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天使を誘惑(新潮文庫)
天使を誘惑(新潮文庫)
高橋三千綱/新潮社
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総合評価

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    山口百恵と三浦友和主演映画の原作。さわやかな青春ものかと思いきや、ドロッとした感じもところどころ。これが時代の空気感ってやつだろうか。 健気な恵子に対して主人公の「ぼく」の不実でおこちゃまなこと。「ぼく」に限らず、地方から就職で東京に出てきた女性を二号さんみたいにしちゃったり、浮気はするし、浮気相手を妊娠させるし。かたや恵子は、帰ってきた「ぼく」が上着を脱ぐのを手伝いしまったり、結婚前にできた子を「ぼく」には言わず堕胎したり。1970年代後半の男と女って、しかも二十代にしてもこんなものだったのかとびっくりした。 ストーリーも「ぼく」のひとりよがりの日々を綴った感じで、こんなのが文学としてまかり通っていたのだろうか。あるいは逆に、まだ人々が動画やゲームに時間を割かず、エンタメとして本を読んでいたからこういう軽い内容でも本になっていたのかも。

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    投稿日: 2024.11.17