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終わらない原発事故と「日本病」(新潮文庫)
終わらない原発事故と「日本病」(新潮文庫)
柳田邦男/新潮社
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総合評価

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    1 終わらない原発事故(原発事故被害の特異性;故郷再生の道はいずこ;原子力専門家の責任感;子どもの成長を取り戻す活動;「人間の災厄」を捉える眼こそ;「死者は一人もいない」という欺瞞;「被害者の視点からの欠陥分析」の重要性;復興予算略奪の卑劣;住民の安全対策抜きで再稼働か;はやくも風化の危機;官僚へ、避難生活の実体験を;原発事故被害の全調査こそ;吉田所長の死闘が訴えるもの) 2 この国を蝕む「安全文化の日本病」(続発する一流企業の事故;経営の失敗による組織事故;行政の転換を迫る判決の連打;企業の病-事故隠し;「隠ぺい文化」は事故の温床;放置される生活空間の事故;刑事裁判の限界;被害者連帯の新しい潮流;偏見・差別への配慮と救済) 3 「被害者の視点」が映し出す真実(阪神・淡路大震災;新潟県中越地震;信楽事故;水俣病五十年;もう一つの水俣病総括;じん肺患者放置;「白い巨塔」と医療事故;日航機事故;災害から見つめられて五十年) 4 なぜだ、この国の「いのちの危機」(子どもが産めなくなる;患者リスト放置、いのち意識の希薄;行政の「線引き主義」を崩す;子どもの暴力と「親教育」;性虐待は「魂の殺人」;無人称視) 5 3・11後の死生観(震災後、問われる死生観と宗教心;誰かの犠牲に支えられている日常;子どもたちの喪失体験と言葉;百七十万人死時代、どこで最期) 著者:柳田邦男(1936-、鹿沼市、ノンフィクション作家) 解説:堀田力(1934-、京都市、弁護士)

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    投稿日: 2019.02.12
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    原発事故とその後の感心しない対応。原発に限らず、人災天災と懲りない悪癖の繰り返し。何が大切か、2.5人称の意識をもつ意味。著者は人生を賭して訴え続ける。2016.5.14

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    投稿日: 2016.05.14
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    原発事故のことが知りたくて購入したが、それだけではなく水俣病などもっと前に書かれたものも多かった。原発については別にドキュメントを書かれているようだからそちらに期待しよう。ところで、あとがきを読んで初めて知ったのだが、日航ジャンボ機の墜落には、人的な原因が分かっていたのだ。どこかで聞いているはずなんだろうが、全く意識になかった。ずさんな修理の仕方が、当面はそれでしのげても、長い年月の末、重大な事故を引き起こすことになる。安全対策についてはコストとの問題でどこまで手間ひまかけるか難しいところだが、こと人命に関わる案件については、手間を惜しまず、お金もかけて対応しなければならない。何かあったときには取り返しがつかない。肝に銘じておく。

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    投稿日: 2016.03.27
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    福島第一原発事故を始めとする様々な事故や事件で露呈する国や企業の安全管理の脆弱性。それを隠蔽する体質、「いのち」の軽視。こうした今の日本の状況を「日本病」という治癒の兆しの見えない病に集約し、全体俯瞰の視点で描いたドキュメント。 安全管理を怠り、「いのち」に関わる大事故を引き起こし、さらには事故を隠蔽し、それが露呈した時、立ち行かなくなった大企業…その点、東京電力は国民の血税を大量投入し、政府に守られている。そういう政府も雪だるま式に増え続ける赤字財政に何ら手を打てず、さらなる国民からの集金システムを模索するので精一杯。普通の企業なら、東京電力も政府も、とっくに無くなっているはず。 今の日本に根深く巣くう「日本病」に効くクスリは無いのか…未来の日本への警鐘… 考えねば。

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    投稿日: 2016.03.08