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こまった人たち チャペック小品集
こまった人たち チャペック小品集
カレル・チャペック、飯島周/平凡社
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総合評価

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    「チャペコマニアの心を揺さぶるイタ可愛い人たち。」 鋭利かつペーソスの綯い交ぜになったペンで描かれる16編の「ポケット短編集」、5編の小品を収める「遺稿から」、日常にある身の回りの事物によせて、国家や戦争、社会や人間を見つめる洞察が冴え渡る「寓話集」からなるチャペックの作品集。 病を得て熱に浮かされ痛みを抱えたとき、自我の全てはその「痛み」に支配されるという「歯が痛む時」はインフルエンザやノロウィルスが相変わらずの猛威を振るっている折、身体に「痛い」。確かに全神経は「痛み」に向かって集中し、その間、家庭も会社も過去も未来も無い。 「痛くない者、それはもう自分じゃない―」 おっしゃるとおりです、ハイ。 しかし痛みから解放されたとたん、この話で言うなら痛む歯を抜いてしまったときの心持ちとは……人間とはまことにゲンキンなものです。 「…たった一撃で、痛みと恐怖に閉じ込められていた哀れな自我が解放され、体の中にまるで川のように流れ出した感じです。私は一気に自分の正常な、広々とした自我を持ち、その自我はあたりを眺め、考え、おしゃべりをし、そして世界全体に興味を抱くのです。」 この他にも、せっかく買ったご馳走のフォアグラのパテを、妙な杞憂のために飼い猫に全て食べさせてしまう「フォアグラのパテ」や、ひとたび足を踏み出せばその一歩が何メートルもの高さまでジャンピングする「空を翔べた男」、仕事上で理不尽な罪を着せられながら、関わる人々を理解し全てを許そうという考えに至った男のはげ頭には金の輪が…「光輪」など、深い示唆に富みながらもチャペコマニアの心を揺さぶるイタ可愛い人たちがたくさん登場しますよ。 後半は、激動の東欧でジャーナリストとして生きたチャペックが、世の中を見晴るかして掴んだ一瞬の光を、身の回りの事物に寄せて一文ほぼ一行から二行で表現していく寓話集。 今の時代に読んでも膝を打つものが目白押し。いくつか引用しようと思いましたが、数があり過ぎて断念。これはもう「読んでください」ってことで。

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    投稿日: 2013.02.09
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    またまた入院中に読みました。 作者によって観察された人間たちの姿を描いた短編集。共感したり、ハッとさせられたり、とにかく幅が広いのです。 「ロボット」ということばを生み出したのはこの作者だそうです。本人はあまり気に入ってなかったようですが。

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    投稿日: 2008.01.14
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    小さなアイディアやSF手前のちょっとした小品のよせあつめ。もう言い古されてしまったような教訓もあるけれど。

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    投稿日: 2007.12.10