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総合評価

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    ずっと読みたかったが、Kindleで読めそうになった途端、やはり紙の本で読みたくなって、初版の古本を入手して。 手に入りにくさ故だろうか。 戦争を語るのに、この本以上のものがあるだろうか。翻訳はされただろうか。 高校の教科書に「兵隊宿」が取り上げられているのだから、日本語のもつ力がずっと受け継がれていくことに希望をもとう。 異なる場所や時代を生きてきた者にも、人生への向き合い方を静かに示唆してくれるような、芸術的作品である。

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    投稿日: 2020.08.10
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    タイトルは宮島で陰暦6月17日に行われる管弦祭からとられているが、それは小説の末尾にのみ現れ、それまでの回想の物語に対する鎮魂歌となっている。小説全体は有紀子を一応の主人公としつつも、彼女の周縁のさまざまな人々の戦中、戦後史が編年体風にではなく、自由な時間軸の中で語られてゆく。特に戦前、被曝前の広島の地名が限りない愛着のもとで語られるが、そこに共感できれば(たとえ広島の地を知らなくても)しみじみとした物語として受け止めることができるだろう。これというプロットがないのだが、そこがまたこの小説の価値なのだ。

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    投稿日: 2013.10.10
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    ずっと前から気になっていた作品。 選び抜かれたような日本語が心に響きます。 最後の章の幻想的な管絃祭の描写が悲しみを一層深くします。 大切な人と厳島神社、そして管絃祭を一緒に見に行こうと思います。

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    投稿日: 2012.07.22
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    雅楽の不思議な響きの間に見える空虚。 そこから湧き出たような思いで読ませて頂きました。 毎年、夏になると思いだす本です。 (2011.8.10)

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    投稿日: 2011.08.16
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    淡々と綴られる人々のことばやしぐさの連続に心を打たれる。それがあるとき突然、不連続になることの苦しみ。簡単に不連続になる、というより、連続することを閉ざされた、止められた、といってよい。止められた恨み、止められたと思ったら、そうではなくて、続いていかされる生のなかで、生きろ、と無理強いされる苦しみ。「苦しみ」と書いてみるのは簡単だが、その心持ちがわかるためにどうしたらいいのだろうか。ただ毎日が何もなくすぎていくことの重みを考えよう。

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    投稿日: 2008.09.21