
総合評価
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powered by ブクログ時代劇や戦前の昭和、近未来、果ては夢の中と世界観に合わせて文体を変幻自在にこねくり回す筒井康隆の文章力が凄すぎる。この短編集はわりと実験的かつ、奇抜な短編が多いものの、その中でも一番上手さが光ったのは「夢の検閲官」で、物語が始まってからわずか1ページ半で子供を亡くした母親の夢を悪夢にしないように検閲する夢の裁判官たちという世界観を説明しており、導入を妨げることなく流れをスムーズに描いたのは脱帽である。 実験作の中で秀逸なのは「レトリック騒動」であり、慣用句や比喩表現が全部現実化するというナンセンスコメディながら、字数まで完璧に揃えてよくもまあここまで出てくるものだと感心する。最後のオチもギャグとして素晴らしい。 個人的にお気に入りなのは「火星探検」であり、火星探検に向かう隊員に対し、最初は誇らしく接する地元の人間たちであったが、主人公を嫌う男が現れてから状況が一変し、火星に向かうのを税金の無駄と断じてから雲行きが怪しくなってくる。それはまさに公務員に対する庶民の悪感情であり、こういういやらしい大衆性を描かせたら筒井康隆の右に出る者はいない。そして火星探検を諦めさせることに成功するものの、生じた後味の悪さを誤魔化すように暴走していくのは見てられないほどに醜悪で、今の世の中を思うと予見性がハンパないなと思った。
0投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログ短編18編を収録しています。 「借金の清算」は、ヤクザの兄弟分の会話形式の作品です。任侠物の映画に対する、著者のやや偏愛めいた趣味が現われているようにも感じられます。このことをはっきりと指摘したのは、『男たちのかいた絵』(新潮文庫)に所収の中島梓(栗本薫)による「解説」でしたが、やはりそうなのかという感想をいだきました。 「最後の喫煙者」は、喫煙者に対する非難の声が高まるなかで、最後までタバコを手放すことなく戦いつづける「おれ」の物語です。『笑犬樓よりの眺望』に収録されているエッセイにも、同様の呪詛のことばが見られます。 「傾いた世界」は、フェミニズム批判をひとつの主題としているといってよいのですが、この作品が書かれたのが1989年であり、いわゆるバックラッシュが表面化する以前のものであったことを考慮したほうがよいのかもしれません。当時にあっては、フェミニズムの主張は禁煙と同様にすくなくとも表層的なレヴェルでは正義とみなされており、それゆえ著者のブラック・ユーモアが功を奏したのでしょうが、SNSなどにフェミニズムに対するユーモアの欠如した剥き出しの憎悪があふれている現在では、当時の読者とおなじ心境で本作を読むことは困難であるような気もします。
0投稿日: 2023.12.26
powered by ブクログ内容紹介 不人気な俳優の鬱屈した怒り、規則に縛られたレストランのボーイの悲哀をコミカルに描く表題二作等、狂気と狂気が激突する全18編。
0投稿日: 2019.10.29
powered by ブクログ今改めて読むと、微妙にあざというか、薄いというか。 こういうように材料を料理すると面白いでしょ?てな感じで。 自分が若い時は面白かったんだけど、現在読むとちょっと読み応えが違うなぁ、、、
0投稿日: 2018.10.13
powered by ブクログ筒井ワールド全開のシュールな一冊です。 特に「最後の喫煙者」が個人的にお気に入りの作品です。 本書を含め、短編集を何冊も読みましたが、改めて整理しながら再読したいと思います。
1投稿日: 2014.08.25
powered by ブクログ昔、確か10年以上前、テレビの「世にも奇妙な物語」で見た、最後の喫煙者の話が忘れられず、ついに巡り会えました。 すごく印象的な話です。 作者のアイロニカルな発想と色々なものの暗示みたいなものが、読んでいて、私の想像を膨らませてくれます。 今読んでも面白いです。
0投稿日: 2010.10.10
powered by ブクログ「夢の検閲官」「カチカチ山事件」「魚」「レトリック騒動」「借金の清算」「上へ行きたい」「箪笥」「巨人たち」「鳶八丈の権」「火星探検」「のたくり大臣」「「聖ジェームス病院」を歌う猫」「冬のコント」「夜のコント」「最後の喫煙者」「CINEMAレベル9」「傾いた世界」「都市盗掘団」
0投稿日: 2010.03.09
powered by ブクログ表題作「冬のコント」はなかなか戦慄モノである。その他「最後の喫煙者」は何か妙な現実感を伴っていそうな気も……。
0投稿日: 2006.03.12
