
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桜木紫乃ならでは、という筋立て。釧路の高校で図書部だった女子高生4人がそれぞれたどる人生を描く。 国語教師に恋し、官舎に押しかけ愛を告白した女子高生時代。時は流れ同じ国語教師と結婚したのは別の図書部員だった。 就職した和菓子店の職人と駆け落ちした順子。職人は店主である妻の前から、身ごもった順子とともに北海道から東京へ逃げる。時は流れ失踪宣言がなされ、順子はこの世に存在しなくなった夫と、その間にできた子と暮らし…まだ40代なのに不治の病にかかった順子。 再会した別の部員に順子が言う。「子どもの目が見えなくなる。私の角膜を移植して、息子が、その目でいろいろな建物を見て、建築の道に進み続ける」 「あんた、(それでも)幸せだったんだね…」
0投稿日: 2026.02.01
powered by ブクログ自己啓発本を読み漁っていた時期に度々出会した考えに「今を生きる」というものがありました。 過去を後悔するでも未来を心配するでもなく、今この一瞬に集中して全力で生きること。 順子ってこの典型なんだと思う。 今更変えられない過去を嘆くでもなく、心配したところでやって来てしまう未来に過剰に怯えることもない。ただ、今を全力で生きている。 そしてないものを数えるのではなく、あるものに目を向け感謝する。 だから彼女は死を前にしても「幸せだ」と言いきってしまう。 高校の同級生や順子の親はどうしても幸せをステータスや世間体で測ってしまうので、順子の“幸せ”が理解できない。仕事、パートナー、収入…ないものを数え上げては嘆いている。そんな人たちにとって順子の幸せはやせ我慢にしか見えない。 作者的には「人はみな紆余曲折を経ながら幸せに向かっていく」みたいなテーマなのかもしれないけど、個人的には蛇行した先で見つけた物に感謝をすることが幸せなのだと思いたい。
0投稿日: 2026.01.27
powered by ブクログオーディブルで。高校時代の部活仲間である人、ジュンコが、二十近く年の離れた和菓子職人と駆け落ちする。その間の25年を、六人の女の目線から。 ジュンコは、高校時代、好きな教師に迫って、それが学校に知れて問題になった子だ。駆け落ち後は子供を連れてあちこち点々とし、現在は東京の片隅でラーメン屋を営む。今が一番幸せと、くもりのなく言い切るが、同級生が見に行ったところ、店は流行っているわけでもなく、出される料理は美味しくもなく、子供は難しい病気を持っている。いやー、どん底だ。同級生たちのほうも、どん底。プライドだけは高い男に嫉妬され、蔑まれたり、既婚者との恋愛から抜け出せなくなっていたり。ジュンコの母の章もあった。クズ男ばかりを追いかけて老い、風呂なしアパートで孤独に耐えている。娘との同居をちらりと夢見るも、その娘のほうが不幸だ。男を優先していて、愛情を注いだ覚えもない娘。その娘が、「また来てね」と笑顔で言う。 ラストは、一人、未婚のまま看護師をしている女。卒業以来初めて、ジュンコに会う。困った。ちょっと泣いちゃった。幸せって、まじでなんなんだろうなあ。
1投稿日: 2026.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
東京で生活をしている順子を中心に、6つのそれぞれの女性の物語が描かれている。こじんまりと生活している順子は同級生や母親に、自分は幸せだと伝えるが、実際の生活を見るとそのギャップがある。読んでいくうちに順子は心から自分が幸せだと思って生活しているし、背負うものもたくさんあることに気付く。会話も年が経つ事に変化があって面白い。何より順子の純粋さに憧れる。
0投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログやっぱり、桜木さんはざわざわしながらしっくりくる。高校の同級生の、その母の、その中の1人と旦那に逃げられた女の人のお話。 女の子達が大人になり、1人1人が人と比べたり、引け目を感じたり。なんともあるなこんな気持ち。。こんなざわざわした思いは昭和であろうと令和であろうと一緒だ。 そして、「幸せ」の価値観や考え方も人それぞれ。 この中で「弥生」の物語がスンときた。それは菓子や幸福堂を百貨店に導いた同じ老舗の和菓子やの尾崎の言葉「自分の役割を理解しているとそうそう大きな間違いをしなくてすむんですよ」面白くない言葉かもだけど、すげー納得。 それと看護師の直子の自分の部屋についての言葉「嬉しいことが倍になるより、洗濯と掃除が義務化される方が辛い」飾らない自分らしい生活。 すべてのお話がなんか女の性の面白く儚いものを感じて読み終わり逆にすっきりした(笑) しかし、桜木さんのお話にでてくるツガイになる男性達は優しい。 私も谷川先生好きになるかも
34投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ高校時代に同じ図書部に所属していた、4人の女性の卒業後を中心に話は展開する。これは、私のような男が読むものでなく、女性が読むものだなあというのが1番の感想。 とにかく暗い話しで、登場人物は関わりたくない人間ばかり。あまり、読んだ事のない切り口だったので新鮮だった。
20投稿日: 2024.12.09
powered by ブクログ高校で同じ部活に所属していた女性たちの生き方を描く短編集。 皆それぞれに息苦しい生活の中、父親ほどの歳の男性と駆け落ちした順子が、皆の心を波立たせていく。 順子の生活は相当ギリギリで、苦難が多い。それでも屈託なく、しあわせと言い切れるのは一体何故なのか。 それぞれが、自分のしあわせとは何なのかを見つめ、向き合うことになる。 明るい話ではないが、重すぎる訳でもなく、曇り空の中にうすぼんやりと射す光のような表現が好み。
4投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログ釧路の高校で同じ部活に籍を置いていた女生徒たち。 彼女たちは人生の中でそれぞれに響きあい、またそれぞれの人生に帰っていく。 ときに励まし合い、ときに羨み妬みながら、お互いを確認することで自分を省みる。 こういうのって私の時代の若いうちは女友達にありがちだったわーと思いながら読んでいたけど、男性陣にはないのかな。 仲良くしていて、相手を嫌いなわけでもないのに、どこか自分より不幸でいることを願う汚さ。 それが嫌で気持ち悪くて、女友達が苦手だ。 今の子はきっとネットの発達でまた違った関係性になっているんだろうな。
1投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログ20歳以上離れた妻のいる男と、妊娠をきっかけに駆け落ちした順子を軸に 縁の女性たちの日常を描く短編集 全体的にどろりとした雰囲気で、曇天のイメージ。 どうとらえればいいのかわからず、何を伝えたいのかもわからず、不思議な作品でした
9投稿日: 2024.07.24
powered by ブクログ桜木紫乃さんは五作品目 いつもどの作品にしようか、レビューを読みながら決めるのを楽しみにしている° ✧ (*´˘`*) ✧ ° 話は暗めなのだが、初めて読んで以来、著者の凍てつく北の大地の世界に時々戻ってきたくなるようになってしまった 著者が描く女達は、まるで極東の冷たい大地にのように逞しく芯が強い そしてその周りにいる男達は頼りない 今作は六章に分かれていて、それぞれの語り手(女六人)がどの物語にも登場する”順子”と繋がっている そして今の”順子”のしあわせを確認したくなると同時に、自分と比べてみる 「私は、あの人(順子)よりしあわせ」 みんなそう思っていた しかし、妻子持ちの男と夜逃げして貧乏のどん底にいながら、一点のくもりもない「しあわせ」を笑顔で語る順子のまっすぐ過ぎる生き様に圧倒される 「今、わたし(順子)はしあわせ」 本当にそう思っているの? 前を向いて歩いていたい、自分が選んだ道を信じていたいの? 言葉にすることによって現実もそうだと思いたいの? そうしていないと心がポキッと折れてしまうのかもしれない 自分がしあわせかどうかはその人にしかわからない 何がしあわせかはその人によって違う 著者が描く女は強い 順子に戸惑い圧倒されながらも、自分なりにしあわせを掴みに行こうとする女達の姿も頼もしい 蛇行しながらも、女達は月のように輝いている.˖٭*
118投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログ他人と比較する幸せは結局「しあわせ」に気付かないし、満足しない。 本当の幸せは自分が測るもの。順子の健気な強さが羨ましい。
2投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログ連作短編集。 それぞれの視点から書かれていて、年代も少しずつ変わっているので時代の流れも感じられてリアルだった。 たとえお金に余裕がなくても、好きな人と一緒に逃避行した順子は1番キラキラして見えた。 読み終わったあとの余韻がじわじわくる。
7投稿日: 2024.05.16
powered by ブクログ久しぶりに心がヒリヒリするような物語でした。 女って、女性って、人って、と。 どうにももてあましてしまう自分の気持に何を幸せと思うのか。 その答えを早くに見つけた相手と自分を比較し、改めて自分の幸せを気持ちを考える女性達。 選んだ道を正解とし幸せを作っていく事が幸せになる事だと分かっていても難しい。
23投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ全体的に暗く湿っぽい話だったが、それが今の自分の人生観に似ていて話がするすると身体に入っていった。 わかりやすく前向きな話では無いので、中高生や若い人にはしんどい内容かと思う。 だがある程度年齢を経た女性には沁みるような気がする。 ちょっと疲れたな他の人も同じかな?と確かめたい人におすすめです。
0投稿日: 2023.11.19
powered by ブクログ「ホテルローヤル」と同じ連作短編集ということで期待。6編どれも良かった。自分が善い人になった気がする一瞬があっただけでも読んだ甲斐がありました。
18投稿日: 2023.09.29
powered by ブクログ全体の流れがとても良かった。読中も読後も余韻が止まらない。 一見、苦労の連続である。だけど、読むにつれて、考えが改まる。それぞれの価値観や気づきで人生は何色にも変わっていく。死ぬことにさえ希望が持てる。 自分の人生のようだけど、大なり小なりと周りの人生からも影響は受ける。私の中にもいろんな人の人生が入っているのだろうか。 今の自分に影響を与えてくるものは、出来るだけ自分に合うものを選んでいきたいと思った。
2投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログ幸せの形は、人それぞれ。 誰に何と言われようと、 陰で笑い物にされようと、 自分の幸せは自分できめるし 他の人に自分の想いだけは邪魔させない 思考の中だけではなく 心から そんなふうに強くいきたいです。 順子のように他者にしこりを残すまではいかなくてもね。順子好きです、憧れです。
3投稿日: 2023.04.05
powered by ブクログ女性作家による、女性を主人公にしたオムニバス形式の小説です。各章の主人公は、仕事、パートナー、親から継いだ店、ダメ母性分など、何かを抱え、もがきながらも幸せを見つけようとします。きっかけになるのは順子という女性の過酷ながらも真っ直ぐな生き方。最終話の主人公は順子に問います、幸せなのかと。この会話に本作に込められた作者の人生の美学が垣間見えます。
0投稿日: 2023.02.27
powered by ブクログ幸せとはなにか 他人と比べるものではないのに 女って仲の良い友達にさえも家族にさえも 自分よりちょっとだけ不幸を望んでる 女性作家ならではの視点で どこか自分と考え方が似てる登場人物がいて スラスラ読めた
0投稿日: 2022.12.30
powered by ブクログ短編ごとにメインの人物が変わってとても読みやすかった。そして、作者の独特の人物の書き方なのでしょうか女性がとてもしっとりしていて、なんとも世界に引き込まれてしまいました。 全体にも短めでさらっと読めるので本当にお勧めできる作品です。 ちなみに僕は乃木坂の橋本ななみがお勧めしていたから買いました。
0投稿日: 2022.12.22
powered by ブクログ何が幸せかは、 自分自身で決めるものなんだなと思った。 出来事だけに目を向けると 幸せとは言い難い人生をだけれど、 無理にプラス思考になろうとせず 純粋に今を楽しみ生きている順子だからこそ みんなの忘れられない人になっているのだろうと思う。
0投稿日: 2022.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今まで読んできた作風とはまるで異なっていた。二十以上も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子は、貧しく東京で三人暮らしをしていたがそれを幸せという。初めはみすぼらしく幸せだということが理解できなかったが、子供の輝が生きがいとなり、余命わずかな順子の眼が愛する息子の眼となり海外へ飛び立つことへの喜びを純粋に語ることから、心が温かくなった。
0投稿日: 2022.08.21
powered by ブクログ桜木紫乃らしい。 東京に菓子職人と駆け落ちした、順子から、親子3人の貧しい生活を、しあわせと伝えてくる・・・,
0投稿日: 2022.04.04
powered by ブクログ読みやすくていいんですが、内容が好きじゃないです。 釧路の雰囲気や地名が出てくると懐かしく感じました。 この人の作品はまた読んでみようって思いました。 ちゃんと裏のあらすじを読んでから。。。
0投稿日: 2022.02.13
powered by ブクログ何故「蛇行する川」ではなく「蛇行する月」なのかということをずっと考えている。 結局の所、みんな最後にたどり着くのは、大きな海。誰もが同じ大きな海。
0投稿日: 2022.01.19
powered by ブクログ北海道・釧路、妻を持つ20歳も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子。彼女の4人の道立高校時代の同級生、そして和菓子職人の妻、順子の母。6人の女性を主人公にした6つの連作短編集です。 ブラック企業、不倫、マリッジブルー、彼女たちが持つ悩みや挫折が、重苦しいのだけど沈む事もなく、ただ粘性の高い夜の海を漂うかのように描かれます。その中で、極貧だけど「幸せ」と言い切る順子の存在が、決して解決策にはならないけれど、彼女たちが静々と一歩前に進むための力になっているようです。 一切弾むことは無いけれど、どこかに希望の光が見えるかもしれない。そんな感じが桜木さんらしい見事な表現力と構成で伝わってくるな短編集でした。
3投稿日: 2022.01.13
powered by ブクログ順子と関わりのある複数の女性の視点から描かれたストーリー。順子が1人称の章はない。 それぞれの女性が複雑な想いを抱えつつ、目の前の生活を日々こなしている。 順子は強烈に誰かに影響を与えたというわけではない。しかし、自分の感情に素直に行動し、彼女なりの幸せを掴んだ。その象徴として、憧れの一種?として描かれている。順子の人生も褒められたことではないのだが、いわゆる世間が考える「幸せ」と、自分で選択して自分だけが感じる「幸せ」はズレがあり、後者の方が心が満たされるのではないかと思わされる。 女性の心情を細やかに描く表現に共感したが、一貫して流れる空気が灰色なので、☆3つ。
0投稿日: 2021.11.29
powered by ブクログ自分のある環境や手にしているものに満足し、自分は幸せだと感じれる。人から見たら全然幸せそうには見えなくても、自分が幸せならこれ以上無敵なことないよね。 「幸せ」って感じながら生きていきたいな。
2投稿日: 2021.09.08
powered by ブクログ女性の人生における人間模様を上手に描く最近の人気作家といえば、辻村深月さんを思い浮かべるのだが、桜木紫乃さんの本作(そして「ホテルローヤル」も)は、その域において新しく強烈な印象を残してくれた。きっと(特に女性)読者はそれぞれの女性の全て、あるいは何人かのある場面の心情に、自分を重ね、心揺さぶられると思う。関東の都市部出身である自分には、なかなか実感がわかない北海道の(郊外)事情も新鮮だった。主人公だけではなく、それぞれの女性を描く年代も変わるのだが、当時の社会的な雰囲気も伝わる。 さて、私に刺さった一文(というか二文)はここでした。 「子供が大人になるように、ずるさが包容力になり恋が勘違いに姿を変えても、マイナスやプラスを繰り返し最良の答えを探さねばならない。結婚は虫食い問題だ。」 …もう離婚して2年以上たつけど、結婚の虫食い問題、うまく答えられてないだろうな、20代半ばの自分には。今だから意味を理解した上で言える、私はあの頃若かった(笑)チャンチャン♪
0投稿日: 2021.08.13
powered by ブクログ学生時代から今おっさんになるまで、地続きの自分がいます。突然大人になったわけでもなんでもなく、少年の自分が心の中にしっかり居るのを感じて生きています。 高校卒業後就職した和菓子屋の主人と不倫をして2人で失踪した順子を軸に、同級生や和菓子屋の奥さん等関わった人々の姿を描いた連作集です。 順子が貧しい暮らしをしながら、迷いなく幸せという姿に戸惑う同級生たち。おしゃれ一つ出来ず、籍を入れる事も出来ない生活の中で、親子三人カツカツで生きて行く姿はどう見ても人生の敗者なのに、目を輝かせて幸せを語る順子。読んでいる方も次第に順子に肩入れしてしまっている自分を感じる事でしょう。 どう読んでいい本なのか分からないのに、最後にはグッと胸が苦しくなるような切ない空気が漂います。人生ってこういうもんかもしれない。
3投稿日: 2021.08.12
powered by ブクログ6人の女性の内5人は高校の同級生であり、年代を重ねながら進んでいく物語。その中の、どんなときでも「すごくしあわせ」と話す順子に皆引き寄せられるが、会えば「何処にしあわせを見いだせているのか分からない生活状況」それでも、最後まで1点の曇のない眼差しで見つめる彼女に、自分のしあわせは何かを問いただして行く。人生にまっすぐな道は無く蛇行していて、紆余曲折ありそれぞれの幸せを掴み取るために日々必死なのだ。
4投稿日: 2021.07.20
powered by ブクログ順子という1人の女性から様々な接点を持つ、 6人の女性のお話。 内容も面白く、1話1時間もかからない量なのでサクサク読めた。 それぞれに悩み、問題を抱えつつ懸命に生きる姿に響くものがあった。 自分も誰かに胸を張って「とっても幸せ」と言えるような人生を送りたいと感じた。
0投稿日: 2021.07.17
powered by ブクログ面白くて一気に読めた! こういう、短編だけど、一冊は全て繋がっている話は、次誰の目線かなと思って読めて、毎回楽しみな気持ちになる。 決して羨ましい生活をしているわけではないのに、順子がきらきらしている理由を探しながら読んだ気がする。
0投稿日: 2021.06.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評価は4. 内容(BOOKデーターベース) 「東京に逃げることにしたの」釧路の高校を卒業してまもなく、二十以上も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子。親子三人の貧しい生活を「しあわせ」と伝えてくる彼女に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた高校時代の仲間は引き寄せられる。―わたしにとって、本当のしあわせとは何か?ままならぬ人生を辿る女たちが見いだした、ひとすじの希望。生きることへの温かなエールが胸に響く物語。 それぞれの女性は個々に精一杯生きていて・・・それはそれで良いが、順子を見てあ~だこ~だ言う神経に今一共感できず。長い年月を経て最後には皆それぞれに幸せをつかむって事なんだろうが・・・
2投稿日: 2020.12.09
powered by ブクログ高校を卒業した後、勤めていた和菓子屋の入婿である職人と駆け落ちしてしまった順子。彼女の高校時代の部活仲間の女性4人、順子の母親、駆け落ち相手の妻だった女性の6人をそれぞれ主人公に据えた連作短編集。 駆け落ち生活は楽ではなく、生活に追い立てられる日々であるが、駆け落ち相手と息子の3人で暮らす順子は、小説の中で、自分は幸せだと、いつもはっきりと言う。順子自身が主人公になる短編は書かれておらず、そのような順子と関わりを持つ6人の気持ちを描いた小説だ。日々の暮らしが精一杯で幸せなのだろうか、と思うが小説の中では本当に幸せなのだという設定になっており、順子と接する、決して自分を幸せだとは思っていない6人の気持ちの揺れが主題なのだと思う。 主要な登場人物が全て女性で、かつ、彼女たちの内面の気持ちの動きが話の主体なので、そこにリアリティがあるのかないのかが、よく分からない。だから面白くないという訳ではない。ストーリーとしては充分に面白く読んだ。しかし、登場人物たちの気持ちの真ん中が充分には分からない隔靴掻痒感はあった。
7投稿日: 2020.11.26
powered by ブクログNHKの朝イチに桜木紫乃さんが出演されていた。『ホテルローヤル』の映画化で話題となっている著者である。今までこの著者のことを知らなかったのだが、ご実家がラブホテルを経営されており、子供のころ仕事を手伝うと親に喜んでもらえた話とか、著作はご自身が育たれた北海道を舞台にされているとか、そんなお話をされながら滲み出る柔らかくも凛とした、そして気さくなお人柄に惹かれてこの方の小説を読みたくなった。 今の私には新刊を買う余裕はないので、ブックオフで探したが、話題となっているせいか、在庫なしのものが多く、☆が多い中で入手出来る中で選んだのが、この『蛇行する月』。 「蛇行する月」ってなんと詩的なタイトルなんだろう。 読み始めて北海道の釧路が舞台になっていることが分かり(多分桜木さんが生まれて現在も居住されている土地)、「そういえば、釧路って北海道のどこらへんだっけ?」と調べてみれば、釧路は北海道の東側で「国立釧路湿原公園」となっている土地らしい。写真を見ると、なんと美しい土地!。湿原なんて、見たことない! こんな所で桜木さんは育たれたのか、羨ましい!そして、釧路川というのが流れていて、それが「蛇行」する川として有名らしい。この小説のタイトルは釧路川のイメージだったのだ。もちろん、釧路川と重ならなくても十分詩的だし、読者にとって釧路川のことはあってもなくても変わらないと思うのだが、生まれ育った背景から自然に詩的な言葉が使えるっていいな!と思った。 主人公の女達は皆、平凡な、しがない女達である。釧路湿原高校の図書部で同じだった、清美、桃子、美菜恵、直子のその後について年代を分けて書かれている。彼女たちはみんな、解説の言葉を借りれば、「蛇行する女達」であり、蛇行する川のように「田舎にいることの、金がないことの、職場の、家族間の、どんづまり感」をかかえている。 そんな同級生のうち、一人だけ異なるのが、順子。彼女は高校の時好きだった国語の先生の教員住宅まで押しかけて告白し、大問題になった子で、卒業後は、就職した和菓子屋の主人と駆け落ちし、東京の郊外で、夫婦でしがない中華料理屋を営む。それでも、「私、今すごく幸せ」と同級生たちに電話や手紙で、知らせてくるので、同級生が会いに行ってみると、決して流行っているとはいえない中華料理屋の二階の六畳二間で家族三人方を寄せ合って生活し、服にも構う余裕がないような経済状況で、籍も入れていない旦那さんは20歳以上年上。「これのどこが幸せなの?」とそれを見た同級生は思うのだが、順子は見栄ではなく、本当に自分は幸せだと心から思っている。順子は和菓子屋の女将さんから旦那さんを略奪するという、許されない罪を犯したのに、そんな真っ直ぐな彼女を見て、同級生たちも読者も(私は)、旦那さんを略奪された和菓子屋の女将さんまでもが順子を憎めない。 その和菓子屋の女将さん(弥生)のことを書いた章もある。旦那が店で雇った新人の女の子と駆け落ちしてしまった時、そのショックよりも、父親から受け継いだ暖簾を守ることに必死になり、それから約10年、一人で工夫しながら何とか商売を続けてきた。夫の居所が分かり、勇気を出して会いにゆき、ケリをつけて、一人の人生を心新たに歩み始める。 順子の母親(静江)のことを書いた章もある。彼女自身、親に捨てられたような人生で、一人娘も20歳以上年上の男と駆け落ちした後、会っていない。60歳になり、職場からの風当たりがキツくなり、同棲していた男にも去られてから、ふと娘の順子を訪ねてみようと思う。少し娘を頼りたい気持ちもあったのだが、自分と変わらない貧しさの中で自分とは違い、一人の男と二十年も寄り添って「幸せ」だと目をキラキラさせて語る娘を見て、静江も人にすがらず生きていく決心をする。 40代半ばで独身でいる看護師の直子。曲がったことが嫌いだが「曲がるならしっかり曲がれ」という信条を持っている。「曲がり角を曲がれば、目の前の景色も背後の景色も変わる」。 やっぱり、釧路川のような蛇行する川を見てきた桜木さんだから、こんな文章書けたのだろうな。この部分好きだ。 この小説の主人公の女達は順子という、ただ一人真っ直ぐに自分は幸せだと言っている女に再会して、ガクンと蛇行する。それが正しい方向なのか、幸せな方向なのかは分からないが、とにかく砂の溜まった曲がり角を何とか曲がり、新たな流れに進む。蛇行する川が出来るような厳しい自然の中で。 解説では、どの主人公も好きになれる人物ではないと書いてあったが、この小説の中では、私にはどの女性も愛おしく、背中を押して貰えた小説だった。
38投稿日: 2020.11.09
powered by ブクログ結婚や幸せが、目に見えて光輝く美しいものではない。そう思える現実味のある話だった。 6人の話はそれぞれなんとも言えない気持ちになったが、直子の話の最後の2行でなぜか涙が溢れた。
0投稿日: 2020.10.03
powered by ブクログ避妊具には男の一生懸命が詰まっている。 マジか(゚Д゚≡゚Д゚)゙? そんな表現しちゃうこの著者に少しだけ好感が持てた。。
0投稿日: 2020.10.03
powered by ブクログこちらも短編集なんだけど、みんな高校の同級生という1冊。友達なんだけど、私より幸せなことに苛立ちを感じる、、というちょっと女の嫌な一面がメインな感じ。もがいてやっと掴んだ、幸せだと思っていたものが崩されるような…やはり幸せって条件じゃないんだと思う。重い話ってわけではないけど、自分は将来この人たちの中の誰に当てはまるんだろうって、見えない不安を感じさせられた。
4投稿日: 2020.06.05
powered by ブクログしあわせとは人それぞれ。 定義も解釈も感じ方も十人十色。 巻末の解説も含めて、とても心に染みる一冊でした。
1投稿日: 2020.05.23
powered by ブクログ6編の連作短編。面白いのがその短編の表題が6人の女性で、数年の年代を経てそれぞれの女性の視点で描かれている。そして、それぞれが行き着くところはもう一人の女性順子。6人のうち4人は順子の高校の同級生、あと母親と和菓子店の女将。順子は高校卒業後、和菓子店に勤めるがそこの主人と駆け落ちし東京に逃げ、貧しいながらラーメン店を営む。同級生、母親はふっと順子を思い出し訪ねる。順子の姿を見て唖然とするが順子はしあわせだと。切なく蛇行する日々、しあわせの基準を問い掛け模索する作品のように思えた。
0投稿日: 2020.05.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作者定番の北海道の暗い話なんだけど、この話は幸せとは何か?を深く考えさせる良い物語になっているる。時間とお金に踊らされない自分の居場所がある事が大事だと気づかされる名書
0投稿日: 2020.05.04
powered by ブクログ北海道の田舎を舞台に書かれた小説って、閉鎖された空間における絶望が描かれていることが多いと思う(私の男・桜庭一樹先生著)けど、この蛇行する月では、その絶望を描きながらも、その環境でしか見つけられない境地のようなものに各登場人物が達しているような気がして、とても読後感が爽やかだった。 「私の男」も「蛇行する月」も、とても好きな作品です。
2投稿日: 2020.05.03
powered by ブクログ通勤電車内のモニターに流れていた広告で知った本でした。 読了後、いろいろ諦めて厭世的になっている自分を強く恥じました。 「しあわせ」を決めることがこんな私にもできるのでしょうか。 「子供が大人になるように、ずるさが包容力になり恋が勘違いに姿を変えても、マイナスやプラスを繰り返し最良の答えを探さねばならない。結婚は虫食い問題だ」がひときわ胸に刺さる言葉となりました。
1投稿日: 2020.04.05
powered by ブクログ順子のひたむきで、あまりにもまっすぐなところが、少し痛々しくもあり、うらやましくもある。 順子のようになりたくないような、なりたいような。 胸がズキズキする部分もあるが、明日を生きるためには前を見ないといけないと気づかされる一冊。
1投稿日: 2020.01.16
powered by ブクログ蛇行する川というタイトルについて、解説による解題がわかりやすかった。6人の女の名前が付いた各章。蛇行する女たち。三日月湖に溜まる。
0投稿日: 2020.01.15
powered by ブクログ順子を主人公にした章がないのがとてもいい。 幸せというのは本人が感じるもの。 他人が決めるものではない。
3投稿日: 2019.08.30
powered by ブクログ桜木紫乃さんの本。 まだまだ読んでいないものがあります! 「何が幸せ?」なんてわからない! いつもまっすぐな「順子」の生き方に影響される 6人の女性たち。 丹念に丹念に、微妙な女心を描いています。 あとがきにも書いてありますが、 この6人+1人の7名の女性たち、 どれも「好き」にはなれない。 でも「共感」はできる。 その一筋縄ではいかない感じが まさに「蛇行」なんです。 みんな違って、みんないい。 そして、みんな、海に向かって突き進む。 女性の生き方はそれでしかないのだ。
3投稿日: 2019.05.12
powered by ブクログなにかを手放して新しいものを手に入れる。新しい自分を見つける。 そんな短編集だった。 駆け落ちした順子は他人の目から見ると全然幸せそうに見えないのに、それでも幸せだという。最初は強がりで負けず嫌い女の話かなと思ったけど、そうではないんだな。そうやって見てしまう女の目線が描かれていて痛いところを突かれてる感じ。 順子を取り巻く女の中ではマリッジブルーな「美菜恵」の話が好きだな。
1投稿日: 2019.04.20
powered by ブクログ幸せって何だろう。 なんとも言えない気持ちになった。 本人が幸せならばそれは紛れも無い真実なのだ。 だけど、どうしようもなくやり切れない。
3投稿日: 2019.04.09
powered by ブクログH31(2019)3.24読了 6人の女性と時代を貫く順子の物語。桜木の「ラブレス」ほどヒリヒリした不幸感はないが、それぞれに息苦しさ(貧乏・職場・不倫・家族)を抱えており、駆け落ちした順子の「幸せ」を確認したいと思い、その実、会ってみたら「これが幸せなの?」という自分との価値観の違いに、今度は自分と対峙せざるを得なくなる。誰にも共感できないが、妙に心に残る登場人物たち。
2投稿日: 2019.03.24
powered by ブクログ「順子」に関わった6人の女性が、人生の分岐点や悩みを抱えたときに、「順子」を思い出す。 学生時代の話をするとき、誰かが話題に上がって、こんな感じに話すな〜と共感しました。 幸せの在り方は、本当に人それぞれだなと思いました。
2投稿日: 2019.02.10
powered by ブクログ同級生6人、それぞれ比較仕合いながら自分の求める幸せとは?自分の進むべき道は?と考えながら何かに気付く物語り。あぁ~若い時、そんな感じだったわ~て思った。短編なんだけど1人の同級生を中心に上手く繋がってる。誰とも比べず、背伸びせず、見栄もなく「自分」というものをシッカリ持ってる人は強いよね。流されず、自分だけの幸せの基準を持ってる人は例え他人から下に見られても強いよね。とても静かな物語りだったけど、良い本だなぁ。
3投稿日: 2019.01.20
powered by ブクログそれぞれの環境、立場、年齢の女の気持ちの機微や移り変わりが言語化されていて、共感するとともに、あ、こういう気持ち私も感じたことあるけどちゃんと気づいてなかったなと自分の気持ちも認識できてなんかとても勉強になる。ストーリーとしてもそれぞれがつながっていて面白い
2投稿日: 2018.12.09
powered by ブクログ著者の市井の人々の生活、生き方、内面の描写はいつもながら見事です。 人は生きるために生きてるんだと思わせてくれます。
3投稿日: 2018.10.25
powered by ブクログ妻のいる20も年上の男性と駆け落ちし、故郷に帰れなくとも子供を生み育て「幸せ」だと言う順子が物語の要。 順子の女友達、男性の元妻、順子の母親のオムニバス小説。 自分の人生とちゃんと向き合う女性の心を、いろんな角度から、いろんな個性で描けていると思う。 「人生~イロイロ~♪」である。 元妻「弥生」の章が特によかった。好き。 女性にお勧めの一冊。
2投稿日: 2018.10.14
powered by ブクログthe complication wemen. I don't know happy life for the other, but pretty good.
1投稿日: 2018.10.02
powered by ブクログ順子の高校時代の友達や、関係者を章の主人公としたショートストーリー。さらっと読める。幸せの形って人それぞれ違う、幸せかどうかは自分の心の持ち方1つなんだなと思わせてくれる本。自分の幸せを疑わない人は眩しい、浄化されるな。。
2投稿日: 2018.09.29
powered by ブクログ高校卒業後に年上の既婚者男性と駆け落ちした順子。転々と逃避行をしながらも、自分は幸せだとなんのてらいもなく無邪気にまわりに伝えてくる彼女に、不審なり疑問なり優越感なり友情なり、何らかの気持ちを抱いて関わってくる同級生や回りの女性たち。 順子のかざらなさ、幸せと言い切れる真っ直ぐさに、それぞれが惹かれ、悩み、自分の幸せを探し始める。 はたから見たら、決して幸せそうには見えない貧しい生活のなかで、強がりではなく幸せと言い切れる順子の純粋な強さ、愚かさ、魅力。 幸せとは人と比べることではなく、自分が幸せと思えればよいのだろうけれど、つい比べてしまうんだろうな。比べない順子は、今なかなかいないタイプ。自分の生き方や幸せ感についても考えさせられる小説だった。
4投稿日: 2018.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桜木紫乃の作品は、どれも読後やるせない気分になる。なのにやめられない。最近全然読んでないけど津村節子みたい。 蛇行する月ってなんだ。川ならわかるけど。そんな気持ちで手に取った。 表紙の絵は南伸坊。意外。親子三人が川べりを歩いている。読み終えて改めて見ると、ぐっとくる。 弥生。 和菓子屋の跡取り娘。夫が20歳も年下の店員と子どもを作り、逃げてしまう。失踪宣告が受理されそうになった矢先、夫の居所がわかり、東京に会いに行く。 「家を継ぐ」という大義名分ゆえに、夫に対する思いを伝えられなかった後悔のようなものがある。 ・心に残った部分 思いは伝えねばならぬということに、気づけなかった。
2投稿日: 2018.07.17
powered by ブクログ桜木紫乃さん、時々無性に読みたくなるこのローテンションな感じの世界観。憂鬱で圧迫感があってもやもやして、それでもそれが日常で、ドラマチックなことを期待するわけでもなく淡々と過ぎて行く日々の中で物語が少しずつ変化して進んでいくところが、妙にリアルでけっこう好き。静かに色々考えを馳せたくなる一冊。
3投稿日: 2018.04.25
powered by ブクログ桜木紫乃さん特有の終始陰鬱な雰囲気が流れ、内面に様々なものを抱えながら生きる6名の女性の関係性を時系列で描く。中でも高校時代の図書部員であった個性的な4人を中心に、所々出てくる駄目な男たちがさらにストーリーに陰鬱さに際立たせている。 途中から順子を中心に物語が展開。他者から見ると終始何かしらの問題を抱えながら生きている登場人物達から感じ取り方は人それぞれ違うのだろう。
6投稿日: 2017.12.02
powered by ブクログ高校の部活の仲間。というだけのつながりで、つながれるのは女の特権なのかもしれない。それぞれにそれぞれの人生を歩んでいるが「順子」という彼女を軸に物語は進む。和菓子職人と駆け落ちをした順子。見るからに貧しい暮らしぶりだが、真っ直ぐに「しあわせ」と口にする順子と直にあった彼女も、順子の様子を聞く彼女も何を思うのか。交差する人生も平行する人生も悲喜交々。
2投稿日: 2017.10.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1984 清美 高校卒業後、ホテルに就職。須賀順子とは同級生で同じ図書部。 札幌の和菓子屋に就職後、20以上年上の旦那と駆け落ちすると知らされる。 1990 桃子 フェリー乗務員、同じ乗務員と船上のみの不倫関係。順子は東京でラーメン屋「宝食堂」を旦那と営む。自分の関係より大変なのに幸せだった。 1993 弥生 福吉弥生は札幌で「幸福堂」営む。職人だった婿の恭一郎は順子と駆け落ちした。失踪届を出した旦那に東京まで会いに行く。 2000 美菜恵 順子が高校時に教職員住宅まで押しかけて告白した谷川先生。その彼を密かに思い同じ教職の道へ、職場で再開した美菜恵は谷川と結婚することに。 2005 静江 順子の母。若い時は娘よりも男を追いかけた母だが、年老いて一人になった時、娘を思う。 2009 直子 地元で看護師として働く直子も両親を失い一人に。ふっ、と順子の手紙が気になり会いに。あった瞬間に順子の重い病気を知る。こんな大変な順子なのに、そこに幸せを見出す彼女を見て、自分の姿のあり方を思う。 順子は自分の人生を一生懸命に生きている。小さくても一番の幸せを感じている順子を周りの女たちは、彼女の周りを自分勝手に取り巻いている。 何だかなぁ〜。
2投稿日: 2017.08.04
powered by ブクログ目次を見た時、あらすじの女性がタイトルのお話がなくて、ちょっとびっくり。けれど読んでみてなるほど。そういうことなのかと。順子を巡る数々の女性たち。それぞれが思う「幸せ」。そして順子の幸せ。誰もが、それでいいの?と疑問を持つ、順子の幸せ。でも当人がとっても幸せで、生き生きと暮らしているのがとても良かった。お金じゃないんだよね、ということがよく分かる。一番好感が持てた女性は、順子が奪った男性の妻。かっこいいです。順子の母、酷い生活だけれどこれは自業自得。しかし最終話でちょっといい方向へ。少し安心した。
2投稿日: 2017.06.25
powered by ブクログ道内出身の作者 直木賞受賞のホテルローヤルを図書館で 借りつつも読めずに返却を繰り返し(笑) こちらを先に読み終えてしまった・・・ 初めての桜木作品 かなり読みやすい(*´˘`*)私でも2日で読破 内容も高校時代の仲良し女子のなかの順子を 中心に物語が進む 直子の好きだった相手が誰だったのか・・・ 友達と結婚した男。 が気になる(笑) 順子のような女に憧れる、が私は 誰に近いかな(笑)?
2投稿日: 2017.05.15
powered by ブクログほとばしる生。 順子の生き方は眩しい。 自ら気づいて自ら一歩をふみださなければならない。なにものでもない自分への戒めを込めて。
2投稿日: 2017.04.28
powered by ブクログまっすぐ生きることって、難しい。 蛇行して、色々巻き込んで、最終的にどこに辿りつけば、しあわせと言えるのかな。
4投稿日: 2017.04.21
powered by ブクログ釧路の高校を卒業してまもなく、二十以上も年上の和菓子職人の男と駆け落ちした順子。親子三人の貧しい暮らしなのに「私は幸せだ」と伝える彼女に、高校時代の仲間と母親、そして捨て置かれた女性の心情を描く連作小説。 「しあわせ」という価値観を改めて考えさせられる。人生に行き詰まった時に見えてくる客観的な自分という存在が、誰かに必要とされているのかどうか。他人との比較では、決して幸福とは思えない順子が、なぜ素直に幸せと口に出せれるのか。とても深い人生論を教えてもらった。
5投稿日: 2017.03.16ラストに向けて
悲しくなってくる物語でした 理解出来ない部分もありましたが 自分の子どもに対する女性の生きざまが 伝わってきました
1投稿日: 2017.03.01
powered by ブクログ2017/1/10 自分が生きてる意味とか人生ってなにとか、考える余裕もなく、愛する人たちを守るために必死で生きてる順子が、幸せだって言い切る姿はとても美しいと思いました。 誰にも決められない。自分が幸せって思えるのが幸せ。
2投稿日: 2017.01.11
powered by ブクログ釧路の高校を卒業してまもなく、20歳以上も歳上の菓子職人と駆け落ちした順子。親子3人の貧しい生活を「しあわせ」と伝えてくる彼女に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた高校時代の仲間たちは引き寄せられる。 自分にとっての本当のしあわせを問い続ける彼女たちが綴る、順子という女性を軸にした短編集。 前に読んだ同じ桜木紫乃さんの「星々たち」と似た匂いがする作品。 軸になる人物が1人居て、その人物と関わりのある(あった)人たちがその人物について語る。だけど最後までその人物が語り部になることはなく、本心を掴むことは出来ないまま物語は終焉する。 その「分かったような、分からないような感じ」がまさしく、この世界に生きていて日々感じることなのだと思う。 誰かのことを見てその心情を想像することは出来ても、その人にならない限り本当のことは分からない。 順子という女性は、他人から見ると恐らく幸福には見えない暮らしをしている。駆け落ちして、その後の生活はずっと安定せず貧しいままだ。 彼女は高校時代の友人たちにしばしば手紙や葉書を送る。そこには「私は今とてもしあわせだ」と綴られている。 それは強がりや見栄なんかではなくて、きっと彼女の本心だ。 彼女は幸福の基準をあくまで自分の中だけで測れる強い人で、他人と比較することにはそもそも興味がないのだ。 だけど順子を取り巻く女たちは、他人と比較することで自分の幸福を測る。 だから順子が「しあわせだ」と言い切ることに疑問を覚えるが、同時に強く嫉妬しているのだとも思う。 6つの章に分かれている短編集で、4つは同級生、1つは順子の母親、そして残る1つは順子の人生を語る上では外せないとある人物が語り部を務める。 全員女性。だからこその少しずつの醜さや嫉妬、打算が見え隠れする。 ただそこにあるのは日々を必死に生きようとする女たちの姿なのだけど、誰かと較べずして自分のことを「しあわせ」と言い切るのはとても難しいのだということを感じる。 女が、ものすごく冷めた感情で男のことを観察するように見る描写も所々に。 それはもはや、彼女は彼に盲目状態ではない、ということ。 自分のことを「しあわせだ」と言い切れる人が言葉通り一番幸福なのかも。周りの人間が、どう思おうとも。
4投稿日: 2016.12.26
powered by ブクログ人それぞれ幸せが違うのに、歳月によって、その形も変化するのだから、何が幸せなのか当人すら分からなくなる。本書は色んなことを考えさせてくれる素晴らしい一冊でした。 あらすじ(背表紙より) 「東京に逃げることにしたの」釧路の高校を卒業してまもなく、二十以上も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子。親子三人の貧しい生活を「しあわせ」と伝えてくる彼女に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた高校時代の仲間は引き寄せられる。―わたしにとって、本当のしあわせとは何か?ままならぬ人生を辿る女たちが見いだした、ひとすじの希望。生きることへの温かなエールが胸に響く物語。
2投稿日: 2016.11.01
powered by ブクログ「東京に逃げることにしたの」釧路の高校を卒業してまもなく、二十以上も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子。親子三人の貧しい生活を「しあわせ」と伝えてくる彼女に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた高校時代の仲間は引き寄せられる。わたしにとって、本当のしあわせとは何か?ままならぬ人生を辿る女たちが見いだした、ひとすじの希望。生きることへの温かなエールが胸に響く物語。(背表紙より) しあわせの基準って、ないですね。ほんとうにない。コレを読んでそう思いました。だからなにをしあわせに感じてもいいし、人に言われることでもない。みんな順子をかわいそうだと思っているのに本人は一番しあわせで。みんな順子をかわいそうであってほしいと秘かに思っているのに自分のほうがよほどかわいそう。どこかで会ったことのあるような人が出てくるこの現実的な物語。面白かったです。
1投稿日: 2016.10.28
powered by ブクログ幸せの形は人それぞれ、なんて当たり前のことだけど社会生活に揉まれているとついつい世間の流れに身を任せてしまう自分がいる。 でもやっぱり、感覚を研ぎ澄まして心の声に耳を傾け、自分にとって大事なことってなんだろうって考えたい。そう思った。
3投稿日: 2016.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
6人の人達の感じること、考える事、それぞれの関係性、順子の生き方から伝わってくること、全てに共感しすぎて、胸が苦しいみたいだ。女性という業を思う。 そして、解説がとても良かった。 「そう!そうなんだよ!」と膝を手で叩いて合意する感じ。 順子は現在の自分とは完全に対極にある生き方、考え方なのだけれど、その強さに圧倒され続けて終わった。 自分を「しあわせだ」と言い切ることができる、笑顔を浮かべられる強さ。 でも、笑顔を浮かべて幸せだっていっても、痩せ細って皺だらけになっていくからには、毎日を生き延びていくための心労ってやつが容赦なく苛んでることだろうし、それを思うと、むしろもう、恐ろしい。 私は年齢もキャリアも直子に一番近いのだろうけれど、一番共感したのは、清美のラスト、心が「ひろびろと」するところだった。 でも、そんな清美も、数年後には、ひろびろとした心を別のものへと差し向けることができていて、そんな消息を物語の後の方で読んで、「どうやってそこにいくことができたの?」という、いつも通りの寂しさのようなものが湧き上がってきた。 リアルの友人たちのような立体的な存在感をヒシヒシと感じる物語だった。 何年後かに、また読んでみたいものだ。
0投稿日: 2016.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
リアリティある女性たちの想い。 その時々、その年代で、感じることってあるよね。 幸せそうな友を羨む気持ちとか、自分の想い、行動に後悔したり、くよくよしたり。 そうそうと共感する部分は多々あれど、なんだかそれが心に痛い。
1投稿日: 2016.09.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校の同級生たちと、関わる女性6人の それぞれが葛藤し、苦しみ、前に進もうとする時期の話 桜木紫乃さんらしい、暗いけど希望が持てる話で 薄い本なので、あっという間に読み終えてしまった
1投稿日: 2016.07.18
powered by ブクログ私は幸せ、という順子は本当に幸せなのか? 順子の状況は客観的には幸せではない。それでも、幸せを感じている彼女のありように、周囲の人間はいろいろ感じている。 何よりも、自分では絶対希望しない生き様に幸福を見つけた順子に、皆は慰められているのかも。今追い求めている幸せは、なくてもいいものだと順子に教えられる思いがする。
1投稿日: 2016.07.17
powered by ブクログ冒頭から容赦なく襲う圧倒的な閉塞感。北海道釧路の湿原に建つ高校を巣立った清美ら4人と、その周辺の女たちをそれぞれ主人公にした連作短編集である。 誰も彼もが背中を丸めるようにして生きている。そんな中で唯一、しあわせ、と言い切る順子の生き方が彼女たちに大きな影響を与える。 その生き方を目の当たりにしたときの苛立ちと戸惑いと、やがてやってくる力強い希望が、胸に沁みた。
0投稿日: 2016.07.15
powered by ブクログ釧路の高校を卒業してまもなく、二十以上も年上の和菓子職人と駆け落ちをした順子。籍も入れられない、貧しい親子三人の逃亡生活を、それでも彼女は幸せだと言う。 誰も順子のようには生きられない、という台詞。 そうなのだ。誰も、誰にもなれない。 私には私の、それぞれの幸せの形がある。
1投稿日: 2016.07.02
powered by ブクログ22日が30回目の結婚記念日だった。真珠婚式とか言うらしいけど、ケーキを買って帰るくらいはしてもそれ以上に特段のことはなく、いつも通りの1日で過ぎた。 さて、本書。高校卒業後、勤め始めた和菓子屋の職人と駆け落ちした順子を巡り、その時々に順子に関わった周りの女性の生き様を描く。 第3話、順子に夫を奪われた後、和菓子屋を切り盛りした妻が、10年近くも経って知り得た居場所に元夫を訪ねた話に、胸を打たれた。 離婚届と失踪届の選択を委ねられ、自分がこの世に存在しない方を選ぶ元夫。 別れたとしても終わることのない夫の罪悪感を同じだけ背負わなければならない元妻。 切り詰めた生活と報われない詫びと子供の病気を背負ってそれでも添い続ける今の妻。 どの話にも色々な男女の愛の形や生き方が描かれているけれど、一度契りを結んだからには出会っても別れても同じ量の喜怒哀楽を分け合わねばならない男女の責任、契りの重さにしみじみする。 うちには語るほどの波乱もなくて有難く。まあ、私には過ぎた嫁さんで30年間続いたことに改めて感謝。これからもよろしくね。
1投稿日: 2016.06.25
powered by ブクログ「わたし、今しあわせ」。 高校卒業して1年も経たないうちに、勤め先の和菓子屋の主人の子を妊娠し、20も年上のその相手の男性と駆け落ちした順子。そんな順子にかかわりのある6人の女性が、月日の経過とともに順子と再度かかわりを持ちながら、自分の幸せを考えていく物語。 6人の状況様々ではあるが・・・やはり私も7人目の登場人物として、順子の暮らしを見ながら幸せって何だろう…と思わずにはいられない。愛する人と愛する家族には恵まれたけれど、まさに幸せはその一点だけしかない。暮らしがギリギリ過ぎて、まさに赤貧。娯楽やおしゃれにも全く縁がなく、平成の世の中で、一人だけ戦後まもなくのレベルの生活をしているようだ。そして、愛する息子の将来を見届けることは…できないんだろう。 それでも幸せなんだ、順子は。
1投稿日: 2016.06.25
powered by ブクログ北海道と東京を舞台にして、六人の女性が互いに傷付け合いながら、自分なりの『しあわせ』の形を探していくといった物語。 『しあわせ』とは一体何なのか、著者が読者に優しく問いかけているような小説だった。著者の作品の中でも三本の指に入るような素晴らしい作品だと思う。 清美、桃子、弥生、美菜恵、静江、直子の六人の女性の名前をタイトルにした6章から構成され、六人の視点で1984年から2009年までの物語が綴られる。しかし、物語の中心人物は、あくまでも六人に何らかの関わりがある順子であり、順子の『しあわせ』と六人が置かれた今の境遇と彼女たちの思う『しあわせ』の形が対比されるかのように描かれていくのだ。 どの章も読み応えがあり、考えさせられるのだが、中でも第2章の『1990 桃子』が良かった。
3投稿日: 2016.06.21
powered by ブクログしあわせは当人の心のあり方なのだとつくづく思い染みる。行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。留まれず流れるものである当然さを受け容れているかが、それなのだろうなあ。苦悩や屈託、見栄や外連、それら生の蛇行を含めて見事とする、逞しい眼差しの作品。
0投稿日: 2016.06.20
