
総合評価
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powered by ブクログ再読、★3.5のおまけなし。 何だか昭和50年代辺りの日本映画(これ、あまり良い意味ではないです。。。)を観ているような感覚で読めました。それだけ映像感を喚起するものではあるかと。 両作とも異形の登場人物を配しておりますが、そこに作家はどういう意味を含ませたかったのか? 現在とは随分と違う時代を背景にしているだけにその辺りの肌感を知りたい、逆に言えば、結構な違和感を覚える設定なり物語の組み立てではあります。
0投稿日: 2026.01.22
powered by ブクログ少年僧の孤独と凄惨な情念のたぎりを描いて、直木賞に輝く「雁の寺」、哀しみを全身に秘めた独特の女性像をうちたてた「越前竹人形」。
6投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログとても良かった。 人はみんな『想い』を抱えて生きている。 その想いが周りの環境にマッチする場合もあるし、 いちばん身近な愛する人にすら伝わらない場合もある。 伝えようとせずに殻に閉じ籠る場合もあるし、 伝えようとしてもうまく伝えられないもどかしさもある。 愛する人と想いを共有していると信じながらも、 その信じている気持ちに対して懐疑的になったり、 相手を想うあまりに深読みして空回りしたりもする。 たまたま見つけた本だけど、読んで良かった。 時代背景も含めて、この湿度の高さは嫌いじゃない。
0投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログ最近福井県がブームとの事で、俺たちの水上勉さんをフィーチャーしてみました。 氏の作品は『飢餓海峡』のみでしたが、古い作品ながらも最高に面白かったですね。もちろんレビュー済。そして今回もよかった。私はこのような湿気を帯びた話が好きなんですね。湿気最高!でも梅雨は辛いぞ、糞! 先ず『鴈の寺』。エロ坊主が小僧に殺されるお話。しかも完全犯罪。コナン君だと直ぐ犯人を当ててしまうレベルだが、時代背景がそうさせない。小僧の生きる辛さが伝わってきます。慈念君、生き抜くんやでー。 『越前竹人形』。鴈の寺と同様に顏が残念で背が低いコミ障キャラが主人公。この時点で鬱屈とした物語が始まる予感がしましたが、最後の最後に感動したなあ、元遊女の玉枝の葛藤、そして死、大正時代だからこその生き辛さが見えました。これぞ純愛かと。南無・・・ って、どうしても気になってしょうがないのが1点。 舞台は福井県です。主人公の喜助は武生市在中、玉枝は芦原温泉勤め、玉枝はんはその前に京都の島原で働いていましたし、そもそも京都の方ですので、ゴリゴリの京都弁どすえ。しかし、喜助はんは武生市の方ですよ。でも何故か京都弁。ほんまはゴリゴリの福井便なんやぞ、おぇーっ。どういうこっちゃ?水上はん、ホンマに福井県の方でおますか?って、あゝ水上はんはおおい町出身でしたね。そこは完全に関西訛りなんですわ、福井弁が分かってなかったのか・・・・ 福井市出身のワテからしますと、舞台が京都かいな?と思いますわ。ほんま。これを読んだ方が福井市に来られると、余りにも違ってショックを受けるでしょうね。 この点がどうも引っかかったなあ(ストーリーには全く影響無し) 個人的には前職で向島、中書島に毎日おりましたので、舞台全てコンプリートしてほくそ笑んでおりました。 兎に角、皆さま念願の新幹線も開通したことですし、一度福井に遊びにきてやー。
13投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログ2編とも日本的な美や伝統の中で描かれる物語が谷崎に通ずる印象を受けた。実際谷崎は『越前〜』を高く評価したそうだ。心で深く通じ合った喜助と玉枝に深く感動した。
0投稿日: 2023.12.08
powered by ブクログ里子を愛人として囲っている、京都孤峯庵の和尚慈海。 そこの小僧である13歳の慈念は、和尚から厳しくあたられています。 里子は慈念に同情し歩み寄りますが・・・。 ある日、慈海が碁を打ちに出かけて行きましたが、一向に帰っては来ません。 檀家が亡くなり葬儀を行なわなくてはならなくなりましたが、ついに行方知れずに。 寺の小僧慈念との関りは? 直木賞作品『雁の寺』 福井県武生市の山奥にある寒村竹神部落に住む竹細工師、氏家喜左衛門の後継ぎ喜助。 父が亡くなって後、喜助のもとへ「芦原の玉枝」と名乗る女性が墓参に訪れてきました。 女のことが気になった喜助は、芦原温泉街の遊廓で玉枝を見つけます。 玉枝の部屋には、初めて目にする巧緻な竹人形が飾られていました。 以来玉枝に惹かれた喜助は幾度かの往来を重ね、その年の夏から二人は同棲を始めます。 三歳で死に別れた、顔も知らない母を玉枝に重ね合わせ、玉枝に対する錯綜した気持ちを持ちながら生活する喜助。 二人の奇妙な生活、仕事の合間に作った竹人形が、郷土民芸展への出品をきっかけに、京都へと販路が開かれていきます。 このことが玉枝の人生を、予期せぬ運命へと変えていきます。 哀しみを秘めた女性像を描いた『越前竹人形』。 どちらも水上文学の傑作です。 高校生の時に読みましたが、あらためて今読んでみると、感慨深いです。 高校生時代には分からなかったなぁ。
0投稿日: 2023.05.23
powered by ブクログ禅寺の小僧と僧の愛人の女、二人の出会いとそれぞれの悲しみを描いた「雁の寺」。越前の雪深い里で竹細工を作る男のもとへやってきた美しい女、清らかな愛の結晶ともいえる竹人形を軸に二人の運命を描いた「越前竹人形」。どちらも水上勉の傑作だ。
0投稿日: 2023.05.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
水上勉 京都を舞台にしてもどこか日本海らしい薄暗い空気が漂っている。福井の山奥が舞台なら尚更 どこかきれいな精神を感じさせる、透明感があり、少し寂しげな 宇治川の流産、赤子と血を洗い流してくれた宇治川の水。 雁の寺 京都 東洞院 衣笠山 越前竹人形 武生市 南条山地 竹神部落 広瀬村 芦原三丁目 中京区姉小路通り室町 堀川中立売 伏見中書島
0投稿日: 2022.11.24
powered by ブクログ純粋な少年の目に映る、性愛に溺れる堕落した僧と愛人。その果てに待つ恐怖(『雁の寺』)。過度に性愛を遠ざける夫と、それに寂しさを覚える妻が迎える悲劇(『越前竹人形』)。溺れても遠ざけても性愛は哀しい。
0投稿日: 2022.06.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
慈念がこの後どうなるのか最後まで気になって面白かった。なんだか悲しい結末だったけど、読み終わったあとは嫌な気分と言うよりは不思議な気持ちにつつまれた。
0投稿日: 2020.07.31
powered by ブクログ両物語に共通する、母を知らぬ男の姿。また自身を仮の母の姿として重ねんともがく女たちの姿には肉情が纏わり付き、巧緻な描写と相まって極めて艷やかで情緒的な物語性を生み出している。水上自身の庫裏での経験に裏打ちされた力作。必読。
0投稿日: 2020.05.18
powered by ブクログ作者自身の体験を元にしたとされる禅寺の生活描写はリアリティがあった。 物語としては細かい時間設定や、伏線、登場人物たちの心理描写が読んでいて飽きなかった
0投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログ『雁の寺』がミステリで『越前竹人形』が夫婦もの それぞれある事件における心境小説のおもむき 時代背景は大正から昭和初期で描写もそういう味わい この作品が書かれた「現代」でも成り立つけれど ふいんきとしてやや昔のほうが興ありげ そういう景色を通して心境を表現するのは もちろん良く出来ているけれど 登場人物たちの心境ではないところの行動に曖昧さを感じる
0投稿日: 2018.11.13
powered by ブクログやむにやまれずおかれた状況で翻弄される女性。そこにそこはかとない艶っぽさのようなものが漂う。そういう二編だった。若尾文子主演で映画化されているのでそれも併せて見るといいと思う。小説は醸しだす独特の雰囲気があっていい。
0投稿日: 2017.12.18
powered by ブクログ【本の内容】 乞食女の捨て子として惨めな日々を送ってきた少年僧の、殺人に至る鬱積した孤独な怨念の凝集を見詰める、直木賞受賞作「雁の寺」。 美しい妻に母の面影を見出し、母親としての愛情を求める竹細工の愛情「越前竹人形」。 [ 目次 ] [ POP ] 直木賞受賞作「雁の寺」を含む中篇2編が収められた一冊。 タイトルからは想像がつきませんでしたが、「雁の寺」はミステリでした。 もちろん、誰が犯人か!?という事が主筋のものではありませんが、これは確かにミステリ! 小柄な慈念に一連の「作業」が可能なのかどうかは少し気になりましたが...。 もう一つの中篇「越前竹人形」の方が、実は気になった作品...。 男性にとっては都合が良い部分もあるのかもしれませんが、女性としては納得の行かない作品でした。 妻をどう思っていたか、死の淵で「あんな事を」告白されるなんて、酷過ぎると思いました...。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
0投稿日: 2014.10.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
美しい日本語を堪能できる一冊です。 目で奏でる音楽というのでしょうか。 オルゴールのピンとなる本書を櫛の歯で読み進める私。読み進めるほどに次の頁をめくるのが躊躇されて。一日寝かしてしまいます。 日本語を堪能できる逸品。
0投稿日: 2014.09.30
powered by ブクログ北陸と京都、著者の生きた土地に根ざした物語。「雁の寺」は、「金閣寺炎上」の修行僧を彷彿させる。醜い容姿、貧困、母性への思いが、ある事をきっかけに彼を破滅へと向かわせる。ミステリーの要素もある作品。「越前竹人形」でもコンプレックス、母性がキーワード。しかしこの作品の主人公は強い信念とたぐいまれな竹細工の才能を持ち、少年のように清らかな心で、亡き父の愛人を娶る。いびつな夫婦関係であることで、ある悲劇が起こるが、どこにも悪意がなく切ない。彼女が堕胎を決心したときに出会う船頭との場面は心を打つ。映像が浮かぶ。
0投稿日: 2014.07.14
powered by ブクログ表題作。推理小説として読めばたいしたことはない(もちろんこんなのを「書け」と言われても到底書くことなんてできないけれど)。 小説としてみれば奥が深い。 まだ何作かしか読んだことはないけれど、水上勉という人はかなりコンプレックスがあったのかな。見かけに。背が低いとか、頭がでかいとか。なぜかそんな主人公に行きあってしまう。
0投稿日: 2012.02.27
powered by ブクログ水上勉さんの有名な作品を読んでみよう、と図書館で借りてみました。明るい話ではなかったですがそれでも。話の筋がどうこうとか、好きとか嫌いとか言う単純な言葉で片付けられる話ではないな、と思いました。 登場人物たちはけして共感できる人たちではないのですがそれでもその人間くささゆえにひどく身近に感じる場面がふと、あります。人と人のかかわり方なんて昔も今もそれほど変わらないんだろうな。母を思う子の想いはなんと強いんだろう。そんなことを考えさせられました。切ないですが読んでよかったな、と思いました。
0投稿日: 2011.05.31
powered by ブクログ「雁の寺」のモデルとなっている京都の相国寺に行く機会があったので、どうせならば読んでおこうと思って読んだ小説。 異相の少年僧と、少年僧の師匠の愛妾の物語。といってもロマンスには遠く、少年僧の心中に鬱積していく殺意を、硬質な描写であらわした物語でしょうか。 雁の母が子に嘴から餌を与えている絵を、じっと見ていた少年僧。読み終えるとき、心中が氷るように寒かったのを覚えています。
0投稿日: 2008.09.17
powered by ブクログやはり名作と呼ばれる物は面白いのだなと改めて思わせてくれた本。 2編とも、物語自体には、激しい起伏は無いのに、どちらも妖艶であり、その景色が目に見えるように美しい。特に雁の寺、雁の襖絵が色鮮やかに、眼前に広がりました。
0投稿日: 2006.12.21
powered by ブクログ内容は平凡。けど水上勉作品全てに共通する官能美がここにも存在する。水上氏のあやつる京言葉は怪しく艶かしく美しい。京言葉で綴られる女達の妄念執念などが白眉。
0投稿日: 2004.11.15
