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赤と黒(上)(新潮文庫)
赤と黒(上)(新潮文庫)
スタンダール、小林正/新潮社
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総合評価

71件)
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20
18
3
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    王政復古後に生まれた野心と自尊心溢れる青年ジュリヤンが、持ち前の知性を活かして地元ヴェリエール、のちにパリの社交界へと進出して「フランス風の」恋愛に翻弄されるアバンチュール作品 出世に向けての計画と人間関係とが葛藤している様が非常に人間的で良かった フランス革命時代、「三十六歳で将軍になれ」たフランスと、貴族と聖職者が支配する当時のフランスとのギャップで苦悩しながらも天性の才能でのし上がっていくものの、恋愛に翻弄されて罠にはまり自尊心を保ったまま運命を選ぶというのが退廃的な当時は勇ましくみえたんだなぁ、と感慨深くなった ジュリヤンが、若者の身ながら立身出世しようとレーナル夫人や社交界の手合いと関わっていくうちに、確かに自身の才能で手玉に取れる時もありつつも、やはり大人たちの権力や繋がりには勝てず、内心で葛藤し悩んでいく様がなんとも痛ましく心動かされた 当時のフランス社会や情勢について知らないと「?」マークが飛び交うことになるだろうから、市販されてる世界史の資料集やネットのサイトなど見て調べつつ読むのがいいだろう

    0
    投稿日: 2025.01.02
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    2024年12月5日、YouTubeで横山英俊さんとデヴィ夫人のコラボ動画「戦後の幼少期に一大決心れスカルノ元大統領との結婚生活の裏に秘められたバイブルの一節とは」のなかで、デヴィ夫人が子供時代に読んでた本として紹介されたうちの一冊。 「レナール夫人になりきっていた」

    0
    投稿日: 2024.12.08
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    難しい話でした。 二人のいけない恋愛が周囲をも巻き込んでいく。どの時代も感じることは大きくは変わらないんだと思った。 下巻も読みたい。

    0
    投稿日: 2024.05.31
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    フランス革命ののち目まぐるしく変わる政情の中で、軍人から聖職者を目指す若く美しい青年。 野心家というか自尊心の塊というか。 貧しい製材屋に生まれ、この貧しさから抜け出したいと思いナポレオンを心の支えに生きていた。 時代はレミゼラブルと少し重なる。ABCカフェにいた若者達にどこか似ている。

    0
    投稿日: 2023.10.22
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    読んでみないと、ちゃんと最後まで読まないと、その凄さがわからない、この一言に尽きる。 長いし、時代的背景が詳しくないから、読むのに時間がかかったが、後半まで読むと、読みながらすでに再読を検討していた。よくいる面白いか、面白くないかで評価するような人には到底理解出来ないとは思う、そんなすごい作品だった。やはり、さすが、名著ってやつ。

    1
    投稿日: 2023.07.02
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    Red - the blood of angry men! Black - the dark of ages past!  ミュージカル「レ・ミゼラブル」の「Red and Black」という歌を聴いて、「そういえば『赤と黒』という小説があったなあ」と。地元の図書館の文庫本コーナーに昔からずっとある(いつも誰も借りていない)古典の一つだ。 作者はフランスのスタンダール。 1783年生まれ。若い時、ナポレオンの遠征軍に参加し、その後のナポレオン帝政、ナポレオン失脚後の王政復古の時代を生き、この小説が出版されたのは、1830年の7月革命の直後だった。ちなみにヴィクトル・ユゴーが「レ・ミゼラブル」を出版したのは1862年で、これより約30年後だ。 主人公、ジュリアンはフランスのジュラという田舎町の材木屋の19才の末息子である。少年期に大革命を経験し、革命政府の持つ共和主義の理想に共鳴し、人権と自由を旗印とする革命軍に参加し、ボナパルトと共に欧州の野を東奔西走してきた世代である。その後、ナポレオン帝政が敷かれたが、帝政と言っても有能な人物には出世の道が開かれ、「36歳で将軍になる」ことが出来た。 しかし、1814年にナポレオン帝政が崩れると、ルイ18世がブルボン王朝正統の君主として、フランス国王となった。王政復古である。これによって、再び台頭したのが、貴族階級と聖職者階級であり、彼らと共和派及びボナパルト派は憎しみあった。 ジュリアンは「36歳で将軍になる」ような夢を絶たれ、彼のような階級が目標と出来るのは聖職者になって出世するか、パリなどの都会へ出て、美しい女性と色恋沙汰に耽るかぐらいになった。 そしてジュリアンは信心など全く無かったが出世のために聖職者になろうとし、地元の司祭からラテン語を教わると見る見るうちに上達した。 彼のラテン語の能力を見込んで、地元の町長の家の子供達の家庭教師として雇われた。ジュリアンにとっては町長のような貴族階級も聖職者も本心では軽蔑していたが、その家のレナール夫人が彼のことを好いているのを知って、「義務だと思って」誘惑したところ、お互い本気の恋に落ちてしまった。  やがて彼らの恋愛を密告され、ジュリアンは、ブザンソンという街の神学校に入れられてしまった。  神学校に入ったジュリアンは自分は優秀だと思っていたのだが、そこでは成績が一番であってはならないのだった。聖職者の世界は王政の元にあり、王はローマ法王から現世の治世を預かっている人だからというので、いかに「キリスト教」の知識が深いかということよりも、王政の中で逆らわずにいるかということが聖職者として出世する道だったのだ。  そして、たまに食事の時に出るソーセージのようなささやかに贅沢な食べ物にもジュリアンは喜ばなかったが、仲間の神学生は「神学校にいるだけでパンが食べられる」貧しい百姓の息子が多く、「教会や国王の権力」に何の疑問も持たない育ちの人ばかりであるということに気づかされた。  この後、ジュリアンは神学校を出て、パリに行くことななったのだが、その前にレナール夫人の所に会いに行った。大胆にも夫人の部屋に梯子をかけて。どうなることやら。  初めのころは、フランスの王政復古時代に限定された歴史小説だと思って読んでいた。がだんだん読み進むにつれ、いつの時代でも何処の国でも変わらない、若者の野心、それを実現するために社会環境によっては「本心を隠して上手く立ち回る」若者の姿、恋に陥ってしまう環境とタイミングなど、その頃の読者を意識しつつ、今の時代にも通用する重厚でありながら大衆的な19世紀の“社会派”“恋愛小説”なのだと分かってきた。 でもそれにしても長いな。 やっとのことで読み始めたのだから、下巻も頑張ろう。

    57
    投稿日: 2023.07.01
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    「これは一体、何ジャンルなんだ…?」と最後までよくわからないまま読み終えた。 若き家庭教師のジュリヤンとレーナル夫人の不倫を描いた恋愛小説かと思えば、ジュリヤンの神学校での生活を描いてみたり、とにかく今の自分の理解の範疇を超えていた。 あと、個人的にはジュリヤンの高飛車レベルにちょっとついていけなかった。現実世界にいたらこんなプライド高い人絶対めんどくさいし、関わりたくない。笑 下巻を読むかどうかすごく迷ってるけど、読んでみたらこのジュリヤンのイメージも何か変わるんだろうか。

    2
    投稿日: 2023.04.06
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    ナポ1敗北。ルイ18復古王政。シャルル10、王党派貴族を優遇。昔の絶対王政・貴族の息苦しい時代に逆戻り▼貧しい若い男ジュリアン。身分は低いが、いつか出世したい。頭はいい。町長の家に家庭教師として雇ってもらい、そこの夫人と不倫。「高貴で美しい女を手に入れた」▼家庭教師を辞めさせられたジュリアンは神学校に入学。そこの神父の紹介でパリの侯爵の秘書になる。侯爵の娘と結婚の流れに。玉の輿成功かと思われたが、町長の夫人(前の愛人)が侯爵に「こいつはひどい男」だと告げ口。「彼は、うわべはいかにも無欲な顔をしながら、か弱い不幸な女を誘惑し、一家の財産を手に入れようとする偽善者です」。結婚の話はなくなる。ジュリアンは夫人に発砲する。ジュリアン逮捕▼裁判。ジュリアン「陪審員の皆さん、あなたたち上流階級は、下層階級で貧困に苦しみながら教育を受けて上流階級の社交界に入り込もうとする若者の気力をくじこうとしている」。毅然とした態度を示すジュリアン。陪審員たちの心象を害し、死刑に。享年23歳▼身分の低い者が身分社会に挑戦して破滅。赤は共和主義/貧しい男、黒は復古王政/貴族。スタンダールStendhal『赤と黒--1830年年代記』1830 ※「スタンダール」はペンネーム、本名マリ=アンリ・ベール 〇ジュリアン・ソレル。男。20歳。貧しい家に生まれる。出自が卑しい。父は材木屋。美貌と才知。ラテン語が読める。野心家。ナポレオンを崇拝。貴族に反感・劣等感。タルテュフ(偽善者)を自称。 ●レナール。男。町長。王党派。平民・ジャコバン派が嫌い。 〇レナール夫人。30歳。美人。貞淑・無垢。ジュリアンと不倫。ジュリアンに発砲されるも、一命を取り留める。ジュリアン処刑の3日後に死去。 ●ヴァルノ。レナールのライバル。 〇エリザ。レナール家の召使。ジュリアンに恋心。 〇フーケ。ジュリアンの親友。材木商。 〇ピラール神父。神学校の校長。キリスト教異端派。 ●ラ・モール。侯爵。パリの貴族。大地主。ジュリアンを秘書として雇う。 〇マチルド。ラ・モール侯爵の娘。美人。プライドが高い。ジュリアンと恋に落ち、ジュリアンの子を身ごもる。 ファブリス。青年。ナポレオンを崇拝し、ワーテルローの戦い(1815)に参加するが、活躍できず負傷。これを反ナポレオンの兄に告発され、逃亡。叔母のコネで、僧侶になる。ある日、ファブリスは旅の劇団の女優に恋。しかしその女には男がおり、争いになってファブリスは男を刺し殺してしまい、パルムの監獄に収監される。ファブリスは監獄長官の娘クレリヤに恋。パルム公国で新大公が就任すると、ファブリスは罪を免除され出所、高位聖職者になる。ファブリスはクレリヤ(既婚)と密会を続け、クレリヤとの間に子供ができる。が、子供は死んでしまい、クレリヤは不倫の罪に苛まれ死亡、ファブリスも絶望の中、僧院に隠遁するが、まもなく死亡。スタンダールStendhal『パルムの僧院』1839 〇ジーナ。ファブリスの叔母。パルム公国のサンセヴェリナ侯爵夫人。甥のファブリスに愛情。 ●パルム大公。サンセヴェリナに言い寄るがフラれる。ファブリスへの嫉妬から、ファブリスの刑を不当に重くする。牢獄にいるファブリスを助けようとサンセヴェリナはパルム大公を暗殺させる。 ※自分の無知の断片を盾にして、現実に抗議するのはよくない。 ++++++++++++++++++++ ゴリオ。男。老人。元パスタの製麺職人。安アパートで質素に暮らしている。同じ安アパートに住む貧乏学生ラスティニャック。今は貧しいが、いつか出世して華やかな上流社会の仲間入りをしたい▼ゴリオには金持ちの男と結婚した2人の娘がいる。きらびやかなパリの社交界で生きる娘たち。何かとお金がいる。普段はゴリオに冷たい娘たちだが、金に困ると父ゴリオを訪ねて、おべっかを使い、金をねだる。娘たちを溺愛するゴリオは、娘たちの願いならと、金を工面し続けていた。やがて金が尽き、それを2人の娘に伝える▼ある日、ゴリオが心臓発作で倒れる。死の淵をさ迷うが、娘2人は見舞いにも来ない。ゴリオ「忙しいのだろうか、眠っているのだろうか、あの子たちが来ない。いや、あの子たちが来るわけがない。そんなことはずっと前からわかっていた。ただ信じたくなかったんだ」。ゴリオは涙で両目がいっぱいになる。ゴリオ、息を引き取る▼ゴリオと同じアパートに住む貧乏学生ラスティニャックは、役所にゴリオの死亡届を提出、粗末な棺を格安で手に入れる。ミサはお金がかかるので、司祭に安価な祈りをしてもらうことに。ゴリオは埋葬された。娘たちは来ない。代理の使用人が来ていた。司祭が貰った金額の分だけ、ゴリオに短い祈りを唱え終ると、使用人とともに姿を消した。墓掘り人がゴリオの棺にシャベルで土をかけると、「チップをくれよ」と言ってきた。貧乏学生ラスティニャックはポケットを探ったが、空っぽだった。猛烈な悲しみが込み上げてくる。辺りはすでに暗く、高台からパリを見下ろすと、街の灯がきらきらしている。社交界が息づいている。ぶんぶんうなりをあげるミツバチの巣のような世界。ラスティニャックは叫ぶ「今度はおれが相手だ」。オノレ・ド・バルザックBalzac『ゴリオ爺さん』1834 ※メゾン・ヴォケール。ゴリオの住む安アパート。 ※悲劇の父親ゴリオ。リア王との比較。 〇ラスティニャック。貧乏学生。安アパートの住人。ゴリオの次女デルフィーヌ(人妻)に恋。 ●アナスタジー。ゴリオの長女。夫の所有する宝石を売って、金を自分の愛人に貢いでいる。 ●デルフィーヌ。ゴリオの次女。派手好き。浪費家。 〇ヴィクトリーヌ。ラスティニャックに恋。資産家の娘。兄がいる。 ●ヴォートラン。悪党。脱獄犯。金がほしい。目的のためには手段を選ばない。ラスティニャックを悪の道に引込もうとする。資産家の娘ヴィクトリーヌの兄を殺し、財産をヴィクトリーヌに相続させ、奪い取ろうと画策するが失敗・逮捕。 アンリエット。伯爵夫人。ある日、舞踏会で若い青年フェリックスに出会い、次第に惹かれていく。しかし、アンリエットは夫と子供がある身、情熱よりも貞節・徳を優先。成就しない恋に思い悩みながら病死する。オノレ・ド・バルザックBalzac『谷間の百合(ゆり)』1835 ※うち解けすぎると尊敬を失い、気安くしすぎると馬鹿にされ、むやみに熱意を見せると食い物にされる。 *バルザック。登場人物を別作品で再登場させる手法。 ++++++++++++++++++++ エマ。貧しい農家の娘。贅沢な暮らしや情熱的な恋に憧れている。エマはシャルル・ボヴァリーというさえない開業医の男と出会い、結婚・出産。しかし、シャルルは平凡な男。結婚生活は退屈。憂鬱な日々。刺激がほしい。ある日、将来有望そうなレオンという男子学生に出会い、惹かれていく。が、レオンは勉学のため、パリへと引っ越してしまう。しばらくすると、エマはロドルフという女好きの金持ち男に出会い、肉体関係をもつ。エマは男に「一緒に駆け落ちしてほしい」と言うが、断られてしまい、男からフラれてしまう。ある日、エマはオペラを見に行くと、偶然、昔好きだった男子学生レオンに再会。エマは夫や娘をほったらかして、レオンと頻繁に会うようになる。さらに、贅沢品や高価な服を買うために借金を重ね、ついに首が回らなくなる。何をやっても満たされない。わたしは不幸な女。絶望の中、エマはヒ素を飲んで自殺▼エマの死後、夫シャルルは妻にロドルフという男がいたことを知り、呆気にとられ立ち尽くす。ある日、町でばったり妻の不倫相手ロドルフに会ったシャルル。シャルルの顔は紅潮し、小鼻は素早くひくつき、唇は震え、暗い激怒をたたえながらロドルフをにらむ。が、やがてシャルルの顔は陰気で無気力な表情を見せ、ロドルフに言った。「あなたを恨んではいません」。シャルルは、エマを心底愛していた。彼女はもういない。ある日、シャルルの娘がシャルルを夕食に呼びに行くと、シャルルが地面に倒れている。息をしていない。その手には、エマの遺髪が握られていた。ギュスターヴ・フロベールFlaubert『ボヴァリー夫人』1857 ・最高の口づけが唇に残すものは、さらなる逸楽を求める叶わぬ欲望。 ・偶像に触れてはならない。金箔がはげて手に残る。 フレデリック・モロー。青年。人妻マリー・アルヌーに一目惚れ。求愛するも失敗し、夢破れる。ギュスターヴ・フロベールFlaubert『感情教育』1869 このくだらない世の中で、笑いほど真面目なものはない。フロベール ++++++++++++++++++++ レベッカ・シャープ。通称ベッキー。女。身分が低く、貧しい。才知。色んな男に言い寄り、肉体関係をもち、社交界でのし上がっていく。が、最終的にすべてを失い破滅。サッカレー Thackeray『虚栄の市きょえいのいち』 ・世界は鏡である。しかめ面をすれば、それはこちらをにらみつける。笑いかければ、こちらに笑いかけてくる▼成功は滅多になく、ゆっくりと訪れる。破滅はたやすく、あっという間に訪れる。 上機嫌は社交界に着ていける一級品のドレスである。サッカレー『洋服仕立てと化粧について』 難しいのは信仰のために死ぬことではない。信仰に従って生きることだ。サッカレー『ヘンリ・エズモンド』 笑い方を知らない人は尊大で自負心が強い。サッカレー ++++++++++++++++++++ オリヴァー・ツイスト。少年。孤児。9歳。地方の孤児院でいじめられている。ある日、孤児院を逃げ出し、ロンドンへ。優しい紳士ブラウンローに出会い、引き取られ、幸せに暮らす。チャールズ・ディケンズDickens『オリヴァー・ツイスト』1838 ●フェイギン。ロンドンの泥棒。おっさん。貧しい少年たちを集めて窃盗団を組織。オリヴァーを誘拐し、悪の道に引込む。狡猾。猜疑心。シャイロック(『ベニスの商人』)と同じユダヤ人。絞首刑に。 ●アートフル・ドジャー。少年。スリの天才。フェイギンの窃盗団の一員。 ●サイクス。プロの強盗。おっさん。フェイギンの仲間。いつも犬(ブルズアイ)をつれている。裏切ったナンシーを撲殺し、警察に追われている途中に事故死。 〇ナンシー。サイクスの女。娼婦。フェイギンの下で働く。良心の人。オリヴァー誘拐に加担したことを悔やみ、紳士ブラウンローにフェイギンやサイクスの悪事を密告。それを知ったサイクスにより「裏切り者」として棍棒で殴り殺される。 ※背表紙や表紙のほうがはるかに優れている。そんな本がある。 エベニーザ・スクルージ。老人。金貸し。ケチ。貧乏人に1ペニーも寄付したくない。口癖「ばかばしい(Bah! Humbug!)」。クリスマス前夜、精霊が現れて、スクルージに悲惨な過去、現在、未来を見せ、スクルージを改心させる。愛よりも金を優先して最愛の人を失った過去。貧しいながらも生きる人々の姿(現在)。自らの悲惨な未来。チャールズ・ディケンズDickens『クリスマス・キャロル』1843 ※ロンドンの下町 〇ジェイコブ・マーレイ。昔、スクルージが一緒に会社を経営していた男。7年前に死亡。(鎖につながれた)亡霊としてスクルージの前に現れる。 〇ボブ・クラチット。スクルージの会社の事務員。薄給で働いている。 ※映画「ミッキーのクリスマス・キャロル」(1983) デイヴィッド。男。色々な経験をして、作家として成功するまでの話。母が再婚(しかもやな男と)、大好きな母が死亡、学校で体罰を受ける、待遇の悪いバイト、旅の途中で身ぐるみを剥がれる、結婚した妻が早世、チャールズ・ディケンズDickens『デイヴィッド・コパフィールド』1849 テレーズ・ドファルジュ。パリで酒場を経営する中年の女。小さい頃、姉を貴族に殺され、貴族に深い恨みを持っている。やがて、フランス革命が始まり、民衆による貴族階級への集団リンチ("報復")が始まった。テレーズの姉を殺した貴族を叔父にもつチャールズ・ダーニーは、外国(英)に移住("逃亡")したとして逮捕・裁判にかけられた。テレーズは法廷でダーニーの叔父が農民の娘を誘拐して強姦した証拠をつきつける。判決の結果、ダーニーは翌日の午後にギロチン処刑されることに。テレーズはさらに、ダーニーの妻ルーシーとその幼い娘も殺そうと画策し始める▼それを聞きつけたシドニー・カートン(ルーシーに片想いする酒浸りの英の弁護士)は、ルーシーにすぐに仏から英へ逃げるよう伝える。さらにカートンはダーニーが収容されている独房に行き、ダーニーを独房から逃がすと、身代わりとしてダーニーになりすます。ギロチンで処刑される直前、カートンはつぶやく「ルーシーとその夫が人生の旅を終え、土のベッドで並んで横たわる姿が見える。これから行くところは素晴らしい安らぎの地だ」。チャールズ・ディケンズDickens『二都物語』1859 ※旧体制を壊してのし上がった新たな抑圧者たちは、報復の刑具(ギロチン)で滅び去るだろう。 家族愛の中に祖国愛が芽生える。ディケンズ『骨董品』 ++++++++++++++++++++ フレスタコフ。貧しい小役人。見栄っ張り。ある田舎町で(行政の腐敗を調査する)検察官になりすます。腐敗しきっていた田舎町の市長と役人たちは、悪業を見のがしてもらおうと、「検察官」に扮したフレスタコフをちやほや。フレスタコフは賄賂をたんまり貰って、姿をくらます。その後、本物の検察官がやってきたが、時すでに遅し。市長と役人たちは驚きのあまり、黙ったまま立ち尽くす。ニコライ・ゴーゴリGogol『検察官』1836 ※自分の面が曲がっているのに、鏡を責めて何になろう。 ※君たちは何を笑っているのだ、自分で自分を笑い飛ばしているのに気づかないのか。 コワリョフ。下級公務員。ある朝、起きたら自分の鼻がなくなっている。鼻を探していると、教会に入っていく鼻を見つけ、声をかけるが人違いだと言われる。しばらくして、鼻は見つかり、元通り顔につく。ニコライ・ゴーゴリGogol『鼻』1836 美しい女のもつ精神的欠陥は、嫌悪の情をもよおさせるが、魅力的である。ニコライ・ゴーゴリGogol『ネフスキイ大通』1842 チチコフ。詐欺師。ロシアでは戸籍調査は数年に一度しかないため、ある年に死んだ農奴がいても、次の調査までは生きていると見なされ、地主は人頭税を支払わなければならない。そこで詐欺師チチコフは金儲けを考える。まず地主たちが抱えている「死んだ農奴たち」を書類上、買い集める。次に安い土地を買って、そこに「死んだ農奴たち」を「移住」させる。つまり、本当は誰もいない荒れ地だが、書類上は農奴たちが作物を生産する価値のある土地に仕立てあげる。そして価値のない土地を担保に国から大金を借りる。しかし、チチコフの計画はバレてしまい、逮捕される。ニコライ・ゴーゴリGogol『死せる魂』1842 ※未完、プーシキンの弟子 中部ロシアの農民たちの生活。イワン・トゥルゲーネフ『猟人日記』1847 ルージン。男。理想主義者。真理・自由・美、崇高な理想を語る。地主の娘ナターリヤと恋仲になる。が、モスクワからフランスに渡り、二月革命をパリの労働者と共に戦い、バリケードの上で死ぬ。イワン・トゥルゲーネフ『ルージン』1856 女の愛を恐れよ。この幸福を、この毒を。イワン・トゥルゲーネフ『初恋』1860 エヴゲーニイ・バザーロフ。医師を目指す青年。何者も尊敬しない。何事も批判的見地から見る。いかなる権威の前にも頭を下げない。いかなる原理も、そのまま信条として受け入れない。目下、否定がもとっとも有益だ。科学こそ万能、神を信じていない。科学者は詩人よりも20倍役に立つ。人間はいかなる道徳的・社会的制約からも自由だと考える。ニヒリスト。神・伝統を神聖なものとして崇めている親世代を軽蔑している。ある日、バザーロフはある未亡人の美しさと知性に強く惹きつけられ、「恋愛なんぞ虚しい」というニヒリストとしての考えが揺らぐ。バザーロフは病床に臥し、両親への愛情を吐露し、息を引き取る。イワン・トゥルゲーネフTurgenev『父と子』1862 ●パーヴェル。バザーロフの叔父。貴族趣味。バザーロフと意見が衝突。 〇ニコライ。バザーロフの父親。 〇アルカージイ。バザーロフの友人。パーヴェルの息子。 〇オジンツォーワ。未亡人。美人。 ※青春は過ぎてしまったが、老年はまだ訪れていない。希望に似た哀惜と哀惜に似た希望の時期。人生のうす暗い黄昏。 ++++++++++++++++++++ 自分が不幸なとき、他人の不幸をより強く感じる。ドストエフスキー『白夜』1848 人間とは、いかなるものにも馴れる動物である。ドストエフスキー『死の家の記憶』1860 人間には逆境をあえて熱愛するときも確かにある。ドストエフスキー『地下室生活者の手記』1864 ラスコーリニコフ。23歳。大学で法律を学んでいたが、学費滞納で除籍処分に。粗末なアパートに住んでいる。貧乏。家賃は滞納。ぼろぼろの服。自分の殻に閉じこもり、世間から孤立。夢うつつで、ぶつぶつ独り言▼ラスコーリニコフ、ある金貸しの婆さんに怒りを覚える。意地悪で狡猾。他人の命を食い物にして。社会に有害。除去しなければならない。そうだ、婆さんを殺して金を奪おう。その金で、人類全体に奉仕する共同事業を始めるんだ。たったひとつのちっぽけな命と引き換えに、何千という命を救えるんだ。婆さんの命なんて社会の秤(はかり)にかけたら、しらみ・ごきぶりの命がいいところだ▼ラスコーリニコフは計画通り、金貸しの婆さんを斧で殺害、血の海、金を奪う。婆さんの妹に犯行現場を見られてしまったため、その妹も殺害。ラスコーリニコフ、逃亡。しかし、罪の意識に憑りつかれ、心を病んでいく▼殺人事件の犯人を追う判事ポルフィーリーはラスコーリニコフの「非凡人は法に縛られない」という考えに興味を持ち、ラスコーリニコフに問う。「しかし、凡人が自分は"非凡人"(特別な人間)だと勘違いして、勝手なことをやりだす可能性もあるわけですね」▼娼婦ソーニャ。自分を犠牲にして、家族を養っている健気な娘。信心深い。キリストが死者を蘇らせる話「ラザロの復活」を聞かされる。ラスコーリニコフは娼婦ソーニャの姿に心動かされ、警察に自首。シベリアの刑務所で8年の刑期を送る。苦悩により罪が償われ、復活への道が開かれんことを。フョードル・ドストエフスキーDostoevsky『罪と罰』1866 ※苦しみと悩みは、偉大な自覚と深い心情の持主にとって必然である。 〇アリョーナ。金貸しの婆さん。妹リザヴェータ。 〇ラズミーヒン。ラスコーリニコフの親友。 正義感。パラノイアに苦しむラスコーリニコフを心配。金貸し婆さん殺害の犯人を追うポルフィーリー判事の親戚。 〇ドゥーニャ。ラスコーリニコフの妹。金持ち弁護士ルージンから求婚される。ラスコーリニコフは「ルージンは金に賤しい男」だとして結婚に反対。 〇マルメラードフ。男。元役人。無職。居酒屋の飲んだくれ。馬車にひかれて死亡。ソーニャの父。 〇ペトローヴィチ。警察。金貸しの婆さんとその妹の殺人事件を調査。 〇ザミョートフ。警察。ラスコーリニコフに疑惑の目。 〇ポルフィーリー。判事。ラスコーリニコフの雑誌論文「犯罪論」について議論。 〇スヴィドリガイロフ。初老の紳士。妻は他界。ラスコーリニコフの妹ドゥーニャに求婚するも拒否され、自殺。 〇ソーニャ。娼婦をして家族を養っている。母は病気がち。父マルメラードフは飲んだくれ。ラスコーリニコフは母からの仕送りをソーニャに渡す。 人間は他人に騙されるよりも、自分で自分に嘘をつく。他人の嘘よりも自分の嘘を信じる。『悪霊(あくりょう)』1871 地主の成金カラマーゾフ家の当主が何者かに殺害された。犯人として浮かび上がったのは当主の息子たち3人だった。フョードル・ドストエフスキーDostoevsky『カラマーゾフの兄弟』1880 〇ミーチャ(ドミトリー)。長男。退役軍人。酒と女が好きで、激情家・直情的。反面、誠実・高潔を求め、シラーを愛読。財産をめぐり父親と対立。父親殺害の容疑で裁判にかけられる。無実だったが、抗弁せず、懲役20年の判決を受け入れる。 〇イワン。次男。理科大卒。知的。合理主義・無神論。神は存在しないので、人間は何をやっても許される。イワン自作の詩「大審問官」(神が存在するなら、なぜ世界は悪に満ちているのか)第2部第5編。兄の婚約者カチェリーナに恋。裁判で「自分が四男をそそのかして殺させた」と発言。 〇アリョーシャ。三男。純真無垢。温和。修道士。 ●スメルジャコフ。殺害された当主の愛人の子。使用人。てんかんの持病。父親から差別を受ける。自分が父親をしたと次男のイワンに告白し、自殺。 ●ヒョードル。父親。好色。強欲。愛人との子スメルジャコフに殺される。 ※人間は自分の姿や心に似せて悪魔を創り出した▼良心の自由ほど魅惑的で苦しいものはない▼民衆の中には忍耐強い無言の悲しみがある。 他人のために自分を忘れること。そうすれば他人はあなたを思い出してくれる▼金が何よりも卑しく厭(いと)わしいのは、それが人間に才能まで与えるからである。ドストエフスキー ++++++++++++++++++++ 戦争は醜悪である。もてあそんではいけない▼純朴と善良と正義こそ偉大▼この無限の空以外はみんな偽りだ▼ナポレオン戦争。ロシア貴族の没落。ロシア農民の力強く生きる姿。レフ・トルストイTolstoy『戦争と平和』 ※登場人物559人。 アンナ・カレーニナ。美人。教養。読書家。夫は冴えない俗物。夫婦関係は冷めている。ある日、青年将校の男ヴロンスキーと不倫、妊娠、夫と子供を捨て、外国へ駆け落ちする。しかし、愛人の男との関係は冷えていく。夫と子供を捨ててまで、本当の愛に生きるはずだったのに。アンナは鉄道に身を投げて自殺する。レフ・トルストイTolstoy『アンナ・カレーニナ』  〇リョーヴィン。男。地主貴族。キティに求愛、結婚。ささやかな幸福。 ※幸福な家庭は似通っているが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸である。 ※道を踏み誤った人間は、人間ではなく、神が罰する。 深く愛することのできる人だけが、深い悲しみを体験することができる。トルストイ『幼年時代』 自己愛は死の初めであり、神と万人への愛は生の初めである。トルストイ『読書の輪』 すべての人は世界を変えたいと思っているが、自分を変えようとは思っていない▼恋はロウソクの火▼逆境が人格をつくる。トルストイ ++++++++++++++++++++ ラインハルト・ヴェルナー。男。大好きだった幼馴染の娘エリザベートが、別の男と結婚してしまう。エリザベートは2度断ったが、母から結婚を強くすすめられ、仕方なく結婚したらしい。ラインハルトは、エリザベート夫婦から新居の家に招待される。そこで、過ぎ去った幼い日々の思い出を詩にする。湖のほとりを2人で歩いたこと。テオドール・シュトルム『みずうみ』1849 ※ドイツ ※トマス・マンのトニオ・クレーガーに影響を与える ++++++++++++++++++++ ※写実主義(realism)。現実をありのままに描く。

    1
    投稿日: 2023.03.20
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    60年前に桑原武夫訳(河出書房)で読んで以来の再読。後期高齢者になって読んでみて気づいたこと。①若い時読んだ文章はそのまま記憶に保存されている。当時何度も読み返したせいか、デルヴィール夫人の(この美少年、ほんとうにいけないまねをする!)とか、「まあ!かわいい小さな司祭さま」という料理番の娘のセリフとか。ということは、17,8歳の私はこの小説を恋愛小説として読んでいたのだ。②だから、パリの社交界の描写とか政治的陰謀とか地位や金を求めてのかけひきなんかはぼんやりとしかわからなかった。今、読んで気づいたことは、木挽き商のせがれジュリヤンの悩みや野心は60年前の日本でも田舎の有能な青年が抱えていたものと似ているということだ。みんな東京へ行きたがっていた。そこで成功して東京の才気煥発なお嬢さんと恋愛したがっていた。やがて田舎でも東京でも人間の本質は同じだと思い知らされるのだとしても。この小説が今でも心を打つものがあるとすれば、痛ましい青春の姿がありありと描かれているからではないかと思う。

    3
    投稿日: 2023.02.22
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    ジュリアンがレーナル夫人の手を掴むシーンを作之助さんが『青春の逆説』で取り入れてたので元ネタ読めて胸アツだった レーナル夫人チョロすぎて面白い

    1
    投稿日: 2023.01.21
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    スタンダールの代表作。フランス革命後から七月革命前までのフランスが舞台。成り上がりたいとの欲望に燃える主人公。

    1
    投稿日: 2022.06.04
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    才色兼備なジュリアン・ソレルは製材小屋の息子ながら野心家で、実力で成り上がったナポレオンを敬愛しており、赤(軍人)や黒(聖職者)として立身出世を目指していく。女心を弄び手段を選ばず踏み台にしていく青年の覚悟と若さ溢れる野心が好きです。

    1
    投稿日: 2022.03.08
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    誘惑、官能を前にしてもなお強いジュリヤン・ソレルの出世へのストイックさは、現代の人間にはなかなか理解し難いかもしれません。

    0
    投稿日: 2022.02.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    舞台はフランスのヴェリエールという町から始まり、出世したいという強い野心に燃える若者ジュリアンが、町長レーナルの子供達の家庭教師として雇われ、そこでレーナル夫人と出逢う。 年齢はジュリアンは十九くらいで、夫人は三十くらいで、さらに百姓の息子と貴族という大きな身分の違いがある。最初は野心から夫人を誘惑をしたのの、互いに激しい恋に落ちていくのであるが、そこで描かれる恋の駆け引きや言動で慌ただしく両者の立場が逆転する心理描写が面白い。 特に主人公の中にある野心と恋心と自尊心が頭の中で噴き上がったり沈下したりと忙しく、冷めたと思ったら愛し始めたりする。僕自身もそうだが相手の一つの動作や言葉が気になったり、魅力的に見えたり幻滅するのは皆もあるはず。そのあたりがジュリアンに共感できると思う。 何より、愛するというのは身分や年齢差なんて関係ないと思わせてくれる一冊だ。

    0
    投稿日: 2021.01.31
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    宝塚を観に行くために原作を読んでみた。 難しかった。 当時のフランスの歴史的背景や社会情勢、貴族や僧や平民の生活などを知らないと、理解できないことが多い。 急に物件が売りに出た話など、その出来事が何を意味するかがわからないくだりがちょくちょくあった。 それでもあまり深く考えすぎずにさらっと読むだけでも、そこそこおもしろい。

    1
    投稿日: 2020.03.02
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    読書会のプレゼント企画でいただいた一冊。学生時代以来、約20年ぶりの再読になる。ナポレオンに憧れて立身出世の野心に燃える青年が主人公なのだが、ページのほとんどを地方の名士の奥様である人妻相手に恋愛の駆け引きを楽しむ描写で費やしている。心理描写らしいモノが皆無に近い現代日本の小説に慣れていると、心内文の長い本作に面食らうかもしれないが、今でも一読の価値があると思う。

    0
    投稿日: 2019.07.19
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    ジュリアンとレナール夫人、ジュリアンとマチルダの恋愛が描かれるが、3人3様の心理が面白さの焦点。レナール夫人は子供が複数いるのに恋愛には初心で3人の中では一番純粋に相手を愛することができる人。マチルダは地位と金、若さと美しさ全てを持っているが退屈で持ってないのは幸せだけ、という人で、恋愛を人生ドラマの道具立てにして自分の中で盛り上がる人。ジュリアンは貧乏な平民の生まれのコンプレックスから自尊心を満たすために高いポジションの女性を征服することが動機となっているが、その時々で相手を愛する気持ちが生じて揺れ動く。200年近く前に書かれた小説としては、ジュリアンとマチルダの心理戦がきめ細かく描かれていて、ジュリアンが最期に冷めていくところなど古さを感じさせない。 赤と黒のタイトルについて。情熱の赤と人間を欲望で操作する力の黒、と私は思った。

    2
    投稿日: 2019.05.25
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    高校時代授業でタイトルだけは習った本。 フランス文学って恋愛至上主義だなぁと。 当時のフランスの歴史的宗教的背景が解らないと読みづらい。日本史選択の自分には難しく、世界史選択の兄に度々聞いたものの「世界史は世界史でも俺は古代ローマだから」と言われました。 そうか高校時代に読んでたら世界史の先生に色々聞けたのか!と閃くも、高校生じゃこの男女の機微と人間心理は絶対理解出来なかったな…人生はままならない。

    1
    投稿日: 2019.03.14
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    ナポレオンをひそかに敬愛する出世欲と潔癖さと情熱の溢れる若者の話。 スタンダールは名言集などでよく見かけたので読んでみた。 やはり最初のほうは取っ付きにくいが、後になって登場人物がへってきてからはスラスラ読めだす。 あっさりした描写だったけどたった一年で教え子に忘れられたジュリアンがなんかリアルでいやw

    0
    投稿日: 2018.12.01
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    (上下巻通しての感想です) 読みやすいか読みにくいかと問われれば、個人的には読みにくいほうの部類に入る作品です。 中盤以降のジュリヤンとマチルドのやり取りは読んでいて正直かったるかったですし、肝心な場面の描写がさらりと書き流されていたり、逆に似たような心理描写の延々記述が繰り返されていたりして、もしかすると現代の小説に読み慣れてしまっているせいかもしれませんが、読み手に対する配慮やサービス精神に欠ける印象を持ちました。 比較するのもアレですが、同時代のフランス人作家デュマの作品は相当読みやすかったなあと今更ながら感心しました。 ま、世界的名作らしいので、きっと私が読解できていない美点がわんさかあるのでしょうが、ひとつ間違いなく言えるのは、恋愛小説の体裁を纏った社会批評としてはなかなかよくできているという点です。 貧しい出自であるジュリヤンが、様々な駆け引きや誘惑、そしてありったけの情熱によって、レーナル氏やラ・モール侯爵から妻や娘を奪い取ってしまうところは、堕落した旧来の支配階層に対する痛烈な皮肉であり、一方であまりにも自由すぎたジュリヤンの最後は、過剰な自由主義の行き着く先を暗示しているように思えたのでした。

    1
    投稿日: 2018.09.30
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    フランス王政復古時代 ナポレオンの倒れた直後で 革命以来、ふたたび貴族が息を吹き返していた頃の話 製材小屋の息子ジュリアン・ソレルは 片田舎の少年にしてはかなりの美貌の持ち主であったが 末の息子であるゆえに、絶えず父親からの虐待を受けていた しかし非常に読書家だった ひとり学問を養いつつ、ひそかにナポレオンを崇拝していた 才能だけでのしあがる夢を見ていたのである そんな彼にチャンスのめぐってきたのは18だか19のころ 町長レーナルの家に、住み込みの家庭教師として雇われるのだが そこの夫人と恋におちたことで 街を訪れた国王の 臨時警備隊員に推薦してもらえる運びになったのだった

    0
    投稿日: 2017.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    サマセット・モームが挙げた『世界十大小説』のうちの一つ。そのうち読もう、と思って積読本棚に置き始めてから3年ぐらい経っちゃったので、さすがにボチボチ切り崩していかんといけんな、と思い、まずは上巻を読了。 フランス小説だからか時代背景がなせる業なのか、全編通じて語調が緩慢というか鬱陶しいというかネットリしてるというか。どう贔屓目に見ても、テンポよくグイグイ読める、というものではありません。 思い返すと、同じくフランス小説の『ゴリオ爺さん』や『異邦人』なんかも決して読みやすくはない文体なので、これは時代を問わずフランス文学の癖なのかもしれません。良く言えば登場人物の心の襞を細密に描写してるとも取れるし、悪く言えば話は盛り上がっているはずなのに文体が盛り上がらず、メリハリがなくて冗長、とも言えます。 舞台はとある片田舎、ナポレオン後の王政復古の時代。軍人に憧れつつも、時代の流れを考慮して聖職者としての立身出世を目指す聡明で美しい青年ジュリヤンが主人公。貧しい自らの境遇を打破して出世したいという権力への羨望と、それに対する嫉みやら恨みやら妬みやらが連綿と描かれます。 自身の出世のため、利用できそうな上流階級のご婦人を誑かし、しかし時を経ることで彼女への愛が本物となるなかで、とある事件により彼女の許に留まることができなくなってしまい、離れた町の神学校に通うことになる、といったあたりで上巻は終了。下巻に続く。 当時の下層階級の若者にとって、自らの力で社会的にのし上がっていくという野望は大きなものであり、それが故に既得権益層である貴族や聖職者への羨望と恨みが非常に激烈だったということが、頻繁に出てくるジュリヤンの独白から読み取れます。もはやまごうかたなき古典文学なので、ストーリーを楽しむというより時代背景を味わう、というスタンスで臨んだほうが読みやすいかもしれません(ストーリーもそれなりに面白いんですが、なんせ文章の技法として大きく盛り上がるわけではないので、淡々とした文章を淡々と読めるならまだしも、そうでもなければ何か「目的」を持ったほうが読みやすい)。 上巻でギブアップする人も結構いるようですが、なんか全体の雰囲気と古典西洋文学の傾向からして、下巻でジュリヤンは零落しそうな気がするので、その予測を心に留めながら下巻に進みたいと思います。

    1
    投稿日: 2017.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ジュリアン・ソレルがサイコパスで小説でしか味わえない面白さがあります。不倫というのは、「許されない」感じを覚えてから、なにか崇高な感じになってきます。神学校のなかとか、当時の政治とか、時代を超えても変わらない田舎の人間たちとか、そういったものも面白いと思います。下巻が楽しみです。

    0
    投稿日: 2017.03.04
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    大分時間がかかりましたが、やっと読み終わりました。自尊心が異常に膨れ上がった天才肌の美青年ジュリアンが、色恋とその自尊の狭間で命をすり減らし、最終的には自尊心が恋に優り、それゆえに犯した罪の元斬首される話。こんな書き方は全くあらすじではないですが、巻末にある当代の評論家がかいたその批評が、著者スタンダールの執筆意図をしっかりと言い当てています。  フランス革命の前後において、全く変わってしまったフランスの時代的情緒を描いた作品だということです。私個人としてはフランス革命を手放しで称賛することはできない立場ですから、大革命を前後したフランスの時代を描写した本作は、とても大きな印象を私に残しました。  もう一度じっくり読み返してみたいです。人間描写の巧みといいましょうか、それも含めて時代描写の傑作であると思います。 15.07.23 - 15.10.18

    3
    投稿日: 2015.10.19
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    名前は知ってるけど読んだことのない本がたくさんある。これもその中の一冊。父や兄から虐待され、暗い日々を過ごしていたジュリヤン。野心を内に秘め、町長レーナル家の家庭教師として潜り込み、僧侶となって出世しようと目論む。レーナル夫人を誘惑し、恋に落ち、愛と野心の間で揺れる主人公。途中から続きが気になりどんどんページが進む。読まれ続ける名作にはやっぱりそれだけの意味があるんだな。2012/369

    0
    投稿日: 2015.04.16
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    文句なしに世界の5本の指に入る恋愛小説である。どんどん昇進していく主人公のさまとともに大きな読みどころだ。愛ゆえの挫折と最後のシーンは他の作品にはほとんど見られない特上の終わり方だ。素晴らしい一級の素晴らしい不朽の作品である。

    0
    投稿日: 2015.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「だが、真の情熱は利己的である。」 製材小屋の子である主人公は、そのひ弱な肉体ゆえに父、兄からいじめられていた。しかし、その心には傲慢な野心が隠されており、いずれはナポレオンのもとで出世をしたいと願っていた。 ひょんなことから家庭教師として村長の家に住むようになり、その夫人を誘惑する。結果、踏み台のはずの夫人にはまり、神学校で学ぶことを余儀なくされた。出世のため、と言いつつ、最後まで冷静、冷徹でいられない主人公のもろさが、土壇場でその成功への近道を断つ。

    0
    投稿日: 2014.11.27
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    一度読んでみたかったスタンダール 文章がねちっこくてあまり楽しめず、上巻のみで断念しました 少し間を置いて、ガンガン進む物語よりもねちっこい文章をつらつら読みたくなったら下巻を手に取りたいと思います 過去に読んだ外国文学も「ねちっこい」印象だったのですが、外国語を翻訳するとそうなってしまうものなのか、たまたま好みの合わない翻訳だっただけなのか……

    0
    投稿日: 2014.08.05
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    天才的だがまだ若い 血気溢れるジュリアンはどこか 魅力的だった ジュリアンの傲慢なところ にシンクロするものを感じて 謙虚にならないとと思った

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    投稿日: 2013.07.15
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    貧民の身にありながらもナポレオンを崇拝し、類いまれなる頭脳と美貌を持つ少年ジュリアンがブルジョワ階級の家庭教師として雇われ、その覇道の第一歩として年上の夫人を誘惑しようとするが次第に恋に落ちてゆく話が上巻の中心。さすが恋愛大国フランスと言うべきか、飽くなき出世欲を持っているはずなのに、それをいとも簡単に投げ捨てて恋の情熱に己の身を捧げてしまうのは恐ろしくもまた魅力的である。ここで描かれるのはつかの間のロマンスであると同時に決して叶わないすれ違いであり、それこそが絶望的なロマンティシズムの美学なのだろう。

    0
    投稿日: 2013.03.25
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    (1966.03.31読了)(1964.08.29購入) 内容紹介 製材小屋のせがれとして生れ、父や兄から絶えず虐待され、暗い日々を送るジュリヤン・ソレル。彼は華奢な体つきとデリケートな美貌の持主だが、不屈の強靱な意志を内に秘め、町を支配するブルジョアに対する激しい憎悪の念に燃えていた。僧侶になって出世しようという野心を抱いていたジュリヤンは、たまたま町長レーナル家の家庭教師になり、純真な夫人を誘惑してしまう……。

    0
    投稿日: 2013.03.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんとも複雑な心理描写。 なかなか、主人公に感情移入できない。 以前から気になっていた本ではあるけど、今の自分が読んで良かったのかも。 誘惑される夫人の気持ちはわかるから。 身分制度のない時代に生きているので、それがもたらす人格の歪みがイマイチ理解できないけど。 以前、修道院の話を読んだので、神学校のくだりはすんなり入ってきた。 貴族に対する僻みみたいな曲がった根性から、悩まされるハメになったレーナル夫人が気の毒だな。

    0
    投稿日: 2013.01.06
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    その時代背景をよく知っていればもっと楽しめたのだろうが、そうでなくても物語として十分楽しめる。金持ちへの反発、野心に燃えた主人公ジュリアンのときおりみせる矛盾した行動、二面性、不安定さが若者の精神状態をリアルに捉えているように思う。

    0
    投稿日: 2012.12.07
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    ある青年の屈折した情熱が発露する物語。という印象でした。序盤のジュリヤンは野心を抱いているものの明確な目的がなく「育ちのいい人」たちへの嫉妬心から来る憤りに流されているようにも思えました。他人を蔑みながらも事あるごとに心変わりを見せるぶれ具合は、読者としては振り回されるのですが若者らしいとも言えます。復古王政期のフランスにおける様々な愚かしさを描く事もテーマのひとつとしてあると思うので、その知識があればもっと別の見所も得られたのではと感じますが、青年が成長するお話として読んでも続きの気になる第一部でした。

    0
    投稿日: 2012.11.26
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    沸き起こる感情の前には信仰も無意味。そんなメッセージを感じた。 僧侶達の多くが金銭欲に駈られた卑俗な存在として語られていて、宗教(カトリック)への不信感が作品ににじんでいるのが印象的。

    0
    投稿日: 2012.08.20
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    一言で言うと恋愛小説なのですが、貴族と百姓との生活描写、生活からくるずるがしこさの違い、ナポレオンへの憧れなどが横糸となって、世界をつくっています。 上巻ではレーナル夫人とジュリヤンの出会いの場面が好きです。想像とまったく違う人が出てくる、そしておかしくなり笑い出したくなるというところ。 詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120614/1339653414

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    投稿日: 2012.06.14
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    純粋で真っ直ぐなのに野心家の主人公。すぐ感情的になりやすく、思い込みの激しいところもあって、他人を押しのけて上に上がるタイプじゃないのに、成り上がろうという合わないことをしようとするからハラハラする。それはさておき、その背後に描かれている当時のフランスの様子は、現代にも当てはめられることが多くて頷かされる。スタンダールの皮肉にたまにくすっと笑うことも。

    0
    投稿日: 2012.03.02
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    全2巻。フランス文学の代表格の一つ。物語の展開は至って平凡そのものだが、恋愛における駆け引きだとか虚栄心だとかの人間の本質を成す感情や心理についてはストレートだが見事に描かれている。訳の言葉遣いがちょっと微妙な気がした。

    0
    投稿日: 2012.02.29
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    高校生のときに読みました。 衝撃的な印象が今でも強く残っています。 感受性の強い学生さんに読んで欲しい名作です。

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    投稿日: 2012.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ダメだって知っているのに!忙しいときに限って、古典を読みたくなる気持ちが抑えられない。。 ナポレオンに心酔した才気ある青年。赤と黒とは何を表しているか。古典小説を読むと感情の激しさに驚かされる。 刺激に慣れると、完成が鈍るのだろうか。

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    投稿日: 2011.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『罪と罰』ドストエフスキー 1866/ロシア 『赤と黒』スタンダール 1830/フランス とりあえず世界の有名文学を読んどかないと、という思いに突然かられ、図書館で借りてきた分厚い二冊の本。 似てるのはタイトルだけでなく主人公の性質においてもだ。 ラスコーリニコフとジュリアンという名の二人の若き青年。 ロシアとフランスという国の違いはあれど、ひとつ共通点がある。 それはナポレオンから多大な影響を受けているという点である。 強い自意識と選民思想。 『選ばれた非凡人は、新たな世の中で成長のためなら社会道徳を踏み外す権利を持つ』という持論を持つラスコーリニコフは、それを証明するために自ら殺人を犯す。捕まらなければ自分の勝ちというわけだ。常軌を逸した精神で完全犯罪をやり遂げようとする様は生々しくも時に滑稽で、読みごたえ充分。 一方『赤と黒』のジュリアンは、もえたぎる野心を胸に秘め、貧民から聖職者としてのしあがっていく。無口で慎ましやかな振る舞いも全て計算ずく。道徳心などないから、周りを見下し、人妻を手玉に取ろうと画策する。 若く美しい青年がのびのびと青春を謳歌しようともせず、ストイックなまでに情熱を注ぎ込む対象が、自らが選ばれし者であることの証明である点が興味深い。 しかし彼らの末路はナポレオン同様に、没落である。それも劇的な。 のさばっちゃったら、まずいもんね。 それだけの莫大なエネルギーを違うところに注ぐことができたら、あるいは作家にでもなれたかもしれないけれど。

    0
    投稿日: 2011.09.19
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    けっこう前から読んでた。わりと面白く読めたけど,意外に時間がかかった。今夏は2つの大学院の入試を受けて,最初のものが終わったあとに残ってた部分を一気に読んだ. 恋愛が中心のような印象を持っていたけど,読んでみるとジュリアンの立身出世のはなしだと思った.レナール夫人への恋も本気なのであろうが,やはりどこか出世を重んじている節がある.引用したものにはそういうジュリアンの一人で考えてる場面が多い.どうも僕と同じような体格をしてるらしいジュリアンの野心を目の当たりにして,僕ももっと野心を持つべきかなと考えた.そのことを表明したらそれを聞いていた女の子になんだか笑われてしまった. 若いジュリアンの考える事は,やっぱり将来何か誇れることをやりたいと考える僕にも共感できて,たとえば http://booklog.jp/quote/118525 http://booklog.jp/quote/118527 の2つの引用.僕も実家が田舎なので,目的を果たすためにはどうしてもそこを離れざるを得ない.でも故郷は居心地がよいし,大好きな人達がいる.そんなジレンマを実感したり.もっとも,ジュリアンは家族とうまくいってないし, http://booklog.jp/quote/118523 のように,あまり故郷が好きではないようだけど. p.261で,神学校の鐘を鳴らしてから取次の人が来るのに十分かかったとあったので,そんなに長いものなのかとGutenbergで原文にあたってみたけど,やっぱり十分であってるみたいだ. http://www.gutenberg.org/files/798/798-h/798-h.htm#CHAPITRE_XXV-1 p.288に原注として,「ルーブル美術館蔵、アキタニア公フランソア、鎧を脱ぎ修道士の衣をまとうの図、一一三〇号をみよ」とあったが,探したかが悪いのかググってもみつからなかった.知ってる方教えて下さい.

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    投稿日: 2011.09.12
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    高校時代から何回読み返しただろう。 主人公のジュリアン・ソレル(一生忘れられない名前だろうね)はまるで自分のようだと思った。 中学時代は「白い巨塔」の「財前五郎」という人に憧れたけど、高校時代はジュリアンだったなぁ。 こりゃ名著中の名著だよ。

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    投稿日: 2011.07.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これは、評価しきれません。評価をつけずに感想を書くことにします。 この作品はおよそ耽美な理想とはかけ離れた、グロテスクな人の心理を身分制度やそれを基本とする社会の中で描いたリアル(実在の事件をモデルにしています)に近いものです。「小説」と言い切ってしまうことにはかなり違和感を覚えます。 最もこの作品を読むのに「疲れた」点は、主人公ソレル・ジュリヤンがあまりにもひどく愛を疑っていたところです。そのせいでしょうか、物語の進みはかなり遅く感じられ、むしろ「神経戦」と表現してみたいと思います。 マチルドの最期がこの物語の描き方にしてはかなり簡素に「ジュリヤンが死んで三日目に、子どもたちを抱きしめながらこの世を去った」と一文で書かれているだけだったのを見るに、「人はこの世を去るその瞬間が与えられるその時、特に無力なのだ」と思い知らせているように感じます。

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    投稿日: 2011.06.26
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    壮大なロマンスとして評価が高い作品と言うことだったが、田舎と都会、庶民と貴族(?)、神に仕えるものと俗世界といった対立するテーマが上手く描きだされており面白い。 上巻で気に入ったのはジュリアンが神学校で暮らす鬱屈した日々と、ピラール神父とのやり取り。一読の価値あり。

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    投稿日: 2011.03.19
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    文学って分かんない! ちなみに題名の赤→軍人、黒→聖職者の服の色を表わしていて、舞台背景が当時の本当の背景。 金持ちこのやろうヽ(`Д´)ノという思いのもとに作られた感じがする。 このあたりが文学に分類される要素なのかなぁ。

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    投稿日: 2010.12.18
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    演劇部の公演でやるっていうので、予習として読み始めたんだけど読み終わらなかった・・・ 演劇部かっこよかった!

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    投稿日: 2010.11.27
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    欲を出すと碌な事がない、とか言ったら身も蓋もないので。 ジュリアンの葛藤だとか愛憎だとかに共感できたのはごく最近になってからの話。

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    投稿日: 2010.11.02
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    上下巻有。 野望に満ちた貧しい神学生ジュリヤン・ソレル。 ナポレオンにあこがれる彼は順調に出世の道を歩むが、一途で極端な性格が災いし、陰謀にまきこまれてしまう。 プライドの高さ、物事に対する考え方、世の中に対する反感と出世欲、挑戦欲などが学生時代の私に酷似していて、大変共感できた。 もっとも、私はジュリヤンほど果敢に挑戦できず、冒険もできず、安心安全な道をたどってしまっているのだけれど。 初めて読んだのは、卒業旅行のためフランスへ行く飛行機の中だった。 北フランスの これは宝塚でミュージカルとして上演されていて、当時主演していた安蘭けいが、私と同じような作品の捉え方でジュリヤンを演じており見に行って感動したのを覚えている。 金髪巻き毛のそれはそれは愛らしく凛々しい美青年ぶりだった。 いわゆる名作系の小説は映画や舞台化されているので、それと比べてみるのも面白い。

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    投稿日: 2010.06.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この物語は実話?なのかは詳しく知らなくって下巻も見たら調べてみようかと思ってるけど、ところどころに引用されてる詩人とか章の頭に差し込まれてる格言みたいなのがちょっと特徴的。 スタンダールも人の名前だけ聞いたことはあってよく知らなかったけど、こういうトロっとしてる恋愛と出世の話を書いてるのを見ると時代の差を感じる、要はこの人はこの時代の主流を題材に今を書いてるから現代とずいぶん違うことが理解できるわけで、元から時代物を書こうとしていた訳じゃないんだな、なんか現代の人が書いた歴史小説みたいなのとは違う「現場の空気」みたいなのがある。まあたとえ違ってたとしてもそれがそういうふうに読ましてくれるのは凄い。 前半のジュリアンがちょっとづつ野心とかにめばえてきて夫人を・・・のあたりまでが自分的にピークでそっからはものすごく嫌疑を題材にしてるみたいにテーマが変わってくるとあんまり読み進めるのをためらってくるようになった。なんにせよこういう本をよむためにはその国の古典とか時代背景を知っとく方が楽しめるようなのでそこには注意、翻訳者がどのくらい注釈を入れてくれるかにかかってるかも。

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    投稿日: 2010.05.08
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    なあんだ、ヨーロッパでも女顔の男の子ってモテたんじゃんかあああ 自問自答の多い、近代日本文学のようなお話。 日本文学のほうが!フランス文学の影響受けてるんですよ、はいはいわかってます。

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    投稿日: 2010.05.04
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    200年前に書かれたものが今読んでも興味深いと感じるのは、 やはり人の出世欲、階級による差別、世論の目、虚栄心など 卑しいと感じる部分と美しいもの、人を見たときの感受性などが 普遍のものであるからであろう。 主人公、ジュリアンは両者の性格を持ち激しやすい性格であるに 関わらず、本来は弱い人間であり美しいもの、偉大なものへの あこがれて生き続けた。当時のフランスの社会情勢やこれから向かう先も 暗示されており名作として読まれている。

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    投稿日: 2009.11.22
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    授業で、ジュリアンが公証人だったと言ってたので気になってしまった・・・そんな記憶がなかったので確認をかねて。 しかし、読むたびに違うところが気になる。名作たる所以か、こちらが年をとったのか。

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    投稿日: 2009.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公ジュリヤンは出身の身分は低いがイケメンで頭が良い。貴族やブルジョアに劣等感や嫌悪・憎悪を強く感じており、また自尊心が非常に強い。うまく町長の家の家庭教師になるが、美しく純粋な町長婦人を誘惑してしまう。

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    投稿日: 2009.10.23
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     舞台はフランス。ナポレオンの崇拝し野心を内に秘め、成長していく主人公ジュリヤン。田舎の一少年だった彼は、兄や父からの虐待に耐えながら、持前の美貌・頭の良さを用いて、まず神父という地位を利用しようと考える。 そして、地元の知事の家にうまく入り込み、知事の妻と恋に落ちていく…。  この上巻では、非常に打算的で合理的なジュリヤン少年が描かれる。非常に自尊心が強く、出世のために様々なことを考える一方で、感受性も強く様々な事に心を動かされる面も持つジュリヤンの前者の部分が中心に描かれる。そんなジュリヤンが、知事の妻との恋の中で、徐々に変化していく。。  少年から成年への成長時の心や頭脳の中での葛藤が細かく描かれていて、どこか惹かれるところがある本。

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    投稿日: 2009.10.13
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    82/100 No.95「長門有希の100冊」 19世紀フランス文学の傑作。 たしかに面白い、スラスラっとは読めないが傑作ということだけはある。 恋愛心理と合わせて、上昇志向の強いジュリアンの心理描写が事細かに描かれている。 この当りが読んでいて、あきさせないのだろうか。 下巻も楽しみだ。

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    投稿日: 2009.08.31
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    フランスの片田舎で、貧しい材木商の息子として生まれながら学問に優れ、ナポレオンに憧れて出世を狙う主人公ジュリヤン。出世の足がかりのために家庭教師として入った町長の家で人妻と恋に落ちたことが彼の人生を狂わせていく。スタンダールの最もよく知られた名作。

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    投稿日: 2009.07.30
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    フランス文学第2弾。 スタンダールがこれを書いたとき、49歳だったそうな。 にしちゃ、台詞がくさい

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    投稿日: 2009.05.14
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    初めてこの作品を読んだ時は、高校生。 作品のボリュームや作品に描かれている歴史的背景に 圧倒される、というか苦戦しながらも、内容が面白くて なんとか最後まで読んでしまった。 この時自分が主人公ジュリヤン・ソレルに対して抱いた感想は 「自分の野心達成のためには手段を選ばない、 女の心を弄んだり、その愛を己の出世のために 利用するひどいやつ」であり、野望ぎらぎらな彼に対し 「最低男」のレッテルを心の中で貼っていた。 不倫相手のレーナル夫人に対しては 「利用されちゃったかわいそうな女性」 といった同情すら覚えた。 ところが2回目、20代の時に読んだ時は、 そんな身勝手なジュリヤンの個性が魅力に変わった。 「大いなる野心を持った、その心の冷たささえも 魅力的なハンサムな青年」、 そんな彼と恋に落ちるレーナル夫人の気持ちも わからなくはないような気がして・・・。 彼が成功への階段を駆け上り、そしてそこから あっという間に転がり落ちた「華麗なる出世物語」に 大いにわくわくしながら読んだ。 そして3回目の今回。読み手の私は33歳。 悲しいかな、自分が年を取ってしまったのか。 貧しい百姓の子せがれ、ジュリヤンが英雄ナポレオンに憧れ、 「いつか自分も!」と野心を持ち、色々と奮闘しながらも、 身分の壁に苦しめられたり、いつの間にか誘惑した 女性を本当に好きになってしまったり、 野心と良心の板ばさみになり苦しみ悩む姿に 彼の若さや人間づきあいの下手さというか不器用さを 見てしまった気がする。 読む年齢によって違った感想を抱き、長編であるにも関わらず、 最後まで大いに楽しみながら読むことの出来る本作品は、 それだけ内容の濃い名作と言えよう。 19世紀に書かれた恋愛小説なのに、内容は今の日本の 昼時のドラマの原作に取り上げられても おかしくないくらい濃厚な恋愛劇、そして登場人物に対する 繊細な心理描写、訳者のわかりやすく、読みやすい訳が、 現代にも十分楽しめる名作と通用する理由だろう。 上巻のラストは、読み終えた後に 「この後どうなるんだろう!」と すぐ後巻を手に取って読み始めたくなる位、勢いがある。

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    投稿日: 2009.04.21
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    ナポレオンが失脚して王制が復活した後の1820年代を舞台に、ナポレオンに傾倒する青年ジュリヤン=ソレルが、その才気と美貌を武器に上流社会でのしあがっていく物語の上巻。 とはいっても、この物語の本質は、ジュリヤンと由緒正しい貴族であるレーナル家の夫人(2人の子持ち)との純愛にあり、特に、とても子持ちとは思えない純粋なレーナル夫人と、都会に出て出世するという野心とレーナル夫人への思いとの葛藤に苦しむジュリヤンの心理描写は、序盤の見所だと思います。

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    投稿日: 2009.04.14
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    ジュリヤン・ソレルに魅了されるのは、彼を我が身に重ねてしまうからでしょう。 『知と愛』を読み返したくなる物語。

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    投稿日: 2008.08.09
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    ジュリヤン・ソレル 平和な、現代の日本 そして、自由や平等を好きなように叫ぶことが出来る今だからこそ、 「素敵な話」 として、読むことが出来る。 物語のストーリーに流れが出るまで投げ出さずに読めれば、後は自然に惹きこまれる。

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    投稿日: 2008.05.06
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    打算、打算、打算、、、正直読んでてチト疲れたけど、最期の方一気に面白くなった。 ジュリアンが教会で事件を起こす、そのあたりから。 あとよかったのは、宗教絡んでるんだけど、作品全体がその思想に覆われてはいないとこ。 主人公自体が神、宗教を利用しようとしてるし。 宗教的な事で色々解決されたりする作品内容だと萎える・・・。 結構メモっちゃいたくなるような描写や箴言もチラホラあった。

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    投稿日: 2008.03.15
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    主人公某君の出世欲と愛が天秤にかけられるような物語。 最後の最後で愛に傾くも、今まで出世欲に大きく傾いていた反動が大きい。 オレも気をつけなくっちゃ。世界はラブアンドピース。

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    投稿日: 2008.01.02
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    王政復古のフランス。ジュリアン・ソレルの恋と野望に凝縮された人生を描く。 “若い女性が徹夜をしてよんでしまう”ほどの勢いをもつ一大ロマン。

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    投稿日: 2007.10.04
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    私には感情についていけないことがよくあります。私にはまだ早いみたいですね。 ストーリーの展開はとてもおもしろいです。

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    投稿日: 2007.10.04
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    上下。19世紀中期フランスの作家、スタンダールが実際に起きた事件などに題材をとった長編小説。 題名の『赤と黒』は、主人公のジュリアンが出世の手段にしようとした軍人(赤)と聖職者(黒) をあらわす。

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    投稿日: 2007.09.15
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    タイトルの赤は軍服を、黒は僧服を差しており、それらは当時の権力を象徴するものなのだそうである。 平民階層の出身ながら、野心に燃える美少年ジュリヤン・ソレルは、その学才と美しさを武器に神学の世界で出世の階段を駆け上がる。また同時に、美しいレーナル夫人との密会も(人妻との秘密の恋愛というのが中世以来のフランス上流社会のスタンダードな恋愛らしい。)小説に華を添える。 ただ、感激屋のジュリヤンがドストエフスキー式にしょうっちゅう卒倒しているのは海外文学に慣れていない身としてはあまり頂けない物がある。

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    投稿日: 2007.05.24
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    細身で小柄、貧乏な家に生まれたジュリアンはずば抜けた記憶力と、大きなコンプレックス、身に余る野心を持って運命に翻弄されていきます。時に純粋で、時に情熱的、そしてねじれた暗い一面・・。この作品の根底には常に大きな感情の濁流が存在しています。

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    投稿日: 2006.10.28
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    上下巻 野心家の貧しい美青年のこういう伝統があるから、「太陽がいっぱい」というような映画が出来るのかな。

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    投稿日: 2006.08.10
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    製材小屋のせがれのジュリアン(美少年)は出世をしようとレナール家の家庭教師となり、夫人をたぶらかす。その後、ジュリアンはラ・モール嬢(たぶんレナール家)もたぶらかすが、レナール夫人を愛していることに気がつく。そしてジュリアンは大きな決断をする・・・みたいな話。

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    投稿日: 2004.11.02