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死者の奢り・飼育(新潮文庫)
死者の奢り・飼育(新潮文庫)
大江健三郎/新潮社
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総合評価

201件)
4.0
64
69
39
9
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    大学入試の直後(最中だったかも)に読んで、その文体に衝撃を受けました。「ブンガク」のパワーってすごい、と感動した記憶があります。 長崎大学:環境科学部 教員 正本忍

    0
    投稿日: 2013.10.03
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    表題作『飼育』は1958年上半期芥川賞受賞作。鮮烈な抒情が作品の全編を覆う。かつて、これほどに衝撃的な作品があっただろうか。これこそが「我らの時代の文学」だと確信した。大江と同時代を生きることの幸福を思ったのだ。世代は親子ほどにも違うのだが、それでも強い共感性を持って読むことのできる文学がここにあった。少年であることの震え、再び還ることのない(本当はそうではないのだが)無垢がここにはあった。僕たちはもはやそこには還れない。強烈な渇仰と郷愁がそこにはあったのだ。僕たちは大江と共に何かを失くしてしまった。

    0
    投稿日: 2013.09.26
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     大江健三郎、初期の短編集。死体を移し替えるアルバイトがやっかいな方向にずれていく「死者の奢り」、閉鎖的な療養所で起こる思想的改革の顛末「他人の足」、パラシュートで降りてきた敵兵の黒人を村人が飼育する「飼育」、バスの中で起こる外国兵による屈辱的行為とその傍観の責任を問う「人間の羊」、村を訪れた通訳の靴を巡って起こるいざこざ「不意の唖」、脱走兵をかくまうことになった兄弟の葛藤「戦いの今日」。  どれも非常に面白かった。共通して戦中・戦後の様子が描かれているが、全く古さを感じない。おそらくそれは、ともすれば政治的な展開になりそうなモチーフを、あくまで物体として捉えた人間を中心に描写しているからだろう(このあたりが実存主義と言われる所以だろうか)。特に人の皮膚の微妙な変化に対する感性が鋭く、生々しい。そしてストーリーは、不思議とどこか暗喩的に感じられる。現代にも置き換えられそうな気がする。

    0
    投稿日: 2013.09.17
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    作家デビュー作「死者の奢り」を含めた6作を収録した短編集。芥川賞受賞作品集。 その世界にどっぷり引き込まれたのは表題の「死者の奢り」と「飼育」。どの作品も生きている者と死んでいる者の境界線が付かなくなるような、饐えた臭いを感じながら息苦しい気持ちになって読み進めた。描写が精巧なため、鮮明に映像を描くことができる。読めば読むほど、本来閉じ込めておきたい人間の黒い部分を引きずり出されるような感覚になった。 こんな作品を著者は23歳の時に執筆したとは。

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    投稿日: 2013.09.07
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    名作ばかり。大江らしい閉塞感に息苦しくなりながら読む。死体安置室、療養所、山奥の村など。自分の外側にいるならば生きている人間も死体も同じ理解不能な他者なのか。

    0
    投稿日: 2013.09.03
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    溢れる若さと自意識。張り詰めた肌の向こうで冷ややかに膨張しているような感じ。それは「僕」のものでもあるし、きっと大江自身のものでもある。 死者との語らいの中で、生と死の境目を探そうとするその筆致は、若さゆえの痛々しさや荒削りな表現を孕みながらも、この時点ですでに、小説を読ませるという部分において洗練されている。 むしろその、文体的な意味でも、内容的な意味でも、大江自身の若さが「僕」の煩悶する内面を鮮やかに反射して、ぞくぞくするほど面白い。

    0
    投稿日: 2013.08.09
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    屈辱、裏切り。 後ろ向きな思考が躰の奥深くに淀み、 ネガティブな感情で心の傷が溢れかえる。 根底に流れるのは恥。 誰もが隠しておきたい嫌悪すべき意識を 否が応でも引きずり出す。

    0
    投稿日: 2013.06.22
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    表紙からしても、作家のイメージからしても、タイトルからしても、 ちょっと取っ付きにくい本ではある。 しかし、『静かな生活』が、映画から入って大好きで、 原作も読んでとても良かったので、これも買った。 以前、『洪水はわが魂に及び』も読んだが、それは長編すぎて少々骨が折れた。 この短編集は、読みやすい。しかし暗い。落ち込むほど暗い。 純文学とはこういうものだ、という礎のような作品ではないかと思う。いい意味でも悪い意味でも。 中でも「飼育」が好きだ。 戦争直後の日本の混乱期、まだ米兵が定着していない様が、逆に新鮮身を以て戦後世代に語りかける。 戦争は終わらない。この作品が描かれた頃も、そして今でも。 それを実感する作品群だった。

    0
    投稿日: 2013.05.06
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    冒頭を少し読んで物語に入り込んだ瞬間から、あまりの文学としての迫力に震えながら読んだ。こんなもの、初めて読んだ。本を読んで心を揺さぶられるということは、こういうことなんだろう、と。感動的でメリハリのあるストーリーや衝撃的なオチなんて、全く必要ない。静かに、美しく淡々と語る。それだけで、こんなにも、世界を創り出すことができるなんて。人物像とかノーベル賞とか、政治的立ち位置とかはよく分からないけれど、こんな文学が存在できるなんて。日本文学の戦後派の流れの中にこんなに素晴らしいものが生じたなんて。信じられないけれど、ほんとうに嬉しい。

    1
    投稿日: 2013.04.04
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    文学的能力がいまいちの私にはいずれの話もよく理解できないものの、「難しくて読めなくて進みません」という感じでもないところが不思議。 「何か大きなテーマが背景にある」とも思わないし、だからといって、「雰囲気を楽しむだけ」の小説でもないように感じる。 現時点では、私にとって、自分の中に不思議な感覚を残した小説という位置づけになるのみだ。 いつかまた読みたい。

    2
    投稿日: 2013.02.19
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    新潮文庫のフェアだったのは2001年。2008年になってようやく読み終えた。はじめに読んだのは『人間の羊』。19歳位のときに。 冷静で冷徹な文章なのに、大人のひとで、どうしてこんなに子どもの気持ちを判ってくれるんだろう。

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    投稿日: 2013.02.05
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    ・生々しい色合い、くぐもったにおい、閉塞感。文章が目を通って脳を経由し、視覚、嗅覚、触覚に還ってくる。嫌な感触を残す。 ・あとがきで「人間の羊」にこめられた意味を知り、鳥肌が立つ。他の人の書評読んでいると一編一編に含蓄があるのだろうか。再読・検討したい。 ・大江さんとは生まれ育ったバックグラウンドが違うのに、現代の自分にこんなにも衝撃を与えている。文章の力、凄い。

    1
    投稿日: 2013.01.26
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    作者に病的な変態を感じながら、読みました(笑)。 しかし、そこから見る観念の世界はねっとりとして、なんと美しく妖しくきらめいていることか! 社会に縛られた安直な倫理や既存の価値観に、ぐらぐらと揺さぶりをかける美しく強い観念の磁場がここにあるような気がします。

    0
    投稿日: 2013.01.22
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    やはり保存処理された死体をラベリングするアルバイトについてが非常に秀逸で、新しい生命の奢りも含ませることで簡単に死生観を片付けてはいない気がする。生き物は死ぬと文字通り、物に戻ってしまうのだろうか…考えずにはいられない。

    0
    投稿日: 2012.12.22
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    手放しで称えれる大江健三郎の短編集。個人的には"他人の足"に深く感銘を受けた。 また、"飼育"には考えさせられた。期待を殺がれる、見放される、裏切られることで大人への道が生まれる。ある年齢までにこれらのことを深く経験していない、またはこれらのことに疑問を抱かない人間は金輪際大人になれないのではないかと思う。大人とはどんなものか、という基準の在り処は少年の目と心から見る大人の姿にある。

    0
    投稿日: 2012.12.01
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    ひさびさにすごい本を手にしてしまった。 今まで横目で気にしつつも、なんだか高いハードルがあるようで避けていた大江さん。 やはりすごい方でした。 傍観者への嫌悪と侮蔑をこめた『人間の羊』を、とりあえず読み終わったけど・・・ 最後すごいな・・・! まさかそんな終わり方とは! こんな短編でここまで人間のなんというか、複雑さをまざまざと見せつけられるとは- これ、中高生に読ませた方がいいよ。 これ読んで何も気づかずいじめ続けるやつは一生いじめつづけるし、一生気づかないよ。 人間の尊厳というものがいかに重くていかに軽いか。 これをよめばよくわかります。 ふぅっと吹き消せば消えてしまうくらいのものだから、 一生懸命みんなで守っていかなければならないのかもしれない。 他のものも読んだらレビュります。

    0
    投稿日: 2012.08.05
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    死体を扱うという見慣れぬテーマながら、そこに生じる人間社会とは異質のコミュニケーションと、そこから振り返って見る、生の新鮮な再発見、人間社会のコミュニケーションへの戸惑い、すべてがどこか馴染みの深いもののように思われた。 死体の存在感についての描写は興味深い。現象学的に、僕らが生命ある者に向ける目と、生命なき<もの>へ向ける目の違い、またそれらが移り変わっていく様子がよく捉えられている。生きている人体に対しては、内在する力の働きや一つの生物としてのゲシュタルトから、「内部」へと透けて染み込むような存在感を感じるのに対し、完全な死体はやけに「表面」としての不透明な存在に感じられるということ。また、自分との関係から重要な性別の判断や、頭に対して感じていた存在としての意味の重さも、死体に対しては欠落するということ。普段、生きている人間をどう見ているかがわかる、とても参考になる証言だ。 内容そのものは、これだけで驚愕したりはしない。23歳での観察力と表現力はやはり凄いけれど。

    2
    投稿日: 2012.07.05
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    恥ずかしながら大江健三郎の『小説』を読了できたのはこれが一冊目だったりする。 (『あいまいな日本の私』『私という小説家の作り方』が既読ではあるが) まずはとにかくも濃密な文体だという印象である。よく大江は、ありとあらゆる面で村上春樹と比較されるが、村上の文体は考えずともすらすらと呑み込んで行ける文体であり、大江のものはよく咀嚼しなければ意味が把握できないという点で決定的に異なっていると思う。然るに意味を把握するのが難しいと言えども、一度その文章に潜んでいる濃密さを味わってみると、これは一冊読んだくらいで何を偉そうにという話だが、なるほど一部には大江の文章に魅了される人々が出るのも判らないでもない。まあ、読み進むのに時間がかかるという難点もあるが……。 これが非常に初期の作品集であるということにも驚かされる。最近の芥川賞の作品等を読むとしばしば生まれてくる感情、つまり、「この程度の作品なら、ちょっと頑張れば俺でも書けるんじゃないか」 と言った奢りを含んだ感情が、この大江の作品を読む限りでは全く生じないのだ。要するに少なくとも僕は無意識的にも全く大江の才能には惧れ入ってしまったわけだろう。 『死者の奢り』はある種優等生のような作品でなかろうか、と思った。つまり小説に必要な伏線、描写、起承転結の話の運び等が非常に整っているのだ。なるほど大江のこの短編集を買って、初めにこの作品を読まさせられたら、嫌が応にも 「こんなレベルの作品は俺には到底書けないな」と思わされてしまうわけだ。しかし、この短編集全体を読んだ後に振り返ってみると、意外なほどインパクトの強くない作品であることに驚かされてしまった。これは『死者の奢り』が弱い作品であるというわけではなく、他のものが強すぎるということを意味しているのだと思う。 『飼育』には全く畏れ入った。色々な大江のエッセンスがこれでもかと詰め込まれており、濃密なこの6作の内でも群を抜いて、あたかも黒人兵の体臭のように『濃い』作品である。あまりに密度が高いため、短編でありながら一気に全部読むことはできず、消化に時間を掛けながらじっくり味わって行った、という感じだ。 『人間の羊』。まさかこの短編集で笑ってしまうとは思わなかった。何かのコントのようだが、それは人間の持つ本能的行動や心理を描き切った文学的なコントなのだ。普通の人間がとあるきっかけに狂気に走ってしまうことがあるという事を再確認させてくれる。教員はきっと学校では熱血教師で通っているに違いない。 『不意の唖』『戦いの今日』も優れた作品だと思うが、前4作が突出しすぎているために少々物足りなさを感じた。言い換えればその文体の密度が他よりも良くない意味で低いと感じたのである。前4つの作品だけなら非常に満足できる短編集という印象だが、そこにこの二つを加えたのは少々蛇足だったかな、という印象がある。事実前4つが『死者の奢り』の単行本に収録されていた作品であり、この二つはそうではなかったようだ。

    1
    投稿日: 2012.06.10
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    読んでいると、鬱蒼とした森の中にいるような気分になる。 顔はしかめっ面になり、息苦しくなる。 命の扱われ方が明らかに違う。 悲哀に満ちたものではなく、必然性を感じさせる。森の中では命のコントロールは効かない。 あとは過剰な自意識がもたらす余計なことの数々。心がちくちくする。 読書にコストパフォーマンスって普通意識しないんだけど、大江健三郎は特別。この薄い一冊にこれでもかと重石を乗せてくる。

    0
    投稿日: 2012.06.09
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    解説は江藤淳。解説の解説が欲しい、切実に。 「「思想を表現しうる文体」とは実存主義的認識をてぎわよく小説化した、というほどの意味である」 人間を、特に米兵を、特に黒人兵を、動物として見ている。動物とは分かり合えない他者。 閉塞した状況に分かち合えない他者が訪う寓話群。 他者への屈辱と蔑視、怒り。 それらは黒々とした雄々しい陰茎へ仮託されている。陰茎は交わることがなく、ただそそり立つ。

    0
    投稿日: 2012.06.02
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    下記の六つの物語から成る短編集である。 •死者の奢り •他人の足 •飼育 •人間の羊 •不意の唖 •戦いの今日 このうち、”死者の奢り”、”他人の足”と残りの四つの物語とは題材によって分けることができるだろう。 ”死者の奢り”、”他人の足”では絶望という状況までは追い込まれていないが、希望も無い、どこにも行けないという閉塞感が漂っている。”死者の奢り”の主人公•僕は次の言葉を述べている。 「希望を持つ必要がないんだ。僕はきちんと生活をして、よく勉強しようと思っている。そして毎日なんとか充実してやっているんだ。僕は怠ける方じゃないし、学校の勉強をきちんとやれば時間もつぶれるしね。僕は毎日、睡眠不足でふらふらしているけど勉強はよくするんだ。ところが、その生活には希望がいらない。僕は子供の時の他は希望を持って生きた事がないし、その必要もなかったんだ」(p39) そして、”飼育”、”人間の羊”、”不意の唖”、”戦いの今日”では戦後間もない日本人と、駐留する外国人兵士との出来事である。描かれているのは支配、被支配の関係に生じる衝突ではない。反発を覚えながらも見慣れぬ兵士たちの風貌に興味と憧れを抱く描写がある。ここで身勝手に振る舞い、両者の空気を濁しているのは間に立つインテリ階層の人々なのである。”人間の羊”においては、兵士の暴力を止めずに、事後において同じ被害者のように振る舞い、兵士たちを権力に訴えるべきだと忠告してくる教師であり、”不意の唖”では日本人通訳。”戦いの今日”においては朝鮮戦争反対を訴えるパンフレットを作りながらも、戦争が嫌で脱走してきた兵士に対しては何も手を差し伸べようとはしない知識人。 六つの短編に共通していると思われるのは、どうしようもない閉塞感や不安、いらだちである。その対象は変われでも、問題は解決する事はなく、どこにも逃げられないのである。

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    投稿日: 2012.04.24
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    何とも言えない閉塞感、息苦しさ、違和感、グロテスクさ、初期大江文学の傑作がここに!特に、「飼育」が良い。

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    投稿日: 2012.04.14
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    外国人の描写が凄いなぁ…。 体臭、筋肉、皮膚や体格の違いが細かく書かれていて、戦中・戦後すぐの日本人がそれを奇異の目で見、時に恐れを感じてる姿がなんだかリアル。 外国兵の力を笠に着て威張る日本人、外国人に同胞が屈辱を味わわされても見て見ぬふり、それどころか外国人と一緒になって笑って見てる日本人の姿も怖かった。 「飼育」は、最初恐れていた黒人捕虜とだんだん友情めいた物を築きながらも、所詮今は戦争の真っ只中であり相手は敵兵だという現実が、幼い少年に残酷に突きつけられる様が読んでいて怖くて悲しかった。

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    投稿日: 2012.03.19
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    命あるものとないものの境目を探る『死者の奢り』、閉鎖された社会における調和とその崩壊を描く『飼育』、どちらも名著である。

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    投稿日: 2012.03.06
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    高校の授業で出会った本。 高校で出会えて本当によかった。 先生のチョイスに感謝。 いろんなことを考えた、と思いださせてくれる一冊。

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    投稿日: 2012.03.04
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    外界とは隔絶された閉じた世界に生きる人々に対する、おぞましい程の強い肯定。他者との接触により生じたわずかなヒビが、彼らの世界と外界とを隔てる壁に少しずつ、穴をあけようと音を立てて浸食していくのです。他者との繋がりの中に自己を見出しながらも、結局は自分だけの世界に還っていくさまに、なぜだか勇気づけられたような気がしました。 死体処理室の水槽管理のアルバイトの青年の心を描いた『死者の奢り』、一般とは隔離された療養所に生きる少年たちの『他人の足』、ある村に捕虜として連れてこられた黒人兵と村人とのトラゴイディアを描いた『飼育』。この3篇には、孤独な自己と社会とのより強い繋がりを感じます。自分にとってこの3篇は、ある日突然やってくる晴天の霹靂に打ちひしがれることのないよう、立っていられる強さを与えてくれるような物語でした。それらは同時に、人間の孤独と業を力強く肯定する物語なのです。

    0
    投稿日: 2012.02.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「死者の奢り」☆2 女子学生という言葉だけで可愛い女の子を想像する私は、多分この作品の真意を分かることはないでしょう。 なんでしょうね、なんか通して取っ散らかってる感じが凄く強かったです。 書きたくて書いた文章なのでしょうか? 若い人間性描写は凄く上手いですね。というか、文豪と言われる人は若い人間性描写がとても上手いと思います。それが流行りでもあった時代だったのでしょうか? 基本的に、主人公は「持っていない」人間であり、自分の目を通して見た周りの世界は主人公に優しくない。鉄板ですね。 多分、周りが幸福だった時代に受ける作品なのでしょう。今の時代は、やはり頭空っぽで楽しめる作品のほうが良いです。だって、本読んだ後、周りを見ればささやかな幸せのある一昔前の日常とは違い、今は絶望に囲まれている人が増えているのだろうから。 とはいいつつも、主人公が「持っている」設定があまり好きでは無くなって来ました。いや、何も持っていない主人公には魅力を感じないので、「持ちすぎている」主人公に魅力を感じないのかな。 他人の足☆2 情景と人物描写はやはり秀逸。 でも、昔の本ってなぜ性的な描写が必ずといっていいほどあるのだろう。 今の漫画のパンチラみたいなものなのかな。必要か。 つまり今現在の書籍としては不要な描写なのではないかと思う。少なくとも私は読んでいて不快になるので。作者には「人間ってそういうものでしょ?着飾んなよ」的な考えがあって、私を含めて多くの人にとってはその通りなのかもしれないけど、作品としてみた時にどうなのよ、と。うーん。やはり文学作品は私には合わないんだろうな。小学生の頃から感性育ててなかったからなぁ。 私がシモネタをあまり好まないのも影響してるのかな。TVで芸人さんが言ってるのは笑えるんだけど、一般の方が話すのを聞くのは楽しめない。多分、私がコミュニケーションよりも別な何かを大切にしてるからだとは理解してるけど、それが何かは分からない。普通の人はコミュニケーションを重視するから、受けが良いシモネタ好きなんだろうな、と思ってるけど、この考えは合ってるのかな。 話がそれた。この作品で好きな描写は、学生さんと主人公の部屋での会話です。さすがに上手い。終わり方も、しっくりくる終わりかたかな。というか、この著者はこういった終わり方しか書けないような人に思える。病んでるよなぁ。 飼育☆3 幻想上の世界をあたかも現実にあるかのように書くのはどれほど大変なことなのだろうか。この話は面白かった。 終わり方も結構綺麗だったな。起承転結が上手いのか。 ただ、表現が私には受け入れられない価値観で作られているので、この作風だと満点が☆3つという感じです。いや、お前は何様なんだとか言いっこなしですよ…… 人間の羊☆3 永沢くん理論での評価です。 永沢くん理論とは、あれだけ人をイラつかせるキャラを作るのは凄いけど、イライラするので減点、という私の判断基準。 教員が凄く、ああこんな人いるよね、と思わせぶりなキャラ立ちをしてた。けど、ドラマとかに出てきそうな架空のキャラっぽい印象が拭えない。 不意の唖☆2 不気味。 村社会とはこういうものだ、ってところでしょうか。 内容に関しては特にないかな。なんか唐突に人が死んで終わる作品2つ目?なんだけど、なぜそうなる。 戦いの今日☆1 この作品は意図が全く読めなかった。 まず、私が主人公だと認識している人を「かれ」と表現しているので、多分神視点なんだろうけど、どうもそのようには思えなかった。 内容も、よくわからない。テレビドラマな感じ・・・? 終わり方も意味不明。あそこで終わっていいの?主人公の心情は分かりやすく示したから読み取れってこと? 酒場の女の言った意図が、主人公を慮ってのことではないという認識(つまり周りに同調した)なんだけど、それもあってるのかな・・・どっちにしたってあそこで終わりはないよ。 ということで点数は低いですが、☆5評価が多い理由はわかりました。単純に作品を創る力、キャラクターの心情描写が格段に上手いんですね。私の好きなライトノベル著者になってくれていたら、信者になっていたかもしれない。

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    投稿日: 2012.02.17
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    これだから大江健三郎の読者でいることはやめられない。 読んでいると直接伝わってくる強烈で刻銘な感情。それらに大体出口はなく、人にやるせなさやもどかしさを感じさせ、ドロドロしていて何処かであったような体温に近い生ぬるさを持つ。 文字にこれほどまでに力を持たせ、それを短編という容器に癖のある文体で詰め込んだ本書は何度でも不快を覚悟しながら、手にとってしまう逸作だ。

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    投稿日: 2012.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初期短編集。全体に強い権力に対する反骨と恐怖が芯となって、どれも力強く、予想外に面白かった。「死者の奢り」は大学組織や死について等、消化しきれない感もあるが、その分わかりやすい。また、「飼育」「不意の唖」など米兵ものも恐怖の対象があっちこっちに動くのに対し、心理描写が秀逸。なるほどの名作。 (以下余談) 病院や研究施設に対する誤解を撒き散らしたとされる、大江の処女作。実は初読。「ホルマリンのプールの話なんて出てこないじゃないか!」ということ。「アルコール類」とされているので、クレゾールでもフェノールいいわけだ。それでも有り得ないけど。

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    投稿日: 2012.02.05
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    初めて読んだ作家だけど天才じゃないか・・・! 研ぎ澄まされた文章力で情景がありありと浮かび上がってきて、どの短編も記憶に残る。 間違いなくノーベル文学賞に値する一冊、今まで読んだなかのベスト10に入るかも。

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    投稿日: 2011.12.10
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    (1969.02.28読了)(1969.02.04購入) 内容紹介 屍体処理室の水槽に浮き沈みする死骸群に託した屈折ある抒情「死者の奢り」、療養所の厚い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無残な悲劇「飼育」、バスの車中で発生した外国兵の愚行を傍観してしまう屈辱の味を描く「人間の羊」など6編を収める。学生時代に文壇にデビューしたノーベル賞作家の輝かしい芥川賞受賞作品集。

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    投稿日: 2011.11.13
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    大江健三郎のデビュー作。短編集。 彼の作品を読むのは初めてだったが、良い。とても良い。 大江健三郎はこれを23才で書き上げたらしいが、なんというか、そういう時代だったのだろう。凄い人もいるものだ。 全体にどこかしら死の匂いが漂っているような感じを受ける短編集だった。 描いているのは日常そのものなのだが、一皮剥けばその内側ではものすごい熱量が蠢いているような、ぞわぞわした感じが終始止まない点はどの話にも共通している。 同じ人間だが言葉が通じない異質な存在として「外国兵」や「死者」というモチーフが数多く出てくるところも面白かった。『飼育』などは特にそういう話だったが、同じ人間でありながらコミュニケーションが成り立たない存在への恐怖心・不安感を書くことで、逆に人間というものについて言及しているようなところがある。 『死者の奢り』と『人間の羊』が特に面白かった。 日常を日常のままファンタジーとして描ける小説家は希だが、そういう小説家の一人なのだと感じた。 個人的なタイミングとしても、今読むことができて良かった。 他の作品も読んでみたい。

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    投稿日: 2011.11.10
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    『死者の奢り』 医学部の死体置水槽でバイトをすることになった青年の物語。その場に居合わせる管理人、青年、女子学生の濁った気持ちの触れ合いが、アルコールや死体の臭気と共に漂ってくるようでした。医学部の教師&生徒が賤民のような目で偶々そこに居合わせた僕を、管理人や雑役夫と同じように扱ったので、こういう差別や、嫌らしいエリート意識がまだあるのかもしれないと気づかされました。不本意な妊娠で歪んだ、女子学生の強烈な態度も印象的でした。

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    投稿日: 2011.10.03
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    初期の短編集。エロくてよいね。特に「他人の足」。彼の作品のなかで性の「イメージ」というのは全く排除されている。そういう生々しい性に触れているとグロテスクな感じもするし、でもときにはなんだか滑稽であったりもする。それをとおりこして直にエロくもあったりするよ。楽しいね。読みやすかった大江。

    0
    投稿日: 2011.08.28
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    大江健三郎がノーベル文学賞をとったとき、私はまだ高校生だった。 文学史が現代文の試験に出題範囲となっていたことがあって、一番最近の文学者として登場していたのが大江健三郎。 「ノーベル文学賞やし試験に出るんちゃうか」という周囲の声を何の感慨もなくそのまま受ける、たいして文学に興味もなかった私の大江健三郎に対する印象は極めて薄いものであったと思う。ただ代表作の名前ぐらいは覚えておいたほうがいいかもしれないと思い、その代表作は「飼育」という何とも地味な題名だったことだけが印象に残っていた。 「飼育」を結局読んだのは大学に入ってから。 何かで大江健三郎は「サルトルの影響を色濃く受けた作家」というのを読んでいて、そのためかどうかわからないが「死者の奢り・飼育」に入っている短編を読んでの私の感想は「サルトルはこういう作家なのか?」というものであったような気がする。 今思うと、読後にうまく吸収しきれない不思議さが残っていたのだと思う。どうしてこんなにねちっこい感じの文章なのだろうとか、「セクス」みたいな特殊な語感とか、何かを輸入してこないとこんな風にならないのでは、という感じがしたのだろうと思う。 実は現在に至るまでまだサルトルは読んだことがなく(「嘔吐」とか持ってるけど積読になっている)、今でもその時の読後感を引きずっているのかもしれない。サルトルを読んだ時、「死者の奢り・飼育」という短編集に対する私のイメージはどのように変わるのだろう? こういうのも読書の楽しみなんだろう。

    2
    投稿日: 2011.08.19
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    そうでした、大江健三郎への私の入り口はここだったのでした。 彼の姿勢はずっと一貫している気がしますね。

    0
    投稿日: 2011.07.19
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    高3の頃 最初に「死者の奢り」をよんで そのあと もう 滝に流れ落ちるみたいに大江健三郎ばかり読んだ時期がある 今となってはあまり思い出せないけど とても静かな文章書く人のようでいて テーマがけっこう 生臭いところも よい この人の目に 今の日本 どう映っているんだろう

    0
    投稿日: 2011.06.08
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    新聞で読むエッセイを書いている大江健三郎と、死体管理アルバイトの話を書く大江健三郎が、いつも結びつかない。

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    投稿日: 2011.03.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    芥川賞を受賞した作品。黒人兵が落下傘で村に降りてくるという設定だけでも超越したものがある。この作品の語彙や表現力、文章の上手さは読者をあっという間に大江文学の世界に引き込むであろう。驚くべきことに大江氏はこの作品を大学在学中に書き上げている。大江氏が奇才で鬼才であることを立証する作品といってよい。個人的な体験や万延元年のフットボールを読む前にこの作品を大江文学の入り口とするのもよいのではなかろうか。

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    投稿日: 2011.03.26
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    キーワードは、「死者の奢り」、「他人の足」、「飼育」、「人間の羊」ほか。初の大江san作品でした。難解な部分も多いですが、何度か読んでみたいと思います! 【第39回芥川龍之介賞】

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    投稿日: 2011.03.20
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    大江健三郎の本初めて読みました。今まで読んでいなかったのが自分でも正直不思議です。「死者の奢り」「他人の足」「飼育」「人間の羊」「不意の唖」「戦いの今日」といった6作の短編。 「死者の奢り」ではアルコール漬けの死体を移動させ、「飼育」では黒人兵を田舎の村で飼うといった突拍子もない設定は読んでいてどういった展開になるのか非常に興味をそそられた。この書籍は6作が6作とも濃い内容。また6作とも描写がリアリティに溢れ、恐ろしい光景だが目の前で起こっているかのように想像がつく。「飼育」や「戦いの今日」で感じたのが、緊張と緩和のメリハリが本当に素晴らしい。 大江健三郎の本をしばらく読み漁っていきたいと思う。

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    投稿日: 2011.03.03
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    最後に必ず出てくる、神経質かつ意地悪いどんでん返しがすごい好き。パッケージ化された善とか、本人は善と思い込んでるけどエゴとか、手品みたく見事に崩れて、暗く痛快。

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    投稿日: 2011.02.26
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    『死者の奢り』は都市伝説で有名な「死体を沈めるアルバイト」のもとになった、という話を聞いたので読んでみたのだけど…大江健三郎は難解です。なんだかどの話も、もやもやする感情が渦巻いているような、そんな感覚にとらわれるような雰囲気のものばかりでした。

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    投稿日: 2011.02.25
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    大江健三郎の若き日の短編集。若さと怒りと焦りと汗と体臭と日本人とアメリカ人、、、という感じ。文章にはようやく慣れてきたが、まだ心を突き刺すところにまで至っていない。このうつうつ感をすっと受け入れられるようになるのはいつのことか。

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    投稿日: 2011.02.03
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    一瞬だけ希望を持たせてから、同じ泥濘の中に引きずり戻す。 その諦観が、絶望が、途轍もない安寧をもたらしてくれる。

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    投稿日: 2010.12.06
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    本を開いた途端人や土や汗の濃い臭いが立ち込める。大学医学部の死体処理室での思考を綴った死者の奢りから、六編すべての根底を流れてるのは人の持つ暗闇。人間の奥深いところにあって原始的でどろりとした感触の、そういう本能みたいなものを感じる。

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    投稿日: 2010.09.13
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    屍体処理室の水槽に浮沈する死骸群に託した屈折ある叙情「死者のおごり」、療養所の暑い壁に閉じこめられた脊椎カリエスの少年たちの哀歌「他人の足」、黒人兵と寒村の子供たちとの無惨な悲劇「飼育」、傍観者への嫌悪と侮辱をこめた「人間の羊」など6編を収める。『閉ざされた壁のなかに生きている状態』を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集。 この本の中の痛々しい描写がどうにも苦手。 自分が読むにはまだ早い本だってことだろうか。

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    投稿日: 2010.09.09
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    個人的には、この作品の中の、人間の羊っていう作品が人間の傍観者的側面をうまくえぐりだしていたため、登場人物にめちゃくちゃ憎悪した。だけど、すごいと思った!

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    投稿日: 2010.09.07
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    久々に再読。 この淡々とした空気……特に表題作が好きだ。 少し鬱屈している主人公が、死体とは落ち着いて交流することが出来るのに、生きた人間とはうまく付き合えない……と半ばいらだち半ば諦め、しかしそれではいけないのかもしれない、とどこかであせっている気持がなんとなくわかる。 そして一緒に死体運搬のバイトをしている妊娠した女の子の投げやりな、でも真摯な気持も。 生きるということは、たぶん、いつでも歯がゆい。

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    投稿日: 2010.07.23
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    短篇集。大江健三郎はこれが初めてでしたが、すっかりハマってしまいました。おもしろかったです。『不意の唖』の終盤の張詰めた描写は特に印象に残っています。

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    投稿日: 2010.06.24
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    大江健三郎初期の作品集。 どうも戦争というものが色濃く反映されていて、それはそれで良いとは思うのだが、ここまで偏ると飽きるというか。 今の大江の思想を知っているせいか、どうも変なフィルターがかかってしまい、あまり楽しめなかった。 この時代の文壇が熱かったのは戦争があったからだとは思うのだが、戦争をそこまで書いていない作家に優れている人も多いのでそこら辺は何とも・・・。 戦争って安易なテーマといえばテーマだし(そういえば世相を反映したテーマってのは得てしてつまらないかも)。 「死者の奢り」「他人の足」は素直に面白いと思っただけに。 戦争がテーマでない作品の方が面白いというのは皮肉な結果かもしれない。 もう少しこの人の初期作品は読んでおこうと思う。

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    投稿日: 2010.05.01
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    大野中央図書館で。 正直、冒頭の表題作を読んだときは、いかにも「文学です」っていう感じの文体が鼻につく感じでどうかなと思ったけれど、1冊まるまる読むと案外面白かった。 設定がユニークなのと、人間の微妙な心の動きをとてもうまく表現しているところがすごいと思う。 「人間の羊」はわかりやすく、特に面白い。

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    投稿日: 2010.04.08
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    昔「性的人間」を読んでちっとも面白いと思わず、それ以来 なんとなく敬遠していた健三郎。 「死者の奢り」といっても、墓地を歩いていたらゾンビが現れて 一杯奢ってくれた話ではないです、勿論。 医学部の地下で解剖用の遺体整理のアルバイトをする主人公の話。 設定の面白さはいうまでもありませんが、大学生の主人公の抱く 曖昧な虚無と戦後の時代と三者のマッチングが妙。 短編の内容はどれも閉鎖的な場所が舞台で、主人公も皆内省的で 淡々としていますが、一見小さな事件の中に大きな激情のうねりを 感じるような作品ばかりです。 しかし、閉鎖的な環境内の法律もとい独特のルールのようなものと それに従わざるを得ない人間の弱さをあまりに的確にズバズバついて くるので、作家としては素晴らしいが友人にはなりたくないかも… そういった『ヤバさ』が魅力なのかもしれません。 これから暫く大江健三郎を読んでいこうと思います。

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    投稿日: 2010.03.01
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    この中では「死者の奢り」が一番好きです。 大江さんは舞台設定が神がかってると思う。 死体の臭いが漂ってきそうな臨場感が凄い。 大江作品ってなんであんなに臭ってきそうな作品ばっかなんですかね? 「飼育」は途中でギブアップしそうでした…

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    投稿日: 2010.02.12
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    芥川賞を受賞した「飼育」を含めた6編からなる。 どの作品も、無意識のうちに?意識的に?眼を背けてやり過ごしてしまい、なるべくなら生涯そこには注意を向けたくないような「暗部」がテーマ。

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    投稿日: 2010.01.30
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    ☆初レビューです☆ 「死者の奢り」「他人の足」「飼育」「人間の羊」「不意の唖」「戦いの今日」の短編6作。 人間の本能や醜い所を見事な表現力で書きつづっています。特に、「他人の足」では、決して自分と他人はあいまみえれない物なんだと感じました。心にずしんと何かを投げかける作品ですが、テンションは少し下がるかも…。。笑

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    投稿日: 2010.01.15
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    戦後作家のリアルな感情が伝わってくる作品群。 大江文学は生の根源、精神の根源を問いかけてくるように思える。 圧倒的な文章力。

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    投稿日: 2010.01.01
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    「死者の奢り」「他人の足」「飼育」「人間の羊」「不意の唖」「戦いの今日」の短編6作。 いずれも1958(昭和33年)の作品。 小さな村、バスの中で、静かな怒りを積もらせる人々が描かれている。 埃のように微かに感じた違和感が、怒りであったと知るのは物語が終わってからだ。 鈍感ではいられない。己の中の鋭利な感覚が煌めく。 ・・・なーんちゃって。 個人的には「人間の羊」の最後の暗転感が印象に残っています。 描かれていないのに叫び出しそうな主人公の姿が目に浮かびます。

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    投稿日: 2009.10.29
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    これも衝撃的だった。 他の作品も面白かった記憶がある。 どうして読まなくなったのだろう。 2002年5月31日読了

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    投稿日: 2009.10.27
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    死体の密度が伝わってきた。 普段意識されるまでに消えてしまうような わたしたちが感じる微細な感覚までも ここまで的確に言語化できているのはすごいと思う。 光の描写が印象的。 これが世界に認められたの大江さんかー。 奥がふかいなあ。

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    投稿日: 2009.07.31
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    年上人のすすめ、図書館 大江健三郎強化月間。笑 死者の奢り、他人の足、飼育、人間の羊、不意の唖、戦いの今日 小説に思想とか時代背景が入っているのですよね。 マスの権力暴力とマイノリティの反発(しかし形にはならないので鬱屈する) 性的人間等を書いたときと、心情が変わっているのがわかる。 飼育、は芥川賞かっさらったのにも納得。 戦いの今日、不意の唖 もよい。

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    投稿日: 2009.06.13
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    大江健三郎は、ちょっと読んでつまらなくってすぐやめてしまっていたんだけれど、今回読んでみたらめちゃくちゃ面白くってすぐに読み終わってしまった。こういう風に時が経つと趣向が変わるのは面白い。戦後の閉塞感溢れる様子が迫ってくる感じの文章だった。世の中の暗部を抉り出すような作品群は、よくあるきれいごとを描く作品とは一線を画していていい。現実感があるね。

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    投稿日: 2009.06.13
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    この人の描写力はほんとうにすごい。 臭ってくるし、いたたまれなくなる。 「他人の足」の、躁鬱が繰り返して躁に終わるところが非常に好み。 09.05.11

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    投稿日: 2009.05.11
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    今回は本そのものというよりも、読んでいるうちに最初にこの本を読んでいた頃を思い出し★4つ。もうすっかり茶色くなった文庫本は高校生の頃に読み衝撃を受けた覚えがある。どの辺だったろうと思ったが解らなかった。ストーリーにきちんと起承転結があり最後に落ちがあり解りやすい。そのきっちりとした感じが若いなと感じるのは私が年を取ったせいなのかなあ。もう人間としての尊厳も無く、死体という物体として何年も水槽の中で浮いたり沈んだりしていた死体。「徒労」という言葉が浮かぶ。

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    投稿日: 2009.04.26
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    どれもおんなじようにおもえてしまう。 それから文体が個性的、むしととりの比喩が多い。 それだけ。年代に差がありすぎて、わからんかった。大人になりたい。

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    投稿日: 2009.04.24
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    凄過ぎる文章。リアルで、読んでいるだけで、自分もそこに居たみたいに痛ましく疲れる。ノーベル賞は伊達じゃないと思った。飲み込んだ後咽喉にざらざらしたものがいつまでも残る感じの読了感は、他にないと思う。死者の奢りが一番良かったな。

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    投稿日: 2009.04.06
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    「死者の奢り」、「他人の足」、「飼育」、「人間の羊」、「不意の唖」、「戦いの今日」の六作品からなる短編集。 どれも印象深い話ばかりで、短さを感じさせない味わいがあったように思う。 奇怪なタイトルばかりが並ぶし、今から見て50年前の小説だけど、これは面白いですよ。 サルトルの実存主義がどうかは僕にはわからないけれど、どの短編も根ざしている部分が同じように思う。 これは面白いー。 読みかえしながら読んでしまった。

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    投稿日: 2009.02.23
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    ノーベル文学賞受賞作家大江健三郎の初期、芥川賞受賞作『飼育』を含む六篇の短編集。 どの作品も戦後・戦中の日本を舞台に描かれるが、戦争の悲惨さを訴えるのではなく、全篇を通して人間の「暗」の部分が濃密に躍動的に表現される。 印象的だったのが<強者>と<弱者>の二項対立が多く見受けられたこと。 『死者の奢り』の<生者>と<死者>、<助教授>と<水槽の管理人>。 『飼育』では<町>と<村>。<大人>と<子ども>。 『人間の羊』の戦争に勝利した<外人>と負けた<日本人>。 作者の格差に対する強い嫌悪と批判が感じられた。 50年前の作品だが、現代の格差社会にも通ずるものががあるのではないだろうか。 私のような一般人が理解するのは非常に難解で、読破するのに時間がかかってしまった。とにかく暗い。

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    投稿日: 2009.02.01
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    とてもニヒルで鋭い視点、かなり私好み。 タイトルになっている二作ももちろん素晴らしいけれど、私は「人間の羊」に強く心を掴まれた。 事件の傍観者が被害者を「助ける」ことができるなど、思い上がりも甚だしい。久しぶりにものすごい怒りを覚えた。

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    投稿日: 2009.01.16
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    芥川賞受賞作の『飼育』を含めた短編集。 私は『死者の奢り』が一番好き。 学生時代特有の妙に若い乾いた感じと、女子学生の妊娠とかも乾いてて、変に泣き喚くような現代の描写よりも理解できます。 死体を移すアルバイトって医学部のある大学なら普通に募集しているものなの?ってちょっと疑問だったけど。 『飼育』以降は戦争もの。 戦争物って言って思い浮かべるようなのとは違うと思うけど、戦争の火の粉がかからないような田舎での戦争にまつわる話とか、脱走兵の幇助とか。そんな感じです

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    投稿日: 2008.12.28
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    読んでるところ 近代と現代の中間層、戦後であるが現代ではないといった位置がとても面白い。 表現は奥深く思索的で読んでいてどきどきする。

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    投稿日: 2008.09.23
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    衝撃的でした。大江さんは『個人的な体験』しか読んでなかったけどこっちもすごい。やはり題名にもなっている『死者の奢り』、『飼育』は秀逸です。

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    投稿日: 2008.09.01
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    時代背景からも、今の自分には理解しがたい状況ではあるが、 戸惑いつつも、登場人物から伝わってくる、苦しさや閉塞感が、妙にリアルで、ああ、これが文章のうまさなのだと感じた。 場面のひとコマひとコマが、実に丁寧に、雰囲気までもが想像できるほどに描き込まれているので、 何度でも読み返して、じっくり味わいたいと思った。

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    投稿日: 2008.08.26
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    21歳の頃読む。 短編集。 病院の解剖用の死者を管理するアルバイトをした主人公の「死者の奢り」。 戦争で敵兵を村で捕まえた「飼育」。 狂気ともいえない、誰もが持っているけれど、 見ないようにしている感情。 そんなものを見た。 読後は不思議な心地がした。

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    投稿日: 2008.08.18
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    ここここれが、 そそそそんなに若いときに書かれたものとは!! 恐るべし大江氏!! 味わい深過ぎる眼から鱗の一冊。

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    投稿日: 2008.07.01
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    異界の住人の体臭は性的な興奮を呼ぶ。相容れない者同士の柔らかく鋭敏なヒダの触れ合いが起こすオルガズム。傑作。本を読んできて良かった。

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    投稿日: 2008.06.26
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    ノーベル賞作家・大江健三郎に初挑戦。 やっぱりこういう人のアタマの中はちょっと尋常じゃないっていうか、どんな温和な人の中にも狂気があるんだなと。 全篇に死臭が漂ってる、そんな感じ。 短編集なんだけど、ついてるタイトルがいちいちアーティスティックなことに驚いた。

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    投稿日: 2008.06.24
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    内容(出版社/著者からの内容紹介より) 黒人兵と寒村の子供たちとの惨劇を描く「飼育」等6編。豊饒なイメージを駆使して、閉ざされた状況下の生を追究した初期作品集。第39回 芥川龍之介賞受賞。

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    投稿日: 2008.05.23
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    2008/5/19〜5/21 暗い世界を描いているのですが、でも面白い。 なんだか不思議でした。 飽きる部分がなかった! その中でも『飼育』はとてもいい話で、読みはじめから最後まで 『何が起きるんだろう』と常に期待の気持ちを放さない小説でした。 戦を近くで感じた人にしか表現できない、書くことが出来ないものだと感じました。 私たちは戦からだいぶ離れている。(終戦からかなり時間がたっているということ)

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    投稿日: 2008.05.22
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    先生から面白いよと言われたので別に先生におべっかするためじゃないんだからね!とツンデレながら読んでみました。なんかこう、爽快に面白いというわけじゃないんだけど(つーか暗い話ばっかだからね)思い出してみると「ああ、あの話は面白かったなー」と、あとからジワジワくる面白さといいますか。そういうのが、本当の意味で心に残ってるんだよね。社会派という感じな作風……戦後日本の生々しさが出てるねえ。「死者の奢り」もいいんだけど「他人の足」「飼育」がよかったなあ。

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    投稿日: 2008.05.02
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    初期からずっと扱いたいテーマは変わってないんだなあ。すごくよいです。重たいから誰にでも薦められるというわけじゃないけど。

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    投稿日: 2008.04.23
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    3/8 いい意味で大江のイメージが崩れなかった。 閉塞的な世界と外界とは上手くつながることができないのかな。

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    投稿日: 2008.03.08
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    読み終えたあと楽しかったなあとか。感動したなあとか。いつかまた読みたいなとか。アレ。面白いよ。とかふつうに誰かに奨められそうなそういう本ってけっこう巷に溢れかえっているぞ。と思うとき時々、いや正直あるんです。で。その類には入らないけれど何かこう。トドメの一冊みたいな。これ読んだら大袈裟に言えばもういいんじゃないかって。ちょっと何だかよくわからないけどたぶん圧倒的な何か。そのあとに読む本と比べようとかあの本とは質が違うとかケタが違うとかハンパねえとか。理屈をごちゃごちゃ並べたくなくなるような。読むことの大切さ考えることの大切さ想像することの大切さ深く入り込んでみて開ける世界のこととか。そういう簡単そうで難しいことを理解するってことって実感でしか訪れないって誰もが思い当たる節あるぞみたいな。読みにくいとか言われるらしいんだけどそれは着心地が悪いとか居心地が悪いとかタイミングの問題とかだいたい難解なものは合ってくるまでは辛抱。訪れを待ちわびている方にはぜひ。トドメの『飼育』

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    投稿日: 2008.03.07
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    なんて生生しい小説だろう、と思いました。匂いまでしてきそうなくらいに。扱っている内容も重くて、言葉を飲み込むのが大変なのですが、それでも読んでしまう不思議な魅力があります。

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    投稿日: 2008.02.24
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    みんなそろって気持ち悪い気持ち悪いなんていうから読むのをためらっていたわけなんだけど、これが素晴らしい。 世界を人間の色で描いている。抽象的な意味でなく、動脈血の赤、肝臓の茶色、膵臓の白のような色が小説にあふれる。 こう表現するとグロテスクだが、人間を感動させるのは人間だけなのである。

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    投稿日: 2008.01.27
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    高校時代に講演に来られたことがあり、拝読しました。文体や時代設定は古いのですが、本質的なテーマは色褪せていません。閉ざされた世界での生を通して人間の性(さが)を、精緻な文章で読み手は押し付けることなく直視させられます。上質な本は、各々の時代から生まれ流されず遺ります。

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    投稿日: 2007.09.24
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    1957〜58年、東京大学在学中の作品群。最初期の短編集。<収録作品> 死者の奢り 他人の足 飼育 人間の羊 不意の唖 戦いの今日

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    投稿日: 2007.09.19
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    人間の醜い部分、死を目の当たりにした人間の変貌。。 救いがない。 どれも短い話なのに重くて暗くて閉鎖的。

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    投稿日: 2007.06.29
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    黒人兵と寒村の子供たちとの惨劇を描く「飼育」等6編。豊饒なイメージを駆使して、閉ざされた状況下の生を追究した初期作品集

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    投稿日: 2007.05.26
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    芥川賞受賞作品「飼育」を含む、大江健三郎の初期短編集。「他人の足」「飼育」など、少年達の世界(とその崩壊)がみずみずしい文体で描かれている一方で、「人間の羊」「戦いの今日」など、戦争に関連したグロテスクな大人の世界を描いたものも存在する。

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    投稿日: 2007.02.03
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    短編集。 べたべたと張り付くような表現をしながら死についての物語。 物質的な死と精神的な死。 体が死んでから魂の生が始まるのだ。

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    投稿日: 2006.12.22
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    物語の主人公は、医学部で募集中のアルバイトに応募し、採用される。 彼が案内されたのは、大学の地下の死体置場であった。 仕事は、一緒に採用された女子学生と2人で、古くなったプールから 新しいプールへと、死体を移し替えることだった。 物言わぬ死体を相手に、黙々と作業をこなしながら、彼はやがて 死後もなお、「物」として存在し続ける死体達に、疑問を抱き始める・・・・。といった内容です。都市伝説で有名な「死体洗い」のバイトの噂が、ここから広まったのではないかという説もあり、非常に興味深いです。

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    投稿日: 2006.11.06
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    青年期である”僕”の純粋でありながらも危うさを伴った感情の変遷があまりにも綺麗だなって思いました。 心の奥底の”何か”を確かに感じていながら、それをわが手中に収めることのできないもどかしさと、あきらめにもにた少し乾いた空気とが妙にリアルです。

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    投稿日: 2006.10.22
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    陰湿感漂う文章でここまで魅せるのはさすが。特に『飼育』は戦時中日本人の子供の視点で見た黒人捕虜の話で、圧倒的表現力に引きずり込まれるばかり。

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    投稿日: 2006.06.18
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    じめじめしててとてつもなく暗い。よくそんな文章が書けると思う。春の晴れた1日がすごくグロテスクになった記憶。やっぱり大江はすごい。

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    投稿日: 2006.05.30
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    初期の作品を中心とした短編、中編集。今の氏の作品と共通のテーマも覗き見えるが、この時期の作品はよりおフランスな香りがする。

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    投稿日: 2006.03.24
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    大江健三郎さん、さすがノーベル賞取るだけの作家です。淡々とした中に読者を引き込んで離さないものがある。

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    投稿日: 2006.02.27
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    村上春樹が大変な影響を受けたということで遂に手を付けてみた大江。「他人の足」が一番良かった気がする。全編に渡ってやたら体臭に固執している印象を受けた。臭いからくる情欲

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    投稿日: 2005.12.19
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     「死者の奢り」で、生きている人間を見る主人公の目がものすごく倦怠感に満ちて冷笑的だったのが印象に残った。心が麻痺しているような感じで。表題作以外では、「他人の足」が良かった。

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    投稿日: 2005.10.07
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    タイトルに惹かれて。戦時中、村へ現れた黒人兵士を村人は“飼育”する・・・。高校図書館(03/夏〜冬?)

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    投稿日: 2005.09.24