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華岡青洲の妻(新潮文庫)
華岡青洲の妻(新潮文庫)
有吉佐和子/新潮社
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総合評価

116件)
4.3
43
48
12
2
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    100分で名著で知って買い、ようやっと読めた。 請われて嫁いだのに、環境変化にも馴染もうと努力し、憧れの人と家族になれた喜びからの突き放し。夫にとって母よりも特別な存在になれることが自分の存在価値になっていったことが、皮肉にも麻酔薬の完成には必然だったのかも。 夫はどちら贔屓でもなく、母、嫁にそれなりの対応だったのに、女たちが勝手にというのがなんとも。 小姑がもっと間に立ってくれればまた変わっふたかもしれないのに。小姑も姑ほどではないが、侵入者に対する意地悪な気持ちがあったのでしょう。 むかーし、子供向け漫画で読んだ華岡青洲夫妻の話からは想像できなかったお話しでした。

    0
    投稿日: 2026.01.01
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    時代や価値観があまりにも違いすぎて、登場人物の誰にも共感できなくて読むのが辛かったです。。。 構成は面白かったので、気に入った部分をピックアップして書いていきます! ・紀州の方言「〜のし」 とても可愛い。どうぶつの森の住人みたい。 ・絶世の美女、於継の描写 憧れから始まる嫁姑バトル。於継の気品と美しさを称える描写はうっとりするような、涅槃に近いものを感じる。 ・医家にベストな妻の生い立ち 医家の夫を支える妻のベストな条件発表シーンがお気に入り。於継が愛する長男坊に最高の嫁を与えねば!と躍起になっている。 ・夫不在の結婚生活 夫と顔を合わせるのが結婚後数年経ってからというびっくりな状況。 初めて華岡家に入った日に夫の兄弟6人と顔を合わせた際に、末っ子だけ於継譲りの美貌で他の兄弟はみんな厳つい顔立ちだったので、ついつい我が夫も美青年だと妄想してしまう。 ・嫁姑バトル 泣きたくなる嫌がらせやいじめではなく、心を削るような心理戦だった。(私なら気付かなで幸せに暮らしてしまうかもしれない、そういうレベル) 心理戦の道具に「我が身を捧げる人体実験」が出てくる。姑にとっては息子の研究発展と、早死にした娘への後追い自殺と、不妊体質の嫁の処分といった具合でメリットだらけの状況に、嫁の加恵は幼い娘を残す恐怖よりも、嫁姑バトルを買ってしまう武家の娘としての本懐が強調されていた。 現代と違って江戸時代は「死」が近いからこそ、その死に美徳が含まれていたのかもしれない。けど娘を置いて危険を犯すのは共感できなかった。 ・毒消しに蜘蛛 摩訶不思議な薬草たちの中に蜘蛛が入っててギョッとした。本当に効能あるの〜? ・長い医学の歴史 外科や内科など、古今東西で医学の歴史は長いけど、麻酔に到達するまで時間がかかったのが不思議だった。起源前の中国では全身麻酔による手術が成功していたのに、この世紀の発明も一代限りで消えてしまったそうだ。 おそらく昔から芥子や阿片など意識混濁させながら医療行為は行われてきたと思われるが、匙加減や調合の難しさから積極的に実験が行われなかったのだと思う。 ・読む前と後で感想は変わったか? 度々「美談」というワードが出てきたので、作者は絶対美談にしてやるものか、女同士のバトルはドロドロしてるんだという実態を伝えたかったんだと思った。 1番怖いのは女二人ををたぶらかして人体実験に捧げる兄だ、と語る妹の視点で完成される小説だと思う。私も同意見だった。 姑、嫁、妹でも扱われ方が違うらしく、病に犯された妹を、見るに耐えないといって見舞いに来ないし、人生を賭けた手術もしないで放置する青洲の描写はとても残酷に感じた。

    0
    投稿日: 2025.12.26
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    嫁姑バトルの話だった。和歌山の青洲の里に行った時に案内の方が、「本読みました〜?あれは、ねぇ〜」って苦笑してたからかえって気になる本だったので読んでみた。有吉佐和子面白い。

    0
    投稿日: 2025.12.16
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    以前、和歌山にある華岡青洲の里「春林軒」を訪れた事を思い出し、何気なく手に取った一冊。 華岡青洲とは母親と妻を実験台にして初めて乳癌の手術をした人という認識しかなかったが、封建社会の時代の中、嫁姑の争いの上で「通仙散」という麻酔薬を完成させたということを知った。 また杉田玄白が、年下の華岡青洲に教えを乞いたい手紙を送ってたことも驚いた。

    0
    投稿日: 2025.12.11
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    世界で初めて全身麻酔による乳がん手術を成功させた華岡青洲。 青洲の母と妻が麻酔薬の人体実験に協力したという逸話だけは知っていたけど、それを広めたのが有吉佐和子さんのこの作品だったとは知らなかった。 普通なら美談として描かれそうだけど、青洲を支える女性たちにスポットを当てているところが面白い。 母と嫁が競い合うように自ら実験台になりたがるという、狂気すら漂う献身が描かれている。 どちらがより献身的かを競う嫁姑の意地の張り合いによる心理戦が続いていく。 口にする言葉と嫁の加恵が淡々と語る心の中の本音が全く違う。表向きは仲の良い嫁姑に見えるから尚更怖い。 ただの嫁姑の嫌味バトルだけではなく、嫁ぐ女性が抱えていた葛藤や、当時の社会における女性たちの複雑な感情が丁寧に描かれている。 生き生きしている女性たちの姿が浮かんでくるので、つい史実だと思いそうになるけど、この嫁姑バトルはあくまでもフィクションだそうだ。 華岡青洲と妻・加恵のことがもっと知りたくて調べてみると、青洲の直系の子孫が現在も札幌で麻酔科医として活躍されているとのこと。 またそのお子さんも麻酔科医だそうで、青洲の理念が時代を超えて今も受け継がれているのが本当にすごい。 私自身も全身麻酔のお世話になった身で、今の安全な医療の背景には多くの犠牲と努力によって成り立っているのだと思うと、青洲や加恵、華岡家の家族、たくさんの人々や動物たちに、改めて深い敬意と感謝の気持ちを伝えたい。 和歌山弁の語尾「のし」が妙に耳に残る。 嫁も姑も上品に「〜のし」って言うから、つい真似したくなるのし。 自分でも気づかないうちに「のし」が出ちゃいそうだのし。 有吉佐和子さん、やっぱり好きだなぁ。 Audibleにて。

    89
    投稿日: 2025.11.28
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    この時代の嫁と舅のの確執といえば、それまでだが、今も通じる世界。世の中はかくも変わらないもの。でも少しは変わっているとも言える。 後100年後には、もっと良い世界に少しは変わっているだろうか

    0
    投稿日: 2025.09.30
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    歴史は男性の歴史とはよくいったものだ。でも有吉佐和子さんの小説にかかれば、歴史が登場人物の墓の大きさ程度のもので、墓に入るまでが歴史であり、人の人生だとしみじみとわかる。

    1
    投稿日: 2025.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    嫁姑問題が大きく見えるけど、女性たちの献身は結果を出した男性の陰に隠されてしまうとか、女性がいかに尊重されていなかったかっていうこの時代の背景もよく分かる本だった。この時代に限らず昔から今までそうだけど。

    0
    投稿日: 2025.08.19
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    凄まじい献身物語、おぞましい嫁姑 男のエゴ 世界初、全身麻酔による乳がん手術成功者 通仙散(麻酔剤)成就

    0
    投稿日: 2025.05.07
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    約200年前に麻酔剤を作り、それを使って乳癌手術を日本人がしていたなんて意外、と思った。 でもこの本の主題はそこにはなく、それを支えた妻と母、そしてその家族。今では考えられないほどの封建的な考えがあったことに驚かされる。

    1
    投稿日: 2025.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    嫁姑の冷ややかな戦いの凄まじさ。花岡青洲という歴史に残る医者のもとで繰り広げられる。 表面に出てこないだけに恐ろしい。でも、ずっと目立たなかった小陸は「嫂さんが勝ったからやわ」と二人の戦いを見抜いていた。 もしかすると今でも同じような戦いが行われているのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.04.20
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    華岡青洲自体は知らなかった。 それでもやっぱり有吉佐和子は間違えなくおもしろかった。 華岡青洲の妻と母の嫁姑問題の話。 今回も女性の気持ちが細かく描かれている。 まず、美しい母に請われて青洲が勉強中で家にいない中、結婚する。 青洲が帰ってくるまでは本物の親子のように仲睦まじく暮らしてきたのに、青洲が帰ってきた途端、勢力図が変わり憎しみ合いが始まるところが見事。 また、青洲が研究している麻酔薬の実験台に自分を使ってくれと嫁姑で争うのがすごい。 苦しんだほうが青洲の役立ち、相手より優位に立てると思う女の強さ、醜さよ…。 そして姑が亡くなった後、青洲の妹がずっと当人だけしか気づいていないと思っていた嫁姑の確執をずっと見て、感じてきたことや、自分は嫁に行かず嫁姑の問題に巻き込まれず幸せだったと嫁に言うところはゾッとした。。

    3
    投稿日: 2025.04.14
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    第6回女流文学賞 第2回新風賞 江戸時代末期に世界初の全身麻酔による外科手術を成功させた華岡青洲。 本書はそれを側で支えた嫁姑の静かな熱き戦いの話。 全身麻酔という医療技術を得るためには努力だけでなく、知られざる犠牲があったことにぞっとした。 麻酔がない時代では、癌に気付いても手術ができずただ経過を待つだけで、本人も家族もどんなに辛い思いで過ごしたのかと想像するだけで辛い。 麻酔の偉大さを思い知った。 嫁と姑の緊張感のあるやりとりや、醜く揺れてしまう心情がひしひしと伝わってきて、とてもおもしろかった。

    36
    投稿日: 2025.03.28
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    華岡流医術の生みの親としてその名を馳せる華岡青洲の妻、加恵のお話。 加恵は天明2年、華岡家へ嫁ぐ。(21歳前後) 京都へ遊学している夫に代わって迎え入れてくれたのが、青洲の母である於継(おつぎ)だった。 於継は美人で賢く、何をしても髪の毛1本すら乱れない完璧な人だった。 加恵はそんな於継を羨望の眼差しで見ていた。 義娘である加恵に対しても、実の娘のように接してくれた。 しかし、夫(於継の息子)の帰郷と同時に、於継の態度に陰りが出始める。 青洲の愛を巡って、2人の間で繰り広げられる女の戦い。 静かな軋轢は日を追うごとにエスカレートする。 遂には体を張って… この時代に「嫁ぐ」ということが、全く血の繋がりのない人間が一家で暮らすということが、どれだけ孤独で、過酷な事なのか物語っている。 於継も同じ道を通り、耐えてきたのだろう。 常に緊張感をもって生きてきたのだろう。 だからこそ、最愛の長男だけは誰にも取られたくなかったのかもしれない。 最後に、医学の発展に関与した人々に心から感謝したいと思った。多くの人間や動物たちの犠牲の元、現代医療があるのだと考えさせられた。

    2
    投稿日: 2025.02.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界最初の全身麻酔による外科手術を成功させた華岡青洲。 その成功の陰には進んで人体実験に身を捧げた母と妻の姿がありました。 加恵は憧れの於継に息子の嫁にと望まれたことが嬉しくもあり誇らしかったのです。嫁と姑は本当の母娘のように仲良くやっていました。それが一変したのは京都へ遊学していた雲平(青洲)が帰ってきてから。加恵は於継の言動に含みを感じるようになり、華岡家での疎外感を味わうようになったのです。 これといって激しい二人の対立があるのではなく、雲平を巡る物静かな戦いが繰り広げられました。 青洲が麻酔について研究し実験していると知った於継は自分を実験に使ってくれと言い出します。いやいやお母さんではなく私を、と言う加恵。大事な嫁にそんなことはさせられないと言う於継。結局青洲は二人に頼むのですが、実験に使った薬の強さは違うものでした。 嫁、姑の女のたたかい 病になった義理の妹小陸 なんという怖ろしい間柄だろうと思っていた。 「そう思うてなさるのは、嫂さんが勝ったからやわ」 男というのはすごい。母と嫂さんとのことを気づかないわけはないのに知らないふりして薬を飲ませた。私は病気で死ぬけれど嫁にも姑にもならなくてすんで幸せだった。 母と妻の争いを見ていた青洲は何を思っていたのか。この時代だから男と女の違い、ましてや嫁の立場の弱さはあったと思います。嫁にいかず病気でこの世を去った青洲の妹達が幸せだとは私には思えませんでした。医者の家華岡家への貢献度は自分の身を実験に差し出した嫁の加恵、姑の於継に敵わないかもしれませんが、小陸たち青洲の妹達も一丸となってささえたから、手術の成功があったのだと思います。

    0
    投稿日: 2025.02.08
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    有吉佐和子さんの小説は外れがないです。 今回は姑と嫁という普遍のライバル関係を描きながらも、息子が医術の学びから帰京した瞬間に母の嫁に対する態度が変化したり、息子が母よりも嫁に尽くす態度に嫉妬の炎を燃やしたりと、姑目線、嫁目線で感情が変わって行くさまを、リアルに描いているところが秀逸です。 この時代ならではの家を守る、後継を産むという「家」の繁栄が全てだったからこそ、逃げ場のない空間の中で、女には女のシビアな戦いがあったのでしょう。 しかし、麻酔のない時代、こんな大変な想いをして、今の医学の礎を築いてこられたのですね。そこを学ぶことができただけで、価値のある本です。

    0
    投稿日: 2025.01.29
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    100分で名著から、初めての有吉佐和子 おもしろかった!!! こんなバトル小説だったとは。 けれど、言葉がきれいだからか、戦いも醜さはなくて美しい。 母である、ということ、分かるときがくるのだろうか。

    0
    投稿日: 2025.01.24
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    すごかった。これぞ女の戦いって感じがします。 100分de名著で見たので大体の話の流れは知っていたのですが、やはり読むと一段と素晴らしい。 母と嫁を「自分を生んだ女」と「自分の子供を産む女」と称するえげつなさが最高に良い。 江戸時代の話なので、今よりもっと”家”というものが重んじられた時代の話ではあるのですが、嫁姑問題というのは普遍的なものなのだなと感じる。人の情念とも呼べるものが描き切られている気がします。

    0
    投稿日: 2025.01.11
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    こういう本を書くにはどれだけの背景勉強と創作のオリジナリティが必要とされるのか想像がつかない。 何かの発見や発明の背景には当然試行錯誤を伴う実験があるもので、犠牲?礎となるひとや動物がいる。そこにあるストーリーにライトを当てていく スタイルのノンフィクションがとても面白かった。 於継さんすごいわ

    0
    投稿日: 2025.01.02
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    嫁と姑が競って清州の実験台になろうとする姿は側から見れば美談に見えるがその実、清州を巡る二人の女の激しい葛藤があった。命を賭けてまで相手に勝とうとする女の戦いがすごい!

    0
    投稿日: 2024.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間の本質に、殊におなごの本質に触れるような気がするのよし。永遠のライバル嫁姑。 美談として流布しているのであろう華岡青洲の母と妻は、もしかしたらこういう内情であったのではないか、華岡青洲自身は、科学者ではなくて医学者だけども、わりとマッドサイエンティストという歴史小説。良いとか悪いとか論じるのはナンセンスだと思う。そう言う下地に成り立っているのが今の現実でございましょ?遡って糾弾するなら今の快適、適切は捨てなきゃね。 私は、スルッと「そうかもな」と思えた。 語尾が「〜のよし」「〜いただかして」なんて穏やかで牧歌的な印象なのだけど内容はドロドロの愛憎。綺麗事で人生乗り切れないし、学べることもないのよし。 有吉佐和子さんの鋭い考察にやっぱり感服する。今月の100分de名著は図らずも有吉佐和子さんの特集らしいですね。 琴線に触れる描写が、昭和中期の作品には多い傾向にあるので、その年代を今後も攻めていきます。

    6
    投稿日: 2024.12.13
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    「100分de名著」2024年12月の1冊。 医学の躍進の裏に隠された嫁姑の確執と涙に、思わず息が詰まる。

    8
    投稿日: 2024.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

     「夫の母親は、妻には敵であった」。  敬愛していた於継(おつぎ)に請われて華岡家に嫁いだ加恵(かえ)。実の親子のように仲良く暮らしていた日々は、3年間の京都遊学を終えた夫 雲平(うんぺい)--後の青洲--の帰郷によって突如終焉する。表面的には普段どおりでも、何事においても嫁を蔑ろにするようになった於継を加恵は憎悪し始め、対抗する……。  自分こそが“家”(=当主)に最も頼みとされる女でありたいという、嫁と姑の静かで激しい争い。雲平が麻酔薬を開発すれば、その実験台として2人して名乗り出、張り合う。母/妻の鑑として周囲には美談めいて伝わるが、その内実はエゴイスティックで醜い。  結果的に加恵のほうが実験により貢献するが失明する。「お母はんに勝った」と得意気な加恵に、病に倒れた義妹 小陸(こりく)は2人の間柄は見ていて恐ろしかった、女二人で争わずに済むから自分は嫁に行かなくて幸福だったと告げる。慌てて於継を褒めちぎって取り繕う加恵に小陸はさらに言う、「そう思うてなさるのは、嫂さんが勝ったからやわ」と。  家制度の呪縛され、翻弄される女性の悲しさ。当主となる男児を産んだと自分する姑 於継と、血縁という壁に阻まれる嫁 加恵。妻や母になっても味わう女性の苦難を、当の息子で夫の雲平は鈍感なのか黙認しているのか何の反応も示さず、研究者や医者としての欲望を優先する。舞台設定は江戸時代だが、女性が透明化され、女性同士の争いですら男性に利用される理不尽さは現代にも通ずるものがある。嫁姑間の凄まじい葛藤を浮き彫りにする作者の腕に感嘆するばかり。映画版(増村保造、1967)ではこれほど伝わらなかった。  本書に関して強いて欠点を挙げるとすれば、註解が多すぎること。年少の読者を想定しているのか、昭和62(1987)年5月の改版からの構成なのか分からぬが、あまりに頻出で読み進めるのに難があった。

    0
    投稿日: 2024.12.06
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    「世界史を変えた薬」の本から、この本にたどり着いた。日本にこんな凄い人がいたとは驚きだが、本は青州をめぐる母と妻の争いがメイン。人体実験は、恐ろしい。作家の有吉佐和子さんは53歳で急性心不全で亡くなられた。同年齢で同じ死因で亡くなられた我が友を思い、読了した。

    3
    投稿日: 2024.10.22
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    世界で初めて全身麻酔下での手術を成功さてた華岡青洲の妻加恵と青洲の母御継の物語。青洲じゃなくてこの二人にスポットライトを当てているのが面白い。封建社会であった江戸時代において嫁姑問題は今よりも激しかったのか。嫁いだ加恵は華岡家に馴染んだかのように思っていたが青洲が留学から帰ってきてから御継の態度が変わりあくまでも加恵は他所の人という態度を取られる。そこから二人は見えないところでバチバチの関係になるも青洲の妹の小陸以外それに気づかない。青洲が麻酔薬の通仙散を開発し研究するに至り二人は自身を実験台として差し出す。ここでもどちらが先に実験するか、どちらがより貢献できたかで張り合っていて女って怖いなと思う一方でそれに気づかない青洲と周りの鈍感さに驚く。1回目の実験で視力を失っているにも関わらず夫への気遣い及び姑への勝ち誇る気持ちで加恵はそれを隠していたのはすごいなと思った。 実際のところ二人の関係はわからないがそういう歴史の見方もあるんだなと。

    0
    投稿日: 2024.09.29
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    嫁姑関係にイライラ。ストーリーは面白いと思うが、最後まで誰にも共感できずに終わった。医療技術の進歩の裏には必ず犠牲となった先人がいる、という点には確かにはっとさせられた。

    0
    投稿日: 2024.07.19
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    とても日本らしい嫁姑関係が主題の作品。 話の舞台は江戸時代後期、でもこの小説が書かれたのは1960年代くらいだから、2世代・3世代くらい前まではどの家庭でも似たような感じだったんだろうか(今もか)。 日本が近代化して150年くらい経つけど、家庭レベルではまだまだ日本は封建的だってことだ。

    1
    投稿日: 2024.04.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

     通仙散を完成させる過程において、加恵は光を奪われ、於継も命を失った。彼女たちの犠牲は青洲の成功を導いた美談として語られ、華岡の家を栄えさせることになる。この物語から、封建社会において、女が一人の人間としていかに「在ったか」ということに想いを馳せずにはいられなかった。  於継は息子の青洲をこの上なく愛しており、嫁である加恵のことを疎ましく思っている。しかし、その憎い嫁を連れてきたのは於継だ。これは加恵を連れてくることが青洲(雲平)にとって、青洲を中心とする華岡家にとって最良の選択だと考えていたからである。青洲が帰郷するまで、二人は仲睦まじい嫁姑の関係を築けていた。青洲を介することによって、於継は加恵を許せず、加恵もまた於継を許せなくなってしまった。  外で広く活躍することは許されず「家」という内の空間がすべての女たちにとって、「家」そのものである青洲の愛を得ることこそが、自分の存在を確かにするためのただ一つの方法だったのであろう。母である於継の目の前で青洲が加恵に口移しで解毒剤を飲ませる場面の艶めかしさが思い出される。  小陸や於勝だって家の中で働かされ続け遂には病に斃れたという点で「家」の犠牲になった女というのには違いないのであろうが、本作品でいう本当の犠牲とは、自分の存在や生きる意義というものを家長たる男の愛に委ね、そのために家の中で憎み合い意地を張り自らの身を捧げるということの、滑稽さやみじめさ、おそろしさに現れているのではないだろうか。

    0
    投稿日: 2024.03.09
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    今更ながらの同書ですが読む気になったきっかけは、ここ数年ずっと冬場に霜焼けが酷くて皮膚科に行ってもさして好転せずにこの冬たまたま出会った漢方軟膏が存外に効き目あり♪ しかもこれは遥か昔の江戸時代にかの華岡青洲が創案した軟膏であると! この著書の名前は聞いたことがあるし大昔にずいぶん愛読され且つ映画もドラマも大ヒットした記憶があるんだけど、こんなきっかけで初めて読む気になったのであります笑 いやあ青洲の妻と姑との長くて物凄い葛藤の物語だったのですね! 医家の嫁に相応しいと早くから見込まれ請われて嫁いだ加恵と、非の打ち所がないと近辺で評判の姑 於継の二人だったけれど、世間で言うところの嫁姑の関係どころではない静かだが激しい憎悪があらゆる部面で影に日に展開する様が凄いこと!そして間に立つ青洲のいずれにも付かず離れずの絶妙な態度と立ち位置、依って見習うべし⁈ 江戸時代に世界で初めて全身麻酔のもと乳癌手術を施し成功した青洲もさることながら、競って自身を捧げて彼に協力し支えたとされる二人の女性の意地と意思の張り合いがなんとも凄まじい。 同時に華岡青洲という人物の断片も知ることが出来て、遅きに失したとは言え遅ればせながらも読めてほんとに良かった‼︎

    34
    投稿日: 2023.12.28
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    恐らく中学時代…先輩が書いた読書感想文で本書を知った。 1804年(文化元年)世界初の全身麻酔による乳ガン手術に成功した華岡青洲。その成功の裏には自ら実験台になることを願い出て失明した妻 加恵の内助の功があった。感想文にあったそんなあらすじを読んで、すぐさま「自己犠牲がテーマか…」と気が進まなくなった。 理由は単純で、エゴ極まりない10代の頃は誰かのために尽くしたり何かを差し出したりすることに対して、激しい嫌悪感を抱いていたから。何がそのような行動を取らせるのか、まだ理解できていなかったのもある。 そうして自分のエゴを優先していくあまり、本書の存在は記憶に埋もれていったのだった。 そして1年ほど前、知人から本書をレコメンドされてようやく今辿り着いた。 加恵の行動は自己犠牲を表していることに変わりはないが、それ以上のテーマが中で逆巻いていたことに気づいてゆく。 いわゆる「嫁姑問題」。しかも「彼女ら」の場合はページを追うごとに特殊な域に達していき、しまいには「加恵の置かれていた立場を考えると、あの自己犠牲も当然の成り行きだったのかな」とまで思わせる結果となった。 これは感想文を書いた先輩にだって想像してもしきれるものではなかったはず…。 物語の主人公 加恵は元々紀州地侍 妹背家の出だった。 士の娘が何故医家の華岡家に嫁ぐことになったのか。それは必然的なもので、加恵を請いに華岡家当主の妻 於継(おつぎ)が妹背家を訪れた時から全ては動き出していた。 夫(華岡雲平、のちの青洲)が遊学中の際も寂しくならずに済んだのは、小姑たちと協力して家を切り盛りしていたこと、そして何より於継の存在が大きかった。憧れだった於継に迎え入れられたことが加恵の心の支えになっていたのだ。 それがある出来事を境に二人の関係性は暗転してしまう…。この時の加恵の心情を代弁するなら「可愛さ余って憎さ百倍」が妥当だろう。 ありがたいことに今の自分は嫁姑問題で悩むことは一切ないが、加恵が家の一員になろうと試行錯誤する様子は中学時代とは比べ物にならない程よくわかる。 青洲に自分や自分の子供を認識してもらおうと必死になるところだってそう。そのためには於継との腹の探り合いやある種の化かし合いにエネルギーをつぎ込まねばならないが、彼女はいくらでも厭わなかった。 人々の間で加恵と於継は青洲を支える良き妻と母として語り草になっている。冒頭の読書感想文の他に読んだ歴史漫画にも、加恵の献身は美談として描かれていた。でもそれが全てだろうか? 映画『タイタニック』の「女の心は海のように秘密がいっぱいなの」というセリフを思い出す。美談で輝く水面下で本当は何があったのか、それは二人にしか分からないこと。 でもラストのくだりを読んでみると、実は青洲には全てお見通しだったんじゃないか。分かった上で、地球のように海ごと包み込んでいたんじゃないか。そう思えて仕方がないのだ。

    56
    投稿日: 2023.11.02
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    いくら創作と言っても、実存した家庭の内部をこんな風に書いてしまっていいのか?と、余計な心配をしてしまいました。それくらい、嫁姑の完璧な確執がドラマチックです。 文体は古風だが、読みやすい。 難しい単語に注釈が付いている本を久しぶりに読みました。スマホが出現してから辞書を開くことがなくなってしまったから、この注釈を読むのも面白かったです。

    2
    投稿日: 2023.09.20
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    鬼気迫る本。構成に隙はなく、時代考証も的確。江戸時代のことを昭和の時代に描いたものなのに、人間の本質に鋭く切りこむ著書の筆致により、全く古さを感じさせない。嫁姑という難しいテーマを、それぞれの登場人物達の全く異なる立脚点を取り込みながら描いていく。著者は、三十代の若さで、なぜ、そんなことができたのだろうか。男性の当方には、想像もつかない。21世紀になっても、この作品を原作として、舞台上演がなされていたことも分かる気がする。

    2
    投稿日: 2023.04.03
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    高校生のとき以来で読み直したら、とてつもなく面白かった! 世界初、全身麻酔による乳癌手術を成功させた医師とその家族の物語…ときくと何やら高尚で敷居が高そうだが、「バッチバチな嫁姑もの」という普遍的でエンタメ性高いエッセンスをまぶして描くセンスの凄さ! 有吉佐和子さんは「悪女について」も読み返したい!

    2
    投稿日: 2023.01.15
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    大家の作品だけあり、安心と重厚感がひしひし伝わる読みごたえのある作品であった。 麻酔薬開発の裏に嫁 姑 小姑の関係あり 一気に読み終えた。

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    投稿日: 2022.12.30
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    八月三十日 有吉忌  有吉佐和子さんの作品はほとんど読んでいませんが、華岡青洲の妻は、とても引き込まれた作品でした。 華岡青洲は、世界で初めて全身麻酔による乳癌手術に成功した外科医。庶民大衆への治療に従事しながら、麻酔剤を精力的に研究していた。 主人公は、この医師の妻となった加恵と、この医師の母である於継。母は、大成を期待する息子の為に、自ら嫁として加恵を選ぶ。選ばれた嫁は、美しい姑に畏敬の念さえ持ち、喜び嫁ぐ。 しかし、嫁姑は、一人の男性、青洲を巡り、優位性を保つ為、静かに激しく対立していく。 そして、麻酔剤の人体実験をも競い合うように申し出る。青洲は、母には軽度の麻酔剤を試し、妻には完成を目指す麻酔剤を投与する。 以前(すっごく以前ですが)読んだ時、実は、全部史実だと思っていた。それほど、この女性たちの冷戦状態が生々しい。この母嫁の存在は事実らしいけど、創作であり小説。 華岡青洲を医師として成功させる為、家族が献身的に支える。それに応えていく青洲に家族は幸福を得る。とはいえ、姑は息子を我が物とし医師の母として生き抜き、妻は寄り添うことを切望しながら医師の妻として生き抜く。 世間からは美談とされた献身の影の恩讐。たぶん、それに気がついていたけれど、研究に没頭する青洲。青洲の功績を、当時の封建社会下の家庭にふみ込んで、親子、夫婦、兄弟姉妹、それぞれの心理戦を加え名作だと思います。

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    投稿日: 2022.08.31
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    どこの家庭でも問題はあるんだなぁと思う。それを乗り越えてどっしりと構えられるのだと思うと自分はいかに甘ちゃんだと実感。

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    投稿日: 2022.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界初の全身麻酔手術が日本で行われていたことなんて全然知らなかったので、そこでまずビックリ。(無知で申し訳ない) そして青洲が自分の母親と奥さんを実験台にしていたのもどうやら史実。どこまでがフィクションなんだろう?ってすごく興味がわいた。日本史とか勉強してた時代に知りたかった〜〜 全身麻酔をはじめて打った人とトマトを初めて食べた人は全人類にとって功績者だと思ってるので、心の底からすごいと思いました。 表向きは綺麗なフリをした嫁姑ドロドロバトルものとしても面白かった!笑

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    投稿日: 2021.05.29
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    名医である華岡青洲の元に自ら実験台(?)になる人は,当時は大勢いたことだろう。通仙散の開発にも多大な手間をかけたことだろう。 著者である有吉佐和子は,その内でも華岡青洲に嫁ぎ妻となる「加恵」に焦点を当てて,自ら実験台として身を捧げることを切り取ることで,女の壮絶な人生を描写したのである。これはかなりの力技で,多少の曲解おそれず,史実以上に優先したいことがあってのことだろう。 とはいえ,表向きは「華岡青洲の世界初の乳がん手術の成功,それを支えた麻酔薬の通仙散」を讃えることに成功している。 これが何か超現象かなにかによるものなのであれば一種のホラー作品にとどまる。しかし,当時の閉ざされた社会と曼荼羅華のもたらす毒気は,現代にも通じる不気味さである。

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    投稿日: 2021.04.14
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    こっわ。 和歌山のことばだからまだマシな感じが…。 日本で初めて、いや世界で初めて全身麻酔での外科手術を行った医師の話、という知識しかなかった。が、嫁と姑の美しく壮絶な物語であった。

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    投稿日: 2021.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    嫁姑の確執が、派手に言い合う訳でなく、お互い出方を伺うようなやり方が、ドロっとしてて怖い。 そして、息子・夫を挟んでのやり合いがなんとも虚しい。 結局、名医となり成功したのは青洲。 この嫁姑のバトルを見てみぬふりしていたのは、何ともしたたかな。

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    投稿日: 2020.11.18
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    どろどろした嫁姑関係、無関心を装う夫。もやもやいらいらしながら読み進める。 実験に身を投じる女性達の動機が、お互いの因縁と青州への執着に終始しているのが滑稽に思えてならない。 女達の見えている世界が狭いのは仕方のないこと。けれども哀れだなと思う。 ラスト近く、小陸が死ぬ間際の言葉に、カタルシスを感じた。 賢い彼女に、女に生まれ変わりたくない、といわせた時代。現代は当時と比べずいぶん女性が生きやすくなったけれど、それでもやっぱりまだまだぬぐいけれていないものが多いな、と感じた。

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    投稿日: 2020.08.01
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    女という生き物の肚の底にある黒いものを、鏡に映し出すように、ありのまま書き出している。華岡家という特殊な家庭が舞台でありながら、その中で展開される嫁姑関係は、女性なら誰でも共感できる普遍性を持っている。 男をめぐる嫉妬、決して自分から仕掛けていかない消極的な攻撃性、対外的な建前、本音全てをさらけ出せないもどかしさとそこから生まれる誤解…女であれば、必ず経験したことのあるどろりとした感情が満載。 青洲の前で、加恵と於継が自分を実験台にしろと迫る場面は圧巻。 また、物語中盤まで沈黙を守ってきた青洲の妹が、鋭い指摘をするシーンは、自分もぎくりとしてしまう。 物語最後の一文は、華岡家においてこれだけの存在感を示していた加恵と於継ーすなわち「女」が、結局「家」という制度の影に埋もれてしまうという皮肉を表していると感じた。

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    投稿日: 2020.07.05
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    江戸時代後期、世界で初めて全身麻酔による乳癌手術を成功させたのが、華岡青洲だ。 その妻、加恵は、のちに姑となる於継に乞われ、旧家から当時まだ無名だった貧しい医師の家へ嫁ぐことに。幼い頃より於継の美しさに恋い焦がれていた加恵は、夢のような気持ちで華岡家に入ったが、夫となる青洲が修行から戻った日を境に事態は一変する‥。 やっぱり有吉佐和子は面白い。青洲を巡る加恵と於継の激しくも静かな戦い、義妹たちの物事を見透かす眼、青洲の医師としての研究熱。どれもが読者を惹きつける。 穏やかさとは程遠い医師の家の特殊な日常に入り込んだような錯覚を覚えた。

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    投稿日: 2020.03.08
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    於継を加恵の「推し」として読むと最高にオタクでグロテスクな前半なので好き。 序盤はもやもやから始まった。冒頭から地の文においても於継の美しさを煩いほどに強調する。そんなに美しい美しいってそう美しい人が出てこないと物語始まらないの?確かに美しい人って人の噂話を膨らませるには重要なツールかもしれないど…この作品も歴史ものだし、語り継がれてきた噂話あるいは史実っぽさを出すにはそういう感性なんですかね?って… だがアイドルオタクであるわたしは途中でハッとした。 ちがうちがうこれは「推し」だ! と。 作品前半では加恵にとって於継は至高の存在。決して自分と交わることのない世界線にいる崇め奉る偶像だ。推しは尊び崇拝するもの。だって加恵は幼い頃に一度見ただけなのに、想像力で補いながらその於継に憧憬を抱き続けるのだから。 それを確信したのは加恵の祖父の通夜の場面だ。加恵は弔問に訪れ焼香をする於継を菩薩来迎の図になぞらえ心で賛美する。於継の髪の先から爪の形までうっとりと魅入るのだ。 憧れ?そんな生温いものではない。この喰入り方。「推し」以外にあり得るだろうか。私はドキドキさせる人を見たときのオタクの異常な語彙力を思った。そして有吉佐和子は100オタクだろうと。そういえば彼女、歌舞伎界に出入りしていたとかってどこかで読んだような。よし今度調べます! そんな異様な高まり方をする序盤の天井をつき破るのがその後の展開だ。 なにせその「推し」がいきなり玄関を叩いてあちらからやってくるのだから。堪らない。さらに於継は加恵を(長男の)嫁に欲しいと言い出すのだから震える。 その壁をぶち破るのかぁーーー!ってな。 ここまでの美しさとか憧れに対する自分の距離がぶち壊されて行く感じがたまらなかった。超えてはならないレベルに崇めきってからの、この距離の詰め方は違法である。私は興奮を抑えられなかった。 そんな「推し」との距離を破壊し、自ら乗り越えて行く加恵の描写でもっともグロテスクなのは、内腿のつねり合いなどではない。風呂だ。 嫁入り当初加恵は於継の使い古しの糠袋でごしごしと自分の肌を磨いていた。於継の使ったものを使うことで、その瞬間だけ自らの肌が白く滑らかになるような気がしたからだ。だが、夫が京都から帰り嫁姑として冷たいものが流れ始めるとその糠袋がとたんに汚らしいものに感じるようになる。どうしてこんなもので自分の体なんて洗えたのだ、と。 最高だった。 ただその後の嫁姑の体を張ったバトル的な展開は、昔のワイドショー的な感覚というか、男はぼんやりしていて女と女にしか分からない確執があるみたいな描き方は凡庸な気がして残念だった。あと最後に史実的な記述と墓碑とかにフォーカス当てたりするのも中途半端と思ってしまった。 でも文章は本当に最高。作品に対して批判的に感じてしまった部分もあったけど、時代的な背景と価値観もあるだろうし、有吉佐和子が目指していた作家像みたいなものが分かれば納得する部分もあるのかもしれない。

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    投稿日: 2020.01.24
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    華岡青洲を支えた実母・妻の献身の裏には壮絶な嫁姑関係があった、、というお話。 嫁姑の間の嫉妬、恨み、虚栄心が、自らを人体実験に差し出すまで行き着く様がとても緻密に描かれている。

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    投稿日: 2019.03.21
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    物語そのものよりも、史実からこの物語を描き出す有吉佐和子の洞察力と、その本質である「家」と女ってとこに踏み込む明晰さにビビる 頭良すぎるのに圧倒される作品だけど、作品としては、一の糸のほうが良い

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    投稿日: 2018.11.24
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    華岡青洲(はなおか・せいしゅう)を語るには、まず麻酔の歴史を語らねばならない。欧米ではじめて全身麻酔がおこなわれたのは1840年代。アメリカの歯科医モートンがエーテル麻酔による公開手術を成功させ、それまでは泣きさけぶ患者を押さえつけておこなわれていた外科手術に大きな革命をもたらした。以降、麻酔法は欧米を中心に急速な発展を遂げてきた。 しかしそれに先んじること数十年、独自の手法で全身麻酔を成功させていた日本人外科医がいた。それが華岡青洲である。彼は生薬由来の麻酔薬「通仙散(つうせんさん)」を独力で開発し、全身麻酔下で乳がんの手術を行なった。1804年のことである。あまり知られていない事実だが、記録に残るものとしては、これが世界初の全身麻酔による手術であった。 薬の開発には、人体実験が不可欠である。青洲が通仙散を完成させるにあたって、自ら望んで被験者となった者たちがいた。青洲の母・於継(おつぎ)と妻・加恵である。彼女らの命がけの協力のおかげで、青洲は通仙散を完成することができた。ことに、薬の副作用で失明してまでも青洲に尽くした加恵の献身ぶりは、医者の妻の鑑(かがみ)として後世に語り継がれるほどであった。 …史実はここまでである。しかし有吉佐和子は、この感動的な逸話を、まったく異なる視点から再構築してみせた。なんと、於継と加恵が進んで麻酔の実験台になったのは嫁姑のいがみあいの結果であり、いわば封建的な家制度の犠牲になったというのだ。 青洲をめぐって対立する於継と加恵。水面下で繰り広げられる熾烈なバトルの行きついた先は「青洲のために、どちらがより多くの自己犠牲を払えるか」だ。女の意地の張り合いが麻酔薬の飲み比べに発展してゆくさまは、狂気以外の何ものでもない。その対立を結果的には利用して、青洲は妻に薬を飲ませ、自分の目的を達成する。 女性の奉仕を当たり前のように搾取して成り立つ「男」という存在、「家」という制度。女たちの苦悩も悲哀も結局は、それらに呑みこまれて忘れられてしまう、この不条理。実母と兄嫁のいさかいを間近に見てきた小姑が、死のまぎわに言いのこす言葉が重い。 〈私はそういう世の中に二度と女には生れ変わりとう思いませんのよし。私の一生では嫁に行かなんだのが何に代えがたい仕合せやったのやしてよし。嫁にも姑にもならいですんだのやもの〉 フィクションのはずだが、つくり話と笑いとばすことのできないリアリティがこの作品にはある。この国で女性として生きるということ――。作者の告発は今もなお、私の心をとらえて離さない。

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    投稿日: 2018.10.31
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    江戸時代紀州の外科医で全身麻酔を世界で初めて扱い外科手術をした、華岡青洲の妻、加恵を主人公にした歴史小説である。たくさんの犬猫による実験の後、青洲の母親と嫁が人体実験に名乗り出た。 嫁姑問題というのは、古今東西本当によくあることなのだと改めて思った。青洲への愛情を嫁姑で競うあまり、どちらがより犠牲になれるかという争いに発展する。姑は人々の噂になるほど若々しく美しいため、嫁となった加恵は劣等感からやきもきし、家の中で表立っては和やかな、でもチクリチクリとしたやり取りが行われる。 青洲の医者としての志は素晴らしいが、人体実験を申し出たために、妻の加恵は視力を失った。富裕な武士の家の出身で貧しい医者の家に嫁いだのは、どんな気分だったろうか。また、なかなか跡継ぎの男の子が生まれず、忸怩たる思いをした加恵の心情は想像に難くない。 紀州の不思議な方言が優しげで和む。

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    投稿日: 2018.09.04
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    紀州出身の有吉佐和子による、世界で初めての全身麻酔による乳ガン摘出手術という偉業を成し遂げた華岡青洲と母・妻の愛と確執を描いた一代記。 医師となる息子を支えてもらうため、自ら乞うて嫁に来てもらった母である於継(おつぎ)と幼き頃からその姿にあこがれを抱き、喜びとともに家に入った妻である加恵(かえ)。しかし青洲への愛(息子と夫という次元の違う愛であるが)をめぐって姑と妻の確執は募り、ついには共に麻酔薬への実験台を自ら申し出た。 ベストセラー作家であった著者は生前自分のことを「才女」と呼ばれることを何よりも嫌っていた。しかし本作品や『紀の川』『恍惚の人』に代表される一連の作品を読めば、誰もがそう呼びたくなるはずだ。

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    投稿日: 2018.07.08
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    世界で初めて麻酔を用いた手術(乳癌手術)を成功させた人。 華佗などは伝説であり、実証された最古の人物が日本人であったとは知らなかった。 本居宣長などが西洋医学を研究している中、麻沸散の開発に至ったその功績や、最新医学の開発には人体実験の影がある。といった『白い巨塔』や『ブラックジャック』的なメッセージ性のある医療小説と思って読んでみたが・・・ 英文版のタイトルが、『The Doctor Wife』となっているとおり、嫁姑戦争がこの物語の中核。 不意打ちでした。 でも、女性同士の行き違いや、嫁姑戦争の成り行きの勉強になった(笑) 影は薄くなってしまったが、華岡青洲の医師としての姿や、方言、当時の家制度、医療事情もおもしろかった。

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    投稿日: 2018.05.29
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    一八四二年、世界で最も早く全身麻酔による癌摘出手術を行なった江戸時代の名医 華岡青洲の物語……ではなく、その母と妻、つまり嫁姑の関係を描いた有吉佐和子の代表作の一つ。 於継にあこがれて嫁入りした加恵の姿が印象的なだけに、その後の疑心暗鬼が積み重なる嫁姑の関係が心に刺さる。一生を嫁がずに過ごした小陸の晩年も印象的で、女の一生とは何なのかという問いを様々な視点から投げかけつづける。久しぶりに面白い小説を読んだ。

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    投稿日: 2018.01.27
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    物凄い一冊。どの時代においても先駆者と呼ばれる人は苦労と努力を繰り返してきたんだなぁ。結婚に対しても考えさせられた。もっと評価され、取り上げられるべき一冊だと思う。

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    投稿日: 2017.09.24
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    日本の小説では一番好きな作品かも。 旦那を立てるという、本来控えめな妻の立場なのに、全然違う。主人公のあの芯と意志の強さに、つくづく感嘆。 女って、大変だよなぁ…。

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    投稿日: 2017.08.25
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    嫁姑って今でもこんな心境なんだろうな。 周りを見ても、母、息子、嫁を取り巻く思いはこんな昔から変わらないものだと思った。 最後まで二人の確執が続いていたのも現実味があった。 遠く離れて暮らす、夫の母もこんな思いなのかしら。 私には加恵さんほどの愛はありませんが(笑) ドラマ化されてたの知らなかったので、見たかったな

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    投稿日: 2017.02.18
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    切れ味、迫力あり。芝居にもなり有名な作品であるからこそ、だいたいのストーリーもわかっていて読んだ気になっていたが、それはもったいないことだ。きちんとこの文章を読むべきだ。これぞ小説だ。

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    投稿日: 2016.09.21
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    「生まれてくるのが華岡の家の者というなら、産もうとしている加恵は華岡家ではまだ他人なのか。加恵の歯も舌も胃袋も、華岡家の代継ぎを養うための杵と臼のような道具でしかないというのか。」 再び有吉佐和子。読むとそうそう、有吉佐和子といえばこれこれと頷くような女の妬みや情念の世界に引き込まれる。 社会に役立ったり誰かを助けることができるなら、自分の命は惜しくないと思わないこともないが、やはり人間自分が結局一番可愛かったりして自身を売ることなどできない。 医者の妻、医者の親であれ、自分の命を懸けてまで麻酔の実験台になると思うであろうか。 加恵の気持ちは想像できる。売られた喧嘩は買わねば。女に嫉妬されたら必死で守らなければ。それが義母であろうと。でも、まだ於継の心情はわからぬ。いつか愛しい息子などを産み育て、お嫁さんをもらう日がきたらわかるのだろうか。 華岡青洲は、世界で初めて全身麻酔手術に成功した医者(江戸時代)。

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    投稿日: 2016.07.09
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    多分学生時代以来の再読、やっぱ有吉佐和子は書ける作家ですな。この間読んだ本はなんやったのか? さておき女の情念でしょうか?怖いなぁ、嫁姑の怨念に満ちた争いもそうだが、姉の透徹さも。それを見て無ぬ振りというか、多分本質的に分かってないんだろうな、男は。(男)社会・歴史上での評価との落差含めて上手く描かれていて、ほんとすらすらと読める(褒め言葉としての)王道娯楽小説です。 ところで本作、史実を歪曲してるとか何とかいった論争があったやに聞いておるのですが、小説に何故そんなことを言う?よく分からん、まさに言い掛かりと思うのだが、時代が時代だったということなのかな?すいません、よく承知していないのに詰まらん戯言を最後に記しまして。

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    投稿日: 2016.05.19
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    世界に先立つこと40年弱、1804年の日本に世界で初めて全身麻酔術を成功させた人がいたことを、この本で初めて知りました。注目すべきは手術の腕ではなく、麻酔を作り上げたという功績。 当然ながらマッドサイエンティストのように人体実験を繰り返してたどり着いたわけでないにせよ、最終的には人間での臨床は欠かせない。 そこで最終的には、母と妻が自らその実験台にと手を上げた。そして、臨床を経てついに手術は成功。 どう考えても美談として語られる内容。 実際に、きっと美談として語り継がれてきたんだと思います。それを、まさかこんなにも深い女性の業を見せる作品に描くとは、相変わらず有吉さんの底知れなさに慄きました。 美しいだけの話では終わらせない、というのは、 美しいだけのものなんてないんだ、という真実を伝えようとする潔いまでの著者の覚悟を映し出しているように感じます。 よく言う嫁と姑の確執ですが、そもそも同じ舞台で戦うことができないこの両者に、決着なんてつけようがない。 愛を交わせる妻が相手では姑は分が悪いけれど、 我が子を生み出したという深い繋がりには、妻は太刀打ちできない。 どちらにとっても唯一無二で大切なものだから、不毛だとわかっていても「その人にとって自分が特別である」と思いたいし、そう認められたいんでしょうね。 気持ちは、わからないでもないです。 でもその想いの強さというのは、渦中の人には見えなくとも、端から見ているとなかなか壮絶でしょうね。 華岡青州の功績はもちろん素晴らしいものですが、小説として日本の医療界の一幕を世に知らしめた著者の功績も素晴らしいものだと思います。 本当に、いいものはいつまで経っても色褪せない。

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    投稿日: 2016.03.25
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    世界最初の全身麻酔による乳がん手術に成功した華岡青洲。麻酔薬の通仙散を完成させる為に自らを実験台にと申し出た妻と母。美談かと思いきや青洲の愛を得んとする女の争いなのでありました。 いやー怖い怖い。有吉佐和子さんの描く女性はドロドロしていて、読むたびに女性が怖くなっていきます。特に母の執念がきりきりとねじ込まれてくるように感じます。 義理の妹が亡くなる時につぶやいた、私は嫁がなくて幸せだったという言葉が印象的でした。

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    投稿日: 2015.11.21
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    やっぱり有吉さんの文章力はすごい。 やめられない、とまらない。 けれど、女の業とはかくもすさまじいものなのかと。 有吉さん定番の、顔も美しいけど、中身も素晴らしい女性、美っつい於継さんの姿に、私も見た目は、現状レベルだとしても、いつも居住まいがきちんとしているお上品な女性になりたいものだと思っていたのに、なんとまぁ烈しいお人であること・・・。 みんなの賞賛の眼・声がその人をより美しくするのはわかるけれども、家事をしつつも日に何度もお化粧を直し、着物を直しというところまで徹底しているかと思うと、世の中の綺麗な人を見るのが恐ろしくもなる。 そしてその於継さんに勝つ加恵さんもすごい。 姑に勝つことと夫の愛を得ることがイコールなのが、またなんとも・・・。 結婚とは恐ろしい。

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    投稿日: 2015.10.27
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    華岡青洲の母と妻は自らを人体実験に捧げた。 しかし、行いの見かけの美しさの裏では、2人の女がお互いよりも優位に立とうと意識を張り巡らせて争っていた。 最後の華岡青洲の妹に当たる人物が語った言葉が印象的。 嫁にも姑にもならずにいられたことが幸せだ、と。 一番恐ろしかったのは華岡青洲だったのか? 当時は個人が幸せに生きることを最優先にできなかった時代。 家族のひとりひとりが「家」を繁栄させるための道具としてあることが当たり前だった時代。 結局それが一番恐ろしいものだと思った。

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    投稿日: 2015.06.01
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    華岡青洲というのは、世界ではじめて全身麻酔による がん摘出手術を成功させた人なんだそうです 全身麻酔の技術を確立させるため、人体実験もおこなったが その際に献体としたのは、自らの妻と母親であった 嫁姑の間柄で、家庭を舞台に無言の争いを繰り広げていたふたりは 今回もまた、どちらがより青洲の役に立てるかと 張り合うように未完成の劇薬を飲むのである 後遺症どころか、狂死の可能性も知った上でそうなのだから それこそ一種の宗教的狂気というべきだろう 肉体をより深く傷つけたほうに愛の証が立てられるというのは 負けたものに勝利が宣せられる、倒錯的チキンレースにほかならぬ その結果は一読していただくとして 問題は、そのようなふたりを、周りの人間がどう見ていたか ということなんだ 一度も嫁ぐことなく世を去った青洲の妹は、死の間際において 結婚できなかったことを、むしろ幸福であったと言う もちろん、嫁姑争いの醜さをずっと目の当たりにしてきたためだ そしてさらにはそれを利用し ふたりに毒を飲ませた青洲こそもっとも怖るべきもので 自分はふたたび生まれ変わるとしても 女にだけはなりたくないと言う ここにおいて明らかにされるのは フェミニズムの本質にある処女信仰のようなもので やはり宗教的狂気は見て取れるが なにもそれに敗北感を感じることはないよな、と僕は思ったよ

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    投稿日: 2015.05.04
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    「私の一生では嫁に行かなんだのが何に代え難い仕合せやったのやしてよし。嫁にも姑にもならいですんだのやもの」 一番印象に残ったのは小陸のこの言葉。 女の静かな戦いも怖いけど男もなかなか狡猾だった。

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    投稿日: 2015.03.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    麻酔の話は私にとってアイデンティティです。  世界で初めて麻酔手術を成功させた日本人医師:華岡青洲のお話。検体になった嫁姑の確執に焦点を当てているところがハイセンス!  麻酔が生まれたことでどれだけ患者が救われたことだろうか。人間の苦しみを紛らわす麻酔は、化学の産んだ奇跡の一つだと思う。  そこには、「患者の苦しみを…」とかそんな善意なんて関係ない、譲れない女の戦いがあった。それはまさに「冷戦」である。 _______ p19 病に貴賎なし  近代化以前の医者の精神は「病に貴賎なし」無償で患者を診ることもざらだった。緒方洪庵も言っていたしね。医者は儲けてはいけない。仁に尽くさなくてはいけない。的なことをね。 p209 嫁姑って…  華岡青洲の妹:小睦が岩(癌)で死ぬ間際に、加恵に打ち明けた言葉。  「於継と加恵の確執は知っていた。他の嫁に行った姉妹の話を聞いても、私は嫁に行くことが無くて本当に良かったと思っている。兄は母と義姉の関係を知っていながら何も言わなかった。まぁ女に振り回される弱い男よりはいいけど。私はそんな面倒臭い女同士の確執や男と女の関係に振り回されなくて本当に幸せだった。」  嫁と姑とは…。俺、結婚して大丈夫かな??不安になってきた。  俺なんて絶対弱い男になりさがってしまいそうだ。 p212 国際外科学会  華岡青洲はアメリカのシカゴにある国際外科学会に世界初の麻酔外科手術を行った人物として認められた。 p212 ロング医師とシンプソン医師  1842年にエーテルを用いた麻酔でアメリカのロング医師が麻酔手術を成功させた。1847年にシンプソン婦人科医がクロロフォルムを用いた手術を成功させた。華岡青洲は1805年に麻酔手術を成功させたのである。 ____  もう一度言う。  麻酔の話は私にとってアイデンティティです。  このロング医師とシンプソン医師の話も知りたいものだ。絶対に壮絶な人体実験の話が伴っているに決まっている。  こういう新薬の登場には人体実験が欠かせない。昔は奴隷とか囚人を使ったのだろうが、グロテスクな話を知りたい。

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    投稿日: 2015.01.14
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    世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術を成功させた華岡青洲。青洲が麻酔薬を完成させていく華岡家の妻と姑の静かな泥沼を描く。

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    投稿日: 2014.11.05
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    「…お母はんと姐さんとのことを兄さんほどのひとが気付かん筈はなかったと思うのに横着に知らんふりを通してお母はんにも姐さんにも薬飲ませたのですやろ。…」青洲の妹・小陸の深い言葉。女と男というものは。

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    投稿日: 2014.09.16
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    もう2.3回読み返してるけど相変わらず面白い。 世界で初めて全身麻酔の手術を成功させた偉大な青洲のお話… とは成らず、 その母と妻の確執を描いた物語。 表面上は仲睦まじく見えるが 青洲への愛を競い合う二人。 お互い賢いから避難し合う訳ではなく青洲の相手に対する言動に一喜一憂して嫉妬し合う…。 二人は人体実験を進んで引き受けどちらが青洲の役に立ってるか競い合う。 結局加恵が失明してしまい、於継は何もなく…。 ここで負けたと感じる於継。 『私の一生では嫁に行かなんだのが何に代え難い仕合せやったのやしてよし。嫁にも姑にもならいですんだのやもの』 小姑の小陸の最期の言葉がこの物語を表してる感じ。 大変面白く読ませてもらいました。

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    投稿日: 2014.09.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    華岡青洲とは、麻酔を最初に作った人である。犬、猫を使い、何匹も殺す程の実験の末、最終的には母や妻で試すという、今、考えれば恐ろしい事である。この母と妻とは嫁姑ということになるが、初めは仲の良い二人であったが、青洲を取られまいと互いに心で戦い続けた二人であった。それ故に、二人は実験に志願したのだ。母の方は年も考え(本人には内緒)弱くしてあり別条はないが、妻には本実験を二度やり、一度目で失明した。昔の人の体を張っての努力が今に至る。しかも、日本で最初というのが素晴らしい事だ。

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    投稿日: 2014.09.07
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    華岡青洲が麻酔薬を完成させるまでの話。18世紀後半というところから、医学の発展は目覚ましいものだと感じるとともに、昔はなんでもアリだったんだな、とも感じた。あの西洋医学があまり浸透していない時代でよくもここまで患者を診れたものだ。もし私が18世紀に生まれていたら確実に農家の道を歩み、飢饉で真っ先に死んでいただろう。 本当に毒蜘蛛の烏頭なんて使っていたんだろうか・・・

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    投稿日: 2014.01.24
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    すばらしき 文章の巧み。 単に 嫁と姑の葛藤を描くだけではあきたらず、 嫁と姑の葛藤を 兄妹、夫の立場からみていることに 興味を惹く。

    0
    投稿日: 2013.10.03
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    「華岡青洲の妻」有吉佐和子著、新潮文庫、1970.01.30 (1997.08.14読了)(拝借) 内容紹介 amazon 世界最初の全身麻酔による乳癌手術に成功し、漢方から蘭医学への過渡期に新時代を開いた紀州の外科医華岡青洲。その不朽の業績の陰には、麻酔剤「通仙散」を完成させるために進んで自らを人体実験に捧げた妻と母とがあった――美談の裏にくりひろげられる、青洲の愛を争う二人の女の激越な葛藤を、封建社会における「家」と女とのつながりの中で浮彫りにした女流文学賞受賞の力作。

    0
    投稿日: 2013.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    中学生か高校生のときに、一度読んだが、全くおぼえていなかった。 でも、おもしろかった! というか、よくあのくらいのトシでこんな本読んだな、という自分に驚いた。内容、理解できたのか?その前に、なんで読もうと思ったんだろ。。 世界ではじめて全身麻酔での外科手術に成功した華岡青洲と、その成功(麻酔薬の人体実験)のために、自らの命をかけた嫁と姑の泥沼劇を物語る。 私は命を差し出すくらい息子を愛してるけど、あんたには出来ないでしょ?と思わせる姑。老齢の母(身内)には手を出せず、嫁を使って朝鮮朝顔の麻酔薬を開発した息子(青洲)。盲目になってまで青洲の人体実験に身を捧げたヨメ(加恵)。 姑(於継)が先に我が身を差し出す覚悟を示せたのは、我が子(於勝)に先立たれ、うしなうものは何もなかったから。のちにヨメ(加恵)も我が子(小弁)を失って、青洲をめぐっての対立だけではなく、姑のその気持ちに気付く。 という、愛と憎しみの嫁姑バナシ。 男は結局、身内を殺すことはできない、という一説が印象的だった。わかるような、わかんないような。。。 青洲目線で、この身内を犠牲にしての物語が読んでみたくなった。

    2
    投稿日: 2013.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人に勧められて読んだ本。 この本はいろんなことが書かれている。 ①嫁姑の確執 人の死など様々なきっかけが気持ちのすれ違いを助長し、確執が深くなる二人の内情の生々しい描写は圧巻。 それだけではなく、小姑や夫の胸中まで及んでいる。 現代の環境とは異なる封建制度時代の男尊女卑である江戸時代であるが、女性同士の感情は、そんな時代を超えて同じだなと感心するとともに怖れを感じた。 ②新薬の開発 今はGCPという基準に従い人体実験とならないように行われる新薬の開発。もちろん昔はそんな制度はなく、安全性もわからないまま人へ投与することとなる。その点青州は動物で何度も試し、用量も検討しこの時代では精密に行われていたと思われる。人での投与はこの時代はどの国も困っていただろう。今でもFIH試験といって注意深く行われるが。この通仙散は家族に投与しているが、通常は弱者に投与され、こういうのがタスキギー事件等へつながるんだろうな。 ③世界初の麻酔薬 エーテル麻酔など行われる何十年も前に日本人で初めて麻酔の手術が行われた。鎖国しているときで医療が遅れていただろうに、この発明は日本人として誇りにしてもよいはず。 以前は乳がん日本人で少なかったと思われるが、手術は乳がんが多く行われた。 通仙散 加恵、於継(おつぎ) 犬で実験(死骸) 体重に合わせて調合していた

    3
    投稿日: 2012.12.30
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    名著。嫁で苦労していると余計に染み渡るものがある。いや、嫁への愚痴ではなく、己のいたらなさを反省する次第。

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    投稿日: 2012.09.19
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    嫁と姑の確執という言葉だけでは軽すぎると思った。二人ともに「女」の執念が感じられ、恐ろしくも感動した作品。

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    投稿日: 2012.08.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    於継も加恵も当時には珍しい自立した女性だ。於継は加恵に「威風既に備わった大家に嫁して事なき生涯を送るか、酒屋を興して城を築く気構えで生きるか」と選択を迫り、それに加恵が応え、嫁入りが決まった。  人体実験の結果、失明した加恵に、於継亡きあと、妹の小陸は言う。「私は嫁に行かなんだことを何よりの幸福やったと思うて死んで行くんやしてのし。女二人の争いはこの家だけのことやない。どこの家でもどろどろと巻き起り巻き返ししてますやないの。嫁に行くことが、あんな泥沼にぬめりこむことなのやったら、なんで婚礼に女は着飾って晴れをしますのやろ」。於継を讃える加恵の心の裡を見抜いた小陸はこう続ける。  「どこの家の女同士の争いも、結局は男一人を養う役に立っているのとは違うんかしらん」  男に尽くすことでしか自我を表現できなかった封建社会の女たちの物語

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    投稿日: 2012.06.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数年(?)前にやっていたドラマを母が録画して一人で観ていたので、本を見つけてからそれを思い出して興味を持った。 私は嫁にも姑にもなったことがなく、父の両親とは一緒に暮らしてはいないので、嫁姑の争いを肌で感じることはなかなかない。母も会えば気を遣う存在ではあっても、日頃意識しているわけではないようである。核家族が標準となっている現代日本では大分「家」の枠も崩れ、私のような人も多いのではないだろうか。だからこそ私にはこれが昼ドラのように見えるが、単なるそれと一線を画しているのはこの物語が通仙散の完成という青洲の特殊な作業を介しているからである。まさか美談の裏に女の戦いがあるとは。それがこの話の面白さであり、見所だろう。 しかし、私が疑問に思ったのは於継はいったいどういう感情を青洲に向けていたのか、ということである。親子の間の愛と夫婦の間の愛は本質的に違うものではないかと思うからだ。そこでいくつか考えてみた。ひとつは於継が今でいうマザコンの逆で、子離れができていなかった、というもの。夫である直道の期待を一身に受け、優秀に育った息子を、同じように尊い存在に思っていたのではないか。そうだとするならば、その布石を打ったのは直道ということになる。また少し似ているが、その優秀な世継ぎを生んだのは自分であるという、自信にしていたのではないか。その息子が自分より妻を愛していて、手元にいないとなると、不安が生まれる、のかもしれない。また少し邪道かもしれないが、美しさ、若さが自慢の彼女だからこそ、ある種の恋情を息子に抱いていたのかも、など色々浮んだが、複雑で考えるほど真実が分からなくなった。あるいは、分からないほど複雑に絡み合っていることが、真実なのかもしれなかった。 いずれにしても加恵にとって幸運だったのは、青洲が妻をいたわることを知っている男性であったことである。もしそうでなかったら、家の中は生き地獄であったに違いない。

    0
    投稿日: 2012.06.24
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    今更語るべくこともないほど、名作ですから・・・・。 だからこそ、一読はしておかなければと思い読みました。 それにしても静謐な語りで、鬼気迫る嫁姑の心情を伝えているのはすごいとあらためて感じる。 心の襞をこれだけ簡明な言葉で表せることもまたすごいことだなぁと思った。

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    投稿日: 2012.06.20
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    ドラマを先に見ていたせいか話に入り込みやすかった。 それでも何度も舞台化やドラマ化するのは納得できる内容でした。

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    投稿日: 2012.04.14
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    世界初全身麻酔を成功させた華岡青洲の嫁の話。嫁と姑との確執は昔から…青洲の医者として全身麻酔を成功せたいの思いを汲みながらも嫁と姑との命をかけて全身酔の実験を争う… なぜ私の卒業した学校はこの本をクラス全員に読ませたのか…??読み返して疑問が残ったよ

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    投稿日: 2012.03.14
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    嫁と姑の確執、それを取りまく人々も含め、心境の変化が鮮やかに描き出されてます。さすがです。他の作品も読みたい。

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    投稿日: 2012.02.25
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    女の生涯を描かせたら天下一品の作家だと改めて感じた。表向きは労り合いながら互いに優位に立とうとする嫉妬の渦巻く姑と嫁。優しい言葉に包まれた微妙な含みや、些細なことでの優越感といった暗くどろっとした女の心情の動きにいちいち納得できてしまうのが何だか哀しい。長い日本髪が縺れ合うように情念の濃い、短いながら読み応えのある作品だった。

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    投稿日: 2012.02.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数ある嫁姑の戦いのうちでも、これがピカ一でしょうね。お互いに身体張っているし、表面上はあくまでも相手を立てているし。 有吉佐和子の歯切れのよい文章も、読んでいて気持ちよし。 勝ち負けで言えば、嫁が若い分勝ってしまうのだけど、姑も、コイツなかなかやるわ、相手にとって不足なし、さすがに私が探してきた嫁だけある、とまったく手心を加えない。武田信玄と上杉謙信みたいに、ある意味、お互いに相手を認めていたのかもしれない。 それにしても、武士の娘って、ほんとうに根性がある。

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    投稿日: 2012.02.04
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    感想を一言で表せば以下のようになる。 「美談の裏には必ず何らかの争いがある」 何を意図しているのかを知りたい方はご覧になってください!!

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    投稿日: 2012.01.22
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    何年も前に読んだ本だけど、今でもしっかり覚えている 深くおそろしい女の情念。嫁と姑のおそろしさ。 息苦しくなるような関係も有吉さんが描くと美しく感じてしまう。 表現も描写も丁寧で、日本を感じます。 おすすめしたい本です

    0
    投稿日: 2011.12.14
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    げに恐ろしきは女かな。 山崎豊子の「女系家族」と双璧をなす 女の嫉妬を描き切った名作。 何年経とうと何度読んでも古びない。 古今東西、どんなに環境が変わろうと、人間の心の根っこはそうそう変わらないということか。 自分の中にも棲むこの「女の部分」は 今は眠ってくれているのだろうか。 鎌首をもたげて表に出る日を待っているのだろうか。 そんなことを想像するだに背筋が凍る。

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    投稿日: 2011.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ドラマ仁を見て、華岡流に聞き覚えのある人もいるのでは? さぶり先生が仁先生に出会う前に修行していたところの師匠のお話です。 私は薬理学を習う前に読んだ覚えが。 世界初の全身麻酔を用いた乳がん手術を成功させた華岡青洲。 でもその成功には嫁姑の人体実験立候補合戦があったようです。 嫁姑の戦いとはいえ、華岡青洲を信頼できなければ無理な話でしょうね。 技術、人間的にも信頼できる人だったのではないかと思います。 そういえばつい2年前に東北の医者家業の蔵にしまってあった薬箱から、 華岡流の通仙散が見つかったとか。 歴史的な資料のはずなので、津波被害にあってないといいのですが。

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    投稿日: 2011.09.24
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    最後の一文に、すべてが集約される。嫁姑の争いも、母のプライドも、すべては女のこと。残るのは男のことのみでも、それを支える女のドラマは男のそれよりも凄まじい。

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    投稿日: 2011.08.04
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    世間的には、日本で最初に麻酔を開発し、その影には妻や母の献身的な協力があったとされている。しかし、本書を読むと、実際には嫁姑問題が絡んでいたらしいことがわかった。こういう視点から描くことのできるのは、やはり女性の作家ならではだと思った。

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    投稿日: 2011.07.18
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    高校生の頃、クラスメイトにどんな本読んでるのって聞かれて、今この本を読んでるって言ったら、あなたのセンスがわかんないって言われたな。 高校生にしては渋いって意味だったんだろうけど。今でも仲の良い友達です。

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    投稿日: 2011.05.24
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    二人の女の無言の確執に最後はもううんざり。 青洲の墓がデカイ、という終わり方に何とはなしに全て虚しくなった。独特の方言がいいね。 (2004.12読了)

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    投稿日: 2011.02.17
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    凄まじいお話だった。そしてこの凄まじさは、時代がかわっても本質的にはあまりかわっていない。人間はまったくその点進歩しない。 それがこの小説が現代もなお生きる理由なのだろうけど。 ああ こわかった

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    投稿日: 2010.11.15
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    再読 嫁姑の恐ろしい仕組みを肥やしにして世界初の全身麻酔を成功させた男 の周りの女達の物語 作者は本当に女をえがくのが上手い

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    投稿日: 2010.10.21
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    昔、有吉佐和子漬けになっていたとき読んだ。 有吉作品の中では、トップレベルの面白さではなかったと私は思うのだけれど、それでもこれはすごく印象に残っているので、やっぱ面白かったよなぁ、と思います。 監督・増村保造、脚本・新藤兼人で映画化になっていますが、この強力ねっちりコラボ!でも原作のねっちりさにはかなわない。

    0
    投稿日: 2010.08.29
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    高校時代、初めて有吉佐和子の作品で読んだ本。 理由は「ページ数が少なかった」から(正直)。 その後、有吉作品にどっぷり浸かりました。 女の確執が、時代背景も相まって楚々と書かれている。人体実験の裏側は美談でもないのだ。

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    投稿日: 2010.06.18
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    独自に研究を重ねて麻酔薬を開発し 世界で初めて全身麻酔の手術を成功させた日本人医師、華岡青洲。 医学的にも大きな意味をもつ彼の成功の陰で 静かに憎しみ合う嫁姑が 息子あるいは夫の開発した薬の人体実験台になる。 嫁姑の、目には見えない確執を描き出した小説。 本当に面白くてよく出来た作品! 研究に没頭する才能あふれる男、医家に嫁いだ二人の女 女たちの憎しみもさることながら、 それを知りながら穏やかに利用する男の強かさもリアル。 姑がこんなに怖いものなら、お嫁にいきたくない。 今では当たり前にある麻酔薬が、開発された過程も圧巻。 実在した人を取り上げて 偉人伝にしないのが有吉佐和子のすごさだとおもう。 言い回しも美しく、毎度ながら筆致も巧みでさらさら読めちゃう 何度読んでも面白い。名作だと思う。

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    投稿日: 2010.03.15
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    夫であり息子である華岡青洲への、妻と姑の愛。 自分のほうがより、彼の役に立っているという陶酔。 女の本質は「捧げる愛」なのかもしれないな。

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    投稿日: 2010.03.14
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    おもろかった! やっぱり女同士はコワイ~と思った。 嫁ぐ前の姑に対する感情と嫁いだ後の感情が真逆! こんなにも変わってしまうものなのか・・・。

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    投稿日: 2010.03.08
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    恍惚の人、非色に続き、読んでみた有吉佐和子の3作品目。 相変わらずの"力"のある文章に、どんどん引き込まれてしまった作品。 とある医者のもとに嫁いだ、女の話。 憧れとしての姑。 華岡家の現実。 そして、人体実験。 全ての感情が手に取るように伝わってくるのと、登場人物の描写が絶妙に感じましたぞ。 いやいや、すごみの有る文章ですわ。 この人の作品は好きですな!

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    投稿日: 2009.10.03
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    嫁姑のおっかない話です! 息子への愛vs夫への愛みたいな感じ、女の意地と意地のぶつかりあい。 競って麻酔薬の実験台になり、優越感を感じちゃってるのが怖い。

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    投稿日: 2009.06.08