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虚構推理
虚構推理
城平京、片瀬茶柴/講談社
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総合評価

48件)
3.9
11
17
13
1
0
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    初読み作家さん。 控え目に言って、とても面白かった。設定が興味深くてグイグイ読み進めた。あやかし、怪異の類いが存在する世界で、それらを味方につけて脅威に、嘘に嘘を重ねた虚構ロジックで立ち向かう。シリーズ追いかけます。

    3
    投稿日: 2025.09.24
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    今風に言うと、特殊設定ミステリー+多重解決ミステリー。 独特の世界観と物語設定に引き込まれます。 色濃いキャラクターの会話劇は、好き嫌いを選ぶかもしれませんが、私は会話劇だけでも楽しめました。 多重解決を考えられる作者の頭はどうなっているんですかね。感服です。 シリーズものということで、これからどのような展開になるか楽しみです。

    55
    投稿日: 2025.07.23
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    読んだきっかけはミステリーの2000-2025ベストに入っていたから 1つの怪奇に対して次々と多重推理で「論破」する アニメもあるらしいが未視聴 キャラクターは魅力的だし、展開も盛り上がりの起伏がテンションを保たせるけれど… ずっと、読んでいでずっと、屁理屈の乱打であって物語の枠内でしか納得せざるを得ない論破に ん?そうか、うん くらいの理解度でついていく感覚が無理だった 僕が思うに、ミステリーで怪奇を扱う場合その怪奇に読者を納得させる設定と物語が必要と思うがちょっとなあ…良く出来たライトノベルと読めば、または僕がもう少し若ければ夢中になれたかもとは思った

    2
    投稿日: 2025.07.21
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    アニメを何話か観て読んでみる気になった。白井智之と同じく、多重解決もの。 あちらは奇想とグロテスクが売り。本作もあっさりと書かれているが、何度でも殺される彼氏など書き方を変えればグロか。

    0
    投稿日: 2025.05.29
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    2024年読了。  妖たちの知恵の神である岩永琴子と、妖も恐れる男桜川九朗のコンビが都市伝説の怪物と戦うファンタジーバトルミステリー。異彩を放つ二人が智略と暴虐を駆使して奮闘する展開は、知的かつ過激でミステリーの新境地を感じさせた。  今作の特異なところは虚構の推理によって虚構の化け物に対抗するという構図だ。虚構の推理を組み立てるというのは、つまり不可解な存在に万人を納得させる解釈を与えるということだ。そのための手続きとして推理を構築するという切り口が斬新で、発想の自由さに脱帽するばかりだった。  また、琴子と九朗のデコボココンビにも好感がもてる。随所に散りばめられたウィットに富むボケとツッコミが絶妙で癖になった。続くシリーズにも大きく期待できる。

    1
    投稿日: 2025.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うーん… ラノベ感強そうだなと迷いつつも、昔この作家さんのスパイラルが好きだったから手に取ってみた。 所謂本格ミステリとはまた違った推理物。 人の噂話が巡り巡って怪異に実体を持たせる系の話はいっぱいあるからそういう点では斬新さ等は感じられず、解決策も、それを上回るような話に人々の認識を塗り替えるというお決まりのもの。 それ故か最後の虚構争奪までが、退屈ではないにしろちょっと長く感じてしまった… でも事件そのものの真相を暴く訳でもなく「嘘」で事態を収拾つかせるところや、 一眼一足の知恵の神琴子と件と人魚の肉を喰って異能を身につけた九郎の設定は面白かった。

    0
    投稿日: 2024.08.17
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    ミステリであってミステリではない、不思議な読後感のある一作。 本格ミステリ大賞を受賞してはいるが、タイトルの通り物語に通底しているのは虚構の存在だった。 人では無い存在に対する調停者と、人であって人ではない存在というフォーマット自体は怪異を扱う物語では見たことのあるフォーマットであるし、中盤までの展開は普通のミステリ・推理ものから大きく離れたものではない。 しかし、ミステリというジャンルのコアを逆手に取ったような展開は無理矢理にも見えるものの、一定筋の通ったストーリーに仕上がっていて面白かった。 登場人物の会話にどこかクセがあって、サキさんってこんな口調するのかなぁ?と思ったところがいくつかあり、読む手が若干止まったが、作品としての面白さを削るものではない。

    1
    投稿日: 2023.10.05
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     私はこれを読んで、『毒入りチョコレート事件』(アントニー・バークリー)を思い出した。といっても私が読んだのは一九八六年ポプラ社の子ども向け抄訳版だが。『毒入り〜』は、迷宮入りした事件の推理をミステリー愛好家たち六人が行い、六通りのそれらしい真実(案)が披露されては否定され…という構成の話で、ミステリー小説では必ず「ひとつの正しい事実」と「ひとつの正しい推理」がセットで存在することになっているけれど、それってどうなの?という問題を投げかけていた(と思う)。ゲームとしてそういう約束事が必要なのはわかるけど、所詮約束事に過ぎないよね?と。ミステリーなのだけど「アンチミステリー」だ、という感想を抱いた。  『虚構推理』は、妖怪などの登場するファンタジー要素、個性的なキャラクターたち、ライトなセリフの応酬、主役二人の恋愛模様など本当にいろんな楽しみ方ができるのだが、その大胆な「アンチミステリー」ぶりを堪能するのも主要な味わい方のひとつだといっていいだろう。なんせ、「犯人は怪物」というのが真実で、アリバイとかトリックとかそういった都合は無視して犯罪は可能。そして探偵役がどのようにその真実に辿り着けたかというと、「現場にいた地縛霊に聞いたから」。ぶっ飛んでいる。  普通のミステリーでは、真実を突き止め、その真実が揺るぎない唯一の真実であることを人々に対して証明し認めさせることがゴールとなる。詳しい説明は省くがこの小説の場合、「犯人は人間ではなくて怪物に違いない」と信じている(または面白がってそう望んでいる)ネット民から、その真実を覆い隠し、信じるのをやめさせることがゴールなのである。そのためには、みんなが怪物説を捨てて代わりに支持したくなるような、よりあり得そうでより魅力的な虚構を成立させなければならない。リアリティや道義的な問題はおいておいて、そういうルールを小説上設定したうえで推理披露が始まり、山場へと盛り上がっていく。  真実もぶっ飛んでいるし、推理の目的もぶっ飛んでいる(推理というより「とんち」だとの言葉も作中にある)。正義や真実よりも「ネット民が支持したくなるような面白さ」を求めなければいけないところもぶっ飛んでいる。それでいて論理ゲームであることには変わりない。また、ネット上の世論を扇動する怪しい輩のように見える行動をしているけれど、主人公たちは、怪物による被害の拡大を防ぎ世の秩序を守るためにこれをしているのであり、「正義の味方」ではある。  ミステリー小説の面白さ、危うさを逆手に取った倒錯の世界。この切り口で他にどんな展開を見せてくれるの?!と、続きのシリーズも読みたくなる。  (マリモさんのレビューがきっかけで読みました。ありがとうございます!)

    9
    投稿日: 2023.07.25
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    片目と片足と引き換えに妖たちの「知恵の神」となった岩永琴子、妖の肉を食らい異能力を身に着けた桜川九朗、人ならざる者通し共に行動する彼らと巷を騒がす死んだアイドルの都市伝説「鋼人七瀬」。 都市伝説を駆逐するために曖昧な伝説に合理的な虚構をぶつけろ!   本作の主眼はおおよそ都市伝説として人の心に根付いてしまったアイドルの亡霊を滅ぼすために人々に合理的で納得のいく虚構を与えるというものだ。 人は信じたいものを信じる、魅力的な嘘を吐くには真実を追い求めるに等しいぐらい事件に対して齟齬なく挑まなくてはならない。  真実を暴くのと秀逸な偽物語を創るのではベクトルは正反対でも、事件を精査し隠されたストーリーを見つけ出すという点では一致していて、そこに既存のミステリとは違った論理性、整合性が生まれる。 このユニークな特殊設定ミステリを漫画経験が生きた可愛く魅力的なキャラクターで描いている、変な作品好きなので割と普通にミステリとして読んでましたね。 アニメの出来も上々

    2
    投稿日: 2023.06.04
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    初著者本です。アニメでチラッと見た琴子の様子がずっと残っていてどんな話なのか読んでみたいと思っていました。 虚構と言うだけあって、考えが難しい。でも楽しみました。

    2
    投稿日: 2023.05.15
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    スキャンダルとともに亡くなったアイドルの霊。 暴れ回る彼女を弱体化させるため 彼女の強さの根源、ネット上の噂に対して レスバを繰り広げるミステリ。 ファンタジーに論理をぶつける設定がまず面白すぎる。 人々を納得させるための推理と真実の距離よ。

    2
    投稿日: 2023.05.09
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    多重解決の傑作。鋼人七瀬を消し去るために「嘘」の真相を成り立たせるために論理を構築し、それを読者に納得させ、信じ込ませる。犯人を当て真実を語るのではなく、真実を創る。この作品は、従来のミステリの常識を覆すアンチミステリと言えるのではないか。

    8
    投稿日: 2023.04.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

     実際に存在している鋼人七瀬に対して、〝亡霊が実在する〟という現実よりも人を惹きつける虚構を作り上げるという無理難題に正面から対峙している印象を受けました。  桜川九郎の力があってこそではありますが、4つの解決を提示する事で、ネットで話題の都市伝説以上の話を語り、ネットを沸かせる難行を為した岩永琴子に惹かれました。

    1
    投稿日: 2023.01.14
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    '22年8月19日、Amazon audibleで、聴き終えました。この作者さんの作品、初体験です。 クライマックスの「虚構の推理」の章で、集中力が持続できず、何度か中断して、ようやく聴き終えましたが… 全体のアイデアは、素晴らしいと思いました。井上真偽さんの「その可能性はすでに考えた」を、連想したくらいです。こんな話、よく考えつくなぁ、と。 でも、肝心のクライマックス、「虚構の推理」の章が、僕には冗長に感じられちょっと残念な感じでした。 シリーズの次作も聴いてみます。

    8
    投稿日: 2022.08.19
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    推理小説にこの本のようなカテゴリーがあるのが驚きです。タイトルの意味を理解して、正直、素晴らしいと!

    0
    投稿日: 2022.06.12
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    ミステリの肝は探偵役の推理が読者の納得により「真実」となることだと思う。だから虚構で真実を作り出すやり方に、この手があったか!と喝采。 濃い味付けのキャラクターもそういう役どころとして落とし込む。何から何まで作り込まれた工芸品めいたミステリの傑作。

    1
    投稿日: 2022.04.19
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    電子書籍。 普段あまりepubファイルで小説読むことないんだけど、インターネットのまとめサイトが暗躍したりする話なのでこれはこれでしっくり来るかも。 軽妙かつ不思議な味わいの会話文は伊坂幸太郎を思わせるが、デビューはかの『名探偵に薔薇を』なので『オーデュボンの祈り』よりも前(でも年齢的には少し下)。 妖怪変化の跋扈する舞台設定は京極堂のカリカチュアっぽくもあるが、この世にあってはならない現実化した虚構を、より魅力的な虚構で上書きし消していく設定は、奇妙にねじれてはいても紛れもない憑き物落としの系譜。

    9
    投稿日: 2022.04.13
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    アイドルの亡霊荒人七瀬の都市伝説、この世に存在しているが存在していない妖怪や幽霊、そういったもののもめ事や仲裁を頼まれる知恵の神・岩永琴子と妖怪の肉を食べた桜川九郎。この2人は虚構で虚構を潰しにいく。 ミステリー物に妖怪や幽霊を混ぜた作品で同社で発売されているアンデットガール・マーダーファルスに影響を受けたように感じた。ただ、こちらはミステリーとも言いがたく、妖怪たちも弱い。主人公たちの設定が強過ぎてなんでも出来るので、どうせなんとかなるんでしょ感がある上の虚構、虚構と言って嘘だからいいじゃん感もあって強引な印象も受けた。そして、選ばれた者と選ばれなかった者の表現が残酷過ぎて、選ばれた者たちがこんなにも選ばれなかった者に配慮をなくすのかと切なくなった。私事だが私は選ばれてはいけないものに選ばれて苦しいし、良いことなんて1つもない。琴子と九郎にはそれが感じられず残念だった。後、琴子が自分の名前を言いにくいし、相手も言いにくそうだ発言に何が?と思った。イワナガ姫を意識しているのは分かるが、1人だけ苗字表記で違和感があって読みにくかった。

    1
    投稿日: 2022.03.29
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    妖怪から揉め事の仲裁や解決を頼まれる「知恵の神」となった主人公岩永琴子と異能の力を持っている大学生九郎の虚構の推理で都市伝説を解決していくミステリー作品 表紙カバーの感じとタイトルからゴリゴリファンタジー物語かなって思ってたけどバリバリのミステリー作品やった! 表現の仕方や台詞回しとかが好きな感じで読みやすくてどんどん話に引き込まれていった。漫画の新連載でありそうな展開も早くて面白い作品って思ってたら漫画でもアニメでももうすでにあったみたい。

    7
    投稿日: 2022.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今年初の読了、ブクログを初めて最初の読了です。 鉄骨を振り回す亡霊?鋼人七瀬に対し、特殊な力を持つ2人が「ある方法」で挑む。真実を超える虚構(嘘)とは? ジャンルは特殊設定ミステリ? 事前情報一切無しの状態で読んだので、最初はあれあれ?となりましたが、絵が無くても面白かったです。 ある種ネタバレ無しの説明が難しい。アニメやコミックから入る人が多いようですが(どちらも僕は未視聴・未読)、原作のこの小説からでも十分いけると思います。

    1
    投稿日: 2022.01.08
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    この作者の作品を読むのは「名探偵に薔薇を」に続いて二作目。今作は通常の推理小説とは異なり、いかに嘘を築き上げそれを真実っぽく見せるかが肝となっている。物語の途中までは正直、他の小説でもよくあるような展開だったが、終盤の怒涛の虚構の連続には流石に目をむいた。一つの事柄から連想して続けて最後には突拍子もない結論を導くところには「九マイルは遠すぎる」を連想した。

    3
    投稿日: 2021.06.21
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    「初めは全くの作り話だった怪異が、幾度も語られ噂となり、信じられていくことで実体を持ってしまう」――という、怪談におけるひとつの定番であるモチーフを、ただのオカルトではなくロジカルな「特殊設定ミステリ」に組み込んで昇華させてしまった驚異の一作が、城平京(しろだいら・きょう)による長編『虚構推理』です。  右目が義眼、左足に義足をつけて11歳の頃から病院に通っている岩永琴子。17歳になった5月のある日、2年前に一目惚れして以来想ってきた、同じ病院に入院する従姉の見舞いに通う大学生・桜川九郎についに声をかける。見かけるたびにいつも隣に付き添っていた年上の彼女、「サキさん」と別れたらしいという噂を看護師から聞いたからだ。琴子からの直接的なアプローチを笑いながらやんわりと受け流し、なぜ別れることになったのかと尋ねる琴子に、「川沿いの夜道を歩いていた時に恐ろしげなカッパが現れ、怯えて震える彼女を置いて逃げたから」と話した後、嘘だと笑って立ち去ろうとする九郎。しかし琴子は、その話を本当だと確信していた。彼女は幼い頃、ひょんなことで“知恵の神”となることを引き受け、この世ならざるもの――妖怪や物の怪と呼ばれるものたちから問題や揉め事の仲裁を頼まれる、神と人との中間にいる存在となっていたからだ。そして琴子は「逃げたのはあなたではなく、カッパの方ですね」と続ける――九郎が生まれた桜川家もまた、妖怪に関わる肌の粟立つような実験を続けてきた、業の深い家だった。  そして2年後、九郎と別れてから警察官となった弓原紗季が住む真倉坂市では、誹謗中傷から逃れるように真倉坂へやって来た末に、建設現場で鉄骨の下敷きになるという凄惨な死を遂げたアイドル・七瀬かりんの亡霊だと噂される、2メートル近い鉄骨を持ってドレスとリボンをまとった顔のない女の都市伝説――「鋼人七瀬」の目撃情報が広がりつつあった。  もともと2011年に講談社ノベルスから『虚構推理 鋼人七瀬』のタイトルで刊行されたもので、後にこれを原作とした片瀬茶柴によるコミカライズがスタート。いったん完結するも、そこから続編となる小説が書き下ろされ、それをまたコミカライズするというスタイルでシリーズ化されていきました。2020年にはアニメ化もされ、小説版は講談社タイガから現在も刊行が続いています。  軽妙な掛け合いとキャラクター(ぜひチャーミングな片瀬絵で脳内置換を!)の魅力はもちろんのこと、妖怪や物の怪、亡霊といった理外の存在を前提とした、ややフィクションラインの高い特殊設定が単なるけれん味ではなく、事件の背後で糸を引く人物の存在と、その動機にも深く関係していることが垣間見えてくる構成が見事です。  そして何より、人びとが願う現実や信じる妄想が生み出した強力な存在への対抗手段として、第六章「虚構争奪」で炸裂する、ネット空間の姿なき大衆を巻き込んで畳み掛けられる“合理的な虚構”の構築と対決こそが、本作の白眉。  ――「だから誰かがその現実を守らなければなりません」  虚構が肥大して侵食される現実と、現実を守るための虚構……そのアイロニーに深く考えさせられつつも、周到なロジックと決着に思わず拍手喝采したくなる一冊です。

    6
    投稿日: 2021.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルだけ聞いたことがあったので、電子書籍版がセールになっていたタイミングでなんとなく購入。 第12回本格ミステリ大賞を受賞している通り、いわゆる「ミステリー」というジャンルに分類されるのだが、自分はこの手のジャンルには明るくない。 なので最初に驚いたのは超常的なこと、具体的には妖怪や怪異が前提となっていることであった。 超常的なものを持ち出して推理とは如何なることかと訝しく思いながら読み進めたのだが、最後にはなるほどと思わせてくれた。 特にこの小説の要となる、「虚構より生まれた現実を、虚構の推理により虚構へと戻す」という一見言葉遊びのように思える、一連の過程は全く見事であった。 ディティールもしっかりとしており、妖怪や日本の伝承と上手に絡ませて作品のクオリティを高いものに仕上げている。 大賞も納得の非常に完成された作品であった。

    2
    投稿日: 2021.03.22
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    アニメからの小説。 事実を交えた虚構の積み重ねによって真実にする。 とても面白い組み立てのお話だなぁと思う。こんなミステリーは初めて。 妖、妖怪の類も出てきてファンタジーでミステリー♡自分の好きな要素満載。 岩永琴子も一息つけるよいキャラ。 次巻も楽しみ。

    3
    投稿日: 2020.12.28
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    大きな嘘を隠蔽するためには小さな真実を散りばめる。 仕事の時は私は凄い嘘つきだけど、そうしないと業務が進まないから。お互いに利益を出す為に嘘は欠かせないよね。

    1
    投稿日: 2020.12.06
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    一つの事件に対し、複数の解決への仮説が示される、ミステリのジャンルの一つ「多重解決」もの。しかし、この『虚構推理』はその「多重解決」ものを一段階超えていくものかもしれません。 ミステリの限界をメタ的に捉えつつも、それを奇想天外な設定と、緻密な展開で本格ミステリに転換してしまう。「多重解決」ならぬ「多重解決創作」ミステリともいうべき、新しい本格ミステリの匂いがしてきます。 ベレー帽をかぶり、つねにステッキをつく小柄な少女の岩永琴子。いつも通院している病院で、桜川九郎という大学生に惹かれた岩永は、九郎が最近彼女と別れたと聞き、早速アプローチをかける。そして徐々に二人の規格外の能力が明らかになっていく。 それから数年後、ある地方都市で亡くなった女性アイドルが深夜、鉄骨を振るい人を襲うという〈鋼人七瀬〉の都市伝説が囁かれ、実際にその目撃者が現れ始める。そしてその鋼人七瀬は、女性警官の弓原紗季の前にも姿を現す。七瀬に襲われそうになった紗季を救ったのは、岩永琴子だった。 妖怪や亡霊、怪異や怪奇が普通に現れます。鋼人七瀬も、人間が化けている、真犯人がいるというものでもなく、本物の亡霊の一種。そしてその亡霊は、琴子曰く人間の想像力が生んだとのこと。ネットなどで、鋼人七瀬の都市伝説が拡散し、それに興味や、好奇心を持った人が増えるほど、亡霊はますます力を強めていく。 鋼人七瀬を倒すために必要なのは、人々の興味や好奇心を満足させつつも破綻のない、都市伝説を完結させる解決を与えること。事件は亡霊が起こした、なんて身も蓋もない解決は、世間には受け入れられない。だからこそ辻褄があった、合理的で現実と矛盾しない、なおかつ面白くて世間が満足する真相を作らなければならない。 実際の事件に対して、犯人や証拠だけでなく、動機や設定に至るまで、琴子は現実と照らし合わせながら、一から十まで「虚構」を作りこんでいく。 本来ミステリは一つの真実を解き明かすものなのに、この『虚構推理』は真実を作ることをミステリとしてしまう。まさに離れ業というべきか、その逆転の奇想がとても面白かった。 推理シーンもかなり読み応えがあります。普通のミステリなら関係者全員集めて、探偵が推理を披露するところですが、『虚構推理』の場合は、関係者とはネット上の鋼人七瀬に興味を持ち、情報を拡散する人々すべて。 琴子はネット上に4つの推理をあげ、疑り深いネット民たちにそれぞれの真相を提示しますが、その真相もバリエーション豊か。大がかりな物理トリックから、逆に亡霊の存在を認めるものまで多種多様。そんなばらばらの推理にもある理由があり、それが最後に語られる4つ目の真実へ紡がれる。 4つ目の真実とその目的が明らかになったとき、詰め将棋を連想しました。すべて琴子の狙い通りに物事が進行し、そして最後の怒涛の展開に至る。4つの真実の論理、それも本格ミステリ的ですが、それぞれの推理が伏線となり、最後につながっていくのもまさに本格ミステリ的です。 そして推理の勢いの凄まじさは、ネット上の推理ならではかもしれない。4つの推理はそれぞれに、荒唐無稽なところは含んでいるのですが、ネットの世界は時折、細かい点よりも面白さが先に立ち、狂乱のお祭り状態になる。 多少のツッコミどころよりも、面白さやインパクトが優先される。そうしたネットの雰囲気も取り込んだ、このミステリならではの推理劇だったように思います。これも独特で面白かった。 キャラクターや登場人物の掛け合いは、コミカルでマンガ・ラノベ的でそれも良かったのだけど、琴子の内面は意外と熱い。現実と異界、その狭間に立つものとしての矜持を持ち、それぞれの壁を守るものとして、現実と非現実の壁を壊そうとする〈鋼人七瀬〉に頭脳と論理で戦いを挑む。全体的にはサバサバした印象の強い彼女ですが、一方でその矜持の熱さもより魅力的に映る。 本格ミステリ界に現れた多重解決もののニュータイプと、そしてニューヒロイン。本格ミステリの可能性を改めて感じさせる作品でした。 第12回本格ミステリ大賞

    11
    投稿日: 2020.11.24
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    元々、スパイラル〜推理の絆〜がとても好きで読み始めたのですが、虚構を虚構で謎解いていくという新しいミステリー物でとても面白かったです。 終盤の解いていく章は思わず一気に読み進めてしまいました。 アニメや漫画も見ましたが、また違った面白さがあり良かったです。わかりやすいのはアニメですが、小説版を読んでからでもいいかもしれませんね。

    2
    投稿日: 2020.10.28
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    巨大な鉄骨を手に街を徘徊するアイドルの都市伝説、鋼人七瀬。人の身ながら、妖怪からもめ事の仲裁や解決を頼まれる『知恵の神』となった岩永琴子と、とある妖怪の肉を食べたことにより、異能の力を手に入れた大学院生の九郎が、この怪異に立ち向かう。その方法とは、合理的な虚構の推理で都市伝説を滅する荒技で!? 驚きたければこれを読め――本格ミステリ大賞受賞の傑作推理!

    1
    投稿日: 2020.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表紙からラノベ色が強いだろうと思っていたが、むしろ骨太の本格ミステリだった。 都市伝説や想像力が生みだした物の怪に対して、都市伝説をも上書きしてしまう虚構推理で消し去るというアイディアがいい。捨て推理が後できいてくる部分も好みだった。 続編もあるようなので機会があったら読んでみようと思う。

    2
    投稿日: 2020.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アニメ化で店頭に並んでるのを見たのがきっかけで手に取ってみたけど 真実がわかったうえで 推理を考えるという発想は どこか反則的な気もするけど 面白かった キャラクターも個性的で事件とは関係ない普段の会話でも面白かった 特に琴子が好き!! ただ 鋼人七瀬の話の推理のくだりは前の3つの推理が何故必要だったのかよく分からなかった コミックの方も見てみて、コミックの方も面白かったが 小説の方は細かい心理描写や行動の理由が分かる分 分かりやすかった 普段は琴子に対して邪険にしてる九郎が最後に「お前は花より綺麗だから 僕はどこにも返していないだろう」と言った時は身悶えした ツンデレとも違って、上手いこと言おうとしたりした訳でもなく本心からそう思ってると分かるだけに 琴子同様、これはずるいと思う

    2
    投稿日: 2020.07.30
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    今まで読んだことのない設定の本。タイトル通り、この世の物ではないものを、推理した虚構で立ち向かう話。 キーパーソンが突然ストーリーに出てくるなど少々強引なところがマイナスか?

    0
    投稿日: 2020.06.13
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    原作もコミックもアニメも全て面白いという稀有な事例。最後の六花さんとの勝負は一気に引き込まれた。人は自分がそうあって欲しいと思うことが真実と思いたい。ネットにおけるデマの拡散、人は自分に都合のいいように解釈する。そういった人の想念が鋼人七瀬を産み出すように仕掛けられたのだ。一旦火がついたものは時々燃料を投下するだけで炎上する。言葉のもつ怖さ、言い換えれば言霊とも言うべきものとの戦いの物語。時折直截的な下ネタが入るのは人を好むかも知れないが、そういう風には見えない琴子のキャラ付けとしては面白いと思う。

    1
    投稿日: 2020.06.03
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    ノベルス版を持っていたのですが、持ち歩き用に文庫買ったのでこちらに感想をば。 読みやすく、普通に面白い。 ライトノベルとしてはいいと思う。 タイトルによって推理ものとか思うと、全くそうではないとは思います。 シリーズものではないけれど、その雰囲気があるので、ちょっと不完全さが残ります。 というより、黒幕の存在があるのなら、一巻ではなく少なくとも二巻辺りからの方が、焦ったつくりにならずに良かったのかなとは思いました。 二巻ないんですが。続かないのかな。 アニメ良さそうなので、機会があったら観てみます。

    1
    投稿日: 2020.04.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まんがを読んでアニメを見てから原作を読了。あやかしたちの巫女となった岩永が、不死の九郎とともに、「想像力の怪物」鋼人七瀬に挑む。 【虚構】で真実に挑むというのが斬新でおもしろかった。私も岩永のように頭が良ければなあ。普段はつれない九郎が、いざとなったら岩永のことをちゃんと考えているところを見せるのが実に良かった。

    3
    投稿日: 2020.04.21
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    アニメの出来がすこぶるいいので読んで見る気になった。題名の通り、鋼人七瀬によって起こされる事件を虚構の推理によって押し込めると言ったなかなかややこしい話である。小説自体が虚構であるのに普通の推理小説では名探偵が最後に解き明かしてそれで解決となりそうな推理が虚構であって、それによってこの小説で起こっている事実を虚構化させるわけだ。なんとも小説の虚構性を逆手に取ったような、最近散見されるニューウェイブ的な小説だ。登場人物たちも魅力的で正に日本のアニメには最適な虚構である。

    5
    投稿日: 2020.02.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    近隣の書店に本書の在庫がなく、早く読みたかったので、図書館で講談社ノベルス版を借りて読むことに。 表紙カバーは講談社タイガ版の方が好みです。 以下、講談社ノベルス版の『虚構推理 鋼人七瀬』にアップした感想を転載したものです。 ————— 第12回本格ミステリ大賞受賞受賞作。 【ネタバレ】 発想がユニークで面白いです。 私が今まで抱いていたミステリの範囲を超えた小説が現れた、という印象。 正直なところ、こういうストーリー展開も「ミステリ小説」に含まれるのか?という疑問も少し持ちましたが、謎解きをしていく訳なので、ミステリなのかなぁ、と思うことに。 アニメの第1話を観て面白そうだったので、原作小説を読んでみようと思ったわけですが、その時点ではミステリ小説とは思わず、妖綺譚やホラー小説かと思ってました。 ただ、「虚構推理」というタイトルの意味も気になっていました。 本書を読み始める前に見た本の紹介文に「本格ミステリ大賞」受賞作とあり、ミステリ小説だったのか、と認識を新たにして読み始めること。 読み終えてみて…。 殺人を犯した幽霊を対象に明らかに真実ではない推理を積み上げていく「虚構推理」。 主人公の岩永が積み上げていく虚構推理が、秀逸でした。 続編も読んでみようと思います。

    1
    投稿日: 2020.01.27
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    いわゆる怪異と呼ばれるものの知恵の神となった岩永。 そしてそんな怪異たちが裸足で逃げ出すような「人間」九郎。 2人はアイドルの亡霊だと囁かれている「鋼人七瀬」の退治に乗り出すが…。 真実を推理するためではない、虚構のための推理。 怪異や亡霊というような現代社会では表立って認められていないような存在が多々出てくる今作。 馴染みがないような存在たちにも戸惑うことなく物語が進んでいき、もしかしたら本当にこういうことがあるのかもしれないという説得力があった。 ネットと真実と嘘が絡み合っていて、まさに「虚構推理」が新鮮で面白かった。

    1
    投稿日: 2019.12.04
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    漫画からこの小説に行き着いたが、小説もとても面白い。 岩永琴子のキャラも立っていて、漫画よりも魅力的に 感じる。話しの内容も虚構を積み上げて推理して行く と言う手法も斬新で中々面白い。

    0
    投稿日: 2019.11.10
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    軽いラノベミステリと思わせて、自ら課した高いハードルを飛び越えることでうたいあげる大いなるミステリ賛歌。

    0
    投稿日: 2019.11.09
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    漫画版をKindleで4巻まで読んでいて、面白かったので図書館で原作を予約。 漫画版のイラストが綺麗で可愛らしいので、そのキャラで脳内再生されていました。 琴子と九郎先輩の関係性が良き。 漫画版では伝わらなかったサキさんの気持ちなんかも原作だと丁寧に描かれていてまた良き。 推理小説としてもなかなかのクライマックスで私は好きです。 虚構推理ね。たしかにタイトルがピッタリだわ。 とりあえず琴子ちゃん好きだわ。岩永って呼ばせるのもまた好き。

    3
    投稿日: 2019.10.02
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    最初の感想だけど、講談社ってこういう作風っていうか文体みたいなの好きだよね。さて、アニメ化どうなるのか楽しみでもあります。すごく個人的には、この話は最初に出た当時に読んでいたらもっとハマっていただろうなぁ。8年前だったら大好物でした。当時に出会っていたかったなぁ。

    1
    投稿日: 2019.07.22
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    初めてノベルスで読んだのが2012年1月。     2020年1月にアニメが始まるらしい。      なんで今更……と思うが、大人の事情は分からない。       久しぶりに読んでみたが、あまりアニメ映えするとは思えない。     だってクライマックスがネット上でのレスバトルなんですもん。      まぁどんなアニメになるのか楽しみですね。

    1
    投稿日: 2019.07.08
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    同作者のデビュー作『名探偵に薔薇を』には劣るが、やはり城平京ならではのやり方で書かれている。 推理小説としてはイレギュラーであるが、読み応えはある。 作中で生まれる粗を作中で潰す、という論理の穴を上手く埋めることに優れた作者で、そのスタイルは漫画の『スパイラル』からも解る。 人の生み出す虚構と妖怪に虚構を持って戦うというのは脳トレパズルを解いているようで楽しめる。

    3
    投稿日: 2019.07.03
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    漫画版を読んでから、ずっと読みたいなぁと思っていました。 いい意味でも悪い意味でも漫画版をあまり覚えていなかったので、楽しく読めました。 が、やっぱり、キャラクターたちの顔を知って読んでいるため、想像が補完されてしまった気がします。 九郎が復活するところの描写はやっぱり漫画(絵)があってこそな気がします。 もちろん、小説のがずっとリアルなんですけどね。 岩永と九郎のやりとりが好きです。 心の底辺では繋がっている「絆」が好きです。 小説のほうがその描写が細やかで、ほっこりしました。 あぁ、やっぱりこの二人を応援したい…と、言いますか。 小説的なことを言えば、文章表現がとてもうまい作家さんでした。 読みやすくて、入ってきやすい。 原作にも向いているのでしょう。 誰にでもわかることを、誰にでもわかる文章で書ける作家さんです。 ころころとして、やさしい文体で、気持ちよくこころにしみてきます。

    2
    投稿日: 2019.05.23
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    「一眼一足」 普通の人間の様に見えるが。 彼女が何故選ばれたのか分からないが、その代償はかなり大きいような気がするな。 彼も物の怪が恐れを為して逃げるほどとなると、過去に何かしらのモノと出会っているのだろうか。 「鋼人の噂」 怪物の噂と実際に見たもの。 彼女に出会わず怪物と対峙していた場合、彼女はただの事件被害者として扱われるだけで死に損だったろうな。 失踪してしまった彼の行方も気になるが、ここまで悪意で動き回る怪物の想いも知りたいな。 「アイドルは鉄骨に死す」 二度と会わせたくなかった二人。 病気持ちの人と同じにしては失礼かもしれないが、元々どんな家系の人間かは付き合いのどこかで話すべきだったんだろうな。 話に聞いていたとしても、流石に目の前で一度殺される人間を見ているのは気分的に良くないだろうな。 「想像力の怪物」 人々の空想から生まれたのは。 噂話から派生する怪異がいるとは聞くが、人々の興味や畏れが強くなるほど具現化した時の強さも変わるは意外だったな。 鎌鼬の説も聞いた時はなるほどと思ったが、実際にそんな部分的になんて有り得るのかと考え始めると少し疑わしくも感じてしまうな。 「鋼人攻略戦準備」 一つの矛盾も残さず別の噂を。 言葉にするだけなら簡単な事かもしれないが、実際に一つ一つの出来事に対して矛盾なく仮説を立てるのは相当難しいだろうな。 実際に犯行を行ったのが人間でないからこそ、大きく残る違和感を払拭する程の言葉はあるのだろうか。 「虚構争奪」 嘘の仮説を如何に本当に見せるか。 これだけの短時間で、こんなに沢山の仮説を考えた事にも驚きだが第三の仮説までは伏線として騙り続けていたというのも驚いた。 矛盾に適度に本当の話を混ぜそれらしくした話を語るのは簡単な事かもしれないが、それが人の目に留まり如何に興味を持たせるかは彼女の腕の見せどころだったろうな。 「秩序を守る者」 現彼女と元彼女と彼氏。 正直複雑そうな関係だが、一般人と怪異絡みの人間と分ければ余程興味が無い限り必然と線引きされるだろうな。 特に怪異に恐怖を抱く人間が、怪異絡みの人間に再び出会いたいと願う事は普通はないだろうからな。

    1
    投稿日: 2019.05.16
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    ミステリなのか、ラノベなのか、ファンタジーなのか微妙な感じ。 キャラが凄く立っているのは良いが、そのせいで他がぼやけてしまっている印象。 真実は既に提示されている上に、虚構を積み上げて物語を作るという部分は面白いが、キャラ設定や世界設定のわりにやっている事が地味な印象で、イマイチ物足りない感じが残る

    0
    投稿日: 2019.03.02
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     続編を先に読んだが、こちらが第1作である。初版は2011年刊行、第12回本格ミステリ大賞受賞作。文庫化の際に、サブタイトルが削除され、『虚構推理』というシンプルなタイトルになったが、理由がわかる気がする。  というのも、『虚構推理』というタイトルは、本作の本質そのものなのである。ネタばれになりそうなので、大変説明しにくい。初版刊行が震災発生直後というのも、色々と考えさせられる。あくまでエンタメ作品とはいえ、現代社会の側面に切り込んでいる。  右眼と左足がなく、あやかしとの意思疎通ができる岩永琴子。不死身の肉体を持つ桜川九郎。コンビのキャラクターが目新しいわけではない。怪異と戦うファンタジーは珍しくはあるまい。しかし、本作は本格ミステリ大賞受賞作。いかにして戦うか、倒すか。その方法論にこそ、本作の本質が隠されている。  物語は2人の出会いにさかのぼるが、現在に至るまで、あやかしやら霊やら様々な怪異と対峙してきたと思われる。それらは、どこかで読んだり見たりしたような方法で処理できたのだろう。ところが、これまでの方法が通用しない相手が現れたとしたら?  ある地方都市に出没し、噂が噂を呼ぶ怪物「鋼人七瀬」。どういう姿なのかは読んでください。地元のあやかしに請われ、「鋼人七瀬」の退治に乗り込んできた2人。そこには、九郎の元恋人の紗季が、警察官として勤務していた。成り行き上巻き込まれることに。  自分から九郎と別れた紗季だったが、まあ無理もない。しかし引きずってもいて、現恋人を自称する琴子に対抗心を燃やす。こういう小芝居の部分が、重くなりすぎないようにしている。大体琴子と九郎の過去からして凄まじく、重くしようと思えばいくらでも重くできるだろう。「鋼人七瀬」にも同情する面がある。  いよいよ「鋼人七瀬」を倒すクライマックス。こういう戦闘シーンの前例を、少なくとも自分は知らない。Web上のあとがきによれば、初版刊行当時、批判的な声も多かったという。ミステリ慣れした読者の固定観念を、真っ向から揺さぶるのだから。  本作は、新しい推理の形を読者に提示してみせた。2012年版本格ミステリ・ベスト10で第4位。見る人はしっかり見ていた。それにしても、密度が濃い文章だった。

    2
    投稿日: 2019.02.15
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    講談社文庫版を持っているので再読。 考えてみれば普通の講談社文庫より、タイガの方が作風にはマッチしているように思えるので、タイガから再刊されたのは納得出来る(ちょっと早いような気もするが……)。 短編も書かれているし、シリーズの新作が早く読みたい……。

    0
    投稿日: 2019.01.24