
総合評価
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powered by ブクログ父が貸してくれた本で、実際にあった潜水艦事故とは知らずに読みました。 過酷な潜水艦での生活や任務の様子が興味深く、これからどうなる!?と思ったところで、本が終わり、そこで未完と知りました。 巻末に、山崎豊子さんが書き残した第2、3部の構想が書かれています。 完成したら山崎豊子さんらしい壮大な作品になったことだろうな。
10投稿日: 2025.12.27
powered by ブクログ2025/10/27 読み終わった 山崎豊子さんの遺作。3部構成を予定されていて、第一部完結、までが完成している。第二部第三部は大まかな流れのみが決まっていて、それもこの本に収録されている。 秘書の方による解説が圧巻で、山崎豊子さんの飽くなき執筆意欲が伝わってきた。 オーストラリア旅行のために持って行った。奇しくもシドニー海洋博物館で潜水艦の中を見学できて、この作品で描写されていた潜水艦の内部のディティールの正確さを確認できた。
0投稿日: 2025.11.27
powered by ブクログこの調子で完結できるのか疑問に思いながら読んでいたら、遺作だったのですね。 本来なら3部構成だったとありました。 続きが読みたいです。 非常に残念です。
0投稿日: 2025.06.12
powered by ブクログ未完の作品になってしまい本当に残念すぎる。 山崎豊子の真骨頂、と言うような展開になりそうだったのに。
12投稿日: 2025.05.03
powered by ブクログ面白かったです。第一部のみとなっているのがすごく残念でしたが、楽しく読み進めることができました。世間への問題提起の思いも込めた山崎豊子さんの他作品も読みたいです。
6投稿日: 2025.01.26
powered by ブクログ三部作構想で、残念ながら作者逝去により第一部で未完の作品。三部作完成していたら間違いなく戦後の日本という国を改めて考えさせられる大作になっていたに違いない。何に正義を置いて自衛隊の存在意義を捉えながら職務を遂行するのか、花巻の答えを最後まで追いかけたかったです。
2投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ山崎豊子さんの未完の遺作。 三部作になるはずだった物語の第一部。 海自の潜水艦「くにしお」と釣り船の衝突により民間人30人の命が奪われる。 世間の批判の目に晒される自衛隊。 海軍内での居場所を失う「くにしお」の乗組員たち。 若き士官、花巻の目線からストーリーは展開していく。 深い海の中でひっそりと、日々命懸けで国防に携わっている彼らの任務。 行間から、彼らの任務の息詰まる緊張感を感じる。 この物語は単なる裁判ものではない。 巻末に作者の没後、プロジェクトチームがまとめたその後のストーリーがおおまかに掲載されている。 真珠湾攻撃にまで遡る壮大なスケールに圧倒され、もはや読むことが叶わないのが残念でならない。 時に批判される「戦争をしない軍隊」への予算や在り方。 「戦争と平和」とは。 戦争を知るものの心の傷。 近隣国との命を削るかけひき。 深いテーマを持ち、命の終わりまで平和への想いを届けようとした著者に改めて哀悼の意を表します。
32投稿日: 2024.09.01
powered by ブクログ山崎豊子作品、未完の遺作。 いつものことながら、膨大な取材と勉強の爪痕を感じられる骨太の作品です。 本作は、海上自衛隊の潜水艦と遊漁船の衝突事故と海難審判を中心に物語が進みますが、山崎先生が最も描きたかったのは、次作で描くはずだった主人公の父親の話。真珠湾攻撃の緒戦で捕虜第一号となり波乱の人生を送ったモデルが、主人公の父親でした。 続きを読みたかった。 多くの艦船が沈められ、多くの犠牲者が眠る太平洋の地を、二度と戦争の場にしてはいけない、という信念をもつ父と息子の100年物語。未完のは残念ですが、本作及び、山崎先生の後書や新潮社プロジェクト、秘書の方の解説は是非読んでいただきたいと思う内容です。
0投稿日: 2024.08.05
powered by ブクログ緻密な取材に基づいた確かな筆運び山崎豊子らしさ出た一作。 潜水艦乗りの花巻と海難事故を扱った作品。 一部完でこれからの展開が楽しくなるところだったが、作者が逝去したことにより続編は骨格しか分からないものとなった。 本来は花巻の父が、真珠湾攻撃の捕虜第一号になった苦悩に触れ、主人公が自分の職を見直すという流れだったようだ。続きが読めなくて残念。
4投稿日: 2024.07.30
powered by ブクログ山崎豊子さんの最後の小説。 執筆途中で亡くなってしまったので、物語は終わっていないが、それでも読む価値ある1冊。 山崎豊子さんは人間の心象描写がすごくわかりやすく、自分もその場にいるような感覚になります。 この小説は戦艦乗り、海上自衛隊が舞台。 日本で自衛隊というと陸上の方が目立っているが、地政学的にシーパワーである日本において海上自衛隊の重要さを改めて実感。 戦争と正義がテーマになっているが、その正義は何か、手探りで自分の正義とは何か向き合いながら生きていく主人公。 自身の正義も何か非常に考えさせられる。 山崎さんの作品は今後も読み続けたいと思いつつ、最後まで読んでみたかったと、、今でも思います。
0投稿日: 2024.06.11
powered by ブクログ海上自衛隊の潜水艦と釣り船が衝突。若き士官を襲う過酷な試練。 その父は昭和16年、真珠湾に出撃して-。 時代に翻弄され、時代に抗う、父子100年の物語が、いま始まる。
3投稿日: 2024.04.10
powered by ブクログ未完だからなのか、よけいに『続きを読みたい!』と強く思った。自衛隊、潜水艦など、かなり特殊な環境をさも目の前で見ていたかのような描写と登場人物たちの心情がリアルに丁寧に紡ぎ出されており、とても読み応えがある。 著者が執筆されていた時代よりも、より日本を取り巻く近隣諸国や同盟国との国際情勢や自衛隊の活動範囲が複雑化しており、末巻での『問題提起を受け止め答えを考える』との言葉に深く頷いた。
0投稿日: 2024.01.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の花巻朔太郎(はなまき さくたろう)は東都工業大学と防衛大学を受験し、防衛大学に合格する。 防衛大学入学には兄姉の反対があったが、元海軍軍人であった父は反対しなかった。 花巻朔太郎の乗る潜水艦「くにしお」は観光用の遊漁船と接触し、遊漁船を沈没させる。 民間人30人の死者を出す大事故だった。 朔太郎は過酷な試練に苦悩する。 東洋フィルのフルート奏者の小沢頼子と出会い、恋心を抱くが、事故の遺族への弔問や海上自衛隊からの聴取に時間を取られ、頼子と会う機会もなく、頼子のことは忘れようと煩悶する。 当時の自衛隊は金食い虫の役立たたずと、国民から疎まれていた。 国民の知らない所で国防の任務に携わっているのに、理解されない自衛隊とは、なんなのか?と自問自答するうちに、事故の処理が一段落したとき、朔太郎は自衛隊を辞めようと思い至る。 そんな中、過去を一切語ろうとしない父が、旧帝国海軍の真珠湾攻撃時に日本人捕虜第一号となった事実を知る。 自衛隊の存在意義、かつて米国と戦った父の日本、戦争と平和について考える朔太郎の煩悶。 本作は山崎豊子の未完の遺作となって、3部構成の1巻目で終わっている。 頼子とのロマンスの結果は? 父の捕虜第一号となった、その後は? 自衛隊を一時は辞めようと思った朔太郎のその後は? いろいろと未完のまま終わっているので、もの足りないものとなったが、山崎豊子が病床の身で、力尽きるまで書き続けた本作は、生き続けていたら、間違いなく長編大作と成ったでしょう。 本作も実際の事故を起こした潜水艦「なだしお」関係者、自衛隊、遺族、米海軍など、沢山の取材および、膨大な資料に基づいて書かれている。 偉大な国民作家の遺作となった本書を読んで良かったとおもう。
1投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ山崎豊子さんの遺作。 海上自衛隊のエリート潜水艇員、花巻朔太郎は勤務中の事故により自衛官であることの意義に悩み自衛隊の辞職を考える。彼は帰国した父の過去を知り、戦争と軍団の意味について考え始める。 大作になるはずの本作、巻末の構想の部分や秘書の方の話を聞き、お話の全容を読みたかったと感じた。時代を超えて楽しめる作品を生み出す素晴らしい作家さんの作品、コンプリートしたい。
1投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み進めていくと段々と面白くなってきて、海難事故の裁判が進みボルテージ上がってきたところで終了、という。。 とにかく途中で終わってしまって未完成となってしまったことが無念でならない。最後まで読みたかった。。 最後、編集チームの方たちがおおまかなあらすじは書いてくれたけども、やはり著書が描いたものとは温度感が違い、流し読みになってしまった。 終わり方については残念無念だった一方、そんな中でも多くの人に認知され読まれている本だというのは素晴らしいと思う!新潮文庫100に選ばれた実績もあり。
0投稿日: 2023.11.13
powered by ブクログ特殊潜航艇の搭乗員で、太平洋戦争時、日本人初の捕虜となった酒巻和男氏、氏をモデルにして書かれた小説ということで読んでみた。 しかし、読めども氏であろう人物が一向に登場しない。 実は、山崎豊子最後の小説で、それは完成されることなく未完だった。 取材もだいぶ終わっていたようで、完成した作品を読むことが出来ずとても残念だ。 けれども、本書の主人公花巻朔太郎(モデルの息子という設定の人物)を通して、自衛隊とは何かという問題を改めて考えることができた。 ただ、それを考えると続きが読めないことがより一層悔やまれる。
0投稿日: 2022.08.26
powered by ブクログ数日で一気読み。 未完の遺作であるが、最後まで読めないのが本当に残念。 山崎先生の作品は瑞々しくて、文章から時代が判断できないことがある。本作も同様で序盤はまったく分からなかった。 自衛隊とは、国防とは。 山崎先生の自衛隊観、戦争観をもっと読みたかった。
0投稿日: 2022.06.13
powered by ブクログ何かで聞きかじった約束の海 面白いかなと読み始めて さすが山崎豊子さんと思いながら 引き込まれていった。 先が読めないなぁと ワクワクしていると えっ! ああ 仕方ない事だった
2投稿日: 2022.04.17
powered by ブクログ海上自衛隊の潜水艦が、遊漁船と衝突事故を起こし、多くの犠牲者を出す。主人公は、海上自衛隊員で事故を起こした潜水艦に乗船していた花巻二等海尉。事故後の事情聴取、マスコミの追い討ち、海難裁判と苦悶の日々が続く。 未完の作品ではあるが、平和が日常であった日本での自衛隊への意識。平和であるとしながら、緊張が続く国境付近。それらに、優秀な先輩自衛官、恋人候補、悪役的同僚など個性的な登場人物を加えて、読み応えある作品でした。 大河小説としては、導入部分でしかなく、花巻は、辞意を固めつつ次の任務に向かいラストとなる。この作品のチームによって、第2部は花巻の父親を通しての“戦争とは”、第3部は父の気持ちを引き継ぐ形で、花巻のこれから“平和とは”という感じのシノプシスが加えられる。 現在のロシアの戦闘行為は、この作品の結末にも影響するかもしれない。未完であるので、想像するしかないし、それは、その時代で変化していくのかもしれない。 戦争しないための軍隊という希望が続いて欲しい。
26投稿日: 2022.04.05
powered by ブクログさすがの読み応え。第一部のみまでしか読めないことが残念でならないが、構想段階ではあるものの、その後を公開いただいたことに感謝です。いろいろ考えさせられますね。
0投稿日: 2021.12.09
powered by ブクログ1.著者の山崎豊子さん(故人)は、小説家です。大阪の老舗昆布店に生まれ、毎日新聞に勤務後、小説を書き始めました。毎日新聞での上司は作家の井上靖氏で、薫陶を受けたと思います。19歳の時に、学徒動員で友人らの死に直面ししました。 「個人を押しつぶす巨大な権力や不条理は許せない」と言っています。社会派小説の巨匠と言われ、権力や組織の裏側に迫るテーマに加え、人間ドラマを織り交ぜた小説は幅広い世代から支持されています。綿密な取材と膨大な資料に基づく執筆姿勢はあまりにも有名です。「花のれん」で直木賞を受賞後、作家業に専念し、菊池寛賞や毎日文化賞を受賞しています。 2.本書の主人公は、旧海軍士官を父親に持つ、海上自衛官の息子です。乗船した潜水艦が、釣り船と衝突し、多くの犠牲者が出てマスコミを中心とした国民に非難されます。主人公は、自衛隊の仕事に疑問を抱きます。読者に向けて、自衛隊とは何か、戦争・平和とは何か、を問いかけています。本書は、第一部~三部まで予定されていました。しかし、著者の永眠により、この第一部が遺作となり、非常に残念です。 3.先ず、私の琴線に触れた箇所を、感想を添えて、3点書きます。 (1)「国防の仕事に就いている人たちは、どこの国でも、国民に敬愛されこそすれ、こんなに嫌悪されているのは日本だけでしょう・・・、総理以下の政治家も事故が起きれば、保身に汲汲として、隊員を犯罪者呼ばわりする、こんな国の自衛隊って何なのか・・・」 ●感想⇒「日本は敗戦国になり、憲法で戦争放棄を謳っています。朝鮮戦争の時にアメリカ軍の補助として再軍備させられたのが、自衛隊のルーツです。現在も自衛隊に関する議論が続いています。一方で、災害発生時等の隊の迅速な対応は評価されています。政治家は、保身行動だけに走るのでは無くて、隊のあり方を明確にし、場合によっては支援も必要でしょう。 (2)「確かに自信のないままに続けて良い仕事(自衛官)ではないからな、但し、責任を取るなら、それが何に対する責任か、自分自身ではっきりさせろ、明確でない責任感は単なる感傷かもしれん・・・」(父親の息子へのアドバイス) ●感想⇒仕事だけでなく、いろんな場面で不都合が生じた時には、逃げ出したい気持ちになるものです。しかし、逃避は何の解決にもなりません。事の事実関係をキチンと整理し、関係者への影響に十分配慮して、判断を下すのが良いと思います。しかし、理屈的対応では難しい事もあるでしょう。私のような未熟者には、信頼出来るアドバイザーが欲しいと願います。 (3)「国を護る、戦争を起こさない努力をする仕事こそ、困難であろうとも、やはり自分が命を燃やす甲斐のあることではないのか」 ●感想⇒世界各地では、戦争が勃発しています。私達は、日本は平和である、という絶対神話を作り出し、その中に埋没し、「今さえよければいい」症候群に陥っていないだろうでしょうか。グローバル化が一層進行している中で、こうした現代的課題について、具体的行動は難しいでしょう。しかし、問題意識を持たなければならない事と考えます。 4.まとめ; 著者は、19歳の時に、学徒動員で友人らの死に直面したという戦争体験ががあります。本書は山崎豊子版「戦争と平和」で、自衛隊の存在をどう考えるかを問う作家生命をかけて書かれた作品と言われています。普段は議論しないような非常に難しいテーマです。戦争体験のない私には適切なコメントが見つかりません。山崎さんは、晩年病魔に襲われ、最後は口述筆記になることがあったそうです。「どんなことをしてでも書き上げる」という執念を感じたという証言もあります。私もファンの一人で、「沈まぬ太陽」は、愛読書の一冊です。著者の執念に感動し、人間考察の為に、今後も著者の本を読みたいと思います。
32投稿日: 2021.07.18
powered by ブクログ未完の遺作であるため、途中までしか読めず、残念。 自衛隊ファンとしては、自衛官がどんな考えを持ち、どんな生活をしているのか垣間見ることができた。
0投稿日: 2021.07.01
powered by ブクログ沈まぬ太陽をドラマで見てからと言うもの、著者の本作品に出会えて、自衛官と言う職種を考えることが出来ました。ただ、遺作ということで、第一部迄しか読むことができない作品です。 事故の背景や原因を掘り下げていたかどうか、史実に忠実であってほしいという勝手な読者の願いとは裏腹な部分もありでした。
0投稿日: 2021.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
山崎豊子未完の遺作。 自衛隊の潜水艦くにしおと一般の漁船の衝突事故を中心に、関係者一人一人の思惑や自衛隊に対する世間の風当たりの強さが多角的に描かれていて面白かった。特に審判では漁船の船長に批判的な見方をするサキや、自衛隊に一太刀浴びせようとする田坂弁護士や、堂々と弁明する筧艦長に不信感を持つ頼子や、自信や自主性がなく弁護士をチラチラ見る安藤船長や、いろんな意見や思いがあることが描かれていた。 実直な主人公花巻朔太郎とフルーティストの小沢頼子との恋が淡く進んでいくのもすてきだった。頼子の行動力はすごい。儚げに見えるのに傍聴に行ったり、朔太郎に真実を確かめる電話をかけたり、コンサート後に呼び出したり、芯が強くてギャップがあってよき。 本当は真珠湾攻撃での捕虜第一号だった、花巻朔太郎の父花巻和成が抱えている心の闇、戦争の闇と自衛隊がメインテーマだったようだけれど、その序章の第一部で終わってしまったというのは残念。ただ自衛隊が違憲だとか、戦前回帰だとか、何も知らないで印象論で自衛隊や防衛大を煙たがりがちだけど、実際自衛隊が今日も日本を守っているとか、自衛隊についてもっと理解した上でないと自衛隊の是非を論ずることはできないと思った。
0投稿日: 2021.02.04
powered by ブクログ高校に入ってから図書室にたくさんの本をリクエストして買ってもらっている。この本も買ってもらった。久々に“本”を読んだな、という印象。空母いぶきを見て海自に興味を持って読んだが、国同士ではなくマスコミとの戦いがリアル
3投稿日: 2021.01.24
powered by ブクログ3部構成になる予定だったそうだが、作者の死去に伴い第1部だけで終結。 巻末に今後のシナプスが載っている。 それを見ると完結してもらいたかったとつくづく思う。 作者の終生のテーマである「戦争と平和」を締めくくる作品になる可能性もあったと思った。
1投稿日: 2021.01.21
powered by ブクログさすが山崎豊子作品。 当たり前だけど壮大なプロットがあって作られてるんだと改めて認識。最後まで読めなくて本当に残念。
1投稿日: 2020.12.30
powered by ブクログ海上自衛隊なだしおと遊覧船の追突事故をモチーフにした小説で山崎先生の遺作となった小説です。クライマックスの直前で先生がお亡くなりになり、途中で物語がいきなり終わってしまいます。続きが読みたい思いがふくらみますが、他の人が加筆するのではなく、山崎先生の筆で終わるのが良いと思います。
1投稿日: 2020.07.03
powered by ブクログ絶筆だから読みたいと思いつつも、未完だからと躊躇する気持ちもあり、これまで横目で見ながら手に取らなかった作品。 加齢によって体力は低下し、その反面自分の立ち位置と存在意義を確認したいという欲求にも駆られ、自分のやりたいこと、やるべきこと、そして出来ることの線引きがぼやけ、なんとも心許ない毎日を過ごしてきた中で、またこの本と対面した。 爽やかで正義感が強く、いかにもヒーロー然としていながらも、迷いや弱さを抱えて時には間違うことも、誰かを傷つけることもある、著者が描く人物像に触れたくなり、とうとう頁をめくることにした。 著者の構想の半分にも満たない作品からは、迷いの中でどう進んでいくかのヒントを得るどころか、もっと難解な問いを投げかけられた。 好き嫌いを問わずそれぞれの登場人物に感情移入し、もし自分ならばこのストーリーをどう展開させる、ラストをどう着地させるのか、答えのない問いかけこそが、著者からのメッセージかもしれない。 後を引く読み応えのある作品。
3投稿日: 2020.04.02
powered by ブクログ山崎豊子さん、最後の未完作品。 二つの点で興味惹かれる小説である。 * 高齢と病身である山崎さんの渾身の力はいかなるものなのか * 作者テーマである「戦争と平和」を描くとしても、自衛隊から掘り起こすとは 上記は当時(2013年)文芸関係で話題になった。 氏の秘書野上孝子さんも解説で 「まさか先生、自衛隊を書くのではないでしょうねと、飛び上がった」 と書いていらっしゃる。 「先生には『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』という戦争三部作がある。 その作者がどういう視点で自衛隊を書くのだろう。」 山崎氏全作品読破のわたし、文庫になるのを満を持ししていたので、さっそく。 さすがです! 自衛隊が批判にさらされた「潜水艦なだしお事件」を題材にフィクションが始まる。 その潜水艦の若き乗組員が主人公。 一般人の犠牲者がたくさん出た、あってはならない事故である。 たまたまその事件に遭遇してしまった真面目な悩みを通して 自衛隊とは何かを問う設定。 読んだところ、かなり自衛隊を肯定している。 「かなり」っていうところが今の国民の気持ちだと思う。 山崎節炸裂の力作ですが、第一部完結とはいえ、物足りないのは仕方ありません。 でも、書かれなかった全体の予定構造の概略が巻末に付録してあって、 第二部、三部と続くらしいが、それを読むのがわたしには非常に面白かった。 病魔と闘いながら、きちんと第一部を終わり後の構想を残しておく。 残念だけど好感持てる終わり方。 最後まで書きながら死ぬ、これぞ作家冥利ですよ。
3投稿日: 2020.02.14
powered by ブクログ素晴らしい。心が震えて泣きたくなった。 続きがもう一生読めない事が哀しい。 初の山崎豊子作品。
0投稿日: 2019.09.10
powered by ブクログ読めば読むほど引き込まれたが、未完の作品だったとは。若干拍子抜けしてしまった。続きが読みたい。特に、丹羽との対峙とか。 戦争を起こさないために自衛隊を持つ?昨今の情勢下、抑止力がどれだけ効果的なのかは、見極める必要があると思う。
0投稿日: 2019.08.03
powered by ブクログ予備情報なしに読み始めたら、全3巻のうち、ここで絶筆となった第1巻だった。この後のストーリー案の一部が、最後に公開されている。ほかの作品と同じく、テーマは深く、興味深い展開が予想でき、読めないのが残念。 「戦争をしないための軍隊」、という存在を追求してみたくなったと、著者のあと書きにある。ここまでの話で、抑止力として自衛隊の潜水艦が日本海で警戒の任務にあたる場面が描かれていた。難しいテーマを読者と一緒に考えていきたいとも。 「責任を取るなら、それが何に対する責任か、自分自身ではっきりさせろ、明確でない責任感は単なる感傷かも知れん」は、印象に残るセリフだった。言われてみると安易かつ曖昧な謝罪、責任を取るという行為が多いのかも。そうならないように、よく考えよう。
1投稿日: 2019.05.18
powered by ブクログ山崎豊子氏の最後の作品。三部作だが一部執筆後2013年に著者は亡くなり遺作となった。海上自衛隊の潜水艦くにしおが民間船と衝突事故を起こす。乗組員であった花巻朔太郎が直面する試練、そしてかつて海軍で真珠湾攻撃に参加し日本人捕虜第一号となった父親との物語…。モデルとなった1988年のなだしお事件は小学校6年の夏休み、館山の臨海学校の際に生々しくニュースを見た記憶。東京湾フェリーにその直後に乗ったのだったか…?山崎氏の描く自衛隊と戦争、最後まで読みたかった。
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ最初は面白かったが、事故が起きてからの展開がいまいち迫力に欠けた。しかし最後に気づいたけど未完の物語だった。おそらくこの一部はまだ前置きのような段階だったのだろう。最後まで読めなかったのは残念。
0投稿日: 2018.10.07
powered by ブクログ山崎豊子さんの遺作。 自衛隊を描いている。 完結されなかった作品のため、一部で終わってしまっており、後半はシノプシスでまとめられている。 それを見るだけでも、相当に読みごたえのある作品になったであろうことが想像できる。 読みたかったなぁ。 2018.8.6
0投稿日: 2018.08.07
powered by ブクログ海上自衛隊の潜水艦が釣り船と衝突して多数の犠牲者が出た事件を題材とした、山崎豊子の遺作。 未完ですが、その後の構成案をまとめたものなどもあり、最終作を読了の満足感は味わえました。
0投稿日: 2018.01.03
powered by ブクログ読む本がなくなったので、旅先のコンビニで購入。未完とは知らなかった。自衛隊の存在意義に、真っ正面から取り組んだ作品だけに、先が気になる。著者が、どう捉え、どう物語を語りたかったのだろう。 このモデルとなった「捕虜第一号」についても、読んでみたいと思った。
0投稿日: 2017.12.02
powered by ブクログなだしお事件の描写は、「沈まぬ太陽」の日航機事件に比べるとそれほど鋭くはない。今後の戦時のエピソードがクライマックスになっていくと期待される中での絶筆。期待される内容を読めないのは残念だが、この年齢でもこれだけの構想を練り、取材し、書き始めた作者の意思と情熱に脱帽。絶筆の作品に、今後の展開の可能性を示すスタッフの記録が記載されるというのも、この作者の作品ならではかも。
0投稿日: 2017.09.29
powered by ブクログ初めて山崎豊子の未完の遺作を読んで、一冊も読んでいなかったことを本当に後悔。 なだしお衝突事件を軸に、現代の防衛を担う自衛隊、多くを語らぬ帝国海軍士官の父、民間人と自衛隊との温度差や相互理解の不足を描いた作品。 ご存知の通り、未完であるが、充分に未完部分を補ってくれる、著者の構想シナリオがあり、読者が展開やラストを描かせてくれる。 著名な作家というのは、読者のために、様々なストーリー展開を構想するのだと、思ったのは、本当に発見であった。
0投稿日: 2017.09.06
powered by ブクログいつになっても色あせない、本物のプロ山崎豊子さんの遺作。あとがきまで読んで本当に感動。 プロであるのはもちろん、本当に好きだからこそ物書きができることの喜びを感じる。
0投稿日: 2017.08.20
powered by ブクログ自衛隊の潜水艦と民間の船が衝突し、多数の死者が出た事故をきっかけに、自衛隊の在り方を問う話。山崎豊子ならではの世界。 残念なのは、三部構成の予定だったそうだが、残り二部は未刊のまま、山崎氏が亡くなられたこと。 編集チームの補足により、氏がいかに丁寧に取材をされ、一連の小説を書くのに膨大な時間をかけられていたことがわかり、改めて、これまでの数々の作品の重みを感じるとともに、読み直してみたくなった。
4投稿日: 2017.06.13
powered by ブクログ20170430 未完の作ということもあり、読後はあまりスッキリとはしない。父子の会話にて、1人生きて帰ることに対する父の贖罪の思いに戦争の怖ろしさを感じた。
0投稿日: 2017.05.05
powered by ブクログ常に戦っているが、何も起こさないことを常とされる。 戦争、自衛、矛盾とも思える枠の中でどう考えればいいのか。 (以下抜粋) ○非常事態が起きた場合は、呼び出されることがある。 そのため休みの日でも、連絡が取れ、 二時間以内に艦に帰ることのできる範囲内での行動が、 暗黙のうちに義務付けられていた。(P.95) ○小説として花が咲くまでには、ここから実際の原稿執筆に合わせて、 更に数回の取材が行われ、言葉一つ描写一つをより磨き上げ、 少なくとも三回以上は書き直していくのが常であった。(P.402)
0投稿日: 2017.03.27
powered by ブクログ自衛隊、潜水艦、そして国防と戦争。自分が普段全く意識せず、知ることもない世界に、引き込まれるように読み進めていった。 膨大な資料、取材、そこにきちんと小説としてのストーリーが重なって、本当に偉大な作家だったんだと改めて思う。 第二部、第三部と、ぜひ読んでみたかった。
0投稿日: 2017.02.11
powered by ブクログ山崎豊子の遺作。海上自衛隊の主人公が、漁船との衝突事故から国防とは、自衛隊の存在意義とはを考え苦悩する。第2部も読みたかっただけに残念でならない
0投稿日: 2017.01.28
powered by ブクログ作者没によって話の途中で終わってしまった小説に出逢ったのは2作目… 事前にわかってたら読み始めなかったのに。ドラマ鑑賞などでなく、山崎作品をまともに読んだのはこれが初めて。サスペンスでもないのにしっかり取り込まれてしまい気付いたら朝だった――という、本の虫としての至福の時が味わえる。
0投稿日: 2016.12.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
山崎豊子版『戦争と平和』の帯タイトルに惹かれて購入。執筆の途中で逝去された為、一部完結のみしか読むことが出来ないのがとても残念。『約束の海~その後』に収録されているプロジェクト編集を読み進めると、膨大な資料と取材に基づいて執筆されていた山崎豊子さんの作家魂が伺える。まさに人生をかけた作家さん。
0投稿日: 2016.12.17
powered by ブクログ1988年7月23日午後3時38分、横須賀港沖で海上自衛隊潜水艦なだしおと、民間の遊漁船第一冨士丸が衝突し、第一冨士丸の乗員含む乗客30名が死亡した。 まさかこの事故が山崎豊子の最後の題材になるなんて…私にとっては忘れられない事故なんです。いえ、別に被害者の遺族とかそんなんじゃない。この一報を知ったのは夫とのデート中でした。まだ結婚前のことです。もちろん携帯もネットもない時代。待ち合わせてすぐに入った店のテレビの速報で知りました。私はすぐに会社へ。デートはおあずけとなりました。そして会社に到着した私は、そこで大失敗をやらかしてしまったのです。張り切って会社へ行ったけど、行かない方が、何もしなかった方がまだよかった…ぐらいの大失敗です。 読んでる間は苦しかった。こんな大きな事故だなんて、そのころの私は自覚がなかった。自分のやったことの重大さがいまさらのようによみがえる。もし長編になって、この事故に終始するならば読むのをやめていたかもしれない。 「約束の海」は第1部を書き上げたところで、山崎氏が亡くなり、残念ながら未完となってしまいました。山崎氏と編集プロジェクトが残した取材メモから第2、第3部のシノプシス(あらすじ)を付け加えてくれている。「約束の海」は第1部を書き上げたところで、山崎氏が亡くなり、残念ながら未完となってしまいました。山崎氏と編集プロジェクトが残した取材メモから第2、第3部のシノプシス(あらすじ)を付け加えてくれている。それによると、後半は花巻朔太郎の父和成の話へと移行する。和成は真珠湾攻撃で奇襲攻撃を仕掛けた特殊潜航(人間魚雷)として潜水艦に乗り込み、アメリカ軍に捕まって捕虜第1号になってしまいます。死んだ仲間の乗組員9名は九軍神として国葬になるが、彼は生きて帰り、自責の念にかられるも、トヨタのブラジル社長として人生をまっとうする。 後半は100倍興味深い。最後まで読みたかった。残念です。
0投稿日: 2016.11.30
powered by ブクログ『正義のあり方』 この作品についてのキャプションは大体の人はもう知って居るだろうし、わざわざ私が書くことはないと思う。 物語は一つ一つを丁寧に確認するように、一度壊してまた組み上げるかのように、雨雲が広がるがごとくゆっくりと進行していく。 なにが正しかったのかわからない地獄のような場所で。未完の作品の評価なんてできないけれど、最後に彼が求めたものは確かに光だった。 この先がない以上、なにもいうことはない。面白かった。
2投稿日: 2016.11.28
powered by ブクログ山崎豊子氏の遺作であり、執筆中に亡くなられたため、未完のまま終わってしまった大作。 完成してさえいれば、間違いなく「白い巨塔」や「華麗なる一族」などと並ぶび、氏の著作を代表する大河小説となっただろう。 一つ一つの出来事ややり取りなどを、これでもかというほど微に入り細を穿って描写し、まさにディテールの数々を積み重ねながらも、紙幅が進むうちに作品が扱おうとしているテーマがどれほど壮大なものなのかを読者が思い知り、圧倒されていく…という、山崎氏らしい技術が今作にも如何なく込められている。 また、2010年代だからこそ、氏もこうした作品を著したかったのだろう、ということが本当によく分かる。 2013年に逝去された後の、ここ数年の情勢をご覧になっていたらどう感じられただろうか…。 そして、病魔に侵されながらもこうして新しい物語に精力的に取り組まれ続けた姿勢に、心から敬服する。
0投稿日: 2016.11.20
powered by ブクログ花巻朔太郎の今後、頼子との行く末、父の軍人としての真実、知りたいことをたくさん残したまま山崎豊子が逝った。
0投稿日: 2016.10.21
powered by ブクログ国民作家山崎豊子の絶筆。この作品は作者の逝去により未完となってしまいましたが、第一部の「潜水艦くにしお編」だけは終了していたのでこの一冊が刊行され、第二部、第三部については新潮社に作られた「山崎豊子プロジェクト編集室」のシノプシスにより巻末に描かれている。 構想30年、国民作家が遺した最後の傑作です。
0投稿日: 2016.10.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1988年の「なだしお事件」がモデルなんですね。圧倒的な取材力はさすが。 ただただもう、著者の作品が最後という想いだけで読んでました。第1部が完成し、本当は何部構成を想定していたのか。続きが読みたくても読めない辛さ。 これまで、どれだけ山崎豊子作品に心を動かされたことか。主人公と一緒になって憤りや葛藤し、絶望したことももちろん感動したことも多々。著者の作品で戦後の歴史を知ったといっても過言ではない。今自分がここまで本が好きになった理由の一つは豊子先生です。これからも、大事に大事に再読していこうと思います。
2投稿日: 2016.10.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海上自衛隊の潜水艦「くにしお」と民間船の衝突事故は、過去最大の惨事となった。正義感あふれる主人公・花巻朔太郎は、多数の遺族を前に自責の念にかられ、自らの進退に悩む。一方的に海自側を批判するマスコミ。思いを寄せる頼子との関係はどうなるのか。 と風呂敷を広げきったところで、続きを読みたい気持ちが行き場を失う。2013年、山崎豊子は数々の名作(ほとんど読破した、してしまった)をこの世に残し、そして本作を最後まで書き上げることなく鬼籍に入られた。改憲の議論が高まる今だからこそ、最後まで読みたかったという思いと、最後まで読めなかった分著者が残してくれた問題に自分なりに向き合ってみようという思いが同時に押し寄せる。 『戦争は絶対に反対ですが、だからといって、守るだけの力も持ってはいけない、という考えには同調できません。 いろいろ勉強していくうちに、「戦争をしないための軍隊」、という存在を追求してみたくなりました。 尖閣列島の話にせよ、すぐにこうだ、と一刀両断に出来る問題ではありません。自衛隊は反対だ、とかイエスかノーで単純にわりきれなくなった時代です。 そこを読者の皆さんと一緒に考えていきたいのです。今はその意義を再び考え直すタイミングなのかもしれません。』 あとがきで、このような言葉を残されています。憲法を改正したら徴兵令が復活する、自衛隊の海外派遣は武力の行使だから違憲だ、そんな簡単なものなのか?とは常々思っていたこと。実際にあった「なだしお事件」から海自を一方的に批判したマスコミのようになってはいけない。感情的にならず、全体を見る目を養い、自分の国をいかにして守るべきか、平和への追求を忘れないでおこうと改めて思った。 本作で、海上自衛隊の潜水艦隊という存在とその役割に興味を抱いた。そもそも存在自体を全然知らなかったけれど、北朝鮮のミサイル問題をはじめ、今も国のために暗躍しているんやろうなあ。 知ることは思考の材になる。山崎豊子という尊敬する作家が残してくれたものを、自分の一部にしていこう。
2投稿日: 2016.09.29
powered by ブクログ1988年に起きた「なだしお事件」をモデルに、自衛隊の潜水艦に従事する花巻朔太郎を主人公に物語が展開。この作品は3部作予定が作者の逝去により1部での発表となったようですが、巻末のシノプスを読むとこの物語の壮大さが伝わってきます。「戦争と平和」がテーマであるとのことで、自衛隊のあり方や現在の世界情勢も視野に入れて、憲法第9条の改正で揺れる今だからこそ、もう一度考えるよい機会となりました。作者の膨大な取材の量に圧倒され、返す返すもこの先が読みたかったと思いました。
1投稿日: 2016.09.16
powered by ブクログ山崎豊子の絶筆が文庫化されたというので、溜まっている積読は気にせずに、先に一気に読みました。 葛藤の心の機微を描くさまは、さすが山崎豊子。 話がこれから大きく展開するっていう第一部だけで終わってしまったのが非常に残念。 残されているシノプスが巻末に収録されているけれど、最終的にどういう風に描きたかったんだろうかと、空想も膨らむ。 駐在時代に戦争三部作とか代表作は読んだけど、また読み返してみたいなと思う。
0投稿日: 2016.09.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海自の潜水艦乗りの主人公が、旧海軍士官の父の足跡や遊漁船との衝突事故などを通して、防衛のあり方や戦争と平和を問う、山崎豊子さんの遺作となった作品。 潜水艦の任務や内部描写など、とても細かく表現されており、いかに大変な取材をされたかが良くわかる。 そして“ただの平和ボケ”ではない、作者の平和への想いが未完でありながら良く伝わっているように思う。 「戦争は絶対に反対ですが、だからといって、守るだけの力も持ってはいけない、という考えには同調できません。いろいろ勉強していくうちに、戦争をしないための軍隊という存在を追求してみたくなりました」と作者は言っている。 ただ戦争反対を謳って終わりなのではなく、どうのようにして戦争を起こさないようにすれば良いか、それを良く考えさせてくれる作品であったからこそ、完結されなかったことは大変残念でならないと思うと同時に、よくぞ一石投じてくれたと思わずにはいられない。 衝突事故のシーンで「弔意を示す人はいない。写真を撮ったら後は知らん顔、あれは人間としてどうなのか。」とマスコミに対して遺族が語る場面がある。 恐らく取材の中か、もしくは作者がそういう場面を垣間見たのではないだろうか。 ぜひともマスコミの方たちにはこの言葉を肝に銘じて欲しいものだ。
0投稿日: 2016.08.30
powered by ブクログいつの年も夏休みは終戦記念日と重なり、たまにはこうしてその時期に合わせ戦争や国防ということについて考えるものだと、山崎豊子の未完の遺作となったこの本を手に取る。 1989年を舞台にしているが、主人公が大学を出たのは1980年ということで、私とはほぼ同年代という設定になる。 私の高校の同級生でパイロットを目指して防大を受験した者もいたが、頭脳明晰に加え体力頑健でなければ通らない難関であったと記憶する。 そこを出て潜水艦乗りのエリートとなった花巻朔太郎二尉の今と過去を追いながら、1988年実際に起こった「なだしお事件」を思わす衝撃的な民間船との衝突事故とその海難審判を中心に描かれる。 尊敬する上官・先輩や同僚との強い絆がある一方、事件に絡めば海千山千の弁護士やいけ好かない同輩が跋扈し、秘めやかなロマンスも塗した物語は、王道とも言える展開を見せる 国民には理解され辛い自衛隊の存在意義、事故が起こればここぞとばかりに叩くマスコミ、事故に対する自責の念も含め揺れ動く主人公の心。 戦没者追悼式での安倍首相の言葉に違和感を抱き、憲法9条を貴重な条文と思いながら、最近の尖閣諸島を巡る中国の行動にも何も出来ない現状を見ると、作者が“執筆にあたって”と記した文章に深く首肯する。 曰く『戦争は絶対に反対ですが、だからと言って、守るだけの力も持ってはいけない、という考え方には同調できません。いろいろ勉強していくうちに、「戦争をしないための軍隊」、という存在を追究してみたくなりました尖閣列島の話にせよ、すぐにこうだ、と一刀両断に出来る問題ではありません。自衛隊は反対だ、とかイエスかノーかで単純にわりきれなくなった時代です。そこを読者の皆さんと一緒に考えていきたいのです。今はその意義を再び考え直すタイミングなのかもしれません』 真珠湾攻撃時に米軍の捕虜第1号となった花巻の父の物語が詳らかになり、紛争の火種となりかねない東シナ海を先の戦争の犠牲者が今もって眠っている鎮魂の海として静かに守ることが出来るかを模索する筈だった第2部以降を読めないことを、とても残念に思う。
1投稿日: 2016.08.20
