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おとぎ奉り《新装版》 8巻(完)
おとぎ奉り《新装版》 8巻(完)
井上淳哉/新潮社
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総合評価

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    過去の因縁から現代に蘇る、眷属と呼ばれる妖怪と、巻き込まれて四聖獣の力を使う人間の戦い。 戦いの緊張感というよりは、嫌悪感の方が強い。 敵を倒してもなかなか爽快とは行かない。 現実舞台ではそのようなものかと思うが、巻き込まれ型の主人公にしては、失うものと得られるものがまるで釣り合わず、そのわりにその事への葛藤があまりないのが気にかかる。 目的は今を守ることとしても、失うものが多く過酷すぎる。 青龍は義務感あるとしても、もうすこし、戦闘に対するモチベーションをわかりやすく書いても良かったのでないだろうか。 神器があれば精神的なフォローもされる、を拡大解釈すると、なんでもできそうな気はするが。 警察との連携が割と早く、ヒーロは孤独でない、というのは割と新機軸だった気はする。敵を隠すのにグダグダする必要がなくなったし、協力も得られたが、効果範囲には疑問が残るところ。中央がこの問題をどう考えているか、有耶無耶になってるのだよね。人造妖怪と人造ヒーローの戦いだから、他に重臣と同じ境地に達した陰陽師などはいなかったものか、中央と懇意の霊能者がいればそれなりに役に立ったのでないか等、巻き込まれた学生君よりは戦う意義がありそうで気になる。 キャラクターはなかなか生きていたと思うのですが、その分、過酷な参加者の生活、人生を考えてしまって、もっと出来ることがあったのでないかなど、いろいろもやもやするお話ではありました。

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    投稿日: 2011.08.10
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    神を捨てても妖怪は残るとか…まぁ、ひとまず良い完結とも言えるけど、結末のつけ方は私好みではありませんでした。でも、良い作品だとは思う。

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    投稿日: 2011.06.10