
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アマゾンの関係の本はできるだけ読むようにしています。 この本は地熱を専門とする学者が幼いころ祖父から聞いた沸騰した水が流れる川を探す話です。 川は案外簡単に見つかります。 なぜ沸騰しているのか いつから沸騰しているのかは地熱学者の知りたいところです。 その疑問の解明と探索の様子が生き生きを描写されます。 ジャングルに受け入れられて蚊に刺されなる話は面白い。 自分の庭でも刺されるのに、 TEDトークも見てみたいと思いました。
0投稿日: 2020.09.04
powered by ブクログ子供の頃、祖父から聞いたスペインによるペルー征服の話。そのなかに 出て来たのがアマゾンのジャングルの奥深くにある黄金都市と、「煮え たぎる川」。 成長して地質学者になりペルーの地熱分布を研究するうちに著者は 思い出す。そうだ、昔、祖父に聞いた「煮えたぎる川」はどこに あるのだろうか。 上級研究者や他の研究者に質問をぶつけても、「伝説でしかない」と 一蹴されてしまう。しかし、著者は祖父の話が伝説だとは思えない。 ペルー側のアマゾン流域に幻の「煮えたぎる川」を発見する旅に出る。 なんていうと探検物語のようだが、実は「煮えたぎる川」はあっさりと 見つかる。 伝説でも何でもない。実際に川からは湯気が立ち上り、高いところでは 96℃の熱湯が流れる立派な川は存在した。そして、その場所がシャー マンが運営するヒーリング・スポットとして、外国人観光客に人気の 場所でもあった。 本書の主題は「煮えたぎる川」の発見譚ではなく、アマゾンの奥地に まで迫る自然破壊だ。原生林から立派な巨木が伐採され、跡地は焼き 払われて牧草地となる。 先住民が精霊の宿る場所としていた地域が、徐々に破壊されて行く。 実際に著者が調査の為に訪れる度に、無惨に焼き払われた土地が 広がって行く様はなんとも言えない気持ちにさせる。 文明と文化の衝突は止めることは出来ないのであろう。だったら、 文化を残しながら文明を取り入れ、双方にとって何がより良きこと なのかを模索するべきなんだろうな。 意外だったのは石油発掘会社の存在が、アマゾンの自然を守るのに 役に立っているとのことだ。厳しい環境基準や、従業員への教育が 行き届いている為に、無闇に自然に手を加えることがないらしい。 シャナイ・ティンピシュカ。「太陽の熱によって沸騰するもの」と の名前を持ち、熱湯が滔々と流れる川。日本のバラエティ番組で も取り上げられたようだ。私は見てないのだが、このような場所で バカ騒ぎをしていないことを祈りたい。 先住民が父祖の代から精霊と共に過ごした場所なのだから。 尚、何故川に熱湯が流れるのかのメカニズムの解説も面白い。人間は 地球のあらゆる場所に行けるようになったが、自然には人智を越えた 場所がまだまだあるんだろうな。
0投稿日: 2017.12.11地質学の学術書ではない
ペル-のアマゾン地帯にある煮えたぎる川の話を、曽祖父から聞いた経験のある著者が、実際に地質学者になってから、その川に遭遇する話です。といって、地質学の学術書ではなく、スピリッチュアルな影響を受けた著者が、その研究・保護に活動するエッセイです。当地の油田開発会社に勤める地質学者が、ジャングルの破壊を嘆き、その保護をアドヴァイスする記載には、印象づけられるものがありました。油田開発会社への投資が終了し、会社の活動がなくなれば、保護されているジャングルは破壊されてしまうだろうという主張に、今後のヒントがあるのかもしれません。
0投稿日: 2017.10.22
