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絶滅危惧の地味な虫たち ──失われる自然を求めて
絶滅危惧の地味な虫たち ──失われる自然を求めて
小松貴/筑摩書房
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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者の小松貴博士が、自身の研究やプライベート?の中で見つけることが出来た節足動物の発見記がベースとなっている。 ただ単に対象生物の特徴や珍しさを記載するだけでなく、その生活史や発見記録からどのような生態なのかを想像し、戦略的に見つけるための方法を記載している点が、他の書籍とは一線を画する点であり、非常に面白いと感じる。 また、著者は生物多様性を意識した環境保全について本気で考えており、書籍の中でも環境関連の問題提起や、読者に対してどうしてほしいか、といった注意喚起もあり、好感を持っている。 あと、書籍中に記載されている節足動物に関する知識が非常に興味深いものが多い。

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    投稿日: 2024.12.31
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    この本は素晴らしいです。 日本だけでも推定10万種もの昆虫がいるとされているそうですが、しかし有名なのは特徴のあるごくわずかな種だけで、大半は大して特徴も無い、人の興味を引かない、とても地味〜な虫なんだそうです。そうでしょうね、10万種もいれば。 この本はそんな地味な虫たち、しかも絶滅に瀕している虫たちを丹念に追いかけた記録です。 惜しむらくは、本文中の写真が白黒で、しかもあまり大きくないので、虫たちの形が今ひとつ掴みにくいことでしょうか。(でも人によったらあまりにリアルなのは引いてしまうかもしれないので、このくらいが良いという話もありますが、、、) これで何者か分からない小さな昆虫をみても、これまでとはちょっと見る目が変わるかもしれませんね。

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    投稿日: 2019.07.16
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    虫屋を極めた先に見えている世界はどんなものなのだろうか。ついに虫屋になれそうにない私は著者の文章を通して虫の世界を覗くことに甘んじよう。 圧倒的な「書くべき」情報を持っている人の文章は濃密だ。内側からひねり出す文章は面白くない。

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    投稿日: 2019.04.07
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    多くの地味な虫たちがどんどんいなくなっているんだろうなぁ…というのはなんとなく感じていたけれど、それを1つ1つ追跡調査しているところがこの本の凄さです。人間はホントに罪深い。

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    投稿日: 2018.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分の生活圏のなかでも人知れず見かけなくなった虫がいる。 我が家の猫の額ほど狭ささやかな庭にも松の木があって、松の木がある時はセミが大合唱していたけれど松の木が枯れて片づけてしまって以降はセミの声が聞こえなくなった。 ちょっとした環境の変化で虫たちはその姿を消してしまう。 セミは何処にも出いる虫だけれども曾祖父の頃のからずっと連綿と続けていたセミの世代交代がなくなってしまったんだと思うと知らないどこかでも人知れずひっそりと生きていた生物が消えてしまうと言うことに気付いた。

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    投稿日: 2018.07.29