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シャーロック・ホームズの思い出(新潮文庫)
シャーロック・ホームズの思い出(新潮文庫)
コナン・ドイル、延原謙/新潮社
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総合評価

102件)
4.1
33
37
23
2
0
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    ミステリ教養として読んでみています。 各話がコンパクトにまとまってて読みやすいです。 文体は古めかしい部分もあるのですが、それがまた味なのだと思います。 現代の複雑なトリックを暴く推理というより、事実を一つ一つ拾い上げて事件全容を推理するのが古典なのだなと感じました。 パズル要素というよりも、奇人天才のホームズ劇場を見る作品です。話の構成も硬いけどわかりやすいので、全年齢におすすめできる本だと思います。

    0
    投稿日: 2025.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「白銀号事件」「黄いろい顔」「株式仲買人店員」 「グロリア・スコット号」「マスグレーヴ家の儀式」 「背の曲がった男」「入院患者」「ギリシャ語通訳」 「海軍条約文書事件」「最後の事件」

    0
    投稿日: 2025.10.13
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    ワトソン君を過去の事件の記録で釣り、部屋の片付けを華麗に回避する大探偵。彼にとってワトソン君を操作するなど造作もないこと。 だが逆に、ワトソン君によるホームズの扱いも慣れたもの。決して相手の思考の邪魔をしない+余計なことを言わない+書いた作品を俗物だと非難されても(ある程度は)聞き流す。 ホームズに注目されがちだけど、一緒に過ごせるワトソン君も大概大人物なのでは? ホームズ兄がベイカー街に先回りして、ふたりを驚かせるシーンが好きです。百戦錬磨のホームズも、兄貴には敵わない。

    0
    投稿日: 2025.07.04
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    ホームズものは長編より短編の方が面白いと感じる派なのですが、これは以前読んだ『シャーロック・ホームズの冒険』よりさらにスラスラ読めました。ほぼ事前情報ゼロだったのもあり、新鮮に楽しめましたね〜。 余談ですが、この前に古い版の角川文庫を読んでいたせいもあり、新しく出版された新潮文庫が読みやすいのなんの! 文字の大きさ、紙の色・手触りといい、最も目に優しい出版社だと感じます。 さて、特に印象に残ったのは「黄いろい顔」「マスグレーヴ家の儀式」。 また、兄のマイクロフトがいることもワトスン博士と同じく知らなかったので、「ギリシャ語通訳」も面白かった!この兄弟を生んだご両親は一体どんな方だったのでしょうね? かたやホームズ最初の事件である「グロリア・スコット号」は突然古文が始まってやや混乱しました……( ˊᵕˋ ;) 英語にも、いわゆる古典的な文章というのはあるのでしょうか?本筋とは関係ありませんが気になりました。 そしていよいよモリアーティ教授の登場なわけですが、”ドイルはシリーズを終わらせたがっていた”ことを知らなかったら、突然の終幕に納得がいかなかったやも。 こんな魅力的な敵が登場したらもっと続きが読みたくなりますよねぇ。 ドイルにとっては不満でしょうが幸いなことに(?)、まだまだ続くようですので今後もゆるりと読んでいきたいなと思います。

    20
    投稿日: 2025.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の事件は期待していたので、抽象的な説明だけで逃走劇が始まり、最後のやり取りもわからず終わるのが残念でした。モリアーティ教授やその組織、ホームズとの関係の概要は魅力的に感じるので、説得力のある具体的なエピソードが欲しかったです。 シリーズを終わらせたいという気持ちはひしひしと伝わってくる気がしました。 他の短編はどれも楽しめました。冒険と比べて平和な話が少なかったのもあってか、黄いろい顔が印象に残り好きでした。 普段は活動的でないのにピンチには手を貸してくれる兄のマイクロフトのキャラクターも好きでした。

    1
    投稿日: 2025.05.14
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    今読んでも全く古びないシャーロックホームズ短編集の第二弾。下手なミステリー読むより面白い。新潮文庫の訳もいい意味で時代性を感じていい。

    2
    投稿日: 2025.05.09
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    やっぱり面白い 読書とか何かしらの合間に読める短編集だけれど、どの短編も面白くてずっと読んでいたくなる。 何がこんなに面白いんだろう?人物かな?世界観かな? 答えが見つかっていないけれど、凄く面白い

    1
    投稿日: 2025.02.16
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    ホームズシリーズ4作目、久々の読書になってしまったが楽しく読めた。 最後の事件は小学生の頃に読んだ記憶があるが、こんなにあっさりとした話だったのだろうか…とやや不思議な感覚に襲われた(事実そうだから勘違いなのだと思うが)

    0
    投稿日: 2025.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前巻では感じなかったけど、今回読みにくいなと感じた。 (翻訳の人は変わってない) 「最後の事件」について、解説で当時は不評でそのあとも続いたと書いてあってそりゃそうだと思った。

    0
    投稿日: 2024.11.24
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    『シャーロックホームズの思い出』はホームズが探偵になるきっかけの章、1番最後の章はかなりホームズにとってかなり重要な所。 途中から一気読みしました!

    0
    投稿日: 2024.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・白銀号事件 犯人がまさかの馬。原因は殺された本人なので仕方がない。 白銀号を保護してた調教師を大目に見てあげるホームズ好き。 ・黄色い顔 珍しいホームズの失敗談。 自信満々に事件を解決したかと思いきや真相は違っていて夜寝る前に反省してるの可愛い。 ワトソンが『ノーバリ』とホームズに囁く時はあるのだろうか。 ・株式仲買店員 なんか赤毛組合と似た系統。 ・グロリア・スコット号 ホームズが大学在籍中に手掛けた最初の事件。探偵を職業とするきっかけになった物語ともありなんだか特別感あって良き。 足を犬に噛まれるホームズの絵が気になる。 お父さんの告白の手紙堅苦しすぎて分かりにくかった。 ・マスグレーヴ家の儀式 これもまた初期の事件。 ホームズとおなじ大学で学んでいたレジナルドが持ってきた。 ・背の曲がった男 ダビデとデヴィッドまでは流石に予測できない。 ・入院患者 捕まらなかった犯人たち難波しがち。 ・ギリシャ語通訳 ついにシャーロック・ホームズの兄であるマイクロフトが登場。ホームズより観察眼が凄いってやばい。 案の定捕まって死にかけた通訳さん可哀想。 ・海軍条約文書事件 ・最後の事件 ついにジェームズ・モリアーティの名が。 ライヘンバッハの滝からの死。まぁファンの声があってここから復活するのだけれどコナン・ドイルの思い切りが凄い。

    2
    投稿日: 2024.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最近では、この翻訳文章が好きになってきたところだったのに まさかの、ホームズ最終巻だったことに衝撃を受けました。 天野先生の作品で聞き齧っていた「モリアーティ」の名前を初めて聞いて感動していたのに、結構な短さであんな顛末だなんて。。。ショックというか、現代の文学に平和に毒される作品を読みすぎていた弊害なのか、とても悲しい。 強いていうなら、この後にまだ数冊の作品が残っているからね。リアルタイムに読んでいた方達と比べて、幾分ロスを味合わずに済むことが救いだなー。

    1
    投稿日: 2024.10.03
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    「白銀号」「黄いろい顔」「最後の事件」が特に面白かった。謎を解いていく鮮やかさもさることながら、ホームズ・ワトソンの友情、イギリスの風景描写など心惹かれる要素が織り込まれた豊かな作品。

    2
    投稿日: 2024.09.09
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    今作の短編集もよかった! ホームズが探偵を志すきっかけとなった『グロリア・スコット号』事件や、ホームズの兄が登場する『ギリシャ語通訳』では、ホームズのルーツを知ることができて嬉しかった。 孤高の天才という印象から、一気に親しみが湧いちゃったな。 ホームズが探偵を始めたばかりの頃の事件『マスグレーヴ家の儀式』では、ホームズの大学時代の友人だったマスグレーヴも登場するしね。 ホームズとワトスンの揺るぎない信頼関係もいいよなぁ。所々で互いに必要としているのが伝ってくる。 そして、宿敵モリアーティ教授との決死の対決を描く『最後の事件』。話の冒頭からこれまでと何やら雰囲気が違う。突如現れた強敵に不吉な空気が流れていく。 ホームズの探偵として命懸けで挑んでいく姿勢、相棒ワトスンへの想いに、胸が熱くなった。 しかし、唐突といえば唐突な結末… 著者もホームズという存在にかなり追い詰められていたらしいが、気が変わってくれてよかった。 まだまだシリーズを楽しめるのが嬉しい。

    58
    投稿日: 2024.09.07
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    長編には書いてなかったモリアティ教授との対決はこの短編集に載っている。ホームズ兄も登場するし解説も好き

    1
    投稿日: 2024.07.16
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    小学生の頃に読んだ「黄色い顔」。当時は、当時の時代背景・差別などを理解できず、あまりにも単純なオチでシャーロックホームズ離れになってしまった。シャーロックホームズはオチや犯人は単純ではあるが、推理の過程や状況の説明の上手さ。ようやく理解できるようになってきた。 「最後の事件」は、唐突感はあるが、シャーロックホームズらしい作品のひとつ。

    1
    投稿日: 2024.04.03
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    ひとつの物語が30分程度で読み終えることが出来、読みやすかった。 特に好きだったのは、海軍条約文書事件。 ホームズシリーズでは登場人物が少なく犯人が検討つけられることが多いが、この話は怪しい人物が数人登場するため最後まで楽しく読めた。 ギリシャ語通訳、黄いろい顔もお気に入りである。 特にギリシャ語通訳はあまり無いシチュエーションで緊張感もあり、また二作品とも比較的読みやすかった。 この短編集にはホームズの兄、友人、ワトスンの友人など近辺の人物の登場も多く面白かった。 最後の事件は、以前から知っているストーリーではあったが、ホームズとワトスンの友情が感じられるいい終わり方だったと個人的には思う。 (批判殺到するほど酷いストーリーでは無かったが、それだけホームズが愛されていたということが感じられて嬉しくもある) ここからどのようにホームズが再登場するのか楽しみである。

    0
    投稿日: 2024.04.02
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    どんなことになろうとも、不安な疑惑よりも事実の方がましです。 再読というのもあるが、展開がなんとなくパターン化している印象。とはいえ面白いのはホームズらの人物像に魅力があることと、短編ゆえのライトな設定とテンポのよさ。後は少し古いロンドンの描写。白銀号事件や入院患者が好み。マスグレーブや海軍条約文書事件はザホームズ

    0
    投稿日: 2023.12.31
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    他の作品より読むのに時間がかかってしまったためあまり記憶がないが、なんとなくトリックや犯人が手近で簡単で物足りない印象 私が短編集が好きでないのもあるがあまり驚きのない話が多かった ただワトソンがホームズを真似て推理ができるようになっていたり、最後の事件ではかなり信頼している様子で仲の良さが深まっていると感じてよかった 突然きた滝壺に落ちたんだと分かるシーンは驚いた あまりに突然でショック モリアーティもそんなに手強い悪人だったとは 次はバスカヴィル家の犬を読みます

    0
    投稿日: 2023.11.19
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    思い出という題名通り、ホームズの過去に扱った事件も登場する。 殺人事件は少なく、詐欺、暗号、窃盗など様々な事件が楽しめた。 特にマスグレーブ家の話が好きです。 相変わらず悪いやつを退治した人には甘い。 モリアーティが唐突すぎて、ドイルが早くこのシリーズを終わらせたかったのだなと伝わってきました。

    14
    投稿日: 2023.11.10
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     シリーズ初読作品。かの有名な宿敵モリアーティ教授が登場するが、具体的な事件の詳細等がほとんど記されないとは。宿敵との対決というと、どうも金田一少年vs地獄の傀儡師みたいな派手な事件を想像していたので拍子抜けだった。あっさりライヘンバッハの滝に消えてしまうが、『帰還』を先に読んでいるので安心して読了。まっさらな状態で読みたかったが、コナン君からホームズに入ったので無理か。  『マスグレーヴ家の儀式』や『入院患者』、『ギリシャ語通訳』、『海軍条約文書事件』など面白い短編ばかりだった。

    2
    投稿日: 2023.10.09
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    本作には、短編10編が収録されています。 それは、次の10作品。 白銀号事件 黄いろい顔 株式仲買店員 グロリア・スコット号 マスグレーヴ家の儀式 背の曲った男 入院患者 ギリシャ語通訳 海軍条約文書事件 最後の事件 この中では、「グロリア・スコット号」(1893年4月発表)が興味深い。 ホームズが、探偵業を志す切っ掛けが書かれた作品なので。

    20
    投稿日: 2023.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どれも面白い事件がいっぱいでワクワク楽しめました。作者はシリーズを終わらせるつもりだったらしく、最後の作品でシャーロック・ホームズが退場してしまうのは衝撃的だった。

    0
    投稿日: 2023.07.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シャーロック・ホームズの思い出 久しぶりに読みたくなったので手に取る。以前読んだ筈だが、記憶が曖昧だ。  白銀号事件  厩舎からいなくなった馬「白銀号」とその調教師が殺害された事件。怪しい来訪者が前日に訪れており、単純な事件と思われたが進展しない。  ホームズ作品では動物が・・・という構図はよくあり、今回もそれが一因。解決してみれば何の事は無い事件だが、ホームズが見つけたマッチや足跡、蹄跡からの組み立ては彼らしいやり方だ。  黄いろい顔  留守の際に久しぶりの依頼人が忘れていったパイプから人間像を推理するホームズ。パイプ観察だけで得た情報をさももの凄い事の様にワトソンに披露する。そこに依頼人が戻り、隣に越してきた不思議な家族と妻の謎について相談する。  この当時の作品では今では驚く様な差別描写に溢れているが、時代背景が読み取れる。特に黒人の娘に対する母親の心配は当然であり、マンローが最後、妻を許し娘を受け入れた事はホームズシリーズにおいて数少ない人間性の作品だ。  ホームズの汚点という事だが、確かにホームズは何もしていないなぁ(笑)  株式仲介店員  何故被害者は騙されたのか。単純な詐欺事件などではなく、騙されたあ理由が入れ替わる為だった事は秀逸。現代ミステリーでは実行されにくい犯罪ではあるが、当時ではこの様な替え玉でも気付きにくいという事は納得してしまう。  ワトソンの開業、妻の話など、彼らの生活の一部を垣間見る事ができた様な作品。  グロリア・スコット号   ホームズが探偵を始めるきっかけになった事件。数少ない旧友ヴィクターと彼の父親に届いた謎の手紙。彼の父親の元にハドスンという人物が訪ねるようになり、問題が発生していく。  父親の元に届いた手紙。暗号になっているが、翻訳を暗号に合わせて意味が通づるようになっているのは単純に凄い事だ。  後半、父親がなぜそれ程恐れているのかが回収される。過去にグロリア・スコット号で起きた悲劇の話であり、父親がその該当者だった事。  マスグレーヴ家の儀式  ホームズが初期に対応した事件。まだ本格的に有名になっていなかったホームズだが、学友やその紹介により事件を請け負っていた。  今回は学友のいうの賢い執事が失踪し、続けて女中も行方不明になった事件。数日前に執事が屋敷の図書室でマスグレーヴ家の記録等を勝手に漁っており、それをきっかけに一週間の期限付きで解雇されるが、2日後に居なくなってしまう。警察などと捜査しても見つからず、女中の件もありホームズに依頼がくる。  暗号と冒険がホームズの人気の理由だと思うが、今作でもとても面白い構成になっていた。  背の曲がった男  戦争の傷跡が残る時代だからこその物語。誰も幸せになる事は無いが当事者間だけでも真実が詳らかになったのは救いだろうか。  大佐は結局卒倒して頭を打ち死亡したというのが事実だが、当時の作品には動物を作用させる事が摩訶不思議な、読者が驚く仕掛けだったのだろう。腰の曲がった男が手品様に引き連れていたマングースなど、SNSなど無かった当時にはひどく目新しく作用したのだろう。  入院患者  ホームズ、ワトソンの元に依頼にきた神経科医トリヴェリアン。彼に投資した人物が何かを恐れており、それに対する調査の依頼。該当人物は殺害され、結末として過去に起きた銀行強盗の一味だったと判明する。ホームズの活躍は少ないが、全体としてまとまった内容だ。  ギリシャ語通訳  ホームズの兄、マイクロフトが登場する話。ギリシャ語通訳の男が経験した恐ろしい事件を引き受けるホームズ。兄は機動力は全く無いが観察力や推理力はホームズを凌ぐ。誘拐された男と女の正体は。最後、容疑者二人が仲違いし死んだとあるが、もしホームズが期待するような結末であればかなり良くできた物語だ。ミステリーとして、犯人当てでは無いか物語全体に謎をはらませるのは面白い。また、ずっとそうだが警察がホームズと一緒に行動することが多い事に驚いている。  海軍条約文書事件  ホームズシリーズの面白い所は彼の行動力とワトソンの記述の地理的な幅がある部分で、今回の様に別行動になるとさもホームズが突飛な能力を駆使し、人間離れした能力にて事件を解決したかの様に見えてしまう。  ワトソンの旧友の依頼による窃盗事件だが、最後ホームズが機密文書を取り返し、依頼人に返す方法について、のちに奇術家の様な探偵が増えた要因かもしれないサプライズ演出だ(笑)  ホームズの行動力が凄まじく、兄のマイクロフトが頭脳だけで太刀打ち出来ない理由がわかる。  最後の事件  ホームズ史に残る、最も有名な犯罪者モリアーティ教授との対決。ドイルがホームズシリーズを終わらせるために書いたと言われているが、とても面白い物語だ。ページ数は少ないが、描写はわかりやすく、ホームズシリーズの魅力が詰まっている。現代風に読み解くとホームズとモリアーティの組織とのやり取りが数編あれば、この事件をもっと深く楽しめただろう。ただし、当時は恐らく犯罪組織、犯罪王との対決は読者を昂らせるものだったのだろう。  久しぶりにホームズを読んだがやはり面白い。訳が古いので、読むのが難しい場面もあるが、熱が戻ってきた。近々、残りシリーズの再読(殆ど読んでいるが、レビューをまとめたい。)し、ホロヴィッツ二作も手に入れたので読んでいきたい。

    0
    投稿日: 2023.07.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『黄いろい顔』が優しい話でほっこり。愛に溢れてて心温まりました。 『株式仲買店員』は展開が予想外すぎてどんどん読み進めてしまった。パイクロフトさん...勝手に名前使われて本当にただの被害者。 ホームズ兄の登場する『ギリシャ語通訳』ではなんだかホームズが二人いるみたいでワクワクしました。 『最後の事件』ホームズがワトスンへどんな事があったのか話してるだけなのに、ドアの前にモリアティ教授が立ってたと聞いた瞬間ドキリと私も怖くなった。モリアティ教授がどんどん迫ってくるスリルさもあり、結末が有名で先を読み進めたいような読みたくないようななんとも言えない葛藤に苛まらながら読みました。こんなピンチに頼るのが兄マイクロフトなのがまた人間らしくて...。こんなにも有名な話なのに最後が呆気なさすぎて、それがまたホームズらしくてかっこよかった...。

    0
    投稿日: 2023.05.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今回もめちゃくちゃ面白かった。 冒険に続いての短編集で、ちょっと展開に飽きるかなとか思ってたけど、全然そんなことなかった。面白かった。 「グロリア・スコット号事件」や「マクスレーヴ家の儀式」はあとがきで触れられているけど、ホームズのキャラクターが魅力的すぎて大好きなので、若かりし頃のホームズの話はとてもありがたく面白く読ませてもらった。 あと印象に残ったのはマイクロフトが出てくる話と、「海軍条約文書事件」。 ホームズ兄弟がその辺にいる男性について日常会話の流れで推理していくところが楽しかった。 後者の話は、ホームズの話を読んでいたら「この人怪しいぞ」っていう勘が働いてきて、案の定その人が犯人だったのだけど、そこまでのホームズの推理が鮮やかで、疑念がスッキリと晴れていくこの気持ちのいい感覚を、ワトソンはそばでいつも感じていたのだなあと思った。ホームズが取り返した文書を出すくだりが大好き。ニコニコしちゃった。 「最後の事件」でのモリアーティ教授との追走劇はドキドキしながら読んだ。 ホームズが自分で「『思い出』が終わる」というようなことを言っていて、「あータイトル回収だ」と思った。 ホームズの最期(結局は最期じゃなかったけど)は有名で知っていたけど、「ああなんでこんなにあっさり葬ってしまうの」と著者に言ってしまいたくなるのもわかる。 でもホームズがワトソンにあてた手紙の中でも言っていたが、自分の最期に対する態度が潔いしかっこいいしホームズらしくてまた好きになった。 だからと言ってこれ以上ホームズの話を読めないのは我慢ならないので、続きを書けと抗議した当時の読者に感謝しながら、次の話を読もうと思う。

    2
    投稿日: 2023.04.22
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    ワトスン先生の気持ちを思えば思うほどに切ない。シャーロックシリーズの見どころの部分でもある。ベネディクトカンバーバッチのドラマシリーズを観た後なのもよかった。時系列がとんでる?他のシリーズも読んで穴埋めしたい。後半分!

    0
    投稿日: 2023.04.09
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    100年以上も前(!!)の作品 でも面白い! ミステリというジャンルで読む以上、真相や状況にどうしたって時代による違和感(または国による感性の違い)というものはあるんだけど、それを含めてまた面白い ホームズを読むのは『冒険』以来の二冊目なんだけど、読む以前から情報として知っていた「ホームズは奇人変人」という印象とだいぶ違うなぁと 確かに銃を乱射して女王陛下の名前を壁に刻んだり、薬物摂取したりはしているんだけど、ホームズというキャラの懐の深さがそれすらも包み込んでいる感じ 紳士的でスマートなナイスガイですやん!!と 収録作でのお気に入りは『黄いろい顔』 上の方で、時代や国による感性の違いが、なんて書いたけど、この作品は逆で、時代や国による感性の違いすら超えて永遠に残り続けるであろう美しさ、を感じた 正直ダントツで好きな作品

    2
    投稿日: 2023.03.23
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    最後の事件面白かったな、これを読んで見るタイトル名、響く、、、 大事なことは兄に頼るってホームズめちゃくちゃいいなと思った、

    0
    投稿日: 2023.03.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    白金号事件 馬逃走、調教師死亡、競馬 黄いろい顔 こっそり近所の家を訪問する妻、窓から覗く黄いろい顔の男、先夫との娘、黒人、仮面、推理失敗、ノーバリ 株式仲買店員 転職、ヘッドハンティング、金歯、なりすまし、強盗 グロリア・スコット号 ホームズ最初の事件、ホームズの旧友の父の死、手紙、暗号、偽名、過去の罪 マスグレーヴ家の儀式 女たらしの執事と女中失踪、儀式文、穴蔵、チャールズ1世→2世、王冠 背の曲がった男 男死亡、同じ部屋で女気絶、恋敵罠に嵌め結婚、死んだはずの男にばったり、過去の夫の行動知り激怒 入院患者 収入4/3与える条件で開業手伝ってもらう、類癇患者、強盗グループの1人、残り2人による復讐、受付係グル ギリシャ語通訳 兄マイクロフト登場、監禁している娘の兄、一方話し一方石板に書くのを通訳、新聞広告犯人にバレ通訳者中毒死寸前 海軍条約文書事件 ワトソン旧友パーシーフェルプス、重要書類、写し、ベル、小使 最後の事件 モリアーティ、ライヘンバッハ

    0
    投稿日: 2022.10.02
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    ホロヴィッツの『モリアーティ』を読む前に取り急ぎ「最後の事件」を。 何度となくドラマなどでシャーロックホームズのあれそれは知っていたものの、原作でのライヘンバッハは初めて読みました。 悲しみに打ちひしがれるワトソンの記述が痛々しく、他話での2人のやり取りなんかを知っているだけに読んでいて辛くなるほどでした。 地面の描写なんかがとってもリアル。 しかし今回の目的はモリアーティなのでごめんね。 いつかまた収録の他話もじっくり読んでみようと思います。

    3
    投稿日: 2022.09.27
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    シャーロックホームズシリーズにおいて重要な事件と人物が登場する短編集。 コナン・ドイルがワトソン博士の視点からホームズの活躍を伝記の如く書いているのは今までのシリーズもと同じであるが、あたかも実在したかのような強いリアリティを感じる。 シャーロッキンアンと呼べるほどでは無いが、熱中してしまうことがよくわかる。 映画を観て、モリアーティ教授なるホームズ負けず劣らずの知力を有するキャラクターがいることは承知していた。 映画は映画の面白さ、小説は小説の面白さを感じられる1話であり、文芸の面白みを理解させられるストーリーになった。

    0
    投稿日: 2022.03.07
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    シリーズ順によんでいるのですがこれまでで1番シャーロックホームズのキャラクターの魅力とワトソンとの仲良し具合が感じられた一冊でした。 ホームズかわいい。 19世紀なのでもちろんDNA鑑定などなく、それゆえ推理の自由度が高かったり、植民地など当時の歴史的背景が色濃く反映されているところが現代人にとってはプラスで面白い。 児童文庫で読んだときは多分カットされてたホームズの社会不適合者っぷりにはまってしまいました。

    0
    投稿日: 2021.10.31
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    個人的には『白銀号事件』が一番好き。 それ以外は正直あまり楽しめなかったが、探偵小説の基礎を築いたという点で歴史的価値はとても高いんだろうなと感じる。 〈収録作〉 白銀号事件 黄いろい顔 株式仲買店員 グロリア・スコット号事件 マスグレーヴ家の儀式 背の曲がった男 入院患者 ギリシャ語通訳 海軍条約文書事件 最後の事件

    2
    投稿日: 2021.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ホームズが探偵になるきっかけとなる事件となった「グロリア・スコット号」やホームズとモリアーティ教授のライヘンバッハの滝での最終決戦など10編からなる短編集。どの作品も面白く楽しむことができたが、ホームズの推理が外れた「黄いろい顔」や最初にも書いたが、ホームズの探偵を始めるときっかけとなった「グロリア・スコット号」そして中でも有名な「モリアーティの破滅が約束されるのであれば、僕は公共の利益のためにホームズ自身が破滅することも喜んで受け入れよう」というかっこいいセリフを聞くことができてよかった。

    0
    投稿日: 2021.08.02
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    ホームズにお兄さんいたの! しかもホームズより凄い? でも、行動力は無いのね… 「最後の事件」のモリアティとホームズの知恵比べはもっと見たかったですね。

    7
    投稿日: 2021.06.27
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    名作揃いで探偵の初仕事や、兄が出てきたりや、有名な最後の事件など盛り沢山。個人的には海軍条約文章事件が好き。

    4
    投稿日: 2021.06.02
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    ホームズ界でも話題の「最後の事件」、 ちゃんと読んだことはなかったので この短編集で諸々の事件の後、初めて読んだが 騒がれるのも納得の内容だった… 「え、嘘…!」と衝撃で検索をかけて コナン・ドイルの思惑や悩みだったり その後の展開について先に知ることに。 流石に寂しかったので少し安心。笑 でも綺麗な終わりだったし これで物語が終わったとしても 違和感は無かったんじゃないかなあ、とも。 某反逆のアニメ然り ストーリーの終焉以上に キャラクターの最期が一番心にくるので 復活を望んだ心理も酷く理解出来るモヤモヤ…笑 あまりに衝撃だった「最後の事件」を除けば 「グロリア・スコット号の事件」が一番好き。

    4
    投稿日: 2021.03.30
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     シャーロック・ホームズの思い出  は、読みたい短編が入っていたので、購入しました。 「最後の事件」  今まで読んだことがなくて、読みたいなと思っていました。  ただ、すべて飛ばして読むのもな、と思い、最初のお話から順番に読んでいきました。  この本の中で、心に残っている話も、何本かあります。 「白銀号事件」   名馬の奇怪なる失踪と、その調教師が惨殺された事件。 「マスグレーヴ家の儀式」   ホームズが学生時代の同級生の依頼で調べることになる失踪事件。 「入院患者」   この話は人が亡くならないミステリー。  そして、 「最後の事件」   ご存じの通り、シャーロック。ホームズ最後の事件。  短編集なので、思った以上にゆっくりと読み進めてしまい、すべて読み切るのに、大分時間がかかってしまいました。  が、そうすると心に残る話と残らない話が出てきます。  残る話は、映像になって脳の中で思い出されます。  自分の好みの話は、やっぱり心に残りますね。

    0
    投稿日: 2021.02.21
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    「最後の事件」に登場するモリアーティ教授を興味を持って「シャーロック・ホームズ」シリーズを読み始めたので、読めて幸せでした。 どんな事件であっても、冷静にある種飄々と推理を進めるホームズが、対モリアーティ教授となった時のピンチ感にハラハラしました。 「最後の事件」に限らず、どの短編も30ページほどで短いのですが、論理的な説明や不可解な出来事がみっっっちり詰まっています。オススメです。

    0
    投稿日: 2021.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     ドイルがシャーロックホームズシリーズを終わらせに行ってるだけあり、他の作品より少し雑な印象を受けた。というのも、株式仲買店員ではトリックが赤髪組合とかなり類似している。他にも背中の曲がった男では被害者が実はかなりの悪人で、読者が犯人に肩入れするような構成となっていたが、そのシナリオとしては緋色の研究にも似通っている。  マスグレーヴ家の儀式を高評価している人をたびたび見かけるが、トリックというほどのトリックもなく「え?ホームズの推理云々以前に儀式の記述通りに色々試せばよかったんじゃない?」という話だし、犯人があっけなく共犯者に殺されてしまうが、殺された理由も不当すぎるというか動機としてあまりしっくりこないものだった。  ただ、ギリシャ語通訳ではシリーズ通して有能なキーキャラクターのマイクロフト・ホームズが現れるのでその点は要チェックとも言える本。ギリシャ語通訳自体はかなり面白かった。ハラハラ感や物語のオチの部分が凄まじい。ソフィ・クラティデスは劇中で大した活躍やインパクトを残さなかったが結末で一気にキャラの色を濃くした。アイリーン・アドラーやヴァイオレット・ハンターのように一筋縄ではいかないような腕っ節の強い魅力的な女性だった。

    0
    投稿日: 2020.12.29
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    海軍条約文書事件の朝食シーンは思わずニヤッとさかてしまう。ホームズの遊び心がよい。 最後の事件は、、、なんとも言えない気持ちになる。

    5
    投稿日: 2020.05.02
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    『シャーロック・ホームズの冒険』が初の短編集ということもあるせいか、「まだらの紐」、「赤毛連盟」といった名作群を設えているのに対し、ここではその流れで冒頭に収められている「白銀号事件」がそのエッセンスを受け継ぐのみであって残りは特に可もなく不可もない。 これはドイルがシャーロック・ホームズシリーズに嫌気がさしていた証左であろう。 そしてもはや本格物ではない「最後の事件」でホームズを葬り去ろうとしたのだが…。 内容はともかく、本作はそんな作者の苦悩が窺われて興味深い。

    1
    投稿日: 2020.01.12
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    「シャーロック・ホームズには兄ちゃんがいて、英国政府の重要な仕事をしているらしい」というのをどこかで読んで(例によってどこだったかは忘れた)、ふと興味を引かれたので、当該本を読んでみた。 ホームズ物の2冊目の短編集とのこと。 読み始めてみると、あれ、オレってホームズ物をまともに読むのは初めてかも、と思い当たる(児童文学とかでしか読んだことがなかったかも)。 大人向けの(?)ホームズの人となりが描写されているが、事件に関わっていない時はほとんど引き篭もりであるとか、その割に拳闘を能くするとか、カン高い声でまくしたてるとか、時にはコカインなんか嗜んじゃったりするとか、これまで抱いていた一本調子なホームズ像には、若干の軌道修正が必要になった。ワトスン君との隠微な関係(?)なんかにも想像が行かないではいられません(笑)。 舞台も翻訳も古っぽくて大時代的(それもそのはず、発表は1890年代。この新潮文庫版も昭和28年発行、平成25年6月現在で113刷)なんだけど、その推理のロジックや解決の満足感なんかはほぼ色あせていないように感じる。例の「モリアティ教授との最後の闘い」なんかもこの短編集でのできごとだったし、意外に面白く読めた。 ところでシャーロックの兄ちゃんはマイクロフトといって、推論力はシャーロックより上で、行動力は下で、体がデカイ(というより肥満)らしいデス。

    1
    投稿日: 2019.06.21
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    最後の事件は唐突に現れたモリアティに戸惑ったものだが、 彼が得体の知れない人物であり、奇妙で恐怖を感じる男であると同時に、ホームズの最大の敵であることがとても納得できたものだった。 都合よく運んでいくのがいつものことであるが、それがこの作品の納得してしまう凄いところで、とても読んでいて気持ちいいくらいで、ホームズの物語には陶酔してしまうような何かがあるのだと思う。

    1
    投稿日: 2019.01.12
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    シャーロック・ホームズ短編集の第二巻です。 探偵としての初仕事から、(ドイルにとっての)最後の事件が収録された一冊です。 他作品と同様に、小さなものから大きなものまで、ホームズは自身が面白いと感じた事件を手掛けていきます。 ライヘンバッハの滝の顛末を考えると、普通ならばタイトル通り最後なのだと思えるのです。 シャーロックホームズを終わらせたいという著者の強い意思を感じます。 読者の激烈な反対によって話は続くことになり、それによって面白い作品も世に出ることとなります。 しかし個人の意見としては、「最後の事件」はホームズにとってモリアティとの一世一代の大勝負ですので、ホームズという生きている人間の感情としても最高の終わり方だったのではないでしょうか。 このように、フィクションと知っていながらも深みに陥る問題作です。

    4
    投稿日: 2019.01.03
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    何年かぶりのホームズである。ミステリにおける刺激ばかり求めてきたので、純粋な探偵小説、冒険小説である本作は大いに楽しめた。 「白銀号事件」 名馬の失踪と調教師の惨殺。捜査に乗り出すホームズとワトソン。ワトソンって結婚してたんだこの時点で… 『吠えなかった犬』という証拠から導きだした推論が美しい。シンプルな解というのはわかりやすく、腑に落ちる。 「黄色い顔」 探偵の苦悩・失敗。こういう作品に私は弱い。探偵はヒーローであってもよいが、人間であってほしい。人間であることで、真実味が増す。 「株式仲買店員」 赤毛連盟を思い出した。 一体なんの為のこのようなことをしているのか?不思議な依頼の全容を推理するホームズはやはり名探偵である。 「グロリア・スコット号」 ホームズが探偵を生業とするきっかけとなった事件。恐らくシャーロキアンには堪らないのでしょうね。後半の展開はしょうがないのだが、説明的なのがちょっと残念。 「マスグレーヴ家の儀式」 ワトソンと出会う前のホームズ。 なんとなくホームズらしい事件。暗号・謎・名推理。 「背の曲った男」 後出しジャンケンはいただけないが、夫人の放った「デイヴィッド」という言葉から 全てが繋がる趣向は素晴らしい。 「入院患者」 これもホームズらしい(わかりやすい)作品。 「ぼくをごまかそうというおつもりなら、残念ながらお力にはなれません」ぜんぶわかっているホームズさん好き。 「ギリシャ語通訳」 マイクロフト初登場。海外ドラマ「シャーロック」に出てきたクラブの描写が!!(興奮 「海軍条約文書事件」 本作一押し。事件の謎、国際問題、ホームズの大移動、結末まで完成度抜群の作品。唯一、犯人も動機も予想外をいく傑作でした。 「最後の事件」 ホームズを終わらせるために生まれたホームズの分身。悪がいるから正義もあり。この対比は感慨深い。

    1
    投稿日: 2018.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シャーロックホームズシリーズ短編集二冊目。 タイトルは他文庫では「シャーロックホームズの回想」だったり、微妙に違う。ややこしい。 「思い出」というタイトル通り、ワトスンに出会う前にホームズが手掛けた事件や最初の事件が収録されている。 あと、「白銀号事件」や「黄色い顔」など、ちょっと毛色の違う事件が収められていることが特徴かな。 しかしホームズシリーズって動機にあんまりバリエーションないなあ。「金銭目的」or「昔の罪を隠す」がかなり多い。だからこそ「黄色い顔」は面白く読めたけど。 「最後の事件」はやっつけ感が半端ない。ホームズがモリアティを捕らえるために張った網とやらの具体的な説明が欲しかったなあ。

    1
    投稿日: 2018.02.11
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    シャーロックホームズ短編集第二弾。推理モノというより冒険小説みたいだ。シャーロックホームズは短編でも十分魅力がある。とくに宿敵モリアティ教授との死闘は秀逸である。

    1
    投稿日: 2018.01.06
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    「ノーベリ」の元になった『黄色い顔』、マイクロフト初登場の『ギリシャ語通訳』、モリアーティ教授が登場した途端いきなり終焉を迎える『最後の事件』等々盛り沢山。復活するの知ってるからいいようなものの、当時のストランド・マガジン読者は突然の最終話に嘆いただろうなと。捜査は相変わらず拡大鏡で足跡を見たり夜中に張込みをしたり。調べ物も書物や文書に当たったり電報で問い合わせたり大変だ。今なら指紋とDNA鑑定で一発な内容も、19世紀の犯罪者は平気で葉巻の吸殻を暖炉に放り込んで現場を去る。それでも続きを読みたいと思える意外な結末を用意するところが凄い。 石炭入れに葉巻を入れる、ペルシャスリッパの爪先に煙草を入れる、返事をしていない手紙をジャックナイフでマントルピースに突き刺す、拳銃の弾痕で壁にV.R.の文字を飾る、といった有名なホームズの奇行は『マスグレーヴ家の儀式』の冒頭で解説されている。

    1
    投稿日: 2017.09.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いやーおもしろかった!! つーか、ホームズ、ワトソン以外に友達いたんだねー。 学生時代の親友のお話、 それがこの仕事につくきっかけっとなったとゆー。 うーん、再読のはずなのにまったく覚えてなかったぞー。 ホームズの予想外な事件もあったり、 それをホームズが素直に自分を戒める糧(?)とするとこが好きだなーっと思った。 最後の事件は、正直、サーコナンがホームズを葬るためだけに書いたんじゃないか、と思ってしまう。 実際もう書くのイヤになってたらしいし。 モリアーティって、ゆー人物もいかにもって感じだけど、 なんかいかにもすぎて、ただホームズの敵役ってだけの存在価値な気も・・・・・。 ホームズがモリアーティさえ葬ることさえできれば自分はどうなってもいいなーんてことを何度も言うとこも なーんか、うさんくさい、とゆーか、ホームズらしくないってゆーか、ラインバッハの滝は絵になるけどねー。 ちょっと消化不良な話だなーっと改めて思った。

    1
    投稿日: 2017.09.23
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    いくつかの短編は官憲が犯人を捕まえるのではなく、因果応報の結末を迎えた。19世紀の犯罪捜査の大らかさと、著者の筆致を堪能。そして「最後の事件」で登場した難敵・モリアティ教授。短い物語の中に、シャーロックが追われる立場になった緊張感が伝わってくる。あとがきから本作がシリーズ最後の予定だったが、読者の反響で執筆を再開させたことを知る。

    1
    投稿日: 2017.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現代を生きているのでシリーズがまだ終わっていないところで察するけど(緋色の研究か何かの訳者あとがきでも)、リアルタイムで追ってたら最後の一編を読んで泣いていただろうな… ホームズがいなくなるだなんて寂しすぎる!

    1
    投稿日: 2017.04.20
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    ホームズシリーズ3作目。この推理小説の良さは殺人事件の描写にもドロドロしたところがなく上品なところ。ゆえに少年少女の読み物にも連ねられるのだろう。2017.3.24

    1
    投稿日: 2017.03.24
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    ホームズの短編集(全部短編集か)。いろいろ入っているんだけど、最後の「最後の事件」で、かの有名なモリアティ教授と滝壺に落ちた話は、それまでの他のストーリーが全部持っていかれるほどのインパクトが有る。 ミステリというと殺人トリックを核にしたものが多くなるのだが、時代的なものも踏まえ、事件が起こったが犯人はわからず、結局意味が判明するのは「動機」であるものが多い。これは横溝正史などでも感じるのだが、オチとして実は隠し子がいたとか、実は血の繋がった今は亡き母親の敵討ちだとか、そういう話になるので、悪く言えば拍子抜けするし、良く言えば新鮮でもある。 全体に、筆者を別において、さらに伝聞の伝聞という形で話が進むため、ピンと来ない話もなくもないものの、バランスの取れた一冊ではあろう。ギリシア語通訳の話は、オチの面白さは結局良く解らなかったけど。兄(マイクロフト)が活躍したから良いのかな?

    1
    投稿日: 2016.08.01
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    グロリアスコット号、マスグレーブ家の儀式なと、ホームズののルーツの描写が新鮮。 やはり、モリアーティとの対決である、最後の事件はドキドキさせられる。

    4
    投稿日: 2016.03.19
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    メモ程度に。 「白銀号事件」 馬は可愛い。 「黄色い顔」 物事を深刻に犯罪と結びつけて考えてしまう職業病。 死人の出ない、いいお話。 「株式仲買店員」 ここまでくるとドイルのパターンもわかってくる。 「グロリア・スコット号事件」 ホームズが探偵を職業とするきっかけとなった出会い。 とはいっても、ホームズは殆ど出来事に関わっていないのがなんだか新鮮。劇的な何かではなかった。 「マスグレーヴ家の儀式」 宝探し。 「背の曲った男」 罪の意識が何よりの凶器。 「入院患者」 何が起こったのかは解明されるものの、犯人逮捕にはいたらないというパターン。 「ギリシャ語通訳」 シャーロックがマイクロフトを褒めちぎっているのに驚いた。 「海軍条約文書事件」 一国の一大事件だが、首謀者とその動機がなんとも矮小であること。 「最後の事件」 vsモリアティ。 スイスへの道中は冒険めいていてワクワクもするが、ワトスンが懐古しながら書いているという体裁からか、どことなく物悲しい印象も受ける。

    4
    投稿日: 2016.01.27
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    初読。「マスグレーヴ家の儀式」「白銀号事件」「海軍条約文書事件」あたりが自分は特に面白かった。「グロリア・スコット号事件」で、他人に言われたことが契機でホームズが探偵を職業として考え始めたというのが少し意外だった。あと、「最後の事件」でワトスンへの手紙にある「奥さまにどうぞよろしく」の一文が妙に印象に残った。

    1
    投稿日: 2015.07.11
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    延原さんの訳は今となっては若干わかりづらい。 しかしながら、ホームズの魅力は満載。やっぱり『最後の事件』はじんわり沁みます。

    1
    投稿日: 2015.03.01
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    ホームズか手掛けた最初の事件や探偵になってから初めての事件、そして最後の事件が掲載されている短編集の第二弾。 ホームズの素晴らしい推理だけではなく、人間らしいところもたくさんあるので、どの事件も必見です。

    1
    投稿日: 2014.11.07
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    ほ、ホームズーーー!(涙)からの解説でほっ。そうだよね、みんなそう思うよね!ホームズシリーズが続いてよかった〜。さておき、「黄いろい顔」と「マスグレーヴ家の儀式」が好き。シャーロックの兄さんマイクロフトもいい。あとは、訳者延原さんの解説中にある「探偵小説は〜エロやグロは決して必要な条件ではないのである。」という一文!うんうんうん!延原さんの解説はドイルへの想いを感じられて、最後にちゃんと読みたいと思う!(普段解説はあまり読まない派)

    1
    投稿日: 2014.09.30
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    依頼人が男前な紳士すぎる黄いろい顔がお気に入り。最後の事件から伝わってくる、ワトスンくんの静かな怒りとかなしみが・・・はやく空家の冒険を読まなければ・・・

    1
    投稿日: 2014.09.09
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    他の作品に比べて、ワトスンの回想を匂わす描写が多い。 ホームズの失敗などが多く語られたりするのも筆を執るワトスン人間味があって良いような気がする。 最後の冒険はあっさりしていて、当時の読者が困惑し批判したのも無理はないように感じた。 幸いにして現代に生きる我々は続編を立て続けに読むことができる。 当時の読者に感謝したい。

    1
    投稿日: 2014.09.02
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    「黄いろい顔」みたいな、読者に怖さを想起させておいて、結果的には何でもない事だったという落ちが秀逸。 「株式仲買店員」は、「赤毛連盟」を思い起こさせる。 「グロリア・スコット号」は、ホームズが学生の頃の話。 「マスグレイヴ家の儀式書」は典型的な探偵ものだが、ちょっとあまい。。「ギリシャ語通訳」は、話そのものよりもディオゲネスクラブが気になる。 「最後の事件」では、ホームズは自己犠牲の精神を大いに発揮する。ホームズの様々な面が見られる良作。

    1
    投稿日: 2014.08.16
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    シリーズとしては中盤ですが、最後の事件を含む一冊。シリーズとしてはどの様な幕引きが用意されているのか、いないのか。 短編集ですが、最後の事件がメインと言えるかも。これに関して、もっと因縁や事件が絡んでくるものと思っていましたが、案外あっさりと短めにまとめられていて驚きました。ドイルはシリーズをここで終わらせるつもりだったそうですが、この結末はどうなんだろう、と考えてしまいます。結末が気に入らない訳ではなく、作者の考えが気になるところです。 そして何よりホームズがどうやって帰還するのか、はやく続きを読まねば

    1
    投稿日: 2014.04.08
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    レビューが前後しますがお気になさらず。 シャーロック・シリーズ短編集。 有名な株式仲介所で働くことが内定していた男が、より年棒のよい別の企業に就職した。働いているうちに支配人の挙動を不審に思った男は、ホームズのもとに相談にくることになった。…「株式仲介店員」 鍵のかかった部屋の中にいた夫婦のうち、夫は亡くなっており、妻は気絶していた。いかにして夫は死に至らしめられたのか、ホームズが難事件に挑む。…「背の曲がった男」 ロンドンで起こるほぼすべての事件裏で暗躍する悪の天才、モリアティ。 彼に命を狙われつつも、決死の戦いを挑むホームズの運命やいかに。…「最後の事件」 他10編。 一冊の満足感がすばらしいです。 今作のポイントは、やはり宿敵モリアティ教授との応酬が見どころの「最後の事件」でしょう。 個人的に驚いたのは、モリアティ教授が実際に出演したのがこの作品だけだということです。 二人の因縁ってそこまで細かく描写されているわけではないんですね。 どきどきしながら結末をご覧ください。 ちなみに、解説で訳者も事あるごとに述べていますが、シャーロック・ホームズシリーズは発行順に読むのがベターだと思います。 「緋色の研究」→「四つの署名」→「シャーロック・ホームズの冒険」→「シャーロック・ホームズの思い出」→「バスカヴィル家の犬」→「シャーロック・ホームズの帰還」→「恐怖の谷」→「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」 「シャーロック・ホームズの叡智」は他の短編集に載せられなかった作品も掲載しているので、叡智の後に読むのが適当でしょう。

    1
    投稿日: 2013.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シャーロック・ホームズの短編集第2弾。 個人的には「黄色い顔」とか「マスグレーヴ家の儀式」が好きです。 この本の最後で、ホームズは崖がら落ちて死んでしまう(ことになってる)わけですが、もう少しモリアーティー教授との戦いを書いてくれなきゃ、読者も納得しないと思います。 だからまた復活することになるわけですが。 コナン・ドイルは書いた本に間違い(右が左になってるとか、お手伝いさんの名前が変わってたりとか)があっても修正することなく、本を出し続けているわけですが、それがシャーロキアンといわれる人々の心をくすぐっているのでしょう。 間違い探しというのはなんとも人を引き付けるものですから。

    1
    投稿日: 2013.10.23
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    『最後の事件』の大まかな話は聞いたことがあったが、最後と銘打った宿敵との対決の物語だったにも関わらず、あっさりしていて拍子抜けした。兄の登場もあり、これからもどんどん展開して事件を解決していくのだろうと思いきや……これじゃ読者から非難の手紙が来たのも仕方無かったと思います。でもやっぱり面白い! 『マスグレーヴ家の儀式』『ギリシャ語通訳』がお気に入りです。

    1
    投稿日: 2013.09.16
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    “ながいながい無言の二分間がつづいたのち、グラント・マンローはやっとものをいったが、その答えは思いだすだに気持ちのよいものだった。彼は子供をだきあげてキスし、それをおろしもしないで、片手を細君のほうへのべてドアのほうへ向かったのである。 「そのことは家へ帰ってから、もっとゆっくり話しあおう。私もたいして善良な男とは思わぬが、お前が考えているよりは少しはましな男のつもりだよ」 ホームズと私とは彼らの後について下へおり、表へ出た。するとホームズは歩きながら私の袖をひいて、 「ノーバリにいてももう用はなさそうだから、ロンドンへ帰ろうよ」 ホームズはそれきり事件のことは少しも口に出さなかったが、その夜おそく、ろうそく片手に寝室へ引き込むというときになって、 「ワトスン君、これからさきもし僕が、自分の力を過信したり、事件にたいしてそれ相当の骨折りを惜しんだりするようなことがあったら、ひとこと僕の耳に、『ノーバリ』とささやいてくれたまえ。そうしてくれれば僕は非常にありがたい」”[P.81_黄いろい顔] 「白銀号事件」 「黄いろい顔」 「株式仲買店員」 「グロリア・スコット号」 「マスグレーヴ家の儀式」 「背の曲った男」 「入院患者」 「ギリシャ語通訳」 「海軍条約文書事件」 「最後の事件」 “「なに、初歩さ。はたのものには非凡にみえる一種の効果をあたえ得るのは、はたのものが推理の根底になる小さな事象を見おとしてくれるからだということの一例だよ、これは。おなじことは、いやに思わせぶりな気味の事件録についてもいえる。君の書く事件録は俗悪そのものだが、あのなかで君は問題の要点の一部をしっかり自分の手に握っていて、読者には決して知らさないじゃないか。ところで僕はいま、その読者とおなじ立場にあるんだよ。というのはね、かつて人類の頭をなやました問題のうちでもっとも奇怪なというべき問題にこんどぶつかってね、それを解くべきかぎを二、三もってはいるんだが、完全な推理を組みたてるには、もう一つ二つかぎを手にいれる必要があるわけなんだ。だがなに、すぐだ。すぐ手にいれて見せはするがね」 彼は双眼を輝かし、こけたほおをかすかに紅潮させた。精神力の旺盛な彼の天性が、ちらりと表に現われたのだ。だがそれはほんの一瞬間だけだった。おやと思って見なおしたときはもう、人間というよりは機械といったほうが遥かに適当なアメリカ・インディアンの沈着さに復していた。 「面白そうな事件だ。ずばぬけて面白そうな事件といってもよい。だいたいのことは調べてみたが、どうやら解決はつきそうな見こみだ。ついてはお願いだが、いよいよこんど最後の一歩を踏みだすについて、君が手をかしてくれると非常に助かるわけなんだ」 「よろこんでお手伝いするよ」”[P.180_背の曲った男]

    0
    投稿日: 2013.04.15
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    シャーロックシリーズ4作目、だと思います。 今回も短編集ですが、やっと(?)お兄さんのマイクロフトが出てきました。 ちょい役ですけど。 (この巻を読んで、あらためてドラマ「シャーロック」が原作の 雰囲気を大事にしていることがわかりました。) 「思い出」というだけあって、ホームズが探偵になるきっかけになった事件や過去の失敗談などがでてきます。 白眉は、「海軍条約文書事件」、そして、モリアーティ教授がでてくる「最後の事件」です。 (ただ、結構、端役っぽかったのが残念でした。話も短いし・・・) この後、ホームズはどのように復活するのか!? 次回に(少し)期待です。 (復活後は性格が変わるとのうわさもあります)

    1
    投稿日: 2013.02.16
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    「黄いろい顔」は終わりも気持ちがいいし、何より最後のホームズの言葉が印象的。 私も自分の力を過信しそうになったら、『ノーバリ』と心でつぶやこうかな。

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    投稿日: 2012.08.29
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    テンポが良く個性のある作品が多い短編集。ホームズシリーズはまだまだ初心者なのでこれから読み進めるのが楽しみ。

    1
    投稿日: 2012.08.19
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    中学時代に読んだきりでかなり久々の再読。ホームズの推理力が純粋にお見事で素晴らしい。短編集だが物足りなさもなく、かえって問題解決の鮮やかさが引き立つ。

    1
    投稿日: 2012.07.09
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    ホームズの第2短編集。 ホームズが探偵を生涯の仕事と決める、 そのきっかけとなった「グロリア・スコット号」、 探偵として初めて手がけた「マスグレーヴ家の儀式」、 宿敵モリアティとの対決の末、モリアティもろとも ホームズが滝壷に落ちてしまう「最後の事件」など収録。 上記の作品以外にも、小粒ながら上質の短編がそろっている。 個人的には、「冒険」よりもクオリティが上がっていると思う。

    1
    投稿日: 2012.05.06
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    二人の関係性の点で言えば、ワトスンが結婚してベーカー街を出た後は、 同居していたときとは少し遠い距離感を持って付き合っている感じがします。 一緒に住んでいる心安さで、ぶっきらぼうだったり、説明が足りなかったりしていたホームズが、 開業したワトスンを訪ねるのに、奥さんに気を遣ったりしています。 《白銀号事件》では、 まだ同居しているので、ホームズのぶっきらぼうさが出ています。 『ワトスンなら怒らないだろう、わかってくれるだろう』という、ホームズの『甘え』があるのがよいです。 冒頭「ワトスン君、僕は行かなきゃなるまいと思うよ」といういきなりのホームズの発言に、ワトスンは『べつに驚きもしなかった』のであります。 なぜなら、『眉根をよせた顔をうなだれて、強いくろタバコをパイプに詰めかえ詰めかえ、部屋のなかを歩き回ってばかりいて、何を話しかけても何を尋ねても、聞こえないかのようにがんこにだまりこくっていた。』そんなホームズを見て『私には、ひとことも彼が口をきかないにもかかわらず、彼の頭のなかで考えられていることは、よくわかっていた。』からです。 《黄色い顔》では、二人が午後の散歩をしています。『二時間ばかり〜ぶらついたが、どちらからもほとんど口はきかなかった。心の底ふかく知りあった仲として、べつに珍しいことでもない。』 とてもいい雰囲気で帰ってくると、客が来ていたという知らせを聞くなり、事件に飢えていたホームズは、 「だから午後の散歩なんかダメなんだ」とワトスンをとがめるように言います。 人のせいにするところが珍しく思います。 ワトスンに対しては、よく責めるような言葉を言うホームズです。主にワトソンの文章についての苦言は喧嘩の原因にもなりますが、日常的な皮肉や責任転嫁については、ワトスンがさらっと流して取り合わないことが多いように思います。 むっとはしているかもしれませんが。 事件について、見当違いをしてしまうという失敗をしたホームズが、家に帰り、ろうそくを片手に寝室へ引込むというときになって、 「ワトスン君、これからさきもし僕が、自分の力を過信したり、事件にたいしてそれ相当の骨折りを惜しんだりするようなことがあったら、ひとこと僕の耳に『ノーバリ』とささやいてくれたまえ。そうしてくれれば僕は非常にありがたい」 と言ったホームズがいいです。ワトスンへの信頼が伺えます。 《株式仲買店員》では、ワトスンが開業したパディントン区へホームズが訪ねて来ます。 ベルの音に続いてやや耳ざわりなくらい甲だかい声を響かせながらずかずか入ってきて、奥さんへ気を遣う発言をします。 温かくホームズの手を握るワトスン。腰掛けながらホームズは、 「開業して医術のほうが忙しいために、僕たちの推理問題に示した君の興味が、あとかたもなくなってしまわなければよいがねえ」と気遣うように言います。 ワトスンがホームズの誘いを受けて出かけるというと、 「ハ、そいつは何より好都合だ」といすにそりかえって、いつもの俺様な(?)態度になります。 その後は推理をひけらかして驚かせたり、説明しすぎて「なんだそんなことか」という顔になったワトスンを見て苦笑したり、いつもの気の置けない関係に戻ります。 さて、他にもホームズが初めて手がけた事件《グロリア・スコット号》や、兄マイクロフトが登場する《ギリシャ語通訳》、そしてなんと言っても、モリアーティー教授の出てくる《最後の事件》など、読むべき作品がたくさん入っています。

    3
    投稿日: 2012.05.03
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    ★再読。「白銀号事件」「グロリア・スコット号」「マスグレーブ家の儀式」「海軍条約文書事件」「最後の事件」有名どころは覚えていた。

    1
    投稿日: 2012.03.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「白銀号事件」 名馬の失踪とその調教師の死の真相を次々と解いていくホームズ。最初から、ちょっと、鬱陶しかったロス大佐をレース本番でぎゃふんと言わせるところは爽快であった。 「黄いろい顔」 ホームズの思い込みによる失敗談の一つ。グラントさんの優しさに感動した。 「グロリア・スコット号」 ホームズが探偵になることを決意する事件。ワトソン博士以外にいるホームズの親友も登場。ちゃんと読んでみると、事件自体は告白文で解決しており、ホームズは、老トリヴァの過去をズバズバ当てただけだった。ただ、すごい観察力であることは確かだが。 「最後の事件」 ホームズとホームズの宿敵モリアーティ教授の直接対決が描かれた一篇。ホームズとモリアーティの知力対決が鮮明に描かれており、すごい臨場感があった。 「株式仲買店員」・「マスグレーヴ家の儀式」・「背の曲がった男」・「入院患者」・「ギリシャ語通訳」・「海軍条約文書事件」

    2
    投稿日: 2012.01.25
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    思い出というタイトル通り、難解な事件に迫るというよりは、前にあった事件をホームズが回想する、という構成の話が多い。 事件自体も、怪奇で非道な殺人事件というよりも、ちょっとした変わった出来事というものが多くて、最初は少し物足りないなと思ってたけど、最後の事件が総てを綺麗にまとめてくれた。 最後の事件そのものも素敵だったし、そこでのホームズの言葉が『シャーロック・ホームズの思い出』を総体的に仕上げてくれた。 本当に素敵な本! 終わらなくてよかった。

    1
    投稿日: 2011.12.16
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    二番目の短編集で一応のエンド  「シャーロック・ホームズの冒険」に続く二番目の短編集。  ここでホームズは死に一応シリーズは終わるが、強い要望により「シャーロック・ホームズの帰還」で復活することになる。  すでに後期三部作は終わっているから、次は初期三部作の残り「冒険」「帰還」を読みたいな。  ちなみにすでに読了している後期三部作は次の通り。  「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」「シャーロック・ホームズの事件簿」「シャーロック・ホームズの叡智」。  そして今回の作品は以下の通り。 白銀号事件  有名な競走馬が行方不明になるという筋。真犯人はウマだったというのがなかなかおもしろい。 黄いろい顔  こどもの頃に読んだ覚えがある。なぜかよく覚えている。黒人のイメージが強かったからかなぁ。 株式仲買店員  この手のアイデアは使い尽くされており、ちょっとマンネリ化。 グロリア・スコット号  ホームズが探偵を志すきっかけとなった事件とのふれこみで、けっこう貴重でかつおもしろい作品だ。暗号という手法もあるし、謎解きの楽しさがここにある。 マスグレーヴ家の儀式  同じく宝探しの色合いが濃い筋でなかなか楽しめる作品だ。 背の曲った男  よくある話で密室殺人となるんだが、イマイチかな。 入院患者  被害者が実は悪党の一味だったという筋だが、同じようなアイデアが続くので飽きてくる。 ギリシャ語通訳  兄のマイクロフトがはじめて登場する話。すっきりしないラストはもっともらしくていいんだが、切れ味という意味では今ひとつ。 海軍条約文書事件  これが一番おもしろかったかな。なんか複雑な動機と犯人候補があって、読者としては犯人捜しの楽しさが味わえた。いい作品だ。 最後の事件  ホームズ最後の作品のはず。すでにアイデアも枯れてきたと見える頃なので、この辺でホームズものを終わらせるつもりだったんだろう。結果的には終わらなかったし、この後にもすばらしい作品があるのだが、一応の区切りはここだろう。

    0
    投稿日: 2011.09.15
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     有名な悪役、モリアーティ教授が登場する「最後の事件」を収録した作品集。  モリアーティ教授の出番に期待して読むと、「えっ、これだけ?」という感想を抱くと思う。彼についての記述が驚くほど少ないのである。奇怪な容姿とかどうでもいいからもっと機転の利かしたところを見せてはくれないのだろうか?語り手であるワトスンがモリアーティやホームズの傍にいないため2人の決闘シーンについても全くである。ドイルがシャーロック・ホームズシリーズを終わらせたがっていることの現れだろうか?  でもよく考えてみると・・・「最後の事件」は、ホームズの忠実なる友であるワトスンが他ならぬ友の死を綴ったものだ。第一作『緋色の研究』以降の各小説で見られるように、決して淡白でない感情溢れるシーンが多いこのホームズシリーズである。  文末にあるように、ワトスンのモリアーティに対する怒りの感情から考えれば、友を亡くした彼の悲痛な心の内が伝わってくる。深読みしすぎかも知れないけど。

    1
    投稿日: 2011.01.10
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    小さい頃から大好きホームズ! 久々に読んでも感想は「お前らもう結婚しちゃえよ…」でした。実にすみません 黄色い顔にジーンとしました。この時代背景だから人種差別とか色濃かったんだろうなぁという描写ももちろんホームズシリーズにはあるけれど、コナン・ドイルに会いたくなりました。救いがある話を書いてくれるのはやっぱり嬉しい!

    1
    投稿日: 2010.12.16
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    どのカテゴリにしようか迷って探偵小説の枠を開設。 グラナダ版の「マスグレーブ家の儀式書」を買ったので観る前に復習しておこうということで、再読(済)。 いつも想うけど儀式書って何?古文書っていう意味?

    1
    投稿日: 2010.11.25
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    ○文庫本  ・発行:1953年3月  ・改版:1989年6月 ○分類:世界文化遺産 ○私の偏見的感想  ・原題”The Memoirs of Sherlock Holmes”、シリーズ第四巻!  ・前作の冒険に続く短編集であり、全11作だが、当文庫には紙幅の制約からその内10編が収められている。  ・以下、簡単に…。   -白銀号事件:因果応報   -黄色い顔:最後に愛は勝つ   -株式仲買人:美味い話にゃ裏がある   -グロリア・スコット号:人の情けが仇となり(ホームズが探偵になるきっかけとなった事件)   -マスクレーヴ家の儀式:自業自得(ホームズが探偵として名をはせた事件)   -背の曲がった男:因果応報(その2)   -入院患者:美味い話にゃ裏がある(その2)   -ギリシャ語通訳:マイクロフト兄初登場以外はね…。   -海軍条約文書事件:見取り図まで出した割にはね…。   -最後の事件:モリアティ初登場、(作者の意図と異なり)物語は続く…。

    1
    投稿日: 2010.09.23
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    1894年発表 原題:The Memoirs of Sherlock Holmes 【短編集】 銀星号事件 (Silver Blaze) 黄色い顔 (The Yellow Face) 株式仲買店員 (The Stockbroker's Clerk) グロリア・スコット号 (The "Gloria Scott") マスグレーヴの儀式書 (The Musgrave Ritual) ライゲットの謎 (The Reigate Squires) まがった男 (The Crooked Man) 入院患者 (The Resident Patient) ギリシャ語通訳 (The Greek Interpreter) 海軍条約事件 (The Naval Treaty) 最後の事件 (The Final Problem)

    0
    投稿日: 2010.08.09
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    2010年4月21日読了。2010年86冊目。 面白い。ホームズシリーズで一番面白いかも。 とくに最後は良い幕引きだと思う。 でもファンの要望で結局続きを出したらしいけど。 この続きを読むか迷い中。 きれいに終わったし、いいやんと思ってまう。

    1
    投稿日: 2010.04.21
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    ワトソン視点のホームズが面白い。すごく個々のキャラが魅力的。短編なのでサクサク読めるのがいい。 昔というのを念頭におき、話を読み進めると、昔ならではのトリックにワクワク! 流石、世界の名作!

    1
    投稿日: 2010.02.08
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    『白銀号事件』 『黄いろい顔』 『株式仲買店員』 『グロリア・スコット号』 『マスグレーヴ家の儀式』 『背の曲がった男』 『入院患者』 『ギリシア語通訳』 『海軍条約文書事件』 『最後の事件』

    0
    投稿日: 2009.11.02
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    『シャーロック・ホームズの思い出』(コナン・ドイル、延原謙訳、1953年、新潮文庫) 名探偵シャーロック・ホームズの短編事件簿。ホームズの探偵業の初仕事となった「グロリア・スコット号事件」、犯罪界のナポレオンといわれるモリアーティ教授との対決を描いた「最後の事件」など10編。 「最後の事件」のホームズとモリアーティのライへンバッハの滝での対決はスリル満点です! (2009年9月10日)

    1
    投稿日: 2009.09.10
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     今回は、シャーロックの兄、マイクロフトの登場やモリアーティ教授との決闘など、バラエティに富んだラインナップで非常に楽しめた。相変わらず、シャーロックの推理は素晴らしくためになる。 人間観察てすごいね。。

    1
    投稿日: 2009.08.16
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    この一冊はシャーロック・ホームズシリーズの中でも特に好きな一冊です。特にこの巻に収録されている最後の事件は手に汗握りました。シャーロック・ホームズが彼の宿敵である犯罪界のナポレオンであるモリアーティー教授とついに対決をします。この二人が策をめぐらし、駆け引きをするところはとても面白かったです。そして、ライヘンバッハの滝でのホームズとモリアーティー教授との最終決戦の結末にはとても驚きました。みなさんも読んでみては?

    1
    投稿日: 2009.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Memoirs of Sherlock Holmes(1894年、英) ホームズ・シリーズ、短編集。ホームズが初めて扱った事件「グロリア・スコット号」、旧家の家宝をめぐる陰惨な悲劇「マスグレーヴ家の儀式」、宿敵モリアティ教授との対決「最後の事件」など。

    4
    投稿日: 2009.02.22
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    ホームズが死んだ (T_T)ううっ! 「私が生涯に最も愛しかつ尊敬した人物」 「ホームズは腕ぐみして岩にもたれ、じっと激流を見おろしていた。これがこの世でホームズを見た最後となった。」 滝の側に立てかけられたアルペンストックと、ホームズの常用していた銀の紙巻いれ。そして残された手紙。 「親愛なるワトスン君──」 「奥様にどうぞよろしく。ではこれで。   君の忠実なる友 シャーロック・ホームズ」 自分の死ぬことが分かっていてもあっさりしている、ホームズらしい。 「その後私の生活に空虚を生じたまま、二年後の今日にいたってもなお満たされないでいるところの」 残されたワトスンがかわいそうなんだぜ(T_T)

    1
    投稿日: 2008.12.25
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    ホームズ短編集第2弾。ドイルの創作意欲にブレを感じます。ちょっと飽きてきた?というのが全体を通しての感想。5つ★評価は高すぎかもしれないが、既にファンとなってしまっている自分には、もはや客観的な視点で読めません。ありからず。『白銀号事件』依頼人ロス大佐とホームズ間の「奴は気に食わない」合戦。ロス大佐はホームズが「白昼夢を見ていた…」と黙想したり、ちまちました捜査に飽き飽き。ホームズはロス大佐の態度の素っ気なさが気に障ってすっかり臍を曲げ、競馬レース終了後まで真相を明かさないという大人げなさを披露。呆れつつもダートムアの広大な景色も楽しめる一編。『黄いろい顔』ホームズの推断・大失敗!の巻。完全な読み違い(恥ずかしいっ)。「これから僕が力を過信したり骨折りを惜しむようなときには「ノーバリ」と囁いてくれたまえ」。『株式仲買店員』早朝、ホームズが新婚・開業後のワトソン宅にずかずかと訪問。会話にワトソンへの寂しさを感じさせたのもつかの間、椅子にそり返り(偉そう!)得意の推理。依頼人の相談を「面白い話」「きっと面白い」「なかなか面白い」「うれしくてならない」って本人の目の前でそんなに面白がっていいのか?『グロリア・スコット号』ホームズが探偵で身を立てるきっかけとなった事件。カレッジ唯一の親友宅に招待され、彼の父親に推理を披露。手紙の暗号はホームズが解いたけど、事件の真相は遺書により判明。『マスグレーヴ家の儀式』ホームズの悪習極めつけ「肘掛椅子に座ったまま正面の壁に弾痕でV・Rの文字」こんな同居人絶対イヤだー!さてホームズが卒業後4年目に手がけた3番目の事件(それまでどうやって暮らしてたの?)。名門家に伝わる儀式文を解明したという話だが、一つ疑問。約200年前の文章で樹の高さ(影の長さ)が解読のカギの一つになっている。200年…って樹も相当成長してるはずなんだけどなぁ。『ライゲートの大地主』過労で倒れたホームズの療養を兼ねて、ワトソンの戦友宅へお邪魔した二人。遠ざかるはずだった事件(しかも殺人)がよりによって近所で起こり、捜査協力を要請されてしまう。独特の捜査を進めるホームズは狂人扱いされ、ワトソンが弁解「言行は狂気めいていてもあの男はちゃんと条理が立っている」。推理は怪しい。『かたわ男』一見殺人と思われた事件。真相は不運な事故(自業自得)。これって公にしていいの?『入院患者』ワトソン曰く「ホームズが問題解決にあまり寄与しなかった事件」とあるが、未然に防げなかったとは言え真相は明らかにしたし、犯人を取り逃したのは警察の失態では。『ギリシャ語通訳』兄マイクロフト初登場。ホームズに劣らず特異な人物で、ダイオジニズ・クラブ(社交嫌いの男たちのためのクラブ)に属し(創設者の一人)、政府会計検査に携わる、推理力優れるが実行力がない。ギリシャ語通訳者からの相談、犯人に口止めされてるのを知りながら尋ね人の広告を出すという、どう見ても軽率な行動をとる(その結果、拉致)。最後届いた新聞の切り抜きは誰から送られたのかという謎もおまけ。『海軍条約文書事件』あらすじすっかり忘れていたので、てっきり伯父が犯人だと思った。なぁる……。取り戻した文書を朝食の皿に隠し驚かせて「私は芝居がかりにやらなきゃいられない癖があるもんで」。以前「僕は芝居がかりは嫌いだ」って言ってなかったっけ?『最後の事件』モリアティ教授を称して「自分と同等の知力のある相手だわい」。そのあとの二者会談は極めて紳士的だわい。最後のあいさつ(手紙)、胸を痛めずには読めません…。巻末で「ドイルが残忍とかグロテスクとか避けようと努力しているのは好感もてる」「殺人事件そのものすら探偵小説の必要条件では決してない」「(訂正しないのは)ドイル流フェアプレイ」との延原氏の解説に共感。いろいろ突っ込みながらの感想になってしまった…。※6話は叡智より貼り付け(2009年1月ホームズ再読月間)

    1
    投稿日: 2008.11.06
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    ホームズが探偵を志すきっかけとなった、初めて手がけた事件「グロリアスコット号」、ホームズ最大の強敵にして宿敵モリアティ教授との戦い「最後の事件」など。「最後の事件」でホームズはモリアティ教授とともにライヘンバッハの滝に落ちて死ぬ。(コナンドイルは最初はそれでホームズを終了するつもりだったらしい)いつもクールでワトソンにも友情らしい感情は一切見せなかったホームズが滝の淵に置き残したワトソンへの手紙は、こうなることを分かっていて、同行してきたワトソンをわざと先に帰した、と告白していたり、思いやりの溢れた言葉にちょっとじーんとくる最後になっている。

    1
    投稿日: 2008.10.15
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    ホームズストーリー第2集、人種差別をあつかった「黄色い顔」も興味深いが、若きホームズを描いた「グロリアスコット号」「マスグレーヴ家の儀式」なども面白い、また、シャーロックの兄、マイクロフト・ホームズが出てくる「ギリシア語通訳」、なんといっても一端連載終了を意図した「最後の事件」など、シャーロックの歴史や身辺が分かる内容で面白いです。

    1
    投稿日: 2008.07.04
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    最後の事件でドイルはこのシリーズを終わらせようとしたのでしょうが 当時のファンが許さなかったのでしょう

    1
    投稿日: 2008.06.22
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    白銀号事件・黄いろい顔・株式仲買店員・グロリア・スコット号・マスグレーヴ家の儀式・背の曲った男・入院患者・ギリシャ語通訳・海軍条約文書事件・最後の事件

    0
    投稿日: 2007.09.11
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    ホームズ物語の第二短編集。 「白銀号事件」 「黄いろい顔」 「株式仲買店員」 「グロリア・スコット号」 「マスグレーヴ家の儀式」 「背の曲った男」 「入院患者」 「ギリシャ語通訳」 「海軍条約文書事件」 「最後の事件」 10編収録。

    0
    投稿日: 2007.08.02
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    始めて買ったのがどれかは忘れたけど、なんとなーく買ってみたら(yonda?君プレ目当てで)おもしろい!! 今では、ほぼ毎晩読んでます。 各冊、5回は読んでる・・・(笑)

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    投稿日: 2005.11.04
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    ホームズの時代ってやっぱりのんびりしてていいなぁ……それにしても朝書いた手紙がその日のうちに着くシステムって立派じゃない?それとも個人的におつかい飛ばしてんのかしら。『事件簿』ではとうとう電話を使ってたけど……DNA鑑定なんてことのできてしまう現代が何だか味気なく思えてしまう。それでもいきなり発泡されるなんて危険な目にもあってしまうけど……。ポーの一族シリーズへの憧れが抜けないんでしょうか、やたらとイギリスこの時代ってのは居心地が良い。'93

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    投稿日: 2005.07.26