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メタモルフォセス群島(新潮文庫)
メタモルフォセス群島(新潮文庫)
筒井康隆/新潮社
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総合評価

8件)
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    このレビューはネタバレを含みます。

    [毟りあい]  エスカレートの仕方という意味では、筒井康隆の極北かも。ただ犯人の家族を人質に取ってからの展開が狂気の方に行っちゃって、その後の勢いがちょっと落ちたのが残念かな。  この設定でマジなサスペンス書いたら面白いかも。 [五郎八航空]  「世にも奇妙な物語」であらすじを知っていたから、最後のオチにも驚きはなかったなあ。このころはまだ、切れ味がちょっと鈍い気がするな。焦点がしぼり込めてないと言うべきか。いまいち笑えないし。物語は語ってるんだけどね。 [走る取的]  相撲取りに追っかけられるだけ。ターミネータみたいなもん。確かに窓の反射を使って睨まれていたというところは、うまいと思ったけど。 [喪失の日]  ダンドリ君か、お前は。ってことで童貞喪失の段取りを妄想してるだけ。オチもいまいちだな。 [定年食]  定年食っていうくらいだから、てっきり定年になったらなんかうまい物食わしてくれるのかと思ってたら。  前半のしみじみとした雰囲気から、しみじみしたまま残酷な場面へと移っていく展開はうまい。こういう淡々とした雰囲気で狂気を語る短編もたまにはいいな。好き。 [平行世界]  並列世界が平行に並んじゃったから平行世界。ちょっとツッコミが甘いかな。この世界ならではの面白い事件がもっとあれば良かったのに。 [母親さがし]  まあ落語だと思ってもらえば。オチも含めて。筒井康隆の饒舌な文体って、俺結構好きなんだよなあ。「国民不在」もこういうのに影響受けてるんだろうな。そういえば草上仁って落研だったって聞いたことがあるような。関係ないけど。 [老境のターザン]  なんかこれも「ジャングルの王者ターチャン」みたいだな。ジェーンが太ってるところとか。まあ真似したとすればあっちがだろうけど。  よく知らないんだけど、ターザンの敵役は人食い人種なのかな?  そういえば、筒井康隆の話に出てくる奴らって、いつも「ケケケッ」って笑うよな。そんな笑い方する奴見たことないけど。みんな狂ってるってことかな。 [こちら一の谷]  歴史的な史料の矛盾点のをパロった短編。”信頼できる史料では、行軍中の逸話はすべて信ずるに足りず・・・”ってところが、なんかミョーにおかしかった。でも、俺って日本史の知識があんまりないから、このおかしさがホントにはわかってないんだろうな。弁慶が実在の人物じゃないかもしれないなんて初めて知った。勉強になりますな。  虚構という観点から筒井康隆の作品を見るとすれば、かなり重要な意味を持つ短編かもしれない。 [特別室]  なんか作者の意図がよくわからん。ホテルのフロントが最後にいきなり力説し始めた内容からすると、学生運動とか左翼とかのパロディなんだろうか?革命的ホテルマンってなによ? [メタモルフォセス群島]  確かこれって星雲賞受賞短編だったはず。それだけのことはあって、SF度はこの短編集ではダントツ。ヒルを使って血を集めさせる植物とか、生きている豚に寄生する灌木とか、木と癒着して生きているオポッサムとか、偽足を持った種子とか、人の顔に似た果実を実らせることによって種子散布をなそうとする食人植物とか、こういう異様な生物相を考えさせたら、筒井康隆うまいよなあ。俺も知らないような生物学用語がバンバン出てきて、いい感じっす。  けどこれって、「宇宙衛生博覧会」に入ってる方がふさわしい気がするけど。まあそうなったら「ポルノ惑星のサルモネラ人間」とぶつかっちゃうけどね。両方とも探検隊の話だし。こっちの方がだいぶシリアスな印象だけど、はじけぐあいも完成度もあっちの方が高いかな。

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    内容紹介 足のはえてくる果実。木の枝に寄生している小動物。人間を食べて首に似た果実をつける植物。放射能の影響であらゆる生物が突然変異体(ミュータント)と化した不気味な世界を描いた『メタモルフォセス群島』。妻子を脱獄囚に人質にとられたサラリーマンが、脱獄囚の家にのり込んで脅迫のエスカレーションを企てる『毟りあい』。ほかに『五郎八航空』『定年食』など幻想と恐怖の突然変異的作品群。

    0
    投稿日: 2019.10.29
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    高校生以来、何度か繰り返し読んでいるが色褪せない面白さ。筒井作品のなかでも代表作のひとつだろう。ただし、万人に勧められるかというとそうではない。

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    投稿日: 2019.01.20
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    解説でも注視されていた「走る取的」はとても印象的でずっと記憶に残っていた。妄想や猟奇的な短編が並ぶ中、「母親さがし」という新作落語、「こちら一の谷」の時代ドタバタ小説が混ざる。表題作は生物学的知識があると、より一層楽しめる。もっとも21世紀となった今もそうだが、学術的な若しくは国際的な話題を日本人同士で話すときも外国語であるカタカナ語で話すのが鼻持ちならなく感じてしまう。

    1
    投稿日: 2018.02.10
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    基本的に「これはひどい」という話が並んだ短編集。ブラックユーモアと言えなくもないが、「うわぁ」以外の感想が出てこない話もあり、よくぞここまでとも思う。

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    投稿日: 2017.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    筒井康隆の短編で“怖い作品”と言うと必ず名前の挙がる一作が「走る取的」。これを読んでみたいがために購読。 友人と共に延々力士に追いかけられる主人公。しかもどれだけ逃げようがうまく撒こうが隠れようが、はたまた心底詫びようが相手は一向に意に介さない。ひたすら「腹と顎を突き出した例のスタイルで」追いかけてくるのだ。理由はわからない。ただ「自分が侮辱されたと思い込んでいる」らしい、それだけである。助けを求めることも出来ずに逃げ回る様は滑稽だが、読後にじわじわ怖さが沁みてくるような作品。 その他、放射能の影響で生物が全てミュータントと化した島を描いた表題作(途中までは大笑いできる作品と思ってしまうのだが、終盤で背筋が一気に寒くなる)等、幻想と強迫観念、狂気に満ちた11編収録。 【感想は読了当時のもの】

    1
    投稿日: 2012.03.15
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    「走る取的」が怖すぎる、解説で三浦雅士さんが言ってることに関連して言えば、この時期の筒井さんにハマれるかどうかはこの作品にハマれるかどうかで決まる気がする。

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    投稿日: 2011.09.25
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    突然変異体の発生。 進化論の暴走。 それは神の改竄か。 生物を観察する、 人間のエゴイズムか。

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    投稿日: 2011.09.16