
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
立ち読みして、何て面白そうなのと思いお家で読み始めました。林真理子さんの読みやすい文章はさすがでした。当時の文化をその場で体感したような気持ちになってどきどきしました。 でも薄い、薄すぎました。そもそも物理的に薄い本ですから期待する方がお門違いかもしれません。真津子さんの何が素晴らしいのか全然伝わってこなかった。姿勢が良いところと、容貌がとにかく美しいところと。。品子ちゃんにも泰治にも設定はたくさんあったのに活かされているとは思えず。登場人物の深いことが何も語られない内に物語がザッザッと進んで終わってしまい消化不良。 行き当たりばったりな印象を受けることもありました。きっと連載小説なのだな、仕方ない。と思っていたのですがどうもそうではなさそう…? 脇役が一度限りで深掘りをされないことも。軽井沢で出会った泰治の親友のピアニストがどこかで再登場するに違いないとずっと思って読み進めていたのですが、安直だったかしら笑
0投稿日: 2023.03.03
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基本的に登場人物の誰かに共感しながら読み進めるタイプなのですが、いい意味でここまで誰にも共感できなかった小説は初めてでした。品子の行動や人生は、よく捉えれば一途なんだろうけど、私には狂気的に見えて終盤になればなるほど恐ろしかったです。そして泰ちゃんに関してはもう、何様なんだと面と向かって否定してやりたい気持ちがずっとあって、そう思えてしまう自分はこの時代の人間ではなく根っから平成の人間なんだなと思わされました。 人を愛するということはある意味で狂気的な側面を持っていないと保てないものなのかも知れません。
0投稿日: 2020.11.04
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昭和初期のいいところのお嬢さんの名門学校生活から結婚後、戦中戦後の話 華族とか侯爵家とか、仕立てたばかりの洋服とか(新品の着物も作り放題) 庶民には想像でしかない世界 結婚相手も選び放題、と思うのに、 惚れたものが負け というのは今も昔も変わらないんですね 戦争に負けたこともあり、贅沢放題な娘時代に比べて不幸せな結婚生活 質素でも愛される人と平和に暮らすことが幸せなんではないかとしみじみさせられる。
0投稿日: 2015.07.27
powered by ブクログ昭和初期。折りしも日本がドイツと結びつき、不穏な空気が街にも漂い始めていた頃、品子は18歳という年頃を迎えていた。いわゆる上流階級に属する品子は、同じ社交界の幼なじみ、泰治に強い想いを寄せていた。ライバルと思われた、完璧な美しさをもつ大使令嬢の真津子に勝ち、泰治と結婚した品子だったが、泰治の熱い眼差しは依然として真津子に注がれているのだった。 おしゃれに精を出すキャピキャピの女学生だった品子が、次第に真津子や泰治の義母への嫉妬、母親への軽蔑、そして泰治への執着といったさまざまな感情に支配されていくさまは、空恐ろしささえ感じさせる。つねに、自分は勝者だ、いや敗者だ、と悶々とする。一方の泰治は最後まで好き勝手に品子に甘えるナヨ男である。私が品子の友人だったら、こんな男成敗してあげるのに。
0投稿日: 2012.09.04
powered by ブクログなんとなく林真理子っぽくなく重みもある話で良かった。 主人公の品子の一途というより頑なな想いもここまで貫き通せばあっぱれ! 昭和初期という時代設定も良かった。上流社会の優美な雰囲気が全体的に漂う。世の中がきな臭くなり戦争になったりして状況が変わってくるけど、この雰囲気は全体を通して感じられた。 最後の品子の決断はなんとも潔く、甘ちゃんのお嬢様から本当に一皮むけて強い女性になったんだなと思った。
0投稿日: 2011.11.02
powered by ブクログ再読:もう何度読んだことだろう・・・。昭和初期の上流社会の人間模様。決して羨ましくはないが魅力的。また、しばらくしたら読み直すんだろうなー。 内容(「BOOK」データベースより) 贅沢でハイカラな学校として知られる文化学院に通う十八歳の品子。財閥の血をひく裕福な家庭で育ち、初恋の相手泰治と婚約して、とても幸せなはずだった。だが結婚後も夫の心は、気高く美しい大使令嬢の真津子に向いていた―。芸術家の夫が望む奇妙な三角関係のなかで、むくわれぬ愛をひたすらに求める品子。彼女を取り巻く人間模様を、昭和初期の上流社会を舞台に華やかに描く。
0投稿日: 2009.09.24
powered by ブクログこれも同時期に読んでいた「てるてる坊主の照子さん」同様昭和初期が舞台の作品。その割には全く違う作品である。こちらは昭和初期の上流社会の風俗などが垣間見れる。しかし、恋愛というものは時代がいつでも変わらないものだ、と思い知らされました。主人公の品子の、幼馴染である、一度は自分が結婚した相手である泰ちゃんへの愛は無償の愛なのか。それでも自分が傷つき、周囲の画策もあり離婚して再婚してしまう。あの時代ならこういうことがあってもおかしくはない、と思うものの、いまいち納得できない感じがぬぐえなかった。【2006年8月15日読了】
0投稿日: 2007.06.26
