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撃てない警官(新潮文庫)
撃てない警官(新潮文庫)
安東能明/新潮社
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総合評価

22件)
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    部下の拳銃自殺を契機に綾瀬署に左遷された主人公の柴崎。本庁への復帰と自らを陥れた上司への復讐を誓いつつ、様々な事件と向き合っていく。実際の刑事ではないので事件自体を担当するのではなく、刑事が関わった事件をその人物の描写から浮き彫りにしていく。その点では面白さがあったのだが、柴崎のキャラ付けにあまり好感が持てなかった。本作では事件に向き合うというより本庁への復帰を目指すためにどう動くか、に視点が置かれているのでじめっとした読み口だったのが気がかりであった。

    2
    投稿日: 2025.06.11
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    警視庁警備部の係長、三十代にして警部とうエリートコースに乗っていた主人公の柴崎令司が、不祥事を理由に綾瀬署に左遷させられる。捜査部門の経験が殆どないままいきなり所轄の総務部門にて奮闘する連作短編集。柴崎令司シリーズの一作目。 出世欲があり本庁への返り咲きを狙う柴崎のキャラは、正直共感しにくいしあまり魅力的ではない。だが、上司である捜査畑出身の助川副署長の元で、捜査のコツや面白さに気づいていく成長物語の様相がなかなか面白い。連作短編という形式のなので、柴崎は様々な事件に関わることで経験を積んでいく流れである。 本作の一編である『随監』は日本推理作家協会賞短編部門受賞作。

    1
    投稿日: 2021.07.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    警察小説でも、大事件は起きない。総務部門でキャリア官僚警察官を目指していた主人公が、上司のケツぬぐいで現場に立たされる、その現場で起こる日常事件を舞台にした、短編集。時系列かつ一つ一つの短編につながりがあるので、通しで読むと長編小説になっている。 横山秀夫や今野敏、笹本稜平、佐々木譲ら、警察小説の書き手は多々いるが安東能明作品は所読。この1冊自体は傑出した大傑作とは言えないが、手堅くまとめてきて読ませる予感、シリーズを通して読んでみたいと思える。今後に期待したい!

    0
    投稿日: 2020.10.20
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    短編集だけど、同じ主人公・背景ということで、なんか1時間の警察ドラマを見ている様。 結構重厚な書きっぷりなので、是非長編を読んでみたいな、というのが最初の感想。 警官の世界の「実は・・・」が結構散りばめられており、知らない者からすると面白かったりする。抜き打ち監査なんてやってるんやね。 主人公はある事件をきっかけに、スケープゴートにされ地方に飛ばされてしまうのだが、自分を飛ばした上司に対して虎視眈々と復讐を狙いながら、色々な事件を解決していく話。 全体的にモヤモヤとしてスッキリとしない話が多いけど、それだけに現実味があるのかな。巨大組織に属すことの悲哀みたいなのが、うまく書かれていると思う。 妥協・痛み分け・諦めに溢れた話が題名にも上手くリンクしている。なかなか秀逸なタイトルやね。 ただ最後の話くらいは、もう少し白黒を付けて欲しかったな。 え、そう終わるの!? と思ってしまった。 続編があるのかな?

    0
    投稿日: 2019.02.27
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    警視庁総務部から所轄の警務係に左遷された柴崎。事務方の彼が現場に直面し、「何故自分が」と内心悔しい思いをしながらも細かく捜査をしていくのは持って生まれた真面目さなのでしょうか。

    0
    投稿日: 2018.09.21
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    警視庁総務部に勤めるエリート警官の柴崎は、部下の拳銃自殺という不祥事の詰め腹を切らされ左遷される。虎視眈々と復権を狙う彼だが、所轄での経験を経て徐々に「警察官」へと変貌していく…。警察の内幕を描きながら事件の謎解きも楽しめる。横山秀夫を彷彿させる良本。今まであまり縁のなかった作者さんだが何冊か読んでみたい。

    0
    投稿日: 2018.08.17
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    総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。柴崎令司は三十代ながら警部であり、警視庁総務部で係長を務めつつ、さらなる出世を望んでいた。だが不祥事の責任を負い、綾瀬署に左遷される。捜査経験のない彼の眼前に現れる様々な事件。泥にまみれながらも柴崎は本庁への復帰を虎視眈々と狙っていた。

    0
    投稿日: 2018.05.31
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    よくある警察小説だろうと思って大して期待せず読んだけどすごくよかった。後から知ったが著者は鬼子母神を書いた人らしく、なるほどねーと納得。無骨だけど丁寧な描写で静かな怖さに趣のあるあの小説の人かー納得ーと。 本作は何がいいって主人公がクソ野郎で保身のことや自分の地位を損ねた男を貶めることしか考えていないのがいい。そして、著者の筆致は誰のこともえこひいきせず、公平に人間の汚さやどうしようもなさを描いている。そして、そんな人間がときに素晴らしいことを成し遂げるという希望があることも、大樹の幹みたいにごつごつとした文体で、さりげなく匂わせる。さりげないのがよい。誰も内心で正義を実現しようなんて思っていないのがよい。正義はあくまで結果として偶々実現されるにすぎないのだ。クール!他の作品も読みたくなった。ミステリの短編集で久々のヒット。しょうもないやつばっか読まされた自分に短編の神が微笑んだ。

    0
    投稿日: 2018.05.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    評価は3. 内容(BOOKデーターベース) 総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。柴崎令司は三十代ながら警部であり、警視庁総務部で係長を務めつつ、さらなる出世を望んでいた。だが不祥事の責任を負い、綾瀬署に左遷される。捜査経験のない彼の眼前に現れる様々な事件。泥にまみれながらも柴崎は本庁への復帰を虎視眈々と狙っていた。日本推理作家協会賞受賞作「随監」収録、あなたの胸を揺さぶる警察小説集。

    0
    投稿日: 2017.12.08
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    警視庁総務部のエリート、柴崎は、不祥事の責任を負い、所轄の綾瀬署に異動させられる。 綾瀬署での様々な事件の中で、果たして、本庁に異動できるのか。 警察官を主役にした短編ミステリー集。

    0
    投稿日: 2017.10.04
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    初読の作家さん。外向きではなく警察内部の話。派手な事件や殺人がないのにかなり面白く読めた。柴崎さん、どこかのシリーズのあの方の様に、管理職に収まっているより断然現場で活躍するタイプとお見受けいたします!個人的には助川さんのファンになりました。シリーズものらしいので、次も読まなくちゃ。

    0
    投稿日: 2017.06.19
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    短編集。 出世コースに乗っていたはずなのに理不尽な理由で左遷させられた柴崎。 現場で必死に働く刑事たちをどこか見下しているような柴崎が、実際の事件に向き合い変わっていく。 警部補に昇進したとき、警察学校で教壇に立っていたのが左遷先の綾瀬署で副署長をしている助川だ。 彼に連れられ自殺かと思われる現場へと向かう。 警察にもいろいろな部署がある。 実際に捜査にあたる現場の刑事たち。 本部に詰め、捜査の方向性を見極める管理職。 事務系の仕事に明けくれる警察官。 ふと感じた疑問を柴崎が助川に告げたことから、事件は大きくその様相を変えていく。 最初は自殺かと思われたものが、結局は殺人事件だと認定される。 助川ではないけれど、もしかしたら柴崎には刑事としての資質があるのでは?と思ってしまう物語になっていた。 協会賞を受賞した「随監」は、本当の正義とはどんなものなのか、わからなくなってしまう物語だった。 法律に照らしあわせれば刑事罰を与えるほどのことではない。 けれど、些細なことの積み重ねがどれほど人を苦しめるのか。 ずる賢く立ち回り、確信犯的に悪事を働く人間をなぜ法律が取り締まることができないのか。 そんな矛盾は、もしかしたら社会にはたくさんあるのかもしれない。 広松の行為はけっして褒められたものではないだろうが、それでも広松のような警察官がいてくれたら…と思ってしまう。 杓子定規に法律に縛られるのではなく、地域のため、住民のために動くことができる警察官。 それはもう、ドラマや物語の中にしかいないのかもしれないけれど。 出世することで頭がいっぱいだった柴崎が、どんどん人間らしくなっていくところが物語の魅力だった。 柴崎を主人公にした物語がまだあるらしい。 ぜひそちらも読んでみたい。

    1
    投稿日: 2017.04.01
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    誤ってシリーズ最新巻をそうと気付かず買ってしまったため、シリーズ1巻を購入。最後まで物語の方向性に悩んだ。出世競争に目をぎらぎらさせ、現場を侮る主人公が、他人の復讐に巻き込まれ左遷される。異動先の綾瀬署で警部として初めて捜査らしきものに加わることになり、少しずつ現場の面白さに目覚めていく話……なのだと思うが、分かりにくい。

    0
    投稿日: 2017.03.22
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    普通の警察ものとは違いますね。 横山秀夫より、主人公が人間臭い。 あと、物語の面白さがえって二転三転したりする感じはいいですね。

    0
    投稿日: 2017.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    派手なアクションや操作はまったくなく、主人公が正義の塊というわけでもない。が、本庁へ返り咲きたいという人間くささ、欲と、綾瀬署管内で起こるいくつかの事件の行く先が気になり、一気に読める。事件ごとの短編なのもいい。シリーズを読破しよう。

    0
    投稿日: 2017.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もっと警察内部の政治ゲームのお話かと思いきやショートストーリーメインな感じで中田との決着も中途半端で残念

    0
    投稿日: 2016.08.08
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    これを読んではっと思ったのは、管理部門とかだと警察の人でも捜査とかに関わらないんですね。警視庁の人なんて言われたらそういう事にみんな1回位関わっていると勘違いしそうです。エリートだったのに左遷でそういう部署に飛ばされたら、周りからは使えない奴めなんて言われて悔しい思いしてしまうのでしょう。どんな業種でも現場と事務職の軋轢っていうのはありますですね。 この主人公正義の味方でも悪党でもなく、ひたすら組織の中でもがいて自分の立ち位置を模索する様が何とも人間的で、僕的にはかなり良い作品だと思いました。 主人公が自分を陥れた同僚上司たちに一矢報いようと、正規の方法では無く弱みを握ろうと画策しますが、現場の空気を吸う事によって、次第に考え方が変わっていく描き方も自然で違和感なく読めました。 警察も人間の集まりだし、これ以上無い位に部署ごとの軋轢や思惑にまみれているだろうし、警察組織の内部事情と絡み合って色々なものが置き去りになって行くんだろうなとしみじみと思う本でした。

    0
    投稿日: 2015.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公がいきなり責任を押し付けられて左遷される場面で幕を開ける。さらに、警視庁へ戻るために、上司への復讐を胸に秘めて、所轄署で仕事を通して出会う事件の裏側に悪戦苦闘するという意外な展開に、驚いた。第63回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した「随監」も展開が面白いが、全7編が繋がった長編のように感じられる点が面白かった。

    0
    投稿日: 2015.03.01
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    何とも、変わったキャラクターの、短編連作警察小説であることか。 何しろ、現場が嫌、事務部門が好き、という警察官が主人公なのだから。 バリバリのエリートだった主人公は、陰謀により所轄に移動させられる。そこでは、否応なしに事件に遭遇し、いやいやながら捜査に携わっていく。 今後、刑事魂に目覚め、活躍するのか、あるいはまた、本人が望む本庁の職場に復帰できるのか、次回作以降が楽しみ。

    1
    投稿日: 2014.10.17
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    掲題の短編から、意表を突くような、 引き込まれる展開になっているが、 その後も主軸はありつつ、進んでゆく。 綾瀬署に異動してからも、周囲のサポートを得つつ、 捜査とは違うのだろうが、そういう能力を身につけてゆく。 ただ、あまりにも自然にできすぎて、 そこに違和感を抱かざるをえない。

    0
    投稿日: 2014.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最近流行りの、管理部門所属の警察官が主人公の作品。 それとやっぱりはやりの、警察の裏の側面を描いています。 警察もお役所なので、色々とはあると思いますが、 何だかなぁと思うのも確か。 あんまり出世出世という、警察官僚もねぇ。 タイトルの「撃てない警官」と言うのは、 事件発生時にビビって撃てないという意味ではないことを 物語終盤に、やっと気が付きました。 鈍い(苦笑)。 一応、最終的には、 主人公の目的の半分は達成した様な 状況になっていますが、残り半分は? それと、義父のサークサイド疑惑?

    0
    投稿日: 2013.07.21
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    若くして警部になった警視庁総務部の柴崎が主人公の短編集。 ミステリとしては全然面白くない。簡単に分かる。 警察組織内の人間関係を描くものとしてもイマイチ。 リアリティを追及したのかもしれないけど、 現実の面白くない部分ばかりが描かれている感じ。 この作家さんを読んだのは初めてだったけど、 もう読まないかなー。

    0
    投稿日: 2013.06.05