Reader Store
スナイパーの誇り(下)
スナイパーの誇り(下)
スティーヴン・ハンター、公手成幸/扶桑社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

14件)
4.1
5
3
4
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    さすが、スティーブン。 シンクロする現在過去 を交互に場面転換して、 ひとつのシーンを視点 を変えて輪唱すること で、 複雑なプロットを無理 なく理解させます。 美貌の狙撃手と彼女を 助ける男たち。 その並み居る魅力的な 登場人物たちの個性。 第二次大戦の東部戦線 における惨たる戦場の 数々。 闇のなかで蠢く現代の 国際テロ。 そして最後に待つ最高 のロマンス。 おもちゃ箱をひっくり 返したような内容を、 全く散らかすことなく 感動的なラストに収斂 させる筆致は、 世界的ベストセラーの なせる技ですね。 捕虜と敵軍将校として 出会うミリとカール。 そこで交わされたごく 短い会話。 二人が恋に落ちたその 瞬間にグッときました ♡

    62
    投稿日: 2023.09.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ハンターもボブと同じ68歳なのかぁ。スワガーサーガもっと読みたいなぁ。白い魔女の”ミッションを成すだけ”という諦観にはハラハラ。でもこれが活きてくる往年の冒険小説のテイストも味わえ大満足です。面白かった!

    0
    投稿日: 2018.12.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前作「第3の銃弾」が上手いことツボにはまったのか、同じ路線で来ましたね。 今度は第2次世界大戦時のソ連のスナイパー、愛称「ミリ」、恐るべき狙撃技術から「白い魔女」と呼ばれた女性が第2の主役。 歴史に埋もれた最後の狙撃が今、スワガーに依って白日の下に晒される。 導入部はいいです。スワガーの事件の関わり方が相変わらず弱いとは思いますが。 「白い魔女」はいったい誰を暗殺したのか?成功したのか?失敗したのか?70年前の狙撃を解き明かすことが、何故現在のスワガーへの妨害に繋がるのか? この辺が解き明かされていく様は、実にスリリングです。 話が現在のスワガーに、1944年のウクライナに、ドイツに、ソ連に、と目まぐるしく変わるのですが、意外と読み易い。 極端な場合、2~3頁で場面転換してしまうのですが、同じ謎を追う形になっているので話が繋がるんですね。 スワガーの銃撃戦よりもミリの狙撃の方が面白い、と言う逆転現象が起きてしまっていますが。 老スワガーが無理やり事件に巻き込まれるよりは上手に話が展開します。まぁ、面白ければ何でもいいですが。珍しくハッピーエンドですし、後味はいいです。 この調子で次回作もお願いします。

    0
    投稿日: 2016.02.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    失礼しましたーっ!ボブ・リー、おじいちゃんになっても面白いです!!やっぱりスナイパーとして深く描かれるところに良さがあるんですね。現在と過去にまたがる陰謀の交錯具合、スナイパーとして「白い魔女」の活動を解き明かしていく様子、最高に面白かったです。2015/10読了。

    0
    投稿日: 2015.11.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前作「第三の銃弾」が好評だったからか、今回も過去の狙撃事件とのクロスオーバー。JFK暗殺と比べるとスケールとしては見劣りするものの、ストーリーは緊張感に溢れている。またドイツ軍内にも誇り高き武人がいたという設定は目新しいものではないが好感が持てる。とはいうものの、その分現代のストーリーでのボブの活躍が少なく不満は残る。しかも最後の最後に直接的明記はないものの勝手に個人的判断でスナイプしちゃってますけど、立派な犯罪ですよ!?ということで少々評価は低め。

    0
    投稿日: 2015.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ロシアの女性スナイパーの足跡を辿る話。その下巻。 スナイパーのミリはナチス高官の暗殺を命じられ、ウクライナに潜入するが、本国高官の裏切りに会い、殲滅されかける。しかしスナイパーとしての執念により不可能に思える暗殺を実行する。 対して、過去の真実に到達しようとするスワガーたちにも真実の解明を阻む輩が立ちふさがる。 そんなバリバリのアクション大作。 最後に全ての糸が繋がり、ハッピーエンドにするのは見事。

    0
    投稿日: 2015.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    スワガーサーガ、久しぶり! でもさすがにちょっと質が落ちてるなぁって感じします。 70年前の武器、使えるか?錆びるやろ湿気るやろ。どんだけの保存状態やねん、とか ウクライナなんとか谷の村人たち、その伏線使ってないやん、とか 映画かドラマを狙ってるっぽい演出だろうなぁ、確かにそれはそれで良いのだけど、WW2当時の話に特化させて、ボブが出てくる現代劇はなしで良かったんじゃないかなぁ。 カメオ的に最後だけちょっとオーストラリアで…とか、そんなんの方がファン心理くすぐられたように思うけどなぁ。 良くも悪くも大味なアクション小説です。

    0
    投稿日: 2015.05.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    現代の悪役が弱くて、ヒリヒリする緊張感には欠けるが、70年前と現代のストーリーが交錯する語り口は安心して楽しめる。 しかも途中の伏線から期待できる通り、強引なハッピーエンドまでつけてくれてサービス満点。 年寄りは元気だ(^^)

    0
    投稿日: 2015.03.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初は「何でスワガーがWW2時代の、しかもロシアのスナイパーを調査せなアカンねん」って思ったのだが、下巻のラストで答えを導き出したところがスティーブンハンターの上手いところだったな。上下巻で一気読みするくらいに面白かった。個人的には作風は違うが、極大射程より面白かったかもしれないな。

    0
    投稿日: 2015.03.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    過去の戦争と現在の事件とのかかわりで物語を紡ぎだしているので、そもそも今の調査が何故、このタイミングで今の陰謀に繋がるのかという意味合いで、強引な展開ではあるが、それがないと物語が成立しないので、強引過ぎるとは思いながらも目をつぶって読んでいただきたい。一番、肝要なのは、主人公が記者に女スナイパーに惚れたのかと問われるシーンがあるが、一番、惚れたのは作者だろう。

    0
    投稿日: 2015.03.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     前作『第三の銃弾』でダラスを舞台にJFK暗殺の可能性としての新説を試みたハンターという作家。狩猟を趣味とし銃器に造詣が深い作家ということでオリジナルな道を歩んでいる昨今であるが、そもそもが傑作『真夜中のデッド・リミット』に代表されるような本質的には冒険小説作家である。強い権力に反発し、弱く、庶民の側であり、無名のヒーローに、命がけの活躍物語を与えることを得意とするのがハンターの神髄であると、ぼくは見ている。  ボブ・リー・スワガーが名うての射撃手としてベトナム戦争を闘ったが、今では作者の分身のように60歳後半の老境でありながら、老いに逆らい今でも好んで冒険を求めて、歴史の謎に迫ってゆく。今回は第二次大戦中、独ソ戦において活躍した女性スナイパーの存在について個人的に惹きつけられるものを覚え、彼女の痕跡が消えた土地ウクライナへとスワガーは向かう。  女性スナイパーは別名<白い魔女>と呼ばれる金髪碧眼の美女。彼女の存在については、モスクワ在住のジャーナリスト、キャシー・ライリーがスワガーに持ち込んできた。二人はウクライナで謎の妨害に合いながらも真相を求めて危険な追跡行を展開してゆく。彼らの捜査行と並行して交互に語られるのが過去の白い魔女の時代1944年の夏の物語だ。現在と1944年を交互に行き来しながら語られる物語は、ドイツ側のユダヤ人虐殺に深く関わる上位指導者の暗殺や、大物スパイの存在へと近づいてゆき、スリリングである。  独ソ戦でのスナイパーを描いた映画『スターリングラード』を観ていたので、<白い魔女>の登場シーンであるスターリングラードでの市街戦の様子は鮮やかに眼に浮かぶようだった。そしてヨーロッパがナチに蹂躙され、ソ連がスターリンの粛清に怯えながらも、東部戦線は累々と屍の山を築いている頃の話だ。あまりに情報の少ない国、ウクライナを舞台にした本編は、伝説のスナイパーの人生を辿りつつ、鏡のように時代を超越してシンクロナイズしてゆくスワガーという名スナイパーの現在の冒険とクロスして、一発の銃弾という一点にすべてのエネルギーを集約させてゆく。見事なクライマックスである。  そしてこの架空ではあるが、そんな存在があったとしてもおかしくない1944年の英雄、<白い魔女>は周囲の巨大な陰謀やスパイを巻き込んで、驚くべき結末を見せる。さらに現代にも、イスラエルの情報機関モサドの分析官のもとに、この物語と関連するであろう遠い事件が襲来して、それらが挿話として各所に挟まれているが、これまたハンターの仕掛けである。  やはりこの作家は銃器を専門とした物語を紡ぎながら、基本的には名もない一人一人の人間の知られざる活躍を描くのが何とも巧い。ホロコーストの恐怖と時代への怒りを登場人物たちに投影しながら、作者は平和への勇気と名もなき兵士たちの命がけの行動への祈りを捧げているのだろう。  作者あとがきで明らかになるが、実際にハンターはウクライナに赴き、キャシー・ライリーという実在で同名のガイドに連れられ、あの時代のことを丹念に足で調べたという。68歳という巨匠の熱い心は今なお健在である。

    0
    投稿日: 2015.02.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻は銃器関係の薀蓄が多くて読み辛い部分がありましたが、下巻からストーリーの流れは良くなります。 しかし、この手の小説では、ある程度のご都合主義があるのはしかたのないところですが、流石に今回はちょっと酷すぎますし(野外に残された70年前の銃器が完璧に使えるとか)、毒ガス製造を企む悪人とその末路のエピソードは物語に本当に必要だったのかさえ疑わしいです。 また、オチにしても、そこまでしてハッピーエンドにする必要ないんじゃないか?と思いました。

    0
    投稿日: 2015.01.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    弾丸降り注ぐ戦場シーンは迫力満点。だけどそれを上回る緊迫感を味わわせてくれるのがクライマックスのたった一発の弾丸。 ソビエト赤軍とナチスSSに追われる美人スナイパー「白い魔女」の設定といい、とことん上手いね、スティーヴン・ハンター。

    0
    投稿日: 2015.01.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本作の主人公は、ボブ・リー・スワガーというよりは、70年前に活躍し、忽然と記録から姿を消した天才女性スナイパー、リュドミラ・ペトコフであろう。リュドミラ・ペトコフは目的を果たしたのか、リュドミラ・ペトコフの運命は… スティーヴン・ハンターの読者の冒険心をくすぐるストーリー展開の上手さとスケール感、相変わらずの銃器オタクぶりには舌を巻く。 リュドミラ・ペトコフに何が起きたのかを探るボブ・リーとキャシー、ボブ・リーとキャシーを襲う謎の男たち、幕間劇で語られる事実は…70年の時を超えて、ボブ・リー・スワガーとリュドミラ・ペトコフの二人の天才スナイパーが交錯する時… 吉野仁の解説によれば、『ハバナの男たち』に登場した人物が意外な形で登場するというが、分からなかった。

    0
    投稿日: 2014.12.29