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スロウスタート 13巻
スロウスタート 13巻
篤見唯子/芳文社
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総合評価

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    未だ消えぬ大会のトラウマ、それによって作られる他者への壁。そういった諸々を花名が自身の秘密や傷を大会が聞いてくれた事への嬉しさを元手に打ち破っていく構図は美しいね また、集った栄依子達も大会を積極的に慰める策を取るのではなく、彼女が雪を必要以上に恐れなくて良いよう雪掻きをするだなんて温かみのある話だ 雪はまだまだ怖かったとしても、雪の冷たさに怯える自分からは脱却できた。大会の様子からはそのような心を感じてしまったよ 年の瀬が近づき、冬が本格化する中で話題になるのは修学旅行やらクリスマス会やらですか 修学旅行っていうと夏前くらいに京都辺りへ行くイメージがあるけれど、果実達の学年は北海道へスキーやスノボへ行くようで。あれって運動神経が何気に要求される為にめっちゃ満喫する人とそこそこ楽しむ人と滑るのが怖くて仕方ない人に分かれる印象があるのだけど、花名はどうやら3番目のタイプだったようで まあ、前年度と被る事は無いというから、花名の世代ではスキーはしないのだろうけど、前年にスキーをするような学校はまた別のアウトドアスポーツを据えた修学旅行を設定する気がするよ…? それよりも花名達の場合はスキー旅行に備えての買い物の方が楽しそうな印象を覚えたね 普段は買わないアイテムだからどれをどのように買おうか心が踊る、つい買い過ぎそうになる。その中でより普段なら買わないミニツリーを購入するなんて洒落ているね。季節物はそれこそクリスマス時期にしか映えないものだけど、それだけにクリスマスの特別感を演出できる。また、その過程で果実達が互いに買い合って絆の証明としている様は麗しさすら有ったよ 同時に企画が進められるのはクリスマス会 開催場所がすんなり決まったのに対して、議題に上るのはクリスマスケーキをどう調達するか。多人数で集まるならケーキも複数必要となり、被らないかも気にする必要があって… その中で甘い物に目がない榎並の目に留まるなんてね。そんな流れだったものだから、てっきり榎並もクリスマス会に参加するかと思ってしまったけど、流石にそこまでお邪魔はしなかったか 代わりに提案されるのはまさかの家庭訪問!?いや、一応の建前はあるけれど本音は限定ケーキを食べに来るなんて凄い話だね! それだけに本音の方に比重を置くこと無く、建前であった筈の冠の生徒会長っぷりを資料を交え真剣に説明する彼女の姿には良いギャップが感じられたね 今更だし、よくよく考えればこれまで何度も感じた事ではあるけれど、改めて榎並の教師らしさを感じてしまったよ ……そのような温かい話があった後でとんでもない爆弾がぶっこまれたね… 果実が親の転勤都合により引っ越しや転校を繰り返している話は有ったけど、それがどういう事情により発生しているかがよく見えてくるかのような父親の姿でしたよ…… これまでの果実は親の庇護下に有るから、言いたい事を言わずその判断に従ってきた。けれど、楽しいクリスマス会や修学旅行を直前にし、流石の彼女も我慢の限界を迎えたようで 大会の雪関連トラウマだったり、花名の留年事情のようなタイプとは異なり、果実のそれは個人で収まる話ではないね。彼女がどれだけ嫌だと言っても親の庇護下に在る以上、親の判断に振り回される事態からは抜けられない そこで話を聞いた花名達が話し合って、「一人暮らししたら?」と提案するのは現状への良い打開案。特に既に一人暮らしをしている花名がアパートへの入居を勧めるのは花名の人生経験が活きているようで良かったな これからどう決断するにせよ親と向き合う必要はある。ここで果実は、そして彼女の親は流された涙を止める為にどのような決断をするのだろうね?

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    投稿日: 2025.12.23