
富豪伯爵と秘密の妻 メイド物語 I
クリスティ・マッケラン、神鳥奈穂子/ハーレクイン
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総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
素敵なお話でした。 ハーレでは王道の一つである「夫婦の愛の再生物語」です。 ヒーローはタイトルどおり、自ら興した事業で成功を収め、大金持ちになった伯爵です。 ヒロインも元、富裕階級に属していましたが、父が借金を残して亡くなり、大学進学の夢も諦めて派遣会社に登録してメイドとして働いていす。 二人は公にはしていなけれど、夫婦で、二人がまだ若い頃、結婚しました。結婚後、ヒーローが仕事のためにアメリカにいかなければならくなり、妻についてきて欲しいと頼んだその時、まさに父親が亡くなったのでした。 ヒロインは動揺する母を一人残しておけず、夫に一緒には行けないと別離を切り出したのです。 それから年月が流れ、二人はヒロインがメイドとして働いていた場所で再会。 止まっていた刻が動き出す、という展開です。 登場人物たちは間違いなく富裕階級の人たちですが、問題を抱える若い夫婦としては、本当に、どこにでもいそうな夫婦だし、問題そのものもリアリティがあります。 身近な物語り設定がお話を現実感あるものとして読者に認識させ、読み手は人物たちに起こる出来事が他人ごとではなく感じられるため、感情移入しやすかったり、共感できたりするのではないでしょうか。 表紙の大観覧車の写真は何故なのかと思っていたら、最後の方まで読み進めていったら、その理由が分かります。クリスマス間近の煌めく町、観覧車、まるでドラマか映画の美しい映像を見ているようです。 互いを想い合っているにも拘わらず、若さと周囲の状況によって離れざるを得なかった若いカップルが大人となり、改めて自分たちの関係を見つめ直し、夫婦としての絆を結び直すお話です。 読んだ後、ホッとするような優しい気持ちになれました。
0投稿日: 2018.12.13
