
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
アガサクリスティの名作,オリエント急行殺人事件のオマージュ。エルキュール・ポワロにはモデルとなる探偵が実在し,オリエント急行殺人事件のモデルになる殺人事件は,インドのハイデラバード急行で実際に起こっていたという設定。インド政府観光局からの招待を受け,インド旅行団に参加している各国のマスコミとして,高田晨一やポワロが登場する。ツアーの最中,ポワロとヘスティングズのもとに,殺人予告の手紙が届く。 45年前に,インドのハイデラバード急行で殺人をしたメンバーが再び集まり,新たな殺人を実行しようとしているのか。だとすれば,被害者候補は誰なのか。 ポワロとヘスティングズは,ツアーの参加者や,当時の事件の記録を調べ,ツアーの参加者のうち,トーマス・ウィルソンが,45年前に,スサーナという使用人を,犯人と内通していると疑い,取り調べ自殺に追い込んだ警察官,トムだったという事実を知る。 改めて殺人事件が起こるのであれば,被害者はトーマス・ウィルソンではないか。そう感じた二人は,トーマス・ウィルソンに注意しつつ,急行に乗り込む。 ハイデバラード急行では,トーマス・ウィルソンがあからさまに怪しい動きをし,ダイヤ調整の時間に外に散歩に出かけ,ポワロとヘスティングズをおびき寄せる。その後,トーマス・ウィルソンが死体として発見される。しかし,その近くの部屋で高田,森,小池がいた。ポワロ達がトーマス・ウィルソンを見たあと,死体が発見されるまでの間,殺人があったような物音はしなかったという。果たして,どのようなトリックが使われたのか。 ポワロは,トーマス・ウィルソンは,既に死亡(病死)した状態でハイデバラード急行に運び込まれ,トーマス役を別の人物が演じており,ポワロ達がトーマス・ウィルソンにひきつけられている間に,殺人現場を用意したと指摘する。その上で,45年前に存在しない殺人者がいたという二つ目の解決を示したように,今回は,殺人事件そのものがなく,単にトーマス・ウィルソンが病死したのだという二つ目の解決を示した。 ポワロの解決を聞いたヘンリー・アームスヘッド大佐達は,「ポワロは,真実のうち,半分ほども,解き明かしていない」という。犯罪の背景にあった隠された真相は,ラゼットは誘拐犯人ではなく,45年前の私的裁判により殺人は冤罪だったというものだった。ラゼットの妻と子どもがジム・マルカーノをひき殺し,息子とインドに高跳びする。そこで,トラッドギルと出会い,全てのことを話あった結果,ラゼットの妻であったA・マルチネスがトラッドギルと結婚していたのだ。 ラゼットの息子は,アガサ・クリスティに出会い,ラゼットが誘拐犯人ではなく,ラゼットと妻とトラッドギルが再婚したことなどを告げる。クリスティは,真相を,アームズヘッド大佐に問い合わせ,真実を知った。そして,クリスティはカーテンという作品で,自分の作品の中のポワロを殺害する。 作品全体を通じ,翻訳モノのような読みにくさが存在しているのがつらい。登場人物が多い上に,名前も紛らわしい。その上,各人物の説明の描写が少なく,登場人物のメモでもしていないと,誰が誰か分からなくなる。 オリエント急行殺人事件のモデルとなったハイデバラードにおける殺人事件での私的裁判による殺人で殺害した被害者が誘拐犯人ではなく,単なる殺人事件だったこと,ポワロも殺人に加担した形になってしまったことなどをプロットとし,クリスティがそのことを知ってカーテンという作品でポワロをひどい人物として描き,殺害するという部分と作品をクロスさせているところがミソ。 とはいえ,作品全体としては,トリックも陳腐で説明不足な点なども含め,凡作と感じてしまう。当時は,このような「本格ミステリ」っぽい作品が少なく,この作品でも,本格ミステリファンには歓迎されたのかもしれないが…★2で。
0投稿日: 2016.05.01
