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powered by ブクログ大学でキャリア教育論を18年近く教えている著者による、中高で行われる「キャリア教育」が推進されるワケやその方法の問題点を解説したもの。帯には「『やりたいこと至上主義』のワナとは」と書かれていて、キャリア教育の理想論と現実がいかにマッチしていないか、ということが語られる。 おれも現場の教員で高1担当で、まさに「探究」みたいな時間に「キャリア教育」を行なっている立場なのに、ずっと「キャリア教育」の胡散臭さみたいなものを感じているので、ちょうどこの本はおれの感覚に合っていることもあって読みやすかった。最初は、基本的に中高の指導経験がない人が書く中高生対象の教育論というものに懐疑的なので、この本自体にも胡散臭さを感じてしまったが、読んでいくうちに、共通の敵という感じで指導要領批判が出ているので、敵の敵は味方、みたいな感じになってしまった。あとキャリア教育も胡散臭いけど、p.40以降でも述べられている「キャリア教育ビジネス」はもっとイヤ。って言って最近そういう人たちの学校への半ば売り込み的なセミナーに参加させられることになり、話題自体がすごい身近だった。 まずキャリア教育の内容として、「①『自己理解』系、②『職業理解』系、③『キャリアプラン』系」(p.57)と整理されていることがあらためて確認できた。確かにどれもやってるし想像できるなあ。余興としてはいいけど、本当に真面目にやるのはどれも好きじゃないなあ、という感じ。「夢、やりたいこと、就きたい職業」(p.64)なんかを答えさせないといけない指導、とか本当やだなと思っている。その理由がちゃんと明確に書かれているので、ある意味痛快だった。「日本の職業世界では、専門職や専門的職種などを除くと、そもそも雇用はジョブ(仕事)によって切り分けられていない。文系のホワイトカラーなどでは、その枠内であれば、どんな仕事にも対応できることが求められる。職業世界の『現実』がこうであるのに、キャリア教育においては『やりたいこと(仕事)』を明確にすることが求められる。ーこうした対応関係には、もともと無理があるのではないか。」(p.67)、「実際には多くは、『事務系の会社員』、『サービス系の会社員』、『技術系の会社員』になっていくのではないか。(略)具体的な仕事内容は、入社してからしか確定しない。」(同)というのが、分かりやすい現実だと思う。就労経験のない子どもや若者が「『やりたいこと(仕事)』を見つけるとは、いったいどういうことなのだろう。これまでの経験で接したことのある職業人に影響されて、ということもあるだろうが、それも、学校の先生や病院の看護師といった、かなり狭い範囲での『経験』に限られてしまわないか。そうでなければ、メディアを通じて得た『情報』に飛びつくということであろう。要するに、子どもや若者は"絶対的な意味で"職業(仕事)をよく知らないのである。」(p.74)というのも全くその通り。「イメージ先行型の"憧れ"に近いものになるか、"出会い頭"に近い選択になってしまうのではなかろうか。」(同)というのに納得した。そして、「キャリアアンカー」、「キャリアアダプタビリティ」という言葉を初めて知ったし、その考え方も理解できたが、それは中高生で考えるのはちょっと難しいんじゃないか、と同時に思った。「自分が働くうえで大事にしたいこと、実現したいと思うこと、自らの『価値観』や『軸』を掘り下げておけば、いざ仕事をする際には選択肢はいくつも広がっているはずである。」(p.88)ということで、こういう方向での指導が可能なのであれば、そっちの方が感覚には合うなあという感じがする。あとは「正社員になろう!」(p.137)なんて、よくこんな資料作るな、と思ってしまった。こういう資料を作る年代のあなたたちのせいで正社員なれない人いるんじゃないの、とか意地の悪いことを思ったり。 で、最後に、では本当に理想の「キャリア教育」の中身はどんなものになるべきか、という話があり、その中では「労働法についての学習、相談・支援期間についての情報提供」(p.155)とかリアルだなと思った。おれも知らないな、こういうの、とか。著者自身も書いているが、この本自体が10年以上前のものなので、現在の状況についてアップデートされた分析が知りたい、と思った。(24/11)
0投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログ学生が就活前に読んでほしいもの キャリア教育の焦点が、職業や就労だけに当たってしまっている。 ② キャリア教育への取り組みが、学校教育全体のものになっていない。(教育課程から見て、〝外付け〟の実践になってしまっている。 キャリアとは、「これまでの、そしてこれからの人生の履歴」を意味する。しかし、そこには、そうした「履歴」が〝変転の可能性を含んでいる〟という含意がある。少なくない〝節目〟や〝転機〟が存在することが想定されている。 キャリア教育とは、字義どおりに解せば、「キャリアのための教育」であろう。つまり、変化の激しい社会に 漕ぎ出ていって、そこで自らのキャリアを築いていくための準備教育で「児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態度や能力を育てる。 社会的な存在である人は、人生の履歴において、さまざまな「役割」を引き受けながら生きていく。 それは、役割を引き受けるという仕方で社会に参加し、貢献していくことでもある。 そして、そうした「役割」を担うことができるように成長すること、そのことを、自分の「生き方」として、自分の中に統合していけることが「キャリア発達」で ①「自己理解」系 ②「職業理解」系 ③「キャリアプラン」。 日本の職業世界では、専門職や専門的職種などを除くと、そもそも雇用は、ジョブ(仕事) によって切り分けられていない。文系のホワイトカラーなどでは、その枠内であれば、どんな仕事にも対応できることが求められる。職業世界の「現実」がこうであるのに、キャリア教育においては、「やりたいこと(仕事)」を明確にすることが求められる。──こうした対応関係には、もともと無理があるのではない。 ① 日本の雇用慣行においては、そもそもジョブ(仕事) に応じた採用や育成がなされないことが多い。 ② 「やりたいこと(仕事)」の見つけ方が、主観的な視点に偏ってしまう可能性がある。 ③ 「やりたいこと(仕事)」を、その実現可能性や社会的意味との関係で理解する視点が弱いように思わない。
0投稿日: 2021.08.30
powered by ブクログ教採の面接対策にと一読。 教える側はもちろん,生徒や学生にも非常に読みやすい一冊でした。 社会構造から一昔前とは異なる雇用環境,崩れる終身雇用制,右肩上がりの非正規雇用。読者である私も非正規労働者です。大切なことは「この仕事」よりも自分の軸を持つこと。
1投稿日: 2021.07.25
powered by ブクログ日本の学校の狭い「キャリア教育」の何が問題かをわかりやすく解説しています。「はじめに」に筆者が述べているように、本書は「ここが問題」ということを述べていて、逆説的に「何が必要か」を読者が考えるという構図です。 具体的にどんな職業があり、そこで働く人たちがどう働いて生活しているかを知らないまま「何になりたいか」と聞かれても、そりゃYouTuberしか出てこないよね、と納得する中身です。 新書ということもあって大展開できなかったと思いますが、具体的にどんな実践が考えられるか前向きに考えられる要素がもっと知りたいと思いました。
0投稿日: 2021.06.29
powered by ブクログ中高のキャリア教育がメインテーマ。 ・キャリア・アンカー(自分の軸)を表現する練習をすること ・社会の構造を知ること なりたい職業を決め打ちするのではなく、変化する時代においてキャリアを考え続けられるようにするための土台をいかにつくれるか。だなあ。
0投稿日: 2021.04.18
powered by ブクログキャリア教育と問題点がわかりやすく書かれているが、わかりやすい具体例は載っていない。 学生に向けて書かれた語り口だが、教職員の参考になる。 目指すべきことを理解して、個々の現場での事例を考えるヒントになる。
0投稿日: 2021.04.15
powered by ブクログ現在急速に広まっているキャリア教育。 正社員に成れれば良いのか、キャリアプランなんて立てられるのか、職業体験の意義は? やりたいこと至上主義のワナから脱し、自らのキャリアを考える方法が書かれています。 要するに、従来の学校においては、生徒は「銀行型」の学習を行っていた。知識やスキルを学んで、それを”預金”のように貯めこんでおく。卒業後には、そうして預金しておいた知識やスキルを引き出しながら、仕事や人生を送っていくのである。このモデルにおいては、学習は基本的には学校卒業の時点で終了する。 しかし、変化の激しい今日の社会では、学校時代に”預金”した知識やスキルだけでその後の仕事や人生を乗り切っていくことはできない。生涯、知識やスキルの修得を続けていく必要がある。 そうした時代に求められる在学時の学びが、「料理教室型」の学習である。料理教室では、知識としてもスキルとしても、料理の「いろは」は教えてもらうけれども、その後自分が作ることになるすべてのレシピを習うわけではない。修得するのは、料理の仕方である。 しかし、それさえ修得すれば、生涯いつでも、料理番組や料理本のレシピを参考にしたりしながら、自分で料理を作れるようになる。しかも、料理教室で学んだやり方を忠実に守るのは、おそらく初期の段階だけである。その後は、誰もが自分なりの料理法や味付けなどを創意工夫していき、自分なりの環境に合わせていく。「銀行型」の学習よりもはるかに自由度が高く、応用範囲も広い。 ー 176ページ 君たちの目の前に「未来マップ」というものが存在するとしよう。(中略) 「未来マップ」には、頼りになる鉄道の路線も幹線道路も書き込まれていないかもしれない。しかし、「羅針盤」があれば、自分が今どこにいるのかを確かめることができる。これから進んでいく方向をつかむことができる。道を間違えたら、あらためて別の道を辿り直す手がかりにもなってくれる。そして、線路や道路なんて、自分で書き込んでしまってもいいわけだ。「羅針盤」は、自分の生き方の「軸」である。自分のなかでじっくりと育て、磨きあげていってほしい。 ー 182ページ
0投稿日: 2021.04.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中高生に向けて、本来のキャリア教育を説明している。大学生や社会人でも、狭すぎるキャリア教育(俗流キャリア教育)に翻弄されてモヤモヤを抱えている人なら、読むと少しスッキリするのではないかと思う。感覚的に「料理教室型」の学習という比喩はわかりやすかった。学び方を学び、いざという時に活かせてこそのキャリア教育。決して、正社員になることを第一に目指すような教育ではない。それを知る本。
0投稿日: 2021.03.18
powered by ブクログ社会構造が変化している現代において、これまでのキャリア教育が当てはまらないものとなっている。 キャリア教育とは、社会の中で自分らしい生き方を実現していく過程であり、個人の特徴を受け入れながら社会の役割に応え貢献していくこと。 なので、よくある、やりたいこと探しや職業理解のようなものは断片的なもの(狭すぎるキャリア教育)である。 ①自己理解→②職業理解→③キャリアプラン、といった流れで行われることが多いが、アメリカで生まれたこの理論が当てはまるとも限らない。 ①について、そもそも現実的な仕事の種類や内容を知らずに、やりたいことを見つけることは難しい。「なりたい職業ランキング」みたいなものも、聞いたことがある仕事やテレビで露出しているものなど、イメージや憧れでしかない。 また自己理解を深めたとしても、そもそも学生の経験などバイトくらいであり、その狭い経験の中で見つけられる仕事などたかが知れている。 なので、自己理解よりも先に仕事を知ることが重要となる。 やりたいことを見つける→その仕事を調べる、という決め打ちではなく、仕事について調べて興味がなかったら次に行く、という繰り返しが重要。 そしてやりたいことは価値観や軸に基づくので、これらをある程度知っておく必要がある。 ③について、20年後のキャリアプランなどを作らされることもあるが、志望校合格のような明確な目標がないのにプランを作ることは難しい(作ること自体はやるべきことを意識してもらうためにいいかもしれないが) これまでになかったような仕事が生まれることもあり、キャリアを考えることは難しく、途中で変わることもあり偶然出会ったものがマッチすることもある(クランボルツによると18歳の時に考えたキャリアを実現してるのはたったの2%!) キャリアプランを考えるには単にやりたいことだけでなく、給与や転職、税金といった社会について知っておく必要がある。 自分が知ってることだけで決めてしまう「常識」といったものが正しいのか?広い視野を持っていろんな仕事や人に出会うことが大切。 そして、正社員が是とする教育の見直しも必要。親の時代とは違うし、企業の寿命も30年と働く年数よりも長い。 またどうしても非正社員になる人は一定数いるため、それを頭ごなしに否定するのではなく(生涯収入なども転職が当たり前になる今のご時世当てにならない)、そこからどうやってキャリアアップするかという教育が必要(それを見据えた知識経験を積んでもらう) 【感想】 やりたいこと探しや仕事の理解などを断片的に行うのではなく、連続的かつ継続的にやることが重要だと感じた。 そのためには自分自身が知識や経験を蓄え、価値観や軸を明確にしていき、理想となりそうな仕事を選り好みしないで見ていくことで理想となるキャリアがん見えてくるのかもしれない(もちろん就職してから変わっても問題ない)
1投稿日: 2020.09.09
powered by ブクログやりたいこと やれること やるべきこと 夢と現実の折り合いをつける これから大切なのは ・学び方を身につける ・キャリアマインドをもつ 以上のことは、 日々の授業にも取り入れられる。 授業構成の一助にいたい。、
0投稿日: 2020.03.22
powered by ブクログ最近は、なりたい職業を見つけ、そのために身に着けなければならないのは何か、という方向で進路選びをするようで、「なりたいものが見つからないからどんな大学のどんな学部を目指したらいいのかわからない。」と子どもに言われて模索する中で出会った本です。 中高生くらいではまだ世の中にどんな職業があるのかわかっていないのに、何になりたいとかむずかしいよね・・・。 それにカッコイイカタカナ職業や、医者や弁護士などの専門職じゃなくて単に「会社員」を目指しちゃいけないのかとか。会社のなかの仕事だってわからないんだし。 じゃあどうするのか。 いろんなアンテナをたてて、いろんな勉強をしていってほしいという思いと、いわゆる世の中の「キャリア教育」ってこうだよねっていうことの勉強として、この本を読んだらって、子どもに勧めようと思った。
0投稿日: 2019.07.24
powered by ブクログ素晴らしい。もやもやが吹き飛ぶ。これから必要なキャリア教育は、意外と最もシンプルな教育の原点だと思います。マニュアル化されずに生きて行く力を若い人には、是非身につけてほしい。
0投稿日: 2019.06.02
powered by ブクログ紹介されていたのを見て、面白そうだと思って図書館で借りた本。 キャリア教育に対して感じていた違和感などが、すっきりした。 もう一度読みたい本。
0投稿日: 2018.12.24
powered by ブクログ学校でキャリア教育というものが始まって随分たつ。 キャリア≒就職できる、正社員になる という価値観になっていることに、筆者は違和感を感じている。 また、高校生ぐらいで将来のやりたい仕事を設定するが、その頃には具体的にどのようなことをすることをすることかイメージができないまま、なりたい仕事を思い描いている。 また、夢は持てたとしても、仕事を選ぶ際には現実的な条件と折り合いをつけなくてはいけなかったりする。 仕事をするということは社会の中の一つの役割を担う事、役割を自分に取り込むことであり、それは「やりたいこと」と「やれること」に折り合いをつけていくことなのだろう。 やりたいことは具体的な仕事というよりも価値観であり、ある意味抽象的なものでも良いと思う。その中で選択肢の中から現実的な仕事を選択できるようになると成功なのではないだろうか。 また、これからの時代、一つの仕事をずっとという傾向ではないだろうから、柔軟に仕事を変えられるように自分の価値観を見つめることはより大事になるだろう。
3投稿日: 2018.07.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
”預金”しておいた知識やスキルを引き出しながら、仕事や人生を送っていく「銀行型」ではなく、自分で料理を作れるようになる「料理教室型」の学びを実践してすべきである。 もちろん学校には、君たちが学んでほしい「基本レシピ」(各教科や特別活動などの教育課程)が用意されている。これらは、きっちりと修得する必要がある。しかし、基本レシピを通じて得た知識やスキルだけで、君たちが卒業後の仕事や生活をすべてやり繰りできるわけではない。 だから、基本レシピの修得を通じて、「学び方」を学ぶこと。自分で学ぶ習慣を身につけること。これが、決定的に重要なのである。(P175-P177) セミナーを興味本位で受講し、著者を知り、今現在(平成27年4月16日)で最高のキャリア教育の本。 数学って何の役に立つの?学校って卒業してしまえばそれまでだよなーって思う気持ちを改めさせてくれる本。
0投稿日: 2018.01.21
powered by ブクログ学校の世界には、突然現れて、暫くすると当たり前になることばや分野があります。「キャリア教育」もそのひとつ。 わかったようでわからない部分について、実際に現場でなにが起きていたのかの理解に役立ちます。 出版時からさらに4年経過しているので、さらに現実の方が進んでいます。この間、キャリア教育を支えてきたのは、自分が学生の間にはキャリア教育という言葉がなかった世代のひとびとでした。 批判的なだけの本ではありません。 若者に関わる機会のある方には、いい題材になるでしょう。
0投稿日: 2017.11.12
powered by ブクログキャリア教育のあり方にもやもやしたり、先生達や学校のやり方に首をかしげたり、こういったことは現場にいても常々ある。 本書でも述べられているとおり、キャリア教育といった取り組みは殆どが一過性のイベントとなっているところは大いに反省したいところ。 3年を見越した教育もされず、とりあえずやるといった形で、生徒に本物の力を付けるところに至っていないと思う。 殆どの生徒がギリギリの時期に適当な大学を選ぶか、自分の能力を超えた大学を選んで、慌てて勉強を始めたりもする。 目前の進路ですら決めることが難しい。 正社員至上主義、非正規否定、といったところは、社会全体になんとなくある雰囲気だと思います。 社会に出たとこ、すべての人たちが正規雇用にあり付けるわけでもなく、非正規として働かざるを得ない状況があります。 そういった社会を変えていくのも難しい中、本当に社会に出た時に必要な力はなにか? 特定の職につくための力ではなく、どのような職であっても道を切り開いていけるような力こそが必要なのではないか? 非正規になるかもしれない、そんなときでも自分の身を守り、状況を打開し、様々な選択肢を持てるような教育をすることがキャリア教育なのでは? など、いろいろと考えさせられました。
0投稿日: 2017.09.28
powered by ブクログ読了した本が30冊ほど、感想を書かれるのを待っている状態・・・ なんとかゴールデンウィーク中にしたいなぁ~ 付箋部分を抜粋します ・人のキャリアが、予測不可能なものになっている(p24) ・とりわけ若い人たちが生きることになる将来の社会においては、人生上の「標準コース」は存在しない(p50) ・「やりたいこと(仕事)」なんて、そんな簡単に見つかるものなのか、「自己理解」を深めたからといって 明確にできるものなのか(p72) ・僕は、キャリア教育には、生徒に「夢」や「やりたいこと」を見つめさせ、目標に向けた努力を促すという役割と 生徒の希望と「現実」との折り合いをつけさせる役割という、二重の役割があると考えている(p84) ・①そもそも、将来のキャリアなんて計画できるのか ②その後の変更もありうる前提で計画を立ててみるとしても、プランニングのための基礎となる学習は 十分になされているのか(p122) ・自分が描いてみた「人生」が、実は想像しているよりもはるかに多様で豊かな選択肢が存在することを知らずに そのうちのごく一部をなぞったものになっているかもしれないという可能性に気づいて欲しい(p133) ・人は収入や稼ぎだけで生きていく存在ではない。金銭面での困難がクリアできたとしても、いとも簡単に心が折れてしまう 生き物でもある。ましてや困難や不遇に直面した時、たった一人でその状況に立ち向かうことは本当に難しい(p162) ・重要なのは、いつ訪れるかわからない「いざという時」を意識し、しっかりと腹をくくることである。そのためには ふだんから自分を磨いておくこと、頼りになるネットワークを築いておくことが、結局のとこと有益な 「セーフティーネット」になるだろう(p164) ・転換期とは、かつての古い「標準」は崩れているが、新しい「標準」はいまだ生まれていない時期のことである(p166) ・「自立」とは、人に援助を求めないことではなく、他者との相互ぼ「支えあいの関係」のなかに上手に入っていくことに ほかならない(p167) ・「羅針盤」があれば、自分が今どこにいるのかを確かめることができる。これから進んでいく方向をつかむことができる。 道を間違えたら、あらためて別の道を辿り直す手がかりにもなってくれる。そして、線路や道路なんて、自分で書き込んで しまってもいいわけだ(p182)
0投稿日: 2017.05.06
powered by ブクログ2017年2月 私たちは様々な教育機関や社会に出てからの転職活動で、キャリアについて考える機会がある。ただ、そのキャリアに対する考え方は間違ったキャリア教育の影響を受けていると考える筆者の主張はとても興味深かった。 特に共感する点としては、中高などで考えさせられた自分のやりたいこと、ということだ。結局はその自分視点のやりたいことを追いかけることは、確かに素晴らしいがそれ以外の選択肢を知るということができないことに問題がある。また、社会との関わりという視点も大切だと思う。多くの中高生は将来的に自分のやりたいこと、とは懸け離れた職業に就く問いう事実を忘れてはいけない。自分の子供がどのような時代に生きるかはまだ想像がつかないが、広く様々な仕事があることを知ることも大切だろうと思うし、柔軟に仕事を選ぶ考え方を身につけたいと思う。
1投稿日: 2017.02.24
powered by ブクログhttp://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480688996/
0投稿日: 2016.12.26
powered by ブクログ本書を読んで、今まで自身のなかで抱いていた「キャリア教育」への胡散臭さ、怪しさの根源がどこにあるのか、理解できたように思う。一方、著者のいう「キャリア教育」を本当に実践することの難しさ、いや果たして実践できるのかといった思いも強く抱いた。
0投稿日: 2016.10.08
powered by ブクログまあ日頃から僕が思っていた通りのことを言ってたので読みやすかったw キャリアなんてたった二十数年生きて決められるものではない。それよりもその時々でどうやって生きていくか、その学び方を学ぶ生涯学習が大事。全くもってその通り
0投稿日: 2016.09.30
powered by ブクログキャリア教育に関わる仕事をしている身としては特に新たな発見はなかったものの、ここ10年やそこらで急速に広まったキャリア教育の背景や現状、問題点が分かりやすく整理された良書。 学生のうちから将来のキャリアプランを考えたり、やりたいこと探しをしたりするのはとても大事なこと。それが学びへの動機付けになるだろうし、色んなことにチャレンジしようという意欲を高めるきっかけにもなるだろう。 5年後の世界がどうなっているか予想もつかない時代のキャリア教育に本当に必要なものは、職業体験なのか、キャリアプランづくりなのか、やりたいこと探しなのか。 自分なりの働く意味を見つけ、それに向けて学ぶ意欲を高めるきっかけを提供できる機会としてのキャリア教育であってほしいと思う。
0投稿日: 2015.06.14
powered by ブクログ学校でやっているキャリア教育とは、大企業の正社員として雇われるためのもので、自分で起業したり開発したりするという発想はない。その割には労働法に関する学習は皆無で、経営側にとって都合の良い人材を作っていると言われても仕方がない。中途半端なキャリア教育をするくらいだったら、思いっきり好きなことをする余裕を与えるべき。自分の好き嫌いや特性を経験を通して分かっていない人がいくら自己分析をしても時間のムダ。
0投稿日: 2015.06.12
powered by ブクログ著者の述べるように、大学におけるこれまでのキャリア教育には大きな疑問があり、大学では学び方を学ぶ必要があるという意見に賛同できる。
0投稿日: 2015.05.26
powered by ブクログ現在の高校生の半分以上が、卒業~就職~3年以上継続、出来ていない。高校のキャリア教育に興味のある方にお勧め。 【「キャリア」教育の現状】 つい30年前(~1980年頃)までの日本社会では、人が生きていくコースには「標準的」なモデルが存在おり、そうした社会には「キャリア」という概念は馴染まなかった。 ベネッセによると、高校生の男子・女子は上位から順に、 男:学校の先生、公務員、研究者・大学職員、医師、コンピュータープログラマー 女:保育士、学校の先生、看護師、薬剤師、理学療法士 と、男子の公務員を除いて「専門職」、つまり、職業生活を通してずっと同じ仕事をしていくスペシャリストのイメージしかない。 やりたいこと探しに躍起になっているが、社会で働いたことのない高校生(先生もだが)は「絶対的に」職業知識がに乏しい。その中、やりたいことを見つけるというと、①イメージ先行の憧れ、②出会い頭の偶然、の選択になってしまう。 【キャリアプランなんて計画できるのか?】 キャリア研究の世界ではJ・D・クランボルツの「計画的偶発性」が有名。変化の速い社会に突入し、デューク大学の研究員であるキャシー・デビッドソンの言葉も有名で「今年、小学生に入学した子供の65%は、大学卒業時、今は存在していない職業につくことになるだろう」という文言がある。 キーワード:生涯、挑戦し続け・学び続けることが、キャリアを考える近道
0投稿日: 2015.05.11
powered by ブクログスッキリした。 もやもやと感じていたことをスッパリ言ってくれた感じ。 でも、ただ単に文句を言ったり、否定したりするんじゃなくて、この中に潜むキャリア教育の本質、あるべきところまで、しっかり視野が行っているところが児美川先生の凄いところ。 私はただ否定するだけ・・・・・ 3年経過してどう変化したかを見直す意味で読み直してみた。ますます悪化している大学のキャリア教育(笑)
0投稿日: 2014.11.11
powered by ブクログクラスの中に教員になる人がいったい何人いるだろうか。キャリア教育をする教員は、そのことについてどんな認識を持っているのだろうか。これからそういう指導をする立場になるにあたり、具体的な話もあってかなり参考になった。また読み返したい。
0投稿日: 2014.08.16
powered by ブクログ【要約】 そもそも「キャリア教育」は若年雇用問題(フリーター志向、高い失業率・離職率、増加する無業者など)を背景に若者の「将来の目標が立てられない、目標実現のための実行力が不足している」ことが問題であるとし、その改善を課題として推進され始めた。 教育現場では、「キャリア教育」はワークキャリアを扱いライフキャリアはあまり重要視されていない。また、児童生徒の「やりたいこと」を重視しているが、その「やりたいこと」を判断するための価値観が固まっていなかったり、判断できるだけのことを知っていないため、狭い世界でしか「やりたいこと」を定められない状況である。また、「やりたいこと」の実現可能性についてはあまり言及されない。 「ふつう」に正社員になることを想定しているが、一定数の正社員になれない人がいる。それを考慮に入れていない。 今後は「学び方」を学ぶキャリア教育へ。 (373字) 【感想】 とりあえず今僕は大学卒業後正社員として働いていないし、それを中学生や高校生のときに想像できたわけじゃない。そのような状況の中で今自分がなにをすべきかという「学び方」もどこかで習ったようなことじゃない。 結果的に今そういう感じの状況に置かれ、「学び方」がなんとなくわかってきたけど、そういう経験もなくそのまま正社員になった人は、「学び方」を知らないとなると大変そうだなと思いました(小並感)
0投稿日: 2014.08.14
powered by ブクログ図書館で借りたけど、これは書い直します。 高校生のキャリア教育は、「○○の仕事に就きたい」ではなく、「こういう事をやりたい」という軸を持たせる事が肝要。 この事は実体験として理解できる。 ただ、最後は自分で考えろ、という書き方は責任放棄というか、この人実はわかってないんじゃないの?って思わせる。そこだけが残念。 買ってからもう一度読み直そう。
0投稿日: 2014.04.29
powered by ブクログ正社員モデルに固執するキャリア教育の虚妄について書かれている。大学の宣伝を第一に考えたそれは、教育の名に値しない。学生のことを考えたキャリア教育は、必ず非正規雇用も含んだものになると指摘している。
0投稿日: 2014.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多分、世代毎に受ける印象はだいぶ異なるのだと思う一冊。 自分世代の人間が読めば、そこまでインパクトはないはずだが、現役学生にとってはハッとさせられるかなと。少なくとも自分が高校生ならそう思ったはず。 要約すれば、自分の考えも世の中も結構不安定で、そん中で生きていくのに今の時代にはonly one な答えしかない。だから自分軸を作ってね的な。
0投稿日: 2013.10.11
powered by ブクログ正規労働を目指しても必ず非正規が出るという状況はますます増える状態であり、それを指摘していることは意味がある。キャリア教育を行う教員と学生は一度は読んでみて、自分の行っていることを省みることが必要であることを感じさせる。
0投稿日: 2013.09.26
powered by ブクログキャリア教育を実践する者として必読の本。 今般のキャリア教育が抱える課題と、今後の方策をわかりやすく示唆している。 勤務している学校に照らし合わせると、その改善点が見えてくる。 特に、リアルな社会を見せ、その対応策を考えさせるという点は、 決定的に欠けている。 なりたくなくても非正規雇用になるという現実は、 学校現場では扱いにくい。 学校現場ってのは、前年踏襲が基本であるからして、 なかなかドラスティックな改革は難しいのであるが、 着実にその歩みを進めていく必要があるだろう。
1投稿日: 2013.09.11
powered by ブクログ銀行型から料理教室型への学びの転換を軸に、キャリアデザインの必要性を説く好著。 さまざまなキャリアのるつぼであるPTAが果たすべき役割があるのを、全国大会に参加する前に教えられました。
0投稿日: 2013.08.21
powered by ブクログ本書は,法政大学キャリアデザイン学部教授の児美川氏の著書であり,若者を対象とした進路・職業選択のためのガイドブックである。「正社員モデル」信仰は捨てるべきとし,「非正規雇用」を生き抜くための学習内容・方法に関して記しており,参考になる。児美川氏の指導生の事例も大変示唆に富む。一読をお勧めしたい。 *推薦者 (教教)T.M. *所蔵情報 http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00329564&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB
0投稿日: 2013.08.12
powered by ブクログ終身雇用、正社員になれば安心という壁が壊れて久しい中、まだその幻想を半ば前提としている今のキャリア教育に対する批判、そして筆者からの提言が示されている。 人生は就職したら上がりではなく、その先が大変である。非正規雇用、ブラック企業など理不尽な現実に対する防備、不確定な未来を進む羅針盤と武器。それをどのようにして自分のものにするかこそがキャリア教育に必要なのだという筆者の主張には強く共感する。
0投稿日: 2013.08.09
powered by ブクログ若者たちに、自己分析をさせて適職を探す。 なりたい職業をもとに進路を決定する。 悪いことではないけれど、この方法が無二の正解であるような風潮を感じる。 そのことに違和感を感じていた。 この本を読み、その違和感の原因が見えてきた。
0投稿日: 2013.08.03
powered by ブクログ私はキャリアコンサルタントの資格を持っていますが、キャリア教育に関するもやもや感を本書は見事に暴いてくれています。 手取り足取り人生について教えることが必ずしもキャリアを育む力にならないのは当然でしょう。 その意味で、職業を含めたこの人生を乗り切っていく上で、本書はあらゆる世代にある種の心構えを持たせることに成功していると思います。ソクラテスの産婆術的な方法で。 ・やりたい仕事を見つけさせたとしても、その選択の根拠は底の浅いものになる可能性が強い ・「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」 ・価値観や自分の軸を明確にする ・①学校卒業後も、生涯学び続けていく姿勢を身につける ②就職出来たら終わりではなく、自分の人生を引き受けていく「キャリアデザイン」のマインドをもって行動する
1投稿日: 2013.07.21
powered by ブクログ著者を知っているので必ずしもフェアなレビューになっていないかもしれませんが、まあそういう前提でお読みください。 そういう前提付きですが、私は、本書は総体的には、子どもたち・若者たちの将来への備えになるキャリア教育とは何か、を考える上で多くの示唆をもたらしてくれる本だと思いました。もちろん書かれているすべての指摘に賛成ではありませんが。 キャリア教育の「ウソ」だなんてセンセーショナルなタイトルで、キャリア教育に熱心に取り組んでおられる関係者からすれば面白くないかもしれませんが、まあそれは編集サイドの思惑もあるでしょうし、著者自身も「からくり」や「(キャリア教育又は子ども・若者が陥りやすい)わな」といった意味で使っておられるようですし。ただしそこには、「現在行われているキャリア教育には、現実(社会の状況、若者の状況、労働の状況)を十分見つめ切れていない(ものもある)」という、たぶん正しい指摘が含まれているのだと思いました。 本書を読んで(僭越ながら)自分と問題意識が共通している点が大きく分けて2つありました。 一つは、著者が指摘している「やりたいこと探し」の重視についてです。私は「夢や希望を持てば皆頑張るようになる」的な教育観にあまり共感できないで来ました。成功した方はそういうことをおっしゃるのですが。自分はそうだった、それで頑張れた、子どもたちはみなそうに違いない、と。。。もちろん、子どもたちのためを思ってその学習意欲を高めるための考えの一つでしょうから、そういう風に考える方の気持ちは尊重したいですが。しかし夢や希望なんてそんなに簡単に持てるのだろうか?という気がします。またそんな簡単に持つべきものだろうか、とも思います。 夢や希望を持ってストレートに仕事に結びつく人はほとんどいないわけで、別に「夢みたいなこと言ってないで現実を見ろ」というドラマでありがちな大人のセリフとして言っているわけではなく、夢が直接職業になるというのは特定の専門家の場合(スポーツ選手、芸術家、法曹関係、医療関係、教師・保育士、パン屋・花屋など分かりやすい小売業)であって、ほとんどの人は組織に属して給料をもらいジェネラリストとして生きていく。そこに大きな齟齬があるのに、それが隠れているのはリアリティがないというか、ちょっと嘘くさいというか。。。 大学生の就職について「就職」と「就社」という言葉で指摘されている問題もありますが、その当否はともかく(どっちがいい悪いという問題でないように思いますが)、我が国ではまだまだ「就社」が圧倒的に多いわけですし、独立したプロになる人はまだまだ少ないです。 著者も述べておられますが、職業選択に限らず人生というのは、自分の思いと社会の中での自分の位置(社会から求められる役割や自分の能力・特性が役に立つ場所など)とのせめぎ合いなのだと思います。それは単に希望と現実(能力)の折り合いというさみしいだけのものではなく、自己と他者との関係性を理解するという意味もあります。また、私は自分の職業選択の時から、仕事というのは「やりたいこと」「やれること(又は得意なこと)」「やるべき(だと思った)こと」の狭間での迷いもあり、そういう意味での選択もあると思います。十年ほど前に中学生にそういう授業をさせてもらったこともあります。全部が重なれば最高に幸せかもしれませんが、なかなかそうはならないでしょう。 もう一つは、キャリア(≒人生)教育と言っていながら、職業や就労だけに焦点が当たっている(「ライフキャリア上のさまざまなイベントや転機に対応できるための準備も必要」)という問題意識です。この点についてはこれまでもたびたび書いたことがありますので、簡単にしておきますが、特に人生上で、就職の後に続く、結婚、妊娠・出産(女性だけでなくパートナーである男性にとっても大事)、子育て(乳幼児期の様々なイベントや、就学、進学など)、地域等仕事以外の役割(PTAなど学校支援、自治会、地域によっては消防団)、親の介護などなどについても、結論は出せなくても若い頃から考える機会を持つべきだと思っています。また、近年「働き方」そのものも社会的な話題に上ることが多いですが、「どのような働き方を選ぶのか(場所、形態、忙しさ、などなど)」、ライフスタイルについても考えていいはずです。目先の就職・進学に比重がある程度偏るのはしょうがないとは思いますが。 他にも著者は以下のような非常に有益な(と私は思う)指摘をしておられます。 ・「標準(=新卒就職→そこに長く勤める)が崩れてしまった時代」なのに、標準な就職だけを念頭に置いた指導が行われている。 ・キャリア教育と教科教育とを別物だととらえている ・自己理解、職業理解、プラン作成など、深く考えないでもやってしまえるワーク的学習の問題点 ・正社員モデルや生涯賃金比較による指導の限界、、、などなど。 最後に。本書のプロローグは、児美川先生の教え子の卒業後について書かれているわけですが、先生の愛が詰まっている気がしました、ちょっと泣いてしまいました。キャリア教育の本で泣くのは私ぐらいでしょうか(笑)。
2投稿日: 2013.07.15
powered by ブクログ日頃から大学生のキャリア教育の最前線で活躍されている著者の視点が随所に散りばめながら、現在のキャリア教育の問題点が鋭く指摘されている。企業人にもとても参考になる書籍である。
0投稿日: 2013.07.14
powered by ブクログキャリア教育についての異議を、著者が書き連ねた本。著者の魂がのってる感じがします。 キャリア教育で唱えている理論と実際の中身が伴っていないという指摘は多くの本でされているように思うのですが、本書はわかりやすくて、概要を大まかになぞれるように思いました。 自分も就職活動というものに興味があって、どのようなかたちであるべきなのか考えていきたいと思っているので、児美川さんの著書を含めて、もっとキャリア教育に関する本を読んでみたいと思う。
0投稿日: 2013.07.12
powered by ブクログよく分かるけど、キャリア教育に関わりがない人に、実感を持って、理解できるんだろか。 以下要約 キャリア教育 =自己理解と職業理解で見えてくる軸をつかむこと。 =学校教育の『機能』学校における教育活動が子どもと若者の将来担うことになる、『役割』の遂行能力の育成に資するもの。 ---------------- 的を得てる本かと思われる。教育書に対して、偏った批判を展開してるんじゃないかと、世の中にある教育論者の本を懐疑的に見てしまう。。 こう見ると、自己理解を促す機会、職業を理解する機会、体験する機会をつくり、ジョブマッチングにつなげる、今の発達、精神障がい者の就労支援の仕事はキャリア教育。 個人への支援と自己理解に医療、福祉的な視点が必要になるのが、違うところ。 (つづく)
0投稿日: 2013.06.28
powered by ブクログ「将来の目標が立てられない、目標実現のための実行力が不足する若年者」を鍛え直し、テコ入れすること、そのことによって若年雇用問題の深刻化に対処することが、キャリア教育のねらいである(p.38)。 社会的な存在である人は、人生の履歴において、様々な「役割」を引き受けながら生きていく。それは、役割を引き受けるという仕方で社会に参加し、貢献していくことでもある。そして、そうした「役割」を担うことができるように成長すること、そのことを、自分の「生き方」として、自分の中に統合していけることが「キャリア発達」である。その「キャリア発達」のための力量形成に資するのが、「キャリア教育」なのである(p.53)。 キャリア教育には、①「自己理解」系、②「職業理解」系、③「キャリアプラン」系という3つのジャンルがあるそうだ(p.57)。 キャリア教育には,生徒に「夢」や「やりたいこと」を見つめさせ,目標に向けた努力を促すという役割と,生徒の希望と「現実」との“折り合い”をつけさせる役割という,二重の役割がある。いわば,生徒の希望や向上心を“炊きつける(加熱する)”と,それを適切に“冷却して”「現実」に着地させる役割である(pp.83-84)。
0投稿日: 2013.06.26
powered by ブクログ今はやり?のキャリア教育について書かれた一冊。著者は中高大学で行われているキャリア教育が正社員になる事に傾倒しすぎていて、実際のキャリア教育の在り方、人生という長いスパンで見た時の仕事と人との在り方とずれているのではないかと警鐘を鳴らしている。 結論としては、正規雇用、正社員ばかりが取り上げられるが、実際には非正規雇用となる人が現れることは確実だとした上で、 ①非正規を含め働き方の多様な形態とそれぞれの利点欠点を探ること。 ②次のステップへの見通しを立てること。 ③職業訓練や求人支援などについての情報提供。 ④労働法など労働者にとって武器となるような情報 などの教育、支援が必要なのではないかとしている。 最後にこれからも社会の中で生きていくために必要な事として、生涯学習してゆくこと、そして就活の終わりがキャリアの終わりではないと考えておく事をあげている。 読みやすかったが、あまりハッとするところが少なかったのが残念。末尾に参考文献が纏められているのは良かったです。
0投稿日: 2013.06.25
powered by ブクログ≪目次≫ プロローグ それぞれの卒業後 第1章 キャリア教育って、なに? 第2章 ウソで固められたキャリア教育? エピローグ 転換期を生きるということ ≪内容≫ これがプリマーブックでいいのでしょか?という内容。一応、プリマーブックは高校生や大学生向きでしょ?これは中学、高校の進路指導担当や中学2、3年、高校1、2年の担任向きかもしれない。うちではぜひ校長に読ませようと思います。 ああ、内容は今高校の「キャリア教育」と銘打ってやっている授業は、どうなの?という話。「職場体験」や「キャリアプランニング」って、今のやり方じゃ生徒の身につかないよね、って言ってます。 また、そう言うのは高度成長期(この頃は”キャリア教育”すらなかったけど)にやるべきもので、時代の転換期には、もっと”生きる知恵”っていうか、端的に言っちゃうと「転職」等することを前提に考えないと、と…。 じゃあ、何すれば?って話ですが、結局は「キャリア教育」(たとえばウチでは〝産業社会と人間”ですが)の単独では身につかない、教科横断的な、5教科でもそれ以外(たとえば家庭科など)でも「キャリア教育」を意識した取り組みを入れようね、って言ってます。 わかってるけどね…ってしか、今は答えられません(汗)
0投稿日: 2013.06.21
powered by ブクログ仕事の現場では、当たり前に気がついているキャリア開発への話。 キャリアデザイン=どんな会社、職業につくか で、学生の思考が狭くなっている、と。 実社会でいかにその時点の状況に合わせながら積み上げて行く必要性の示唆。
0投稿日: 2013.06.15
