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白き狼の息子
白き狼の息子
マイクル・ムアコック、井辻朱美/早川書房
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総合評価

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    読まなければならないと思いつつも読んでいなかった ファンタジーのひとつ、エルリックサーガを読んだ。 斬った相手の魂を吸い取る魔剣ストームブリンガーと それを憎みつつもそれに頼らなければ生きていけない アルビノの皇子エルリックの破滅へと向かう悲劇的な ヒロイックファンタジーだと思っていたのだが、実は ソード&ソーサラーの体をなしているのは最初の方 (この本は作品発表順でなく、エルリック個人の時間軸を もとに作品が並べられているので、私の個人的な印象 ではおそらく発表順の最初の方だと思う)だけで、巻が 進むにつれて多元宇宙という一種のパラレルワールドが 主人公になり、半ば哲学的半ばSF的なファンタジー へと変わっていく。もちろんそれがダメだとは言わない が、私はどちらかというと単純な剣と魔法の物語の方が 好きだ。エルリックがストームブリンガーと出会って から再びメルニボネに戻ってくるまでの傭兵時代のお話 をもっと読みたかったところ。特に後半三冊は主人公が エルリックではないし、どちらかというと様々な自分の 作品や様々な神話にリンクを張ることが主眼となり、 物語のダイナミズムのようなものはないがしろにされて いる感じがしてしまった。 とは言え、読んでいる間は十分楽しめたしファンタジー ファンなら必読の書であるのは言うまでもない。後世に 与えた影響も大きいしね。

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    投稿日: 2019.07.14
  • 団円!

    エルリックシリーズの完結です。 ファンタジーの世界はこりごり! そんな終わり方でした。 どんなにファンタジーを愛する人間でも青い鳥症候群に陥ることはよくあることです。ましてや書き手はそうなるでしょう。一つのシリーズで見た時、エルリックシリーズの白眉は夢見る都とメルニボネの皇子につきるでしょう。 夢盗人や、パンタンの魔術師との攻防、ゲイナー、ジャグリーンジャーン、そして現代三部作とエルリックの娘たち。 非常に薄く張り巡らされた伏線が絡み合って世界を構築する美しさとそれにともなう物語のもろさ、儚さが一長一短のシリーズです。初期二作は必読、中盤は可読、最終章までは惰性と物語的カタルシスのリピート性を期待するなら読んでみてもわるくはありません。 ストームブリンガー! ストームブリンガー! ストームブリンガー! 星5つ。

    3
    投稿日: 2016.11.04
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    長かった…! 主人公が少女で狐のひとがいっぱい出てくるのは物語として成功だなあ。 凄惨に尽きる道はエルリックの定めであり、その大前提が前3巻なんだなあ。

    0
    投稿日: 2012.12.29