
総合評価
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powered by ブクログ関ヶ原の戦いで勝利し、隠居した後も家康は健在でした。家康60代。現在の60代と違って当時は老年期だと思うのですが。健康診断で生活習慣病を指摘された中年のおじさんが、健康管理に励むかのような様子が記されていました。毎朝の火縄銃射撃、鷹狩、時に水泳と体を動かす様子は現代のジム通いのようです。頭の方も切れ味良好で、豊臣家を潰してやるぞという意欲満々の巧妙な策略。恐るべしです。 豊臣家側の人物の内情がよく分かりました。(秀頼、淀殿、大野修理、小幡勘兵衛【徳川のスパイ】、片桐且元)セリフが面白くて、特に淀殿。ホントにエンタメ歴史小説だと感じることこの上なく、笑ってしまいます。大野修理の登場の記述で能筆家とあり、書が残っていれば見てみたいと思いました。 方向寺鐘銘事件について、知らなかったのですが(大方の日本の方は知っているのかと思うと自分が情けないのですが)何で、こんな重箱の隅をつっつくようなこと、家康はよく考えるなあと、本当に細かくてねちっこい人だと思いました。考え方を変えれば、発想はすごいと言えるかも知れませんが。 中巻以降、豊臣家を潰しにかかる家康の様子の描き方、興味あります。
25投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログ戦国時代の終結を告げる大坂の陣を題材にしながら、実に現代的な本だ。 大坂方の中枢は、世の中の流れが完全に関東にいっていることが分からない。「豊臣恩顧」などという論理も、力でくつがえるという現実を見ようとしない。そんな沈む舟から、脱出する人がいる。裏切って内通する人がいる。(総大将に指名され、すぐに逃げた織田信雄には笑うしかなかった)。昭和体質を捨てられず、没落する日本企業を見る思いだ。 一方で、関東方には、権力のためならいくらでも学問をねじ曲げる御用学者がいる。ようは勝てばいい、政権が続けばいい。そんな権力中枢のリアルが描かれる。現代日本政治を見る思いだ。「関ケ原」とあわせて読みたい。名品。 NHK大河ドラマ「真田丸」の役者たちを念頭に置きながら読んだ。とくに大蔵卿局と片桐且元。
1投稿日: 2024.04.30
powered by ブクログ家康による悪巧みの物語。 戦国時代の幕引きとなる「大阪の陣」だけど、関ヶ原から十数年後で歴戦の武将はもういない。家康1人が戦国の気風を知っているという書き方になっていて、自軍の若い武将を嘆くところも時代の変わり目というところでしょうか。 それにしても徹底して家康を悪者にし、豊臣方は無能の集団として描く。近年、これほど無能な「淀の方」は描かれていない。どこで潮目が変わったのかね。
1投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ40年振りの再読。 大阪冬の陣•夏の陣で陥落してゆく大阪城と豊臣家を描く。 淀殿の戦さに対するトラウマと中途半端なプライド、大阪方に策謀をめぐらす家康と崇伝の大悪党ぶり、豊臣家家老の片桐且元の逐電などめちゃくちゃ面白い人間ドラマ。全3巻。
3投稿日: 2023.12.31
powered by ブクログあれ、、これは家康が主人公なのに、家康のことがますます好きではなくなっていく… 関ヶ原後からの物語で片桐且元が退去するところまでが上巻。 個人的には有楽町は織田有楽の江戸屋敷があった場所というミニミニ知識が好き。
8投稿日: 2023.11.23
powered by ブクログ読みやすさ ★★★★★ 面白さ ★★★★★ ためになった度 ★★★★ 司馬遼太郎の戦国ものが好きでよく読むが、この作品も面白かった。 大坂夏の陣や冬の陣については、具体的にそれがどういう事件なのか、どうして起こったのかということはほとんどわからなかったが、この小説を読んでよくわかった。 小説なので、どこまで史実を反映しているかという問題はあるが、司馬遼太郎は一作書くにあたって神保町でトラック一台分の資料を入手し、それをもとにしたという。この作品も時代考証はしっかりしているのではないか。
1投稿日: 2023.07.02
powered by ブクログ大阪の陣をテーマにした小説。文庫本で読むと上中下の3分冊なのだが、この上巻ではまだ大阪の陣は始まらない。随想部分が多い歴史ものというよりは、人物が生き生きと動き回る時代小説のような雰囲気が強い。個人的な好みで言えば、「覇王の家」のようなものの方が好きなのだが、それでもさすが司馬遼太郎の小説、楽しみながら読み進めた。
2投稿日: 2023.05.18
powered by ブクログ関ヶ原の合戦後、片桐且元の退去までを描く上編。徳川方、豊臣方の人物を小幡勘兵衛を通して浮き彫りにしていく。共感できるかどうかはともかく家康の心理描写が見事。
1投稿日: 2023.05.13
powered by ブクログ小説構成の堅牢さの崩れっぷりと司馬遼太郎の評論が、際どいレベルで調和している時期の作品ではないだほうか
0投稿日: 2022.11.29
powered by ブクログ★評価は読了後に。 作家本人が家康を気に喰わんところもあるのか、悪意とまでは言いませんが、ネチネチ感が凄い。その代わり、この作家特有のストーリー逸脱が抑えられている。 これは好き嫌い別れそうな作品の予感。個人的には悪い感じはしないです。
1投稿日: 2022.09.02
powered by ブクログ三河の狸のずるさ、また大坂方の弱さと騙されやすさが、ありありと分かって、次はどんなことになってしまうのかと、ドキドキしながら読みました。
1投稿日: 2022.04.10
powered by ブクログ大阪城内の女社会を鮮やかに描き出し、徳川と豊臣の板挟みになる片桐市正の苦悩と、家康とその取り巻きの悪知恵が、非常に分かりやすく書かれている。 絶えず機会を狙い、勝つべくして勝った徳川家と、滅ぶべくして滅んでいく豊臣家の没落をこれほどまでに分かりやすく書いている書を私は知らない。 上巻は、まだ冬の陣の前(片桐市正の放逐前後)で終わっているが、既に読み応え十分である。
1投稿日: 2021.12.25
powered by ブクログ関ケ原の合戦(1600年)の後、豊臣打倒の野望に燃える徳川家康の調略によって、太閤秀吉の遺児・秀頼とその母(淀殿)が籠る大坂城が炎上するなか、成す術もなく自害して果てる(1615年)までを克明に描かれた歴史長編小説です。“狸親爺“などという愛嬌ある家康像など木端微塵に打ち消してしまう、豊臣への締め付け、陰湿ないじめ、大阪城内での間者の諜報戦など、ありとあらゆる悪辣な手段を講じる弱肉強食の徳川一門に対し、世間知らずの恩顧頼み、その弱みにつけ込まれる情けない豊臣方に驚嘆させられる上巻でした。
4投稿日: 2021.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
~全巻通してのレビューです~ 大坂冬の陣、夏の陣を描いた物語。 「関ケ原」など今まで読んできたものと比べて、大野修理、淀殿、秀頼など小者がよく登場した影響で、なかなか読み進めず集中力の持続が難しかったですね。 一か月かかりました。 そんな中、真田幸村や後藤又兵衛、毛利勝永が出てくる場面は興味をもって読むことができました。 ただ彼らの献策が大野修理や淀殿に受け入れられることが少なく、だんだんと彼らの登場場面も減っていきました。夏の陣になって最後増えはしましたが・・・ 大河「真田丸」を見ていた影響で、幸村は心の中で躍動しました。(もちろん幸村=堺雅人) 冬の陣での講和で家康は大坂城の外濠だけでなく内濠も埋めたり、だいぶ印象は変わりました。 山岡荘八の「徳川家康」では描かれなかったブラック家康でした。
0投稿日: 2021.02.27
powered by ブクログ『関ヶ原』の内容をまだ生々しく覚えているうちに続けて『城塞』も読む。三成が滅び、徳川が形式的には豊臣の臣下でありながら実態として天下をその掌中にほぼ収めてしまっており京には形骸化しながらも一種の権威というか役割を持つ公家世界があるという複雑な情勢が司馬さんの丁寧で質実な筆致で分かりやすく描かれています。徳川の権勢が豊臣家のそれを凌駕していながらも、それは徳川家というよりまだまだ老人となった家康個人の命に依っているものであり秀吉の死後家康がしてのけたように掠め取られかねないという不安定ななか、徳川に反旗を翻す旗印とも為り得る存在の秀頼を亡き者にするべく、人たらしたる家康が深謀で悪辣な謀略計略をこれでもかと繰り出し、詰め将棋のようにジワジワと豊家を追い込んで行く様が再現されています。秀頼に対する家康の陰湿で執拗な仕掛けは、司馬さんをして「犯罪的」と言わしめるほどで、秀頼への忠義の心故に家康に手玉にとられ結果として家康に利するように踊ってしまう大蔵卿局と大野修理親子と、秀頼大事のあまり害をなしてしまう母淀君の振るまいようは読んでいて辛くなるものがありました。後藤又兵衛や真田幸村を始めとする能力も気力も人望もある武将たちが本領を発揮出来ぬままもはや勝利は望めず後世に恥じぬ戦いをしようと奮戦し次々命を落としてゆく終盤は、読んでいる私も「もはやこれまで」ともう読み続けられない気持ちになりました。大変面白く満足して読了しましたが、とても疲弊しました。大河ドラマ「真田丸」をもう一度通しで見たくなりました。
5投稿日: 2020.06.26
powered by ブクログ5年以上前の学生時代に読了。 上巻において一番ぞっとしたのは最後あたりの家康の発言。 少しずつ逃げ道を潰される大坂勢と、包囲網を作っていく大坂勢。教科書に載るような大きな出来事は入ってこないものの、上巻からグイグイ引き込まれる。 大坂の陣だけなら、中と下のみでいいがこの部分を読んでおくことでより話が分かりやすくなる。
1投稿日: 2020.04.28
powered by ブクログ2020/02/02読了。 司馬遼太郎がまとめた、大阪夏の陣/冬の陣に至るまでの話をまとめた本。 上では、家康が天下統一に向けて豊臣家を敵視し始める話から、いちゃもんを付け豊臣方との戦争を始めようとするところまで。 徳川家康の老獪なやり方と、淀殿の現実逃避と、大阪城にいる人間がそれを説得できない、それぞれの立場を浮き彫りにしている。
0投稿日: 2020.02.03
powered by ブクログ2017年末か2018年1月あたりに読んだはず 忘れてしまった 久々の司馬遼太郎 さすが、読ませる
0投稿日: 2018.11.19
powered by ブクログ家康って、ホントに人が変わったみたいに残酷ですね。強者の論理。強ければ許される。それに比べ豊臣家の頼りなさ。哀れですね。 小幡勘兵衛という人はあまり知りませんでしたが、この人を通して物語が展開していくのでしょうかね。この人物の部分は物語的なところも多いのでしょうが、司馬さんはストーリーテラーとしても凄いですねー。 登場人物が皆活き活きとしていて、円熟の役者さんたちが総出の映画を観てるみたいです。
1投稿日: 2018.08.05
powered by ブクログ2018/06/08 関ヶ原に続いて読んでみたけど、面白い。 家康めちゃくちゃ嫌な奴。笑 真田が出てくるのが楽しみ。
0投稿日: 2018.06.08
powered by ブクログ文句なしに面白い。司馬遼太郎の家康嫌いは相変わらずだが、豊臣方が負けるべくして負けたということがよくわかった。結局のところ、淀殿にきちんと物を申す人間がいなかったということだろう。真田幸村にしろ、後藤又兵衛にしろ、秀頼にしろ、なぜあそこまで淀殿に気を使うのかが理解できない。あの時代のあの場所にいないとわからないことかも知れないが、今の会社組織でも上司が間違っていると分かっていても言えないのと同じことなのだろう。
1投稿日: 2018.03.24
powered by ブクログ大阪冬の陣、夏の陣を扱った作品。「関ケ原」と比べ、こちらの作品での家康は、一層、老獪さを増し、豊臣勢を手玉にとる。悪役といってもいいほどの役回りである。 様々な登場人物の背景の解説の細かさや、心理の動きの描写はさすが。個人的には、不利な状況にあっても最後まで戦う真田幸村の姿が最も印象に残った。
1投稿日: 2018.03.13
powered by ブクログ関ヶ原の戦いは終わったが、大阪城には未だ豊臣家の威光は健在。自身の寿命ある内に徳川による治世を完成させたい家康を、類のない陰謀に走らせる。 本書で描かれる家康はなんとも鼻につくイヤな奴。こんな奴が天下を取るなんて許せない、大阪ガンバレと思ってしまうが、その大阪方の人材の乏しいこと。なんせトップが現実を直視せず感情だけで思考する淀殿に、寝たきり老人のように影の薄い豊臣秀頼。そんな幻想家が支配する大阪城内の空気は乱れきっていた。 歴史を知らず、次巻を読むまでもなく、勝敗はすでに決しているのだが、その勝敗外でうごめく人間模様が見どころ。この巻の主役は片桐且元。家康、淀殿からのパワハラを受けまくり板挟み、そして爆発。サラリーマンの中間管理職ならではの悲哀。
1投稿日: 2017.11.02
powered by ブクログ秀頼、淀殿を挑発して開戦を迫る家康。大坂冬ノ陣、夏ノ陣を最後に陥落してゆく巨城の運命に託して豊臣家滅亡の人間悲劇を描く。
1投稿日: 2017.09.18
powered by ブクログどのようにして大坂の陣に至るのか、という経緯をじっくり描いている。 次巻の冒頭から真田信繁などが大坂から声を掛けられてとなるので、それまでの話になる。 この巻では有名な五人衆などは影も形もない。 前哨戦も前哨戦なので話は静かに進んでいく。家康方の緻密な政治工作や、豊臣方の道理に依った若干現実離れした考え方など、互いのスタンスの違いがよく描かれている。 派手な動きや人物が出ないので、小幡官兵衛が実質主人公として物語らしく動き、家康サイドと豊臣サイドの思惑の間を行き来する。 この官兵衛、どことなく国盗り物語の道三とキャラが被っている(笑)本人の才覚と大胆さと女を使って、情報収集・工作という役割。 有名所の話が見たいと思うのなら中巻からでいいかもしれない。 が、大きな山場などは無いながらも着実に戦に至るまでの空気を感じ取ることが出来るので、余裕があるならば手に取っていいと思う。 有名所の登場を巻跨ぎにしない辺り親切だし、上巻は一貫してそういう役割の巻になっている。
1投稿日: 2017.08.22
powered by ブクログ大河ドラマの真田関連の物語が読みたくて検索したら本作がヒットした。 この上巻では関ヶ原後、豊臣家滅亡へのカウントダウンが描かれる。 それにしても、秀頼に関する記録の極端な少なさはどうだろう。淀殿母子の社会生活・精神世界の狭さ、政治感覚や Common Senseの欠如がうかがわれる。
1投稿日: 2017.06.10
powered by ブクログ再読。 いたぶられる豊臣。 どこの世界でもいつの時代でも権力側は弱者に対して残酷に振る舞えるもんだわな。 ささ、次巻へ。
0投稿日: 2017.03.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大坂の冬の陣・夏の陣を、戦が始まるきっかけから大坂城落城まで描いた歴史小説。 2016年大河ドラマ「真田丸」の予習として読んだ。 主人公は小幡勘兵衛という牢人で、後に軍学者となる人物。彼は、戦の表舞台には立っていないが、徳川方の間諜として豊臣方に入り込んでいた人物であるため、両者を行き来しつつ狂言回しとして物語を進めていく。でも、途中で時々、全く登場しなくなり、誰が主人公だっけ?となることも。司馬小説ではよくあることだけど(いわゆる「余談だが現象」)。 たまに勘兵衛が、恋人お夏のために豊臣方に肩入れして徳川を裏切りそうになり、その場面だけはグッとくるものがあるのだけど、最終的には打算と私利私欲で動く人物なので、途中からはそんなに感情移入は出来ない。 それ以外の、戦の表舞台に立つ登場人物は以下の人達 豊臣:淀殿、豊臣秀頼、大野治長、真田幸村、後藤又兵衛、片桐且元 徳川:徳川家康、徳川秀忠、本多正純、本多正信 どの人物も、何かしら足りないところや汚いところがあって、他の司馬小説の主人公(竜馬・高杉・土方・信長・秀吉ら)みたいに純粋にカッコいいと思える人はいない。でも、その人間臭さこそが、司馬さんが群像劇としてこの小説を描いた意味なのだろう。 そして、女優で歴女の杏さんが本の帯か何かで書いていた、『最強の城も、人間や組織次第でこうも簡単に滅びるのか』みたいなことが、この小説の一番のテーマ。最強の城と、実戦経験豊富な現場担当者。これらが揃っていながら、なぜ大坂城は落ちてしまったのか。上に立つ者が世間知らずでマヌケだったから、なのだろうけど、その一言だけでは片づけられない、数々のボタンの掛け違いによる失敗から学ぶことは多い気がする。 以下、印象に残ったエピソード 片桐且元の豊臣方から徳川方への転身 - 豊臣を裏切る気持ちは無かったのに、家康の策略と豊臣上層部の疑心暗鬼から、やること全て裏目に出て、転身せざるをえなかった片桐且元。豊臣への忠誠心は誰よりも強かったはずなのに、最後は大坂城へ向けて大砲を打つことまでさせられた彼の心境は、言葉に出来ない。人と人との些細な擦れ違いから、人生を狂わされてしまうこともあるのだ。大河ドラマ「真田丸」小林隆さんの悲喜劇入り混じった演技も、印象深かった。 大坂五人衆集結 - 真田幸村、明石全登、後藤又兵衛、毛利勝永、長曾我部盛親ら五人衆。戦う場所を欲して、家の再興、キリスト教布教許可など、各々の理由を持ちつつ大坂城に集まって来て、団結して戦いに臨む。大河ドラマと並行して読んでいたため、映像とシンクロしてワクワクして読み進めた(負けるのは分かっているのだけれど)。 犯罪者家康と、純粋な豊臣方牢人たちとの対比 - 司馬さん曰く、徳川家康の大坂攻めは戦争というよりも、本質は「犯罪」(主家である豊臣家に対し、騙したり、約束をすっとぼけたり、内部分裂させたりしたから)。家康をとことん悪人に描いているが、それは彼が「後世にどう思われるか」という発想が無かったから、との解釈。一方、真田幸村・後藤又兵衛ら大坂方牢人は、豊臣が滅んだら他に頼るものが無いわけで、自然、死を恐れず武名をあげ、後世に向かってよき名を残すことに純粋に研ぎ澄まされていくようになる。それぞれの生き方の違いだったのだろう。
2投稿日: 2017.02.16
powered by ブクログ大阪の陣が起こる前の主要人物の人間性、状況が細かく描写されているので大きく物語が始まる序章としていると思われる。 太閤がどれ程偉大であったかを残された愚鈍で保身に走る大坂城内の家臣との対比で表現していると感じた。
1投稿日: 2016.12.23
powered by ブクログ大坂の陣から400年。大河ドラマ真田丸でも描かれるしってことで、平積みになっていたのを手にした上中下の上巻。 真田丸だったら有働さんのナレーションでぶった切るような大坂城内の動き、東西の駆け引きが司馬遼太郎の文体で細かく描かれている。400百年前の出来事を描いておきながら、時々出てくる、筆者の現在の目線。嫌いじゃないです。 真田丸も最終章に向かいます。中巻、下巻もさっさと読まないと。
1投稿日: 2016.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
(関東の様子をみれば、わかるはずではないか) と、勘兵衛はおもうのである。家康は自分の老いにあせっている。子孫のために太閤の子孫を根絶やしにしておくということを当然ながら考えている。その程度の家康の意中は、大坂城の楼上に住んでいても、すこし頭を冷やし、子への盲愛という囚われ心を去って考えてみればわかるはずのことではないか。 (それがわからない) ということは、勘兵衛にとって、新鮮なおどろきであった。自分自身の運命について、この程度にごく明白な、理解しやすい、ごくあたりまえの思考の条件が、とても理解できないほどの愚人が世の中に存在しているということにおどろいたのである。それが、この城にいる。しかも権力の頂点にいる。 (淀殿は、お頭がたしかか) とおもうのだが、べつにあほうであるというわさはきいたことがない。要するに愚かというのは智能の鋭鈍ではなく、囚われているかどうかだということを勘兵衛は思った。淀殿は一個の恐怖体質である。 彼女にあっては、あらゆる事象はすべて自分のなかに固定してしまっている恐怖を通してしか見ることができない。秀頼のためのみを考えすぎ、それにとらわれ、それを通してしか事象を見たり判断したり物事を決めたりすることができない。 「ここはおとなしく退去させておしまいになるのが上分別と申すものでしょう」 というと、修理はうなずき、 「わしもそうおもっていた」 と、勘兵衛の案の尻馬に乗った。修理のくせであった。勘兵衛がいくら妙案を出しても、 ――ああ、そのことはわしも気づいていた。 と、いう。勘兵衛の案を採用してくれるのはありがたいが、返事にはかならずそのひとせりふがつく。すこし構えている。勘兵衛のみるところ、古往今来のよき大将とは、配下に意見を出させると、そのことを大将みずから考えてはいても、 「何兵衛、よう気づいた」 と大ほめにほめるのである。であればこそ配下の者どもは智恵を絞って策を考え、それを上申することをよろこぶ。修理のようでは、よき幕僚はできまいと勘兵衛はひそかにおもったが、しかし勘兵衛はみずから構想することに芸術的なまでの衝動とよろこびを感じているため、修理がどうであろうと、思いついたことは今後もすべて修理に話すつもりであった。
0投稿日: 2016.07.06
powered by ブクログ秀吉の作った'城塞'、すなわち大阪城の陥落を描いた長編。真田幸村、後藤又兵衛をはじめとする稀有の武将たち、潜在的な可能性を秘めた豊臣秀頼、何より天下の城塞たる大阪城の存在にもかかわらず、淀殿を中心とする人間たちがことごとく足を引っ張る様子が本当にもどかしい。秀頼の両側に幸村、又兵衛がつき、全体が統制された行動をとっていれば、大坂の陣はどうなったのかと、どうしても考えてしまう。その中でも、先の真田、後藤のほか、木村重成、毛利勝永など、部下が共に死んでもよいと思えるほどの漢達の生き様、死に様は、男として感動せざるをえない。
0投稿日: 2016.06.11
powered by ブクログ家康による大阪城攻略の顛末を描く長編。司馬遼太郎の得意なストーリーテリング展開として、複数の登場人物の視点を同時に使うが、特に小幡勘兵衛とお夏というキャラが一番絵になる。 当時70歳を越えた家康がかつての主家豊臣家を滅ぼすために矢継ぎ早に行う政略がえげつないのに対して、淀君のヒステリーっぷりが痛々しい。
0投稿日: 2015.07.05
powered by ブクログ大坂の陣を描いた作品。謀略の限りを尽くして豊臣方を追い込んでいく徳川家康の悪辣振りは嫌悪感を覚えるほど。そして、彼に翻弄される淀君は自ら滅亡の道へと歩んでいきます。最後に一花咲かせようと、死に体の大阪方に馳せ参じた真田幸村、後藤又兵衛ら武将たちの生き様は胸を打ちます。
2投稿日: 2014.08.23
powered by ブクログ【読了日】 2014.07 【タグ】 歴史 時代小説 大坂 【経緯】 ・大坂の陣400周年記念 ・今さら司馬遼を読んでみようキャンペーン ---------------------------------------------- ・真田幸村、後藤又兵衛の男伊達 ・真田十勇士伝説の元となった真田の諜報能力 →講談、小説、立川文庫 ・真田丸は現在の陸軍墓地のあたり、「笹山」が真田山公園か? ・大野修理の無能っぷりと弱さが他の時代小説でどのように描かれているか興味深い ・それにつけても家康の残酷さよ 物語のなかで終始一貫した家康の怜悧狡猾な対大坂戦略は、政治的陰謀というよりは騙まし討ち……と司馬は考えているようで、その通りに私も洗脳された ・大坂に登城した牢人たち→乱世を生きる戦国的性格=中世の最後の名残として描かれる ・対する新江戸政権内の有力者→官僚的性格=近世のはじまり ・家康は戦国を生き抜いた大名達の中で、誰よりも長生きした ・甲州最強軍団の伝説 ・関が原~大坂の陣における高祖の動き方によって、ある家は明治まで続き、逆もまたあり
0投稿日: 2014.07.30
powered by ブクログ大坂の陣を描いた作品。真田幸村をはじめとする優秀な牢人達がせっかく助けに来てくれたのに、家康の策略にまんまとハマり彼らの邪魔ばかりする無能な大坂方の上層部がもどかしい。それでも家康を何度か窮地に陥れる場面があり歴史のifを感じずにはいられない。
0投稿日: 2014.07.02
powered by ブクログ司馬遼太郎のほかの作品と比べて、今一つ作品の世界の中に入っていけなかった。「関ヶ原」の三成や島左近のような登場人物がいないからか?
0投稿日: 2014.06.28
powered by ブクログ関ヶ原の戦いで勝利して征夷大将軍に任官された徳川家康が、豊臣家を滅ぼすお話です。関ヶ原から続けて読んだが、前回のようなスケール感が全く感じられない。読んでいて辛くなるとともに徳川家康の人気が、織田信長や豊臣秀吉よりもないことはよくわかる気がします。
0投稿日: 2013.11.26
powered by ブクログ【読書前】大坂の陣関連の話を一度読んでみたくて、2014年が大坂冬の陣から400年ということなので、それを機に読むことにしました。大坂の陣、『豊臣家の人々』ではちらっとしか触れられなかったし…。
0投稿日: 2013.10.04
powered by ブクログ大量破壊兵器を隠してると難癖を~っとは違う話か(笑)。なんやかんやと豊臣方に難癖をつけ合戦に踏み切らせようとする家康。江戸幕府を磐石にする為やとしても既に最高の力を持つ家康の謀略は気分が悪い。この気分の悪さは自分が大阪人やからか?
0投稿日: 2013.09.06
powered by ブクログ関ヶ原の戦いで東軍が勝利をおさめ、東軍の大将である徳川家康はその後、江戸に幕府を開いた。誰もが天下は徳川家のものと認識していた。 しかし、そんな中、西側に取り残されている城がある。 それが大坂城だ。 大坂城の城主は豊臣秀吉のあとを継いだ秀頼。そして実質的に力を持っているのは、生母淀殿。 淀殿は、秀頼が天下のぬしという思いにとらわれている。その意識は、もはや世間一般の意識とは異なったものとなっていた。 上巻では、大坂冬の陣の前の大坂城がどんな存在だったのか、そこで何が起きていたのかが、えがかれている。 世間一般から取り残された、大きな城。 男中心の武家の政治と異なる、女の感覚に支配される城。 外の世界を知らない城主秀頼。 いつの間にか中に入り込んでいる諜者たち。いつの間にか諜者になっていた武将。 そして、取り囲む武将たちの意識も、既に関ヶ原以前とは違う。誰もが天下のぬしは徳川家にうつったと知っている。 そして、世間は戦をのぞんでいない。 関ヶ原で秀頼が出陣していたら… 世の中、かわっていたでしょうね… あの時点で、豊臣家は負けたんです。石田三成に罪を着せたって、何の意味もない。 ここまできたら、何か大きな転換策を用いなければ、もうあとは大坂城がどう消えるかしかない。 でも、大阪城は秀吉の作った強固な城。そして、まだ中に秀頼がいる。 権力を持つのが淀殿であっても、淀殿には城内での権力しかない。でも秀頼だけは城外の武将たちに影響力を持てる可能性がある。 だから、徳川家も簡単には豊臣家を滅ぼせない。 慎重な家康がどう事を運んでいくのか、続きが楽しみです。
0投稿日: 2013.08.25
powered by ブクログ関ヶ原と異なり、大阪夏の陣は最初から家康が勝つことは解っていた。自らの命はここで尽きることを覚悟して、真田幸村や後藤又兵衛などが自分の志を遂げるために戦い抜く様が鮮やかに描かれています。
0投稿日: 2012.08.25
powered by ブクログいやぁ、すばらしい。 久しぶりにこれぞ司馬良太郎を読んだ。 明治ものもいいが、戦国ものはまさに司馬遼太郎の真骨頂だと思われる。 徳川家康が悪すぎる。 目の前で徳川家康が小躍りしているのが、手に取るようにわかる。 それに対しての、大阪。 次巻も大期待。
1投稿日: 2012.04.21
powered by ブクログ大阪冬の陣、夏の陣を描き徳川政権樹立の背景を浮き出させる作品。 関ヶ原の後に読んだため、時系列も分かりやすかった。関ヶ原が、各大名の去就をパズルのように組み立てていく作品なら、城塞はより時間の経過と場所(江戸、大阪)を感じる作品だった。巧妙に秀頼を死に追いやる家康だが、読後のイメージは不思議と悪くない。それは、現代に続く徳川政権の影響なのかどうか。 そのあたりは、覇王の家を読後に判断したい。 (2011.11)
0投稿日: 2011.11.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小説関ヶ原のその後を埋める意味で読みました。徳川家康のしたたかさ、女性に支配された豊臣家の哀れさがしみじみと描かれている。少し退屈だが後藤又兵衛と真田幸村二人の軍師の活躍は痛快。
0投稿日: 2011.10.27
powered by ブクログ覇王の家から関ヶ原と読破し、最後の家康物の 小説です。さすがに感度が下がってきたよ。。。 これから盛り上がるのかな。。
0投稿日: 2011.08.26
powered by ブクログ徳川家康VS淀君&豊臣秀頼の戦いである大坂冬の陣夏の陣を描いた小説である。先日読了した「関ヶ原(司馬遼太郎著)」とはまた一味違った頭脳戦が見られそうだ。 上巻での実質的な主人公は、徳川方の間諜として大野治長の配下に入り込んだ「小幡勘兵衛景憲」と徳川方に内通している豊臣家家臣「片桐且元」の二人であろう。それぞれ使命感を帯びながら様々な思惑を持って行動していく様が興味深かった。 本巻で興味深かったくだりは以下のとおり。 ・「それは」と治兵衛は同じことを繰り返した。断わりの使者というのは多弁は無用で、同じことを百遍でも繰り返すに限るということを治兵衛は心得ている。 →豊臣家の使者であるお夏が前田利長に面会を求めた際、前田家使者の野村治兵衛が拒んだ時のシーンである。これは現在の社会でも使えるように、拒絶の意を示すときはあれこれと多言するより、「できません」の一点張りの方が良いということだ。私も仕事上、相手に都合の悪いことを伝えねばならない機会があるが、あれこれと言い訳をしたり取り繕って墓穴を掘ることがある。そうではなく拒絶の言葉を何度も同じように繰り返したほうが良いのだ。 ・家康のごく個人的な不快を、京都五山衆という日本の代表的知識人グループに確認させ、彼らの手で世間に発表させ、論告させるという手を用いようとしている。 →世に言う「国家安康」の鐘銘事件である。家康自らが激怒を示すよりも、京都五山の僧によって善悪を審判させるというもので、これによって大坂方を震え上がらせ、世論をも味方につけることに成功したのだ。 ・家康は心得ていた。婦人にはいくつになってもその容色を褒めるがいいという才覚を、彼はどこかで身に付けたのであろう。 →なるほど。家康は秀吉同様人たらしである。
0投稿日: 2011.06.02
powered by ブクログ大阪城の内部が痛々しいくらいに描写されている。個人的には、諜者でありながら、大阪城の行動に歯痒さを感じてしまうような、小幡勘兵衛の心境も納得できる。 スポット毎に、それぞれに焦点を当てて書いている描写 が好き。
0投稿日: 2011.04.14
powered by ブクログ「お夏」は司馬氏の創作キャラですが、同姓からみても可愛らしく魅力的。後半は出番がほとんど無くなってしまうのが惜しいくらい。
0投稿日: 2010.12.07
powered by ブクログ大坂城の幕内を覗く感じが面白い。片桐且元の不遇さがなんともいえず哀れ。ちらちらと掠めては消える石田治部の影が悲しい。
0投稿日: 2010.12.06
powered by ブクログ痛々しいです。 司馬さんの作品はときどき筆者の世界に籠ってくどい部分もあるんですが… でも一瞬ハッとする描写もある。
0投稿日: 2010.06.25
powered by ブクログ司馬先生の「関ヶ原」を読み終わった後に読みました。 http://blog.livedoor.jp/maikolo/archives/51036748.html
0投稿日: 2010.04.29
powered by ブクログ上巻か中巻か忘れてしまいましたが、 最後の一行の正則の描写。 思わず鳥肌がたちました。本当に面白かったです。
0投稿日: 2009.03.30
powered by ブクログこれを読むまでは国取り物語に熱中していて大阪冬の陣夏の陣にはあまり興味が無かったが 一気に引き込まれた。これと真田太平記でもうおなかいっぱい。至福の時間が味わえる。
0投稿日: 2009.02.15
powered by ブクログいろんな後姿が人間らしく描かれていた。 もちろん好きな奴も嫌いな奴もいたが、 それぞれの思惑と行動、結果を読み取ることが出来た。 内容的かイライラすることも多かったが、 それも歴史の一片として心に残しておきたい。
0投稿日: 2009.01.22
powered by ブクログ大阪冬の陣・夏の陣の、大阪方の将兵視点の本。 上司(淀君)は愚か、敵は悪党、でも懸命に戦い散っていく武将達… 司馬遼“らしさ”全開。
0投稿日: 2008.08.30
powered by ブクログ大阪冬の陣が始まる前までの話。家康のあの手この手のバラエティに富んだ謀略の数々に翻弄される大阪方。外の世界を知らされないまま成長してしまう秀頼が可哀想で、淀君の愚かしさがいっそ喜劇的。あーあ、って感じです。
0投稿日: 2008.08.03
powered by ブクログ豊臣秀頼はバカ殿のイメージが小さい時から持っていた。大学生の時この本を読んで変化した。そうなんだバカ殿ではないんだと。私と同じように秀頼をバカ殿と思っている人は読んでください。思っていたのは私だけ・・・・。
0投稿日: 2008.03.23
powered by ブクログ日本一の大阪城。 それを巡る壮大なドラマ。 歴史よりもドラマという感じが押し迫る人間味の強いストーリー。
0投稿日: 2007.10.08
powered by ブクログ【メモ】大阪冬の陣、夏の陣・城塞=大阪城・千姫輿入り〜国松誕生〜秀頼上洛〜鐘銘事件〜片桐且元退去まで・小幡勘兵衛、大野修理、お夏・女の城(淀君、大蔵卿、局、他)・崇伝、本多正純
0投稿日: 2007.10.05
powered by ブクログ先生のお勧めの司馬さん。取っ付き易い所をと、好きな戦国時代をチョイス。いやー、良いですね、司馬さん(失礼)
0投稿日: 2007.06.11
powered by ブクログ時代の流れに沿うなら(4) ◆徳川家康にとって、最後の悩みの種が大坂にあった。 それは豊臣秀吉の遺児・秀頼のことだ。 彼が生きている限り、徳川家はつぶされる。一刻も早く滅ぼさねばならない。それには後に卑怯といわれようとも、策略を持って、この城を落としてみせよう…「関ヶ原」を読んでから読めば時代の流れに沿うのでいいですよ。
1投稿日: 2006.11.08
powered by ブクログ大坂冬の陣夏の陣を題材にした小説なんだけど、もともと嫌いですが、なおのこと徳川家康が嫌いになります。
0投稿日: 2004.10.11
