Reader Store
人間以前 ディック短篇傑作選
人間以前 ディック短篇傑作選
フィリップ・K・ディック、大森望/早川書房
作品詳細ページへ戻る

総合評価

28件)
3.5
2
8
10
2
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難解なストーリーもあって読み終わった達成感にはちょっと欠けるけど読んでみてよかった。 「地図にない町」パラレルワールドというのでしょうか…オチが好きです。

    0
    投稿日: 2025.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『#人間以前』 ほぼ日書評 Day924 フィリップ・K・ディックの短編集。 移動時間に軽く読もうと図書館で借りてきたのだが、訳の問題なのか、執筆から半世紀が過ぎて余りに時代背景が変わってしまったからなのか、はたまた原作が駄作なのか(幾つかは面白かった)、大半がまあ読みづらい。 タイトル作も、今ひとつよくわからなかった。 面白かったのは、地図にない街を訪れ、自宅に戻ると自分の日常が変わってしまっているパラレルワールド物の『地図にない町』、これは幾度も訳されているそうで、時代を経ても色褪せないこなれたプロットだった。 『不法侵入者』、星新一的な作品。今となってはオチが読めてしまうのが若干マイナスだが、初出時にはなかなか面白かったと思われる。 『父さんもどき』、自分自身が子どもの時分にふと抱いたかも知らない「もしかしたら」という懸念、それを言語化した内容。これも時代を越えられる内容だろう。 https://amzn.to/4p8qoaC

    3
    投稿日: 2025.09.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりのFKD 宇宙の死者(what the dead men say)が読みたくて購入 ファンタジー色の強い短編集でしたが、粒揃いの良本 シビュラの目も良かった

    0
    投稿日: 2025.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ディックの短編種って、正直長篇より好き。短い物語の中にいっぱいのアイデアとたくさんの驚きが含まれているから。 そんな本書はファンタジー多め、ホラー多め。「ナニー」や「フォスター、おまえはもう死んでるぞ」からは大量消費社会への皮肉が強く表れていたりと、当時の時代背景を感じさせられる作品もちらほら。 なかでも中篇に該当する「宇宙の死者」は読みごたえもあっておもしろい。

    0
    投稿日: 2025.04.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    うーん、面白くないわけじゃないのだけど、最初に提示された謎に「なーるほどそういうことね!スッキリ!」と納得するというよりは「あーんそういうことね…」とジワ…ふにゃふにゃ…と終わる話が多いせいか、次の新しい謎(短編)を読みたいという気力が薄くなる。設定がいいので終わりにも期待しすぎてしまうのかも?

    0
    投稿日: 2025.03.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    フィリップ・K・ディックという名前とハヤカワ文庫の表紙の絵を見て買ってから半年くらい積んでいた本。 中でも「地図にない町」「この卑しい地上に」「人間以前」の話が理解しやすく特に印象に残っている。 「地図にない町」は架空の世界を知覚してしまったことによって自分のいる現実の世界にまで影響をあたえ変わってしまう恐怖を感じた。 「この卑しい地上に」は結婚相手をだけをもとに戻したいという思ったために、世界全体に影響を与え、一個人の問題で収まらなくなった事への焦りを感じた。 「人間以前」は何もできない子どもと勝手な大人の対比が表されていて面白かった、また、中絶が魂があるかどうかで12歳まで中絶として処理されてしまうこの話は、中絶について考えさせられる話だった。

    3
    投稿日: 2024.02.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 人間と認められるのは12歳以上、12歳未満の子供は人間と認められず、狩り立てられてしまう……衝撃のディストピアを描いた表題作を、新訳で収録。長篇『ユービック』と同一設定の中篇「宇宙の死者」、ディック短篇の代表作として知られる現実崩壊SF「地図にない町」(新訳)、侵略SF「父さんもどき」、書籍初収録作「不法侵入者」、晩年の異色作「シビュラの目」ほか、幻想系/子供テーマSF全12篇を収録する傑作選。 [収録作品] 地図にない街 妖精の王 この卑しい地上に 欠陥ビーバー 不法侵入者 宇宙の死者 父さんもどき 新世代 ナニー フォスター、お前はもう死んでるぞ 人間以前 シビュラの目 ⚫︎感想(ネタバレ) 少し怖かったり、奇妙だったり。印象的だったものをメモしておく。 ・地図にない町  不思議な話。パラレルワールド。 ・この卑しい地上に  天使?悪魔?生き返ったら全員シルビアになった ・父さんもどき  脱皮 ・フォスターお前はもう死んでいるぞ  シェルターを買う話

    1
    投稿日: 2023.11.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いくつかのファンタジー短編のあと、SF短編が続く。 SF初期の空気が感じられて面白い。 個人的には、表題作の「人間以前」が凄いと感じた。 確かに、突き詰めれば、そういうことだよな。

    0
    投稿日: 2023.01.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    《目次》 ・ 「地図にない町」 ・ 「妖精の王」 ・ 「この卑しい地上に」 ・ 「欠陥ビーバー」 ・ 「不法侵入者」 ・ 「宇宙の死者」 ・ 「父さんもどき」 ・ 「新世代」 ・ 「ナニー」 ・ 「フォスター、おまえはもう死んでるぞ」 ・ 「人間以前」 ・ 「シビュラの目」

    0
    投稿日: 2022.07.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表題を含む12篇のSF短編を収録した本。 著者の他の作品と同様かそれ以上に、独特な世界観が繰り広げられている。 個人的には、8番目の『新世代』が皮肉たっぷりで話の落としどころも意外で面白かった。 子どもの人格が歪むのは全て親の養育が関係しているため、18歳まではロボットに人間の子どもを育てさせようという社会の話。 親の身勝手さへの風刺、全て親の養育に原因があるとする理論への風刺、見方によってはどちらとも取れると思われる。 また、最終作の『シビュラの目』は、最後、 著者の、自国への祈りにも似た愛が感じられて胸を打った。

    0
    投稿日: 2021.04.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「地図にない町」を含むファンタジー色の少し強い短編集。ファンタジー色が強いとは言っても、日常に感じた違和感に対して自分が狂っているのでは?と疑問を抱かせる描き方はディックそのものです。足元から揺らいでしまう不安感がたまらないです。 風変わりなところでは「妖精の王」、「欠陥ビーバー」(冴えないビーバーが主人公の寓話なのです!)。印象的なのは「宇宙の死者」急速冷凍された遺体が半生者となっているという設定など「ユービック』に通じる不気味なものがあります。子供の教育を扱ったものや、人工妊娠中絶を扱って炎上した表題作など、作品に現代が追いついてきた感がある作品集です。コロナで隔絶された日常をディックが経験したらどんな作品を著したでしょうか?

    2
    投稿日: 2021.02.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    現代的ファンタジーから古典的なSFまで12+1編を詰め込んだ短編集。冷戦時代のアメリカを痛烈に批判する姿勢を強く感じる。 描写は飛び飛び&奇想天外な部分もあり若干読みづらいが、尖ったアイデアはどれも秀逸。 私のベストは『新世代』『ナニー』『フォスター、おまえはもう死んでるぞ』

    0
    投稿日: 2021.01.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    人間以前(ディック短編傑作選) 著作者:フィリップ・K・ディック 主人公はいささか過敏というか過激な気もするが、周りの状況と自分の置かれた環境を考えるとああいう気持ちになってしまうのも分かる。 タイムライン https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

    0
    投稿日: 2019.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】

    0
    投稿日: 2018.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表題作と『地図にない町』を読んだ。 ・表題作:12歳未満の子供は人間とみなされず両親の希望があれば中絶トラックによって回収、処分されてしまう。かつての中絶の概念が拡張され、人間とみなされるかどうかは、産まれてくる前かどうかではなく、代数(高等数学)を扱える年齢以降の世界となっていた。 表題作は後ろの解説を読むと中絶批判の作品として取られることが多いらしいが、全然そんな風には受け取らなかった。人間として人権を与えられる根拠、基準は何かといった普遍的な問いが題材だったと思う。私の考えは本書で扱われた内容とは違うがそれはまた別の機会に。 ・地図にない町:ある日駅員に定期を買いに来た男が降車駅として指定した駅は存在しない駅だった。駅員がそれを説明しても、男はそんなはずは無いと強弁するが、地図を見せられ駅が存在しないことが示された瞬間、男は忽然と姿を消してしまう。 最近映画『メッセージ』を観たばかりだったので、似た主題を感じた。記載したような導入部がキャッチーで面白かった。

    0
    投稿日: 2018.09.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「人間以前」というタイトルだけで最高という気がする。どことなく田舎的なじめじめした暗い圧力のようなものを感じる作品が多かった

    0
    投稿日: 2017.11.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これまで読んだフィリップ・K・ディック作品とは少し毛色が違うものが多かったような印象を受けます。 「妖精の王」はファンタジー要素が強く、珍しくしっかりとハッピーエンド! 「欠陥ビーバー」はビーバーが主人公の作品だし、「父さんもどき」は子供たちが主人公(私の頭の中ではスタンドバイミー的な雰囲気でした。いや、内容は全く違いますが)です。 ほかはいつものPKD作品ぽい、不思議な終わり方やディストピア的作品です。 個人的には「宇宙の死者」が面白かった。 「フォスター、お前はもう死んでいるぞ」は命を金で買う的な時代。主人公はいささか過敏というか過激な気もするが、周りの状況と自分の置かれた環境を考えるとああいう気持ちになってしまうのも分かる。 「人間以前」は誰が人間であるということを決めるのか?というひとつの問いが示されている。内容的に中絶問題の関係者から抗議もあったようですが…。 ところであの終わりはどういうことなんでしょうかね。

    0
    投稿日: 2017.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「地図にない街」★★★★★ 「妖精の王」★★★ 「この卑しい地上に」★★★ 「欠陥ビーバー」★★★★ 「不法侵入者」★★★ 「宇宙の死者」★★ 「父さんもどき」★★★ 「新世代」★★★★ 「ナニー」★★ 「フォスター、お前はもう死んでるぞ」★★★ 「人間以前」★★ 「シビュラの目」★★★

    0
    投稿日: 2016.09.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ファンタジー色が強いものから、古典的なディストピアの話まで、全部趣向が違っていて粒ぞろいの話が集まっている。 表題作の「人間以前」がやはり面白い。フェミ的に反発があると思うけど、批判的な側面に偏らないで、もしこんな世界があったら、という空想で生き生きと描いているのが良い。 あとは、「地図にない街」「新世代」あたりが、先の読めないSFもといファンタジーでよかった。 ただ、SFは短編じゃなく長編が好きだと思った。

    0
    投稿日: 2016.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    SF。ファンタジー。短編集。 SFはわりと好きなんですが、これは合わない。 よく分からない話ばかり。 映画の『トータル・リコール』も苦手だったし、この作者とは相性が良くないのかも。

    0
    投稿日: 2016.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ペシミスティックで、哀れと悲哀が全編に漂うなあと思った。時代なのか、それがディックの特徴なのか。 翻訳の仕方があまり好みじゃなかったというのもあるかも。原書読んでないのに偉そう言えないけれども。 短編集で読みやすかった。

    0
    投稿日: 2015.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    近代社会の大量消費社会への警鐘を鳴らすような説教じみた話がいくつかと、ファンタジーのような話がいくつか。 「この卑しい地上に」が不気味で好きです。

    0
    投稿日: 2015.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表題作が興味深いのだが、巻末収録短編のタイトルが「シビュラの目」である… 私はSFを完全に誤解していたなぁ、だから手を出さなかったんだろう、SFは全てにおいて「無機質なもの」と思い込んでいた。人間の在り方も科学的に進んでしまう事で精査され、人間味が薄れ、設定の奇抜さを楽しむもんだと思い込んでた。設定の奇抜さで競う、と言うのはBLにもある側面だ。 収録作の『ナニー』に差し掛かっているが、ほぼ球体のアンドロイド家政婦ロボットの話。旧式は新式と対決すると、性能の差、と言う絶対値を打ち破る事は出来ない。人間の様に「火事場のクソ力」なんてものはスペックになければ出すことが出来ない。旧式のロボットは修理するより買い換えた方が安いと言うのに何故人間は「修理してでも直してくれ」と思ってしまうのか。機械が機能として行った事でしかないのに、それにたいして感情を生み出してしまうのか。機械を通して人間が人間であるが故の人間味を表現できるのがSFと言うジャンルかもしれん。旧式は新式に勝てない、と言うスペック差を凌駕しトム・フィールズ家のナニー(ロボット)は新式と闘って勝ち、自身もボロボロになってしまった訳だが、トムは新型に買い換えた方が安いと散々言われても愛着のあるロボットを修理に出すがトム自身はなぜ自分の家のナニーが壊れかけているのかの本当の理由を知るのは後になってからだが、旧式なのに新式に勝てたのがナニー自身に(家を守らねば)を言う使命感があったのか、と思い、その部分で私の好きなアンドロイドものじゃねぇか、となったのだが、その辺はスルーの着地点だった(笑)俺ん家のナニーを傷つけたやつは許せない、これは俺の家のナニーなのだ、だからおいそれと新品と取り換えるなんて出来ない、と言う気持ちは「役に立ってくれる機械」に対する愛着なのだが、その愛着が高じるとこういう結末になる訳だ…人間って愚かで可愛い生き物だと言う事もSFには書いてあるなぁ。 ホラーありSFありダーク・ファンタジーあり、実にバラエティ豊かな短編集だ。『宇宙の死者』を読んでるんだが、死んでからも「半生期」が残っていて冷凍保存された遺体にプラグを繋いで精神活動が呼び出せるとか、設定が面白い。 「新世代」、無論SFであるが、子供の成長に悪影響を及ぼすのは幼少期の環境・親との関係であるとされ、生まれた直後から教育機関で子供は育てる人間には接触させず、アンドロイドが子供の成長に携わる。9歳になるまで絶対に親は子供と接触してはならない、会う時は許可申請、そして開拓者精神でたたき上げで生きて来た主人公が子供の初めて会った後、子供は親(つまり生身の人間)が実験動物と同じ匂いがする、と言う…どちらが幸せなんだろう…ディック自身、親がきちんと愛情を注ぎ親の責務として子供を育てない人間がいると言う現実に対し憤りを抱いているからこう言う作品を書いたんじゃなかろうかと思うが、人間が人間に触れないで人間として育つ筈がなかろう、と思うよ。

    0
    投稿日: 2015.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    図書館で見かけて。「人間以前(まだ人間じゃない)」と「父さんもどき」が既読。「地図にない町」「この卑しい地上に」は好きですね。完成度が高いと思う。 「ナニー」とか「フォスター、… 」とか、広告、宣伝、行きすぎた資本主義を批判する作風のも多いですね。ファンタジックだったり社会風刺的だったり、どちらも面白い。中途半端だと失敗するけど、突き抜けると傑作になる。

    1
    投稿日: 2015.03.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「短編集なんですね」 「うん」 蛹が頷くと、葉月は待っていましたとばかりに目次を開いた。 「またこのパターンなの?」 「万有引力や質量保存の法則を、パターンとは言わないでしょう?」 「君が言うほど、物理法則は自明じゃないよ」 ふたりは蛹の家の居間で、ソファに座って向かい合っている。テーブルの上には、コーヒーが入ったマグカップが二つ。 「物理でもなんでもいいんですけど、とりあえず一つ目いきましょう」 そうして、短編のタイトルを読み上げる。手短に紹介してくれ、ということだ。 「『地図にない街』」 「ええと、過去が書き変わることで今が絶え間なく変わっていく感覚。こういう世界も面白いんじゃないかな。手にしているものが次の瞬間には失われるかもしれない、手にしていたことすら忘れて。いい世界だ」 それから、蛹は少し首を傾げる。 「今回は前からいくの?」 「ご不満でも?」 「いや、どちらかというと、俺が思うディックっぽさの強い作品は、後ろの方に集中している印象だったから」 「ああ、シビュラの目とか、タイトルからしてそれっぽいですもんね。じゃあ頑張って最後まで行きましょう」 蛹は少し疲れているらしく、面倒くさそうにコーヒーに手を延ばした。 「次、『妖精の王』? 童話?」 「うん。妖精の王さまになって妖精王国に行く話」 「可愛いですね。次。『この卑しい地上に』」 「神だろうと天使だろうと、この世界に取って変わるものではないんだよ。全世界の人間がみんな君になったら迷惑だろう?」 「ホラーですか?」 間違ってない、と蛹は言う。 そしてコーヒーを一口飲む。 「『欠陥ビーバー』」 「ビーバーがコインを集める話だ。よくわからないけど浮気をしたり文通したりもしてる。正直一番よくわからなかった」 「そうですか。じゃあ、『不法侵入者』」 「なんていうか、ストレートにSFっぽいSF。宇宙人との付き合い方について考えさせられる作品だった」 「多いですもんね、お知り合いの宇宙人...じゃあ次、『宇宙の死者』」 「『ユービック』の世界観だから、そっちが既読なら、するっと入っていけるかも」 「ああ、あれ面白かったですね。『父さんもどき』」 「身近な誰かが、そっくりな何かとすりかわるというのは、一般的には恐怖だってこと。もちろん、そこには日常に安心や安定が存在していたという前提があるけれど」 「『新世代』」 「昔はもっと色々な匂いがして、まあ、汚かったと言うね。何世代か先に、都市が無菌室のようになれば、俺たちのような人間は獣臭くて仕方ないと思われるようになるのかもしれない」 「うっわあ...」 「実験動物のような匂いがする生き物か、実験動物のように生きる生き物か、どっちがいいかというと、まあ、俺としては死にたい」 「それ、選んでませんよね。別にいいですけど」 ここで葉月は一旦顔を上げ、一息ついた。 「作品数、結構多いですね」 「うん。内容も濃い。一つ一つ丁寧に読むと、結構時間がかかると思う」 「じゃあ、気を取り直して」 「あ、今の、ここで諦めるっていう意味じゃなかったんだ……」 「次、『ナニー』」 「お手伝いロボットたちの飽くなき抗争を描いた作品、かなあ」 「いや、戦っちゃダメでしょ。家事しましょうよ」 「飽和した市場において需要を作り出すには、他社製品を壊してしまうのが早いんじゃない?」 「……正論ですね」 「『フォスター、おまえはもう死んでるぞ』」 「別に死んでなかった」 「そうですか」 「死ぬかもしれない、という恐怖に勝るステマはないっていう話」 「『人間以前』」 「子供は人間以前の存在だ。大人によって許された子供だけが生きられる。そうでなければ処分される。そういう世界だ。人間が人間以外の存在について決定権を握るという傲慢さの、なんていうか、亜種かもしれない」 「えっぐいですねー。んじゃ、最後。『シビュラの目』」 「今あるこの世界は、過去に生きて歴史を積み上げてきた人たちにとって、救いと成りうる世界だろうか、って」 「私たちは、過去のために何かなすべきだと?」 「いや。そんなものは一切顧みるべきではないと言われているような気もするね」 「シビュラって、結局何なんです?」 「観察者はね、審判者ではないんだよ」 そして蛹は、これでおしまい、と、残っていたコーヒーを飲み干して席を立った。

    2
    投稿日: 2015.03.25
  • 生後堕胎

    12歳にならないと人間として認められない。 生後堕胎をテーマにした作品がメインタイトルになっています。 現代の状況を鑑みてもいろいろ考えさせられます。 あと新訳された地図にない町も新鮮で楽しめますよ

    11
    投稿日: 2015.01.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人間以前目当てに買ったが、どの短編もまさにSFという話で面白かった。相変わらず世界観とそこに生きている人々のキャラに引き込まれていく。

    0
    投稿日: 2014.12.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    図書館で申し込んで買ってもらって読んだ。 これは表紙のデザインが良い。ジャケ買いしたくなる。 最初の短編、おもしろかった。 短くて。星新一みたい。

    0
    投稿日: 2014.12.17