
総合評価
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powered by ブクログ動物に関する8編 ビーバーの話が好きだった。 小川洋子さんの物語はいい意味で少し世間ズレしているというか、浮世離れしている感じがする。 サスペンスものやリアリティとかの実際的な出来事に対して深掘りしていくというよりは、小川さんの世界に引き込まれていって、現実的ではなくてもこういう世界、見方もあるんだよと感じる。 いろんな物語の中で、世間一般の言い方をすると落ちこぼれ、低所得者、フリーター、ホームレス、と一括りにされる人たちに目を向けてひそやかで穏やかな世界を見せてくれることもある。 この人独自の書き方を無視できない。
1投稿日: 2025.07.04
powered by ブクログ動物、生き物がテーマになっている短編集。奇妙なストーリーが真摯でユーモアがあって面白くて、本という音のない世界が静かだなーと思えて、読んでいる間とても心地良い。彼女たちのように生きてみたいとさえ思う。
0投稿日: 2025.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
8編すべてに動物が登場する。 読み終わって、人も動物もみんな孤独だという思いを抱いた。それは決して悪いことではなくて、孤独な存在がそれぞれ感じられることが小さな光のようだった。 特に好みだったのは「愛犬ベネディクト」だった。祖父と孫ふたりの生活にはベネディクトという存在が必要なのは分かったけれど、ブロンズ製の犬を中心とした生活に、この家庭の喪失が浮き彫りになっている気がして胸が締め付けられた。手作りドッグフードを食べて病気にまでなっているのだ。この生活はいつまで続けられるだろう、と悲しくなった。 ラストの「竜の子幼稚園」も悲しかったけれど、空っぽの心にじんわりと温かい余韻をくれるような物語だった。
0投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログ小川さんの小説を読むと、わけもなく悲しくて、塵ホコリいっぱいの古い部屋の整理をしているような気持ちになるのなんでだろう。 この本は動物がテーマになった短編集だけど、動物がはたしてほんとに生きてるか、実在するのかすらもわからなくなるのなんでだろう。
1投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログ気に入った2編 - ビーバーの小枝 緩やかに繋がり関係し合ういのち。 一生懸命に手元の小枝を食んで、残るのはその痕跡だけ - チーター準備中 特別なコトはなくて、誰もがかけがえのない特別
1投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小川洋子さんによる動物がテーマの短編集。2013年発行ですからちょい前のものです。 ・・・ 作りとしては短編集となっています。相変わらず不思議な物語を綴ります。 タイトルに動物が絡みますが、物語は時として重層的に進みます。 あらすじを書こうと思ったのですが、上記の重層性の関係で説明しきれんと思い、このようにバッサリやりました。 帯同馬・・・タイトルは『フランスの凱旋門賞で優勝が期待されるディープ・インパクト。慣れない土地への移動のストレスを緩和するためにピカレスクコートが帯同場として出国した。』という点より。主人公は(おそらく)大阪モノレール間のみ移動できる電車恐怖症の女性(職業;実演販売)。 ビーバーの小枝・・・主人公はとある作家。タイトルは、彼の翻訳を担当した外国人が翻訳の際にさすったという、ビーバーが表皮をキレイに食った小枝より。 ハモニカ兎・・・主人公は、とある村の朝食屋の主人の話。タイトルは、この男の村で開催されるオリンピック競技の開催までの日めくりのボードより。ここにかつてハモニカ兎という特産兎がいたという話から、この動物が日めくりボードになっている。 目隠しされた小鷺・・・主人公はとある私立美術館の受付係。タイトルは、ここに訪れるうらびれた修理屋で何をやってもダメそうな「アルルの女」が機敏に助けた動物から。 愛犬ベネディクト・・・主人公は若い男の子(大学生くらい?)。タイトルは彼の妹が可愛がる陶製の犬の名前より。 チーター準備中・・・主人公は動物園の受付で働く女。タイトルは、彼女の失ったhがチーターcheetahに含まれていており、また彼女が好きなのは展示の主人のいなくなった「展示中」の檻とその看板だったことから。共有されない「喪失」の悲しみが痛い作品。 断食蝸牛・・・主人公はとある断食施設に身を寄せている女性。タイトルは、彼女が足しげく訪れた近くの水車小屋、そこで買われている蝸牛と、彼女が入っていた施設の目的から。 竜の子幼稚園・・・主人公は身代わり旅行人のおんな。タイトルは、若くしてなくなった弟が通っていた幼稚園から。 ・・・ 今回も、美しくも静謐に満ちた表現の花園にうっとりしたのですが、読中ひらめきました。小川氏の表現は、ナチュラル・メイク的表現だな、と。 通常描写というのは隠喩であれ直喩であれ、手を変え品を変え、時に複数の角度から物事を表すと思います(違うって!?)。 でも小川さんの表現はこんな厚化粧ではないのです。もっとシンプルで美しい。あ、でも薄化粧というわけではないのです。 そこにはきっと計算と試行があり、一番質の良い表現が意図をもって配置されているのだろう。そして表現は適切に間引かれ、ミステリアスな雰囲気をまとうのだろう。 ああ、これって、(薄化粧でなくて)ナチュラル・メイクじゃないのか、と。という一人合点でした笑 ・・・ 表現が適度に間引かれているせいか、最初の「帯同馬」以外、舞台がどこであるか分かりません。 特に幻想度が強いのが、最後の「竜の子幼稚園」でしょうか。身代わり旅行人なんて聞いたことが有りません笑 でもあったら素敵だなあとも思いました。最後に死んだ弟と再会するかのような出会いも幻想度を高めていたと思います。 また、学校に通わなくなった妹がドールハウス世界に没入する「愛犬ベネディクト」もちょっとした狂気を感じます。妹の没入に祖父も陰に陽にサポートし始める点です。 ・・・ ということで二週間ぶりの小川氏の作品でした。 今回も美しい静謐感に満ちた表現を頂きました。決して起伏が激しい展開ではありませんが、このワードチョイスあってのこの展開だと思っています。 ことばを楽しみたい方にはお勧めできる作品です。
1投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログ「彼ら」とは動物。 8篇とも人の傍に寄り添い重要な役割をする。 静かで温かい。 中年女性が主人公の「帯同馬」と「竜の子幼稚園」が特に良い。 自然と小川洋子本人が主人公のように想像してしまい不思議な感覚になる。
1投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログ短編集。人間らしいというか、人間も一つのただの生き物として生々しく描かれるお話と、 一つの生き物としてとにかく美しくこの世のものでは無いくらい神秘的に描かれるお話もあり、 それらが小さな箱にぎゅっと詰まっている、感覚。 この感覚何かに似てると思いながら、なかなか思い出せなかった。とにかく繊細に微細に作り込まれたすぐに壊れてしまうような美しい芸術品のような、 それぞれの個性が際立つ小さなチョコレートとか、クッキーと、そんなお菓子たちが詰まってる箱をゆっくり味わっているような感覚かも、と、一つ一つをいただきながらたどり着いた。 この手の短編は一つ一つがとにかく心に残りながら読み進めるのに、あまりに素晴らしい表現力で、脳に描きすぎて、じんわり自分のものになり どんな話だったっけ?と具体的なところは忘れてしまうから、一つ一つに感想を残しておいた方がいいのだろうか。 江國香織さんの解説。 これも一つの魅力でこの本を手に取ったのだけど、 小川さんの短編集は 一つ一つが全く違う世界観であるが、 一つ一つが磨きあげられている、 確かな質量がある、という一文を見て、 これが答えだと思ってしまった。 余韻が、とかそういうことではなく、 それもそうなんだけど、それ以上のもの。 たしかにそこにある。という感覚になる小川さんの小説は本当に素晴らしいです。
2投稿日: 2024.02.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小川洋子の小説は、喪失感からくる寂しさと、薄っすらとした気味悪さやグロテスクさの塩梅がきれいで好きだなあと、この作品を読んで、また実感しました。 実在はしない、もしくは私自身は見たことがないものや景色なのに、ハモニカ兎が広場に佇んでいる様子や、ミニチュアハウスと愛犬ベネディクト、蝸牛であふれる風車小屋が目に浮かび、チーター準備中は物語に漂う寂しさからか冬の空気感を感じるような気がして、ゆっくり1編ずつ読みたくなる1冊でした。 個人的には最後の「竜の子幼稚園」が好きでした。 いつかふとした瞬間に、脳裏にひっそりと蘇りそうなシーンがたくさんある1冊でした。
1投稿日: 2024.01.22
powered by ブクログどこかの国でひっそりと静かに暮らす誰かの側にはいつも彼ら(何か)が寄り添っている。それは生きた動物だったり、物であったり…。 大きな出来事はおこらない、物語の結末もよくわからない。けれどその世界観にじわっ〜と浸れるような短編集。 特別なことがなくても平凡に暮らす私たちでも小川洋子さんの手にかかれば素敵な物語になるのかもしれない。自分の心にそっと寄り添ってくれているものって何だろう…
5投稿日: 2024.01.15
powered by ブクログお気に入りは静かなぬくもりを感じた「ビーバーの小枝」 なんだかぞわっとしたのが「断食蝸牛」 いつもの小川作品のように、見つめるのはにぎやかな大通りではなく、どこかの片隅。気づかずにいるかもしれない世界をすくい上げてくれる。 タイトル通り、どこかにいる彼らを感じた短編集。
1投稿日: 2022.12.13
powered by ブクログ動物に纏わる短編集 動物といってもビーバーの頭蓋骨やブロンズ製の犬など生きてないものに対しても想いを寄せる。 「ビーバーの小枝」亡翻訳家を偲ぶ。印象的。 「愛犬ベネディクト」ブロンズ製の犬を愛する妹が入院。彼女が作るドールハウスに圧倒される。 「チーター準備中」冒頭から切ない
18投稿日: 2022.08.13
powered by ブクログ博士の愛した数式を書いた作者の短編集 どこか欠落しつつ、どこかにひっそりと他人の人生の通行人程度にしかならないような人たちの愛らしいこだわりや考え方を、何か別の事象や出てくる生き物に重ねて描く。 一番好きな作品はビーバーの小枝 ビーバーの勤労と物書き、翻訳家との心の交流がとても丁寧に描かれている
0投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログ最近、時折読んでいる小川洋子さんの文庫本は、全て、私が引っ越してきた町で見つけた古書店で購入したもので、実は少々煙草の匂いが残っていました。まあ、気にする方もいらっしゃるとは思いますが、私は問題なし(むしろ、後で見開きがよれよれになっていることに気付いた方が嫌)。 逆に、私の前に読んでいた人はどんな人だったのだろうと、想像してしまう。リラックスしながら読んでたのかな、なんて。自分のスタイルで読書したいのは、すごく共感できる。 前置きが長くなったが、この短篇集に登場する人たちは、皆、それぞれの行動スタイルというか、夢中になるものを持っている。しかし、その裏には、何かを失ったことが原因になっている人たちが多い。 失ったものがあるから、それに代わるものを探しているのかな。それでも、いなくなったものを想像するのは、納得できるものを探し続けているんだ。 その結末は様々だけど、新たな人生の糧になることもあるし、微妙に思うこともある。けれど、その人が自分で判断すればいいわけであって、時には、共感しづらいものもあったが、それだけ人生は幾通りにもなるということだと思う。私が理解できることだけが、世界の全てではない。そう思わせてくれる小川洋子さんの作品は、周囲との共感の少ない私にすごく合う。
23投稿日: 2021.07.22
powered by ブクログお気に入り 「ビーバーの小枝」 「ハモニカ兎」 「愛犬ベネディクト」 「断食蝸牛」 「断食蝸牛」は以前その寄生虫を調べたことがあったので、もしかしてという予感と同時にゾッと鳥肌が立った。
0投稿日: 2020.11.27
powered by ブクログブロンズ製の犬、cheater、蝸牛、竜の落とし子‥それぞれの主人公のそばには動物たちがいる。 ここではない何処かで繰り広げられる、不思議かつユーモラスな8つの物語。
0投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログ再読。 小川洋子さんは好きすぎて、 図書館で借りて読み、購入しても読む! 動物を絡めた短編。 少し悲しかったり、ほっこりしたり、 この人の描く物語と独特な文章の世界観が どれもステキな一冊です。
4投稿日: 2020.07.29
powered by ブクログきれいな文章の短編集だけど、読みやすいとは言えない独特の雰囲気。 普通の日常らしい静けさの中の、優しさやら不穏やら・・・「大好き」にはなり得ないけど、好き。
0投稿日: 2020.02.16
powered by ブクログ小川洋子の短編集。本タイトルが、小川洋子らしくなく、内容の一部もそんな感じ。 スーパーで試食を作ると、派手でも積極的でもないのに飛ぶように売れる試食販売員。スーパーの試食が配られ始めると、どこからともなく現れて、何周も食べる女性。いつの頃か、2人には固い絆が作られていく。 年末年始に読んだ本が、ことごとくハズレであったので、心の安らぐことこの上ない1冊。サウナのあとの1杯の水と言う感じで、ごくごくと読んでしまった。 冒頭のスーパーの2人とディープインパクトに対する帯同馬の話は、どう思いついたのかがすぐわかるところが、創作の参考になる。ただ、小川洋子にしてはツッコミが浅いな…とおもっていたら、頭に入ってこない作品が有って、ちょっと戸惑った。 ほとんどの作品は、☆4以上の出来なのに、やはり頭に入ってこない、突拍子もない展開のある作品については、減点。また、いつもの小川洋子らしからぬ浅い作品、例えばカタツムリはオチが分かっちゃったなあ。でも、寄生虫にはライフサイクルというものが有るから、純な環境では繁殖できないんだよなあ、などと要らないことを考えてしまう。 我々は小川洋子には、いつものように、もう少し薄ら怖い作品を求めているのだと思う。
0投稿日: 2020.01.15
powered by ブクログ何度読んでも好きです。 癒し系ではない動物の短編集ですが、仄暗い世界に癒されました。 「帯同馬」と「ビーバーの小枝」が好きです。 「帯同馬」で、ディープインパクトとピカレスクコートという固有名詞が出てくるのが小川作品では珍しい感じがしました。あ、でも数式の江夏もそうか…。帯同馬、という関係性も密やかで好きです。 この作品は日本でしたが、他の作品は国がわからなかったです。 江國香織さんの解説もとても素敵でした。
0投稿日: 2018.12.12
powered by ブクログ短編で、終わりが「え?ここで?!」という話が多かった。よく分からない話も多かった。 でも、作者の世界観は好きだな。あと、丁寧な言葉遣いの文体が好きです。
0投稿日: 2018.11.02
powered by ブクログ世の中の片隅でひっそりと暮らしているひと。静かに寄り添う動物、または動物のかたちをしたもの。かなしみと小さなよろこび、現実かからそうでない場所に広がっていく、静謐な、著者ならではの世界。 ディープインパクトとともに海を渡ったピカレスクコートに自らを重ねる冒頭の「帯同馬」、亡くなった弟を心の片隅におき身代わり旅人を請け負う巻末の「竜の子幼稚園」が特によかった。
0投稿日: 2018.10.18
powered by ブクログ時間を忘れて一気に読破したくなるサスペンスフルな小説もいいけど、 不思議でシュールでユーモラスな1つの短編の世界に 1日の終わりにじっくりと浸るのも読書の醍醐味だ。 本書はまさに寝る前に1話ずつ ゆっくりと読んで欲しい短編集。 たちまち非日常にさらってゆく魔力と甘美な陶酔。 残り香のように漂う異国情緒。 小川作品に顕著な、 物語の中、息を潜めた死の匂いとうっすらとした狂気。 どの話も様々な動物たちをモチーフに、 そこにしか居場所のない 小さな場所に生きている人を描いている。 スーパーマーケットで試食品のデモンストレーションガールをする女性は 狭いモノレール沿線から抜け出せない自分の心情を、 フランスの凱旋門賞に向かうディープインパクトの帯同馬ピカレスクコートに重ねて彼の無事を祈る 『帯同馬』、 交流のあった異国に住む翻訳家の死を機に 彼の息子とその恋人に会いに行く小説家の「私」。 ビーバーの小枝を登場人物に見立てて翻訳作業にかかるシーンが詩情に溢れ心に残った 『ビーバーの小枝』、 ドールハウスを作ることに没頭する引きこもりの妹と それを支え手助けする兄と祖父。 まるでラッセ・ハルストレム監督の「ギルバート・グレイプ」や クレイグ・ギレスピー監督の「ラースと、その彼女」、 若きジョニー・デップとメアリー・スチュアート・マスターソンの「妹の恋人」などを彷彿とさせる 微笑ましく暖かな世界観がかなりツボだった 『愛犬ベネディクト』、 何かしらの理由で旅ができない人のため、身代わりとなる品をガラス瓶に入れ、依頼主に成り代わって指定のルートを巡る仕事をしている女性。 幼くして亡くなった弟への美しい思い出を胸に旅をする彼女がどこか哀しい 『竜の子幼稚園』 などが特に印象的だった。 それにしても小川洋子の物語る腕力、恐るべし! 試食品を食べに毎日スーパーマーケットに現れる嘘つきな小母さんや 仕事の帰り道にアイスクリームを買って食べることを唯一の楽しみにしている売店のおばさんの孤独に胸を打たれ、 「ハモニカ兎」で野球というスポーツを初めて見た人たちの反応に笑い、 落丁本だけを扱う「落丁図書室」に心ときめき、 自分の誕生日と同じ日付の賞味期限が記された食品を宝箱にコレクションする男の子にシンパシーを感じ、 寄生虫に侵された蝸牛が床中を這い回るシーンのホラー的展開に戦慄を覚え、 旅ができない依頼人の身代わりをガラス壜に詰め、各地を旅する仕事には 果てしない浪漫を感じて、 しばし僕自身、この物語の奇妙な登場人物たちと 一緒に旅をした気分に浸ってしまった。 そして、なんと巧みな想像力なのだろう! ページをめくるたびに 異国の御伽噺を読んでいるかのような錯覚に陥ること必至の極上の心地良さ。 メールや電話なんか無視してベッドに潜り込み、 1日の終わりに本書を慈しむようにめくる幸せは 何ものにも代え難い至福の時を約束してくれる。
23投稿日: 2018.01.13
powered by ブクログ8編からなる短編集。 動物に関連する内容の短編が収録されている。 ジーンとくるものもあれば、後味のよくないもの、現実から少し離れたもの、と様々。 僕の一番のお気に入りは「竜の子幼稚園」と「断食蝸牛」で、これらはジーンとくるものと後味のよくないものになる。 小川洋子さんの作品としては、本作は僕との相性はよくなかったようで、いまひとつ面白みに欠けた内容だった。
0投稿日: 2018.01.04
powered by ブクログ17/11/16 (80) どよーんとした空気感でやるせなくてさびしい感覚。ひとが見ていないところを小川さんは見ているんだなあと『帯同馬』を読んで思った。 後ろにいくほど話がわけわからなくなってきて、私のあたまでは理解できなかった。
0投稿日: 2017.11.16
powered by ブクログランチタイムに、自分の席で、近くの小さな公園で、 一人で食べにきたお店で、少しずつ読み続けた本 短編集なので、ちょうど良い感じで短い時間に読めた
0投稿日: 2017.07.02
powered by ブクログ久し振りに小川洋子さんの短編集を読む。 動物が何らあの形で係る連作集なのだが、例えば看板の兎に拘る登場人物にウソっぽさを感じてしまった。日本ではなく、かといって特定の外国でもない不思議な場所は「ブラフマンの埋葬」でもそうだったが、この作品集ではなぜか醒めてしまった。 (引用) …世の中には目隠しの似合う人と似合わない人がいるのかどうか分からないが、間違いなく老人の顔にそれは上手く馴染んでいた。小鼻の出っ張りと縁のカーブがずれることなく重なり合い、前方に突き出した大きな耳が紐をがっちりと支え、禿げあがった青白い額が、黒い色を特別に引き立てていた。 ディティールを重ねていく小川洋子節を堪能するところもあった。こういう細部の描写が却って、何かの欠落を際立てているような気もする。 「断食蝸牛」は、小川さんってやっぱり変な人だなと思った一編。 「ビーバーの小枝」が一番しっくりきた。 やっぱり、小川洋子さんはちゃんとした小説を読もうかな。
0投稿日: 2017.05.29
powered by ブクログしっとり不思議な感覚になる短編集。美術館にくる修理屋はちょっぴり苦手。なのにクセになる。何だかいけない気持ち。帯同馬に思いを馳せた。
0投稿日: 2017.03.12
powered by ブクログ短編集。小川洋子は小説を読むという行為について深く考えさせられる作家である。内容に意味は無いし、不条理だし、所謂面白さとも無縁。 無意味だからこそ手に取りたくなる。
0投稿日: 2016.11.05
powered by ブクログ動物に抱く無垢さや純粋さなんてものは人間が勝手に思っていることで実際のところ動物がそうであるかどうかは永遠に知ることがない しかし私たちから見る動物はやっばり永遠に無垢で純粋であるのだと思う ブロンズの犬や看板をかける兎の命の宿っていないものでも小野洋子さんにかかればまるで生きていて意志を持っているよう どんなものでも体温を持たせてしまう このあちこちに与えられた温かさが読んでいる間の安心感の正体だと思う 温かいもの命を宿しているもの宿さたものはどれも美しいということ 道端の石ころも誰かにとっては体温があり美しいものなんだろう
0投稿日: 2016.08.07
powered by ブクログ気がつけばいつも側にいて、安らぎと暖かみを与えてくれる存在。そんな動物たちのエピソードを描く8つの物語。 『帯同馬』と『ハモニカ兎』がお気に入り。決して主役ではない彼らの存在が、人生を豊かにして生きていくことの糧をくれる。目の付け所が小川さんらしい。
0投稿日: 2016.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『失った物をあなたは覚えていますか』 片方だけのピアス、仕舞って置いたはずの切手、大切な人と見たミュージカルのチケットの半券、臍の緒、なくした物をあなたは覚えていますか? 生き物がテーマだと言い放つにはあまりにも動物達は自然で、異質で、矛盾をはらんでいる。
0投稿日: 2016.06.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2016年、31冊目です。 動物と人間のふれあいみたいなことがモチーフかと思って読み始めました。 それは、心地よく見事に裏切られました。まさに小川ワールドという感じです。 ストーリーや文体そのものに、大きな感動や心を揺さぶるメッセージがあるわけではないのですが、自分の心の中にある様々な考えというか既存の感情の隙間に、じわっとしみ込んでくる感覚がします。 これは、私の小川洋子作品に対して共通して抱くイメージです。 この小説は、何かしらの生物が出て来る8つの短編が収められています。 「帯同馬」/「ビーバーの小枝」/「ハモニカ兎」/「目隠しされた小鷺」/「愛犬ベネディクト」/「チーター準備中」/「断食蝸牛」「竜の子幼稚園」です。 「目隠しされた小鷺」に出てくる移動修理店の老人が、1枚の絵を見るために、小さな美術館にやってきます。そこで働く「私」は、老人がその絵を見るために行っている奇妙な行動を手助けすることになります。この老人の行為にすごい重たい背景があるのか?と思わせながら話は、「私」とその老人の関わりで進みます。”小鷺”が出てくるのは、最後の一瞬です。まさに、いつも彼らはどこかにという感じですね。 「帯同馬」というのは、海外の大きな競馬レースにでる本命サラブレッドの精神的安定をはかるために、一緒に移動遠征する時に”帯同”するレースに出ない馬のことです。この物語だけが、関東の競馬場であることが分かります。ちなみに他の作品は、まったく場所が分かりません。そもそも日本なのかさえも特定できないです。そういった物語の設定の場所を無機質で、白っぽい感じにすることで、登場する人間の行動の中に心の機微を感じやすくしているだろうかと思います。 「愛犬ベネディクト」は、もうちょっとのところでサイコパス的世界に入ってしまいそうな感覚をうけました。愛犬とは犬の置物なのですが、それに対する家族の思い入れ方というか、存在の受容性が、滑稽に思える反面、恐ろし世界を描いているという感覚を待たせます。(2016/11/19) その他の小編については、また思い出せたときに、加筆します。 おわり
0投稿日: 2016.05.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集。どのエピソードも特に面白みがなく、 感動もなかった。 ピカレスクコートのことが書いてあるということで買ったが、退屈だった。
0投稿日: 2016.05.16
powered by ブクログ本質とは全く関係ないのだが、初っ端の『帯同馬』で若干のつまずき。ピカレスクコートは現地で重賞二着とか、その後日本でも重賞ウィナーであるとか、その筋の人間からすると名も知らぬ馬ではないだけに、微妙な違和感からスタートしてしまったのが運のつきかもしれぬ。 まぁそれはさておき、ちょっと質が落ちるかな?幾つかは流石と思わせるし、この作家独特の死の匂いは感じさせてくれるのだが、何と言うかゾクゾク感に欠けるかな、この作品集は。
0投稿日: 2016.05.15
powered by ブクログ動物にまつわる八篇の短編集。 動物と言っても犬や猫といった愛玩動物ではなく、馬、ビーバーの骨、兎の看板、小鷺、犬のブロンズ像、動物園のチーター、蝸牛、タツノオトシゴという最早動物ではなく物。 動物の関わり方も物語の中心を占めるものから物語自体には影響のないモチーフのようなものまで様々。 この作品でも小川洋子さん独特の世界が拡がる。 わたしが小川洋子さんの作品を読むといつも感じることは、“ひそやかな世界”ということ。 何もすることがない眠れない夜中、小さな声で囁くように誰からともなく誰にでもなく、何と言うことのないオチも何もない物語、聞いていてもいなくても構わない、ただ時間を埋めるために語られる物語。そういったものを感じる。 小川洋子さんの文章は、静かで穏やか、さみし気でさえあるのに時々クスリとさせる。何でもない物語で細かい設定もなく、時には結末も明らかでないこともある。 そういったものが好みでないかたもいるだろうし、つまらないと感じるかたもいるだろう。わたしは読者の感じ方それぞれに物語の結末の着け方を預けてしまうようなところに余裕があるというかゆとりのあるものを感じて心地良い。 「ビーバーの小枝」 亡くなった翻訳家の息子夫婦に会いに行く作家の物語。 「目隠しされた小鷺」 美術館の受付アルバイトをする女性と一枚の絵を観るためだけに訪れる移動修理屋の老人の物語。 「竜の子幼稚園」 身代わりガラスを身に付け依頼に応じ旅をする女性の物語。 この三作品が特に印象深い。 江國香織さんの解説もわかりやすく良かった。 誰にでも思い出の詰まったものや、自分の支えになるものなど何かひとつはあるはずだ。それが生物であろうと静物であろうと。
0投稿日: 2016.04.15
powered by ブクログひっそりしていて、ぺたぺたとくっついてくるような微かな不快感があり、ほんの少しの不安が終始漂い、死のにおいがして、動物たちはおかしな人間味を与えられることなくあくまでも動物として登場する。
0投稿日: 2016.03.21
powered by ブクログ小川洋子さんらしい静かに静かに浸透するような不思議な世界感のお話が8編。 どれも動物が関連して、閉塞的で、今はもういないということが共通しているのだけど、結末はぞっとするものからほんのり暖かくなるようなものまで粒揃い。 年配の主人公(というより、物語の語り手なイメージ)が中心となったお話が最近増えてきたのは、小川さん自身が年を重ねてきたからなのでしょうか。 小川さんらしさを残しつつ、新天地というのはそれはそれで楽しいですが、少し寂しい気もします。 今でも「薬指の標本」や「ホテル・アイリス」が特に好きなんですよね。
0投稿日: 2016.03.12
powered by ブクログ必ずしも「やさしい」物語ばかりではないけど、ひっそりと、心にしんと落ちてくる短編集。 小川洋子さんですね。
0投稿日: 2016.03.12
powered by ブクログこの短編小説の主人公や彼らに縁のある人達は、皆静かで目立たず、どこか頼りなさすら感じる人物なのだけど、そこがとても親近感を感じる。物語には必ず動物のエピソードが交えられていて、その動物の姿と主人公たちがとても雰囲気が似ている。目立たずひっそりとしていて、出しゃばらない。ただありのままにあるべき場所にいて、主人公の心を支えている。 蝸牛の話だけは気持ち悪くて後味がなんとも表現し難いのだけど、他は優しくて、ユーモラスで、切なくて、余韻が残るお話であった。
0投稿日: 2016.01.31
powered by ブクログ著者の動物に対するまなざしには、ごまかしや偽善がない。その純粋なフィルターを通して、慎ましやかに生きる動物の姿が見えてくる。 江國香織のあとがきも素晴らしい。
0投稿日: 2016.01.27
powered by ブクログとても静かな短編集。一編ずつに動物がひっそりと書かれている。気が付けば傍にある、という表現は納得。 小川洋子さんの小説はいつも読んだ後に何かを心に落としていく。 ただし一言断っておくとタイトルから連想するような癒しはない。疲れた一日の終わりに読むよりはむしろ真っ新な朝に読むべき小説。
0投稿日: 2016.01.23
powered by ブクログ一話目の『帯同馬』とてもよかった。 飛行機や列車を使って、遠くに行くことの恐怖。 このまま帰れないのではないか、 自分の部屋に戻ることはもうないのではないか、 そんな感情がとても共感できる。 飛行機に乗るときは、一種の覚悟のようなものを携える。このまま死んでしまうかもれない、という可能性と不安に対しての。 レースのため海外へ行くディープインパクトのストレスを減らすための帯同馬として、一緒に連れて行かれるピカレスクコート。その哀れみを感じるのは私だけかという問いかけも、心に響く。
0投稿日: 2016.01.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
身近にある動物たちを、ひっそりとモチーフにした短編集。 メインを人の想いや人生に置き、そこに寄り添うように様々な価値で動物たちを忍ばせ、悲しい寂しい話も充実した読後感を演出しているように思う。 不在なるものを想うことによる、人生が紡いだ物語、ここに極まれり、という感じかな。 この作品の中に潜む静謐な世界観も含めて、言葉はいらない、ぜひ読むべし。 小川洋子さんの持つ、世界観の演出、いろいろんな世界があって、読むたび楽しませてくれる。 さて、次は。
1投稿日: 2016.01.17
powered by ブクログ慎ましやかに静かに生きる人と、彼らに寄り添う動物(たとえ置き物であっても)が、あるがままに美しく、ひそやかに、多くを求めず、ただそこにある。余分なものは何もないのに、必要なことはどこまでも丁寧に描かれている文章がとっても美しい。 「帯同馬」と「ハモニカ兎」が特に好き。 登場人物の名前もなく、舞台がどこの国なのか、いつの時代なのか、それもわからないので、お伽噺を読んでいるような心地にもなる。時間がゆっくり流れる。
0投稿日: 2016.01.10
