
総合評価
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powered by ブクログ監禁されたことによる人質の方たちの朗読会。人は誰しも語りたくなるような思い出を持っている。事件や事故大きいことではないかもしれない。けれども、自分にとって大きいことは物語のように話は進んでいく。 素晴らしい小説です。
0投稿日: 2026.01.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小川氏が書く物語は…物凄い不思議ですね。 いつも思ってました。この方にしか生み出せない物語が、確かに存在する。そして深く刺さって読み手はそれを取り出さない。 この物語の驚くべきところは、初手で語り部の人達が全員死ぬということ…その効果は絶大で、ひとりひとりの話をズンと重くのし掛かけて読んでしまう。 大事にしないと、覚えておかないと。 って、図らずとも慎重になる。 させられた。
12投稿日: 2026.01.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多くの人が持っているちょっとした記憶に刻まれた出来事を、ちょっとした工夫で語られる話。それを人質たちが語る。それを立て篭もり犯人を囲む警察が盗聴するというシチュエーションがより人質たちの思いを際立たせる。僕だったら、何を語るだろうという思いを抱いた。そして、僕の行動・行為が相手を涙させたであろうことに思いが至った。きっと、とても楽しかったことではなく、心の奥に刺さったトゲのような出来事なんだとう。
0投稿日: 2026.01.01
powered by ブクログネクタイが締まる本 大切な結びの時。結婚、葬式、入社式、商談など。 相手への誠実さを纏い、身につけたものを通して敬意を表す。物語を通じて、色や長さを選び自身を表現する。そして、お守りの役割を持つ。 なんだろう。とてつもなく淡い。 切迫している状況下で織りなす言葉たちが発酵前のパンの如く丸みを帯びて鎮座する 誰かとお菓子を分け合う。 高校生の頃から現在の仕事に至るまで、さまざまな人間とお菓子を分け合ってきた。 人と喜びを分ける。それは、最も身近で簡単な幸福を受け入れるということ。 彼が死ぬと一つの言語が死ぬ。 読み進めるたび、自身の思い出話も浮かんでくる。 よく言うと、自己完結が上手い生徒だった。 英語の暗唱では、全部を取り込み点をもらうのでなく自分が決めたところまでを完璧に覚えたり、習字は本番の用紙が3枚あろうとも1枚で終えたりしていた。 もったいないだのなぜ諦めるのだのと綴られる一方であったが、笑顔を張り付けていた。 私にとって何度現実に流され潰されそうになっても 色褪せないものとなり己をもたらした。 あの頃の私がいる限り、私は私でいられる。
1投稿日: 2025.12.29
powered by ブクログ人質になった人たちが、自分の過去にあった心に残っているお話を朗読し合う。 1話ずつ思い出したくなるような話で、じんわりしみました。
8投稿日: 2025.12.19
powered by ブクログ命は尊いものであり、生きていると色んなこと起こってくるけど、感動を大切にしたいと、この本を通して感じた。
0投稿日: 2025.12.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
戦争やテロ、災害などでたくさんの人が亡くなる悲しい出来事が起きたとき、私たちはつい、その出来事の大きさを「量」で測ろうとしてしまう。十万人が亡くなった、数百万人が被害にあった――そんな数字のインパクトで、悲劇の大きさを捉えようとしてしまう。 『人質の朗読会』は、冒頭で「テロによって人質に取られていた8名は全員亡くなった」と告げられるところから始まる。彼らの死後に発見された、朗読会の様子を収めた記録テープがラジオで放送されることになり……という導入で、読者は最初から「登場人物のいく末」を知らされたまま、物語を読み進めていくことになる。 そこで強く感じるのは、「彼らは確かに生きていた」という、当たり前だけれど揺るぎない事実だ。そして、「彼らにもそれぞれ豊かな人生があった」ということでもある。8名の朗読には、それぞれの人生、それぞれの感情、それぞれのきっかけが刻まれていて、なぜこのツアーに参加したのかという理由も一人ひとり違っている。その記録を、死後になって私たちが耳にするという体験は、「この人たちが生きていたことを忘れないでほしい」という願いを、静かに突きつけられているようでもあった。 もし自分が死ぬとしたら、自分と関わってきた人たちに願いたいのは、「僕の声を忘れないでほしい。僕の声をどこかで覚えていてほしい」ということだ。なぜなら、人の記憶はその人の声と密接につながっていて、声を通じて、その人の表情や仕草、言葉の選び方やものの考え方まで、丸ごと立ち上がってくるからだ。だからこそ、人質たちが「声」で自分の人生を記録したことには、とても大きな意味があるように思う。同時に、最後の朗読が解放戦線側の兵士によるものだという事実も重い。彼もまた生きていて、彼にもまた一つの人生がある。 ほんの少しのボタンの掛け違えで、人は「テロリスト」と「人質」という関係に分かれてしまうことがある。けれど、元をたどれば皆、同じように生まれ、育ち、家族がいて、日々の暮らしと人生を持つ人間だ。 そのことを思うと、胸がぎゅっと締め付けられるような苦しさがある一方で、彼らの声をしっかり耳と胸に焼き付け、「彼らが生きていたことを決して忘れない」と心に決めること自体が、彼らの存在をこの世界につなぎとめる、ひとつの供養になるのかもしれない。 そんなことを思いながら、この物語を読み進めていった。
0投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログ最初はスローペースで読んでいたのだけど、だんだん気になっていって最後はとても集中して読み込んだ。 私が人に朗読するなら、自分のどんな思い出を語るだろう。
0投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログ地球の裏側のどこか知らない国、 8人の日本人の乗ったマイクロバスがバスごとゲリラにより拉致される。 世間には、一通りのゲリラの実態なども報道されるが、100日を超える膠着状態になり、世間からは少しづつ忘れ去られていく。 その危機の真っ只中の彼らは、生きて帰れるのか死ぬしかない中で、一人一人の朗読会が始まる。 短編小説みたいだ。 一人一人の物語を静かに、淡々とみんな聞いている。その話は子供の頃のことや若い時のこと、人が聞いても感動も何もないお話。 何なんだろうな。 何かしら、薄暗闇の中で静かに瞑想のような感じすら受ける。 心が透明になりそうだ。 私は「冬眠中のヤマネ」が好きだ。 いったいこんな時、私は何を朗読するんだろうか。
22投稿日: 2025.11.13
powered by ブクログ一万円選書の5冊目。 題名の通り、異国の地で誘拐された人質たちが語る朗読会。 その内容は自分自身の人生の1ページについて。 自分の中にしまわれている過去、未来がどうあろうと決して損なわれない過去だ。 それをそっと取り出し、掌で温め、言葉の舟にのせる。 それぞれの語った内容が短編として綴られていました。 どの話もどこか不思議で、特にオチがあるわけでもありません。 でも他の人からしたらなんでもないその思い出が、きっとその人の人生にとってなくてはならない瞬間だったのだと思います。 彼らの話はしっかり届いていましたね。 私にも届きました。 私が語りたい人生の1ページは何だろうって考えさせられました。 If you have an opportunity to talk about your life, what would you choose? What is the meaning of the episode for you?
20投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ博士の愛した数式からの2作目。 人質たちが残した、一人ひとりの印象深い日記。 まるで短編集を読んでいるような贅沢な一冊でした。 全く異なる立場や目線など、色々な人の人生をちょっとずつ覗いているような気持ちになります。 ちょっと稀有な日々だけど、ほっこり。 タイトルの 人質 と 朗読会 のギャップが、湯豆腐をジャムで食べているような、、いや、そうはならない。
17投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ小川洋子さんの作品を読むのはもしかしたら『博士の愛した数式』以来かも?!美しく隙のない、完璧だけど冷たさを感じさせない文章が読んでいて心地よく、ひとつひとつのお話もなんだか摩訶不思議で切なく、唯一無二の小川ワールドに惹かれました。素晴らしかった~!他の作品も読まなきゃ!!
7投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログ何かの比喩かな?と思った「人質の朗読会」というタイトル、そのまま「人質の朗読会」の話でした。 その人質は全員亡くなったことが明かされ、複雑な気持ちで読み始めることになります。 人質となってから時間も過ぎ、少し周りを見る余裕ができる頃。囚われの身である8人もだんだん打ち解けてきたのかな。 殺伐とした状況の中で、せめて穏やかな時間を過ごすためにできる事。 未来がどうなるわからない今、絶対に確かな過去の記憶を思い出し、したため、語る事。そしてそれに耳を傾ける事。 それで自分を、お互いを支えていたのかな。生きるための朗読会であることは間違いなく、だから切ない。 他人からしたらなんて事ない出来事だろうけど、強烈に覚えてる事あるなぁ。 各々のエピソードの後には『職業・年齢・性別・旅の目的』の記載があるのですが、ここがまた。この1行でさらに印象が深くなります。 しっかし発想がすごい…よく思いつくなぁ。
2投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログやっぱり小川洋子作品にはハズレがない。夢の中にいるような、原風景を見ているような、生きているけどすぐ側には常に死があるような。この本の中で特に好きだったのは「やまびこビスケット」「B談話室」「槍投げの青年」「花束」かなー。解説で紹介されている小川さんの言葉「物語として残しておきたいと願うような何かを誰でも一つくらいは持っている」「それらを見つけ、言葉ですくいあげてゆくときのわくわくする気持ちが好き」。自分には出来ない言語化をしてもらってる感じ。
1投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログ小川洋子さん、お初でした! ワタシのこれまでの人生で、何気ないけど強烈な記憶として残っていることって、何かあっただろうか?と思いながら読み進める。 おばあさんの話とビスケットの話が好きだった。
1投稿日: 2025.09.04
powered by ブクログひとまとまりのお話だけれど、短編集のような構成。一人ひとりの静かなコアな地味な物語が、心に染み入ります。小川洋子さんの世界観は人であることでしか味わえない心理描写をいつも描いてくれて、それがたまらなく大好きです
1投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログ個人的にかなり好きな話です。 人質たちはみんな悲惨な最後を約束されていますが、その人達がぽつりぽつりと語るのはふとした日常。きっと人の心や物語と呼ばれる物は尊い日常から生まれて、その日々を元に生きてきたのだなと思いました。小川洋子さんの語る「物語」というのはこういうものなのだなと思いました
8投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログ8人の方の朗読会の話を聴かせてもらった。みんな日々の生活を粛々と送られている情景が目に浮かんだ。ただ一番印象に残ったのは、8人全ての人が犯人が仕掛けたダイナマイトで亡くなったという事である。それぞれの朗読を聴いた後、一人一人の人となりが分かった後なので何とも空虚で悲しい気持ちになった。
1投稿日: 2025.08.12
powered by ブクログ小川洋子さんの本を何冊か読んだことがあるから、拒絶感なく読めましたが、初だったら、困惑してました。 出だしで、人質の死を知った後にその人たちが捕えられている間に読んだ朗読会と聞いたら、今の心情を話すのかと思いますが、全く違いました。 それぞれの話が繋がっているわけでも、そこにオチや、伏線があるわけでもなく、ただその人の心に残っているエピソードだけでした。 でも読み終わると人が最後に話したい話って、こういう何でもなくわざわざ人に話すまでもないものかもしれないなぁと思いました。
3投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
残酷すぎる、かつ絶対に変わらない結末が最初に提示されているのにも関わらず、明るさやコメディさも含まれる展開なのが複雑な気持ちになる‥!この朗読会が行われたことで被害者たちは報われたような気もする!
2投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログはじめの一文から小川洋子ワールド全開だった。 "そのニュースは地球の裏側にある、一度聞いただけではとても発音できそうにない込み入った名前の村からもたらされた。" 8人の人質と、1人の特殊部隊通信班隊員によって語られた9つの物語。他人からするとなんてことのない、人生のほんの一部の光景。それが当人にとっては色褪せることのない特別な記憶だったりする。 「冬眠中のヤマネ」がよかった。
1投稿日: 2025.06.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
異国を旅行中、ゲリラの人質になってしまったツアーの参加者達の朗読会。 他人からみたらどうでもいいような出来事が、本人にとっては忘れられない大切な思い出であり、今まで生きてきた軸であったりする。 話の最後にその人の職業と、どういった理由でツアーに参加したのかが書かれていた。朗読した出来事からツアーに参加するまでどんな風にその人が生きてきたのかが想像できるようだ。 命の補償はない過酷な状況の中であるからこそ更に美しく輝くお話だった
2投稿日: 2025.06.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海外旅行先で襲撃を受け、人質となった8人。8人は亡くなってしまったが、後に犯人グループの動きを探るため、録音された盗聴テープが公開された。人質たちが自ら考えた話を朗読している様子が録音されたテープである。 1話毎の終わりに、誰が朗読したのかが記載されている。淡々と書かれているのが、その人たちが亡くなっているんだということを強調しているように感じた。 小川洋子さんの本を初めて読んだが、とても読みやすかった。ほかの本も気になるものがあったら読んでみたい。 表紙の「小鹿」は彫刻家の土屋仁応(つちや よしまさ)さんが造られたそう。 調べてみたらほかの作品も素敵だった。
2投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルを忘れて読む、 人質にされた人たちの間で共有し合ったストーリーの記し。 ふつうの人たちの、ちょっと不思議な思い出話。 こんなふうに、みんなのひとりひとりの話なんて全部聞いてられるはずがないけれど、 聞いてて、読んでて飽きない、というか、 もっと知りたくなってしまう不思議。 人質になったから語られたのか、 とにかくこの世の中はたくさんの思い出たちでいっぱいなんだろうなー。 その多くは語られることはなく、伝えられることはなく… だからこそ、わたしが聞き出してみたい、と思ったりするのかな。 もっと話して、っていいたくなるような、 そんなストーリーが、現実の身の回りにもたくさん眠っていることを思い起こさせる…。
1投稿日: 2025.06.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本を読んでいて良くあるのが「この一文に救われた」などの特定の一部分を取り上げて、それが印象に残ること。 でも小川洋子さんの本の場合、作品の中の一部分というよりも、その作品単位でお守りのようになるので不思議だ。胸が温かくなり、絵筆を水につけた時に一気に色が広がるように、そして水につけることで絵筆に絵の具がついていたことにようやく気づくような、そんな心の存在を強く感じた。 とても抽象的な感想になってしまった。 作品全体が好きなのはもちろんだけれど、この中でも印象的な文章はp158の槍投げの話で 「こうして合わせた両手から次々と水がこぼれ落ちてゆくように皆が遠ざかってゆくのを、私はただ黙って見送るばかりだった。自分の掌に視線を落とせば、そこにはもうささやかな空洞があるばかりで、こぼれ落ちるべき何ものも残ってはいなかった。」 というもの。 手を合わせることと登場人物の境遇からどうしたら、こんな表現を思い浮かべられるのか。 ただ自分以外の自分と近い距離にいた人がみんな死んでいくという状況を寂しさとはまた異なる視点から書いているように思えて、とても好きな部分です。
1投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログいわた書店の一万円選書で選んでいただいた本。 他人にとっては取るに足らないことでも、本人にとっては印象深い特別なできごとが誰にでもひとつくらいあるのではないか。 未来ではなく、過去に目を向けるとき、自分は何を思い出すのだろう。
0投稿日: 2025.05.10
powered by ブクログ人質たちが語る人生の中で印象に残ったお話の朗読短編集。楽しめたものと、読むのが退屈なものがあった。 「やまびこビスケット」と「冬眠中のヤマネ」は好き。
0投稿日: 2025.04.24
powered by ブクログ心の奥に温かさと切なさがじんわりと広がったまま、静かに本を閉じた。 人それぞれ違う物語を持っていながらも、一人一人のエピソードに情熱と愛がこもっていて、真剣に耳を傾けてしまうような時間。自分だったらどんなことを語るんだろう、と考えてみたくなった。 「やまびこビスケット」「コンソメスープ名人」が特に好き。
0投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ些細な出来事だけど、強く記憶に残っている出来事を人質達が語っていく。もし自分だったらどんな話をするだろう。 最後まで読んだあとに、もう一度冒頭の部分を読み直すとすごく切なくなった。
14投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ残された録音から個々の人々のドラマが語られる。 同じ時代を生きていても、見る風景や感情は全く違う物語となる。 一人一人の立場や感情をしみじみと追体験。
0投稿日: 2025.04.01
powered by ブクログ雑にいえば短篇集か。その中では特にB談話室、コンソメスープ名人、槍投げの青年が印象的だった。まったく知らない言語の、たとえばアラビア語で話される朗読会を聴いてみたいと思った。
0投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログそれぞれの物語を語っているのは人質たち。そんな設定が物語を研ぎ澄まされていて、大切なものに感じさせてくれる。人質にとられている場の空気を感じながら物語を読むという面白い体験ができた。
0投稿日: 2025.02.05
powered by ブクログ一人一人の人生にある、大切な思い出の朗読会。 自分なら死と隣り合わせの環境で、どんな思い出を朗読するかを、つい考えてしまいます。
0投稿日: 2025.01.22
powered by ブクログ衝撃的な文から始まる本書。いつの間にか人質達の朗読に耳を澄ます自分がいた。 日本語の滑らかで優しい音が静かに皆を包む。日常の中に潜む非日常の話。 『ハキリアリ』で終わった時、朗読会の意味が分かった気がした。
8投稿日: 2025.01.18
powered by ブクログさすが小川洋子さん、と言う作品でした。 私は短編はあまり好まないのですが、この作品はそれぞれが短編だからこその良さがありました。 wowwowでドラマにもなってることを知りました。 見てみたいけど、せっかくの名作が上手く映像化されてるか不安でもあります。
10投稿日: 2025.01.16
powered by ブクログお店の名前はこの本のB談話室からとったようだ。 「B談話室は町の片隅の、放っておいたら素通りされてしまう、ひっそりとした場所に隠れている。だから僕は、B談話室で行われている営みを間違いなくこの世に刻みつけるために、小説を書いている。」 第八夜の花束と第九夜のハキリアリが特に好きだった。 解説が俳優の佐藤隆太さんなのすごい。 小川洋子さんのあとがき「面白みのない生活の中にも、書かれるべきことが隠れています」「それらを見つけ、言葉ですくいあげてゆくときのわくわくする気持ちが、わたしはやはり好きです。」
17投稿日: 2024.12.25
powered by ブクログ私の好きな小川洋子は妖しく毒の要素強めの作品なのですが、こちらはさみしく儚げな方の小川洋子です。 どちらにしろ小川洋子さんの文章が大好きなのでいつか全て読み尽くしたいです。
2投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第一夜 杖 インテリアコーディネーター。五十三歳。女性。勤続三十年の長期休暇を利用して参加。 第二夜 やまびこビスケット 調理師専門学校製菓コース教授。六十一歳。女性。研修旅行のオプショナルツアーで参加。 第三夜 B談話室 作家。四十二歳。男性。連載小説のため取材旅行中。 第四夜 冬眠中のヤマネ 医科大学眼科学教室講師。三十四歳。男性。国際学会出席の帰路。 第五夜 コンソメスープ名人 精密機械工場経営者。四十九歳。男性。国際見本市参加の帰路。 第六夜 槍投げの青年 貿易会社事務員。五十九歳。女性。姪の結婚式出席のため旅行中。 第七夜 死んだおばあさん 主婦。四十五歳。女性。夫の赴任先からの帰途。 第八夜 花束 ツアーガイド。二十八歳。男性。勤務中。 第九夜 ハキリアリ 政府軍兵士。二十二歳。男性。Y・H氏の通訳により放送。
0投稿日: 2024.11.27
powered by ブクログ全員死んでしまうと分かっている人達の過去の思い出の朗読。 それぞれの他愛のない日常やちょっと変わった出来事が朗読されていく。 ちょっとしたことの風景がとても細やかに描かれていて、頭の中でとてもイメージしやすい文章でした。日常がこんなにも素敵なのだなと感じさせられる表現でした。 印象に残っているのは、「コンソメスープ名人」で、料理の手順や煮立ったスープの様子などすごく素敵で、いい匂いがしてきそうな文章でした。 個人的には、それぞれの朗読が淡々と終わってしまうのが寂しい感じで物足りなかったです。
3投稿日: 2024.11.22
powered by ブクログ数年前に一万円選書で選んでいただいた本 やっと読めた 地球の裏側のとある小さな村で人質になった8人の日本人 犯人の仕掛けたダイナマイトの爆発により死亡。。 既に亡くなった人質達が語ったそれぞれの過去。。 どのお話もよかった もしわたしが語るとしたらと考えても なにも出てこない笑
0投稿日: 2024.11.16
powered by ブクログ特殊な状況下にありながら(あるからこそ)静かに語られていく何気ないけれど印象的な出来事たち。ものすごく特別、というわけではないかもしれないけれど、少し風変わりで、確実にその人の中に残り、ほのかに息づいてる物語たちが良い。
3投稿日: 2024.11.13
powered by ブクログ基本的に過去の話はしてもしょうがないから、未来の話がしたいと思っているんだけど、過去の出来事は未来がどうあっても変わらないモノとして捉えると少し共感できる気がした
0投稿日: 2024.11.12
powered by ブクログやっぱり1番好きな作家だとおもった。全部好きだけど、やまびこビスケットとコンソメスープ名人が好き。死んだおばあさんに出てくるヴァイオリンのおばあちゃんはずっとわたしの大事なテーマで、ヴィジュアル的には冬眠中のヤマネのぬいぐるみが趣味。
2投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ決して派手な盛り上がりが起こるわけでもないのに、聴き入ってしまう不思議な読書体験でした。(読み耽るのではなく"聴き入る"としか言いようのない体験です) 私にとって小川洋子さん作品は、博士の愛した数式以来2作目でしたが、わかりやすい安心感はないのにじんわりと心があたたまる、そんな感じです。もっと小川さんの小説を読もうと思います。
1投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログ小川洋子さんの作品、2作目を読みました。 短編で短い話なのに独特で不思議な余韻が残る感じが良い。小川さんワールドだな…と勝手に思いながら読んでいました。 個人的には【杖、やまびこビスケット、花束】が特に良かったかな。 『自分の中にしまわれている過去、未来がどうであろうと決して損なわれない過去』 ⇒些細なことだけど自分の胸の片隅に引っ掛かっている消えない記憶…自分だったら何があるだろう?
11投稿日: 2024.10.03
powered by ブクログ#47奈良県立図書情報館ビブリオバトル「短編集」で紹介された本です。チャンプ本。 2014.10.18 https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=939977382683370&id=100064420642477
0投稿日: 2024.09.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海外旅行ツアーで誘拐された人質が1人ずつ朗読したそれぞれの過去の物語。 落ち着いた語りの中に「死」が見え隠れする。朗読の終わりに朗読者の職業、年齢、なぜこのツアーに参加していたのかが明記されており、そこが妙にリアル。語りの内容と現在の人生がリンクしている。全編を通して重いし、辛い。 小川洋子氏は容赦なく、残酷だ。 今を大切に生きよう。そんな風に思えた。
19投稿日: 2024.09.05
powered by ブクログ私のよく聞くラジオ番組で、「忘れ得ぬ人」についての投稿を照会するコーナーがある。もう会うこともないけれど、連絡を取ろうとも思わないけれど、時々ふと思い出す、忘れ得ぬ人。 人質という厳しい状況の中で、それぞれに書きおろされ、そして順に朗読されていった物語は、誰もが持つ「忘れ得ぬ人」についての記憶であった。 本書を読みながら、自分なら何を書き、どう読むだろうかと、誰もが考えることだろう。今の仕事とも家族とも全然関係のない、人生を決めるような何か決定的なものというのでもない、秘密と言うわけでもないがあえて自分から語ることもなしにきた、そういう記憶。 映像と音や匂いで、マルチモーダルに記憶されている状況を、いったん書き下ろしてから朗読するという迂遠な手続きだけれど、その手続きを経ることで、声が整うのだろう。覚悟の遺書や日記としてではなく朗読のための原稿としたことで、その原稿ではなく録音された音源として読者に手渡すことで、それを読んだ人たちはもういないのだとすることで、静かに整った声にじっと耳を澄ませるように促すのだ。
0投稿日: 2024.09.02
powered by ブクログ連作短編集で、旅行中に捕まり人質となった人たちが一人一人語っていく物語。 その語られる内容がなんだか温かくて何気ない出来事なのだけど、その切り取った場面の描写が繊細で読んでいて小説の世界に入るってこういうことか、となった。 小川洋子さんの作品はやっぱり文章が美しい。宝石みたい。 この人の描く世界観が好きでずっと浸っていたくなる。
1投稿日: 2024.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある国を訪れていた日本人ツアー 観光客7名と添乗員1名がゲリラに誘拐され、その数ヶ月後、救出隊との銃撃戦で人質は8名全員死亡。それから少しして、彼らが拘束中に行っていた〝朗読会〟の 音源が公開された。その朗読会は、人質一人ひとりが自分の人生からストーリーを切り出し、書き言葉にしたものを他の人質に語り合うというもの。それぞれの章が1人の朗読内容になっている。 そういう設定を理解した時、この本は語り手=書き手によって異なるストーリーの切り取り方、口調、言葉の選び方などを味わえることを狙った短編集なのだろうと予想したが、蓋を開けてみるとどの語りも小川洋子仕様。これはどういうことなのだろうと思わずエピローグの章にジャンプしてしまいそうになったが、章が9つあることを確認し、ぐっとこらえて全てのエピソードを順に読むことにした。 8編終わって、エピソードの長さには多少の幅があり、常体で綴る人と敬体で綴る人の違いはあったが、やはりどれも小川洋子の作品であり、この設定がどのような効果を狙ったものであったのか掴めずにいた。 どれも小川洋子の作品というのはしかしもちろん良い意味でもあり、つまりどのエピソードも、ドラマチックな展開があるわけではないのに引き込まれる要素がさりげなく散りばめられており、すらすらとページがめくられた。 いよいよ最後の章、日本からやってきた一行の語りではないところへやってきた。わたしは未だここでこの小説の構成が生かされる展開が用意されていることを期待していた。 結論としては、そうはならなかった。確かに語り手は人質メンバーではなく現地の部隊員であり、そういう意味では多少の新鮮さはあったが、やはりもう一つの小川洋子作品であることには変わらず、短編がもう一つ加えられたに過ぎなかった。加えてそのエピソードには語り手が幼少期に出会った日本人の発話が出てくるのだが、「恐れ入ります」といったような、外国語に翻訳して、それを更に日本語に訳し直したらそうはならないだろう、というような日本語独自の表現なども現れてますます現地部隊員の語りであることの真実性が薄れて少し興醒めしてしまった。 読んでいる間、このような結末、つまり結局は普通の短編集と変わりないのであって人質がそれぞれの人生を語り継ぐという設定が十分に生かされない作品になるということを危惧し、ではその場合どうしてこの設定を採用したのか、ということを考えていた。 一つは、これを語っている人は既にこの世を去っているんだ、と思いながらその語りに触れることでそうでない場合とは異なる聞き手(読み手)の印象を狙ったものであるという説明。確かに、この設定下におけるものでなければ、と自問してみれば、あまり引き込まれるわけではないかもしれないエピソードも多い。だがこのストーリーは実際に生きた人物が自省を促す非常に特殊な状況下で綴ったものである、かつその人物は既に死んでいる、という設定がつくと、ストーリーが与える印象が変化してもおかしくない。現に、わたしは特に飽きることなく全9章を読み終えた。 もう一つは、「死」や「死者」をテーマとした作品であるということ。一つ目の説明に加えて、この本で語れれるほとんどすべてのエピソードに(すべてではないように思えるが)死が登場するからだ。死を間近に控えた語り手が死や死者にまつわる話をする。それは一種の予言であるとも捉えられるかもしれないが、更に言えば、人が自分の人生に存在した死者といかに分かち難く繋がっているかということを示唆しているという風にもとれる。そうするとこの本は、既に死者となっている彼らの語りを録音を通して聴く遺族が、彼らの語る誰か別の人の死を通して彼らと新たに繋がる、死はわたしたちの関係を断つものではないということを暗示しているのかもしれない。
0投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログ人生を彩り形作るのは、 心の底から泣いたり笑ったりするような特別な瞬間だけでなく、些細だけど確かな記憶として残るような出来事で、 そういった思い出を大事に温めて心の温度を保つことができれば、 避けられない悲しみや別れを乗り越える糧にきっとなるだろうと感じた。 辛い現実という背景で語られる自己の物語は、 平常時に語られるそれとは違って、虚栄や妬心を含まず、 まっすぐで純度が高いものだった。 私が語る物語は、どんな物語だろう。
1投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ語り合う場所は危機的な状況なのに、話す内容はどこか穏やかで温かい気持ちにもなる 私だったら、どういうことを話すだろう…
0投稿日: 2024.06.18
powered by ブクログ朗読される内容がどれも温かくて優しいものばかりでした。 ほんとにいつまでも朗読会が続けば良いのに、と思ってしまいました。 重たい感じもなく良かったです。 もし死ぬのかも…、という状況の中で自分だったら過去のどんな話をするのだろうか。 こんな温かい内容自分には話せないかも…。 いや、口ベタで上手に話せないかも…。 そんなこんなを考え、過去を思い返してみたり、さらにこの先の生き方を考えさせられました。
16投稿日: 2024.05.30
powered by ブクログ9篇からなる短編小説集で、冒頭から小川洋子さんらしからぬ衝撃的な設定があります。各編の外側に別の世界を準備することで、連作ではない短編どうしがつながる発想と構成が見事です。 物語は、地球の裏側の小さな村で、遺跡観光ツアーの日本人8名が反政府ゲリラに拉致、という報道から始まります。事件発生から百日以上過ぎ、犯人の仕掛けたダイナマイトの爆発で人質は全員死亡。 さらに2年が過ぎ、特殊部隊の盗聴テープに録られた人質の音声が公開されます。人質たちが順に自らの過去を語った様子は、「人質の朗読会」と題しラジオ番組で流され、その放送を一夜ごとに再現したのが本書の内容です。 7(ツアー客)+1(ツアーガイド)+1(政府軍兵士)一人一人の語りから見えてくることがあります。他人には些細なことでも当人にとっては特別で、記憶の中に染みつき、意識の底に刷り込まれた出会いがあるのだと‥。 そして、各編の共通点として「死」と「祈り」が見え隠れします。さらに本書の冒頭、既に8人は救出作戦が失敗し、死亡していることが明かされており、言わば死者が語る自らの物語なのです。 確かに、物語によって死者たちが蘇り、生きた証を伝えることでこの世とつながり続けることができるのでしょう。ただ小川さんは、人物の内面には決して踏み込みません。冷徹かつ克明な描写に徹することが、透明感あふれる筆致を生むのでしょうか。幻想的に見えながら、輪郭が明確でリアリティが失われない世界に、感心し圧倒されます。ある一人の人間が生きたある時間を追体験する‥、不思議で妙に心に残る読書体験でした。 不思議な巡り合わせですが、本書(単行本)が発刊された直後、東日本大震災が発生し一万人を超える方が亡くなりました。当然ながら、一万を超す一人一人の物語があったはずで、これを誰が書き残し伝えていくのでしょう‥。
75投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログ「最初の7ページでもう名作だとわかります」の帯に惹かれて買いました 導入部でこの先への期待がふくらみました その先は特に状況や大筋に関係しないエピソードトーク集でした
0投稿日: 2024.05.15
powered by ブクログ人生のひとときを切り取るような。 何でもない日常なのにどこか特別な物語。 悪くはないけど、入ってこなくて ふーんって思いながら読んでいた。 環境?時間?気分? ハマらなくて残念。 また少し置いてから読んでみよう。
1投稿日: 2024.05.05
powered by ブクログ小川洋子さん!って感じで、日常に起こりそうで起こらなそうな話たちを一緒になって聞いてる気分。 最近、言語化がどうとかこうとかっていうことばかり考えていたから、なぜ小川洋子さんの文章に惹かれるのかを考えながら、噛み締めながら読んだ。 どの話も甲乙つけ難くて、印象的だった。 自分がこの場にいたら、どんな話を出来ただろうかと思わず考えてしまう。日常のささいな話を物語として残せる人になりたい。
2投稿日: 2024.05.04
powered by ブクログさみしさと優しさを携えている。朗読会で披露するものが、例えば最愛の人との出会いのような特別にドラマチックなものではなくて、日常に落ちていた出来事、けれども忘れ難いものであるところがすごく愛しくてよかった。『やまびこビスケット』『コンソメスープの名人』お気に入りです。
1投稿日: 2024.05.03
powered by ブクログ全ての朗読会が美しい。 掌編の最後の(専業主婦、30代女性)というひと言だけで、どの話にも結末の暗示や、話のオチが付いているのが、この「人質の朗読会」が他の短編集と一線をかく所だと思いました。
1投稿日: 2024.04.07
powered by ブクログ何度も読んでいる本。 大きな華やかな出来事ではないけれど、力を与え られる出来事を見せてもらった感じが好き。
6投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログ構成を初めに話して結果が分かっているからこそ中身の短編たちが意味を持って輝いて見える。 小川洋子さんの小説は何かしら死の存在を織り交ぜるケースが多く、静かな中に美しさが感じられる文章が毎回落ち着く。
3投稿日: 2024.02.24
powered by ブクログ大きくわけると9つの話にわかれていて 読みやすかった。 どの話もドカンと衝撃的な話ではないが、引き込まれる話だった。未来が見えない中、自分の過去を思い出したときは、大きな出来事より些細な出来事が思い出されるのかもしれないなと。 文体がそれぞれの性格や性分を現すように書かれているところもおもしろいと感じた。
2投稿日: 2024.02.18
powered by ブクログうまく理由を言語化できないけれど、 とにかく空気感や文章が好き。 人生の中の出来事が、 職業選択に繋がっていて、そうか〜と感慨を受けたり。 でもただ明るいというよりは 静かに生と死が流れている感じ。 やまびこビスケットと花束が特に好きかな。
12投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ人生の中で誰しもひとつは持つ大事な出来事、自分を変えた出来事を朗読していくもの。人質たちの置かれている状況自体はそこまで関係がないように感じて、実はお互いがそれを共有するという意味で重要となり悲しいような美しいようなそんな作品だった。
1投稿日: 2024.01.14
powered by ブクログ“記憶”の美しさそのものを得られる物語 なんて美しくて悲しくて儚くて確かな欠片達なんだろうと思いました。 命や人生がそういうものなのか。 詳細や輪郭が確実に見えるわけではないのに、 失われる、失われたこと、が辛くて心が痛い。 けど失われたことや、失われ方だけに意味がある訳ではない。 相手が大切にしているものや、してきたものを 大切にしたいというか、当然ながら相手にそういうものがある、ということのかけがえのなさを感じました。
6投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログWOWOWでドラマ化もされた本作。タイトル通り、自分の命がどうなるのかもわからない人質という状況下での朗読会の様子が綴られています。 語られた思い出は、わかりやすく嬉しかったり悲しかったりではなくて、どれも妙に記憶に残る印象的な出来事ばかり。 祈るような気持ちでの読書。 一話ごとに、読んだ後はしみじみと余韻にひたりたくなる不思議な気持ちになりました。 何だかとても厳かで静謐な世界。そしてもの悲しさが漂う作品でもありました。 特に印象深かったのは、 「やまびこビスケット」 「冬眠中のヤマネ」 「ハキリアリ」 久しぶりに著者の作品を読みましたが、小川さんならではの世界観を感じました。
10投稿日: 2023.11.27
powered by ブクログ2023.11.26 読了。 地球の裏側で8人の日本人の乗ったバスツアーが拉致される。元猟師小屋に隔離された人質たちはいつしか「朗読会」を始める。 「人質の朗読会」という題名からもっと残酷な小説かと想像していたが、人質たち一人ひとりのささやかな経験を語るものだった。誰にでもきっとある「他人にとってはどうでもいいが忘れられずに心の奥にそっと置いてある経験」が淡々と綴られていた。 小川洋子作品は数冊しか読んだことがないが、どれも「静寂」と「祈り」と「たまたま出会った人々との縁」を大切に、丁寧に描かれている気がする。それは癒しや優しさだけでなく哀しみや人の弱さも毒々しいしさも表現されているように思える。 でも、そんな世界観が時々非常に恋しくなる。 きっと小川さんも日々を大切に生きているんじゃないかと想像する。
0投稿日: 2023.11.26
powered by ブクログ他人から見ると些細な出来事だけれど、自分にとっては磨く前の原石のような出来事。それをこの絶体絶命の状況で語るというのが興味深い。話の内容に深い意味はなくとも、本当に心に残った(引っかかった)ことが最期に浮かぶのかもしれない。 佐藤隆太さんも書かれてたけど、「私だったらこの場面で何を語るだろう」ってつい考えちゃう。今夜の夜更かしの理由はこれになりそうだ。
2投稿日: 2023.11.11
powered by ブクログ皆誰しも物語を持っている。日々に翻弄されるサラリーマンであれ、夕食に頭を悩ます主婦であれ、老若男女関係なく、人と人が出会うなら、そこに物語は常に芽吹く準備をしているのではないか。 そうして発生した物語は、必ずしもその人の容姿や言動に垣間見えるほどはっきり見えるものではなくとも、その人が人生の中で縒ってきた糸束のうちの特別な一本だったりするのではないか。その一本をそっと手に取って、色や光沢、ほつれを読み上げる時は誰しも物語の主役――例え輝かしいものを見ているだけであっても――になれる、そんなことを考える一冊でした。 誰かの物語は、また誰かの物語を呼び起こすのではないか。頑なだったものを開かせたり、手にしていることすら気づかなかったものを「私にだってあったかもしれない」そんな気持ちにさせる気がする。 そうして人が亡くなるたび、物語は永遠に失われる。それは特別なことではなく、当たり前のことだと、今もそうだと今更気付く。
0投稿日: 2023.09.24
powered by ブクログ人質という絶体絶命なはずの立場で、ぽつりぽつりと語られるそれぞれの物語。 少し不思議だったり、温かい気持ちになるような思い出のかけらが、同じ立場に置かれた見ず知らずのツアー客の前で共有されてゆく。 もしも私が人質だったら、どんな物語を語るだろうか。
0投稿日: 2023.09.02
powered by ブクログ日本から遠く離れた場所でゲリラの人質になった8人の日本人。突入作戦の失敗で全員死亡。盗聴から彼らが生前、一人一人書いて朗読していた物語が語られる。 彼らの人となりなどは殆ど語られず、淡々と物語が続く。 小川洋子節という文体があるなと感じた。饒舌だけど、口煩く感じない。熱量があるのに、冷ッと感じる。 それぞれが自分の過去を見返した内容。そんなに不思議な物語は少ない。 読み終わって暫くして、死霊の語った物語だったような気がしてきた。 何故、小川さんはこの設定にしたんだろうか。
2投稿日: 2023.08.29
powered by ブクログ南米で8人の日本人が現地ゲリラに拘束された。ゲリラに拘束された日本人たちは、それぞれの人生で印象的だった出来事について、毎晩話し始めた…。 プロローグとエピローグにゲリラの話を挟み込んだ、8話+1話の掌編。足をくじいて動けなくなった工員のために杖をつくる話、特に美味しくないビスケットを作り続け、意固地な大家とビスケットで意思疎通を始める女性など、最初はホワッとした話から、じわじわと小川洋子らしい言葉によってやさしく物を撫でるような表現の作品に沈み濃縮されていく。 表現の秀逸なコンソメスープの作り方とやり投げの槍と選手の肉体の話は、小川洋子の真骨頂であろう。個人的に好きなのは、やはり『死んだおばあさん』だろうな。小川洋子の話っぽくはないが、本作では一番印象的な話だ。最後にまたもう一度拾われるあたり、作者もこの中で重要な作品と感じているのだ。 全体に中年以降の設定の人たちの話になっており、全体のテーマとしてもそれぞれのテーマとしても「死」を見つめる話がほとんどだ。ガラスのような…というのも、硬さを感じないため少し違う気がする。砂の城のような儚さが、本作の醍醐味であろう。 それぞれの作品のテーマで、長編を書いて欲しくなるし、読んでいて小説を書きたくなる作品群だ。
0投稿日: 2023.08.15
powered by ブクログ本作品を読むにあたり二度、大きな衝撃を受けた。一度目は提示されている深刻なあらすじから、二度目は読む前と後で作品に対して受ける印象が180度変わった事からである。 反政府ゲリラの襲撃により拉致された人質たちは、過去を朗読会という形で語り合い、お互いの声に耳を澄ませる。それは犯人を始め誰からも脅かされる事のない確固たるものである事を物語っており、力強さを感じた。決して損なわれない過去という名の要塞を、小さな扉を開けて誰かと共有出来たら、とても素敵だし愛おしいなと思った。 今作の朗読者だけでなく、死は誰もがいつか直面する事である。漠然とした不安を抱えていたとしても、歩んできた道のりを、そしてこれから築いていく過程を大切にしていけたら、心の中は暖かな陽射しに照らされていくのかなと考えた。
1投稿日: 2023.08.08
powered by ブクログ海外で反政府ゲリラに襲撃され人質になった8人がそれぞれの物語を綴り行った朗読会の話。緊迫した状況の中紡がれる物語が胸に響く。空気感が好きで静かに流れていくこの朗読会がずっと続いてほしくなる。もし私がこの場にいたら、語れる物語はあるのだろうか。
4投稿日: 2023.08.03
powered by ブクログ反政府ゲリラの人質となった日本人のツアー客。囚われの間、静かに丁寧に語られる自分自身。心のなかにある一瞬は他愛もない日常でありながら、どこか非日常を滲ませる思い出たち。けれど、それはどれだけ貴重で愛おしく大切なものだろうか。 祈るように願うように。
0投稿日: 2023.08.01
powered by ブクログ小川洋子作品は曖昧すぎて分からない…という人は、この作品なら楽しめるのでは…と思ったが、どうだろうか。個人的にはB談話室が好き。 周囲の友人からは「小川洋子は意味不明すぎる」と不評(?)なのだが、作者は何を伝えたいのか?とかいうのは考えなくていいと私は思う。 本人も認めているが、彼女は社会や読者を意識して小説を書いていない。彼女が書きたいこと、残したいことをただ記している。私たちはそれを覗かせてもらっているだけでいいのだ。そこから、彼女の意図が分からずとも勝手に解釈していいのだ。 小川洋子は、仄暗い場所にいる人や知らずのうちに去っていった死者たち、そんな在るはずだけど掬い上げなければ見えない人たちの声と人生を記していく作家である。これについても本人が、無数の死者たちの秘書係でありたいことを話している。 この作品は、そのことがすごく分かりやすいストーリーだったのではないだろうか。 そもそも、彼女は言葉では辿り着けないような心理を表そうとして執筆する。ならば、「読み解く」なぞ難しいのだ。五感で読むのが小川洋子作品。 ただ、自分からは認識できない誰かの声や人生をそのまま聞かせてもらえばいい。そこから心や耳や肌で、何かを感じれればもっといい。 それが私の小川洋子の読み方である。 小川洋子作品の虜である者として、読みやすいと感じたこの作品で、読み方の例をシェアしてみたくなった次第。 みなさんは、どのように小川洋子作品を感じていますか。気になりますね。 少しでも多くの人が、彼女の静謐で仄暗く、守られている世界を楽しめますように。
0投稿日: 2023.07.30
powered by ブクログ海外観光ツアーの参加者7人と添乗員1人の日本人8人が、反政府ゲリラ集団に襲撃され人質となった。 人質たちはそれぞれ物語を書き、それを一晩ごとに一人ずつ読んでいくという朗読会を開いた。この本に収められている9つのお話は、人質たちの物語と、人質救出作戦に参加していた政府軍の兵士の物語。 個人的には第七夜の「死んだおばあさん」と第八夜の「花束」がお気に入り。悲しい思い出や辛い思い出、恥ずかしい思い出でも、大切にしたいと思えることってこういうことなんだろうな、と思う。 一番心に残ったのは、第九夜の以下の言葉。 pp. 224-25 彼らの朗読は、閉ざされた廃屋での、その場限りの単なる時間潰しなどではない。彼らの想像を超えた遠いどこかにいる、言葉さえ通じない誰かのもとに声を運ぶ、祈りにも似た行為であった。その祈りを確かに受け取った証として、私は私の物語を語ろうと思う。
2投稿日: 2023.06.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
見知らぬ土地で人質になり、いつ殺されるかも分からない8人が、過去の何気ない思い出を朗読していく話。 人質たちが語る思い出に出てくる人物は、名前すら分からないような人たちばかりで、そこにドラマチックな展開があるわけでもない。でも、それを死の間際に思い出すのは、何気ない物語が、語り手の中に深く根を下ろしている証でもある。 自分が選びとって生きているつもりの人生の中には、一体いくつの何気ない物語からの影響があるのだろう。そんなことを、ふと思った。
0投稿日: 2023.06.24
powered by ブクログ異国の地で人質として亡くなった人たちの朗読会。もし自分が同じ立場であれば何を話すかな…そんなことを少し考えながら読み進めた。 やまびこビスケットの話とコンソメスープ名人の話が好き。 当たり前だけど皆んなさまざまな過去を持っていて、たとえその人が亡くなっても過去は消えない。エピソードは残り続けるんだなと。 語った人たちの年齢や職業を見ると、皆んな普通の(?)と言うと語弊があるけれど…語ったエピソードの後で人生をしっかり歩んできたのが分かる。 それが好きでした!
1投稿日: 2023.05.23
powered by ブクログ小川洋子の小説が好きだったので読んでみた。やはり表現は洗練されていて水のよう。ただ、内容については消化不良になってしまった。時間をおいてまた読み返したい。
0投稿日: 2023.05.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あらすじだけ読むととんでも展開だが、いざ第1夜が始まると、不思議で切なくて温かい小話が続いていく。特にやまびこビスケットが1番感情を揺さぶられた。B談話室も、自分も真似てやってみたくなる面白さ。実際はそう都合良く1席の空いた席など無いだろうし、集まりによっては部外者が混じると絶対にバレるだろうが。 自分ならどんな話をするだろうと考える、と共に、こんな機会があることを夢にみて、話を考えておきたくなる。 どの話も面白く、また読み返したい1冊だ。 "『sEIrI seITOn』丸テーブルの真ん中に、どうにか整理整頓が完成した。〜「英語の文字でも整理整頓と書けるんだねえ。なかなかいいよ。気に入った」〜私たちは『sEIrI seITOn』をしばらく眺めたあと、二人で分け合った。大家さんがsEIrI seITの九個、私がOnの二個を食べた。"p54
0投稿日: 2023.05.05
powered by ブクログ山奥で人質として囚われて亡くなった8人とその現場を傍聴していた軍人1人の朗読、それがラジオで放送されるという形式の9話 一人ひとりの心の中に残っていたエピソード 不思議な話もほっこりするような話もちょっと冒険みたいな話もあるけど、それらすべてが人質に囚われた人から発せられるエピソードであるという前提があるので 単に楽しいという気持ちではいられなくなる 自分の死が差し迫っているかもしれない状況で思い出される話は何だろうと考えたが 結局そのときになってみないと分からないと思った 明日があると信じて疑っていない今は、目の前にあることに精一杯で過去の一点をぽんっと思い出すことができない もう自分には未来はなく、過去しかないのかもしれないと感じている人が思い出す大事な記憶を垣間見ることで、自分が今生きていること、それがこれから何十年と続いていくと思っていることを実感させられる一冊だった
2投稿日: 2023.03.17
powered by ブクログ手の届かない場所へ行ってしまったとしても、彼らの語る物語は消えない。彼らの過ごした過去は揺るがない。だから、大丈夫。
0投稿日: 2023.02.17
powered by ブクログ人質の朗読会 小川洋子 異国の地で人質となり亡くなった8人。彼らが拘束された期間に行っていた朗読会。自らの物語を語る。 短編小説集という形で構成され、最後9章で通信を盗聴していた特殊部隊員が自らの物語と盗聴していた朗読会を重ね合わせることで締め括られている。 朗読をハキリアリの行進と例えている
0投稿日: 2023.02.15
powered by ブクログ遠く隔離されたところで人生のある時を語る人質たち。彼らはやがて殺されてしまう。でも今まであったさりげないことを楽しく話している。朗読会。 観客は人質たちと見張り役の犯人。 それは絶望ではなく、今日を生きるための物語
1投稿日: 2023.01.08
powered by ブクログ感想 残酷だが美しく優しい物語。初めから死の結末が見えている。読み進めるのがとても辛く覚悟を要するが、我々読者は結末を見届ける義務がある。
0投稿日: 2022.12.12
powered by ブクログそれぞれの人生の一場面を切り取った物語。 最悪の状況の中でもわずかな光を求めていく。 そして苦しみから逃れる今を生み出していく。 全員救われてほしいと願ってしまう。 そしてコレがまるでノンフィクションのようなリアルで見えてくる。 小川さんの凄さを知った感じだ。
1投稿日: 2022.12.08
powered by ブクログ小川さんのを読むと優しさと容赦のなさって共存するんだなと思う。 花束はこういう話が書きたかったんだと思うほどに大好き
0投稿日: 2022.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
異国の地、隔絶された場所で人質となった8名が始めた、人生のささやかな一場面を切り取った朗読会。 慎み深い拍手で始まるその会の内容に絶望は感じられず、淡々と、しかし鮮明な印象を残す。 結果的に人質全員が死亡するという結末が冒頭からわかっているがゆえの哀しみもまた、物語ひとつひとつに華を添える。表現力、語彙の豊かさにまた心が動かされる。 名作だ。
5投稿日: 2022.11.08
powered by ブクログ初の小川洋子先生作品 短編集なので、次々と読めた。 不思議な感じ。 日常のようであり非日常な感じでもある。 B談話室でなんとなくソワソワ 死んだおばあさんで不思議な気分 頭と最後でなんでかなぁとなった。
0投稿日: 2022.10.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
わたしがもし異国の地で、生きるか死ぬかの状況に置かれたら、何を思い出すのかな…そんなこと思いながら読んでいた。 8人の人質と1人の政府軍兵士が思い出したのは、決して派手な話でも、人生が順風満帆な時期の話でもなかった。むしろ世界の片隅で孤独や死の気配を感じながら生きている、そんな一場面だった。 でも暗いだけじゃなくて、一生懸命自分の人生を生きている人たちもいた。個人的には、やまびこビスケット、のお話が好きだった。胸が温かくなった。 それぞれの朗読の最後に記された年齢、ここに至った経緯を見ると、9人ともその後の人生をちゃんと生きてきたんだと当たり前のことに気付く。語られた記憶をきっとお守りのようにして、粛々と生きてきたんだろう。 それぞれの人生は、普通なら賞賛されることなく見過ごされる。でもこうしてよく耳をすませるとハキアリの列のような美しさがあるんだと思う。
9投稿日: 2022.09.20
powered by ブクログヤマネのぬいぐるみとビスケットのエピソードで涙が出た 彼ら彼女らのこの朗読会の終着点は初めから明らかにされている。そしてこの朗読会自体がどのように行われていたか、目にした人物は1人も現れない。ただ、祈るようにそれぞれの人生の断片を、ちょっとした日々の物語を読むことしかできない。私たちに、彼らは救えない。 それでも、この朗読会に宿る静謐な神聖さは、人生そのものの神聖さでもあるし、物語がある意味なのだと思った。
2投稿日: 2022.09.19
powered by ブクログ10000円選書本 静かな物語だな、、、読後すぐに思った。 冒頭に書いてあった、鳥の声が聞こえてきそうなほど、静謐な本。 人質たちは死を感じていたのだろうか? だから彼らの話には、死が見え隠れしていたのだろうか。 各話の最後に、朗読を行った人たちの年齢や職業が記録されていた。物語を読み進めるうちに、この話はどんな人が語ったのかな?と、その一文を心待ちにしている自分がいた。 もし自分がこの立場に置かれたら、何を語るかな。 なぜ彼らはそれぞれ、その話を選んだのだろうか? 案外、人って、人生ってそんなもんなのかな、、、と。 取るにたらない小さな出来事が、少しずつ心の中に溜まっていって、私という人生を形成していくものなのかな、、、。
0投稿日: 2022.09.06
powered by ブクログ海外で紛争に巻き込まれて人質となった8人の日本人と政府軍兵士の朗読。という、よくわかるようなわからないような設定。 全部で9編のオムニバス。 冬眠中のヤマネと、コンソメスープの名人が好きだったかな。
0投稿日: 2022.08.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
冒頭で人質となった8人の顛末が記されていて、それを知っているか知らないかで、8人の語りの受け止め方は違ったかもしれません。8人の語ることは日常の一コマかもしれませんが、それが生きた証なのでと思う。静かに愛しそうに語られる話を読み終えるたびに、目を瞑りその情景を想像しました。 改めて丁寧に読み返したいと思った。
1投稿日: 2022.08.10
powered by ブクログごく普通の一般人の、平凡な人生の中に埋もれている唯一無二の瞬間が、極限状態の中で浮彫りに。 人質になった8人と、彼らの話を聴いていた一人の青年の物語。 いつも未来のことを思って前に進みがちだけど、決して失われることのない過去の大切さに今さらながら気付かされました。 自分だったら何を話すだろうか。日々の何気ない暮らしがとても愛しく思えた一冊でした。
1投稿日: 2022.07.25
powered by ブクログ遠い異国の地。反政府ゲリラに囚われた日本人観光客たちが自身の思い出語っていく。 とても人質に取られているとは思えない程、穏やかな時間が流れていきます。 他人からしてみれば、何の変哲もない日常の出来事も、当人には深く胸に残る思い出だったりする。 死を目前にしたとき、一体何を思うのだろう、、、? 案外、何気ない日々の日常を思い出したりするのかもしれない。 そういった日々の積み重ねこそが生きた証になるのだから。
0投稿日: 2022.07.11
powered by ブクログ囚われの人質たちは、己の話を朗読する。 それぞれの暮らしがあり、事情はさまざま。 人の思いに想い馳せる。
0投稿日: 2022.03.21
powered by ブクログ小川さんの書く物語が本当に好き。 タイトルの通り、人質の語った過去の体験を物語として朗読するという話。 1話1話読み終わった後に、あぁ、この人は亡くなっちゃったんだな…と何とも言えない感覚になる。
0投稿日: 2022.03.17
powered by ブクログその人たちはもう死んでしまって、いくらその物語が輝いていても、この先動くことはない。 物語を読んだ後の、その人の簡易なプロフィールが一層物語を感慨深いものにする。
0投稿日: 2022.03.14
