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働きたくないイタチと言葉がわかるロボット
働きたくないイタチと言葉がわかるロボット
川添愛、花松あゆみ/朝日出版社
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総合評価

82件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    言語学者さんによる、言葉が分かるロボットを作ろうと奮闘するイタチたちのお話。他の動物界で取り組まれている先進技術から学びながら考え、機械に言葉を分からせることはとても難しいということが示されています。 今日主流となっているという大規模言語モデル、つまり大量の言語データを機会に学習させて、言葉を使えるような仕組みを機械に組み込もうとする取り組みで、 どのような課題を乗り越える必要があるのか、など、いろいろと書かれていました。 今はこの本が出版されてからさらに技術が進んでいるかと思いますが、その発展の方向性みたいなものを少し知れたかなーと思います。 それにしても、 イメージと言葉は違う!ということがまずありますよね。 それぞれについて、人間の脳の中では生成されていっているんだろうと思う。 言語脳の人と視覚脳の人がいる、といいますが、人間それぞれでもどっちを優先的に思考の基盤とするかも違うというので、言語とそれ以外の認知の関係性はなかなか複雑そうで機械で再現するのは至難の業に違いない、と勝手に思ったりしました。

    0
    投稿日: 2026.01.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった! 会話できる人工知能が開発されるまでにぶちあたる壁について動物たちのお話を交えて解説してくれる本。 お話のパートがいちいちユーモラスでよかった、イタチもまわりの動物もちょっと性格が悪いところが愛せる。 2017年著の本なので今の一大生成AIブームより少し前に書かれている。これ今のChatGPTはどう乗り越えてる問題なんだ?と思って本人に聞いてみたところ、学習方法の大枠はこの本に書かれているようなことと同じで、ただインターネット上のデータ収集の方法がよりパワーアップしたという感じだった。 意図を推測しているだけであって理解しているわけではないとchatGPTも言っていた。 結構お話は中途半端なところで終わる。結局機械が意味を超えた“意図”的な部分を汲み取るためにはより深くて多い学習が必要なようだ。

    0
    投稿日: 2025.07.19
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    「自動人形の城」がとてもおもしろかったのでこれも読んでみましたが、こちらは川添さんの他の著書とあまり変わらない印象。 私自身は決して開発者側にはなれないということを実感しました。

    2
    投稿日: 2025.04.15
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    人工知能について少しでも知見を深めたかったので読んだ。物語形式で大変わかりやすく、記憶にも残りやすい優れた作品だった。人工知能を作るにあたり、どのようなことが問題となってくるのか簡単に知れた。絵もかわいい。

    1
    投稿日: 2025.03.18
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    「言葉がわかる」とはどういうことなのか、我々は脳内で無意識にどのような処理をしているのか、1つずつ分解して解説しており、わかりやすい。  イタチを主役にストーリー仕立てにしていることに加え、イラストも可愛いらしいので絵本感覚で楽しく読み進めていける。 著者が工学畑や技術畑の人間でないことが(言語学者だそうです)、専門知識のない一般人でも理解できる形を可能にしたと思う。AIのことを、なんだか凄そうだけど得体がしれないもの、と感じている方は、これを読むと解像度が上がる気がする。

    1
    投稿日: 2025.03.10
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    何でこの本を知って読む気になったのか忘れてしまったけど、AIにも言語にも特に興味がない自分でも(多少飛ばしたところもあるけど)最後まで興味深く読めた。 言葉を理解するというのはどういうことか、という普段考えたりしないことを、わかりやすい寓話と素敵なイラストで少しずつ噛み砕いて読ませる。興味のある読者にはさらに詳しい解説が用意されている。だいたい表紙からして素敵でワクワクする仕上がり。 著者はもちろん、編集や装丁の仕事もすごいと感じた。

    0
    投稿日: 2025.02.23
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    働きたくないよ!私も! 助けてイタチ! という気持ちだけで手に取った本。笑 「言葉が分かるとはどういうことか?」が、 イタチや他の動物たちとの物語の中で分かりやすく書かれている。 人工知能開発する人の努力や凄さが分かったけど、 何より 自分はこの複雑な理解や判断を自然とやっていたのか!頭いいじゃん!と思えた。笑 文章を作成するときに、句読点の付ける位置とかにこだわる方はめっちゃ共感すると思う…。

    1
    投稿日: 2024.12.01
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    ロボットが言葉を理解するために必要な条件、現時点で使われてる技術や今後の課題を平易に説明してくれてる はじめて生成AIを触った時ベクターストアが理解できなくて苦しんだことを思いだした 大学生のときに一度授業の中で取り扱われた気がするグライスの「会話的含み」の研究が改めて面白すぎると感じた 一件説明しにくそうに見える事象を4つの行動様式にシンプルにまとめあげていいて、すごいとしか言いようがない

    1
    投稿日: 2024.11.26
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    「言うことが何でも分かる」ロボットを開発したいイタチの物語を軸に、自然言語処理とは何か? AIにはどんな技術が組み込まれているのかがよく分かる一冊。 楽しくてオモシロイ。 現状の技術では、AIに学習させる素材をどう用意できるか、その素材の質をどう担保するかが難しい。ここをブレークスルーできる技術は可能なんだろうか?

    1
    投稿日: 2024.09.23
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    「言葉がわかるロボットができれば働かなくてよくなるぞ!」と夢を持って周りの動向をリサーチしていくイタチたちだが、後半になるにつれ雲行きが怪しくなり……最終章は星新一さんの作品のようでもあり、なぜイタチが主人公だったのかにも納得して良い読後感だった。リファレンスも多く、技術的な側面にしっかり切り込まれており自然言語処理に関するいまがすっと入ってくる良著でした。

    0
    投稿日: 2024.07.15
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    言葉が“わかる”ロボットを作るために、言葉がわかる、伝えられるってどういうことかってのを、言語研究の視点で寓話+解説という形で、どんどん深掘りしていく構成は面白い。でも、後半ディープな話になると、とたんに寓話に無理が出てきて、解説を読んだほうが話が早いってなってしまった。寓話がメインで、解説がおまけってわけにいかないのはよくわかるんだけど。

    8
    投稿日: 2024.06.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    言葉がわかるロボットを作って、楽したい! 人工知能が言葉を理解しているとはどういうことなのか。言葉がわかるロボットを作って、自分たちの代わりに働いてもらおうとするイタチたちの物語と一章ごとの解説で、それがどれだけ難しいことかを説明する本。言語学を外国語教育の方面からかじっていたので、イタチたちほど自分は愚か者じゃないと思いつつ、「言葉を理解する」の想像以上の深さにあらためて驚く。 ChatGPTの精度が色々言われているが、大量のデータを集めていても元になっているデータに間違いがあると吐き出した結果も間違うことがある。だからすべてロボットに任せることはまだできない。判断は人間がする。またすべてを任せるのではなくて、ある目的の処理だけロボットに任せるのもありで、これもやはり人間がいないと一連の流れは完成しない。イタチたちには申し訳ないが、働かないで済ませることはまだできない。人工知能は勝手に発達しない。当分人間がお世話をしないといけない。 あらためて人間の言語獲得の仕組みはすごいと思った。しかし人間の仕組みと、機械の仕組みを同じにする必要はないという指摘にもはっとした。機械にしてほしいことを、望ましい精度でさせることができたらよいのだから、まったく異なる方法にブレイクスルーがあるのかもしれない。 動物たちの物語で楽しく読めた。中高生におすすめしたい。

    0
    投稿日: 2024.05.03
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    【理学部情報科学科】ベストリーダー2024 第8位 東京大学にある本はこちら https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=2003380037

    0
    投稿日: 2024.04.18
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    人が話す言葉の意味や意図を機械が正確に処理するためにはどんなハードルがあるかを、一つずつ順を追ってわかりやすく、しかも物語(おはなし)仕立てで楽しく、説明してくれている。これを読めば、一世を風靡している大規模言語モデルのAIと言えども、それがどんなに進化したとしても、できること(内容・分野・場面)は限られるだろうことがよくわかる。

    0
    投稿日: 2024.02.07
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    意外と簡単なこともAIにはわからない、どころか知性があるかは推測しかできないんだなぁという感じ。多分それが合ってるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2024.01.10
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    うちの娘は語学が好きである。英語とか古文とか、文法の勉強自体が好きらしく、活用とかイディオムとか覚えたりが苦でないらしい。 これは語学は仕方なく学ぶものでそれ自体はめんどくて仕方ない、という私とはえらい違いである。 したがって、というか娘はなんとなく自分を文系と思っているようなのだが、いよいよコードさえ書かなくてもAIを使える時代がやってくる。そうなると語学そのものが好きなことはAIの本質理解の上で立派な武器なのでこの本を推薦してみた。そして案の定自分が先に読んでいる。 川添愛さんの本は何冊目かわからないがこちらも予想どおりおもしろい。「自動人形の城」とほぼ同じタイミングの出版であり、いずれも「面倒なことを機械にやってもらおうとして四苦八苦する」話なのだが、あえて言うなら「自動人形」はプログラミングの話、本書は人工知能の言語認識の話と言えるかもしれない。 言葉がわかる、とはどういうことか?最近理解が進んできたとおり、人工知能がやっているのは煎じ詰めれば「似たような用例の文章を鬼のように学習して質問にそれっぽい回答を返す」プロセスに他ならない。それっぽさ、の再現のためには、人間がなぜかできてしまう「聞き取り、話し、関係付け、論理を理解し、しかも言わずもがなの常識をわきまえる」ことが必要になる。この辺を寓話的に説明するのは手練の川添節。 理論的に未解決でも大量のデータを食べているうちに、人工知能がとにかく実用に困らない程度にそれっぽい回答を出せるようになってきたことはいまや皆知っている。 それでも「『この課題をクリアしていない限り、言葉を理解しているとは言えない』という、『言語学者から見て絶対に譲れないライン』は提示したつもりです」(あとがきより)。 このかっこよさ。 押し付けるつもりは毛頭ないけれど、娘がこれを読んでおもしろい!と思ってくれるかどうか。ちょっと楽しみ。

    13
    投稿日: 2023.11.12
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    「言葉がわかる」とはどういうことかを、物語形式で段階を踏みながら丁寧に追っていくことができる1冊。 また、言語化や機械化、システム化とは何か、についても考えさせられる良著だと思います。 章ごとに「物語+解説」という構成も、この本には適していると思います。 個人的に最も「なるほど」と思ったのは、文(文章)の「意味」と「意図」の違いの話。 「意図」を読み取れない人との会話は、苦労することも多い一方で、あえて「意味」と「意図」を変えることで相手の反応や本心を試す、なんてこともやっていたりします。 理論言語学や自然言語処理に興味があるけど、どこから手をつければいいのかわからない、という人には、この本から入ることをお勧めします。

    1
    投稿日: 2023.09.12
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    ChatGPTやSiriの音声認識とか原理について、非常にわかりやすく、勉強になる本。人間とは何か、言語とは何か。突き詰めると、会話は結局、パターン化され規則性のあるインプットとデコード、アウトプットで成立する事が分かる。 私たちの会話の中で重要な雑談。6割が雑談であると言う調査結果もあり、その中身はぼんやりしたやりとり、ぼんやりした理解で構成される。内容の正確さが必ずしも問われない、ぼんやりした言葉にはちゃんと共感してもらった、否定してくれた、興味を持ってくれたと言う自分の都合の良い解釈が成立するのだという。コミニュケーションで大切なのは、一問一答の正答率を上げる事ではないのだ。 また、言葉の意味と言うのは全て言葉の外の世界にあるのだろうか。言葉の意味がわかると言うのは、言葉と画像を結びつけられることに他ならないと言う主張もある。本当にそうなのだろうか。会話型AIは必ずしも、言葉の意味付けをしていない。画像と会話のAIが融合し、言語を用いぬコンパイルの更なる進化は胸熱だ。 画像を機械に認識させるには、無視すべき違いを無視し、無視してはいけない違いを無視していく。また、文脈を理解するために、推論のパターンを読み込ませていく。この推論作業を妨げるものは、感情や都合。間違い。言葉の定義。隠れた前提。曖昧性。 イタチはロボットを完成させ、労働から解放されるのか。シンギュラリティはもうそこまで来ている。AIに求められるのが正答率や生産性ならば、我々が必要とする雑談がどのような形態になるのか。少なくとも、相互理解のためのセンシングとしての雑談の必要性は変わらない。ならば、逆にそれをAIに実装する必要は無さそうだが。

    6
    投稿日: 2023.06.11
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    言語学者である著者が言葉を理解することの複雑さとAIで克服することの可能性を分かり易く解説した良書。ChatGTP等の生成AIが一斉を風靡している今こそ、言語・言葉の本質を理解することの必要性を認識した。地に足のついた議論に必要な考え、理解をストーリー仕立てで誰にでも判るように説明されており必読の一冊。

    1
    投稿日: 2023.05.05
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    本のテーマ、構成、装丁、イラスト、全てが良い。 テーマは知的好奇心を刺激する内容だが、そうそう簡単なモノではないが、イタチを中心とした動物たちのやり取りの中で平易に語られ、また解説もしっかりしている。 なぜイタチなのかは、最後にわかる仕組み。 読了120分

    0
    投稿日: 2023.04.20
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    今まで読んだ技術書で1番レベルに面白く驚いた。 今まで曖昧だったことが、言語化されて細分化されていくことがとても痛快で面白かった。 ここまでわかりやすく書いた作者さんの力が素晴らしいと思う。 まるで解決しそうなのに次々と問題が押し寄せるさまが面白く、言語処理がどれだけ難しいことなのかわかった。

    1
    投稿日: 2023.01.06
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    面白さと、難しさを紹介してくれる稀有な本であった。 但し、2017年出版の本であり、やや内容に古さが感じられたのは、この分野の進歩が早い証か。

    0
    投稿日: 2023.01.06
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    機械は言葉を理解できるのか? そもそも言葉が分かるとは何か? という問いに対し、機械に言葉を理解させる仕組みの紹介が、物語形式で書かれており、とてもわかりやすかったです。

    0
    投稿日: 2022.12.01
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    働かない生き方についてなのかな?と勘違いして手に取った作品だったが、内容はAIの言語能力がどう発展していったか、どう言う理論で言語を捉えているのか、そもそも言語とは何かといった内容。 技術的なことに興味がなくとも、そもそも人間は言語をどう理解してどう言う意図で使用しているのかという点も言及しており、人間のコミュニケーションとは一体…と考えさせられた。

    0
    投稿日: 2022.11.02
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    人間が言葉を理解する複雑なことを無意識のうちにやってるってこと。AIもすごいんだけど、そのプログラムを考える人間が1番すごいよ。 あ、イタチのやる気のなさというか(そもそも働きたくないってところが出発点だし)適当さ加減がなんともいえないw 挿絵もかわいい。

    0
    投稿日: 2022.08.13
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    図書館でパッと手に取ったのですがけっこう面白かったです。 働きたくないイタチ村のイタチたちが、楽をするために、いろんな動物の村に行っていろんなロボットを参考にして(時にはしっちゃかめっちゃかにして)、「言葉がわかるロボット」を作ろうとする、なんだか新世代の寓話みたいなお話です。 この本は、そんなお話を通じて、人工知能における言語処理の手法や課題について素人でもわかるように書かれた本なのです。 愛すべき短絡的なイタチ村のみんなのおかげで、ロボットとおしゃべりすることがいかに難題を抱えたテーマであるかよくわかりました。 あとがきににじむ筆者の苦悩がなんとも言えません。

    0
    投稿日: 2022.01.14
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    言葉を機械に扱わせることの難しさをやさしく説いた本。自然言語処理(NLP)だと形態素解析→構文解析→意味解析→文脈解析と習うが、なんとなく全体がわかった気になる内容だった。 PCで言語を扱うと手間の割に報われないことが「あまた」あるのも仕方ないことだと納得。諸々の前処理(タグ付け)の苦労は何度も出てきてご苦労されているのだなぁと思ってしまった。

    0
    投稿日: 2021.11.23
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    人の言葉をわかるロボットをイタチが開発する話である。 言葉を理解することについてわからせることで、人工知能と言語の問題を明らかにしている。 問題提起にはいいであろう。

    0
    投稿日: 2021.06.23
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    自然言語処理について、小説形式で、面白おかしく学べる本。 小説形式とは言え、自分のような素人には結構骨太な内容。 しっかり考えながら、読み進めないと、読み切れません。 一方、この分野をここまでかみ砕いてストーリーにして下さった 著者には感謝と尊敬の念を抱かざるを得ません。 この人、スゴイな。。 「最近、AI(機械)が人間のできることをどんどん奪っていく」といった ホラー・ストーリーを至る所でよく聞くようになりましが、 現時点でAI(機械)に何ができて、何ができないのかを正確に知っておくことが 未来への備えの第一段(ファースト・ステップ)なような気がします。 チェス・将棋・囲碁では、プロが機械に勝てなくなりつつある昨今、 人の言葉を理解するロボットは作れるのか? こういったことに興味のある人は読んでみると、とても楽しめるのではないかと思います。 改めて、人間ってすごいな、ということと 特に日本語って、ややこしい(誤解を生じやすい)、 そして、今は機会に限界があれども、いつブレイクスルーが起こってもおかしくない時代の流れの速さ、 そんなことを考えながら楽しませてもらいました。

    5
    投稿日: 2021.03.15
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    「言葉がわかるとはなにか?」という日常の生活の中ではあまり問わないことを、最前線の研究をベースに普通の人にも考えてもらおうとする意欲的な一冊。家の中で家電は「加熱が終わりました。」とか「お風呂が沸きあがりました。」とか話しかけてくるし、車の中でもナビが道順をめげずに伝えようとしてくれます。こちらからもスマホやエコーに、ついつい話しかけているし機械とコミュニケーションしている量は、知らず知らずのうちに上がっています。著者は理論言語学を学び、自然言語処理に取り組んでいる研究者とのこと。東ロボプロジェクトにも参加されていたらしいです。そのプロジェクトから生まれた新井紀子さんの「AIvs教科書が読めない子供たち」でも触れられているようにAI研究を進化させているコア技術、ディープラーニングって、言葉の問題にぶち当たるようです。「言語学と自然言語処理という、似ているようで似ていない、また接点があるべきなのに実際はあまりない二つの世界にいたことのある一個人から見た、現状と課題をまとめたもの」ということで、すっきりわかったぁ!という本ではなく、一進一退まさに〇〇〇ごっこの難しさを共有しているので、嚙み砕きパートの動物たちの物語やイラストも、わかりやすく、というよりまだるっこしい感じに思えたりもしました。でも、そのまだるっこしさが研究のストラグルなのかも。主人公たちのバカっぽさも著者が社会に感じているいらだちなのかもしれませんね。

    0
    投稿日: 2021.01.31
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    動物村の働きたくないイタチを主人公にして童話のような展開で自然言語処理を中心とした人工知能の発達を描きます。人間なら簡単に理解できることを機械に理解させようとすることの難しさをイタチをはじめとした動物たちの言葉で面白おかしく表現しているところが逆に著者の研究における苦労を物語っているように思いました。

    0
    投稿日: 2021.01.10
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    面白く学びも多かった。私のいる業界では、自然言語処理の認識が大変大雑把で、ビックデータを統計的に処理する、と言ったフレーズでなんとなくなんでもできてしまうことになっていたが、決して深入りせずもう一段ブレークダウンできた感がある。私の関心は言語のAI的応答よりも言語そのもののの構造や在り方の方にあるが、自然言語処理と言語学にまたがる説明により使われ方や課題がわかりやすく提示されているので、とてもよくわかった。 寓話的な本の作りは当初やや子供向けかなとネガティブに思っていたが、結局理解の助けになった。著者には感謝しかない。

    0
    投稿日: 2021.01.01
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    「AIによって仕事がなくなる」「10年後に消える職業」 そんな言葉を何度も耳に・目にしてきました。 私は替えのきかない仕事というわけでも、ポジションというわけでもなく、そういった言葉に危機感をよく覚えていました。 とって代わられないためにも、という気持ちからAIについて知ることから始めよう、と何気なく書店で見かけて惹かれたこの本を読むことにしました。 表紙や挿絵から伝わる絵本のようなとっつきやすい雰囲気が、AI分野にしては珍しく、初心者の私でも読めるかもしれないと思え手に取りました。 専門的な用語ばかり並んで素人は読み進めるのも難しいということがなく、絵本パート・説明パートと分けた構成になっており、なんとか読み切ることができました。 絵本のような語り口のイタチたち動物が出てくる物語のパートは、易しい文章で書かれていますが、AIについて深く理解している方でないとここまでわかりやすく読み易い物語調の文章は書けないと思います。 AIが言葉を理解するには、について順々に展開していきます。 いきなり情報が大波のように襲い掛かってくるのではなく、ひとつずつ「言葉の聞き取り」「おしゃべり」「知識」などフォーカスしていくことで、ひとつずつゆっくり理解していくことができます。 各物語パートの次には説明パートがあり、そこでは論文を引用した専門に近づいた説明がされていますが、そこも極めてわかりやすく、を意識して書かれていると思えます。 例えばディープラーニングとは何か、と言ったように。 AIについて現実に即した知識は私にはなく、映画や漫画などフィクションの世界で見るロボットの進化が凄まじく、人間が乗っ取られることがやけにリアルに思えていました。 でもこの本を読んで、計算が速いことと言語を理解できることは全く別で、人間の脳は、「言葉がわかる」点においてはAIよりも圧倒的に優れていることがわかりました。 逆に、なぜ人間がここまで言葉を理解することができるのか、AIに学習させる手間暇を知り不思議に思えたくらいです。 AIに言葉を理解させようとしてきた研究者の方々の苦労がいかに大変だったか、この本を読んで一端だけでも知ることができたと思います。 このように、今までよく知らず、なんとなくの印象で思っていたことが実際は違っていた、ということに気付けただけでもこの本を読んで良かったです。

    0
    投稿日: 2020.10.20
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    装丁と挿画とタイトルに惹かれて読み始めました。 人工知能についての知識がなくても、言葉に興味があればスッと読めると思います。 一言で言えば、言葉を理解するってどういうことなのか?が書かれています。 何でもできるロボットが作れれば、働かなくて良くなるんじゃない?と考えたイタチ達が、機械に言葉を理解させられるよう(かなり他力本願に)取り組む物語パートと、解説パートが交互に続きます。 普段から他人に言葉で伝えるのは難しいと感じていたけれど、人間は想像以上に複雑なプロセスを経て言葉を使っているんだと改めて認識しました。他人の意図を推測するなんて、そりゃ機械にやらせるのは難しいよね、人間だってしょっちゅう間違えるのだし。(「暑いですね」と単なる世間話のつもりで言っても、「冷房付けますね」と気遣わせてしまうので本当に色んな人に申し訳なく思ってしまう......) スマホに「○○に行きたい」といえば経路が出て来るのも、実はものすごく色んな人の研究や苦労があって出来ている機能なのだろうなと、あらためて言葉の奥深さ、面白さを感じました。

    2
    投稿日: 2020.10.01
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    ・自然言語処理(NLP)について知りたくて読んだのですが、途中から、言葉は…哲学…!となり、人工知能と知能の間に横たわる断崖をわかりやすく覗き込めて大変良かったです。「一緒に出かけている二人が本当にデートしているかどうかは、当人たち以外にはわからない」「抽象的な言葉(愛・無など)を具体的なイメージに結びつけると必ず何らかの余計な要素が入ってきてしまう」【画像認識(物体カテゴリー認識)関連】、「情報源の信頼性・正しさを確かめるとは、ある言葉が真実を述べているかどうかを言葉の外の世界と対応させて確かめる(ことだが、言葉の外の世界を体験できない機械は、「ある文の内容が真実である場合、外の世界がどうなっていなければならないか」を予測する術がないので、信頼できる文献内での語句の近さ等の言葉の上での特徴を使って真偽の判断に近づいていく」【質問応答】 ・どうして『イタチ』なのかが最後に判明するのに愕然としました。深遠に手を伸ばし続ける面白さがありましたね…

    0
    投稿日: 2020.09.01
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    挿絵が可愛い!表紙に惹かれて購入。 イタチ達と周りの動物達のやり取りが楽しい。イタチ達がいい加減だけど、一生懸命で可愛い。。解説は難しいところもあったけど、分かり易かった。

    0
    投稿日: 2020.07.17
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    動物を題材にした童話によって「言葉を理解する」ロボット製作の可能性を探る内容であるが、章と章の間に挟まれる「解説」と内容の落差が大きく、読者の理解に役立てようと意図したこの試みが、必ずしも成功しているとは言えない。当初のプリミティブ(?)なロボットに次々と知識と機能を付け加えて、本当に「言葉を理解する」ロボットの完成を目指す過程を、現実の研究・試行を踏まえて辿っていくので、かなり高度な言語学を知ることが出来る。ただし、ロボットの完成を指向する現実の方法論が、この本の様にプロトタイプのものに機能を追加して行くだけであるなら、大した成果は期待できないだろう。ほとんど80~90%まで仕上がった複数のロボット同士が(人間も含めてもよいが)会話をすることによって、お互いに機能を高め合って完成に近づかせる方法が、さらに有効な方法ではないだろうか。その場合、最終的に完成したロボットが人間の能力をはるかに凌駕して、所謂シンギュラリティ状態が実現してしまうかも知れない。

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    投稿日: 2020.07.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人工知能を巡るお話と解説。 かつてこんなに俗っぽく描かれた動物たちがいただろうか?イタチくんたちの軽さは群を抜いてマス。他の動物たちが開発しているロボットを見学した彼らは、究極のロボットを作ってグウタラ過ごせるか? ・言葉が聞き取れること ・おしゃべりができること ・質問に正しく答えること ・言葉と外の世界を関係づけられること ・文と文との論理的な関係がわかること ・単語の意味についての知識を持っていること ・話し手の意図を推測すること 人間が何万年もかけて身につけてきたことを、すんごい短期間でAIにさせようというんだから、大変だ。 AIについてだけでなく、自分のコミュニケーション能力についても考えさせられた。雑談って、すごい能力らしい。ドラえもんやアトムにあうために、乗り越えなければいけない課題は山積みだ。 人口知能の研究は、1950年イギリスから。 倫理には辞書的なもの、数学的なものがある。 フクロウ村が、めっちゃ吹いた。 イタチくんたちって、グウタラしたい愛すべきおバカな働きものなのだ。 湧きぺでぃあ、日本以外では、学術系の情報も充実してるらしいですよ。

    0
    投稿日: 2020.06.20
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    人工知能の仕組みを「言葉が分かるとはどういうことか」という観点から、物語を通じて教えてくれる本。理論言語学と自然言語処理は似て非なるものであり、我々が想像している以上に、ロボットが言葉を分かるようにするためには沢山の条件が必要である。まさに、人間とロボットの違いであると言える。

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    投稿日: 2020.03.15
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    サボることしか考えていないイタチ(≒人間)を主人公に物語形式で「AIによる音声認識のしくみ」を1つ1つ丁寧に解説した本。「言葉を理解する」とはどういうことなのかよーくわかるのです。AIによる音声認識の入門書としてもおすすめです。 続きはこちら↓ https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2020/01/blog-post_18.html Amazon↓ https://amzn.to/2R80HJA

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    投稿日: 2020.01.18
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    イタチ達はアリやカメレオンやフクロウなどとの交流の中でロボットを作っていく.ロボットの仕組みが物語の中でわかりやすく説明されていくのには感心した.

    0
    投稿日: 2019.10.17
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    今流行りのAI(人工知能)をベースにした内容です。 言葉の意味を理解するとはどういうことなのか、 なぜ機械は全ての文章を理解するのが難しいのか。 イタチ以外にもたくさんの動物が登場して、(物語の部分は)とても読みやすい一冊です。 解説部分は決して難しいわけではないのに、若干読みづらく感じました。

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    投稿日: 2019.08.28
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    ★AIの現在地を自分は知らない★理論言語学と自然言語処理の専門家が、AIに言葉を教え込むことの難しさを例え話で教える。信頼できるデータを大量に教え込むことが可能になりディープラーニングでAIが急速に進化したのだと浅く理解しているが、そのデータの信頼性の確保は素人が思うほど簡単ではないようだ。そもそも入力データである音声と音素は違い(「ん」の表記でも音は少なくとも3つはある)、単語の意味の決め方や話し手の意図の推測はかなり難しいようだ。AIが理解できるのはまだ定型の表現なのだろう。言語によってAIの理解のしやすさは違うのだろうか。

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    投稿日: 2019.06.09
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    言語処理について書かれている. 言葉の意味について考えさせられる. イタチが言葉が分かるロボットを作る話と技術的な解説が交互に述べられいて非常に読みやすく,そして興味深い本だった.

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    投稿日: 2019.03.14
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    図書館の書架で見つけて読んでみます。 考えるほどにわからなくなる人工知能について、面白い視点で書かれています。 2018/5/29 借りて読み始める。 途中で返却。2018/7/21 再度借りる。 再び途中で返却。

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    投稿日: 2019.01.12
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    働きたくないイタチたちが、いろんな動物たちを巻き込みながら、「何でもわかるロボット」の開発に悪戦苦闘するストーリーを追いながら、AIなど言葉を扱う機械の仕組みを解説しつつ、「言葉が分かるとはどういうことか」という問題を考えていく。 AIなど言葉を扱う機械の基本的な仕組みとその課題、そして「言語が分かるとはどういうことか」という問題について、理解が深まるとともに、知的な面白さが抜群だった。イタチをはじめとする動物たちが登場するストーリー仕立てなのもよかった。

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    投稿日: 2019.01.11
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    人工知能が言葉を理解するというのは、どういうことなのかを物語形式で語る。 言葉(音声)が聞き取れること おしゃべりできること 質問に正しく答えること 言葉と画像を結び付けられること 文と文との論理的な関係が分かること 単語の意味についての知識を持っていること 話し手の意図を推察できること

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    投稿日: 2018.12.30
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    AIが言葉を理解するために必要な要素を、物語仕立てで分かり易く説明している。「なぜAIは人の言葉が理解できないのか」という疑問をとおして、私たちが普段何気なく交わすコミュニケーションの仕組みに気づかせてくれる。

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    投稿日: 2018.12.14
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    表紙のイラストが可愛いので読んでみた。人工知能が日本語を理解するのは現状難しい。新井紀子著『AI vs 教科書が読めない子どもたち』で人工知能の限界について詳細に書かれていたが、本著作はその限界部分を、イタチとその他村民たちとの会話で、わかりやすく詳しく書かれてある。本文中にもイラストがいっぱいあって可愛いし、本文もイタチがひどくて面白い。今はまだ発展途上の分野であるが、今後ブレイクスルーが起こって発展するかもしれない。それがすごく楽しみ。

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    投稿日: 2018.12.12
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    言葉がわかるってどういうこと?そんな疑問を物語を読みながら考えられる本。 途中からは、関数のif式を思い浮かべて読んでました。 曖昧さって言語によっても違うし、地域によって意味合いが変わる言葉もあるから、改めて言葉の難しさを感じました。

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    投稿日: 2018.10.24
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    言葉の字面だけを捉えて、判断をすると色々と問題が出てくるのだと、言葉を分解されることで、改めて分かった。 周りの状況や、話し手と受け手の認識、文脈、句読点の位置等によって、随分と言葉の印象が変わることに気づかされる。

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    投稿日: 2018.10.23
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    「AIは絶対に押すなよを理解できるか」というエッセイを読んだので、そのままの流れで購入。 言語学と自然言語処理にまたがって研究をしてきた研究者が、自然言語処理の進歩とその限界を、言語学者として、「言葉がわかる」ためには、意図と意味の違い、言葉の外部の世界とのつながり、論理性、など、譲れないラインを示し、その解決の難しさが、平易な物語の形で表現される。 やっぱり人間が言語を学ぶやりかたとは全然違うから、現時点ではイタチごっこの域を出ないんだなとわかる。 「窓を開けてほしい」は命令じゃないし、「グラスとって」は特定のグラスを指してるし、機能語がどこにかかるかで意味が変わるなど、普段意識していない言語の難しさに意識を向けさせられる。

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    投稿日: 2018.10.21
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    「言葉を理解して何でもする機械」を作ることの難しさが、動物が登場する寓話的に紹介されていて非常に面白い。 ディープラーニングってそういうことなのか、自然言語を解釈するってこんなに難しいのかと理解した。 ときどき挟まれる小ネタ(オマージュ)もクスッとして面白い。 著者は現状のAI技術を軽視しているというAmazonのレビューも一応心に留めておきたい。

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    投稿日: 2018.10.18
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    人間の言葉が分かるロボットを作ろうと努力するイタチ達。ストーリ仕立てでどのような機能が必要で、どのように難しいのかが分かるように工夫されている。深層学習などが発展してきても、言葉を取り扱うことの困難があるのだな。簡単には人間の言葉が分かる人口知能は実現できそうもないか。

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    投稿日: 2018.10.11
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    パラ見の段階では長そうだし読みにくそうだと思っていたけれど、読み始めてみるとスルスル読める。物語に乗せると、書かれている内容が具体的により身近に感じられるので、手法として成功していると思う。版画イラストもとてもマッチしていていい感じ。逆説的に、抽象的な事柄について考えたり、言い表したりということを自然にできている「人間」が、すごいことをしている(できているのだ)ということに気付かされる。人間と同じように言葉を操る機械完成まで道のり(どの時点を完成というのかという問題もあるけれど)はまだまだ遠いなということを実感させられる。このシリーズ、他も読んでみたい。

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    投稿日: 2018.09.23
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    人工知能について、まず最初に手に取るといい本だと思う。寓話と解説が交互に出てくる構成もわかりやすい。 主人公である”イタチ”の考えることは、人工知能に興味を持った人がごく普通に持つ考えで、会社で人工知能関連のビジネスの話が出てくる時に最初にぶつかる意見でもある。それがいかに間違っているか、的をはずしているか、をとてもよく理解できる。ホント、ビジネスでAIとか言ってる人、まずはこれを読んでほしい。 もうちょっと先のレベルまで知りたいひとは同じ著者の『自動人形の城』があり、同様のスタイルで書かれておりわかりやすくおすすめ。

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    投稿日: 2018.09.04
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    知り合いの人工知能研究をやっている方が、「人工知能のできること・できないことが具体的にイメージできる、とても良い本」と言われていたので、早速読んでみた。「イタチ」に仮託した物語は面白く読めるし、言いたいことが事例とともに書かれているので説得力がある。確かにお奨め。 本の内容は、擬人化したイタチが、言葉がわかるロボットを作ろうと、他の動物たちが持つ技術を頼りにして機能強化していくというもの。その中で読者は、自然言語認識の課題と解決策について理解が深まっていくという形になっている。手に取る前は、擬人化しているので、自然言語研究のコアな部分をすっ飛ばして単純化した話になっているのかもしれないと思っていたが、そんな心配は無用であった。著者がしっかりとした技術知識と全体を把握する能力とそれを上手く表現にまとめる力があるので、この本が成り立っている。 著者はイタチの物語を通して、自然言語の理解には次の技術要素が必要だと説明する。「言葉が分かる」ということには少なくとも以下の要素が含まれており、少なくともそれらをうまくやり遂げられなくてはならない。 1. 言葉が聞き取れること 2. おしゃべりができること 3. 質問に正しく答えること 4. 言葉と外の世界を関係づけられること 5. 文と文との論理的な関係が分かること 6. 単語の意味についての知識をもつこと 7. 話し手の意図を理解すること ディープラーニング技術が必要なもの、充分な質の高い学習データが必要なもの、豊富な知識ベースが必要なもの、いわゆる「常識」が必要なもの、レベルに応じて必要な要素は変わってくる。また、それぞれ要素は互いに独立ではなく、互いに複雑に影響し合っている。意味と意図の違い、多義語の曖昧性の解消という問題もある。 著者は、言葉がわかる機械を作るために全体に共通する課題を次の三点にまとめている。 A. 機械のための「例題」や「知識源」となる、大量の信頼できるデータをどう集めるか? B. 機会にとっての「正解」が正しく、かつ網羅的であることをどう保証するのか? C. 見える形で表しにくい情報をどうやって機械に与えるか? その大変さは本書でイタチたちが苦労する様に象徴的に描かれている。一気に解決するようなものではなく、一歩一歩進めていくような課題である。 それでは、なぜ人間は「言葉がわかる」のか。それは現在の機械が言葉を理解する能力を持とうとして用いられるやり方とは明らかに異なるやり方で獲得された能力だからだ。著者は次のようにまとめる。 ① 人間は言葉を習得するとき、生まれた後で接する言葉だけを手がかりにしているわけではない ② 言葉についてのメタな認識を持っている ③ 他人の知識や思考や感情の状態を推測する能力を持っている これが人間の「言葉がわかる」ために必要であるとするならば、これらを機械に実装することは可能なのだろうか。進化の過程で言葉を獲得したことで人間は他の動物と異なる形で地球上で繁栄することとなったとされているが、一口に「言葉を獲得する」と言っても果たしてどのようにそれは成されていったのか、とても不思議で複雑な問題であるが、興味をそそるものでもある。 あとがきにおいて「言語能力の研究は、あまり報われない」と著者は嘆く。言葉の研究をしている、というと「何語の研究?」と聞かれる。日本語の研究と言うと、日本人なら誰でもできている日本語の何を研究しているの、と言われるらしい。機械による言語理解の研究と言うと、今は将棋や碁のプロに機械が勝つくらいなので、もうすぐできそうですよね、と言われるらしい。著者はロボットに東大の入学試験を解かせる「東ロボプロジェクト」に参加していたが、その中で言語理解について多くの課題が整理されて浮かびあがってきたことと、またそのことが適切に世の中に認知されてきたことが大きな成果だったと評価する。そして、この本もまた正しい理解に役立つことができればという気持ちで書かれたという。そうであれば、その意図はとても成功していると思う。誰もが思い付かず、やろうとしなかったフォーマットでそれを実現した。あとはより多くの人にこの本を手に取ってもらうこと、だろう。そして、著者が言語の研究も報われたと思うようになってほしい。ということで、ぜひぜひ手に取ってほしい。

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    投稿日: 2018.08.18
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    「言葉が分かる」ってどいういうこと?をテーマに、AIのこと、人間のことを考える。 物語形式で読みやすく、言語について、コミュニケーションについて、人工知能についてなど、幅広い分野へ興味を広げることのできる一冊。

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    投稿日: 2018.07.26
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    自然言語処理の研究者による著作。イタチ達が自然言語処理ができるロボットを作るという寓話と、解説によって構成。機械が言葉を理解できるようにすためにはどのようなプロセスを踏まなくてはいけないかがよくわかる。 面白い話だし、寓話部分の木版画イラストがいい味を出しているのだが、日本語横書きは読みにくい。

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    投稿日: 2018.07.23
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    人工知能の事前言語対応における思考過程がとても分かりやすかったです。どのように言語解析が発展していったのかがわかりやすく、何が問題点なのかもわかりやすいです。 最後まで読んだときに、主人公が「イタチ」なのもそれなりに意味があっんだなあ。と思いました。

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    投稿日: 2018.07.22
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    タイトルにひかれて読んだ。言葉がわかるロボットを作るために動物たちが知恵をしぼる。そもそも言葉がわかるってどういうことか?人間にとっては簡単なことをどうやって機械に判断させるのか?何が大変なのかを小説形式でわかりやすく読むことができた。他の著書も読んでみたくなった。

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    投稿日: 2018.07.20
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    自然言語処理の難しさを段階を追って説明する。 面白かったのは最新のトレンドでは、文章を出現する単語を次元に見立てたベクトルで表現する方法が成果を上げているという点。でもそれだと単語の出現順序とか意味ないってことになっちゃうと思うんだけどどうなんだろうね。 わかりやすいしイタチがバカで面白いんだけど、前作、前々作があまりに面白すぎたので点数は辛めになってしまった。

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    投稿日: 2018.05.15
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    「言葉を理解する」とはどういうことか、を童話風のストーリーで紹介。各章の前半がストーリー、後半が解説になっている。 一言で言うと、「巷に流布する(そして自分も抱いていた)、AIに対する夢とか希望とかを打ち砕く本」。 「え〜、AIって今のところそんなもんなの?!」と思う一方で、「AIが苦手なことを人間がやれるようにしなきゃ、すぐに食いっぱぐれるぞ」という危機感も煽ってくれる。 楽しようとして結局苦しむイタチが自分と重なって心が痛くなる。

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    投稿日: 2018.04.19
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    かわいい版画の挿絵と童話みたいな筋運びで、機械に言葉をわからせるのに立ちはだかる壁の、途方もない高さを実感させてくれます。ご飯を炊くたび siri に気安く「タイマー6分」とか言ってるけど、これだけの事でも「よくわかるなお前…」という気持ち。

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    投稿日: 2018.03.19
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    人工知能はどこまで人間に近づけるのか。 そもそも「言葉がわかる」とはどういうことなのかというのもストーリー仕立てで説明。 まるで寓話のようで面白かったです。 このシリーズでもっと出してほしいですね。

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    投稿日: 2018.03.16
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    ジャケ読み かなり専門的な知識までしゃべってくれている 初学者にはちょうどいい内容の、もっと深く知りたくなる本

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    投稿日: 2018.01.26
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    予想外に面白かった。 自然言語処理の入門書として最適では。 言葉を理解することの難しさが分かる。

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    投稿日: 2018.01.24
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    ここ40-50年の自然言語処理(あるいは単にAI研究)の歴史を、専門知識を持たない一般人としてのイタチが見ていく対話形式の物語。とても面白い。いわゆるAI研究は、今、一般人から見たとき、期待しすぎな部分と、なんでそんなことが出来ないの?な部分が同時に存在している。それらを皮肉してるようにも読めるし、著者は(当然)そちら側の人間であるので、こういう事情を分かってくださいよ、と大衆に訴える本である。

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    投稿日: 2018.01.15
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    (まるで作中のイタチのように)学部・修士と自然言語処理分野にいたものとして,また今般の人工知能ブームに巻き込まれているものとして,個人的には「お話」にこそいろいろと思うところがある. そんな個人的な体験は別にしても,「解説」部は想定読者の知りたいことが抜け漏れなく書かれていることや,わかりやすさなどをふまえると,広く読まれるべき良書だと思う.

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    投稿日: 2018.01.09
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    非常に理解しやすいというか、まあこのあたりを仕事にしているわけだけれど、共通の言語を職場の人と持つのに大変適しているのではないか?と思う。現場のぶち当たる苦労がイタチのろくでなさとシンクロして本当に味わい深い。白と黒の扉はもうちょっとル=グウィン的な感じだったんだけど、こっちもいいよ。

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    投稿日: 2017.12.07
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     完全な人工知能ができるのが先か人類が滅びるのが先か真の知能の優劣はそう簡単にはつきそうもない。  そして人類はいつまでイタチを演じ続けることになるのだろうか。

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    投稿日: 2017.12.05
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    人工知能を引き合いに出した、言語学の入門書であり、人が自然に行なっているコミュニケーションの複雑さを発見させる、哲学入門書のような側面もある。 面白かったのは、「意味を理解する事というのはこんなにも複雑で、ロボットの計算ではスムーズな人間的コミュニケーションは難しい」という主張とは真逆の、「私たち人間だって、実体験として知っているわけではないことを、言葉の世界から出ないで話している場合がかなりある」という気付きや、「実際に何がどうなっているかが分からなくても、近似ができれば応用はできる。」という発見。 私は自分の言語能力が誇らしくもなり、限界の近さに落胆もした。

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    投稿日: 2017.11.05
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    あとがきに書いてあるように「人と機械の言語比較しながら、人工知能技術の現状を示す」本。 確かに難しい理論を平易に記載してあり、なるほどと思う。イラストが版画でとてもかわいい。 普段からSiriに接したり、将棋もコンピューターが強かったり、AIはすさまじく発達していて、人間に近付くのは時間の問題と思っていたが、この本を読んで、「人間が言葉を理解する」という事の難しさを痛感し、「コンピューターが言葉を理解する」ことを達成するのは、非常に大変な道のりなのだなということが分かった。 また、機械が必ずしも人間の模倣をして言語を理解している訳ではない(コンピューターは1/0の世界がベースなので、あくまで文字列としてしか言葉を取り扱えない。)ということが当たり前ながら、人間とのスタート地点の違いの隔たりを感じた。 説明を物語形式にしていて、動物たちのお話しがあって、その後解説というようなつくりになっている。もしドラもでも思ったが、ストーリーにすることで読みやすくもなるが、すこし不必要な「物語」に付き合わされているような気分がしてしまうところも否めない。

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    投稿日: 2017.11.03
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    働きたくないイタチって誰? 他ならぬオレやアンタだよ。でもそれあんまり関係ない。 -------- もうAI本飽きたよね。 ではこの本はつまらないかって? 否。 AIでどう堕落するか、失敗するか、それを動物の森(じゃないか)の住民たちが代弁して、少しずつすすめていってくれる物語、なのだ。 最近電子書籍ばかり買っていて、この本が手元に届いたときに、装丁の美しさに息を呑んだ。いや本当は呑まなかったが、綺麗だなーと思った。 僕は本にそういう機能は求めていないが、本以外には求めている。愛でたくなる、ということは大切なことだ。愛でなくていい本が多いから電子書籍に流れてしまうのだ。 そういうことはさておき、内容はどうか。冒頭のつかみはよい。便利なロボット、ようするにAIがどう生活に受け入れられそうか、ということが明るく楽しく描かれている。もちろんそれは、明るく楽しいばかりではないのだけれど。 言葉がわかるとは、ということを分解して整理する。「ん」という音が、文字にしたら「ん」でも、唇が閉じる感じのそれと、口の奥が締まる感じのそれとは違う。だから本当は声としては違うものだ。さあそれが機械にわかるのか。 どうもわかるらしい。 でも聞こえるだけではダメ、応答が出来なくて。 どうもできるらしい。 だが言葉は難しい。ディープラーニングで囲碁の新定石が生み出せても、言葉をちゃんと理解して、こころの動きを掴むことなどは、まだまだ先の話なのだ。だと思うけど、とにかく本書に散りばめられている版画が、いろんなことを、まあいいか、と溶かしてくれるのだ。 どうだ、この感覚は。 丁寧に書いてあるし版画もいいし装丁もいい、だが一番疑問だったのは、この本はいったいどんな人向けに書かれているのだ、ということだった。中高生から大人まで、人工知能のわかり方を伝える、ということだったけど、こりゃ実はかえって難しいのでは。 まあ、AI本はあんたの仕事なくなるぜ的なものが多いなか、ぜんぜん違うアプローチで、終始あったかい感じだったので、僕は、好きです!

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    投稿日: 2017.10.25
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    物語仕立てと豊富な例示で、人工知能研究の現況と問題がすいすいと頭に入ってくる。 イタチ村の成果まで行ければ、ツイッタラーの上位70%くらいのところまでは来ているように思う。意図orientedにして致命的エラーを防げば、限定用途で使えるロボットは生きてるうちに見られそうに感じた。

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    投稿日: 2017.10.14
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    イタチは「いたちごっご」だったんですね。 情報処理業界で禄を食む身としては、ディープラーニングをもってしても「言葉がわかる」ロボットはまだまだ難しいということはすごく理解できました。というよりも、人間の言語獲得能力の偉大さ・壮大さ・深淵さを改めて感じました。 面白い本でしたが、イタチの話は必要ですかねえ。そんなにわかりやすくも無かったですし。各章末の記載の方が十分わかりやすかったですが。

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    投稿日: 2017.09.28
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    言葉を理解するとはどういうことか、ロボットを開発する 動物たちの寓話仕立てで解説している。 自然言語を理解する人工知能を作り出すことの難しさはよくわかったが、逆に読めば読むほど、言葉の意味がわかる人間の方が不思議だと感じられる。 結末は切ない。 やっとたどりついたと思ったら、ゴールはまだ先だとわかる。 イタチだけに。

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    投稿日: 2017.09.06
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    ‪「言葉が分かる」とは?言語学と自然言語処理の視点からこの問いに挑んだ一冊。SiriやAlexaにおいて何が技術的に難しいのかが丁寧かつ平易に解説されている。イタチをはじめとする動物のお話がハードルを下げてくれるから読みやすいし、AI幻想を抱いてる人こそ読んでほしい(自戒を込めて)‬

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    投稿日: 2017.08.30
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    AIやITが急激に進化しているが、言葉に関してはどうだろう? AIやIT資源が言葉を人間が思うレベルに扱ってくれるまでに、色々な問題があるということを、例え話を用いながら論じた作品。 日本語そのものが曖昧な言語なんだから、学ばされるAIやITも一様に覚えてくれないだろうな…と思うのは私だけ?

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    投稿日: 2017.08.24
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    まず、装丁にやられた。 手にとって、すごく中身に興味を持った。 読んでみて、面白かった。 言われて思う、機械が喋れるようになるのに必要な事って? 読んでみて、それがいかに大変な事なのか分かった。 加えて、普段何気なく交わされる言葉がいかに高度な処理を要しているのかを知った。 興味深く、面白かった。 に、しても、本の作り方が上手い。

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    投稿日: 2017.07.18
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    まずタイトルと装丁が秀逸。内容も「寓話」と「解説」が交互に並び、直観と論理の両面を相互チェックするかたちで理解が進む。文章も極めて平易で一気読み可。中学生くらいの子供なら十分読めるのでは。言語処理について現在の人工知能ができること/できないことがわかるのはもちろんだが、それを通じて我々が現に操っている言語の面白さ/不思議さにも触れることができる。 本書では、現在主流である「ビッグデータ」を利用してのAIを用いた言語処理の限界と、それを乗り越えることの困難さ(システムの無矛盾性に関するゲーデル的命題を思い出した)が提示されている。どれもなるほどと思えるものだが、ここではたと思い至ったのは、不完全なロボットの言語を、人間の方が「学習」し、「共感」して「理解」できるようになるのではという疑問。いかにAIの用いる言語が人間にとって間違いだらけで不十分でも、それを理解すべく我々人間のほうが変容してゆく可能性があるのではないか。我々が異文化を理解するとき、まずはその言語理解に端緒を求め、行動に反映させることが多い。それと同様、人間の方がAIの言語を受容し思考様式を理解することで、行動様式を更新していく。そこではAIがあたかもこれから新たにコミュニケーションを開始すべき友人や恋人のように扱われるのではないだろうか。本書で言語と人間の能力の底の知れなさに触れるにつれ、そんなイメージが浮かび上がってきた。

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    投稿日: 2017.07.17
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    なまけもののイタチたちが、自分たちに代わって働いてくれる言葉のわかるべんりなロボットを作るべく、さまざまな動物の村に出かけては学び(もといアイデアを頂戴して)試行錯誤していく、という物語仕立てで、「言葉がわかる機械(AI)」とはどういうものなのか(音がわかるとは、意味がわかるとは、論理がわかるとは、意図がわかるとは…)、根本のところから学んでいく。 中学生の娘はとりあえず解説コラムを飛ばしておばかなイタチの物語として楽しんだようだが、理論的な部分を読み飛ばして物語だけ追っていっても理論言語学や自然言語処理の課題がそれなりに学びとれるようになっている。 そして、読むうちに、囲碁や将棋のような一定のルールのあるゲームで最善手を探すような作業であれば人知を超えたディープラーニングも可能になりつつあるものの、一般的に人間と遜色ない判断力を持った機械の出現までの道のりはまだまだ遠そうだな…と実感できる。 全編読み終えてみると、この寓話の主人公に「イタチ」が選ばれたのも故無いことではないと膝を打つし、児童書のようなかわいらしい装丁や挿絵にだまされて手に取った読者は思いがけない収穫を得るはず。快作。

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    投稿日: 2017.07.02