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過去と和解するための哲学
過去と和解するための哲学
山内志朗/大和書房
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総合評価

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    「過去と和解するための哲学」の要点まとめ 主要テーマ 過去との向き合い方、赦し、倫理、暴力、記憶と忘却、自己認識、他者との関係性に関する哲学的考察 「償い」と「赦し」の概念 「償い」はラテン語"satisfactio"(満足、充足)に由来し、条件を満たす行為 罪の告白と赦しだけでは不十分で、赦しを充足する行為が必要 言葉だけでは過去の負の側面は消えず、具体的行為による埋め合わせが必要 倫理と感情 倫理は「体の芯に忍び込んだ」内面化されたもの 身体に深く染み込んだものこそが真の倫理 過去の出来事による心の痛みは記憶として残る 権力、攻撃性、政治性 自己より下の者を見つけようとすることが政治性の根源 癒しがたい自己破壊的な過去への後悔が攻撃性として発現 権力は自己と他者の水準を比較し均衡を保とうとする力動性を持つ 日常性、喪失、時間 何気ない日常は一つの出来事で停止し、取り戻せなくなることがある 時間に追われる生活は未来の時間を使い果たす感覚をもたらす 同調圧力と「空気」 「空気を読む」ことの強要は無言の同調圧力 日本の祭りは同調圧力の爆発的な祝典として捉えられる 記憶と忘却 正しく覚えるだけでなく、正しく忘れることも重要 記憶は整理・分類・タグ付けによって制御可能 強烈な感情を伴う記憶はフラッシュバックとして蘇ることがある 攻撃性と快楽 日常の退屈さから刺激や達成感を求め、急激な落差に快楽を感じる ハラスメントは緊張解放を利用したマインドコントロールの一種 復讐心 屈辱を忘れない執念は自然な感情として肯定される 復讐すべき相手が消えても攻撃性を持ち続ける心が問題 自己認識と他者 自己肯定感の低い人は自己を探す旅に出る必要性を感じる 他者を鏡として自己認識が形成される 聖域と不可侵性 神殿や寺院などが不可侵の聖域(アジール、サンクチュアリ)として機能 アガンベンの「ホモ・サケル」概念:聖なるが故に殺しても罪に問われない存在 情念の哲学 情念は存在することによって必然的に生じる心のざわめき 「怒り」は予期せぬ出来事や妨害に対する代表的情念 過去との和解は、過去が現在の源流であることを認識し受け止めること

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    投稿日: 2025.04.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分の過去と別れたくて手に取った本。 内容は少し難しい。 「私は正しいと思う攻撃性」については読めば読むほど納得し腑に落ちた。 正しいということはない、また過去は変えられない。許すしかないとわかってはいるが、どう許していけばいいのか。私にはまだわからない。課題になりそうだ。

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    投稿日: 2025.04.02
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    過去と和解することは、過去を忘れることではない。受け止めて、悔やむ。なんであんなことしてしまったんだ、と自分を責めて、自分と仲直りすること。特に、それをトレーニングと呼び、和解のためにはそのトレーニングを何度も行うしかないという考えは面白かった。

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    投稿日: 2022.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一般書の顔をした専門書。 哲学の基礎知識がないと完全に置いていかれます。 文の構成にまとまりがなく、例え話も突然あちこちに飛躍するので、結局何が言いたいのかよく分からなかった本でした。 過去と和解したい。 そのヒントになる様なもの、答えはこの本にはありません。 ただあるのは、著者の世界観と哲学の羅列です。 個人の頭の中を覗いてみたい人には良本かもしれません。

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    投稿日: 2021.09.01