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乳と卵
乳と卵
川上未映子/文藝春秋
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総合評価

664件)
3.3
72
183
204
110
22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『女性として生きることの息苦しさの、その先へ…』 自分のせいで女性を失っていく母と、一方で大人の女性へと成長していく自分。その現実を受け入れることのできない緑子。【乳と卵】まさにタイトル通りの、芥川賞に相応しく、深い作品でした!

    1
    投稿日: 2022.08.27
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    去年の夏に『夏物語』を先に読んでしまったけど、こちらの作品が『夏物語』の元ネタ。 ほかのいくつかの川上未映子作品にも見られる、まるで人が話した言葉をそのまま書き記したような一文一文が長い文体。だけど読みにくさは全く感じず、むしろスルスルと頭に入ってくる。 なぜ初潮が来ると赤飯を食べるのか、私も子どもの頃から疑問に思っていたので、「生理=めでたいこと」と思い込ませようとしているのではないかという緑子の言葉には、なるほどと納得させられる。 化粧をしたり豊胸をしたりといった価値観の果たしてどこまでが自分自身の意思によるもので、どこからが男性主義を経由したものなのか、という女性2人の正解がない論争にも共感する部分がたくさんあった。

    4
    投稿日: 2022.08.26
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    思春期ならではの体の変化に対する恐怖や嫌悪感、疑問が蘇ってきた。 この経験を乗り越えて大人になっていくだよなぁ…とあの頃の自分を思い出したような気がした。

    1
    投稿日: 2022.08.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「乳と卵」"。"が極端に少ない、息をつかずにしゃべるような特徴的な文章に最初は苦戦したけど、それがかえって登場人物たちの息苦しさを表してるようだった。卵を割る。卵子。女。 「あなたたちの恋愛は瀕死」新宿を歩く女とティッシュ配りの男

    1
    投稿日: 2022.08.21
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    まず文体が独特で驚く。思考の流れを丸々文章に落とし込むように、連続的な文体。 体と心、ある種のコンプレックスの物語。 巻子は豊胸手術を受けることに取り憑かれている。銭湯に行けば、共に入るのは妹と言えどタオルでひたすらに隠す。言葉もあまり交わさず、湯につかり、行き交う女湯の女体に目がいく。子供を作って、歳を重ねて変化する身体。 娘の緑子は言葉を発することを拒否している。そして肉体の変化にも戸惑っている。成長するにつれて女性の体は子供、新たな生命を生み出すために最適化されている。その変異が気持ちが悪い。不安。意味がわからない。誰も生まれなければ誰もくるしまないのに。 身体と言葉と、彼女らの生々しさを孕んだ小説だった。

    1
    投稿日: 2022.08.20
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    文体が独特で慣れるまで少し時間がかかるけど慣れるとむしろ読みやすい。思春期の夜に布団の中とかでグルグル考えるようなことだなーと思った。心が身体についていかない、ついていけない人たちの話。

    1
    投稿日: 2022.08.13
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    他とは違う文体が面白くて読んでみた。 思春期の心と、シングルの母、とその姉。 生々しいような虚構じみたような不思議な感覚で、引き込まれてあっという間に読破してしまった。

    1
    投稿日: 2022.08.12
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    「心の中ダダ漏れ文体」とでもいいのだろうか・・・特に後半、恐らく読み手も鍛えられてからの流れがすごく良かった。しかし、これは男性の中には「それを言われたら何も言えない」と思う読者も多かろう。語り手のどこかに女性なら必ず、共感する部分がありそう。

    10
    投稿日: 2022.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

     初めての川上未映子作品です。 この独特の世界、わたしは好きです。 とにかく面白い。  いとまなく去来する思考をそのままに物語化したような個性溢れる文章。 それは、読みにくいようでいて、面白いリズム感があり、気づかぬ間に乗せられている。ときにそれをも崩す、段落や句読点などの妙に、更に引き込まれます。  主な登場人物は、姉・妹・姉の娘のみ。女三人。 豊胸手術を受けることに取り憑かれた姉の巻子の思いは、" 唯、喋りたい・聞いて欲しい・共感して欲しい " と、つらつらと当てもなく続く。 それは、" 女の浅知恵 "と言われる域を越えはしないが、可愛くて愛おしい。  女たちの馬鹿馬鹿しいほどの会話に、クスッと笑いながらも共感し、ラストの修羅場に涙する。 女性特有の可愛さと愚かさを、ちょっとユーモラスに描いて、テーマの重さも忘れ、温かな余韻のみが残る絶妙な物語です。 中毒性のある面白さです。

    4
    投稿日: 2022.07.09
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    豊胸手術をしたい姉とその娘の緑子ちゃん。 濃いい3日間。緊迫してる場面でも、なんかちょっと笑えちゃったり、緑子ちゃんの気持ちにくうーっとなったりあっという間に読み終えた。

    1
    投稿日: 2022.06.06
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    独特な語り口で、慣れるまではとても読みにくいのだが、慣れてしまうとどんどん引き込まれていく。思春期の娘と母との関係、それぞれが抱える身体の変化…よくわかる。これといった大事件はおこらない物語なのに、中盤からラストに向けて怒涛の如く感情が揺さぶられ、読み終わった時は呆然としてしまった。男性の読者はどのように感じるのだろう?

    2
    投稿日: 2022.05.28
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    いつだって母は大切で大好きな存在なのに、分かり合えない。全てを分かり合いたいのに、母は全てを語ってくれない。このもどかしさ、いじらしさが思春期の自分と重なって苦しかった。ページを捲る手が止まらなくて一気読みでした。

    6
    投稿日: 2022.05.27
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    ほんま面白かった。そこらの小説とか格が違う。 ぐでんぐでんに長い一文、緑と巻子のキャラクター性、度肝を抜かれるようなパワーワード。 素晴らしい作品。

    1
    投稿日: 2022.05.21
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    読んでいて胸が苦しくなる。 自分が女だからなのだろうか。 娘の気持ちには懐かしいけど 戻りたくない中学生時代の機微な感情が蘇り 母親には同情してしまいそういなるが 自分も一歩間違えればこうなってしまう予備軍と 怖くなってしまう。

    1
    投稿日: 2022.05.19
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    感想2点。 1点目は、文体が特徴的で、新鮮な読書体験ができた。日常で、無意識に頭の中に流れ続ける思考をそのまま文章にしてるような感覚がした。普通、考えたことを文章にする際、読み手にわかりやすいようルールに則って、簡潔になるよう心がける。しかしこの作品では、一文が相当長く、鉤括弧などもないためにセリフの初めと終わりが分かりづらい。一見読みづらいのに、頭の中に流れるように文章が入ってきて心地よかった。調べたところ、古文と現代文の融合のような感じらしい。 2点目は、女性特有のの生きづらさや、女性が特に感じるであろう老化への恐怖のようなものがリアルで引き込まれた。 私の母親は童顔で、背が低く、声が高いので若く見られることが多かった。でも、ここ数年50を超えて老けたことを相当気にしているように見える。 2年くらい前に、母親と喧嘩をした時のことを思い出した。何が原因だったか覚えていないが、カッとして最低なことを言った。「シワ増えてきたんじゃない?」その瞬間に母親が泣き出した。 当時は急に泣き出したことに驚いて、何が何だかわからなかったが、相当傷つけてしまったと後悔している。自分がまだ若いことと、もしかしたら男だからか、老化が怖いという感覚がない。とりあえず、2度と同じようなことがないように気をつけようと思った。

    6
    投稿日: 2022.05.19
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    読了。タイトルの小説は退屈であったが、最後にぐっときた。もう一つの小説は、読んだ後に続けて読んだら騙されたと思ったが、これが小説かと思った。

    1
    投稿日: 2022.05.12
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    乳と卵 好みが分かれる物語と文体。 名前が最後まではっきり出ない私の視点で話が進んでいく。話は豊胸手術をしたい私の姉と姉の子どもで、なぜか筆談で会話する姪と東京で過ごす3日間の話。 まず、文体に驚く。丸と改行が少なく、読みづらい。私は、女として生きることの意味や思ったことを言葉で伝える事のままならなさ?とかそんな事を考えたが、どうだろうか? とりあえず、私には好みだった。 あなたたちの恋愛は瀕死 もう、文体にも慣れた事もあり面白かった。こちらも好み。

    6
    投稿日: 2022.05.07
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    表題作、「乳と卵」。 大阪から上京してきた親子。 特に娘の体の成長と、それに伴う心を描いていて、 母親は、豊胸手術をすることに取り憑かれる。 親子の関係に、上京中に泊めてもらう母親の妹の家。 3人の交流が、娘にどう影響していくのか・・・。 女性特有の体や心の成長、親子間の問題点、 こういうところをどう感じるかってところでしょうか。 読むにあたり、男性と女性で感想が違うであろうし、 自分は男性なので、感覚が違うし、悩むことのない部分で 悩んでいるなってことで、つたない感想になりました。 大阪弁で読みにくいみたいなレビューを見ますが、 そこは、人によると思いますが、そんなに気にならないと思います。

    2
    投稿日: 2022.04.30
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    よくわからない。豊胸したい母と筆談する子の話。どうして生理が来るのか、なぜ子どもが生まれるのか、そんなことを考えてる緑子につられて自分も考えてしまった。受精しないのなら生理なんてなければいい。何を伝えるにも言葉はいつも足らない、緑子が言葉を発するところは感じる狂気

    1
    投稿日: 2022.04.25
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    夏物語を先に読んでいるからか、内容が想像以上に重複しており新鮮さがなかった。本来ならば逆の評価になるのかもしれないがその点マイナスにした経緯がある。 「あなたたちの恋愛は瀕死」はさっぱりだった、が唯一ハッとした点は、結局はどこに主体性があるかという点。これを肯定するため、色々なものを欲しがるんだなと。自分も所詮後付けに納得したい弱い動物だと言われた気がした。 短編なのに女性の匂いと粉(フェイスパウダー?)が終始舞っているかのような息苦しさ。これも川上の表現力であれば、あっぱれ!

    1
    投稿日: 2022.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うわ。思ってたのと違うきついかもと思って読んでたら慣れた。 なんだか早口の大阪人があんなあんな〜ってずっと私に話しかけてくる感じで戸惑った。 。までが長い。、ばっかり。慣れたけれども独特な文章で最後にはなんだか癖になって他も読んでみたいかもって思えた。 女性の体の生々しさというか受け入れられない感じというか懐かしかった。小学生後半の頃母から「体が丸くなってきて女らしくなってきた」って言われてめちゃくちゃ気持ち悪いなって不快だったことを思い出した。 そんなに自分の体に興味はなかったからまじまじと見ることはなかったけど人から変化を感じ取れるほど変わってるのかと思うとなんだか嫌だったな。そこから私の気持ちとは関係なく性的な目で見られて一方的に消費されていくのも絶望感で気持ち悪かった。 その時のことを思い出した。生理とかも生々しくて面倒で嫌だった。懐かしいよ。

    1
    投稿日: 2022.04.09
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    『乳と卵』歳を重ねるということ、自分に何があるのかということもを考えるのが怖くなった。 『あなたたちの恋愛は瀕死』知らないこと、分からないこと、そういうのを静かに飲み込んでいくリアルな感覚とかがかゆかった。

    1
    投稿日: 2022.04.05
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    何だかぐるぐると頭と心が落ち着かない 私はやっぱり自分の体に対して嫌悪感を持っているのと、同性愛者だからなのか元々の性格なのか性行為に対しても嫌悪感がある。それでも、触れたいと思う人はいる。あと、卵子とそれを使わずに流す毎月来る日に関してもきっと嫌悪感がある。 その全てを独りごちた感じで語られていくと、逃れられなくて何とも言えない良い感触とは言えない気持ちになった。 でも、この気持ちもこの本を読まないと感じられなかった自分の大切な一部だから、温度と粘度と感触と忘れないようにしよう。自分も含めて人の心は複雑だ。 面白かった表現は、銭湯では顔の印象が薄くなって体自体が意志を持ってるように見えるとあって、すごく納得した。生々しいと言うか変な感じが良く伝わって来た。読んで良かった。

    4
    投稿日: 2022.04.02
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    自分には内容の良し悪しが判断できるほどの知識を持ち合わせていないが、その文体が鮮烈な印象に残った。純文学とはこういうものなのかな。エンタメ性より芸術性に重きを置いている感じかな。

    3
    投稿日: 2022.03.29
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    なんだろう、この損したような読後感。 わざと口語風にくだけた息継ぎのないような文体が、斬新で面白いのに。 血の繋がった母と娘の、許したり許せなかったりする関係性が、普遍的に思えたりもするのに。 女として生まれて勝手に湧き上がる疑問や欲求の取り上げ方が、正直でどぎついけど共感できるのに。 コレら全てが適度に抑えられていたなら、こんなに読みにくくはなかったかもしれない。 受賞作でもあるし、高評価も目にするから、自分の感性がズレているのだろう。 合わないだけ。他の作品はどうかな。

    4
    投稿日: 2022.03.25
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    僕は女性では無いから そっち側から見ることがないから わからなかったあれこれが、 女性から見ると”向こう側”の僕なりに そっち側の景色を見れたかもしれない。 地球の裏とか、大袈裟な話しやなく。タバコを吸う人がタバコを吸わない世界を知るみたいな、越境感を味わえる読み物として読んだ。 卵を潰すあたりはやや、やり過ぎか。

    3
    投稿日: 2022.03.24
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    句点を極端に削ぎ落とし、多くの文章を無理矢理詰め込んだ、だけども妙にリズミカルで、よう分からん勢いのある大阪弁で一気読みしてしまった怒涛の二泊三日の物語。 そんなハイテンションの文章の中、緩急ではないのだが、緑子のノートの文章が良いアクセントと種明かしのヒントとなって、読書スピードがさらに加速されます。 そもそも何をしに東京に来たのか、何のために父親に会いにいったのか会えたのか、ほんまのことは何もわからないまま、でも確実に何かを得て母子は大阪に帰って行く。 最高に濃密な三日間でした。

    7
    投稿日: 2022.03.06
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    京橋のスナックのホステスが東京まで豊胸手術をしに行く話。思春期の悩みを抱える娘の心情とともに。 文学的な価値とかは判断できないけれども、ほんま好きやなあと思える作品。これが芥川賞を受賞するという事実に興奮を感じる。文学の世界って可能性があるなあ。 途中の言い合うシーン。Dr.ハインリッヒの漫才みたいやったな。心地よかった。胸にしみた。 日常は無数の言葉に溢れている。発した発言が、意味のあるものなのか間を埋めるだけの言葉なのか判断は難しい。いや、両方備えている場合もある。ただ区別関係なく、どちらも生々しい。 話題に出てくる月経に似ている。意味があるのかないのか。そんなことを考える間もないぐらいに生々しい。 人は生きている。その確認ができる作品。高尚なものではない京橋の立ち呑み屋のような満足感。でもたぶんそれでいいのだ。それぐらいでいいのだ。 100年後、200年後とかに、ふと図書館でこの本を手に取った人が同じ感覚を持つならおもしろいな。 ニヤニヤしながらイライラしながら自己満足しながら自己嫌悪しながら希望を見出しながら不安を抱きながら寄り添いあって人は生きているのだ。 って「作者はDr.ハインリッヒです」と言われてもほんま納得するよなあ。 読後に星は4にしようと思ったのだが、感想を書きながら5に改めた。それも生々しい事実なのだ。

    6
    投稿日: 2022.03.04
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    タイトルから察することができるといえばできるが、登場人物が全員女性のとある三日間が切り取られた話。 まず、特筆すべきは小説とは思えない速度感を持った文体だと思う。極限まで句点を削り取られた表現は、話しかけている延長線上のような、語り部のような不思議な展開の仕方をしている。 残念なのは、内容に関してはたぶんどこまで行っても僕には理解できないだろうというところ。女性ならではの悩みや価値観を中心に据えて物事が進むためわかった気にはなれてもたぶんわかっていない。難しくて少し面白い物語だった。

    4
    投稿日: 2022.03.01
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    思春期の子どもと親との思いのすれ違い。血が繋がっていても本音でぶつからないと理解し合えないよね…と改めて感じた。

    4
    投稿日: 2022.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    成長とともに訪れる女性としての身体的な変化に戸惑う緑子。母親である巻子の、女性性が露骨に垣間見える度に、得体の知れぬ恐怖や羞恥、嫌悪感に苛まされていたのだと思います。生卵のように自身の殻を破り、言葉にできぬ感情の吐露をする緑子と、必死に向き合いその感情を掬い上げようとする巻子のシーンが印象的でした。 言語化できなければその概念は無いものと同じ、なんて意見を聞いたことがありますが、言葉を介さず共鳴し、互いに触れ合うことでしか、わからないものもあるのだろうと思いました(話からは脱線しているかもしれませんが)。

    4
    投稿日: 2022.02.23
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    薄い本だからすぐ読めるだろうと侮っていた。 ごちゃごちゃごちゃごちゃ、考えがぐるぐる。 すっと入ってこない文章。人の人生の一部分を見たような内容。完結しない終わらへんって感じでした。

    1
    投稿日: 2022.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さすが芥川賞を受賞した作品だけあって日本語の美しさがこれでもかと詰め込まれていた。 緑子は生まれてきたことに対して疑問を持ち、どうして母が自分を産んだのか、子供を産むということが「普通」になっていることへの恐怖などを抱えてる。 そんな巻子と緑子が卵を頭にぶつける場面では生まれてくることなく卵のまま人生を終える鳥達に対する当てつけなのかな? とにかく素敵な作品だった。 P64 お母さんが生まれてきたのはお母さんの責任じゃないってこと。 P77 重さだるさに意識がねっとりとしずんでゆくなか、生きてゆく更新が音もなく繰り返される。 P89 世界中の誰一人として地震について考えてない時に地震は起きる P101 ほんまのことなんて、ないこともあるねんで

    2
    投稿日: 2022.02.12
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    「乳と卵」 「夏物語」の方を先に読んでしまった。「夏物語」の前半は「乳と卵」のリメイクなのでほぼ同じ話ではあるのだが、文体のせいかだいぶ印象が違う。「夏物語」の方は描写が繊細で少し寂しく、時間がゆっくり進行していく。夏子の頭の中で議論していたフェミニズム論は後半の遊佐リカに引き渡され、きれいに再構成されている。 「乳と卵」の方は軽妙な語り口でテンポよく進み、朝ドラ的な画面が目に浮かぶ。文体からジョイスのユリシーズを思い出した。 「語り」を文章でどう表現するかについて「夏物語」の遊佐リカが夏子に話すくだりがあったのはセルフパロディだろうか。 生理(緑子の「『迎える』いうて勝手に来ただけやん」は何回読んでもクスっとなる)と出産というイベントがあり、自身の身体が「生まれた時から」他の命と共有される存在である女性と、あくまでも個(「子」とも言えるかも)である男性では、身体に対する捉え方が絶望的に違うのだろう。男は女性の(ましてや男の)爪や髪や化粧などは意識しない限り見ていない。そのかわり何を言ったか、何をしたかは「論理」でとらえて分析(というかマウンティング)するのが男性である。 「あなたたちの恋愛は瀕死」 20ページほどの短編。タイトルもインパクトがあったが内容もキレキレで一瞬こちらが芥川賞受賞だったのかと思った。 ――この夜にあるはずのどんなささやかな光も届かない―― いくつかフレーズを思い出した。 ――下人の行方は誰も知らない―― ――その行方は誰にももう、わからない――

    1
    投稿日: 2022.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いま思えば、なぜわたしは股から血が流れ出る事を受け入れているのか。 なぜ、子どもを産める証だという言葉をすんなり受け入れられたのか。 それは、紛れもなく“女”として産まれてきたからだ。 受け入れる入れないなど阿呆らしい話かもしれない。 けれどそれを意図も簡単に自分の中で消化するなど難しく抵抗があってもおかしくない。 巻子が執着する胸、そして緑子が厭で仕方ない卵子の存在。 どちらも“女”にとって切り捨てられない酷く現実味のあるお話だった。

    2
    投稿日: 2022.02.07
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    文章が関西弁で一つの文も長いので、すごく読みにくかった。言いたいこともいまいちわからない…夏物語も読んでみたら、なにかわかるのかな…

    1
    投稿日: 2022.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p64 でもそのあと、あたしは気がついたことがあって、お母さんが生まれてきたんはお母さんの責任じゃないってことで p91 じゃ、言葉のなかには、言葉でせつめいできひんもんは、ないの 川上未映子さんの作品を初めて読みました。 淀みない口語調と句点乱用、改行の少ない文体は好き嫌いが分かれるかもしれませんが、軽快な関西弁も読んでいて心地よかったです。普段の文体を知らないため、こんなものかと受け取りやすかったのもあります。 どこか壊れた姉と姪の親娘がやってくるひと夏の出来事。うまく噛み合わない会話や筆談によるコミュニケーション。うまく接続できないけれど、彼女たちは間違いなく同じ血で繋がっている。賞味期限切れの卵が無惨にも破壊されていく排卵のメタ。明確な章分けはされていないものの、要所で姪の日記?の断片が差し込まれて、良いアクセントに。視点は子どもと不完全な大人を行ったり来たり。主人公の生活感のなさのようなものが逆に良く働いていたようにも感じました。

    2
    投稿日: 2022.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めて読むタイプの文章。 関西弁の口語と不均一な句読点が読みにくい。はじめは読むのを諦めようかと思ったが、この読みにくさが癖になった。 「おんな」として生きること、「おんな」の身体を持って生きることを考えさせられる。 巻子と緑子の女の身体に対する考えの対比が面白い。 緑子の日記で、妙に冷静で俯瞰的に物事をみているかんじ。一方で、花火にわくわくしたり母親を真剣に心配したり本当は母親をすごく大切に思っていたりする子供らしさ。すごく好きだった。 緑子は反抗する子どもとして描かれるが、「あんたを生んだせいで胸が小さくなった。」と言われて豊胸手術に躍起になる母親に対して、怒りや焦燥をここまで抑えていて母親への思慕はうんと大きいんだとわかる。そうせざるを得なかったのだろう。苦しかったろう。 ラストの卵をぶつけ合う場面。 卵(おそらく無精卵)を無駄にする行為=生理と重なる。作中、緑子の言葉で、生理の排卵が無精卵であることはしばしば語られていたし。 女は苦しみながら痛みを伴いながらも、その周期を終えれば晴れやかにまた明日も生きていく。そんな描写に思えた。 たいへん満足。 男性の感想が気になる。

    3
    投稿日: 2022.01.28
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    うお〜、世界観やばいな。読み終わった後は、うーんええ?みたいになるけど、時間が経って自分なりに解釈したり解説読んだりすると、なんとなく、おもしろかったというかすごく興味深いですねという気持ちになってきた。思春期の圧倒的不安定な緑子(ミドリコって読むんすか?)と、豊胸手術のことしか考えられない不完全大人の巻子、その母娘を客観的?に見る主人公。タイトル通り「乳と卵」を通して、不安定な母娘がぶつかり合うお話だった。読みにくいし緑子の思想にも全く共感出ないままだったけど、クライマックスはちょっと震えた。卵でぐっちゃぐちゃになりながら、緑子も巻子も自分の気持ちを吐露する。絵面どおり、すべてがぐちゃぐちゃだった。「本当のことをいってほしい」と執拗にこだわる緑子に「本当のこと、がないこともあるんだ」という巻子の、逆に正直さというか、大人さというか、ああなるほどなと思った。緑子は結局お母さんのことが大好きで、自分が必要のない命だったと思ってて、ひとりでそれを支えられないところまできていた。グラグラでぐちゃぐちゃで、生理がきそうで自分の体が変わっていっていて。緑子の日記というかメモ書きは、全部生理の描写がリアルで、悲観的で悲しかった。勝手に生理がになったり、変わっていく体に心が追いついてない感じ。 芥川賞受賞作らしく、やはり全く誰にも共感できないけど、体に違う誰かがいて動かしていて、っていう考えは面白いなと思った。 ひとぶん長すぎて読みにくくてわらった、逆にそれにより文章に深みというか複雑さが出ていますが、生徒の文だったら怒っています

    1
    投稿日: 2022.01.24
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    緑子の、身体の中に自分が入って動かし方がわからないのに勝手に動いてる、みたいな日記がたしかになぁと。あと醤油に使った中華饅頭、とても重たい比喩だったな。

    2
    投稿日: 2022.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    話したくないから筆談で会話するという娘を、「そういう時期なのかね」で一旦受け入れる柔軟さなのか諦めの早さなのか分からんものに驚くし、自分が親になったらそんな風にできないんだろうなと思う。結局正しい言葉の代わりに卵を使って、体当たりのコミュニケーションを取る姿には、思春期ゆえの潔癖さが感じられ、だからこそ身体と一緒にぐちゃぐちゃになった卵の情景が潔癖な精神との対比、混乱の象徴として強く印象に残った。。気がする。

    2
    投稿日: 2022.01.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    感想としてはこれは川上未映子にしか書けない、芥川賞受賞らしい作品だなあと思った。 作家を目指す主人公、不器用に生きるシングルマザーの姉 巻子、思春期を迎えたその娘 緑子を通して女として生きる心の機微が描かれてる。 巻子の「ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで」という言葉、緑子が母を思いながらも「みんなが生まれてこなければ問題はないように思える、嬉しいも悲しいも何もかもがもとからないのだもの」という思春期らしい考え等が印象に残る。 小説全体を通して感情の生々しさが表現されており、終盤卵を頭にぶつけぐちゃぐちゃになるシーンで生々しさに盛り上りをみせるところなど、構成がうまいというかすごいなあと思った。 読みやすいかと言えば、読みにくい。

    3
    投稿日: 2022.01.18
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    強烈な大阪弁で新春期の女の子とその母親の感情を見事に爆破、表現していると思った。私は男性なので、本に書いてあるような生理のことや、豊胸の事などはよくわからないが、思い悩む女性の心情は少しわかった気がした。それはしてもこんなにも強烈な大阪弁で感情を現した本は初めて読んだかも。

    5
    投稿日: 2022.01.12
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    夏物語の後に読んだので話の流れはわかったが、関西弁の女性の話し言葉をそのまま文章にしたような文体が読みにくかった。女性特有の感性なのかもしれないが、文学すぎて、読後の満足感はイマイチ。

    2
    投稿日: 2022.01.10
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    卵のシーン、電車に乗っていたのに人目も憚らず泣いてしまった。なんという響き方をするのか。女流作家の女性しか出てこない話を読む男から流れる涙の意味がわからず、この本を作家を好きだった人のことを思い出してあの時、君はこれを読んでいたのかと抱き締めたいような気持ちになり胸が苦しくなった。

    5
    投稿日: 2022.01.06
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    言いたい事はあるが話したくはない、自分が悲しいから酒で忘れて人に迷惑をかける、目の前で大事が起きているが別のことが気になりだす。 この複雑さ、難解さが人間たるもの。人間味の強い作品。 あなたたちの恋愛は瀕死はパンチラインの乱打。

    1
    投稿日: 2022.01.04
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    母と娘の素直になれない感情のせめぎあいが丁寧に描かれていた。全てを言いたい曝け出したいという感情とそうすることができない現実との狭間で葛藤する。

    1
    投稿日: 2022.01.01
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    夏物語を今年読めてよかったのだけど、それで思い出して再読。夏物語の第一部は乳と卵の原型となっている。乳と卵の文章を再構築したものが夏物語の第一部となっていて、全く同じ文章もあればニュアンスや描写が異なっている箇所もあるし、乳と卵にしかない表現も、夏物語にしかない表現もある。読み比べが面白いし、作家性もひっくるめて好きな個人としては、その差分が川上未映子の変化の差分なのかなあと推測するのが楽しい。

    2
    投稿日: 2021.12.28
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    初めてこんなに女性目線での内側の心境に迫った小説を読んで、 さいきん"女性であること、女性としての体を持っていること"の社会的な大変さや諸々を考えたりしてたけど、それでも後ろから殴られたような、どこまでいっても理解することはできないんじゃないかみたいな不安や罪悪感のドロっとした気持ちになった いろんな手段でもっていろんな人に共感したい

    8
    投稿日: 2021.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生まれること、産むこと、成長すること、老いること。 恥ずかしいし、不安。みんなが迎えることなのに。 母と娘。お互いに思い合って、気を遣い合い、言えないこともある。何歳になっても。

    3
    投稿日: 2021.10.29
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    大阪でホステスをする姉とその娘が、三日間だけ東京に住む妹のもとへ上京する。 姉は豊胸手術することに取り憑かれている。娘は喋ることを拒み、筆談で会話を行う。 子を産み、変わる自身の体。美を求めるそれとは違う、それ。 100ページに満たない一冊だが、読了後の疲労感は否めない。 読みづらい。内容は良しとして。いや、良くないか。個人的には合わなかったというべきか。 一文も恐ろしく長い。こんなにも句点で繋ぐ文章は中々お目にかからない。 芥川賞受賞作のようです。

    4
    投稿日: 2021.10.28
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    読書開始日:2021年10月7日 読書終了日:2021年10月9日 所感 【乳と卵】 自分には合わないリズムと文体だった。 読むのにだいぶと時間がかかり、文字を追うだけになって慌ててページを戻すことを何度もした。 緑子が筆談になったのは、母への嫌悪と愛、自分が生まれたことへの罪悪感と読み取る。 緑子は、母がどんどん自分のせいで衰弱し、豊胸という奇行に走ることに嫌悪と心配を覚えていたが、一方の母である巻子は、豊胸はただの思いつきへの熱狂であった。 緑子の勘繰りと、巻子の緑子と向き合えない性分により、緑子はどんどん世界を否定していってしまう。 緑子は生物の誕生連鎖までを否定する段階にやっていた。巻子もその連鎖の被害者の一人であり、緑子はみずからその連鎖を断ち切るつもりでいた。 ラストシーンは卵まみれ、いわば卵子、無精卵、生物以前の生物同士として緑子と巻子がコミュニケーションとれたのがよかった。 【あなたたちの恋愛は瀕死】 乳と卵よりは読めた。 百貨店化粧コーナーの嘘のような無垢の世界と、女の凝り固まった匂う思考が対照となって刺さる。 この女は思考を反復させるうちに、変になった。反復のうちのふとした衝動による行動は、力みを呼び、相手になにかしらの感情の起伏を起こさせる。 女は運悪く、棚軸から固まった思考を持つ男声をかけてしまった。 乳と卵 おかあさんが生まれてきたのは、お母さんの責任じゃない 漫画の吹き出しのような意味合いが暗闇にふわりと浮かんでくるのでそれを見た 黙りがうるさいというか突き刺さるというか 言葉が足りん 不安と訴えを笑いで誤魔化す ほんまのことなんてな、なにもないこともあるねんで 吐くような姿勢で一直線の太い声を絞り出してうめいて泣き続け 最後の一文最高の皮肉 あなたたちの恋愛は瀕死 製氷機の出口のように人がざくざくとあふれてくる 何もつけてない体の表面に何かひとつのしるしのようなものがあるのは素敵だし、そういうのはベッドのなかとか薄闇のなかとか体温の延長上なんかで目にとても注意をさせる 鋭く短い息。まるで目に見えるような息 まるで役に立たない字面の残りかすにまで人生を笑われているようだった 関係性において努力するってことを知らない コンクリートとぴったり合わさっているがためにこの夜にあるはずのどんなささやかな光も届かなかった。

    1
    投稿日: 2021.10.09
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    さすが芥川賞受賞作。むっずかしい。再読案件ですねこれは。こてこての大阪弁だったり、一文がやたらと長かったりで読みにくかったけど、そこを味わえたら強いんだろうね。

    3
    投稿日: 2021.10.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    続け様に口を吐いて出るような文章が、最初は面食らったけど、 言葉を出そうとして何かを出そうとして、なかなか出ない、三人の登場人物の不器用な感じに合っていて、良かった 「あなたたちの恋愛は瀕死」に関しては、全然分からなかった…… 何に面白みをもとめればよいのか

    0
    投稿日: 2021.10.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    望んで生まれてきた訳では無い自分、 厭、イヤイヤ、生まれて来なければ何も無いのに この自分の身体に卵子があるということが 気持ち悪い、気持ち悪い、緑子 母親のことを心配しているのに、上手く伝えられず、爆発してしまう、 あなた達の恋愛は瀕死では 馬鹿馬鹿しいという怒りを感じながらティッシュ配りを 行う男、声をかけてきた趣味も何も無いそんな女を殴る描写 人はどこかで爆発してしまう 生きるって神秘的で綺麗なのかは知らんけど少なくとも汚くて生々しいでも頑張って生きていくんだと 自分の性とも向き合っていく必要があるのだと感じた

    1
    投稿日: 2021.10.02
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    芥川賞受賞とあったので読んでみました。単純にストーリーだけをみても中途半端な終わり方をするし、何を伝えたいのかわからない。強いて言うならば大阪の人の日常会話はちょっとおもろいくらい。 このような純文学が教科書とかに載って解説されるんだろうなと言った感じで全く何も共感できませんでした。センターの国語で、出題されたら20点もの。 とはいえ、ここは分かる人には分かるんだろうなと思う部分も多くあったので、もっと教養をつけた上でもう一度読みたい作品です。

    1
    投稿日: 2021.10.01
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    頭で卵をかち割る場面の加速感が読んでいて気持ち良かった。フェミニズムについて考える機会になる小説。性の対象としての女性像、性から解放された女性像。登場人物の違いから生まれる多角的な視点が面白い。

    0
    投稿日: 2021.09.26
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    「夏物語」が面白かったので読みました。 読むまで知らなかったけれど、「夏物語」の第一部は「乳と卵」をベースにしたものだったんですね。 話の大筋は変わらないけど、こちらは文体などが読みにくかったな、、、 読む順番が逆だったらまた違った印象だったと思う。

    1
    投稿日: 2021.09.20
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     いつか読もう読もうと思いながら読んでいなかった、川上未映子芥川賞受賞作。パート勤めの夏子のもとに、姉でありスナックでホステスとして働くシングルマザーである巻子(40)と、その子どもである緑子が大阪からやってくる。上京理由は、巻子の豊胸手術。でも、緑子は母の手術に反対していて……そんな話。  女性じゃないと分からないみたいな評価をどこかで聞いたので敬遠していたが、それを言い出したら小説というジャンルは崩壊すると思うし、そうしたお互い分からないままで男女平等がどうとか言い出したら男と女の陣取りゲームになる未来しか見えない。そしたら小説に描かれるような悲しみは人類が滅ぶまで延々と続くことになるし、そんな小説は芥川賞に選ばれない(?)。だから男が読んで分からないのであればそれは読み手か書き手の実力不足であると思う、ということで読んだけど、まあよく分からなかったかもしれない。特に、第二次性徴については女性と違って男性は大きな衝撃がなく(私はなかった)、大人になることは身体よりも社会的側面から実感することが多かったので、初潮をはじめとする体への違和感というのはなかなか難しい。ただ、男は黙ってるしかない、みたいなのは感想として何の意味も無いので、思ったことを書いておく。  印象的だったのは、緑子(こども)が巻子(母親)に抱く愛情と憎しみと憐れみのごちゃまぜの感情。卵投げまくるシーンは、描写こそシュールだけど胸が張り裂ける。手に職がなく週6で水商売して売上のために酒飲みまくって体も骨ばってガリガリで女らしい豊胸手術を真剣に考える40歳にどのような印象を抱くかは人それぞれだし余計なお世話だろうが、まあ私はかわいそうだと思う。それが悲劇のヒロインであれ、自業自得であれ。少なくとも緑子はかわいそうだと思っている(p.102)。 しかも、自分が生まれたから母が苦しんでいるとも考えている。で、母親が置かれた境遇に憤りを覚え、その矛先が母親に向かう。どうしようもない。諸悪の根源は母が置かれている環境に、捉え方によっては女性という性が抱える社会からの圧力ということになるのだろう。  豊胸については作中で夏子の追憶を介して激論が繰り広げられている。曰く、「胸が大きくなればいいなあっていうあなたの素朴な価値観がそもそも世界にはびこるそれはもうわたしたちが物を考えるための前提であるといってもいいくらいの男性的精神を経由した産物でしかないのよ」派(p.41)VS男は関係なく胸が大きければ良いなぁと思う派。  生き物なんだから自分の考えを性とキレイに切り離すこと自体不可能なんだし、どこからどこまでが男性的精神を経由しているかなんて判断のしようがない。男性に置き換えてみても、最近は(今が夏なこともあるけど)電車の広告で脱毛の圧力がすごいし、体毛濃いと女性にモテませんよ!という企業の煽りもすごい。男女平等というか男女共倒れだ。企業の煽りが真実であれば、これで脱毛したら女性的精神の産物といえばそれまでかもしれない(というか資本主義的精神の産物かもしれない)が、選ぶのは自分自身というか。私自身、女性受けがどうとか気にせず自由気ままに生きてきたせいか今現在婚活で大苦戦をしているわけで、究極的には自己の責任において女(男)性的精神なんて考えずに自分の好きなように生きればよい。  ただ、それにしても社会は男性的精神の支配が強いのだろう。男以上に周囲の目を気にしなければならない女性の生き苦しさ、というところだろうか。私も、百貨店の1階から漂ってくる虚飾の香りに気分が悪くなる(同書所収『あなたたちの恋愛は瀕死』にある百貨店の描写より)一方で、職場に化粧をしていない女性がいたら正気か!?と思ってしまう(いたからどうということもないし、そもそも見たことないけど)。  夏子が、経血で汚れたパンツを洗いながら独白するシーン。「半分が眠りで白い頭のどこかで、あと何回、ここに整理がくるのかを考え、それから、今月も受精は叶いませんでした、という言葉というかせりふというか漫画のふきだしのような意味合いが暗闇にふわりと浮かんでくるのでそれを見た」(p.77)寝ぼけまなこにも関わらず、生理が終わり、出産をしないまま終わってゆく自分に対して自虐めいたことを考えている。  緑子も、「大人になっても子どもなんか生まへん」(p.64)と言っているが、母の不幸を見ての発言であり、根本に本来女性は子どもを生むものなのだ、という「常識」があるのだろう。それとも、動物としての本能なのだろうか。  私は、人間はそれ以前に生物であり子孫は残すのが自然だと(もっといえばそうあるべきだと)考えているけれど、その生物としての当たり前のせいで傷付く人がいることは、ものすごくつらい。私も、子孫を残さずに終わる可能性が割とあり、なんとなく罪悪感みたいな、自分が劣っているような感覚に苛まれる。そうした気持ちを抱えて生きていけばいいとも思うけど、昔は子を産めない=不要とまで扱われており、その価値観がその人の中に僅かでも残っているとするならば、ちょっとしんどさが違うのだろう。  女性の存在意義が出産のみにあるはずはないし、男女は平等だし、産まない自由はあるし、胸が大きい必要などないし、というか女性の権利を訴える声は約100年前から日本でも上がっている。それでも、社会的意味での平等はちょっとずつしか進んでいないし、生物学的な意味での男性・女性という枠組みは絶対になくならない(科学技術の進歩で云々は知らないが)。男が女ウケを気にするのも女が男ウケを気にするのも、生物である以上背負っている業だ。男性的精神に弄ばれる女性がおり、女性的精神に弄ばれる男性がいる。そうした枠から過度にはみ出せば、社会における異物と化す。社会を成り立たせる上で、独身に価値を持たせるほど社会は裕福じゃない。社会から離脱すれば自由になれるよと言われても、現実的ではない。「みんなちがって、みんないい」を純粋に希求できる聖人なんて見たことない。そんな社会でどうしたら幸せになれるのかな、と思いながら、次は『夏物語』を読みます。

    2
    投稿日: 2021.08.29
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    軽々しく良いと言っていいのかわからないけれど、良い小説で、朝の電車で私は読後感たっぷりで、なんなら少し涙がある。 ネタバレにならないよう、この本を読んで考えたことをしたためる。 私は男性で男性をできるだけ脱色させたい男性でそれは男性の苦しみであると思う。男のコからお兄さん、おじさんになり、おじいさんになる。世の中の悪いことのほとんどはおじさんがしていることに気がついたあの夏から、私は老けることより、雑になっていくおじさんに自分自身がなるのが怖いのだと思う。 いまはおじさんだけれども、思っていたよりは何か別の軸があってよかったけれど私は早くおじいさんになりたい。 家に帰る途中、古びた団地の1階、その窓辺で毎晩老人が暖色のスタンドライトで何やら本を読んでいる。メガネに薄い頭髪で、蔦のからまる縦格子の向こう側に、まるでインテリアのように静かに読んでいる。 私にとって知性とはそのようである。あの老人から男性の向こう側の知性をみた。 良い小説を読むことの大切さは言葉が溢れてくることだ。知識とはまた別の、意見ともまた別の。ビジネスが社会にならないように、いくらかの路地を自分の中に持っていたい。

    0
    投稿日: 2021.08.26
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    一文が非常に長く、読み慣れるまで時間がかかる。 しかし文章のリズムに慣れてくると一気に川上ワールドに引き込まれてしまう。 夏物語を先に読んでしまったので、重複する場面もあったが、小学生の緑子の考えに共感するところもあり楽しく読むことができた。

    3
    投稿日: 2021.08.23
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    女性の女性性について女性がここまで本質的かつ感覚的に語る文章に出会ったのは初めてかも。もしかしたら世の中にはそういう文書はもっとたくさんあるのかもしれないけど、少なくとも自分は驚いたし、新鮮だった。 インパクトという意味では実はもう一つの短編(?)の方が強烈だった。なんちゅう話書くねん…

    1
    投稿日: 2021.08.23
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    女として生きたくもないのに生まれたいって願ったわけじゃないのに生まれてほんとは全てのことに理由が欲しいのに、なんでどうしてってなって、豊胸、メイク、それは人それぞれの理由があってしてるんだろうけどなんかその裏にはことばにできないドロドロしたようなものがあるような気がして。 自分自身を愛す?認める?そんなこと自分に言い聞かせても言い聞かせても無理な気がするんだよな その自分の感情が誰かを無意識のうちに傷つけたりしてるんだろうな そんな感覚を思い出させてくれる本でした 

    1
    投稿日: 2021.08.18
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    まとまらない思考、ままならない感情。 誰しも抱えるそういったもの、じりじりするような思いが伝わってくる。 のたうち回って生きている感じ。 生々しい生。

    1
    投稿日: 2021.08.03
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    純文学を読みたくなり、手に取りました。 主人公の女性とその姉、そしてその姉の娘の話。 姉とその娘が夏の数日間女性の家で過ごす日々。姉はシングルマザーで豊胸手術に夢中。娘はそんな母に反抗してか、一言も話さない。三人の奇妙な関係とその胸の内とともに物語は進む。 独特な語り口で綴られている文章は、物語と相まってどんどん話に私を引き込んでいった。不思議な読後感と強烈な印象が残っている。

    2
    投稿日: 2021.08.01
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    休憩時間にちまちま読み進めるつもりが、一晩で一気読みしてしまった…衝撃… 寮の近くの大好きな本屋に英訳版が並んでて、しかもイチオシされていたので気になってすぐ日本語原文を買った。 口語体、というか、頭の中に流れてきた言葉をそのまま打ち込んだような無造作な感じで書かれてるのに、なぜか抵抗感が無く、スラスラ読み進められる文章の精巧さがあった。 「乳と卵」「あなたたちの恋愛は瀕死」2作共に、ナマの女性の違和感・息苦しさが描かれていて、(作品内にもあったけど)自分が今まで小説の中に自然と見出してた、過剰な美化表現による違和感をようやく自覚した。めちゃ面白かった…

    1
    投稿日: 2021.07.23
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    ザ・芥川賞という作品で、力強い生を感じる作品である。句点が少なく息を止めながら読み進めていく感じ、最後の畳み掛ける母娘のやりとりは一読に値する。

    1
    投稿日: 2021.07.20
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    執筆したというか 『ボイスレコーダーに流し込んだ喋り言葉をそのまま字に起こしてみました』みたいな文章。 だから、一文が長い。 けど、その関西弁で書かれた長文が、不思議と読みやすい。 自分の呼吸と一緒にスッと入ってきてスーッと馴染む。 いや~ホンマ関西人に生まれて良かったわ 『冷っと女子』と『胸派女子』の言い合いなんか、もう、読んでて最高✨笑 登場人物は3人だけ 夏ちゃんの職業は何やねん?? 緑子にとって、『女性のカラダ』に成っていくというのは、 『めさんこイヤ』な事の連続。 緑子の憂鬱。『生まれてきたら最後、生きてご飯を食べ続けて、お金を稼いで生きていかなあかんことだけでもしんどいことです』って。 でもね、そのしんどい中にもね、楽しいこと嬉しいこと幸せなことが混じってるんよ♪ だから、とりあえず生きようや✋って励ましたくなるね。 まけるな緑子! 流し台での卵のシーンは、凄い。頭ん中に、鮮明に一部始終が映像になって浮かんだ。 張り詰めながら読んでたけど、 「もう卵はないの」っちゅう台詞には笑ってもうた♪ どんなかたちになってても掛け替えのない家族なんやからね。母子なんやからね。 にげるな巻子✋ 2012年05月02日 

    1
    投稿日: 2021.07.18
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    この作品は、思春期の女の子特有の悩みや、葛藤が至る所に散りばめられていて、川上未映子さんの文体はとても美しくて読みやすいと感じました。特に女性に読んでもらいたい作品の一つですね。

    10
    投稿日: 2021.07.13
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    東京のアパートに1人で住んでいる妹の元に大阪から姉と姪が上京してきて過ごした真夏の3日間の出来事。姉は豊胸手術を希望しておりその執着がどこからくるのか謎であり、姪は母親と口を聞かず筆談でしか言葉を交わさない上に、女としての性的なものにとまどいやら疑問やらを抱いている。彼女の言葉で語られる生理に対する嫌悪感がやけにリアル。「あたしは勝手にお腹がへったり、勝手に生理になったりするようなこんな体があって、その中に閉じ込められてるって感じる」この感覚わかる。こんなふうに言語化できるのってすごい。これまでなにげなくモヤモヤと感じてきたことを、この姉妹、親子の中に断片的に見出すことが出来るような不思議な既視感があった。4年前に一度読んだものを再読。

    1
    投稿日: 2021.07.13
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    分かるようで分からないけど、感覚的に分かるという言葉が合っている。 価値観の話は、まさに最近自分が考えていたことだったから一番印象的だった。自分の見た目を良くしたいという願望は、社会と断絶した、独立した願望には決してならないと思う。人は社会の中で生きている人間だから。自分のためでも、他人に良く見られたいためでも何でもいいけど、最近みかける美容公告で「自分のため」という売り文句に違和感を覚えていたのは、それが結局は他人に良く見られたい人たちの免罪符とでも言っているのかのように見えるからなのではないかと思う。 わたし自身、最低限だけど化粧はするし、でも美容整形したいとは思わない。化粧は結局社会人のマナーという言葉によって正当化されていて、当たり前のようにそのルールが続いているなかで生きているわたしが最低限化粧をするのは当たり前のことなんだろうとは思う。でも整形については、社会人のマナーにはならず、不自然なもの、と否定的にみられることが多い。社会のルールは本当に身勝手だなあと思う。

    2
    投稿日: 2021.07.03
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    大阪弁で羅列されたような文から読んでいくうちに脳内の言葉がまるごと言語化されていき不思議だった。 俯瞰した読書ではなく体感している初めての感覚。目に写るもの脳内のことばにするには追いつかないような情報量に多すぎるとも思わず、すらすら頭に入ってくる。スピード感があると言うのかな。かといって読んでてクラクラしたりはしない。 ほんの僅かな出来事の中に複雑な感情があるのは事実で面倒くさい生き物だなぁ人間は。 誰かのためなのか、それは世の中から刷り込まれたものなのか、自分が望んでいるものか判断するには無意識な固定観念はあるから難しい。 でもこれだけの濃い話ができる関係は羨ましいし、その流れは来てるから希望はあるかな。

    1
    投稿日: 2021.06.27
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    徐々に身体が変化していく事に対しての女性の葛藤や気持ちが、独特な表現で綴られていて、読み始めは読み難いなぁと思っていたけど、どんどん先を読みたくなる…とても不思議な本でした。 川上未映子さんの本は、読み進めて行くと中毒性があるような、いつも読後はとても疲れます。でもまた他の作品も読んでみたくなります。

    0
    投稿日: 2021.05.29
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    乳と卵とは不思議な題名だなぁと思っていた。読み始めると、なるほど、両方とも女性の象徴として登場してくる。出産と育児を通じて女性性(乳)を損なった母親と、自分の体がどんどん女性的なものになることに抵抗を覚える娘。そしてその二人をフラットな視点で見る独身女性のわたし。 自分の意識と身体の関係性を描き出している作品だと思った。自分も思春期の頃は鏡を見るのが好きじゃなかったことを思い出した。印象に残ってるシーンは最後の方で親子が卵まみれになって泣くところ。あの後に初めて二人は親子になったと言えるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2021.05.27
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    鉤括弧、段落がない文章!初めて読んだ! 樋口一葉のたけくらべをオマージュしてるらしい 巻子の娘の緑子の日記がすごいわかる、という感じだった 殴り書きというかまとまってない文章なのが逆によかった

    0
    投稿日: 2021.05.24
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    女性として生まれて来て女の体のコンプレックスや思春期の内容かと思う。私もあるけどお金をかけて変わりたいとは思わない程で、この年まで生きてきた。 「あなたたちの恋愛は瀕死」では、ピンとくるものがなかったなあ。

    0
    投稿日: 2021.05.19
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    文字からの体感的な情報量が多い。 圧を感じるほど。 句読点が少ないので、のめり込んで読んでいると息するのを忘れてるかんじ。谷崎潤一郎の文章に似てるかもと思ったけど、描写はこちらの方が詳しい。 まるで動画の様。 最後まで読んだけど、答えはくれない。 自分で結論はまとめて下さいと言われてるのかな。 素朴な価値観は実は世界にはびこる男性的精神を経由して出来たものと言う文章が印象に残っている。

    0
    投稿日: 2021.05.18
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    句点が読点になっていて文章に迫力とスピードがかかるんだけど慣れるまでに時間がかかって違和感をかんじてしまった、、、。 女性の身体の話や言葉にできないような思考の話が主であり、それを言語化しているのが凄いなぁと感じたよ。

    1
    投稿日: 2021.05.16
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    内容は女性の在り方がメインであったが、身体と心の独立性や価値観の起源といった男女を問わない問題について考えさせられる作品だった。 身体と心の独立性については緑子の感覚が非常に印象的だった。彼女は成長や成熟をただネガティブな変化として捉えている。身体は心から独立して勝手に変化していってしまう。女性の場合は生活に大きな影響を与える生理現象を伴って変化していくために、子供を生むという生物的な役割を強烈に意識させられる(男性は欲求が強まるくらいで子供について意識させられることは多くないが、女性の場合は本書で触れられているように、生理の度に受精しなかったという事実を突きつけられる)。緑子はこの変化を受けて抵抗なく子供を生むことを受け入れる同級生を見て嫌悪感を感じている。 これには非常に共感できた。遺伝子にプログラムされた本能や成長が促す通りに生きていくことに対して人間的な自由を感じられないからだ。子孫を残すこと自体に嫌悪感を感じると言いたいのではない。主体的に理性を働かせることなく、既定のものや外部のものに従うというのは自由の放棄、すなわち人間的な生き方の放棄そのものであると言いたいのだ。十分な考慮がなされているなら、その結論に(少なくとも外部からは)文句を言うつもりはない。このように考える中で、自由や後天性の意味合いをもつ心と先天性や既定、制限といった意味合いをもつ身体の対立を感じた(もちろん両者はお互い影響を及ぼし合うのだが)。 また、価値観の起源と主体性について触れられているシーンも印象的であった。夏子の姉や友人は豊胸を考えているのだが、これに対して男性目線に起因するバカバカしいものであるという反対意見がなされる。これを受けて、男性に喜んで欲しいのではなく、自己満足のために豊胸をすると反論する。 ここが非常に面白い部分だ。他人の評価ではなく、刷り込まれて内在化された外部の価値基準に則った、内部における自己評価のために豊胸を考えているのだ。つまり、外部からは独立した、ただ自分を満足させるかどうかの基準と感じているものは意識的か無意識的か外部から取り入れたものなのである。 ただ、自発的でないこのような目標設定を悪いとは思わないし、自発的な目標が良いとも言いきれない。その目標に向かっていったり、達成したりすることで自分が充実感を得られる、そしてメタ的な目線でそんな自分を承認できるのであれば、起源はどのようなものであっても良いのではないだろうか。そんなことを考えさせられる小説だった。

    0
    投稿日: 2021.05.11
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    2021年5月 自分の身体なのに思うようにならない。妊娠は望んだタイミングとは限らないし、子は男ではなく女の腹に宿る。生理も望まずとも毎月来るし、周期はそこそこ乱れて読めない。女は難儀だ。 もっと早く読めばよかったなぁと思う。もっと早くこの本を読んでいたらわたしの人生は、気分だけでも、少し違ったものになっていたかも知れないなんて。

    0
    投稿日: 2021.05.08
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    自分の体? 句読点が多く、本当に自分が生活していて自分が心の中で瞬間的に思っていることや見ていることのように淡々と書かれている。 自分の体について、登場人物達はあれこれと考える。体の中には血が流れていて、女は月に1度月経が来るということは皆理解しているはずなのに、そこの意味を見出そうとして、体がムズムズしてくる。

    0
    投稿日: 2021.05.05
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    乳と卵 好きな女の子が紹介してた本。 なんだろう保健体育の教科書的な、、、感じがした。 初潮、生理、胸の膨らみ。女の子として成長していく過程で起こりうる生理現象。 大人になっていくにつれて当たり前のことなのに何故か目を逸らしたくなることについて書かれていて読んでてクラクラした。 あなたたちの恋愛は瀕死 出会い頭に性交ができてしまう人とそうでない人の違いとは何かについて。 適当な相手と適当な性交をしつづけるやつっていうのはね、ものすごく、なんていうのかしら、人間的にとんでもなく未熟なのよ。

    0
    投稿日: 2021.04.25
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    男の自分にとっては感情移入しずらい作品であった。 女性ならではの悩みや思いを少し垣間見る話であった。

    2
    投稿日: 2021.04.25
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    句点をあえて打たず読点で文章を引き伸ばすことの効果を知った。 なんだか国語の教科書に載っていそうな感じ。 芥川賞の受賞作同士で比較すると、コンビニ人間とか推し燃ゆのほうが好みではあるけど、この作品も嫌いじゃない。 ただ読後に胸に残るものがあまり無くて、どんな話だったかすぐに忘れてしまいそう。

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    投稿日: 2021.04.25
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    私が入っている容器、そしてままならない物としての「身体」をとことん見つめた作品。読みづらさはあれど苦ではない。むしろ人の思考を覗けば、淀みなく不揃いな言葉が溢れているだろうから忠実なのだろう。関西弁とよく分からないクレオールのような言語が小気味良い。徐々にドライブ感がまし、ラストにかけての意外な出来事はとても良い裏切りだった。突拍子もない出来事ではなく、ぴちょんぴちょんと溜まっていき解き放たれた衝動であるし、それを受け止めれる程に読者を導くことに成功している。素晴らしい作品でした

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    投稿日: 2021.04.12
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    Hellotalkのイタリア人がイタリア語訳されたこの本を読むと投稿してたので私も読んでみた。もちろん日本語で。 これ、会話も文章も関西弁だし、イタリア語にしたら独特の言葉回しや呼吸がわかるんだろうか。 あと男性はどう感じるんだろう? 私は読みながらどうも自分の歯車とカッチリ合わず、ちょっと不気味で気持ち悪い感じもして、頭をかき回されて黒いうずを作られた感じ。 巻子が夏子に豊胸手術について延々唾を飛ばしながら語っているあたりは、巻子の言葉が耳から入ってそのまま反対の耳から流れてくようで、そこは夏子の擬似体験かな。 どうしてそんなに豊胸手術に執着するのかも不穏な気持ち悪さにつながった。 緑子が書いていた、女は生まれる前から生の元を持っているっていうくだり、厭だ!というのが共感できた。

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    投稿日: 2021.04.05
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    なぜか乳がんがテーマの話だと思っていたからそのつもりで読んでいたのに、全然ちがう話になっていって混乱してしまいました。 全編を通して文章が読みにくかったです。 日ごろから関西弁を話しますが、作文は標準語でしますので、関西弁を「読む」ということはないです。 LINEなどでは関西弁も使いますが、それも「そうやな」とか「○○らしいで」くらいのもので、こんなに長文を関西弁で書くことはないです。 しかも純粋な関西弁とはちょっと違うというか、個々や地域のしゃべり方の癖みたいなものも入っているし、なぜか途中で「~であります。」と何の報告?上官どこ?みたいな文末になっていたりして面喰いました。 頭の中で考えてることをそのままばーっと書いた濁流みたいな文章だと感じました。 月経のこと、豊胸のこと、途中で主人公が思い出した友人(?)どうしの化粧や豊胸の議論のこと、わたしは女性なので自分のことを思い出したり、自分だったら…と考えたりして読みましたが、男性はこの話を読んでどう思うのかな?と思いました。 わたしは読んでいて楽しくも面白くもなく、読みにくいというのも一つですが、「わかってしまう」というのもあり(それが作者が意図したことと合っているかはわかりませんが)、ちょっとうんざりしてしまいました。 どうでもいいけど関西弁話す子どもって何でこんなに生意気に見えるんだろう。

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    投稿日: 2021.04.04
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    表題、巻子と緑子、親子の雰囲気がじわじわと刺さる 関西弁って勢いのある言葉なんだな 一つの文章が長いけどサクッと読める

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    投稿日: 2021.04.03
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    読みづらいからなかなか盛り上がらなかったし、なぜ元夫に会いに行ったのかもイマイチ分からず、読解力のなさを痛感 銭湯での靴下の例えに笑ってしまった

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    投稿日: 2021.03.31
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    とっても独特な文体でした。 きっかけは「人生に文学を」というポッドキャストを聞いて面白そうと思ったので、図書館から借りました。 お話しされているときは軽妙な関西弁の女性という感じでしたが、 小説になるととても難解のようで、複雑で、けれどあっさりもしているような雰囲気。 語尾の切りどころも初めての感覚でした。 1文がとても長いです。 小説事態の感想がどうというよりも、インパクトでやられてしまったという感じでした。

    0
    投稿日: 2021.03.30
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    「ほんとのことなんて何もないんだよ」というセリフが印象的だった。誰の言葉も本当かどうかは分からない。

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    投稿日: 2021.03.15
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    意図したものかもしれないが、文体が読みにくい。意図した文体だとしたら、内容と共に私には何を伝えたいのか理解することができない作品だった。 普通の普通に。思春期の緑子の優しさが泣けたというような稚拙な感想しかなく無念です。

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    投稿日: 2021.03.13
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    目から入ってきたものはどっから出ていくのでしょうか?目にたまったもん出していけん人やったらば、目はもうきっと開かなくなるでしょうと語る緑子。なんだろう、いい文章だなとおもった。 「あなたたちの恋愛は瀕死」と言う作品も割と好きです。読んだ後に真っ白なページに黒い点を残された感じ。

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    投稿日: 2021.03.11
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    難しかった。 女の人の体に起こる変化について書かれていて、それに基づき何を自分の中で大切にするか、というのを考えながら読んだ。

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    投稿日: 2021.03.08
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    平安時代の読み物か。 句点がほとんどなく、徒然なるままに綴ってみました!て感じでとにかく癖が強い。 題材も、月経とか物理的に特有なものが多くて、 自分が女性である時点で聖地巡礼感覚で読めたのはいいものの、サラサラよりドロドロとした感触だったから 気晴らしに読む感じではないかな。 53/100

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    投稿日: 2021.03.07
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    語り手の姉「巻子」はシングルマザーで生活に疲れているし、娘ともうまくいってない。娘「緑子」は声に出して会話せず、メモで意思疎している異常さ。 緑子のノートに書き連ねた文章と、叔母の独白で綴られる、もの哀しい女の身体の変化と切ない気持ち。すなわち思春期のゆれる娘心と39歳母親の経年へのあがきに加えて、語り手叔母すらもあせっていたのであったという現実。 けれども、独特の語り口はねっとりしているようで軽妙さが伝わってくる。この文章が魅力をかもしているのだろうと思う。 叔母の名前が明るさを想わせる「夏ちゃん」と最後にわかるのが印象に残った。

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    投稿日: 2021.03.03
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    女性にしか描けない文章、内容。読みやすかったし、心に残る言葉もあったけど、分かりきれない感じ。また読み直したら感想が変わるかな。

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    投稿日: 2021.03.02
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    初川上未映子作品 とめどなく溢れ出てくる思考をそのままつらつら文章にしたような文体で、他人の思考の波に呑み込まれるみたいな不思議な感覚に陥った。 内容自体はわたしにはあんまりよくわからないものだったけど、「わたしたちは生まれる前から生まれるもとをもっている」のが不思議だか厭だか言っていたところが印象的だった。

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    投稿日: 2021.02.25
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    女性の体、生命の仕組みに神秘さを感じたのと、 自分の体は母親から生まれてきた物で、とても不思議で、大切なものなんだな〜と思いました。

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    投稿日: 2021.02.19
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    文体が掴みにくくて高校生の時に1度断念したものをやっと読了。生命の誕生と生活を営むことについて姪と叔母の視点から語るある種の論文のようなものなのに、ある物語として成り立たせていることに力量を感じた。『生まれるまえからあたしのなかに生むものがある』という事実にドキッとした。 姪の生命について(というか女体に存在する出来事)の考え方が、かなり厳しいけれどどれも的を得ていて感心した。 『生まれるまえからあたしのなかに人を生むものがあって、生まれるまえから生むものを持っている』 これを生命の神秘と捉えるのか、気持ち悪いと捉えるのか。

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    投稿日: 2021.02.13