
総合評価
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powered by ブクログ映画や舞台で興味を持ったので、原作を読もうと思い購読。 1から5まで読むのに1ヶ月半もかかってしまったので、映画のように2時間半で観れるのはタイパ的にも面白さとしても勝っていると感じた。原作はユゴーの政治的な思想や社会の情景描写、戦争について具体的に書かれているので、それが余計と感じ、読むのに非常に時間がかかった。 映画との違いも大まかな流れを同じで、数エピソードが違うだけだったので、映画や舞台の方をお勧めしたい。
0投稿日: 2025.10.20
powered by ブクログミュージカルのドラマティックとは違う、重厚な物語。強靭な意志の権化ジャンヴァルジャンに訪れる嫉妬、苦悩と絶望。他の登場人物も鮮明に描かれ、時代の息遣いまで感じられる。物語とは一見関係なさそうな話が延々続くところはとりあえず気合いで!そこまでしてでも読み切る価値アリ!
1投稿日: 2025.04.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
感動に満ち溢れていた。本当の善人がここにいた。その人はとても悲しく、貧しく、時には卑しく、輝かしい程の聖なる光で包まれていた。 この本は自分にとって聖書のような本。キリスト教ではないから難しい言葉も多かったが、伝えたいことはしっかり理解する事はできたと思う。 今の心の感動を言葉に表すことは難しい。5巻を通して、ハラハラドキドキもしつつ、ココロがここまで清らかになれるものなのかと感動し、とてもズルく生きる人々を軽蔑しながら、どこか尊敬していた。 ここに登場する人々は、生きていた。生きながら無為に生きる事は誰1人しなかった。どのような境遇でも、自分の信念を持っていた。1人1人の人物を忘れる事なく、自分が優しさを忘れた時にまた読み直したい。
0投稿日: 2025.04.12
powered by ブクログ最終巻は1832年暴動の強烈な描写で幕を開ける。マリウスを救出するジャンの命をかけた行動、見事としか言いようがない伏線回収を経て物語は静かに終わる。重厚な歴史文学、教養文学かつ壮大な娯楽小説の本書は読書の楽しみを与えてくれた。必読!
1投稿日: 2023.06.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
悲惨な結末を迎えた革命、多くの仲間の死。しかし、愛するコゼットをなんとしても守り抜くためにも、マリユスだけは救い出さねばならない...再びバルジャンのスリリングな逃避行が読み応え十分でした。 ジャベールの方はというと、悪人は変わることができないという考え(信念)が揺らぎ、自分が信じていた者が根底から崩れていくことに絶望します。これは、ジャン・バルジャンがミリエル司教に赦され、ひどく苦しんだ時と状況が似ています。バルジャンは苦しみ、再度悪事を働くなどしたあげくに乗り越えましたが、ジャベールは耐えきれず、死を選びます。人は変わることができるが、それには大変な苦しみを伴うというのが、この物語のメッセージの一つではないでしょうか。 バルジャンの苦しみは続きます。何とかマリユスを助け出し、コゼットとの結婚にこぎ着けたものの、自分がかつて罪を犯したということを打ち明けられず、コゼットの近くにいることも、離れることもできず... そんな苦しく、終わりのない旅を続けたジャン・バルジャンが、ついに赦されたというラストは感動的でした。長い物語で読むのは大変でしたが、大満足です。
1投稿日: 2022.10.10
powered by ブクログ全5巻を読み終えての感想。 古典的作品なので、読者それぞれに解釈はあると思うが、この長編は過去に罪を負った人間の救いの話であったように思う。 主人公ジャン・ヴァルジャンは、徒刑囚となってからも罪を重ねるが、聖人と出会い、改心する。それまでの罪を贖うように、彼自身も聖人のように多くの人に善行を施すが、度々襲いかかる試練には知られざる葛藤があり、人間としての弱さがさらけ出される。この葛藤は、ジャン・ヴァルジャンほどでは無いにせよ、多かれ少なかれ読者にもあるはずで、ここに共感のポイントがある。 特に、生きがいとしていたコゼットの恋の相手に対する敵意は、聖人然として振る舞う普段の彼からはほど遠い人間的反応であり、物語に引き込まれた。 また、ジャン・ヴァルジャンの作中でのさまざまな行動は、人間を信じる、ということに対する覚悟と信念の大切さ、それを持続する困難さが伝わった気がする。 他者を信じると共に、正直でもあったジャン・ヴァルジャンの行動原理は、小説の最後の方のマリユスへの述懐、自分が自分を捕らえようとすることから目を背けられない、というものであり、これも読者には当てはまる部分もいくつかあると思う。
1投稿日: 2022.03.20
powered by ブクログ罪を犯した後に改心し、徳を積み続けたジャン・ヴァルジャン。マリユスの誤解も解け、人情から引き取ったコゼットの幸せを目にする事も出来、彼の生き方が報われ、肯定された結末に心が揺さぶられる。人はいつでも変わる事が出来るのだ。
0投稿日: 2022.03.09
powered by ブクログまずは読破できた喜び。がんばってよかった! 遠回しな表現がフランス文学?なのか、でも、クライマックスが近づくにつれ、その感じが心地よく、感情が昂った。やっぱり娘には会いたいよね。 ユゴーの事を知りたくなったし、歴史的背景を勉強してみようか、という気にもなってしまった。 100年以上前の作品の思想は、今も大切にすべきであることに変わりなし。
5投稿日: 2021.04.02
powered by ブクログ一貫して作者がこの物語を通して伝えたい思想というものが感じられて、とても深い感動を覚えた。物語に挿入されるフランスの様々な情勢についての話もとても詳細に書かれていて、本当にすごい本を読んだと思う。
3投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログユゴー 「 レミゼラブル 5 ジャンバルジャン 」 ジャンバルジャンの更生やコゼットの愛の物語だけでなく、人間の闇や フランスの混沌も描かれている。まさしく人間劇場。面白かった。 フランスの歴史、隠語集など本編と繋がらない部分に かなりのページを割いていたが、著者の意図を知りたい 本のテーマは 進歩。レミゼラブル=虐げられる人 *悪→善、不正→正義、虚偽→真実、欲望→良心、虚無→神、物質→魂、怪物→天使 への進歩 *レミゼラブル(虐げられた人たち)が進歩するために必要なのは 光(道徳心、教育)
2投稿日: 2018.08.03
powered by ブクログユゴーさんは話を作るのが上手いなと思う。最後はもう少しジャン・バルジャンが救われると個人的に嬉しかったが、あんなもんかな。
0投稿日: 2014.08.03
powered by ブクログ自分の魂まで清められるような物語。 途中別の本を読むための中断を挟み、結構時間がかかり ようやく読み終わったが、ヒトコト「読んでよかった」 正しく生きる人になるために、 自分にとって大切な人のために生きるために 自分の持てるすべてを出し切って。 最初は「よくコレを映画にしたり舞台にしたりしたいと 思ったもんだ」と思ったが、読み終わってみると 映画化・舞台化したくなるし、できることなら どんな役でもいいから出演したい、と思うような 登場人物の一人ひとりが活きている壮大なドラマ。
2投稿日: 2014.07.19
powered by ブクログようやく五冊読破。物語を追いかけるのはおそらくもう4、5回目ほどになりますが、それでも要所要所涙がこぼれてきました。作者の思想、哲学からパリの歴史、思潮に文化、いろいろなことに触れつつも、ジャン・バルジャンの人生をたどってゆくかんじでした。罪は善行で償われることはないのか、わたしからしてみればもういいじゃん!としか思えないのに!(笑) 一番印象に残っているのは人物の葛藤の描写で、もう圧倒されました。それぞれの生きざまがかっこいい!胸をつくような言葉に揺さぶられまくりです。すべての人々が本当に幸福になったかと言われればそうではないけれど、幸福を求めて動く姿には本当に人間がでるなあ!と。なんというか言葉に尽くせないけれど、本当にすばらしいお話でした、ありがとう!
0投稿日: 2014.03.15
powered by ブクログいよいよ最終巻でした。マリユスがコゼットと幸せになれたことは良かったのですが、ジャン・ヴァルジャンが可哀想で。暖炉の火が消されてたり椅子がなくなってたり、じわじわ疎外されるのが一番辛いですよね。最後にコゼットに会えて幸せな人生の終わり方だったのでしょうか。
0投稿日: 2013.09.17
powered by ブクログ解説に書かれている「大聖堂的」作品、とはまさに的を得た表し方だと思う。 歴史に残る長編としての壮大さだけでなく、細部の現実味、よく研究せられた事実考察など、連綿と連なるファンを生む要因だろう。 わたしがとくに驚くのは、パリ下水道について、トマス・マンが煙草を語るのの三倍ほどの文量をかけて、ユゴーが詳細明晰に語っているところである。 隠語の研究もさるところながら、こちらの綿密さには地上から驚くばかりである。 キャラクターの「典型性」に辟易とするのはやむを得まい。ユゴー本人が小説のなかで弁解、あるいは強く述べるように、この小説はひとつの歴史研究・検証なのであった。そうする以上は、抜き出された各人が大仰でいかにもお涙頂戴であることも、酌量すべきだ。 英語の映画、あるいはミュージカルを観た人が日本語訳を読んだとき、少なからぬ落胆を感じたかもしれない。わたしもそう感じたのだが、それはストレス言語としての英語が生む抑揚の大胆さに支えられるところが大きかろう。仏語でどうなのか、わたしに図れぬところがいかんともできないのだが。
2投稿日: 2013.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第五部「ジャン・ヴァルジャン」 暴動のさなか、コゼットのためにマリユスを助けに行くジャン・ヴァルジャン。自分のためでなく、また、自分の血のつながった娘ではないにもかかわらず、コゼットのために動くジャン・ヴァルジャンは格好良かった。また、コゼットとマリユスが結婚した後、身を引こうとするジャン・ヴァルジャンも揺らぎながらも自身の正義に従って生きているかんじがして、格好よかった。マリユスに自身の生い立ちを語ったのも、司祭に習った正義に従ったため、というのも良かった。 ティルディナイがジャン・ヴァルジャンを救ったり、マリユスの誤解を解く手がかりとなったりしたことが、作者の構成力の高さをうかがえた。 帯に書いてあったことだが、ユゴーが「?」「!」の手紙のやり取りをしていた人ということは、とっても驚いた。
0投稿日: 2013.08.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終わったいまとなっては、もはや感動しかない。内容のレビューなんてとてもする気にはなれない。 そもそもこれは本当に小説なのだろうか。小説とはなんなのだろうか。 この作品は、小説という形を借りた、小説とは違うもっと別の「なにか」のように思えてならない。しかしそれはなんなのだろう、と考えたときに、うまく言い表せる言葉が見つからない。 この作品では、作者の言いたいことすべてが余すところなく綴られている。いわゆる「小説」ならば蛇足となることも、すべて書かれている。正直、読んでいて辟易としたが、これはなくてはならないものだと思う。物語としては必要はないのかもしれないが、この作品はただの物語ではないと考えるからだ。 それと、登場人物が型にはまりすぎている、という指摘もあるが、それも「小説」として捉えると確かにそうだが、作者のやりたいことは小説的に面白い、素晴らしい作品をつくることではないように思え、それが先から述べているようにただの物語ではないので、これはこれでいいと思う。 小説ではない「なにか」。その「なにか」を言い当てることはできないが、作者の目指していたものが徹底追尾、余すところなく、首尾一貫してできていたと確信できる作品だった。小説を書きたいのではなく、自分の伝えたいことを伝えるのに有効な方法が小説だった、そんなように感じた作品だった。
0投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログ読了まで5ヶ月…正直読み終わってホッとした。映画に魅了されてからの単行本スタートだったが人間の本質に迫るビゴーの気力に終始圧倒されてた。刺激の少ない当時爆発的ベストセラーになったのもうなずける。もはやこの本自体が歴史なのだ。え、この部分本当に必要?と思う点も最後に線となり、面となっていってフィナーレを迎えた。聖書以上にフランス人、ヨーロッパ人の気質を形作る物語と言っても過言では無いかもしれない。
0投稿日: 2013.06.30
powered by ブクログ6ヶ月かけてようやく全巻読了。高校生のときに読んで以来約20年ぶり。本筋と明らかに話がそれるペダンティズムはユーザーフレンドリーとはいいがたく、物語に力があるだけに、早く次の筋を知りたいとやきもきして読み飛ばす人も多いことでしょう(もちろん私もそう)。ストーリーを読むだけなら子ども向けに要約された「ああ、無情」でもいいよな、とやや複雑な心境。 「みじなな人々」という原題を考えてみると、ユーゴーが描きたかったのは社会の最底辺にいるジャン・バルジャンとテナルディエなんでしょうね。かたや罪を悔い改め、崇高なる魂の所有者となるジャン・バルジャン、かたや常に他罰的な態度で社会の底辺でのたうちまわるテナルディエ。作者はそんなテナルディエに対しても苛烈な罰を与えない(なんと最後まで生き残る)。ユーゴーは何者も否定しない。そういうことかな。
1投稿日: 2013.04.10
powered by ブクログ読み終わりました。 ここまで良いとは思いませんでした…このような作品に出会えて、幸せです。 映画は見ていませんが、やはり原作は良いですね。 誰もが一度は読むべき作品です。 あー、幸せ!本当に幸せ!
0投稿日: 2013.04.09
powered by ブクログやっと最後までたどり着いた。バリケードからジャン・ヴァルジャンがマリユスをつれだすところ、テナルディエと会うところ、ジャヴェールと会うところ、微妙に映画と違う。重症だったマリユスがなんであんな簡単に回復して、あんな元気だったジャン・ヴァルジャンがなんであんなタイミングよく死ぬのかと疑問だったが原作で解決した。というか映画で最後フォンティーヌが出てくるのはやはりあれは司祭のほうが良かったのではないか。
2投稿日: 2013.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読了!かなり読みづらいこともあり、時間がかかりました。 5巻通して、「ああ、無情」という題名の重さを感じさせられる。 ただ、最後には誤解がとけ、コゼット、マリユスに会えた ことが救い
0投稿日: 2011.10.29
powered by ブクログ9月7日読了。 第1巻読書開始から2ヶ月あまり。 何度かの挫折の危機をどうにか乗り越え、 頁を閉じることができました。 なんとか「たなぞう」終了に間に合い、 ほっとしています。 内容については、あまりに有名すぎて、 下手な感想が書けず、困ります。 ただ、読む前の先入感と大きく違ったのは、 ジャヴェール警部。 単なる冷血漢のイメージが崩れ、信念の人であったことが、とても印象的でした。 それともうひとつ。 「レミゼラブル=悲惨な人々」の日本語訳 「噫無情(ああむじょう)」の、 なんとすばらしいことか。 読了万歳。 さて、この間にたまった本に取り掛からなくっちゃ。
0投稿日: 2011.09.07
powered by ブクログミュージカルのレミゼにはまり、本も5冊まとめ買い。 ストーリーに全く関係のない歴史的な難しい部分などがかなりあり、飛ばし読みしたところもある。 でも、色々と考えさせられる本で、これぞ文学!という印象。 最後は号泣した。 もう少し歳をとったらもう一度読み直したい。
0投稿日: 2011.07.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
レミゼは自分の中での位置づけが難しい。 モンテクリスト伯と同じくらい大好きな本だけど読み終わると当分読みたくないと思う。 好きな本は何度も読み返すタイプだがレミゼは一旦読み終わると次に手に取るまでにかなりの期間があく。 読みた……い気もするけどいや今はいいや……を1年以上かけて10回程繰り返したあとに読みたいが勝ってまた手に取る。そうすると一気に読む。で、また当分見ないこれ、となる。 理由は全部、ジャン・バルジャンがかわいそすぎるから!!!!! 同じ理由で読み終わる頃にはマリユスが大嫌いである。 マリユスに関しては読みたい気持ちが勝ったときでも普通に大嫌いである。もーほんとにもーーーーーーー。 全然話は変わるがこれとモンテクリスト伯を同時に読むとフランス革命がどういうものだったのか、いろんな側面から見れてそこも面白い。
0投稿日: 2011.06.21
powered by ブクログ第五部「ジャンバルジャン」。バリケード戦に参加したマリユスはバリケード陥落の直後、ジャンバルジャンによって、パリの下水道へ逃れる。ジャンバルジャンは負傷し気絶したマリユスを背負い、真っ暗な下水道を流砂に飲まれそうになりながら、出口まではこぶ。出口を開けたのは脱獄し下水道に逃れていたテナルディエであった。ジャンバルジャンは下水道を出たところを、バリケードで助けたジャベールに捕らえられる。彼等はマリユスをジルノルマン老人のところへおくった。ジャンバルジャンはジャベールに逮捕されるつもりでいたが、ジャーベールは失踪し自殺する。傷の回復後、マリユスとコゼットは結婚する。ジルノルマンがあっさり認めたのだ。結婚式の翌日、ジャンバルジャンはマリユスに徒刑囚であったことを告白し、分かれて暮らすようになる。マリユスは内心、ジャンバルジャンの罪を恐れていた。しかし、テナルディエがジャンバルジャンが下水道で「死体」を運んでいたと密告しにきたことで、彼に命を救われたこと、マドレーヌ氏こそジャンバルジャンであり、コゼットの持参金が後ろ暗い金でないことを知る。マリユスとコゼットは、いそいでジャンバルジャンの家に行くが、ジャンバルジャンは既に死にかけており、若い二人に看取られながら、死んでいった。心をうつ物語である。アンジョルラスの革命の演説、ガブローシュの最後、ジャベールの葛藤、ジルノルマンの結婚祝いの演説など印象深い場面が多い。「下水」の歴史にも詳しく、中国と比べてパリは人糞の活用を知らないなど、ディテールが細かい。すこし、ナショナリズムや進歩崇拝が行きすぎていると感じるところもあるが、「レミゼラブル」(虐げられた人々・虐げる人々のダブルミーニング)が目の前にいる時代であれば、非難することはできない。現代にも「レミゼラブル」はいるが、過激な革命は、社会の基盤を破壊してしまう。やはり穏健な修正をして行かねばならないだろう。ユゴーは革命の悲惨さにもふれている。革命家に同情しながらも、人類が本当に幸福になるにはどうすればいいかを追求した作家なのである。「愛する、もしくは愛した、それで十分だ」という言葉がその答えの一部であろう。登場人物はアンジョルラスやジャンバルジャン、ジェベール、マリウス、コゼット、ファンチーヌなど、テナルディエみたいな悪漢もふくめ、みな世間で生きるのに妥協がなく、善や悪に対して、過激で不器用、そして純粋だ。名作である。
0投稿日: 2011.02.23
powered by ブクログ一大叙事詩だ。人生の全てが詰まっている。いかなる人も、人が裁いてはならないし、否定してもならない。自分の人生を素直に受け入れていくことがどれだけ美しい生き様であるかを、知ることができる。ユゴーの世界観に触れないことは、人生の10年分を損することに等しい、と言っても過言ではないだろう。
0投稿日: 2010.11.19
powered by ブクログ第五部「ジャン・ヴァルジャン」。1832年6月5日、パリの共和主義者は一斉に蜂起し、市街戦を展開する。その中には傷ついたマリユスや、彼を助けるジャンの姿も見られた。やがてコゼットとマリユスは結婚し、ジャンはマリユスに自分の素性を語り、離れて暮らすことになるが、コゼットがいなくなるとジャンは心身ともに衰え、二人が駆け付けたときにはすでに死の床にあった──。 激しく繰り広げられた市街戦によってマリユスの友人が全員戦死したり、テナルディエはどこまでいっても悪人のままでしかなかったり、ジャンの心の葛藤であったり──クライマックスに向けて様々な場面が描かれ、心に痛みを覚えたり、手に汗握る戦闘にこちらもハラハラさせられたり、二人の結婚に思わず笑みがこぼれたりと、自分の中でいろんな感情が交錯した巻だった。 コゼットとマリユスに見守られてのジャンの最期、またそこに至るまでのジャンの決意、マリユスの発見など、感動的な要素もとても多かった。 「憐れな人々」に対するユゴーの無量の愛、現代にも通じる囚人や娼婦に対する人々の偏見や権力による抑圧など、まさに作者の想いが魂となって結実したといえる、名作中の名作といえる作品であろう。
0投稿日: 2010.09.21
powered by ブクログ名作中の名作。ユゴーの代表作の一つ。何人かに訳された中の1つで佐藤朔訳版。訳が古いので文体なども古く、いま読むと読みづらい作品です。ユゴーの作品はストーリーを追うだけではなく、当時の物語の背景などわき道が多く更に読みにくい。しかしユゴーワールドに入り込んだら最後、次を次をとどんどん惹かれ最後まで目が話せなくサイドストーリーなども楽しみになってしまう。フランスに興味が出てくる作品です。
0投稿日: 2006.04.06
