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凶悪犯罪者こそ更生します(新潮新書)
凶悪犯罪者こそ更生します(新潮新書)
岡本茂樹/新潮社
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総合評価

9件)
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    反省させるのではなく,抑圧されている負の感情を解放することが大切。負の感情は幼少期に生じている。 ちょっと幼少期のトラウマに引きつけ過ぎな気もしますが,実践経験がベースになっているのでそれなりに説得力はある。過去の感情を体験することでカタルシスが得られるというのは心理療法のひとつのコアな部分だと思うのだが,認知行動療法が主流の現在においては古くさいと思われる部分もあるのだろう。何より支援者の力量に左右される。 刑務所でこれをやることの意味はあると思います。

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    投稿日: 2025.07.15
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    著者の前著にあたる『反省させると犯罪者になります』を面白く読み、続いてこちらに当たった。過ちをおかした人間に対し、ある種の「反省」が抑圧として働いてしまう、まずは負の感情を吐き出させることが必要、といった主張の根本は前著と同じ。犯罪者支援の観点と、教育の観点の両面ある前著に対し、本書の焦点は犯罪者支援のみに絞られている。受刑者の実情や詳細な実例を加えたうえで、刑務所への提言を添える。 受刑者の更生支援に携わる著者の情報からは、刑務所内で本音を話すことができない受刑者たちは反省できないと知らされる。なかでも第二章すべてを割いて紹介される、獄中の作家、美達大和氏の生涯とその思想は象徴的である。終章で著者が示す提言については共感できるのだが、理想的すぎるがゆえに、現実には前時代的ともいわれる日本の刑務所が取り入れるには容易に困難が想像できる。 美達大和氏をはじめ受刑者たちの実例を知るにつけて、一般に善きものとされる「正義」についても、一個人があまり深く内面化してしまうことは、人生を阻害する足枷として働いてしまうと感じた。人間は弱く不完全で、助け合うことこそを本質とわきまえることこそが健全な思考なのだろう。自己責任を強く求め、「逃げ道」を奪いがちな風潮は人間の本質と乖離しており、結果的に社会全体にとってもマイナスではないかとも思わされた。 タイトルについては、短期の受刑者が一日でも早く刑期を終えることを目的化してしまうため、それに比べて長期受刑者(凶悪犯罪者)のほうが自分の内面を見つめ直す心境に至りやすいという事情を意味している。 本書で紹介されていた『獄窓記』も、興味深く読めた。

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    投稿日: 2021.05.21
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    同氏の「反省させると犯罪者になります」を読み、納得できるところが多かったので本書も購入した。 これも良かった。 奈良少年刑務所、竹下先生の後輩だった。

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    投稿日: 2018.12.17
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    凶悪犯罪者こそ更生します。岡本茂樹先生の著書。凶悪犯罪者、受刑者に上から目線でお説教して自己反省ばかりを強要しても何の解決にもならない。凶悪犯罪者、受刑者がなぜそのような犯罪を犯したのか、凶悪犯罪者、受刑者の気持ちに寄り添い、共感しなければ、真の更生はないことがわかりました。子供の教育、子育てにも応用できるお話であると思います。

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    投稿日: 2018.08.09
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    反省させることで、ちっとも犯罪者自身は内面が変わらないということが、未達氏の著作の詳しい著者分析から、とても納得させられるものだった。

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    投稿日: 2017.11.23
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    犯罪者が辿って来た道を生育環境にまで迫ると、問題点は明らかになり、更生する事があるらしい。幾つかの事例を挙げつつ、美達大和氏の著書から読み取れる心の闇に迫ってもいる。普通なら避けて通りたい犯罪者の心に問い掛ける著者の慈悲心には感動すら覚える。 善人なをもて往生をとぐいはんや悪人をや、とはまさにこれか。本当に往生を遂げる人には、その辿って来た堕落と更生の経験が有ったのを親鸞は見知っていたのかも、などと考えてしまった。

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    投稿日: 2017.06.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前作「反省させると犯罪者になります」の実践編として書かれた今作。 おやと思ったのが矯正保護の世界ではおなじみの格言「反省は一人でもできるが更生は一人ではできない」をつかまえて「反省も一人ではできない」との批判を加えている点。 「反省は一人でも~」の言葉にいう「反省」は筆者が前作で批判した上っ面の(本心からでない)反省であり、筆者の望むところとする「反省」はむしろ格言にいうところの「更生」に近いのではないか、とも考えられます。 ここで疑問が。筆者のいう「反省」は「更生」とどう/どれだけ違っているのか。さらには、筆者の望む「更生」と一般の人が考える「更生」には何か差異があるのか。 個人的に、岡本氏の考えるメソッドは更生保護のあり方として十分に「アリ」だとは思うのですが、筆者の指摘する通り大半の受刑者は本音を吐いたり反省する気がない現状があるのと、筆者自身がお亡くなりになってしまったことで、筆者の提唱する更生保護システムの実現にはまだ程遠いのかな、と思ってしまいます。

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    投稿日: 2016.04.30
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    『反省させると犯罪者になります』の続編、といっていいのだろう。 反省というのは自己の内面を見つめる作業にはならない。それ故、反省させると犯罪者になる(更正しない)、のだけど、それを裏返せば、自己を見つめ吐露してもらうことで、凶悪犯罪者であっても更生するチャンスがある、という本。 実際に殺人で懲役を受けている人たちとの個人面接から、本音を引き出していく。上辺だけの反省では変わることはない。 これは凶悪犯罪にだけいえることではないだろう。何がその人の動機なのか。その動機の根底に何があるのか。反省(チェック)を上辺だけやったってしかたないのではないか。 そして真面目すぎると深い自責の念にかられて、また別の問題を起こしてしまう可能性もある。 本音で話せば道が開ける、なんて楽観はしたくないが。更生させる側より、させられる側の気分で読むほうが面白いかもなあ。

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    投稿日: 2016.03.21
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    このひとの書く本、前作もそうやったけど、すごく的を得ているなぁと思う。 表面的なことばを言わせるのは、犯罪者に限らず、やっぱりよくないのよ。ほんとうの意味での、「本音」を聞こうとしないと。

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    投稿日: 2014.08.30