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私たちはなぜ税金を納めるのか―租税の経済思想史―(新潮選書)
私たちはなぜ税金を納めるのか―租税の経済思想史―(新潮選書)
諸富徹/新潮社
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総合評価

18件)
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    近代国家の成り立ちを租税システムから鮮やかに照らして見せる本。とにかく面白かった。今では当たり前の所得税が、どれだけ導入までにハードルが高かったか。それを可能にするのはやはり戦争であり、一度導入されると所得税は極めて強力なシステムとして機能した。 具体例として挙げられるイギリスの市民革命やアメリカの南北戦争に、租税システムがこれほど深く関わっているとは想像したこともなく、とても興味深く読んだ。

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    投稿日: 2024.11.13
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    開始:2022/10/31 終了:2022/11/8 感想 税の切り口から経済史、経済思想史を概観する。税は単なる政府財源ではない。あらゆる経済主体に影響を与え、ひいては資本主義の手綱を取る。

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    投稿日: 2022.10.31
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    諸富徹の2013年の本。ただ消費税議論が選挙でも争点になったいま、改めて手に取る価値がある。「税金を取られる」という言葉の違和感から、浜矩子の「人はなぜ税金を払うのか」(東洋経済新報社)とともに手に取った。 両者とも収奪型税制は近代において大転換をしたという共通認識を持つ。 浜さんは税金は権利か義務か博愛かと義務から権利への転換をフランス革命に置き啓蒙思想の「自然権」のもとで「権利」にまでなった。それからたぶん税の所得配分機能を理論化する中で「愛」に現在なったと言う。それはそれでなかなか心を揺さぶる。 まず各々の国で税導入の契機は戦争だった。イギリスでは対スペイン戦争、アメリカでは南北戦争、日本においては日清戦争が思い当たる。 家産国家から租税国家への転換において、市民革命期のイギリス、19世紀ドイツの財政学、アメリカの政党政治のなかでそれぞれの租税思想が形づけられたという。 イギリスでその思想を代表するのがロックとホッブスで自主的納税倫理を確立しただ、市民が税を納めるのは国家が本来の機能をはたしている限りでそれを破れば納税を停止するばかりか国家の転覆「革命権」さえ持つ。市民は議会を通じて「租税協賛権」を持つ。 これと典型的に違うのがドイツの例である。

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    投稿日: 2021.10.26
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    あとがきで、「日本の明治期の税制では、直接国税を一定額以上納めた者に対して選挙権が与えられた歴史があり、納税が「義務」どころか一種の「特権」「恩恵」と理解されるという歪みが生じた」という事が書いてあり、これはなんか現代に繋がっているなと思った。

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    投稿日: 2020.11.28
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    ●非常に難しかった。しかし、どのような経緯を経て近代国家に租税が課されていったのかがおおよそ理解できた。

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    投稿日: 2018.10.26
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     近代欧米における国家や国民の成立とともに、税制もさまざまなかたちで正当化され、模索されてきた。17世紀市民革命期のイギリス、19世紀ドイツ、19-20世紀のアメリカという3つの舞台から見えてくるのは、当時の思想、あるいは社会や政治が相互に関わり合いながらもさまざまなかたちで公平な税制を目指し、さまざまな答えが考えられてきたということ。この濁流ともいえる歴史の流れから、租税の面白さだけを拾い上げてくれるのが本書です。  とくに、イギリスやドイツではそれぞれ思想(価値観といってもよい)を背景に、前者では個人の権利として、後者では国民の義務として課税が正当化されます。そしてアメリカにおいては、そうした独自の思想というよりは、二大政党制を背景とした「下からの税制改革」が進められる。  さらに本書は思想史のみならず、現代にも焦点を当てて、トービン税や国際的に課税をおこなう枠組みについても言及。ますます複雑になる時代に必死についてゆこうとする国家。本書の刊行から数年が経ちましたが、時代はますます合意の難しさを極めているように思えているようにならない……というのはわたしの勝手な感想ですが、どうなのでしょうねぇ。

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    投稿日: 2018.10.12
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    イギリス、ドイツ、アメリカの近代以降の租税論通史の本。ホッブス、ロックにはじまり ニューディール政策、現代の国際租税回避まで、わかりやすく説明されている。それぞれに ドラマがある 個人の所得に応じた累進課税による所得税、消費(支払能力)を反映した内国消費税、富の再配分としての相続税、独占企業政策や個人所得税の補完としての法人税 、戦時の異常税率などの導入経緯、根拠、歴史的変遷を記述 次の論述と税金との関係性を整理することから 始まる *ホッブスやロックの国家論 *アダムスミスの国富論 *ヘーゲルの市民社会の原理 ドイツ租税論(シュタイン、ワグナー) *個人と国家は運命共同体 *納税=個人の義務 *日本は ドイツ租税論を導入 ニューディール租税政策 税金は 単なる財源調達手段としてでなく、所得や富の再配分、独占企業のコントロールなど 政策手段としても 用いている

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    投稿日: 2018.07.25
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     租税には,国民の生命・財産を保護するための財源を確保する役割だけではなく,経済をコントロールするための「政策手段」の役割もあるという。単に「上」から義務として押し付けられるものではなく,「下」から経済に働きかけるために国民が持つ手段として租税をとらえることができる。  グローバル化が進み,貨幣や企業が国民国家の枠を越えて自由に移動するなかで,国際的な経済活動に対する課税権を国民国家を超えたどのような主体に付与することができるのか。「下」からどのようにアプローチできるのか。「グローバルな『共通課税権力の樹立』」が実現するには,夢物語と思えるほど現在は程遠い地点にある。本書でみられた租税の歴史のように,今後さまざまな議論や論争を経ていくしかないのだろう。  日本の財政についても,議論や論争を重ねて漸進していくしかないのかな,と思った。

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    投稿日: 2017.03.11
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    いやー、なかなか面白かった! 市民革命などの歴史を、税制度に着目して考えたことないし、納税を権利だと考えたこともなかったし。(とはいえ、私の場合は別に納税に対してネガティブでもなかったけど) あと、哲学的な話かと思いきや、意外にもグローバル税の話にも十分な紙幅を取って言及されていた感じだし、アトキンソンが言ってたような、最近の格差拡大と税金種別の割合の話などにも触れられていた。多国籍企業の税金対策などについても。金融取引税の話も興味深かったな。 あ、あと、世界の話だけでなく、ちょいちょい日本の現状にも触れられているのが良かった。 これだけいろいろ触れられていて、専門性もありながらも、一般人に分かりやすく書いてくれている気がしました。取っ掛かりとしてはありではないかな!

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    投稿日: 2017.02.03
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    [「られる」一辺倒の卒業]給与明細を見るたびに、なんとなく「取られている」と感じてしまう税金。そんな税金がどのような思想を背景として成立し、国民国家内に取り入れられてきたかを解説するとともに、「上からの税金」とは一線を画した考え方について提唱する一冊。著者は、京都大学で教鞭をとられ、財政学を専門とされている諸富徹。 税金というと複雑かつ難解という印象を受けますが、その成立を根本から整理してくれているので非常にわかりやすく、税を(良い意味で)身近なものとして感じられるようになるのではないでしょうか。特に、財政調達と政策達成という二つの手段が税に内包されていることを指摘しながら、ドイツやアメリカの歴史を語る章については、税にまつわる歴史のおもしろさを堪能することができました。 〜「下から」の方向性を徹底させ、そして「市民からの法人への働きかけ」という視点に立つならば、「政策手段としての税」は政権の手にあるだけでなく、たとえ間接的な形ではあれ、私たち自身の手にあると考え直すことができるだろう。つまり、「市民社会が租税を自らの道具として使いこなして経済をコントロールする」という租税観、新たな政策課税論への転換である。〜 古くて新しい問題なんですね☆5つ

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    投稿日: 2016.11.02
  • 専門書です

    大学生がレポートを書くときに有用な本だと思います。 何のために税金を納めるのか・・・と思い読みました。 税の歴史と背景がまとめられており、とてもわかりやすい内容でした。 この本で、税に対する考えが、西洋と日本では大きく異なっていることを初めて知りました。 そして、日本では、税金本来の目的とは異なった部分が大きくなっていると強く感じました。

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    投稿日: 2015.10.24
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    諸富徹『私たちはなぜ税金を納めるのか 租税の経済思想史』新潮社。市民革命以降の欧米の税制の思想史から税金と共同体の関わりを考える一冊。租税は国家が市民の生命財産を保護することの対価と考えたロック。参加し担うから「仕方なく払う」のではない。税制輸入した日本とは対極的だ。 財務危機が日常化する現在、単純な増税が決していいわけではない。税金を切り口に参加型民主主義を経済の側面から考察する上では、非常に刺激的な一冊。経済行為がやすやすと国境を越えていく現在、著者は租税に関しても国際的な規制(「世界国税庁」)をも視野に入れる。 ややもすれば感情論で扱いがちなやっかない「税」の問題を本書は、国家や市場経済とどのように結びつくのかわかりやすく解き明かす一冊。消費税増税前に読んでおきたい。

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    投稿日: 2014.02.12
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    読み終えるのに長時間かかってしまった。内容は平易とは言えないが、読みやすい。英米の租税思想史が興味深かった。 日本はどうしても税金=おかみに召し上げられるもの、という反感が強いのに、タックスペイヤーとして税金の使い道に強い関心を寄せる米国がとても印象的。

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    投稿日: 2013.12.09
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    とても勉強になります。二度目の読みなおし中です。 タイトルから感じられた哲学的なところまでは掘り下げられていませんでしたが、税に関するわかりやすい思想史であり、現代の課題も丁寧に書かれていて、仕事にも直接的に役立ちます。素晴らしい一冊だと感じています。

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    投稿日: 2013.11.04
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    「税金」と言われると、いやいや払うものというイメージがどうしてもある。 広辞苑を引くと、「租税」の項には、「みつぎもの、年貢」という定義の次に、「 国家または地方公共団体が、その必要な経費を支弁するために、法律に基づき国民・住民から強制的に徴収する収入」とあるという。 国家というものがあり続けるためには、「税」という収入源が必要なのだ。 本書では、租税が歴史的にどのようにして生まれてきたのかを追い(主に欧米が対象)、その意義を問い、将来を考える。 税制の歴史の流れとともに、哲学者・経済学者たちの種々の国家論や租税理論を紹介・解説している。 近代までの国家は、国家の持つ財産(「家産」)で財政を賄う「家産国家」だった。だが、支出の増加のため、それでは立ちゆかなくなり、「租税国家」へと移り変わっていく。 多くの場合、租税制度を変化させる大きな契機は戦争であった。有り体に言って、戦争には「金」が掛かるからである。 租税を考える上で、「義務」として政府が上から払わせるか、「権利」として市民が下から支えてくかの2つの視点がある。市民革命を経た場合は、国家を支える「権利」としての側面が大きいという。 課税をいかに公平に行うかというのは大きな問題である。制度の変遷は公平さを追い求めての変遷とも言える。 租税は「財政上の必要を満たすため」という面が大きいが、一方で、政策手段として行う場合もある。課税により、経済システムを制御していこうという試みである。CO2排出に掛けられる税などがこれにあたる。この課税の問題は、政策上の目的が達成されれば、税収が減るというジレンマである。 税は時代とともに変わる。近年、新たな税として注目されるのは、「金融取引税」である。金融派生商品に掛けられるもので、元はといえばリーマン・ショックに端を発するという。経済は実物経済から金融経済へと大きく推移してきた。こうした税が導入されれば、金融危機の対処費用としても運用可能であり、投機的取引を押さえる政策課税としての側面も持ち、またこうした税の負担は主に富裕層に掛かるため、公平性の面からも適切と言えるようである。 国際化が進む情勢の中で、将来的にはグローバルタックス(世界共通の課税)が構想されてきている。南北格差や環境に関する問題など、国を超えて解決しなければならない問題に充てる財源を持つ必要があることが見込まれる。こうした税を誰がどのように管理するか、実際上の問題はあるが、大きな視点で見ていくことは大切なことだろう。 日本の税制の流れについては、あとがきに簡単にまとめられている。 日本の所得税は明治20年に導入されている。明治政府による「上から」の導入になる。但し、日本の税はいささか特殊で、納税と選挙権が連動していたため、「名士」の証明となる面もあった。高度成長期には放っておいても税収は伸びたが、そのままの税制では難しくなってきている。公平性をもって税収を上げていく必要がある。 いささか断片的だが、本書で印象に残った点を挙げてみた。専門外のため、読み落とし、読み違いがあると思う。ご指摘があればありがたく受けたい。 *18世紀のイギリスでは、収入を正確に見積もることが困難であったため、馬車や下僕を所有しているかで課税率が決まったりしたこともあったという。 **以下、まったくの与太話です。 一応、個人事業主なもので、年度末は毎年、ぶーたらいいながら確定申告します。必要経費をまとめ、帳簿を整え、控除分を引き、課税率を掛け、なんちゃらをかんちゃらし・・・。 「むきぃぃぃぃ。どこの世界に支払うものの代金を客に計算させる商売があるんだよ(怒)!! しかも計算がめんどくさすぎ!!」と荒れ狂ってやるわけですが(^^;A)、これもまぁ「むしり取られている」と思うからそう思うわけで。 税金の本を読んだし、今年度からは「あら、面倒だけど、仕方がないわね、おほほ・・・」とココロ穏やかにやれるかな(==)。きっと無理(^^;)。

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    投稿日: 2013.09.08
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    いわゆる税金ノウハウという本ではなくて、「租税論」的な本です。国家の政策レベルの租税の考え方を述べてます。これはこれで興味深いのですが、手軽に「租税の歴史」を学べるかな?と思った自分にはちょいと荷が重いというか、文章が重かったです。ただ、内容は深みがあるので、がっちり勉強されたい方向きかと思いました。

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    投稿日: 2013.09.03
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    何かのレビューを見て、読みましたが期待していたものと全然違いました。タイトルにある結論に至るまでの、解説の長さに根が負けます。とても教科書的な本で、私にはとてもハードルが高すぎました。世界における税金の成り立ちから、それを納める必要性までをそういう方向から捉えたい方には向いているかもしれませんが、軽い気持ちで読み始めると永遠に終わりが来ないかもしれません。

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    投稿日: 2013.08.18
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    少し堅く言えば、租税を通して見た国家論です。扱っている範囲が近代の欧米、それも英米仏と独が中心なので、そういう意味での限界はあるでしょうが、現在の日本国民が考えなければいけない項目はキチンと提示されていると思います。バランス良く叙述しながら、これからの最大の課題である、国境を超えた金融取引と課税回避行為について、読者が前向きに考える材料を提供しています。 国家の役割と限界、グローバル化してゆく資本主義経済の制御、そのためのトービン税(金融取引税)など新たな税制の可能性、と書くとなんだかとっつきにくそうな印象を受けるでしょうが、大学教養課程程度、かつ、表現も平易で読みやすい本です。

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    投稿日: 2013.08.01