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源氏物語を知っていますか(新潮文庫)
源氏物語を知っていますか(新潮文庫)
阿刀田高/新潮社
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総合評価

14件)
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    今年は『源氏物語』現代語訳をいくつか読みました。締めには阿刀田さんの「知っていますか」シリーズで「源氏物語」を。 アーサー・ウェイリー版 https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4865281630#comment 谷崎潤一郎版 https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4122018250#comment 角田光代版 https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/430972874X ❐大河小説の大筋に、それだけで短編小説になりそうな傍流が散りばめられている。その傍流は、コメディやミステリー小説らしさも感じる。 ❐源氏物語で詠まれている膨大な和歌。紫式部はその登場人物像を表す歌を詠んでいる。なかには上流階級でありながら生活感が分かったり身も蓋もない歌があったり・笑 阿刀田さんが、登場人物の心情にあった和歌解説してくれて分かりやすかった。 ❐古典文学では「難しいけど、半分くらいわかる」で充分。千年前の言葉が現在読者におおよそ分かるという日本語の豊かさを感じましょう。 ❐宇治十帖に関しては設定上の矛盾も感じる。作者別人説があるのはそんな理由か。 ❐光源氏の死を現した、題名だけで中身のない<雲隠>は、中世以降に追加されたものらしい。紫式部もびっくりだろう。それだけ何年もの愛読者たちが多いってことで。 ❐この時代男性が女性の御簾の中に入り朝まで滞在したら、肉体関係の有無はさておき「契が行われた」とみなされる。 これでちょっと分かった。源氏物語本編ではこのあたりかなりぼかして書いている。後日妊娠したり女性の態度が明らかに変わったら肉体関係が…ってわかるけど、状況的にデキないですよね?という場合もあったので(狭いとか人目があるとか…)、これで「契り」があったってどういうこと?と思っていたのですが、朝まで過ごしたから契りと見なされたのであって、本当に関係を結ぶ必要はなかったんですね(^_^;) ❐源氏物語は「衣食住」のうち衣装と住処・調度品は詳しく書かれていて、その場の状況や、人物像がわかりやすい。食についてはあまり触れていない。 ❐外国語訳について。アーサー・ウェイリーを初めとして外国語にも翻訳されている。それはその翻訳の時代の英語である。日本人は教科書などで源氏物語の原文を目にしたことはあるので「古典の文体で、古典の文学だな」と分かるけれど、外国人読者は特に古典とは意識せずに読んでいるのではないか(せいぜいがバルザックくらいの時代の感覚)。 ❐登場人物の感性を「彼はこんなビヘイビアを持っている」という感性による人物解析がわかりやすいです。 ❐源氏物語では政治のことはほとんど書かれていないが、光源氏は政治家としても力量があったことが感じられる。 ❐私が本編読んだときに「なぜそれをする!?」と思ったところがあるのですが、そのあたりは阿刀田高も苦笑気味に感じました。 ・光源氏があっちこっちの女性に移り渡るなかでも、女三の宮を迎えて紫の上が苦しんでいるときに、「やっぱり彼女が一番素晴らしいなあ」と言いつつ、わざわざ朧月夜のところにいくのはやっぱり疑問…。 ・夕霧くんが落葉の宮に強引に言い寄っていた場面で、夕霧くんの対応の悪さを阿刀田高が解説してくれて納得でした。当時の風習とか分からずに読んでも「それはマズイ」と思っていたが、当時の風習を考えると、本当に、本当にマズかった(苦笑) そして阿刀田高が夕霧くんを「真面目くん」と連呼するのが愉しかった(笑) ❐紫式部が書かなかったことについていくつかの場面は「そりゃーないよ、書いてよ」と言っている笑。玉鬘ちゃんと鬚黒大将の結婚(実力行使-_-メ)とか。このあたりは作家としての阿刀田高の作家目線。

    38
    投稿日: 2024.12.14
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    ずっと気になっていた本だが大河もあって読み進めた。 読んでみると語り口調も本当に語りかけているようでカジュアル、読みやすい。するすると読んでいけたし、重要なこと・複雑なことは繰り返し記されているので振り落とされることなく読了できた。 帖の名がその出来事にまつわるフレーズであることは雅だなぁと思う。また、現実の人物を複数モデルにしているという噂もありためになる。光源氏と他の貴族との違い、柏木や夕霧等周囲の人物との関係、源氏の君の死後 薫の君と匂宮の間柄など、コンパクトにまとまっており、ざっと内容を知れた満足感もあり、原作もぜひ読んでみたいと思った。 願わくば、あとがき・まえがきがあればほしかった。

    1
    投稿日: 2024.10.03
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    「源氏物語」は、平安時代の貴族社会における複雑な人間関係と恋愛を描いた傑作だ。光源氏は、経済力や男らしさだけでなく、相手への思いやりと誠実さが重要であることを示している。 当時の貴族社会では、娘を嫁がせることで家族の地位を高めることができたため、女性の役割が重要視されていた。一方で、光源氏自身も「一線を超えた不祥事」で皇室出自から平民に落とされ、再び貴族の地位を得るという曲折を経験している。 登場人物が多く、複雑な人間関係が描かれているのは、紫式部の卓越した筆致によるものだが、最後に登場する浮舟は、紫式部自身の姿を重ねて描かれているのかもしれない。 本文にある「女性にモテるための条件は経済力や男っぷりも大切だが、何よりも推しが強いこと、まめであること」とある。

    12
    投稿日: 2024.04.15
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    大河が紫式部な今年を逃すと源氏物語について知る機会がしばらくこなさそうだなということで阿刀田高の古典解説シリーズ。相変わらずわかりやすくて面白い。大雑把にしか知らなかったけどしっかりあらすじや登場人物を知ってみるとやはり色んな意味ですごい物語です。

    8
    投稿日: 2024.03.10
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    阿刀田さんの知ってますかシリーズ。何作か読んでいますが、どの作品もよく研究されていて大変参考になります。 源氏物語 平安中期 全54帖 主人公級 30人 和歌 795首 この和歌が凄いですね。男女別年齢別能力別全て考慮して、紫式部が創作しているのですから。 おおよそ3部構成とされています。 第一部 1から33     光源氏栄華への道 第二部 34から41     光源氏苦悩に満ちた晩年 第三部 42から54     宇治十帖     光源氏亡き後の世界 阿刀田さんは、主体となるストーリーを満遍なくおっています。そしてわかりにくい人間関係や血縁関係を繰り返しながら展開するので、源氏物語の解説書としてとてもわかりやすいと思います。 ストーリーを主としているので、小説を彩る部分、各祭事とか絵合わせの情景などは、思い切って省略されています。ですから、小説として楽しむには物足りないかもしれません。 ユニークでアイロニックな感じで、時に男性陣を語ります。夕霧(光源氏の息子)とか薫(光源氏の子とされている柏木の子)は、真面目ちゃんとして厳し目かなと思います。 〈オンデマンド講座覚書〉 源氏物語「生と死」 平安時代 もののけが憑依して病気になると思われていた。調伏するためには、験者が加持祈祷を行い、病人からもののけを取り出して、よりましと呼ばれる人間に憑依させる。そこで、名前を名乗らせて(名告り)調伏となる。 源氏物語ではよりましを使わない。 死への順路 招魂 もがり 遺体の安置 入棺 出棺 清水寺南方 冥土の入り口 葬送地 野辺送り 鳥辺野      普通は母親はついていかない

    56
    投稿日: 2023.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2022/11/18 Amazonより5冊購入で10%OFFキャンペーンにて979円(297pt)で購入。

    0
    投稿日: 2022.11.18
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    Amazonオーディブルにて。 長かった。最後まで源氏物語を通読できた達成感。今まで、あさきゆめみし程度にざっくりとしか読めてなかったけれど、さすが阿刀田高さんは解説がわかりやすい。でもさすがに長かった。 あまり量は多くないけど、谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴、アーサーウェイリーなど過去の翻訳者がこの描写をどう描いたか、の比較論や、紫式部自身の意図の解説なども触れられていて良かった。 物語の最後、もう少し全体を振り返ってとか何かあるかと思いきや、あっさり終わってしまって拍子抜け。オーディブルで散歩しながら画面を見ずに聴いていたので驚いてしまった。原作同様と言えばそうか。

    1
    投稿日: 2022.05.22
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    どう考えても周りの人は可愛そうでは?ニギニギしいとか、つぎつぎしいとかいう阿刀田先生の表現は、勉強になりました。

    0
    投稿日: 2020.09.12
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    図書館で。安心・安定のシリーズ。 確かに千年も前に書かれた文章を読んでなんとなく意味が分かるってのはすごいことだなぁ。今まであまりそういう観点から考えたことなかったけど。言葉や表現方法は変わっても根底は変わらないんだろうか。興味深い。(使われなくなった表現とかも勿論あると思うけれども) 源氏物語は文化も習慣も常識も今とはことごとく違う過去の(しかも貴族の)話だけれども、人間が感じる悲哀や喜びは今も昔も変わらないものなのだなぁとしみじみ思います。 それにしても今も昔も主人公ハーレムものは流行るんだなぁ…と思ったり。前に読んだ源氏物語の学術書で、当時小説は今でいうところのサブカルチャーのようなものだった、と書いてあったので、今も昔もお話のヒーロー像に求めるものは変わらないのかもしれないなぁと思いました。

    1
    投稿日: 2020.09.02
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    学校教育のお陰で書名と著者を知らない人はいないだろう。しかし、この物語がこんなに奥深いものだとは知らなかった。源氏と言えばプレイボーイ……そんな印象しかなかった。美しい女性に心惹かれるのは男のサガ。当時のやんごとない女性は簾内にいて、その簾内に男が入ることは、例え肉体関係がなくとも契りを結ぶこととなる。確かに源氏は多くの女性と浮名を流したが、紫式部は源氏や彼の子孫に対して因果応報の結末を用意していた。女性の目線で、男の浮気に対して強烈なアンチテーゼを感じる作品だと思えた。

    0
    投稿日: 2020.03.01
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    全体のストーリーがわかった。 大長篇作品なのに(源氏亡き後の一部分を除いて)ほとんど辻褄が合っているストーリー展開に恐れ入りました。

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    投稿日: 2017.09.27
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    どうしたって(時代の風俗・習慣だと頭で理解したとしても)、雅なことだ、人びとの心の機微、なんて物分かり良く読めない。源氏が悪い。 だから、興味はあっても源氏物語が読めない私からすれば、この案内書のごとき本はありがたい。 そして面白く、また憎し光源氏。

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    投稿日: 2016.11.11
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    言わずと知れた源氏物語。知りたいし読みたいのだけれど、どうにも長い。他にも読みたい本は多いしと思い悩んでいるところに本書。全54帖が一巻にまとめられ楽しく読める。 著者の ~~を知っていますかシリーズを読むのは ギリシャ神話、旧約聖書、新約聖書、コーランに続いて5作目だがどれも現代小説のように読めて素晴らしい。その理由はあとがきにもあるように人生訓のような教訓めいたものを押し付けようとしないところにあるのではと思う。 望むらくはこのシリーズで 古事記や日本書紀や論語もやって欲しい。方丈記は自分でなんとかなるかなぁ。

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    投稿日: 2016.05.02
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    阿刀田高「知っていますか」シリーズ。「ギリシャ神話」「旧約聖書」「新約聖書」「シェイクスピア」「コーラン」「イソップ」に続く新刊。

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    投稿日: 2016.01.13