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新装版 赤い人
新装版 赤い人
吉村昭/講談社
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総合評価

46件)
4.1
13
21
10
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    各地の囚人が北海道開拓の為に集められ、過酷な人権を無視した作業につかされる。 極寒の大地でまともな防寒着も与えられず、食事も冷たい味噌汁、麦飯、漬物。 藪蚊が身体に群がり、刺された所が化膿する。想像しただけで身震いしてしまった。 脱走しても見つけられたらその場で殺されるか、逃げ切っても餓死するか、囚人になったらもう最後だ。

    0
    投稿日: 2025.07.21
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    ゴールデンカムイにも登場した樺戸監獄の歴史。北海道という土地を切り拓いた人々の情熱が伝わる。極限状態の過酷な描写が光る。

    5
    投稿日: 2025.07.07
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    良本。日本史では学べない史実。素晴らしい史実本だが、これが実際に日本で起きたことかと絶望的な想いで読み進めた。

    0
    投稿日: 2025.02.18
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    「豊かに実れる石狩の野」が人権度外視の囚人労働により切り拓かれる過程を淡々と描写する。舞台となる町の町史を参照しており、特に札幌圏に住む高校生以上の人間への歴史教材としても秀逸だと思う。 本筋ではないが、この作品で語られる積雪期の長さに僅か1世紀程度の気候変動の影を感じずにはいられなかった。

    0
    投稿日: 2025.02.10
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    河崎秋子 愚か者の石の参考文献にあったため読みました。 小説というより、記録を読んでいるようでした。 ただ、この北海道が、赤い人の命により発展したことを強く感じる本でした。

    0
    投稿日: 2024.08.30
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    樺戸集治監の歴史が非常に淡々と語られていく。客観的に淡々と進むのだが、登場人物に妙に熱気がある。このあたりの文章の上手さが吉村さんならではなのだろう。解説を読むまで、囚人がほぼ言葉を発していないことも頭から飛んでいた。 今の刑務所事情を知っていると、ここでおこなわれていることは人権侵害にほかならず、そりゃあ脱獄も反乱もおこるよな、という感じ。 戊辰戦争、日清日露戦争、天皇陛下崩御と恩赦などの外的要因が集治監に影響していく様は時代を感じさせられるとともに、監獄というのはそれ単体で動くものでは無いことを実感する。 北海道がこうして開拓されていったという、歴史の一部を学べた。

    0
    投稿日: 2024.08.07
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    北海道開拓に働いた囚人達の記録。 北海道のインフラ開発が多くの人の犠牲の上にあったことを思い知る。 囚人を人とも思わないような扱いの残酷さ。こういう感覚の麻痺はどの時代でも、どこにでもある。なぜだろう。

    0
    投稿日: 2024.02.25
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    新千歳空港の書店にこの本があるのは、まさにあるべき場所で売られているといった赴き。在庫を切らさないようにしているのかな。 北海道を訪れたら、北海道を訪れる前に、一度は読んでおきたい開拓と命の歴史。

    3
    投稿日: 2023.10.28
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    あらすじを見て、囚人を北海道開拓に従事させていたなんてまったく知らなかった!と手に取った。 囚人たちが、監獄やいまも残る国道整備に貢献したこと、危険を伴う炭鉱や硫黄山での作業に従事させられていたことを知った。 (硫黄山での作業はゴールデンカムイにも出てきたぞ、と思いながら読んだ。) 囚人を北海道開拓という困難な労役に充てるだけでも驚くけど、斃死しても構わない、という姿勢だったことにも驚かされる。 また、囚人の中には明治維新において旧幕府側に立った士族や国事犯も含まれていて、殺人犯や窃盗犯なら労役に充ててもいいと思っていたわけではないけれど、ショックを受けた。 官吏と囚人は元は同じ士族の身分だったけれど、時代が変わるときにどちら側に立ったかで運命が別れたということが苦しかった。時代の転換はそれほどの大きなことで、否応なく選択を突きつけられ、敗者側になるような選択をした場合には、それまでの暮らしとは全く異なる運命を受け入れざるを得なくなるのだと感じさせられた。 ゴールデンカムイを読んだ身としては、あの人やこの人が出てきたのも面白かった。

    1
    投稿日: 2023.10.04
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    明治初期の囚人が北海道に送られて開拓していく。彼らは皆重罪犯だが、時代の転換期だったし本当は悪く無い人もいたんじゃないか…?囚人の扱われ方がとにかく酷くて真冬でも足袋すら支給されない。典獄は上席に足袋などを求めるが、北海道の寒さをわかっていないのか、却下される。で、支給されない。日本らしい縦割りだなぁ。作業効率を考えて自腹で勝手に支給してもバレなそうだけど。典獄は桁違いにお給料もらってたみたいだし。そんな感じで囚人は安い労働力としてこき使われバタバタと死んでいく。脱走する人も続出し、逃げきれず死んだり、看守に殺されたりする。海外を視察した偉い人によってこの待遇はあり得ない。という風潮が流れ、明治後期か?監獄自体廃止される。生き残った人もいるらしい。人権とは、を考えさせられる。

    2
    投稿日: 2023.02.21
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    淡々と語られているので、道路やら畑やらどんどん拓けていってるような気になって読んでました。実際には何十年も経ってる話なんですよね。 網走土産でみたことがあった五寸釘の寅吉が出てきました。脱獄と生への執念がすごい。あのお菓子からは想像つかないよ。

    5
    投稿日: 2023.02.16
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    2023年の1冊目。明治から大正時代にかけての北海道の開拓の歴史が学べる本。 明治時代、囚人たちが未開の地だった北海道に送り込まれ、過酷な状況下で労働を強いられる様子が淡々と描写されている。タイトルの「赤い人」は囚人の着ていた赤い獄衣のこと。労役、脱獄、死、の繰り返しで、囚人と看守が徐々に敵対するようになり、終盤は囚人と看守の報復合戦のようになっていって怖ろしかった。囚人の中には何度も脱獄を繰り返す猛者や恩赦で釈放されてもまた舞い戻ってくる人なんかもいて、一人一人にスポットを当ててもドラマチックな物語ができそう。 ゴールデンカムイ好きな人はより楽しめると思う。

    1
    投稿日: 2023.01.12
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    舞台は明治初頭、ほぼ開拓の進んでいない北海道に送り込まれた囚人らが、あまりに過酷な環境で土地を開拓していく様子が、ひたすらリアルに残酷に記された一冊。 当初は「赤い人」というタイトルから共産党員系の話かと思ったら、そんなことはなかった。 とにかくこの本を読むと、西欧列強に追いつこうと奮起していた当時の日本が、いかに基本的人権に対する意識が薄かったかが伺える。 特に鉱山に送られた囚人たちの末路が酷く、文字で目にするだけでも恐ろしい。 明治中期〜後期にかけての大罪人の多くは北海道の監獄に送られているので、「あいつも北海道にいたのか!」という発見も楽しめた。 内容の4割が脱走関連、3割が劣悪すぎる環境に関する描写で、正直これどう収集つけるんだ…と感じていた頃に、価値観の変化を感じさせる「時代の波」が押し寄せてきて、諸行無常を感じてしまった。 時代が求めていたものは当初「必要」であっても、いつしかその多くは「必要悪」となり、最終的には「不要」となってしまうのが世の常なのだろうか。

    0
    投稿日: 2022.06.27
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    北海道開拓の背景にこのような囚人の酷使があったことを初めて知った。 とてつもなく厳しい北海道の環境の中、お互い信頼していない囚人と看守の関係性と監獄の生活が淡々と描かれている。

    0
    投稿日: 2022.06.25
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    小説であるが吉村昭先生の取材が緻密で、明治史を北海道監獄視線で読み解くことが出来る 囚人達は常に脱獄を虎視眈々と狙うが、時代状況に合わせて動機や心情の描き方を変えてくるのはさすが 英照皇太后崩御の時の恩赦が監獄囚人の希望で連綿と語り継がれ、明治大帝御不例の噂を耳にした囚人が外役の時に住民に聞いたり、崩御後は『脱獄』がハタと止むのがリアルだった

    0
    投稿日: 2022.06.10
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    北海道開拓史……ともいえるが、囚人の扱いの、まあ悲惨なこと悲惨なこと。 同著者の『高熱隧道』では人夫が人間扱いされていなかったが、囚人はそれ以下だ。 人権無視だが、そんな扱いを受けて当然と思われる囚人もいれば、世が世なら犯罪にすらならぬ民衆運動=反明治政府の思想犯などは気の毒(中国、ロシア、北朝鮮などは今もそうだろうけど)。 北海道を実際に血と命をもって開拓したのは赤い人(囚人)たちだったのか……。 山田風太郎の『地の果ての獄』にも登場した囚人や看守も顔を出しており、本書と合わせて読むと当時の監獄史が立体的になって面白い。

    0
    投稿日: 2022.05.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    囚人を通した北海道開拓史、いや、日本近代史。解説もすばらしい。ここまでひたすら事実に忠実に、そしてあまりリアルで残酷なストーリーな裏側に、冷徹な歴史を語る切り口は、読んでいて鳥肌もの。

    0
    投稿日: 2021.04.01
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    重めなのを読みたかったので吉村さんを選んだけど中でもとびきりなのを引いてしまった気がする。重めというかもう重すぎて、これほんとに現実にあったことなのファンタジーを読んでたんだっけと訳がわからなくなるレベルだった。 命が一番軽く扱われていたのは戦国時代あたりなのかなとふんわり思っていたけど明治の時代までこんな観念だったんだと物凄い衝撃を受けた。移植開拓時代の北海道の出来事もまったく、本当に全然知らずにいた。日本史の授業でも触れられた覚えがまったくないけれどもあえて伏せられていたのかな。 こんなふうに開拓された土地だとは全然知らなかったです。勉強になった。 次々名前が上がってたくさんの人が出てくるものの、登場人物を掘り下げるのではなくてあくまで主役は事象であり地域でありの描かれ方は本当に独特。 またしばらくしたらどっぷりな吉村ワールドに浸りたい。

    0
    投稿日: 2020.12.25
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    北海道開拓の歴史の片鱗を知ることができました。 表舞台には出てこない美しくはない話ですが、事実としてそこにあったんだなと。 そして、その人達が作った道を私達は今も通っているんだと畏怖の念をも抱きました。 土地の厳しさ、囚人と看守につのる憎悪、またその個人の感情を動かす監獄の方針、それを動かす国、世の中の流れが連動して書かれていて面白かったです。

    0
    投稿日: 2020.09.21
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    ゴールデンカムイに影響されて読むことにした。 北海道開拓の多くの部分が囚人によって行われていたこと、囚人には、凶悪犯だけでなく、佐賀の乱、萩の乱、神風連の乱、西南戦争といった士族の反乱者・秩父事件などの自由民権運動の激化事件の参加者たちもいたこと、初めて知った。 自由民権運動の闘志が結構収監されてるの、知らなかったな。 「日本の民主主義は戦後、アメリカの占領軍によってもたらされたもので、人民が勝ち取ったものじゃ無いからありがたみが染み付いてない」 っていう言説をよく見るけど、明治から昭和にかけての自由民権運動について知れば知るほど、そんなこと言えちゃうのは悲しいなと思う。 秩父事件、とかもそうだけど、最近読んだ九州の炭坑夫・山本作兵衛さんの記録から見た米騒動とかにも、国民主権を勝ち取るために戦った人達のこと書いてあったもんな。 学校教育で、明治から昭和にかけての自由民権運動・市民運動を教える際の語られ方が変わればそこらへんの認識も変わりそう、と思ったり。 札幌から旭川、旭川から網走までの道は囚人によって拓かれている。 「ボーリングフォーコロンバイン」という映画でマイケルムーアが、アメリカでは囚人を企業のために廉価で働かせていることを批判していたけど、同じようなことが日本でも行われていたんだな。 アメリカといえば、アメリカの囚人の服はオレンジだけど(ネトフリ のオレンジイズニューブラックとか見てもそう)、これは、樺戸監獄の囚人が赤い服を着せられて逃げたら目立つようにしてたのと同じ理由でその色なのかな? 三井の炭鉱などで囚人は働かされていた。 炭鉱のカナリアといえば、炭鉱にカナリアを持ち込み、カナリアが鳴かなくなれば有毒ガス発生として警戒するので有名だけど、この本では有毒ガスの有無を調べるために、囚人が炭鉱の奥まで下ろされている。囚人が気絶または死亡したら有毒ガスが発生している、という判断、えげつない。 幌内炭鉱で働かされていた囚人はほとんど不具者になっていた、という記録を岡田朝太郎博士が残している。 「作業終了の鐘がなると、手だけを失ったものが誘導し、盲人がたがいに前を歩くものの帯を掴んで進み、その後を足の欠けたものが這っていく」 明治の時代の政治や事件と、樺戸監獄の発展が連動して語られているのが面白かった。 金子堅太郎が、囚人を開拓に使うのに積極的な中央の人間だった。囚人を懲戒させられるし、どうせ囚人なので死んでも経費が浮くだけ、といった考え方。 金子堅太郎といえば、日露戦争で講和のためにアメリカに渡った人だったよね。 ニコライ親王を殺そうとした津田三蔵も樺戸監獄に収監されて獄死したの、知らなかった。 海賊房次郎、稲妻慶次郎のエピソードがこの本で紹介されている。 稲妻慶次郎は、体にマムシの入れ墨をしている女賊「マムシのお銀」と同棲しながら強盗を繰り返した。 海賊房次郎の妹よしは鬼神のお松と称された女。房次郎は泳ぎが得意で護送中船から逃げた。 偽札製造で収監された熊坂長庵は、北漸寺に観音像を描いている。今でも現存しているらしい。北漸寺には多くの囚人作の彫刻や装飾があるそう。 西川寅吉こと五寸釘寅吉、監獄から脱獄するも捕まる。70になるまで刑務に服し、満役で出所したあとは、五寸釘寅吉劇団という見世物小屋に勧誘され、台湾含む全国興行をしてまわった。 北海道の経営は薩摩出身の官吏や企業に占められている。官有物の払い下げも薩摩官吏→薩摩企業へと行われていたし、安価な囚人の労働力提供も薩摩企業へ。 癒着だ!と批判されていた。 跡佐登硫黄山で硫黄の採掘に囚人が駆り出された時期もある。硫黄のために、目が爛れ、膿でふさがったり失明したりする囚人が多かった。 囚人が出れるのは、皇族死亡に際する恩赦の時。皇太子が無くなって恩赦が出、多くの囚人が放免になった話はその後監獄内で語り草に。 その後、囚人は街に出るたびに、皇族の様子は変わりないから町の人に聞くようになったという。

    1
    投稿日: 2020.07.26
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    読み応えのある文章量で、なおかつ史実が詳細に記録された価値のある書籍だと思います。 この書籍をおかずにご飯が3杯食べられるくらいに満足出来ますよ。

    0
    投稿日: 2020.07.10
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    最近、吉村昭を読み直してる。 北海道開拓歴史と、安価な命として囚人を使役に利用するシリーズは、色々読んだが、本作も興味深い。

    0
    投稿日: 2020.05.16
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    ゴールデンカムイという漫画に影響され、網走旅行中に購入。 明治維新後、国事犯や民権運動により囚人が牢獄に収まらなくなった。またソ連南下の脅威を感じている日本政府。そこで囚人たちに北海道開拓をさせることに。「苦役に絶えず死ねば国の出費も減る」とのこと積極的に囚人が送られた。 現地の労働は超極寒の中、履物や手袋、食料までもが十分に支給されず命を落としていく。北海道に囚人が送られることは死と同義と言っても過言ではなく、自暴自棄になり脱獄を試みる囚人も多数。 旭川から網走に道を一本作るのが一番過酷だったよう。交通網が国力に直結するのは理解できるが、国のために命を落としていく囚人を思うとやるせなくなる。 この本は有吉が網走監獄博物館で買った。網走から旭川への帰路、この道は囚人無くして存在し得なかったと考えると囚人といえど頭が下がる思いである。

    1
    投稿日: 2019.08.17
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    北海道樺戸集治監を舞台に労働力として押送された囚人達と看守達のドラマ、明治という時代にさまざまな思いが交錯する背景、細かな取材、さすが吉村昭 ゴールデンカムイのモデルとなった人物も多数あり

    2
    投稿日: 2019.06.02
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    明治維新直後の日本。不平士族の反乱や政府部内での対立などで刑務所に収監される囚人が急増。その需要に応えるため、政府は新たな収監所として、北海道に目を向ける。厳寒の地での収監は刑罰としては適しているし、北海道開拓の労働者としても期待できる。囚人の人権なんて考える必要のない時代、政府は容赦なく囚人を北海道へ送り込む。 囚人たちは番号のついた赤い服を着せられ、移送される。たどり着いた北海道で待ち受けるのは防寒対策が不十分な獄舎と粗末な食料、過酷な労働。使い捨ての開拓員としてこき使われた囚人のほとんどは凍傷に悩まされ、亡くなる者、脱獄する者が後を絶たない。 第2次大戦後のソ連によるシベリア抑留に似たようなことが、被害者側の日本ですでに行われていたことに歴史の皮肉を感じる。そして、こうした犠牲によって北海道が開拓されたことは知っておくべきだ。 名もなき囚人たちの壮絶な苦悩が歴史文学作家、吉村昭の丹念な取材力と淡々と事実を記す表現でより強調される。ただ、あまりに読者の気が滅入る事実ばかりを並べすぎた反動なのか、後半から脱獄犯列伝みたいになってしまうことに、すごい違和感がある。

    4
    投稿日: 2019.05.19
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    北海度の発展と囚人たち。淡々と語られるその内容は初めて知るものばかり。歴史とは…学校では習わない歴史の存在を痛感した。

    2
    投稿日: 2019.04.19
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    明治以降の北海道開発は囚人が担った歴史の事実を記録する 明治14年月形に樺戸集治監を作り、北海道開拓の労役に囚人を利用 コストのかからない労働力確保と、北海道開拓の早期実現 当初の農業開墾から始まり、基幹道路の開削、石炭・硫黄の鉱物資源を掘出しなど、人間扱いされない労働力として消耗 囚人の絶望と多数の死、そして脱走・恩赦などのドラマが織りなされた 国家が危機に有るとき、国家権力がどれだけ暴力的になるのか、吉村昭氏は丁寧に描いている 一人一人の囚人のドラマで有るとともに、明治の時代における国家存亡の危機という歴史も見事に描いている 司馬遼太郎氏の坂の上の雲とは異なる影の部分にスポットを当てており、意義深い 一点、囚人を活用したビジネスで得られた利益は誰がどの程度享受したのだろうか 歴史の本質の一つはマネーである

    1
    投稿日: 2019.02.08
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    明治十四年から大正八年まで開拓のために囚人が次々と北海道へ送られた。 北の最果て。 無報酬。 過酷な労働。 猛威を振るう自然。 人体実験紛いの行為。 人権なんてない。 時代のなせる業。 三十八年で死亡者、延べ千四十六人。 この囚人たちの上に北海道がある。

    1
    投稿日: 2018.10.13
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    北海道開拓史の暗部。 囚人による苛酷な強制労働の上に成り立つ。北海道開拓の一端を囚人達が担っていた。しかし、囚人達は国益のために使い捨ての労力として扱われていた。 樺戸集治監の盛衰物語とも言える。 ほんの少し昔の日本の暗部であり、史実でもある。 それを多くの資料から掘り起こし、淡々とした筆致で描きる吉村昭氏。すごい。

    2
    投稿日: 2018.06.08
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    明治期の北海道開拓には、樺戸集治監をはじめとする囚人たちの労働が大きな役割を果たしていた、というお話。囚人vs看守の緊迫した攻防はドキドキする。 罪を犯して北海道におくりこまれるならともかく、囚人監視のために未開の地に送り込まれた看守の方がよっぽどお気の毒…という気がする…。 冬の間に雪の上に囚人が埋葬されていくさまが、アンデス山中の飛行機事故で生き延びた「生きてこそ」を思い出して怖かった… ゴールデンカムイの元ネタのような話がいっぱい出てきて面白い。慶さんとか長庵とか四郎助とか。

    1
    投稿日: 2017.12.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    明治14年、無報酬の労働力として北海道の原野を開墾する赤い獄衣の囚人たち。極寒の中での過酷な肉体労働だが足袋も支給されず、凍傷で体は欠損していくものの酷使され続ける。維新で政治犯になった士族たちと混乱した世相で発生した凶悪犯たちは豊富な資源であり、死んでも補充されるだけ。脱走したら看守たちに殺され、死体は見せしめにされる。北海道にまず囚人たちの手で獄舎が出来、炭鉱が掘られ、道路、鉄道が敷かれていく。  『... 掘りさげられた堅坑に可燃ガスの存在が懸念されると、看守の指令で囚人の体に綱が巻きつけられ、宙吊りにされておろされる。囚人が頭をたれ動かなくなると、ガスの存在がみとめられ、新たに換気孔がうがたれる。むろん、堅坑におろされて悪性ガスを吸った囚人の大半は、 意識が恢復せず、一命をとりとめた者も痴呆状態になった。… (P211) 』 『...看守たちはもどかしがって、樹木の一方に囚人たちを綱でぶらさげさせ、その重みで樹木を早目に倒すよう指示する。倒れる樹木を避けきれず、下敷きになる者もいた。… (P234)』 『降雪期がやってきて、かれらは雪中で岩を砕き、巨木を倒して進んだ。その頃から逃走者が続出するようになり、それを看守が追って斬り殺し、銃弾を打ちこむ。路線の周辺には、病死者と逃走者の遺体が点在し、降りしきる雪に埋れていった。… (P235)』 『...囚人は怠惰を好み他人の生活をあてにする「寄生虫」で、かれらを更生させるには働かなければ食物を口にできぬことを教える必要があり、そのためにも坑道内に追い込み採炭させることが最も効果があると論じていた。... (P241) 』 『樺戸監獄の関係書類は旭川監獄に移されたが、それらの書類に記録されている共同墓地に埋葬された囚人の遺体は千四十六体で、そのうち遺族に引き取られたのは二十四体に過ぎない。死因は、心臓麻痺が八十三パーセント強にあたる八百六十九体、逃走にともなう銃・斬殺、溺死、餓死及び事故死、自殺が百十三体、その他四十体と記録されている。… (P306) 』 2016/07/17

    1
    投稿日: 2017.11.29
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    先日、空知管内月形町の桜庭町長の講演を聞く機会がありました。 テーマは同町に1881(明治41)年に作られた樺戸集治監。 同じ空知管内に住んでいるのに、月形町の町名の由来が樺戸監獄の初代典獄(現在の刑務所長)の月形潔から来ていることを講演で初めて知りました(ちなみにそんな由来の地名は全国でも月形町だけだそうです)。 これはいけないと思い、帰りの足で岩見沢図書館に寄って借りて読んだのが本書。 北海道開拓史の暗部ともいえる樺戸集治監の歴史を、例によって硬質な筆致で描き切り、夢中で読みました。 樺戸集治監は北海道で最初の重罪人の収監施設です。 冒頭で東京集治監から樺戸集治監へ囚人が移送される様子が描かれます。 北海道の地を踏んだ囚人たちは周章狼狽します。 当時の北海道は人が生きるにはあまりに過酷な環境だったからです。 実際、囚人たちの生活は過酷そのものでした。 冬は凍傷による壊疽で手、足、指、耳を手術で切断した者が1割以上もいたといいます。 夏は夏とて糠蚊の大群に襲われて体中を腫らしたそうです。 そうした中で、囚人たちは樺戸道路の開削などの重労働に従事しました。 脱獄も相次ぎ、その度に看守たちが後を追います。 このあたりのせめぎ合いは本書の読みどころのひとつです。 本書を読んで、北海道の開拓は樺戸集治監なくしては語れないとの印象を持ちました。 ちなみに、書名となっている「赤い人」は囚人たちの獄衣が赤かったから。 たとえ脱走しても赤だと目立つという理由からだそうです。

    1
    投稿日: 2016.03.28
  • 優れた北海道開拓裏面史

    書籍説明にあるような、囚人と看守の敵意にみちた極限のドラマ、はこの小説の一面を表しているに過ぎません。 また、題名「赤い人」もどうもこの小説の読後感にはマッチしません。もっと広く、もっと深い、北海道の真の開拓史と言える小説です。 明治維新による近代へ変貌は、多くの日本人の犠牲によって成り立ちました。北海道も例外ではなかったのです。 北海道の方、いえ日本人として読むに値する小説です。 北海道地図を片手に読むと、より感慨深いものがあります。

    1
    投稿日: 2015.12.02
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    ★囚人の犠牲の上に立つ北海道★いまでも北海道を巡るとこれだけの開発をどうやって実現したのだろうと不思議に思うことがある。明治初期には、囚人に開拓の苦役を与え、死んだら管理も必要なくむしろ好都合という感覚だったとは。過去の資料を元にしても、小説的に見てきたような場面を描くことはしない。数字で淡々と犠牲の激しさを表現する。最初は読みづらいが、半ばから引き込まれた。

    1
    投稿日: 2015.11.18
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    北海道の開拓と囚人の強制労働。しかも囚人の罪は思想的な物も含まれ、日本の歴史を実感。北海道以外にも知られていない同様な場所は沢山あるんだろうな。

    1
    投稿日: 2015.05.23
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    高熱隧道を読んだ吉村昭全集に収録されていた作品。 北海道に在住だけれど、主要な道路が囚人の強制労働によって作られていたとは全く知らなかった。 しかも囚人の中には、明治政府に逆らっただけの者や、 自由民権運動で捉えられた人たちも多くいたというのが衝撃だった。 未開の地だった北海道の開拓は、厳しい自然との闘いだ。 マイナス20度になる冬に火気もなく過ごしたなんて全く信じられない。 しかも囚人は単衣(たぶん柔道着のようなもの)で、裸足に鎖をつけたまま雪の中で長時間作業をしたようだ。 凍傷が原因で人が死ぬということも初めて知った。 囚人が安価な労働力として、民間企業が所有する硫黄山や幌内炭鉱の劣悪な状況で働き、多数の死者が出たことも衝撃だった。 この炭山労使を視察した博士が「囚人の懲戒の限度をはるかに越えた死業」と言ったことがそれを物語っている。 小説は、強制労働の様子だけではなく、明治から大正にかけて何度も変更された政府方針に翻弄された刑務所のその後についても詳しく書かれている。 この時期の刑務所は、設備の弱さや強制労働の影響もあり破獄が何度もあったようだ。 そのたびに近隣の村では被害を受けることもしばしばだったらしい。 けれど、天皇崩御の際に恩赦を受けたものの身請け人がいなくて釈放されない囚人を、村人が自分の戸籍に入れたという事実には驚かされた。 そこまでして囚人を刑務所から解放してやりたいと思ったのは、過酷な強制労働の様子が漏れ伝わっていたからなのだろう。

    2
    投稿日: 2015.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2014.10.20 〜 27 読了 北海道開拓と切り離せない囚人の強制労働とその獄舎、集治監の盛衰物語。何といっても囚人の死亡数の多さと逃亡率の高さに驚かされる。全国の死刑囚、無期刑囚、重犯罪囚を全て北海道に集めて道路開鑿、農地開拓、炭鉱労働に当てるとは何と大胆な。北海道の主要道路開発はその囚人たちの凄まじい犠牲の上に成し遂げられたことがよくわかる。月形村の名称が最初の獄舎である樺戸集治監の初代典獄・月形 潔からとっていることを始めて知る。おぼろげに覚えていた五寸釘寅吉のエピソードも詳しく書かれている。

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    投稿日: 2014.10.27
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    読みながら手がかじかんで心が凍えた。北海道開拓がいかにすさまじいものだったか理解できた。「北海道開拓使官有物払下げ事件」日本史の授業で呪文のように覚えた単語の意味もようやく理解できた。昔から日本は同じことを繰り返しているのだな。地理に関する知識が決定的に欠けているので地図を確認しながら読まないと理解できず難儀した。

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    投稿日: 2014.07.16
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    「赤い人」とは、明治時代の囚人の代名詞(目立つように赤い服を着させられていた)。 明治時代に北海道開拓のために重労働に就かされた囚人たちをモチーフにした歴史小説。 厳しい自然の中での重労働は開拓におけるただ同然の労働力でしかなく人権の概念はない。 吉村昭の真骨頂である目を背けたくなるような描写は心に強く迫る。 このテーマは歴史の秘部・裏側を描くものであるが、歴史を学ぶことは正しく知ることから始まるべきものであり、北海道の歴史を正しく知る意味でも一読の価値あり。 北海道という利権を巡る薩長のつばぜり合いも興味深い。 以下引用~ ・(江戸時代の日本と違い)欧米では古くから囚人に労役を課すことが常識化していたが、それは囚人を獄舎にとじこめておくだけではなく国益に利する利用すべきという合理的な考え方にもとづいたものであった。金子は、欧米の刑罰制度を学ぶ、囚人の労役活用を基礎とした囚人対策に共鳴し、北海道開拓にその方法を採用すべきと判断したのである。

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    投稿日: 2013.05.18
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    「札幌の歴史を知るために」みたいなポップが付いてたのでつい買ってしまった。ノンフィクションはあまり好きではなく、途中で読むのを断念してしまうことが多いのだが、これはすんなりと読めた。 かと言って内容が楽しいとかそういうことでは決して無く、むしろ冷え冷えとしている。北海道開拓の時代の話なので気候も冷え冷えだし、作業に駆り出される囚人(赤い服を着ている)=赤い人たちが本当にゴミのような扱いをされて次々と死んでいく。今では考えられないような人権のなさ、使い捨てられっぷり。 話の半分は囚人の苦しみを描いていた気がする。しかし、別に非人道的な行為を責めるための小説ではなく、淡々と事実を述べていくだけ。囚人はほとんどが重い罪を犯したために投獄されている。同情する余地はない。それでも、極寒の冬の中、靴も靴下も履けずに雪の中、開墾作業に勤しみ、凍傷で指や手足を失い…などを読んでいるとつい同情してしまう。 北海道にまだ県があったり、戦争が起きて看守が徴兵されて行ったりと、歴史も欠かせない要素なので、囚人の脱走事件などと上手くからめて説明されており、歴史苦手な自分でもそれなりに理解が出来る。 今我々が普通に使っている道は囚人たちの屍のもとに成り立っていると知ってしまうと、今後は札幌周辺の道を見る目も変わりそうだ。

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    投稿日: 2013.02.21
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    明治時代の北海道開拓のお話。 時代の変わり目で収監囚人数が増えたことと北海道開拓の必要から、刑が重い囚人が本州から移送され開拓に従事したそうです。(させられたそうです。) 当時、刑期は囚人にとっての懲戒の意味が強く、なおかつ国益に貢献すべしということで、未開の地の劣悪な環境下で農地開墾・道路建設・採鉱をして命を落とす人が多かったのですが、囚人数が多く収容施設が追いついていないので一石二鳥であると政府内でもされていたそうです。 監獄則を変え、その流れを止めたのが司法大臣清浦奎吾さん。 彼の功績は計り知れない… そして時が経ち、北海道の開拓事業も落ち着き、明治の動乱が昔の話になった頃、北海道の監獄は過去の迷惑なものとして閉鎖された。 あの時代は何だったのかな?とすごく切ないです。 北海道に赴く時は、そんな気持ちを忘れないようにします。

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    投稿日: 2013.01.14
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    樺戸監獄などを描いた作品 いつものように、主観を排した筆致なのに、引き込まれる 網走監獄を見学した際の思い出がよみがえった

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    投稿日: 2012.11.21
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    樺戸集置監の開設から閉鎖までのノンフィクションです。 樺戸集置監とは北海道の石狩川上流地域に設けられた現在の刑務所のような施設で,開設時(明治14年開設)の紆余曲折経て北海道の開拓を担い,時代の流れによってその役目を終えます。 囚人と看守の互いに敵意に満ちた関係は,開設から閉鎖までずっと続き,特に脱走囚があまりに多かったことに,そして,脱走囚はあっさり殺害されていたことにも驚きました。 その背景には,明治維新によってその立場を追われた武士が,一方は国事犯として,一方は看守として同一施設に混在していたからなのだろうと思いました。 最後は五寸釘の寅吉の最期で終わります。 僕の中で吉村昭ブームが起きそうな予感がします。

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    投稿日: 2012.11.17
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    ・これまた吉村昭のノンフィクション・ノベル。北海道の開拓にここまで囚人が酷使されていた事に驚く。また壮絶の一言。完全に人権意識なんてものはなくて、 - もちろん明治期の日本に現代と比較するような意識が無いのは当然だけども - 囚人は使い捨てにしていい、と読み取れるほどの扱いでたったの百年前にここまで社会が成熟するってことにも驚いた。 ・それとやたらに破獄囚が多いことにも驚く。完全武装の看守の前でも脱走する当時と、最低限の人数の看守の前で規律正しく凄く現代の囚人の違いがとても興味深い。それは法が社会に浸透したということなのか、前者は生きて帰れる見込みが無いため逃げたのか、それとも現代の囚人は必ずしも凶悪ではない(犯罪の大衆化のようなもの?)からなのか。 ・高熱隧道とともに吉村昭自選集で読んだ。有馬四郎助が少し出てきたので山田風太郎の「地の果ての獄」にも樺戸集治監が出てきたことを思い出した。愛の典獄って触れ込みだったけど現実の有馬は囚人を日露戦争に出役させる提案をしたってことに仰天した。

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    投稿日: 2012.11.13
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     本書は、1977年に単行本として発刊されたものの新装作品です。いつもながらの膨大かつ緻密な資料渉猟を礎とした高密度の内容ですね。  タイトルの「赤い人」は囚人のこと。北海道の原野の開墾に徴集された囚人たちと看守との壮絶な軋轢・闘いを描いています。同様に囚人を対象にした吉村氏の作品としては「破獄」があります。「破獄」の方が物語性には富んでいますが、こちらは、より峻烈な事実を幾重にも積み上げた重厚な記述です。  国道12号線をはじめとする今の北海道の幹線道路の礎が数多くの囚人たちの峻烈な労役により築かれたという事実は、本書を読んで初めて知りました。

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    投稿日: 2012.08.04
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    囚人による北の大地の開拓。知識としては知っていたつもりだったけれど、あまりにも壮絶。網走あたりの話は聞いたことあるけれど、この本の舞台の月形なんて、札幌のすぐ近く。今の国道12号線のあたり、平坦に見えるけれど、百数十年前までは、人も入れないような地域だったのね。

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    投稿日: 2012.05.03