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偽りの薬 バルサルタン臨床試験疑惑を追う
偽りの薬 バルサルタン臨床試験疑惑を追う
河内敏康、八田浩輔/毎日新聞出版
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    不正の原因 ■ひも付き 製薬企業から大学病院に対する奨学寄付金は研究や教育の振興のために提供する建前で組織に支出するが、実際の送り先は研究室を指定できる「ひも付き」となっており、自社製品に関する臨床試験の資金として利用される ■臨床試験の制度 国から医薬品としての承認を受けるための試験を行う製薬企業と医師は、「薬事法」と「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する指令(GCP)」という国際基準に沿った規則を守らなければならない。違反すれば罰則もある。しかし、市販後に行われたバルサルタンの臨床試験はこうした規則の対象外で、罰則のない倫理指針しかなかった。 ■ソフトなエンドポイント 滋賀医大を除いた4つの大学がPROBE法(Prospective Randomized Open Blinded-Endpoint)の手法を採用しており、試験に参加する医師と患者の双方がどの薬を服用しているかを承知していて、実際の臨床現場に近い形で進められていた。どの薬を使用しているか知っていることは、医師が導き出したい結論に沿うように診断することを可能にしてしまう。このため、薬の効果を測る指標、すなわち脳卒中などの心血管疾患を発症したか否かというエンドポイントにバイアスが生じやすい。このため、PROBE法では、どの患者がどちらの薬を飲んでいるかを知らない医師らで構成するエンドポイント委員会を設置し、現場の医師の診断が適切であるか判定する仕組みになっている。

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    投稿日: 2016.09.04