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自負と偏見(新潮文庫)
自負と偏見(新潮文庫)
ジェイン・オースティン、小山太一/新潮社
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総合評価

59件)
4.4
29
15
7
0
0
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    モームの世界十大小説のひとつ。(読むのは、カラマーゾフの兄弟、戦争と平和、ゴリオ爺さん、赤と黒、に続いて5作目) 日本で言うと寛政の改革の頃の作品というから驚きだ。(シェークスピアの200年後の作品と思えば十分現代に近いが。) 200年以上前に、宗教も文化もまったく異なる異国で描かれた作品がスラスラ読めてしまうということは、それだけ、人類普遍の真理を扱った作品ということだろう。 テーマは結婚。登場人物は、ほぼ全員上流階級の人たちだが、下はジェントリー(ベネット家)、上は伯爵家(ド・バーグ家)で、身分差は厳選としてある。 ベネット家の5人姉妹、ジェイン、エリザベス(リジー、イライザ)、メアリー、キャサリン(キティ)、リディア、のうち、3人が、物語の終盤バタバタとほぼ同じタイミングで結婚する。 夫の社会的身分・人格が、夫人の気高さにほぼ比例していて、面白い。五女リディアとジゴロ士官ウィッカムのダメ夫婦振りは読んでいて清々しい程だ。ダーシーも助けたりせずに放って置いて破滅させれば良いのに、と思うけれど、「家の恥」の制約は今よりうんと強いのだろう。 最後の方での、エリザベスと、ダーシーの伯母レディ・キャサリン・ド・バーグの間の、未来の嫁姑戦争にも似た舌戦は非常に現代的でおもしろい。レディ・キャサリンの奮闘が裏目に出て、ダーシーがプロポーズの気持ちを固める、という流れはメロドラマのお手本のような筋書きで、後世に大きな影響を与えているのではないだろうか。 エリザベスにとって、ダーシーの第一印象は最低だったのに、いつのまにやら、好意に変わっていく様の自然さは読んでいても不思議なほどだ。 ダーシーの妹ジョージアナが兄夫婦を見て、妻が夫をからかって良い、ということに気付いて驚く、というシーンにドキッとする。この辺りはやはり200年前なんだな。また、作者ジェイン・オースティンの名が作品に付されるようになったのは死後漸く、という点も。 女性の男性を見る目のシビアは、有性生殖がこの世に誕生して以来の普遍の真理だろう。

    35
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ずっと読んでみたいと思いつつ200年以上前の作品を果たして自分が楽しめるか躊躇してた。 購入後、冒頭を少しだけ読んでみようと思ったらあっという間に引き込まれ600ページ超えにも関わらず夢中で読み終えてしまった。 ダーシーの愛があまりに素敵…。 外見・内情ともにあまり語られないので脳内で私だけのダーシーがものすごい勢いで形作られていく。 女性の向上心、男性との対等な恋愛関係、なにより自分自身と相手を認め受け入れ愛することを教えてくれる不朽の名作。読んで本当に良かった。

    1
    投稿日: 2025.09.29
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    キャラクターの性格の個性が際立っていてすご過ぎる!こういう人物たち、今でも全然います。200年前に書かれた話とは思えなかったです。 エリザベスは鋭い人間観察力と同時にお茶目なところも持っているので、人ををからかってみたり、理論立てて言い返したりもできる。意地悪おばさんやめんどくさいおじさんにも、感情的にならずにガツンと言ってやるので、読者的にはスカっ!とします。この子の頭の良さによって、運がひらけていきます。 エリザベスはp277で 「怯えさせようとする人に出会うと勇気が湧いてくる」と言っています。 自負と偏見という題名について。自負はミスター ダーシーの生まれ持っての身分の高さと人を見下す考え方、偏見はエリザベスからみたダーシーの高慢な姿を表しているのかな。 とにかくとてもすきな物語でした。読み終わるのが惜しいくらいワクワクしながら読みました。

    0
    投稿日: 2025.08.15
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    英文学史上の名作。めっちゃ面白かった。高慢なダーシーと偏見にまみれたエリザベスの話だが、ミーハーな妹たちや空気の読めないコリンズや癇癪持ちの母も面白おかしく描かれてて、200年前から人って変わらないなという気持ちに。

    0
    投稿日: 2025.07.15
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    今から200年以上も前の西暦1813年にイギリスで刊行された恋愛小説で、題名は『高慢と偏見』と訳されることの方が多いのじゃないかな。映画やドラマは『高慢と偏見』というタイトルで販売されている。 ドタバタというほどではないにせよ、ほぼコメディ小説。「いるよなあ、こういうタイプの人って」と笑ってしまう登場人物だらけで、会話文も現代訳のため、非常に読みやすい。 ただ、例えば主人公のエリザベス・ベネットが状況によって「エリザベス」「リジー」「イライザ」「ミス・ベネット」と様々な呼ばれ方をしていて混乱しやすい。当たり前だがエリザベスの姉のジェイン・ベネットも「ミス・ベネット」だし。 どこかから登場人物一覧や相関図を引っ張ってきて、それを手元に置いて参照しながら読むと良いかも。

    0
    投稿日: 2025.05.14
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    イギリス文学を代表する恋愛小説であり、オースティンを代表する作品。『傲慢と偏見』という邦題でも知られており、自分はこの邦題で本作を知っていたため、『自負と偏見』という邦題は新潮文庫版を手に取って初めて知った。オースティンの作品を読むのは『説きふせられて』(岩波文庫)に続いて2作品目。オースティンは人間観察の能力が非常に長けている印象を受けた。プライドが高く自分自身の意見を率直に言えない気難しいダーシーの姿の描写は、オースティンのこの能力の高さを表していると感じた。実際にいそうな人物であり、こんな人身近にいるよねと思わされるダーシーの作中での振る舞い方を描く部分こそ、本作の大きな魅力の一つだと感じた。

    19
    投稿日: 2025.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルの「高慢と偏見」は、ダーシーの高慢さとエリザベスの偏見を表しており、人の本質を見極めることの厳しさが感じとれた。 物語の結末はハッピーエンドで、後味の良い作品であった。特に印象的であったのは細かい人物描写で、現代にも通じる普遍的な感情や価値観などが描かれており、名作とされているのに納得がいった。

    0
    投稿日: 2025.02.05
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    読むのに3週間かかった。 解説にもあったけれど、登場人物の誰もが欠点を持っており、その欠点を欠点のまま描いている。いうなればその欠点こそが物語を先にすすめる推進力になっていた。だからこれだけドタバタとする。もどかしいくらいに。 コリンズが出てきたら話が長くなるから読んでいてコリンズかよとうんざりする。リディアやミセス・ベネットは終始何もわかっていない。確かに筋は一組の男女の結婚までの経緯を描いたごくありきたりのものなのだけれど、各人間のキャラクター性がいきいきと躍動していた。その結果、読む側は頁をめくるのがのんびりとしたり、すいすい読めたりする。そしてこの結末に大満足である。

    0
    投稿日: 2024.10.21
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    イギリスの田舎町にある貸屋敷に越してきた資産家である独身男性をめぐる、ベネット家の恋と結婚の物語。 とにかく読みやすい。今読んでも何の違和感もないラブコメ。面白すぎる。→ 主人公であるベネット家次女エリザベスはしっかり者で我が強く自分を曲げない。 お相手のダーシーは気難しくて口下手。 この二人を中心に、優しく肯定的な長女ジェイン、おおらかで話しやすいビングリー、姉妹の母でやたらと動きが派手なミセス・ベネットに、ベネット家の屋敷を継ぐミスター・コリンズ 他にもしっかり者で年上のエリザベスの友人シャーロットや、絶大な権力をもつレディ・キャサリンなどなど。 とにかくキャラクターが濃くて、バランスが最高で、お話の作り方もうまくて、もう……めちゃくちゃ面白いんだよー!! 古典だからって敬遠しているラブコメ好きはぜひ読んでほしい。翻訳も良き

    4
    投稿日: 2024.07.08
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    めちゃくちゃ良い やな奴!から始まる恋愛ってなんでこんな素敵なんだ。ダーシーに対する偏見が解かれていく描写が見事。堅物だった男が素直に愛を伝える仕草にどきどきした。エリザベスは知的でチャーミングで可愛い 当時のイギリスの背景も知れて面白い。いつになっても結婚って大変そうだ

    1
    投稿日: 2024.02.13
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    新訳のおかげかとても読みやすい。古典にありがちな難解さやひとりよがりな文学趣味に走ったところがなく、ていねいな感情描写とエリザベスの賢い語りで、物語に引き込まれる。

    3
    投稿日: 2023.08.06
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    はじめは、舞踏会したり出会ったりお姉さんが風邪引いたりなんやかんや普通の日常で、ミスとかミスターとか名前がややこしいしダルいなーと思っていた。けれど、中盤から引き込まれ、怒涛の勢いで読み終えることができた。 ミスターダーシー、かっこよかった。知人に似ている、と思った。こんな普遍性ある物語が200年前に書かれていた事にも感激。

    1
    投稿日: 2023.04.22
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    それぞれのキャラクターがいきいきとしている。愛のために自分を変えていく登場人物に感動を覚えた。ぜひ読んでほしい作品。

    2
    投稿日: 2023.03.16
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    映画「プライドと偏見」がとても良かったので、原作を読んでみたくて これが200年前の作品とは! とにかく、人物描写がすばらしい 魅力的な人、残念な人、鋭い観察眼と絶妙な表現で 今の感覚で読んでみてもまったく古さを感じない 時代背景はまったく違うのに、登場人物の言動に共感したり、とても身近に感じたり 訳者があとで書いているように、200年くらいでは変わらないのだろうか だからこそ読み継がれているのだろうな 昔夢中で読んだ外国が舞台の少女漫画のような作品 何といってもエリザベスがカッコいい! オースティンの他の作品も読んでみたくなった

    1
    投稿日: 2023.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    イギリス中産階級の制度や暮らしぶりが興味深い。他人を食事に招待しすぎで、やたら、よその家に長期滞在するし、みんな言いたい放題のやりたい放題。 階級や財力が結婚の条件に必要な為、お相手選びが露骨過ぎて、引いた。ハッピーエンドではあるが、義理の家族が強烈なのでこの先、上手くいくのだろうか。エリザベスには、傲慢さを控えてもう少し謙虚になって欲しいと思ってしまった。

    0
    投稿日: 2023.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この時代の人々の結婚に対する価値観に慣れるのが最初は大変でした。 人付き合いのネタも、褒め合い、噂、たてまえ、自慢話ばかりなので、上流の付き合いは楽しさより気疲れの方が印象に残りました。 現代に通ずるところがないわけではないですが、なかなかヘビーです。 こういうところに慣れると、キャラクターの個性や心理描写の細かさにどんどん引き込まれました。 主人公エリザベスの観察眼はなかなかのものですが、それでも噂に振り回されるところは結局現代人も同じだなと思いましたし、どこかしらに属して生きている以上先入観ゼロというのも難しいことなのかなと考えたりしました。 長女ジェインの方にはあまり共感できず、ここまでお人好しだと今の時代でも浮いてしまいそうだと思いました。 大筋は恋愛小説ですが、とても考えさせられる作品でした。

    2
    投稿日: 2022.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    19世紀初頭の貴族の恋愛小説。これは古典たけれど、内容はライト・ノベルではないかと思った。 田舎の貧乏貴族で容姿は普通、鋭い観察眼を持つエリザベスが、都会のツンデレ貴族・実はいい奴のダーシーと結婚するまでのストーリーだが、登場人物が軒並み個性的で面白い。 面倒くさがりの父、娘の結婚が全ての俗物の母、お人好しで美人の姉ジェーン。オタクの三女メアリ。ギャルの末妹リディア。生活のために結婚する友人シャーロット。容姿性格は良いが世間知らずのボンボンのMr.ビングリー。弁舌さわやかな色男のウィカム氏。人見知りでブラコンのダーシーの妹ジョージアナ。などなど。 スピード感がゆったりしているのが時々気になるけれど、江戸時代に作られた小説と思えば大した作品です。誰かコミカライズすればよいのに! 一般的には「高慢と偏見」と呼ばれている小説だけれど、PRIDEをどう訳すかが難しいところ。エリザベスのダーシーへの第一印象というところからすると高慢というのは適当だが、分かりにくい気がする。

    1
    投稿日: 2022.10.02
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    なろう小説の悪役よりも香ばしい悪役がより人間味を持って出ているので、作者は素晴らしい人間観察の眼とそれを書き起こす技術を持っていたのだろう。おおよそ百年前なのに。 現代社会の世相を反映してか、最近見る悪役はいわゆる悪役ではなく、こちらの常識に当てはまらないキャラが多いと感じる。思わず「は?」と言ってしまうようなキャラだ。 本作もその手のキャラクターを大盤振る舞いしているが、全員筋が通っている(人間性の筋ではなく、実存性の筋というか)。リアリティがすごい。実際にいたんでしょうか。 悪役を書くことは鮮明に作者の力量を表現することだとこの小説を読んでいて強く思う。 主人公に感情移入できるところ、恋愛事情のもつれ方とその顛末といった場面は当然に面白い。 しかしこの小説が今まで残っている理由は、「人間を克明に表現できている」からだと思う。 何が言いたいかというと、全てのなろう小説家がこの小説を読んだら、なろう小説はもっと面白くなるんじゃないかということである。

    1
    投稿日: 2022.05.24
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    ストーリーはよくあるパターンだけど、人間模様の描写がうまくて世界に引き込まれた。 家の名前とか人の名前の呼び方が複数あるのがこんがらがってくるから、登場人物をまとめたサイトを参考にしながら読むと楽しめた。 このサイトがわかりやすかったのでおすすめ。 https://janeausten-love.com/pride-and-prejudice-characters/

    1
    投稿日: 2022.01.31
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    書店で「傲慢と偏見」で探してて見つからないというのを二回くらいやって購入、滑稽な人が次々と出てくるため「吾輩は猫である」を読んでる時の様な感覚に…下手な展開ですが、二人の感情が爆発してからは楽しめました。 名前を追うのに少し苦労した。 この人痛い目に合わないかな〜って人が結構いて、現実にもいるので笑えない感じでした。前半がなかなかつらかったけど、そういう人間観察、描写がこの作者の持ち味なのかな

    33
    投稿日: 2021.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『自負と偏見』ジェーン・オースティン著 [本について] ラブストーリーの原点とも言うべきジェーン・オースティンの代表作。幸福な結婚に必要なのは恋心か打算かという普遍の真理を軽妙な物語に織り交ぜた永遠の名作。 [あらすじ] 5人姉妹の次女エリザベスを主人公に、性格も考え方も異なる登場人物らの恋愛、結婚に対する思いが交差する。 イギリスの静かな田舎町の貸屋敷に資産家ビングリーが引っ越してきた。長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、エリザベスはビングリーの友人ダーシーの高慢さに反感を抱く。しかし気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれていくのだが…。 恋の邪魔者である“プライド”と“偏見”。素直になれない男女のロマンスの行方は…? [感想] 世界的名作という括りから今まで食指が動かなかったのだが国際の授業をきっかけに読むことに。ど真ん中を行くラブストーリーでありながら、登場人物の言動からその性格を感じさせるオースティンの自然な文体に惹き付けられる。一見なんでもない言動が後の伏線になっている事が多々あり読者を飽きさせない。文章の性質上、実学主義な人には向かないかもしれないが、人間観察が好きな人には是非とも読んでいただきたい作品。 逸る気持ちに任せて勢いで読むのもいいが、言葉にされない感情や小さな言動の変化に気づいてニヤニヤしてしまう私のような人には精読もオススメ。 ちなみに『プライドと偏見』という邦題で映画化もされておりこちらはアカデミー賞4部門ノミネート。美しい映像から当時の階級差を想像しやすいのに加え、なにより超絶美人なキーラ・ナイトレイ主演(2005年版)なのでこちらもぜひ!

    0
    投稿日: 2021.12.06
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    切ない気持ちにさせられたり、すれ違いに目が離せなくなり一気に読みました。ハッピーエンドで良かったです。

    0
    投稿日: 2021.07.15
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    堅苦しいタイトルとは裏腹に、たくさんの人の思いが交錯する恋愛小説でした。愛情や友情などのきれいな感情が感動的に書かれているだけではなくて、嫉妬や堕落といった黒いものもコミカルに盛り込まれていて、恋愛小説と一言で片付けるにはとてももったいないような、そんな感じでした。

    1
    投稿日: 2021.06.11
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    多くある翻訳版の中から一番読みやすいとのことで選んだこちら。 セリフが非常に多く台本を読んでいるような気分になり、最初の数10ページでやめようと思ったが、それ以降はみるみるとハマり一気に読み終えた。 典型的な少女マンガ的な展開で、きゅんきゅんしながら読めました。

    0
    投稿日: 2021.05.03
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    二百年前!?の作品!?と思えるくらいすごい。 しかし、二百年経っても人間の強欲って変わってないねんなぁ。。 お金目当てで結婚したい人ってずっとおんねんなぁ。 そんな中、心から尊敬できる人じゃないと結婚出来ひんって芯がある人がやっぱりかっこいい。 私も、そうでありたい。 そして、ダーシーのような人に出会いたい。

    2
    投稿日: 2021.03.16
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    古典はすごい、に尽きる。わたしは人間の愚かさや複雑さがこれでもかと鋭く、でも優しい視点で描かれている小説が好きなのだけれど、まさにそれだった。人間は自負心を持つ。が、同時に、自分を盲信するあまり偏見を持ち、大切なことを見誤る。それを少しずつ正していくのもまた人生。盛り上がり、深く沈み、また浮上する、女性の人生の豊かな波に満ち引きに大変励まされる。 ところで、ふとしたときに「あの小説のあの人物ならば、今どう行動するのだろうか」と人生の指針になるキャラクターを持つのが重要なのではないかと最近思う。スカーレット一択だったのだけれど、そこにエリザベスも加わった。彼女の機智や真っ直ぐさ、言葉の強さ、そして併せ持つ頑固さや女としての弱さ、そういうものが染み渡った。 訳者あとがきが大変素晴らしいのでメモ。オースティンの小説に描かれる家族が常に機能不全であるという指摘がよかった。 「コミックな描写の裏にあるこうした寄る辺なさの感覚は『自負と偏見』にーーそしてオースティンの全作品にーー深い陰影を与えている。もっとも、陰影を帯びた世界を「面白うて、やがて悲しき」としみじみ受け入れてしまうのではなく、ユーモアと皮肉を武器にあくまでしぶとく抵抗を続けてゆくところにこそオースティンの小説の面目は存在すると訳者は考えているのだが、読者はいかがお思いになるだろうか。」

    0
    投稿日: 2020.09.29
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     終始、面白可笑しい皮肉調で描かれているから、クスクス笑いながら読んでしまう。何か衝撃的な出来事があるわけではないけど、全場面が楽しくて、非常に好きな作品になった。つまらない場面が全くなかった。  登場人物の生き方はみんな違っていて、それぞれの生き方は悲しかったり、惨めだったり、皮肉に思えたりする。人間の性質や流涎している思想の具現化にも思えた。  どの登場人物についても、客観的な納得のいく描写によって、その人間性が鮮やかに描きだされている。仔細な人間描写により、読者は登場人物を身近に感じることができる。物語の世界に引き込まれる。エリザベスがダーシーの人間性を誤認し、嫌悪してしまういきさつ、手紙でのダーシーの弁明、エリザベスの誤解解消への心の動きが、十分すぎる程の説得力を持っていて、読者に自然に感じられるのは、オースティンの描写能力があってこそだなと感じた。  自分も、エリザベスのように人間を批判的に見てしまうところがあるから、非常に共感する点が多かった。共感するからこそ、身につまされる点も多かった。高慢な態度で偏見を抱き、それが正しいと思い込まないように…。  エリザベスは、洞察力が高くて、深く物事を考えるタイプで、社交的で、柔軟性があって、機知に富んでいて、芯があって…何もががカッコいい。地位や階級を重んじる社会を理解して納得してはいるけれど、それよりも人間の尊厳や慈愛を大切にしていて、その信念を貫いているところがすごく好き。こういう人間でありたいなぁと思った。

    3
    投稿日: 2020.08.31
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    地主階級としてはそれほど裕福ではないベネット家における五姉妹の次女であり聡明で気取りのない性格のリジーと、大富豪であり賢明かつ実直ながらも世間からは気難しいと目されているダーシーの二人の関係性が変化していく様子を主軸としつつ、複数の恋愛模様と人間関係を織り交ぜて描いた古典恋愛小説作品です。 その魅力は、予測可能な大団円までを淀みなく飽きさせないように綴るストーリー展開の妙、主要となるベネット家・ダーシー家をはじめ後援者・恋路を阻む敵対者・トラブルメーカー・道化役までを含めて見事にキャラが立った数々の登場人物たち、そして過不足なく巧妙に設計された作品の全体像と、読み手を惹きつける娯楽作品として必要な要素を余すところなく備えています。 いまある恋愛小説や漫画作品などの祖型として認められる偉大さが偲ばれるだけではなく、200年を超えてなお娯楽小説として読者を魅了する瑞々しさは失われておらず、その高い完成度に驚かされます。なお、本作に言及した夏目漱石については、『虞美人草』のような初期長編にある程度同質の魅力も感じます。著者の作品はその小説的な技巧を中心に、わが国においても早い段階から影響を及ぼしていたのかもしれません。 以下は蛇足ですが参考までに、数多い登場人物たちのなかから本作の中心となるベネット家の人々についてだけでも軽く触れておきます。姉妹の年齢は正確ではないかもしれませんが、目安程度で。 ---------- 【長女:ジェイン(22)】…美人であり、どこまでも優しい性格をもつ。ややもすればお人好しに過ぎる面をリジーをはじめ周囲から心配されることもしばしば。物語のなかで彼女の恋愛の経緯は、妹リジーのそれに次いで重要な位置を占めている。 【次女:エリザベス(20)】…本作の主人公。愛称はリジー。聡明かつ気取りのない性格。姉妹のなかで最も独立心が強く、ときには相いれない他者との衝突も辞さない。優しさと卑怯を嫌う公正さを併せ持ち、父のお気に入りでもある。 【三女:メアリー(18)】…読書家で不美人。堅苦しい性格と、時折見せる自己顕示欲から家族からも疎まれがち。姉妹のなかで最も活躍が少ない不遇な人物。 【四女:キャサリン(17)】…意志が弱く自分を持たないが、駄々っ子な一面もある。常に自身との比較対象ともしている、妹のリディアに追従して行動することが多い。 【五女:リディア(15)】…美人で高身長と見栄えが良く、明るい性格で母のお気に入り。ただし行動は軽率で我が強く自堕落なところがある。トリックスター的な存在でもあり、重要な事件も引き起こす。 【母:ミセス・ベネット】…直情的で単純な性格。無教養だがそのことを一切気にも留めず、本人よりは家族が恥をかく場面も多々ある。資産が少なく男児がない家庭にあって、娘たちの有利な嫁ぎ先の確保が最大の関心事だが、その行動が裏目に出るケースも多い。かつては美人だった。 【父:ミスター・ベネット】…読書と田園を好みどこか達観したところのある人物。周囲には変わり者とも思わている部分もある。家族に対しても放任主義で、妻の無知と愚行も楽しんでいる。好意的に描かれており、本作において作者の推しキャラの一人だと思える。

    1
    投稿日: 2020.08.14
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    250年前でも恋の始まりは同じ「フッ面白い女」 エリザベスもミスター・ダーシーも己の「高慢と偏見」をお互いによって乗り越えて愛を結んだのが美しくて誠実で素晴らしい。どなたかの言葉でオースティンの小説は絵のない漫画のよう、というものがあったけどまさにその通りで、言葉によって作られる世界の鮮やかさと変わらぬ人間の愚かさと温かさを教えてくれる素晴らしい作品だった。当たり前だけれど映画で見るよりもそれぞれのキャラクター性が色濃く、しかしさらに愛らしく描かれていて、映画やドラマを見返したくなった。 好きだな、と思ったフレーズをチェックしたので後でここに書き連ねたいと思う。 私は素晴らしい夫を持つことは無理かもしれないけれど、人生の伴侶として尊敬できる親友を持てていることに幸福を覚えた。どんな現実も夢物語には勝てないと思っているが、この物語の登場人物たちは実に現実味があって、まるで私がエリザベス友達かのように思えてしまう素晴らしさがある。 再読したい。

    1
    投稿日: 2020.07.03
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    200年前の作品とは思えないほど、作中人物が躍動している。思わず身近な人物を投影してしまうというのは、まさにこの小説がいまだに命を失っていないという何よりの証拠だろう。古典的ということは普遍的ということだ。 なまじ安易なヒューマニズムを振りかざす”社会派”なものを読むよりもこちらの方が、世の中のティーンズたちにとっても得るものが多いのではないかと思う。 全青少年必読の書である。

    0
    投稿日: 2020.06.21
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    タイトルから古典的名作であるということだけは知っていたが、ここまで正統派な恋愛小説であるとは思いもしなかった。 エリザベスがダーシーに対する気持ちを変化させていく描写や、リディアの駆け落ちをきっかけに彼への愛を自覚する場面では不覚にもときめいてしまった。最終的に二人はどうなるのかが知りたくてたまらなくなり、作者の掌でいいように転がされるというこれ以上ない読書体験ができた。 また何度も言われているとは思うが、作中にたくさん登場する変わった人たちの描写が巧みだと思った。個人的にはコリンズがエリザベスに求婚し、断られたのに「若いお嬢さんは心の中では受け入れるつもりでも最初は断るもので、実は私の求婚を後押ししているのかもしれませんね」と自分に都合よく解釈するシーンの「この人会話が通じないな」感に爆笑した。 本筋のエリザベスとダーシーの恋愛模様だけでなく、経済的な理由から打算的な結婚をしたシャーロットの行動の是非や、自分では中立な判断をしているつもりだったのに、ダーシーについて偏見を持っていたことをエリザベスが自覚して後悔する場面などに時代が変わっても通用する普遍性を感じた。翻訳の違いで受ける印象も変わると思うので、読み比べてみたくなった。

    15
    投稿日: 2020.06.07
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    おもしろかった!! 昔に書かれた本なのに、友達の話を聞いているみたいだった。(いい意味です)この世界の片隅に の すずさんを、友達と感じるようになるのと同じで。 久しぶりに夢中になって読みました。

    3
    投稿日: 2020.02.16
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    キーラ・ナイトレイ主演のこの映画を見なきゃと随分前に録画していて、その前に原作を読もうと購入。そうだ、恋愛ってこういう事だよなぁ。階級がはっきりしていた時代の話だけれど、普遍性を感じた。ダーシーのはじめの告白、断られたあとエリザベスに書き渡した手紙、そこからのエリザベスの思いの変化...何度も読み返してます。他の翻訳も読もうかしら。随分前に読んだ「ブリジットジョーンズの日記」も思い出した。

    3
    投稿日: 2019.12.04
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    イギリス文学が好きだった若い頃を、先日訪れたイギリスで思い出し、エマ、自負と偏見を立て続けに読み返しました。 200年前に書かれたとは思えない普遍の人間模様。 次女のエリザベスの自由奔放でありながら、美しく聡明な姿とイギリスの田園風景。 脇を固める少し(どころではなく)イラッとくるような登場人物たち。 ミスターダーシーとの結末をハラハラしながら一気に読めます。

    3
    投稿日: 2019.10.22
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    お恥ずかしい限りなのだが、自分はこの「高慢と偏見」(当本では「自負と偏見」)という題名のせいで、過去30年の間とんでもなく間違った認識を持ち続けていた! 実は旧訳でも、英文でも最初の1ページだけ読んでいたのだが、どれだけ多くの難解な哲学的抽象論を越えて行かなければならないのか?と思わせる書き出しであり、それより先に読み進める事が出来なかった。 今回は新潮社からの新訳が出たとの事で、思い切っての再々々々度のチャレンジなのだが、当訳の何と素晴らしい事! 英語訳とは思えない程、日本語に流れがあり、これ程スラスラと読みこなせる訳本は過去にも無いと思う。エリザベスやダーシーの気性や、コリンズの狡猾さなど、それぞれの登場人物の特徴が文章からはっきりと伝わってくる。 この歳になって読むジャンルの本ではないのだろうが、これをきっかけにジェーン・オースティンの本を読んでゆきたいと思っているし、来月のロンドン出張時には、古本屋で(オースティンの本は結構沢山並んでた)革装丁本を買って来てコレクションとしてゆきたいと思う。

    3
    投稿日: 2019.10.19
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    「高慢と偏見」 気になっていて、ずっと気になっていた作品であったが、他出版社から出ている訳版に挫折。 あるサイトで、初心者向けの訳を探してこちらを購入。 とても読みやすく、ダーシーとエリザベスを始めとする各登場人物の感情、変わっていく様がとてもよかった。 もちろん主人公のダーシーが高慢だと気づく1件、エリザベスが偏見で物が見えていなかったて気づく1件はなおよし。 その後いい感じになるのかと思いきや、家族に振り回されてエリザベスが絶望を感じたりする姿等もももどかしく、読み始めると途中で止めるのが難しい程。 とても清々しく、美しい物語で大好きになりました。 他訳版を含め、何度も読み返したい1冊。

    0
    投稿日: 2019.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人は、自分が生まれ育った共同体の中で自身の役割を知り、そうした役割を全うするような選択をする。それこそ善い生である。従って、自らの属性を離れて(そしてあらゆる価値判断の上位に、)一般的・抽象的な正義を想定することなどできないだろう。 というのがコミュニタリアニズムの主張(正確には、リベラリズムに対する批判)。 ジェーン・オースティンの作品は、これらコミュニタリアニズムの主張を体現するものであるというので、最も有名(そうな)『自負と偏見』に行き着いた。 作中の人々は、見事なほど、それぞれの”物語”を(つまりコミュニティの中で与えられた役割を)生きている。 妙齢の男女は軒並み『世界一幸せ』になるための結婚に夢中だ。世界一幸せというのは、立派な屋敷に住んで、素敵な庭に囲まれ、優秀な召使いを抱え、綺麗な馬車に乗り、社交界で名声をほしいままにするということらしい。そのためには、少しでも良家との縁談に恵まれなければならない。方法は2つ。器量がいいか、財産があるか。情熱的で愛情があるかなどというのは、その後工程に過ぎない。 彼らにとっての正義とは、こうした恋愛ごっこを通じて家の名声を維持することであり、家の名声を維持するための選択こそが善であり、こうした善を担保する制度(限嗣相続)こそが正義である。超過累進課税で所得再分配など以ての外だ。 自らの役割に自覚的に生きる、という彼ら・彼女らの心情を察するのが、コミュニタリアン的読み方だろうか(?)。

    0
    投稿日: 2019.06.30
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    面白かった。タイトルが取っ付きにくいせいで昔のお堅い小説に見えるが、中身は現代の恋愛にも通じる恋愛小説。コバルト文庫のような少女小説が好きだった人にもオススメ。お互いに探り探りの距離感からの後半~ラストは、エリザベス父の「恋に燃える連中は…埒もあかないことを言うだろう」も含めて凄くいい。ときめくし、ダーシーがそこまで惚れたのかと思うとちょっと笑える。

    0
    投稿日: 2019.06.15
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    数多く推薦図書にあげられていたが、ようやく読了した。220年前に20歳代の若い人が書いたとは思えない緻密な愛憎物語。ドタバタ劇といってもいいくらいコミカルな面は、登場人物の個性的かつ俗物的な振る舞いから溢れるのだが、当代ではさらに受けたのだろう。題名は「自負と偏見」より、他書に見られる「高慢と偏見」の方が合うように思える。2019.5.17

    1
    投稿日: 2019.05.17
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    前に読んだ岩波文庫版はうろ覚えなのだけれど、こっちの方が読みやすいかな。 ダーシーとエリザベスのすれ違いぶりは映画でもドラマ版でも原作でもどんな媒体でもときめく!ダーシーほんとツンデレよね。そして一途だ。 それにしても周囲の人間が強烈だ…。わたしはミスターコリンズがほんとつまらなくてムリ……この人が喋るだけで眠気がくるわ……。でもシャーロットの選択はそんなに責められたものではなくない?そりゃ大好きな親友が嫌な男とくっつくってなったらそうなるのかもしれないけれどさ〜〜〜!

    4
    投稿日: 2019.03.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    200年も前の本にこんなに楽しませてもらえるのかと驚き。吹き出してしまうところもあったし。序盤,正直だるいなぁと思ったけど我慢して読んで正解だった。 オースティンは何を書きたかったのかなと思う。ミセス・ベネットやレイディ・キャサリンやミスター・コリンズのような人ばかりだけど強く賢明に生きよということかな。そんな単純じゃない気もする。でも限嗣相続なんてものがある中だったら,ミセス・コリンズみたいな選択をしてしまうのも仕方ないように思う。今みたいに生きられるようになっていることをオースティンに教えてあげたい。 しかし登場人物の名前が頭に入ってこなくて困った。原作にはなくても人物紹介をつけてほしい,外国の馴染みがない名前(しかも今回はあだ名までついてる)を頭に入れるのは大変なんだから,といつもながら思う。 あとがきと解説2本ともおもしろくて読後感が深まった。 キーラ・ナイトレイはナイスキャストだなと思う。先に原作を読んでいたらそう思わなかったかもしれないけど。

    0
    投稿日: 2019.02.06
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    もう、先が気になって気になって、一気に読んでしまいました。 人物の感情の動きやそれぞれの個性や、どれもおもしろくて愛おしい。 たまたま選んだ一冊でしたが、同じ作者の他の作品も読みたいと思います。

    0
    投稿日: 2018.12.29
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    外国文学は苦手意識があったけれどこれはとても読みやすかったです。 登場人物の個性がしっかり書き表されていて楽しいし、ストーリーも後半になるにつれぐいぐい惹きこまれ先が気になって仕方がなかったです。 だから長いけど途中でだれることなく読めたし読み切って良かったと思いました。 本って、人によって好きになるジャンルはさまざまだし、評価のポイントもバラバラだけど、この物語はぜひどんな人にも読んでほしいなと思えるものでした。 そして私にとって、どういう本を読むべきかということについての新たな判断基準を与えてくれました。

    0
    投稿日: 2018.04.27
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     本当に面白い小説でした。今から二百年以上前の一八一三年に英国で出版された作品ですが、「文学」だとか「古典」だとか堅苦しいことを抜きにして、純粋に娯楽小説(ラブコメ)として楽しむことができました。  この小説はいまだにとても新鮮です。小説が書かれた頃と今とで文化や習慣は全く変わっているけれど人間の根本的な部分は変わっていない、その変わらない部分を上手く描き出しているからこそこの小説は古くならないのだと思います。  人物の描き方が秀逸です。知恵者でありながら面倒くさがり屋で皮肉屋のミスター・ベネット、了見が狭く単純で愚かなミセス・ベネット、うぬぼれ屋で間抜けで打算的なミスター・コリンズ、性悪のウィッカム、尊大で気難しく見えながら実は誠実なミスター・ダーシー、いかにも育ちのいいミスター・ビングリー、思いやりがあって人を疑うことを知らず天使のようなジェイン、そして常に物事を深く考え正しい道を進もうとするエリザベス ── 彼らが繰り広げる人間模様は本当に面白く、自分の周りにも似た人がいるなあと苦笑いをさせられます。  小山太一氏の翻訳は素晴らしいです。ジェイン・オースティンの文章って、実はかなり難しいのです。それをこんなにも親切な日本語にして頂いたことに感謝します。作者の意を酌んだ自然な日本語によって物語がすいすいと頭の中に入ってきました。小山氏は物語の社会的な背景を知り尽くしておられ、しかも要所ごとに注釈をつけることでその背景が自然と読者に伝わるよう工夫されていました。

    10
    投稿日: 2017.08.12
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    小山氏の新訳のおかげで、すらりすらりと読めた。が、ほとんどは女性たちの井戸端会議の会話で構成されていて退屈。延々と続く噂話の繰り返し。 当時のイギリスでの結婚は壮大な「ファミリービジネス」、女性はその駒にすぎない。 結婚=お金と思えない、未来を描かなかった自分を浅はかと思いつつも、なんと自由に生きたのかとため息が出た。

    0
    投稿日: 2016.10.16
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    2016/10/09。 高慢と偏見とゾンビが観たいが為に読み始めたけど、思っていたよりもすごく面白かった。 月並みだけど、200年前に書かれたなんて思えない。 テンポが良くてするすると話に引き込まれて、後半は一気読みでした。 この勢いで、ゾンビの方も購入。 amazonさんで中古しか見つからないので、Kindleで。 本屋に探しに行くより早い。おまけに中古の本より安かったし。 でもって、絶対、原作読んでて良かった!!! 今わたしが読みたかったのは、ゾンビものでも文学作品でもなくて、こういうパロディだったのかもしれない。 優れた原作あってのパロディだなと、ほんと思います。 映画も楽しみ(行けないかもしれないけど(ーー;))

    0
    投稿日: 2016.10.09
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    イギリスの静かな田舎町ロングボーンの貸屋敷に、資産家ビングリーが引っ越してきた。ベネット家の長女ジェインとビングリーが惹かれ合う一方、次女エリザベスはビングリーの友人ダーシーの気位の高さに反感を抱く。気難しいダーシーは我知らず、エリザベスに惹かれつつあったのだが……。幸福な結婚に必要なのは、恋心か打算か。軽妙な物語に普遍の真理を織り交ぜた、永遠の名作。 以前岩波文庫版を読みましたが、こんなにすらすら読めるとは予想以上で新訳の素晴らしさを実感しました。古典が苦手で堅苦しいとすぐ飽きてしまうんですが、小山訳のおかげで最後まで一気に読み切りました。こんな面白い作品だったとは!ダーシーとエリザベスの感情の移り変わり、ユーモアに富んだ会話、ジェインたち姉妹を取り巻く周りの人々、コリンズやリディアのお馬鹿さ加減など、今も昔も人間って大差ないのねと思ってしまう。結婚の前に打算が働く人がほとんどでしょうけど、それすら超えた絆がある結婚は素敵ですね。そういう相手に巡り合いたいものです。タイトルだけは自分の中で「高慢と偏見」が定着しているのでしっくりこなかった。

    1
    投稿日: 2016.09.23
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    新訳ということもあり、古典なのにとても読みやすい。 話の展開も早く人物描写も多くて、話に入り込んでしまい一気に読んでしまいたくなる面白さ。いろいろ名作と言われるものはあるけれど自分史の中では上位にランキングされます。エリザベスとジェインの人柄に惹き付けられました。

    1
    投稿日: 2016.09.01
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    誤解して反発、すれ違いからの恋愛成就という展開は洋の東西を問わず、昔も今も王道なんだなと感じる。財産を持たない女性の生き方の選択肢が現代に比べると少ないので、ミセス・ベネットの俗物っぷりも、シャーロットの打算も判るなあ。結婚の決め手は恋愛感情なのか、打算なのかというテーマも今の時代にも通じるものがあった。

    0
    投稿日: 2016.05.22
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    3訳目だが、一番わかりやすく、スラスラ読むことができた。上品なところ、下品なところが、上手に訳されていると思った。過去訳は、日本語の美しさに囚われていて、まどろっこしい訳だったり、下品な状況が伝わりにくかったので。

    0
    投稿日: 2016.02.20
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    家にあった古い河出の世界文学全集で挫折したこの作品。ビブリオバトルでフレッシュな大学生が推薦していたので手に取る。新訳なだけに読みやすい。一気読みでした。新潮文庫の紙、薄くなった?ロマンスでコメディ。滑稽な人物と決めたらとことんこきおろすのだなあ…と脇役が少々かわいそうにもなるけれど、桐野さんの解説はそこを掬い上げていますね。すれ違いからの両想いっていうのは洋の東西を問わず王道だね。

    1
    投稿日: 2015.12.04
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    どの訳で読むか散々迷った挙句、新訳で読んでみた。 非常に読みやすかったと思う。 そして何故この本が名作だと言われているのかがよくわかった。説明不要に面白いのだ。 恋愛小説としてもドキドキするし、家族小説としても感情移入でき、当時のイギリスの中の上くらいの階級の生活に飛び込んだ気分になれる。それくらい鮮やかに作品世界が描かれていて、また人間の描写も素晴らしい。何百年たってもリアリティをもって共感できる巧みな人物描写。 ネットを見ていたらダーシーが元祖ツンデレと書かれていて笑った。うん、まあ確かに言われてみれば、彼はツンデレとしての魅力が詰まったキャラであるかもしれない(笑) 映画の「プライドと偏見」も観た。こちらもまあおすすめ。 ところでタイトルの訳、原書は"pride and prejudice" だが、日本語に訳されるときは 「高慢と偏見」 「自負と偏見」 「プライドと偏見」 の三つのパターンがあるようで、タイトルの訳にこうまでばらつきがあるのも珍しいのではないか。prideをどう訳すかで割れているのだが、確かに「高慢」でも「自負」でもカタカナの「プライド」でも、どれも内容から言っても外れていないと思う。でもイマイチしっくりこない、物足りないというか…。ニュアンスの問題で。イメージ的にはこの三つともを混ぜ合わせた感じなんだよなあ。

    2
    投稿日: 2015.10.08
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    200年前の小説でも古さを感じさせないのがジェインの作品。ただの恋愛小説でなく、自分の意見を持った女性が好感をよぶ。

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    投稿日: 2015.05.29
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    モームの世界十大小説の1つに挙げられている位なので難解なのかと思ったけど、とっても読みやすかった。これは恋愛と結婚という普遍的なテーマを描いたラブコメ。ナポレオンが猛威を奮っていた時代に書かれたというから驚きだ。 良家の女性に職業なんてない時代で階級もあるものの恋愛の価値観は今も昔も変わらないなと思わされる。

    1
    投稿日: 2015.05.28
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    頭がよくハキハキして茶目っ気もあり美人なエリザベス。家柄がそんなに高くないとはいっても、かなりスペック高い主人公だなぁと思う。主人公以上に美人でしとやかな長女の名前が著者と同じなのが気になる。(笑) 妥協するシャーロット、理想的な相手を掴むエリザベス、似た者同士夫婦のジェイン。誰か素晴らしい異性がいたとして、みんなが同じような人と結婚すれば幸せかって言ったらそうでもないんですよね。 やっぱり尊敬できる相手と一緒になりたいですよね。 当時の英国の慣習も知れて面白いです。

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    投稿日: 2015.04.07
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    何度読んでも面白い。 取り巻く環境や考え方は変わっても、 登場人物のしていることはいまとあまり変わらない事に驚く。 でも、ウィカム、リディア、ミセスベネットの出てくる所はうんざりしすぎて毎回、目が滑る… 表紙がキーラナイトレイverの高慢と偏見の映画ぽくて良い。

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    投稿日: 2015.03.28
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    文句のつけようのない世界的名作。とにかく面白いので読んでみてください。 軽妙なストーリーの中に散りばめられた、恋愛と結婚における本音と建前、見栄や妥協や打算。もちろん200年前のイギリスと現代の日本を単純に比較することはできませんが、人の考えることは本質的にはさほど変わらないのではないでしょうか。 文庫本の表紙イラストは物語の雰囲気ぴったりです。こういうところもいいですね。

    1
    投稿日: 2014.12.28
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    2014年11月読了。 新訳です。すごく読みやすい。 この小説は、今まで他の翻訳で何度も読んでますが、やたら新鮮でした。 やっぱり現代の言葉になってると読みやすい。 やや直線的すぎる訳もありましたが、わかりやすいので登場人物の心の動きがより親密に感じました。 ダーシーってこんなに最初からエリザベスへの好意が見えてたっけ???って新たな発見も。 良かったです。

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    投稿日: 2014.11.30
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    ヴァージニア・ウルフの講演原稿でオースティンへの言及があったことから手にとった。 新興の中・上流階級と今やその地位を脅かされる立場にある貴族階級の成員の男女、それぞれがもつ「可能態の世界」。自分の地位・性別により許された振舞い(しかしまた自分の地位・性別からして求められる振舞い)。可能なことの視野(したがって不可能なこと死角)。 何と言っても読んでいてたのしいのは、精神的な面ではいくら「自由」であっても、出自や財産の面ではどうしようもなく「不自由」な主人公、分裂した自我に悩まされる「教養はあっても財産・権限は持ち合わせない」人びとの表象を一身に担うエリザベスの葛藤。 実際には収入の差はあれいずれにせよ地主階級を形成していたベネット、ビングリー、ダーシーのような家族の生活空間は、労働者や下級の官吏や法曹や軍人たちの生活空間とはより厳しく隔絶されていたわけだけど。女性でありしかも限嗣相続の制約のもとに生まれた主人公の立ち位置が、階層内・外での上昇移動をさまたげて「教養」や「意欲」を阻害しているという認識をいや増す。 そういう背景のもとに、ベネット家の面々にはそれぞれの「性格」が割り振られている。ジェイン−エリザベス−メアリーは「教養」や「良識」や「社交性」のグラデーションを形作り、リディアは「結婚」という達成の機会に対する優先順序の点でも、母親からの「甘やかし」の点でも極端を示す。エリザベスとミスター・ベネットがともに多くの点でジェントリの「理性」を示しながらも、次女がその父親に対して一度ならず失望を味わうシーンは、性別・ジェンダーの境界線を明に暗に表現している。 そうした諸相を、ときに嫌悪し、ときに恥じ入り、しかして同情や共感をもって眺める主人公はオースティンの代理人であり、ときたま作者の代弁者となる。それをウルフはあまり感心しないことと指摘しているけれど、わたしにはそれも含めて──オースティンがここぞという場面で自分の意見を熱弁せずにおけなかったという事実も含めて、楽しむことができた。

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    投稿日: 2014.08.10