紹介しましょう。まず一つ目は物語の作者である武田さんは京都府宇治市のご出身ということから、『京都』に関する描写が物語に独特な雰囲気感をプラスしているところです。『京都』を描いた作品は多々ありますが、この作品は他の作品であまり見慣れない『京都』が登場します。その一つが『毎年六月五日から六日未明にかけて行われる、県神社のお祭り』という『あがた祭り』です。また、『別名「暗夜の奇祭」』というその祭りの中で『山登ろうよ!大吉山!』と久美子が登るのが『正式名称は仏徳山』という標高一三一メートルの山です。知らない『京都』がたくさん!登場する中に展開する物語は、一般的な『京都』が前面に出過ぎない独特な雰囲気感を醸し出してくれます。 次に二つ目は、”恋愛&学園物語”が描かれるところです。なんと言ってもこの作品の舞台は高等学校です。当たり前に”学園もの”の雰囲気感に満ち溢れて物語は展開します。そんな中に、キュンとするような”恋愛物語”が描かれます。 秀一: 『お前さ、五日空いてる?』 久美子: 『え?五日って平日でしょ?普通に部活じゃん』 秀一: 『そうじゃなくて、部活のあと!』 久美子: 『部活のあと?…あぁ、もしかして、あがた祭り?』 秀一: 『…その、一緒に行けへんかなって思って』 久美子: 『あ、えっと…』 そんな中に、『普段ならなんとも感じないこの距離が、なぜだか今日ばかりは無性に近く感じた』と展開する物語は、ときめきと切なさが混じり合う感情の中に展開していきます。定石と言えば定石通りの”恋愛物語”なのかもしれませんが、間違いなくこの作品の魅力の一つだと思います。 そして、三つ目は『吹奏楽』を描いていく中で部員たちが見せるさまざまな人間模様です。これはどんな部活動でも同じことだと思いますが、普段どんなに仲の良い関係性であっても試合に出場できる数は決まっています。仲間でありながらライバル同士でもあるのが部員たちです。一年生から三年生まで三学年に渡る部員たちの関係性は普段は先輩、後輩という関係性に集約されます。この作品では、新しく顧問となった滝が『オーディションをやることに決めました』という大きな決定により物語を動かしていきます。『オーディション。その単語に真っ先に反応したのが三年生だった』という先に、不満が渦巻く三年生。そんな三年たちを滝はこんなひと言をもって制します。 『そんなに難しく考えなくて大丈夫ですよ。三年生が一年生より上手であれば、なんの問題もない。…違います?』 あなたが三年生だったとして、こんな言葉を投げかけられたらどう思うでしょうか?こんな言葉に反論ができるでしょうか?高校生ならではのドロドロとした、高校生だからこそのドロドロとした感情が渦巻いていく展開はある意味極めてリアルであり、そんな彼らには恐縮ですが、そこに描かれていくのは間違いなく面白い物語です。 また、そんな物語は、主人公・久美子の確かな成長を見る物語でもあります。物語の冒頭を飾る〈プロローグ〉では、久美子の中学最後のコンクールの結果発表の場面が描かれます。そこで、『関西大会には進めないダメ金』ではあるものの、『まあでも金賞なら及第点だ』と思った久美子。しかし、涙をぽろぽろと流す麗奈に『アンタは悔しくないわけ?』と問われた言葉が突き刺さります。そして、同じ高校の吹奏楽部で再会した久美子と麗奈はこんな会話を交わします。 麗奈: 『アタシはさ、特別になりたい』 久美子: 『トランペットを吹いてたら、特別になれるの?』 麗奈: 『なれる』、『だからアタシは、吹奏楽をやってんねん。特別でありたいから』 そんな会話の中に久美子は自問します。 久美子: 『どうして吹奏楽を続けているか。その答えを』『いまだ持っていない』。 この作品は、そんな久美子が吹奏楽を続ける答えを探す物語でもあると思います。『初めてその名を聞いたとき、冴えない楽器だなあと思った』と自らが奏でるユーフォニアムのことを思う久美子。『地味だし、マイナーだし。見た目もあんまりカッコよくない』というユーフォニアム。『だけど、それでも久美子はユーフォニアムが好き』。 『地味だし、マイナーだけど、その音は温かくて美しかった。ほかの楽器になりたいと何度も思った。だけど結局、ユーフォを選んでしまう自分がいた。久美子はユーフォニアムが好きなのだ。ただ好きなわけじゃない、大好きなのだ』。 そんなユーフォニアムを奏でていく久美子は強い思いの中に前へ前へと歩みを進めます。『全国に行けたらいいな』とは思うものの、『口先だけの約束みたいなもので、本当に実現させようだなんて思ったことは一度もなかった』という久美子。『期待すれば恥をかく。叶いもしない夢を見るのはひどく馬鹿げた行為だ。そう思っていた』という久美子。そんな久美子が思いを込める瞬間の到来。 『だけど、願いを口にしなければ叶うことなんてありえない。絶対、北宇治高校は全国に行く』。 『千五百以上ある高校のなかで、全国大会に残れるのはたった三十校足らず』という狭き門を目指してどん底から歩みを始めた北宇治高校吹奏楽部の活躍を描くこの作品。後半に向けて読者の気持ちを限りなく昂らせていく物語の中に、そこには期待に違わない素晴らしい感動のストーリーが描かれていました。 『どちらを今年の目標にするか、自分の希望に手を上げてください。全国大会に行くか、のんびり大会に出るだけで満足するか、です』。 顧問の滝が問いかけるそんな二択の回答に『全国大会を目標に練習に励むことにな』った北宇治高校吹奏楽部の活躍が描かれていくこの作品。そこには、ご自身もかつて同じ楽器を奏でられていた武田さんのユーフォニアムに対する愛情に満ち溢れた物語が描かれていました。まさしく”ザ・青春”が描かれていくこの作品。個性豊かな登場人物たちがそんな青春を駆け抜けていく様を見るこの作品。 嗚呼、『吹奏楽』ってやっぱりいい!、心の底からそんな思いが込み上げる”吹部もの”の傑作だと思いました。
168投稿日: 2023.09.30
powered by ブクログ定期的にアニメと行ったり来たりしている。 アニメと違う面白さもあって、純粋に楽しい。 吹奏楽あるある的なものも混ざってて、高校生あるある的なものももちろんあって、高校吹奏楽を体験した身としては、いわゆるエモい、というやつ。 その上高3のときの自由曲とおんなじなので個人的思い入れがすごい…笑
1投稿日: 2023.09.11
powered by ブクログアニメ、映画と見てから小説にも手を出しました。 アニメから入っているため登場人物の関西弁にまずは慣れるところから。 標準語に比べて関西弁になることでやっぱりキツく聞こえてしまうのは仕方ないところ。 そこは慣れてしまえば大丈夫でした。 ユーフォニアムのリアルな人間関係がとても好きで、小説はそこがさらにわかりやすくてよかったです。 久美子の性格の悪さがリアルでいい。 感情移入がとてもしやすいです。 知り合いがあんまりいない高校で、スタートしたかった という久美子の言葉が1番すきです
2投稿日: 2023.08.29
powered by ブクログ表紙のイラストから内容に若干の偏見を持って読みはじめたが、顧問と部員や先輩後輩の衝突等の人間関係や、しつこ過ぎない恋愛要素などのしっかりとしたストーリー、吹奏楽のリアリティある描写など期待以上の読み応えで、一年に数冊程度しか出会えないレベルの面白い小説であり1日で読み終えてしまうほどのめり込めた。 もう一度青春時代を追体験出来るほどにリアリティのある作品で後編を読むのが楽しみである。
10投稿日: 2023.02.05
powered by ブクログ「リズと青い鳥」⇒TV1期⇒TY2期⇒誓いのフィナーレ と見てきました。 そして原点たる小説版へ。 前提として、この作品がとても好きです。 好きなのでアニメも何度も見てます。 何度も見てるうちに、かすかなひっかかりがあることに気づき、それはなんだろうと自問自答し、言葉にしてみようと思います。 日本のアニメは話がわかりにくい。なんでそうするのかわからないが、わざわざ肝心なとこをとばして、あとから想像で補うようにする表現をちょいちょい入れてくる。なんでだ? ガルパンもリコリコもどっぷりハマるほど好きだけど、やはり同じようなところがある。 なお、まどマギにはそういったところはない。リズと青い鳥も、そういうところはない。 (なお、肝心なところを飛ばして(見せずに)あとから周囲の表現で想像させるという手法はそれがいいときもあれば、よくないときもある。常に悪いわけではない) で、響けユーフォニアムであるが、アニメ見てたときのわかりにくい部分は、わりと小説もそのままだった。小説をそのまま忠実にアニメにしていた。なので、響けに関しては、アニメのわかりにくさは小説に由来していた。 これは単に、どんなシーンを入れるか入れないか、どんな順番で並べるかという構成の問題である。 日本のアニメは構成が良くないのが多い、という印象。 そして響けの原作も構成が惜しい、という印象。 これはなんでなんだろうな~。 なお、構成の良さ(わかりやすさ)のお手本は、今年公開になった「トップガン」。アクションものなのに老若男女、みんな面白いと言ってるのは、構成が良いから。わかりやすいので、作品世界に没入できる。 という以上の説明はたぶんわかりにくいと思う。 なぜならそこをしっかり書こうとすると時間と気力が必要なんだけど、もう面倒なので、思いついたこと書くだけで精一杯。 そしてもう一度改めて言うが、響けは大好きです。
1投稿日: 2022.12.18
powered by ブクログいや面白い!!こんな感動と拳に力入る作品だったとは!女子高生の行き過ぎない人間ドラマで、ストレスなく読めました!展開も早くて、青春時代のように一瞬で読み終えてしまった! 青春はいつもすぐに通り過ぎる。
1投稿日: 2022.09.09
powered by ブクログ私が高校生の時にちょうどアニメ化され、登場人物たちと同じような感覚でアニメも小説もリアタイで読みました。 吹部だったので、「実際にこの先輩が部活にいたらどうか」とか「自分がここにいたらどう感じるか」みたいなものをよりリアルに想像しながら読み進めました。 某強豪校を思わせる学校が登場したり、演奏したことのある楽曲なども出てきて、吹奏楽やってた人からすると入り込みやすいと思います。
1投稿日: 2022.07.11
powered by ブクログ2022年5月29日 吹奏楽コンクールの様子を思い出した。 学生の頃の友達関係もあるあるで、懐かしい。
1投稿日: 2022.05.30
powered by ブクログ周りに流されて選択をしてしまう主人公の久美子にとても共感をした。わかる! 自分自身も多数決の場であればたくさんの人が選ぶ方に手を挙げてしまうだろうし、どっちつかずな中立の立場になってしまうと思う。人に良い子に見られようとその場に正しい言葉を紡ぐし波風立てないように何も言わない時だってある。全国大会か、のんびり大会に出るだけで満足するかの選択をするシーンで久美子が思った言葉にうーんと唸った。わかる〜……。 緑輝が全然緊張していないのを見た久美子がなぜ?と聞いた時に返ってきた言葉にもうーんと唸った。緑ちゃん強すぎる……。 勉強を優先してやめてしまった先輩部員の話も、三年生より上手でソロパートに選ばれた同級生の話も、記憶を辿れば身に覚えがありすぎる。自分の中学時代の部活とこの小説ないで起こる事件が、少しリンクしていて怖い。わかる!!が多すぎる。 続きは気になるし、読んでいる最中に自分の学生時代も思い出してしまうしで、とても不思議な魅力を秘めた一冊だった。これはアニメ化するわ!と納得。
1投稿日: 2022.05.29
powered by ブクログ小学6年生にお勧め本を探していて出会った1冊。 京都府宇治市。黄前久美子(おうまえくみこ)は小学生の頃から吹奏楽をやっていた。楽器は、中音楽器のユーフォ二アム。しかし人に流される性質のある久美子は、特に主体性で選んだわけでなく、なんとなくここまで来ていた。 入学した北宇治高校でも、新しく友だちになった葉月と緑に誘われるがままに吹奏楽部に入る。そして、三人で低音楽器パー卜の担当になった。 北宇治高校は、昔は吹奏楽強豪校だったが、顧問も代わり生徒の意識も変わり、いまではすっかり弱体化していた。 だが新しく顧問になった教師の滝は吹奏楽部員に問う。「きみたちは、なんとなくのんびり過ごしたいのか、本気で全国を目指したいのかどちらですか?」そう聞かれては「本気」と答えざるを得ない部員たちを相手に、滝の厳しい指導が始まった。 吹奏楽部には色々な考えの部員たちがいる。実力主義で全国大会に行きたい者、みんなで仲良く音楽を奏でたい者、自分が好きなだけ演奏できれば良い者、楽器大好きで上手い自分を見て見て!という者。 部活を通すことで、同級生のいままで知らなかった面が見えることもある。考え方の違いに仲違いが起きたり、部活を辞めるものもいる。部内での淡い恋もある。 だが滝の指導によりみんなは確かに上達していた。 そしてサマーフェスティバルが始まる。 === シリーズ第1弾。これはなかなか良かった。 部活を通しての思春期物語だが、テーマも登場人物も多いけれども話としてごちゃごちゃすることもない。 友情や同じ目的を持つ者の連帯感もあるし、学業との両立に苦しむこともあるし、レギュラー争いをすることで揉め事が起きることもある。過去には吹奏楽部内での揉め事もかなりあったようだし、恋愛のちょっとしたごちゃごちゃやら派閥?やらもある。それでもみんなが真剣に取り組んでいるので全体的に爽やかだ。 キャラクターも個性的だし、ヒロインが「流されて行きてきた自分」「人に合わせてきたけど実は冷めている自分」に悩むという自分探し・自立への道の部分もある。高校生たちのじゃれ合うようなお喋りも実に元気だ。 演奏の描写も良い。本当に音楽が聴こえてくるような文章だ。実際に吹奏楽で演奏される曲名や、演奏方法も書かれているので、YouTuberで曲を検索して聴きながら読んだ。
18投稿日: 2022.03.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アニメも見たけど、小説は全然アニメと雰囲気とか違ってて、面白かった! ちゃんとアニメの原作としてではなく、小説として面白かった~♪。吹奏楽部って、わたし、興味あつたから、この本で詳しく色々知れたら嬉しいな~♪。あすか先輩はちょっと怖いね……。久美子ちゃんはこれからどんどん頑張る女の子に変わっていくのかな? 続きも楽しみ~!
1投稿日: 2022.03.13
powered by ブクログ懐かしい思い出を追体験したような感覚。 こんなギスギスあったなぁ、とか、誰かひとりが吹き始めたら次々と吹き出していつの間にか合奏になったりしたよなぁ…なんて感情移入してたら最後で一緒に涙が出てしまっていました。 数年前にやった宇宙の音楽の名前が挙がってておっとなった。 残念ながらバスクラは物語に出てこないけど…ユーフォよりマイナーだけど、わたしも好きだからここからは上手になるためにというより、人生のスパイスとして吹き続けられたら、いいなぁ。と思いました。
1投稿日: 2022.01.04
powered by ブクログ吹奏楽部が舞台の青春小説。アニメ化を機会に読んでみました。おもしろかった!アニメは小説で書かれてないところも結構補ってるんですね。ラストで麗奈が涙ながらに久美子に抱きつくシーンが印象的でした。
1投稿日: 2021.11.29
powered by ブクログ周囲に流されちゃう主人公の久美子が、吹奏楽部で全国を目指すお話。 北宇治という架空の学校が舞台となっています。 地元の地名が出てくる話なので、親近感を持ちながら読むことができました。 北宇治は、どちらかというとダメダメな吹奏楽で、部員達にやる気が感じられない。 全国に行くという目標を掲げたのもなんとなく。 主人公も含め、本気じゃない人達が少しずつ本気になってきて、厳しい練習を経て上手くなることで、吹奏楽に夢中になる過程が魅力的でした。 先輩後輩にありがちないざこざ、部員同士の亀裂、顧問との衝突、以前とあるイヤミスで人間の綺麗じゃない部分を見事に描いていた武田綾乃の文才が感じられました。 女子同士のちょっと百合っぽい場面も、恋愛とかじゃなく女の子同士が惹かれ合う感じがうまく描けていたと思う。
1投稿日: 2021.08.09
powered by ブクログアニメがあるのを知らずに読みました。 平凡な主人公からの目線で書いてあった小説なんだけど、そこまで感情移入できなかったです。 楽器もやっていたんだけど。。。 評価が高かったから読んだんだけど、人それぞれなのかな。
1投稿日: 2021.08.09
powered by ブクログ青春だねー。コミックは小説の冒頭3冊分で終わってると思うけど、そこまで読んで面白い人なら、2年3年も、サイドストーリーも、面白い。アニメは観てない。
1投稿日: 2021.04.04
powered by ブクログ著者の表題作はこちらなのかな。違うタイトルから読んだので、やっと手にしたって感じ。 しかも、一度借りて期間内に読めなくて返却した過去もあるので、読むのになんやかんやかかったな。 …で、吹奏楽について丁寧に書かれてるのは、面白いなと思った。 わたしにはまったくわからん話なので(えっ)、正直 「ふーん…」 と、思うところは多々あるけど(楽器の名前を聞いて、ああ、あれやな、ともわからない。ぶっちゃけ、ユーフォニアムという楽器すらわからない)「吹奏楽部」の部活小説として楽しんだ。 …んやけど、途中から、学生ならではの人間関係にどうのこうのなるあたりは、ちょっと面倒臭いなー、とは思ってしまった。 面倒臭いというか、あ、そっち方面の内容の小説やったのか…、と、いうか。 もっと、スポ根吹奏楽(?)小説かと思ってたのよ。 次巻以降、そういう様相も呈するかな。わからん。 でも、校内予選で上級生を押しのけて下級生が選ばれたら、そりゃいろいろあるんやろな…、と、思ったけど、わたしらだって(=バレー部)上級生やからレギュラーになれるっていう決まりは何一つなかった。わたしらも、わりと、シビアやった。笑 終盤はちょっとダレて読んでしまったかな。 でも、次巻も読んでみる。 しかしめっちゃ京都の高校をモデルにしてる(っぽい)し、これを京アニがアニメにしてたのか…、と、思うと、……。 アニメで見ても、たぶん、楽しいやろうなあ。音があるもんね。
1投稿日: 2021.01.04
powered by ブクログ目の端にとめながら、ずっと読んでいなかったのですが、「自分たちが、この中にいる!」と吹部の子たちが言ってたよ~と聞いて。 弱小吹奏楽部に流されるままに入った久美子。 新しく顧問になった滝先生の指導のもと、やる気の無かった部内の空気もやがてピンと張り詰めたものになっていく。 部内の友だちや先輩後輩との物語、音楽やってないと物珍し楽器の練習光景などに引き込まれていきます。 吹部の子たちは、こんな青春を送っているんだね!
1投稿日: 2020.10.18
powered by ブクログ京都のとある高校の吹奏楽部を舞台にした青春小説シリーズ第一弾。アニメ化もされている。 人物描写と各人物の関係性が中心なので、音楽についての描写が少ないのがちょっと残念。読んでいて音楽が聞こえるような部分が加わると話の深みが増してより一層良い小説になるように思った。この点ではアニメ化されたのは原作の弱点を補う形になり、良かったのでは。 あと、青春小説の割には恋愛シーンは少なく、一方、ちょっと百合をにおわせる部分があるのは異色。もしかするとこのラインで同人誌が既にあるかも。
7投稿日: 2020.09.19
powered by ブクログまだ読んでいなかった人気作。いつか読もうと思っていた人気作。それは実に大量にあります。せめて1巻だけでも読んでおこうと、手当り次第に読んでいます。そして人気作というのは、やはり面白いのですね。面白いからこその人気作だと納得します。 やる気のない部活が顧問の指導により練習を重ね上達し大会に臨む。部活ものの王道だけど、そこに「空気」を持ち込むのが面白くも怖い。 大会を目指すかどうか。消極的に、でもみんながきっとそう思うだろうからと目指すと挙手する。そんな消極的な態度だったのに、いつの間にか代表に選ばれるために練習を重ね、選ばれなければ涙する。 何となくみんながそうだからと流される。それを作り出す顧問。でも上達することで楽しくもなる。もし初めの段階で部員たちが大会を目指さず楽しむ部活にしたいと言えば、顧問はどのように対応したのだろうかと気になった。いや、あの場で大会を目指さないなどと言える生徒は少ないと確信していたのだろうか。音楽が好きで音楽に真面目で熱心。それはわかるけどそれ以外がわからない顧問が怖く感じた。 そして空気だけによらぬ人間関係の綾。人と人がいるからこそ心が動く。男女の恋愛関係だけでなく、同性のふたり、先輩後輩という関係、同年齢の友人、さまざまな関係性が吹奏楽部という括りの中で醸造される。 それは愛情・友情・尊敬・信頼など既存の言葉だけでは括れない関係かも知れない。その関係性に惹かれる読者が多いのも想像に難くない。こりゃ面白い訳だ。
4投稿日: 2020.07.19
powered by ブクログアニメを観てどハマりした。 多分、自分も学生時代、吹奏楽部だったから。 アニメと違って、主人公の久美子以外は関西弁なのが最初、違和感があった。でも、楽器を吹く喜び、どんどん上達していく演奏、分かる。 舞台に上がった瞬間の、なんとも言えない緊張感と、指揮棒が振り下ろされた瞬間から、無我夢中に演奏したあの頃が蘇る。
2投稿日: 2020.05.25
powered by ブクログ女子高生の部活のドキュメントを見ているようでした。 女子大生の作品ということもあり、リアリティがあります。 主人公のキャラクターが結構好きです。
1投稿日: 2020.04.06
powered by ブクログ既刊12冊。本編完結。 光と音を積み重ねて作り上げた3年間の奇跡。 ありがとう 奏ちゃん、好き
1投稿日: 2020.02.21
powered by ブクログ北宇治高校吹奏楽部は、過去には全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。そんななか、いよいよコンクールの日がやってくる―。少女たちの心の成長を描いた青春エンタメ小説。(e-honより)
1投稿日: 2019.12.10
powered by ブクログ久しぶりに本を読んだ。 中・高・大と吹奏楽部に所属してた身としては コンクールに対する向き合い方とか ああそうだったな、って自分の思い出と 照らし合わせながら読めたので良かった。 また演奏したいなと思った。特に吹奏楽曲を。 地域の楽団に入団したい。
1投稿日: 2019.11.24
powered by ブクログアニメから入ったのですが、読もう読もうと思ってようやく読了。 久美子の入学から京都府大会までのお話。 だいたいアニメと原作を比べると情報量において原作本に圧倒されることがしばしばなんだけど、アニメから入ったせいかそれほどの差は感じない。アニメがよくできているというべきか。 よくある青春物といえばそれまでなんだけど、誰にでも勧めやすい作品だなと。 原作では久美子以外は関西弁なんで最初やや違和感が。京都が舞台なんだから当たり前なんだけどね。
1投稿日: 2019.10.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『2015年 01月 19日 第2刷 発行』版、読了。 第2刷の割には誤字らしき箇所をいくつか見かけたのが残念です。 自分は京都アニメーション制作のTVシリーズ第1期アニメ版を見終えてから手にしての、読了でした。 内容はTVシリーズ第1期アニメとほぼ同じ展開でした。でも、大まかに異なる点としては……。 ・この原作では主人公以外のほとんどが地元の方言を使用していること。 ・オーデイションの結果、コンクール出場に向けてA部門とB部門に部門分けされている。 ……などなど。TVアニメを見たあとで読んでしまうと、いろいろと物足りなさを感じるのは仕方ないことでした。……まあ、そもそも、TVアニメとこの原作とを比較すること自体が本末転倒かもしれませんが。 こちらの原作では内面的な描写において、さらにクローズアップされている場面がところどころであります。同じシーンでもアニメでは表面的な印象しか受けなかったのですが、この原作では「おお、そうだったのか!」的な発見がありました☆ この原作を未読な方は、読んでみてもいいのではないかと。またアニメ未視聴なら、ぜひ見るべきです。上手にアレンジされて見やすく、しかも「音」に関しても巧みに表現しつつ構成されております。 これを機会に刊行されている原作の既刊も読み進めようと思いました☆
1投稿日: 2019.05.20
powered by ブクログアニメから入った。 学生時代吹奏楽と似たようなクラブ活動を行なっていたからか、自分でも不思議なくらいこの作品で描かれる世界に親近感を持っていた。久美子達吹奏楽部員の心の機微にもっと触れたくて小説を手に取った。 アニメよりも京都感が強いのも魅力の1つかも。
1投稿日: 2019.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どうしてわたしはここにいるの。 アニメは観ていないけれど、おすすめされたので。主人公はユーフォニアムを担当する高校1年生の久美子。流されることが多いことは自覚があり、明確な意識や目的を持って北宇治高校の吹奏楽部を選んだわけではなかった。しかし、同級生や先輩、先生と関わり、皆で全国大会を目指す中で少しずつ意識は変わっていく。 久美子の明らかな成長が見えたかというと、そうでもない。ただ、何かが変わり始めているのは、確かだ。同じ中学校から進学し、憧れの滝に教わるという目的で北宇治高校吹奏楽部を選んだトランペットの麗奈。「中立」と言われ、自分がユーフォニアムを吹けたらいい、コンクールも本当はどうでもいい、というあすか先輩。強豪校出身でムードメーカー、自分の演奏の実力には絶対の自信を持つ緑。これからどのように久美子が演奏の壁や人間関係の壁にぶつかり、どのように向かって行くのか、この後の巻に期待するところ。 麗奈と同じトランペットの先輩である香織は、負けていることを納得するために、ソロに選ばれなかった後もずっとソロを練習し、そして再度のオーディションに挑み、圧倒的な差で負ける。そこまでできるのが、彼女の真摯さであり、音楽に対しての態度。久美子は彼女の行動を評価していたようだが、だからこそ、あすかの言動に恐れを感じる。 上手い下手だけが、評価対象になっていいのか。どうしても芸術系のコンクールには、何をもってして上なのかがわからないときがある。また、教育活動として部活動を見ると、必ずしも上手な者だけが常に評価されているのはおかしい。過程は、成長率はどうなのか、という問いがある。そこらへんも今後の巻で踏み込むのだろうか。それにしても、練習スケジュールがまさしく今話題のブラック部活を彷彿とさせる。これは本気の顧問でしか成り立たない。 なんとなく、男子がいないわけではないけれど、だいたい女子のより親しげな雰囲気を楽しむというところで、マリみてを思い出す小説だった。
1投稿日: 2019.02.05
powered by ブクログアニメから入ったクチなので差異について軽く。 ・主人公と先生以外方言を使う ・アニメで追加されたシーンが多い為、好きなシーンが無い事も ・演奏曲が三日月の舞以外違う ファンなら文字で読む楽しさは大きいですし、 少し違う世界線として再びあの感動を味わえるかと。
0投稿日: 2018.12.15
powered by ブクログいやあ、これ名作ですわ。間違いないですわ。 本の雑誌、だったかな。 何かの書評でこの本について書かれていたのを読んだ。 あ、なんか面白そうだな、と思った。 そして先日、本屋さんでこの本を見つけた。 あ、これってあの本かな?と思った。 何気なく、手に提げた籠の中に放り込んだ。 そして、今日、読んだ。 本当に本当に素晴らしい。 青春小説の傑作でしょう、これは。 自分は吹奏楽の経験はないから、ここで描かれた風景は分からない。 吹奏楽を聴いたことも殆ど無いから、奏でられている曲も分からない。 けれど、間違いなく、ここには熱い青春の日々が流れている! 文章は軽やかで、決して濃密では無い。 描写も淡々としているし、一つ一つのシーンはあっさりと終わる。 エピソードも深くは無いし、どんどん次へ次へと移っていく。 キャラも決して濃くはない。最低限の描写に留めていると言ってもいい。 何よりも、本自体が、決して厚いものでは無い。 なのに、読んでいる最中の、胸が締め付けられるような緊張感はどうだ。 キラキラと輝くような、登場人物たちの表情や仕草が目に浮かぶ様はどうだ。 文章表現というのは、ここまで見事に為されることが可能なのか、という衝撃。 ここで語られた物語の、奥深く濃密な時間の流れ方。 読後に抱く満足感と心地よい疲労感は、1,000頁越えの長大な小説にも匹敵する。 これ、続編あるよね? 探して読まなくちゃ!!!
0投稿日: 2018.11.13
powered by ブクログ高校入学から夏の京都府大会までの吹奏楽部の爽やかなだけでない人間模様に嫌な感じが全くなく、濃密さを堪能した。冷たさを内包した格好良い低音パートリーダーあすかが危険な魅力。散見される百合っぽさにドキッとする。トランペットソロ対決の頑張りや圧倒する演奏、前日の完璧な合奏、当日の緊張と終盤が物凄い一体感。
0投稿日: 2018.10.12
powered by ブクログ楽しめた。 けれどアニメ版が小説以上によくできてるので手を出すならアニメの方が良いというのは残念なところではある。
0投稿日: 2018.02.12
powered by ブクログ○吹奏楽部経験者にはあるある!?タイトル通りの青春小説 北宇治高校に入学した久美子は、周りに流されるように吹奏楽部に入る。過去、全国大会にも出たことがある高校だが現在ではご無沙汰だ。 新しく顧問になった滝は、全国大会に行かせるためといって一回目の合奏からかなり厳しいことを言い出す。最初の目標は各校の吹奏楽部の集まるサンフェスだ。サンフェスまでに仕上げにかかる久美子たちだが・・・ 生徒たちは文句もいいながらも滝の指導に舌を巻き、恐れもあり練習をするようになる。果たしてサンフェスの演奏はうまくいくのか。そして念願の全国大会には行けるのか!? 顧問の滝は、ここぞとばかりに「事件」を起こし続ける。 しかし部員たちにとってその事件は、今まで馴れ合いで過ごしてきた以外の何物を表すものでもない。恐れる先輩、やる気を出す後輩。久美子の周りのメンバーも、一喜一憂。吹奏楽部特有の専門用語も多くなく、わからない人でも読みやすい。 高校生の微妙な緊張感がビシビシ伝わってくるこの小説は、本当に青春小説だ。
0投稿日: 2017.11.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ネタバレ 実力ある後輩に対して妬みと諦念を思わずにはいられない上級生。クラブ内での恋愛やその不成就。協働が必要なのに、どこか冷めた個人主義に従う実力主義派の上級生。部長の職責を果たせているか悩む少女。受験を理由に退部する少女。このように、実にごちゃごちゃした感情、正負がない交ぜとなった想いが満載。高校生の、大規模人数のクラブ活動の中で起きる葛藤を、かなりあからさまな描写で切って見せる。一見、可愛げある少年少女のように見えるが、感情面はそれとは異質。ある種のリアリティを感じさせる佳品であり、続巻も楽しみにしたい。 ほんわかした感じの京都弁が、ギスギス感の緩衝材になっているかも。
1投稿日: 2017.01.24
powered by ブクログアニメが面白いと聞いたので、とりあえず原作から読もうと手に取った。アニメはまだ未見。 内容としては、ものすごくストレートな青春小説。下手な技巧を凝らすのではないこの分かりやすさは、確かに魅力と言えるかも。著者が吹奏楽部だったということで、細かいディテールにも凝って描写がされているのは良いし、キャラ造形もしっかり魅力的。 修辞や表現の部分でやや画一的なきらいはあるが、伸び代とも感じるので、続巻に期待したい。
0投稿日: 2016.12.21
powered by ブクログ舞台は北宇治高校吹奏楽部。 5年前までは関西大会の常連で、全国大会に出場したこともある強豪校だったが今は・・・ 顧問交代を機に、再び高みを目指す部員たちの青春と奮闘、人間関係の深化を描いてゆく。
0投稿日: 2016.10.12
powered by ブクログアニメから入ったので、久美子以外が方言使っているのに吃驚! が、作者さん自身が京都在住とのことで違和感ない方言ですぐに慣れました。 アニメで語られていない部分も少しあり、秀一と久美子の関係とか、読みやすかったです。 全巻揃えているので一杯読まなきゃ>< 10月の演奏会に行く前に全て読まなきゃですね!
0投稿日: 2016.09.15
powered by ブクログアニメと同じ展開だったので、だいぶ忠実にやったんだなあと思いました。でもアニメよりも描写が丁寧だったのと、京都弁が新鮮で楽しく読めた!音楽が聞こえてくるようで楽しいし、吹奏楽独特のどろっとした関係も書いていて素晴らしい吹奏楽小説でした!
0投稿日: 2016.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
遅まきながらアニメ化の帯に引かれて。吹奏楽部の楽しいところ、辛いところ、友人関係の機微、恋のさや当てなど学生だったころが懐かしくなる作品。主人公が感じる引け目や羨望が等身大の高校生という感じ。顧問の滝先生の言葉は大人でも刺さる。
0投稿日: 2016.07.17
powered by ブクログ始まりの1冊、という感じ! アニメを観てから小説を読んだのですが、アニメの方がもっとリアリティを追求しているように思いました。特に久美子は小説だと迷ってばかりな印象ですが、アニメだと迷った末に、音楽をするということにもっと欲も情熱も出て、一生懸命さがより伝わってきます。きっと小説だとまだ序章なので、この巻でははっきり成長しないのね。 リアリティを追求しているからこそ、吹奏楽経験者としてはすごく面白かったのですが、経験者じゃないとこの話はどのくらい面白く読めるんだろう?
0投稿日: 2016.05.21
powered by ブクログ・印象に残る場面は、顧問の滝先生のきびしい言葉です。生徒に対する熱い想いが伝わってきます。吹奏楽をやっている人もやっていない人もやっていない人も音楽が大好きになれる魅力的な本なので、私はこの本をおすすめします。 ・吹奏楽の上下関係、先生への不満など、リアルでノンフィクションの様なストーリーや、主人公の黄前と高坂との、中学から段々変わっていく関係が見所です。
0投稿日: 2016.03.08
powered by ブクログ関西弁をみんなが使うので性格を理解するのに頭を使った。キラキラネームが衝撃的。努力する苦しさと楽しさが描かれている。
0投稿日: 2015.10.12
powered by ブクログ先日宇治に行った時にポスターで見たので、読んでみた。高校クラブものとして結構面白かった。 昔々中1の時にチューバに回されてた私にはちと懐かしい話。高校ではやってないんだけど、全国目指すレベルの高校だったし、うまくて、よほど人間性に問題がなければ、下級生でも選ばれるのは当たり前ですよね、どんなクラブでも。 2作目以降も読んでみます。アニメも見てみたいものです。
0投稿日: 2015.08.16
powered by ブクログ京都アニメーションによりアニメとなった作品。吹奏楽あるあるで楽しかった!スパルタな練習にいやーになる気持ちとか、上下関係のギスギスだとか、コンクールの舞台の緊張入り交じった気持ちだとかいろいろなことを少し思い出した。ちょっとずつ人間関係が動いていくのが面白いね。続刊も出てるのかな。 私はダメ金でもいいと思うんだけどねぇ。
0投稿日: 2015.07.10
powered by ブクログアニメからハマって読んでみたけど、素直に面白かったし読みやすかった。 高坂さんはアニメの方が男前な気もしたけど、原作では女子の中にあるドロドロしたものがリアルに描写されてて、痛々しいながらも凄くリアルに伝わってきて、分かる!と思いながらスラスラ読めた。 あと知ってたので直ぐに慣れたけど、久美子以外が関西弁なのは最初違和感かも。
0投稿日: 2015.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろい アニメはみてないけど 吹奏楽部っていったら読まずにはいられない(音楽ものが好きなので) 高校生で京都が舞台 百合風味アリ 明るく楽しいだけじゃない熱血部活小説 続きも読もうかな(時間があったら)
1投稿日: 2015.06.21
powered by ブクログ「楽しいと思った。吹くのが楽しい!」(p302)緊張感が伝わる。次第に弱くなって、また盛り返す。演奏しているかのように、流れが絶えず変わり続けている。本作の魅力は、作中でも描かれている「空気感」だ。それは読み始めた時から、ピンと張っている。言葉にこれだけの意味や気持ちを含ませることができるのはすごい。ただ部活内の人間関係が際立っているせいか、吹奏楽部である必要性は、あまりないかなと感じた。
0投稿日: 2015.06.05
powered by ブクログ宇治が舞台なので、アニメを観始めて、そこから原作へ。 アニメの展開に合わせて中断。 ---- アニメ終了後、読了。 登場人物のキャラクター性の拡げ方, ストーリー補完など、非常によくできた映像作品だと再確認できる原作。 アニメ⇒原作の順だったけど、先に原作を読んでいたらアニメには興味持てなかったかも。
0投稿日: 2015.05.31
powered by ブクログ元吹奏楽部しかも元ユーフォ奏者としては「うーん」と思うところがあるが、「物語として読みやすいものにするためにそうしているのだろうな」とも思えたので、評価は難しい。 良かった点は、京都のお話ということで、無理のない関西弁が使われていたところ。 その点アニメでは活かされず残念だったけれど。 また、部活小説として、部内のドロドロを書いてくれていたところも良かった。 吹奏楽部でなくても、部内対立は起こってくるものだろうから。 残念な点は、ユーフォが響いていない点。 2、3巻と続いていくから、これからなのかもしれないが、今の時点では主役が何の楽器であっても問題がない。 音楽的表現が少なくて、いくら「うまくなった」と文字で書かれていても、具体的に想像したくなるような描写がなければ「へー」で終わってしまう。 「響」も「ユーフォ」もないのでは、タイトル詐欺のようなもの。今後に期待したい。 また、個人的にどうも受け付けないのは百合っぽい描写。 これは好みがあるのでこれ以上は言えないけれど、今後さらに濃い描写がされていくようならば、ちょっと遠慮します。 アニメは京都アニメーションということで、かなり絵が綺麗。 一話は原作とはちょっと違った進み方をしているため「えー?」と思うところもあるが、分かりやすくはなっているのだろう。 今後、原作では感じられなかった音の描写をこちらで期待したい。
0投稿日: 2015.04.21
powered by ブクログ吹奏楽部考証が非常に優れている 。 夏のコンクール前には1年生がデビューできるような本番がある、合奏では何故かトロンボーンが顧問の逆鱗に触れ矢面に立たされる、などなど・・・ 読み進めていく度に淡い青春が残像のごとく蘇りました。元吹奏楽部員のオトナたちも納得のいく作品です。
0投稿日: 2015.02.06
powered by ブクログ京アニがアニメ化するとのことで読んでみました。 ようするに『スウィングガールズ』の吹奏楽部バージョンですね。違いは主人公が上野樹里さんの役柄ではないってあたり。京アニがどんなふうに料理するのか、ちょっとだけ楽しみ。
0投稿日: 2015.02.04
powered by ブクログ吹奏楽部でさらに低音がメインってどんだけ隙間狙ってくるのかと思ったものの、(悪い意味ではなく)ユーフォニアム担当から見た部活ものだった。中盤から後半にかけてようやく各キャラが立ち始めてきた感があるので、続刊希望したい。ユーフォでなく別の楽器を主人公が担当していても話は問題なく成立する点はアニメで上手く補ってくれたらいいなぁ。
0投稿日: 2015.01.29
powered by ブクログ二人の娘がどちらも中・高と吹奏楽部でユーフォニアムを担当していたので、つい読み始めました。ライトノベルズだからか、立ち読みが出来ないようにシュリンクされていました。そこで漫画のようなものかなと思っていましたが、結構はまりました。「他人に流されやすい性格」の主人公が幼なじみの男子とはバンカラに渡り合うのは性格設定が?とも思うけれど、細かいことを気にしないで読むととても面白い。娘も楽器決めの時は仲間と激しいやりとりがあったと聞きました。でも卒業後は最も親しい友人とのことです。この小説も、ソロパート決めで一波乱ありますが、そのオチもなかなかです。話の組み立ても青春小説の王道でどんでん返しはないけれど、それでも最後にはちょっと感動してしてしまいました。この北宇治高校吹奏楽部の「全国への道」をもっと読み続けたい気持ちです。
0投稿日: 2015.01.23
powered by ブクログ高校吹奏楽部を舞台にした青春小説。 前半は主人公が入部して5月のフェスティバル出演まで。 後半は8月のコンクール出場までを描く。 登場人物が多いわりにキャラクターが立っていないため読んでいて誰だか判らなくなることもあったり、それぞれの持つ屈託が主筋と上手く絡み合ってなかったり。 何よりも「ユーフォニアムの響き」について何も描かれてないのが難。
0投稿日: 2015.01.21
powered by ブクログ今まで読んできた吹奏楽をテーマとした小説の中で、一番リアルなストーリーでした。 悩み、葛藤、苦しみ....から吹奏楽への強い思い、あのなんともいえないワクワク感。 まだまだ吹奏楽を続けたくなりました。
0投稿日: 2014.01.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
“楽しくやれれば良い”から本気で全国大会を目指すことに目標を変えた、高校の吹奏楽部を舞台にした作品。 以前、テレビで全国レベルの吹奏楽部が取材されている映像を見ましたが、内容はほぼあのノリに加えて、上級生との確執や恋愛エピソードを加えた王道青春小説という印象。そしてこれが想像以上に面白かったです。 登場人物が多くて最初は戸惑いましたが、それぞれの人物が個性的でキャラが立っていて、プラスその相関もいろいろあって複雑。上級生と下級生、初心者と経験者、男子と女子と、それぞれの関係における喜怒哀楽エピソードがいくつもあって、飽きずに最後まで一気読みでした。 最後はちょっと出来過ぎかなと思いながらも、それまでの練習の厳しさやオーディションでの一悶着の件がふと頭をよぎり「がんばったね」と親心にも似た感情が湧き出てきてグッと来てしまいました。 ただ1点、気になることがあるとすれば…この吹奏楽部、美人・美少女が多すぎじゃないですか?ってところですかね。そんな部活だったらもっと男子の入部希望者多いと思うのですよw
0投稿日: 2013.12.16
