
総合評価
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powered by ブクログあなたは、研修合宿で『まったく正反対』の人と同室に割り当てられたとしたらどうするでしょうか? この世にはさまざまな人がいて、さまざま考え方があります。自分なら絶対に着ないような服が売られ、自分なら絶対に食べないような料理が出され、そして自分なら絶対に選ばないような『アイカラー』が存在する。それは、あなたが選ばなくともこの世にはそれを好んで選ぶ誰かの存在がある証拠とも言えます。服も食も、そして『アイカラー』にも正解はありません。その人その人によって私たちは好みのものを選択する権利があるのです。 一方で、私たちは、自分が絶対に選ばないような選択をする人たちとも関わりを持たざるを得ない時があります。その究極の場が会社だと思います。私たちは生きるために働かざるを得ません。そして、運良く希望する会社に入れたとしても、そこで共に働く人を選ぶことはできません。気が合う、気が合わない、そんなあなただけの基準で同僚が決まることなどないのです。 さてここに、『まったく正反対』ということをお互いが自覚し合う二人の女性がWキャストを務める物語があります。『ディヴァルトという会社の化粧品ブランド「ヘクセン」の販売員』として同じ店に配属された二人を描くこの作品。運命とも言える出会いの先に『正反対』な二人のさまざまな思いを見るこの作品。そしてそれは、「鏡よ、鏡」と『鏡を見つめるのが好き』な二人がそこに映る自分とは『正反対』な女性と繋がる先を描く物語です。 『こんにちは』と、『向かい側の壁にかかった鏡』=『合わせ鏡』に『向き合っている女の子』と『目が合』い、『鏡の中で話しかけてみた』のは佐々木莉南(ささき りな)。『私と同じくスーツ姿で、足許に大きなバッグも置いているので、ヘクセンの研修合宿に行く子だろう』と思う莉南に『驚いたような表情を浮かべて、ああ、とか、はあ、と声らしきものを発』する女の子。『ヘクセンの合宿ですよね?私もです』と続けるも『ええ、そうですけど』と『遠慮がちな返事』をする女の子に、『今日は化粧、迷っちゃいましたよね。いつもよりしっかりしたいけど、でもやり過ぎてもよくないかなあって』と語る莉南は『「ですよね」とか「わかります」などと返事があることを期待し』ますが、『いえ、別に迷わなかったです。いつも通りで』と答える女の子は『アイブラシを動かし始め』ます。『そう、ですか』、『じゃあ、お先に』と廊下へと出た莉南は『なんだろう、今の女の子』、『あれだろうか、「自称、人見知り」ってやつ』と、その『愛想の無さ』に戸惑います。しかし、『思いがけず気持ちを乱されたけれど、今から配属前の研修なのだ。ちゃんと明るい気分で臨みたい』と歩き始めます。そして、『広めの会議室のような会場』へと入った莉南は『後ろ、空いてるよ』と後方へ向かっていく他の女の子たちとは『逆で前方に向か』います。『最初から消極的でどうするのだ』と思う莉南は最前列へと席を下ろしました。 視点は変わり、『こんにちは』と、『甲高い声でいきなり話しかけられて驚』き、『「はあ」と曖昧な返事をしてしま』ったのは仁科英理子(にしな えりこ)。『合わせ鏡』の中に『向かいの壁の鏡に向き合っている女の子』と『目が合った』英理子は『ヘクセンの合宿ですよね?私もです』と『再び声をかけられ、「ええ、そうですけど」と、少し動揺しながら返事』をします。『今日は化粧、迷っちゃいましたよね。いつもよりしっかりしたいけど、でもやり過ぎてもよくないかなあって』と『再び話しかけられ』るも『その口調はどこか芝居じみているというか、大げさだ』と感じた英理子は『いえ、別に迷わなかったです。いつも通りで』と答えると『アイブラシを瞼に当て』ます。『そう、ですか』、『じゃあ、お先に』と出て行った女の子。『扉が閉まったのを確認してから、はあっと息を吐』く英理子は、『なんだろう、あの女の子』、『あれだろうか、「自称、物怖じしない」というやつ』と、その『馴れ馴れしさ』に戸惑います。しかし、『気を散らされたけれど、この後は研修なのだ。きちんと気を張らなければ』と会場の『獅子の間』へと向かいます。そして、『パイプ椅子が並べられた』会場へと入った英理子は『後ろ行こうよ』と、後方に向かっていく女の子たちを尻目に『迷わず前方に向か』います。『仕事の研修で控えめになるなんて心理は、理解できない』と思う英理子が最前列に着席すると、『あれ、どうも』と、『さっきの鏡の中の女の子』の姿があり声をかけられます。『あ、どうも』と『また曖昧な反応をしてしま』った英理子は『もうこれ以上話しかけられないようにと』、彼女の側とは『反対側に、気持ち、体を傾け』ます。『ディヴァルトという会社の化粧品ブランド「ヘクセン」の販売員、一般的に「美容部員」と呼ばれる職に就く新入社員』のために設けられた『一泊二日』の研修に参加した英理子ですが、それから一時間半ほど続いた講演の最後に『決意表明のスピーチ』をするよう指名されてしまいます。動揺するも『私は子供の頃から絵を描くのが好きで…』とはじめて『ヘクセンを志望した』理由を語りスピーチを終えた英理子は、『満面の笑みを浮かべて』『合わせ鏡のあの女の子』が『大きく拍手している』のを見て『胸に、気持ちの悪い感覚が走』ります。 視点は変わり、『合わせ鏡の彼女』の『スピーチ』が終わり真っ先に『拍手』をし、目が合うも『一瞬で逸らされ』た莉南は『内容は立派だったけれど、あまりにも淡々とした口調…』と思っていると、『もうお一人ぐらい』と『スピーチ』を指名されてしまいます。『ええと、私はさっきの方みたいに立派なことは言えないんですけど…』と始めた莉南は少しくだけた感じで話します。そして、『スピーチ』を終え『合わせ鏡の彼女』の方を見るも『拍手』もせず『微動だにせず前を見て座ってい』ます。そして終了後、『一泊二日』の合宿の部屋割りが発表されました。『101号室』と聞いた莉南が部屋へと向かうと、そこには『佐々木莉南 仁科英理子』と貼られた紙があります。『あの無愛想な子と同室で二人きりで過ごす』ことを思い気が重くなる莉南。 視点は変わり、『佐々木莉南 仁科英理子』と書かれた『101号室』の扉を開けて中に入るやいなや『結構きれいでよくない?この部屋。私、セミナーハウスっていうから、もっとボロい感じを想像してたんだけど』と『挨拶もそこそこに』『甲高い声で話しかけ』られて『溜め息を吐きたくなる』英理子。そんな二人が『「ヘクセン」の販売員』として、”お仕事”の日々を生きる姿が描かれていきます。 “莉南と英理子は化粧品会社の美容部員。愛想がよく、コミュニケーション力に長けた莉南。自分の価値観を優先し、上っ面の付き合いを嫌う英理子。対照的な二人は自分にないものを持った相手に惹かれ、親交を深める。だが、あることを機に英理子は会社側と対立する。そのとき莉南は ー。現代を生きる女性二人の友情と決断の物語”と内容紹介にうたわれるこの作品。単行本と文庫本、いずれの表紙にも異なるタッチで二人の女性の姿が描かれていますが、その描き方の違いに驚かされます。読後の正直な感想としては、どちらの表紙もちょっと微妙…イメージが違う…(笑)、是非、新装刊で描き直しをして欲しい…そんな思いを抱きます。 そんなこの作品は二人の女性が対になるように描かれていきます。先に描かれる莉南が勝るとは言え、いずれかが飛び抜けた主人公ということではなく、莉南と英理子という二人の女性のWキャストといった面持ちで順番に光を当てながら展開していきます。同じような構成の作品としては、”のの”と”はな”という二人の女性の179通もの手紙のやり取りだけで構成された三浦しをんさん「ののはな通信」、”栄利子”と”翔子”という二人の女性の関係性を、”クロ柚木”なタッチで描く柚木麻子さん「ナイルパーチの女子会」、そして”萌”と”るり子”という二人の女性のドン引きするような関係性を描く唯川恵さん「肩ごしの恋人」などが挙げられます。しをんさんの作品は手紙だけで小説を描くという珍しい構成ですが、手紙を書いた側という考え方で、二人に順に光が当たりますし、柚木さん、唯川さんの作品はハッキリとそれぞれの側に視点が移動して物語が綴られていきます。一方でこの飛鳥井さんの作品も『◇ リナ』、『◆ エリコ』という小見出しとともにテンポよく二人に視点が切り替えられていきます。では、まずはそんな二人の女性について見てみましょう。 ● 主人公となる二人の女性について ・佐々木莉南: 九州出身、高校を卒業後、二年間アルバイトをした後に『ディヴァルト』に入社 ※ 英理子から見た印象 -『中肉中背で、私と同じような背格好。顎下辺りまでの髪は少し茶色がかっていて、緩やかにうねっている。黒目がちの釣り目に、丸っこい鼻、ぽてっとした唇。「美人」ではないけれど、明るく愛嬌のある女の子といった風貌』 - 『「自称、物怖じしない」というやつ。「初対面の人とでも、私すぐに仲良くなれます」などと、誇らしげに自分をアピールするタイプ』 → 『私に言わせれば』『ただ「距離感がわかっていない」だけ』 ・仁科英理子: 神戸出身、高校を卒業後、美大に進学も中退し、『ディヴァルト』に入社 ※ 莉南から見た印象 - 『背格好は私と同じぐらいで平均的。髪の長さも顎下でほぼ同じ。ただし、あちらは黒髪のストレート。涼しげな目許、小さい鼻、薄めの唇。大人っぽく、落ち着いた雰囲気の子』 - 『「自称、人見知り」ってやつ。「私、初対面の人とはなかなか打ち解けられないんです」なんて、自分を繊細だと言いたがるタイプ』 → 『私からしたら』『ただの「コミュニケーション能力不足」』 お互いが相手をどう思っているか、お互いの胸の内から相手を見据えた表現である分、極めて辛辣な言葉が並びます。物語では、そんな二人が『ヘクセンの研修合宿』の場で、ある意味運命的な出会いを果たすところから物語は動きはじめます。レビュー冒頭に記した通り、そんな二人は運悪く?もしくは運命的に相部屋となります。これはもう運命に争わずに運命のままに突き進む他ありません。 そんな物語は、『ディヴァルトという会社の化粧品ブランド「ヘクセン」の販売員』として働く二人の姿を描いていく中に、そんな”お仕事”の舞台裏を描く”お仕事小説”の側面も見せます。私は化粧品売り場の前を通ったことはありますが、そこでどのようなことが行われているのかについての知識を全く持ち合わせていません。そんな場の接客の様子はなかなかに興味深いものがあります。少し見てみましょう。( )内は接客する英理子の心の声です。 - 客: 『あの、すみません』(小柄な女性。二十代半ばぐらいだろうか) - 英理子: 『お伺いします』(先輩たちはみな接客中。私が接客するしかない。バッジには研修中と書いてあるし…) 『何かお探しですか?』 - 客: 『あの、普段あんまり化粧しないんで、よくわからなくて。今日の私の感じに似合うのは、どんなのですかね。今から食事に行くので、たまにはちゃんとお化粧しようかなって』(おそるおそるといった感じで、女性は聞いてきた。化粧だけじゃなく、あまりおしゃれをしないタイプで、気後れしているのかもしれない) - 英理子: 『アイカラーですね。そうですね、お洋服の色も落ち着いてらっしゃるので、合わせてブラウン系がよろしいかと思いますが』(顔立ちも、よく言えば落ち着いている、悪く言えば地味で、肌の色は黒めの人だ。ダークカラーが似合うだろう) - 客: 『あ、でもピンクがいいなとは思っていて。その中でどれがいいか聞きたかったんです』(よりにもよって、ローズピンクだ。ピンク系の中でも、かなり華やかで明るい色で、色白で童顔の人に似合う) - 英理子: 『明るめの色がご希望ですか?でしたら、例えばこの辺りのゴールド系はいかがですか?落ち着いているけど、明るさがあるものもありますよ』 - 客: 『落ち着いているのが、いい感じですか?じゃあ、こっちのピンクとか?』(おどおどしている割に、こちらの話を聞かない。そして、やけにピンクにこだわる。コーラルはローズよりはおとなしめだけれど、やはり女性の印象や服には似合うとは言い難い) - 英理子: 『その辺りのピンクは特に、明るくてかわいらしい感じなので、お客さまにお似合いになるのは、やはりこちらのブラウン系の方かと思います』(勧める人間が曖昧な言い方をしては惑わせてしまうと思い、はきはきとした口調を意識して私は言った。語尾まで、しっかり力を込めた) 『ピンク』にこだわる客というところが実はこの場面ではポイントで、物語ではそれを軽んじたばかりにトラブルに発展させてしまう英理子の姿が描かれていきますが、『その人に真に合うものと、本人の希望が異なるというのは、よくあること』という経験の下に、接客を進めていく英理子の姿が描かれていきます。化粧品売り場の舞台裏という視点のみならず、新入社員が失敗とともに経験を積んでいくという場面が描かれていくという面でもなかなかに興味深い場面を見せてくれる作品だと思いました。 そして、もう一点触れておく必要があるのがこの作品には字体を変えて莉南と英理子の心の内を補足するような描写が全編に渡って入れられているところです。作品冒頭を見てみましょう。 『鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは誰?なんて、かの有名な童話の魔女のように、危険な台詞を唱えていたわけでは決してない。でも私は子供の頃から、鏡を眺めるのが好きだった』。 この作品の書名に繋がる、「白雪姫」の有名な言葉がここに綴られています。これは莉南の心の内を描写したものです。では、英理子の方はどうなのか?こちらも見ておきましょう。 『鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは誰? なんて、あの有名なお伽話の魔女のように、危ない言葉を口にしていたわけでは決してない。でも私は子供の頃から、鏡を見つめるのが好きだった』。 こちらも『鏡よ、鏡…』というあの有名な言葉から始まります。『正反対』な二人ですが、いずれも『鏡を見つめるのが好き』という共通点を持っているのがわかります。そんな物語は、『合わせ鏡』に映りあったお互いの姿を見るところから動き始めます。この鏡でバトンを繋ぐような導入の鮮やかさはお見事です。そして、この字体を変えた表現はその先も適宜織り込まれていきますが、この表現が組み込まれていることで物語にははるかに奥行きが生まれます。とてもよく考えられた構成であり、この作品の印象を左右もする絶妙な演出だと思いました。 そんなこの作品は、やはり一にも二にも、 『だって私と彼女は、正反対。ちっとも似ていない』 そんな莉南と英理子の二人の対比の鮮やかさが物語を見せていきます。一緒に出かけても、莉南が『花柄の刺繡が入った、真っ白のワンピースを着て』きた一方で、英理子は『ノースリーブ』の『黒一色のワンピースを着て』くるという対比を見せる二人。レストランに入っても、莉南が『洋風ハンバーグランチ』を頼めば、英理子は『和風ハンバーランチ』を頼む、という対比を見せる二人。物語では、そんな二人が『ヘクセンの新宿店』に配属され一緒に働く姿が描かれていきます。そして、内容紹介にある通り、”対照的な二人は自分にないものを持った相手に惹かれ、親交を深め”てもいきます。その起点となった感覚がこんな風に説明されます。 『私たちは、反対であることを、楽しい、面白いと思った。次々質問をし合って、わざわざ「反対」を探したぐらいだ。そして見つかると、子供みたいに二人で笑い転げた』。 水と油、犬と猿と言ったようにそりの合わない関係性というものはあります。あなたにもそして私にもそんな言葉で頭に思い浮かぶ顔があるのではないでしょうか?物語ではそんな『正反対』の関係性にあった二人があることをきっかけに”親交を深める”様が描かれていきます。そんな関係性は莉南のこんな言葉で説明もされます。 『英理子が自分なら思いつかないような、「反対」の意見や感想を言うので、実はとても意味のある、貴重な会話をしているんじゃないかという気持ちにさせられた』。 なるほど、極めて前向きなまさしく莉南らしい発想とも言えますが、『正反対』な英理子も莉南の意見を聞いて似たような思いを抱きます。 『莉南と話していると、自分が重くとらえたり、こだわったりしていた出来事は、実はそんなに大したことではないのでは、もっと気楽に考えればいいのでは、と思えてくるのだ』。 極端に『正反対』な関係性は、逆にその関係性が近くなるということはよく言われることです。莉南と英理子はそれぞれの納得感の中に関係をどんどん深めていきます。 『私は知っている。わかっている。どうして彼女に魅かれたのか、どうして彼女を好きになったのか。正反対、だからだ』。 物語は、そんな二人が『ヘクセンの新宿店』で働く日々を描いていきます。しかし、安寧とした日々は長く続くものではありません。内容紹介にある通り、そこには、”あることを機に英理子は会社側と対立する”という大きな転機が彼女たちを待ち受けているのです。その時、莉南はどういう行動に出るのか、英理子はどんな行動を起こすのか、物語は大きく大きく動いていきます。そして、〈終章〉に描かれる物語、そこには『正反対』の二人がそれぞれに見る未来、『正反対』の二人が交わった先に見る清々しい結末が描かれていました。 『さすが「反対」の二人。私とはまったく違う。私からは、絶対に出てこない発想だ』。 『正反対』の考え方と生き方をしてきた莉南と英理子の働く姿を描くこの作品。そこには、そんな二人が運命的に繋がりを持った先に化粧品販売員としての毎日を送る二人の日常が描かれていました。化粧品売り場の舞台裏を興味深く見るこの作品。莉南と英理子の視点の切り替えの鮮やかさに一気に最後まで読み通せるこの作品。 ぐいぐい読ませる鮮やかな筆致と、いつまでも余韻を残す味わい深い結末。二人の感情の機微を細やかに描き出していく飛鳥井千砂さんの上手さ際立つ傑作だと思いました。
274投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログ莉南と英理子はどちらもどちらで魅力的な人物でした たぶん、近くにいたらリナの朗らかな天真爛漫さに憧れただろうし、エリコの誰にも毅然とした態度にカッコいいと感じたと思います 同僚でいたら、頼りになる二人だな~ 私個人の感想ですが、フォントが変わっていきなり物語調になるところや、リナとエリコの性格や考え方が反対ということを示すために同じエピソードを視点が変わってそれぞれのキャラクターが話すところが多くて、正直読み疲れてしまいました 序盤~中盤ぐらいまではお互いをライバルとしながらも親友となり、女子のお仕事小説として楽しんでいました! 物語の中盤で問題が起きたところから終盤にかけての展開があまり好みではなく、星2になりました
0投稿日: 2024.03.12
powered by ブクログ性格も、考え方も、価値観も全く交わらない二人だけど、それを超えてなお認め合えるというのはどれだけあるだろうか。でも一方的な被害者は百合だよねぇ。メイン二人はそれぞれに強靭でたくましい。
0投稿日: 2023.12.24
powered by ブクログ序盤、中盤、終盤と、印象の変わるお話。 序盤の雰囲気でずっといくのかと思ったけど、まさかの中盤で親友になっちゃって、でもあまりにも仲良すぎて不穏な空気を感じた。 終盤は終盤で印象が変わり、ちょっとつまらなくなったかな。
1投稿日: 2021.01.14
powered by ブクログ美容部員として働く2人の女性が、全く正反対なところに惹かれあう。 メイクについては全くわからないが、女性の友情とお仕事を描いた小説として興味深く読ませてもらった。 でも後半、いろんな人物がとる行動に共感できなかった。ロクな男が出てこないのは仕方ないが、納得いかないことが多い。
1投稿日: 2017.09.08
powered by ブクログ飛鳥井さん 久々の文庫新刊。 ずっと待ってました。 構成が効果的でした。 誰の言葉か明示されたパートと どちらの言葉かは最後の方まで わからないパート。 得体の知れない不穏な感じが 常につきまとう展開は 裏表のような彼女たちの背負う 業…呪縛によるものでしょうか。 2人は真逆なのに同じ。 第三者である読者にはわかる。 溶け合えない存在だけれども 互いにとって 互いは必要欠くべからざる存在だった。 悲しい結末のようでしたが 爽快さを胸に残してくれました。 それから。 男の私は化粧を全否定していましたが その見方の一方的過ぎることを 悟らせていただきました。 女性が美しくあろうとすることの 重大さを これからは敬意を持って 心に刻んだまま 日々出会う女性に 接したいと思います。
0投稿日: 2016.12.25
