
総合評価
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powered by ブクログ「漂った男」が1番好き。海しかない未知の惑星に漂流した主人公の境遇は悲劇的だけど、重たくならない作風が良かった。最後が希望が持てる一文で締めくくられていて読了後に爽快感があって熱くなった。
0投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ「ギャルナフカの迷宮」環境で人間を矯正し、社会を築き上げさせる。本当に面白かった!! 「老ヴォールの惑星」知性体が人間とコンタクトするまでを描く。 「幸せになる箱庭」電網の中の世界。 「漂った男」星新一みがある。悲劇的な話だが喜劇的な一面も。漂流しているが最後の一文に感動した。
0投稿日: 2025.08.25
powered by ブクログSF短編集 SFに馴染みがない人には手を取りにくいタイトルかもしれない、でもSF的な教養がなくても表題以外はおそらく豊かな読書体験が出来ると思う 当時人生でとても悩んでいた僕には、今も本を読み続けるきっかけになった本 信念を否定され広大な洞窟に投獄される物語、「ギャルナフカの迷宮」(プロジェクトX風) 知性体の生態と、「老ヴォールの惑星」 世にも奇妙な物語風、「幸せな箱庭」(タイトルがネタバレ) 食べられる海しかない惑星に不時着した男の物語「漂った男」 一つだけ凡作(でも友達は1番面白かったと言っていた)があるが、手塚治虫と星新一しかSFというジャンルを意識していなかった当時の僕には、まさにセンス・オブ・ワンダーでした。意識して初めて小説を読み、終わりのない読書の世界に入門させてくれた本。ありがとう図書館でたまたま見かけた、このSFが読みたいと、魅力的なキャラクター、タワリ中尉へ
4投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ「ギャルナフカの迷宮」「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱庭」 「漂った男」の四篇を収録。 読友Mirokuさんのお勧めで購入しました。 実は、SFが苦手なんですが、小川作品は、SFと知らずに 読んだら印象がよくて抵抗なく読めました。 ギャルナフカの、人間としての意識を持ったまま 脱出を諦めない思考が感動的。暴走したとしても心情的に 納得できて、楽な方に逃げてないのがいい。最後のシーンも好き♪ 「漂った男」の最後の1行で感動。 もう脱力しながら泣きそうになりました。 すぐに先を想像できちゃうところもスゴイです。 想像を絶する孤独って、体験したことないので、読みながら ゾクゾクしました。
2投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1番最後の話が、1番好みだった。 最後までどうなったか見たい派としては、しっかり最後まで見たかった気もしますが。 やりとりがとてもよかった。
0投稿日: 2025.07.02
powered by ブクログ【ギャルナフカの迷宮】RPGゲーム古典ウィザードリィは、当初マッピング機能がなくダンジョン地図はプレイヤー自身が作るしかなかった。そのステージを1万倍にしたような曠大な地下空間に、モンスターはいないが不定期に送り込まれてくる「反社会行動」の囚人同士は利益相反する。彼に最低限の食と水が発生するポイント(両者は移動数時間距離)の地図を持たされて…/超管理主義政権はおそらく殺し合いで自滅を期待したが 【老ヴォールの惑星】地球人類は、木製型惑星の大気中に生涯成長し続け巨体で知性を持ち、天体観測して他の恒星系を認識する生物を発見 【幸せになる箱庭】 【漂った男】
0投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログ迷宮の話、面白かった。 社会の形と不完全さが描かれている。隣人無くして生きてはいけないという内容は共感する。
0投稿日: 2023.11.30
powered by ブクログオススメして頂いて読みましたが、面白かった……! 環境が「生物」に与える影響や変化をテーマにしたSF短編四作。いずれも完成度が高く、設定の斬新さ・科学的説得力・ストーリーテリングの全てが高水準。そして皮肉を残しながらも爽やかなハッピーエンドというのがとても素敵/// 四編のどれもとても楽しめましたが、個人的には表題作「老ヴォールの惑星」と、「漂った男」の二編が特に好みでした。 前者はヒトとは異なる生命体の目線での異星間交信への挑戦という設定が興味深く、また、スケール感のある惑星の設定に驚嘆させられます。想像力が全く追いつかないけれど、青一面の世界に群れを成す「生命体」をぼんやりと思い浮かべれば、実に神秘的でわくわくしました。 後者は絶望的な状況にもかかわらず、どこかコメディのようなやりとりが面白く、妙なリアルさが怖くもあります。そして終盤の力強い書きぶり……! ラスト一行で感嘆が漏れました。
0投稿日: 2023.11.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・ギャルナフカの迷宮 ・老ヴォールの惑星 ・幸せになる箱庭 ・漂った男 の4編からなる短編集 いい意味でも悪い意味でも、 隔絶された世界でどう生きるのか ということを描いた作品群と感じた。 『ギャルナフカの迷宮』 地下迷宮に幽閉された人々、1人1つの地図を渡され、食糧と水のありかが書かれている。他の人と地図を奪い合うのか、それとも手を取り合って生きていくのか。 『老ヴォールの惑星』 とある惑星に棲む宇宙人が、近い将来隕石が衝突し惑星が滅亡することが判明する。他の惑星に生命体がいることを信じて、発信を続けていく。 『幸せになる箱庭』 宇宙のプロフェッショナルの数名の人類が、とある惑星へ向かい、その惑星の調査を行う話。 『漂った男』 とある惑星に不時着をする1人の男。その惑星には陸がなく、全てが水だった。 あまりに広大すぎる水しかない惑星には、目印となるものもなく救助が困難であった。 しかし、その水には多分に栄養があり、それを飲むだけで生きることができる状態で、ただひたすらに救助を待ち続ける。 SFにハマるキッカケとなった作品。 と、将来思うと感じるほどにSFの魅力が詰まっていた。
0投稿日: 2023.10.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これは面白い。極限状況におかれた孤独な者が、他者とのつながりを見いだして懸命に生きようとする、そんなシチュエーションの短編集4編。 「ギャルナフカの迷宮」:政治犯として捕まった主人公が地下迷宮に放り込まれる。わずかな食糧と水、迷宮の地図の一部だけを頼りに脱出を試みるが、迷宮の中には「生肉喰い」がいて... 極限状況での孤独なサバイバルのはずが、少しずつ様相が変わっていくところにグイグイ引き込まれる。 「老ヴォールの惑星」:超臨海水の海面が支配する世界のお話。天変地異をきっかけに惑星外交信を夢見るが... 感動的な展開が待っている。 「漂った男」:8億平方キロの海原しかない惑星パラーザに遭難した男の物語。遭難ではあるが極めて安全で生命の危険は無し、故郷への帰還は絶望的で音信だけは使える、という特殊設定。遭難したタテルマ少尉を音信で励ますタワリ中尉の存在が泣かせる。そして劇的な展開が待っている。
0投稿日: 2023.05.02
powered by ブクログ良いですねー。社会科学的な観点も含めて、本寸法のハードSFですね。 「環境による意識の変容」を共通のテーマとした4篇を収録。といってもそれぞれの作品に繋がりはなく、テイストも様々で、同じ素材を様々な手法で調理したコース料理を味わった感覚です。なかなか贅沢。 あまりSFを読み慣れていない人が「SF」と聞いて想起するイメージをそのまま作品にしたような、無駄なく引き締まった端正なハードSF揃い。冒頭の「ギャルナフカの迷宮」はSFの「S」風味薄めですが、社会科学系SFと言えますし、普段SFを読まない人にもお勧めできる、文句なしの傑作。 明るい結末の話ばかり、ではありません。暗い未来が待ち受けている不穏な雰囲気を漂わせたまま幕を閉じる作品もあります。それでも、登場人物たちが(時には悲壮な決意混じりながらも)共に協力し合い、前向きな勇気を持ち続けていることが、爽やかな読後感を残します。ちょっと理想的過ぎやしないか、と思うところも、正直ありますけどね(^_^; SFだもん、これぐらいキレイでも良いじゃないか! 小川一水氏の作品は、これまでアンソロジー収録の短編をいくつか読んだことがあるのですが、実はその「理想的過ぎる」ところが少々鼻についてしまい、あまり楽しめなかったのでした。この作品集に納められている短編群は、バランス感覚が絶妙で鴨的にもとても楽しく読むことができました。他の作品も、機会があればチャレンジしてみたいと思います。
3投稿日: 2022.11.02
powered by ブクログガッツリSF。 初めて読む人は中々ページが進まないことだろう。 個人的には最初と最後の作品が好きだ。
0投稿日: 2022.09.09
powered by ブクログ小川一水という人は『天冥の標』で超有名なSF作家。 日本SF界では次世代の日本SFを代表する一人と言われている。 『老ヴォールの惑星』は初期の中編4話を集めたもの 表題作「老ヴォールの惑星」 他の惑星に住む住人、生命体、知性という概念が、人間の想像を超えるとすると……。 この作品では、生み出される生命体の様式はその惑星の環境が決定づけている。 イメージすることがなかなか難しいが、不思議と納得できる物語。 「漂った男」 誰もいない惑星にたった一人取り残される物語といえばアンディ・ウェア「火星の人」が思い浮かぶ。 不時着した惑星の環境がこの人の幸福と悲劇をもたらすことになる。 全て水面の大きな惑星に浮かぶ人間ひとり、もう砂漠に蟻を探すより気が遠くなる。 頼みの綱が通信機。昔の遠距離恋愛のように画像のない電話だけで他人と繋がるようすが、とてもリアルに展開される。 悲劇も長く続くと日常になり、いい人ばかりではなくなる。 エンディングがとてもいいので、爽やかな読後になる。 その他の中編2話も「孤独と社会」や「幻想と実体」などのテーマを持ちながら、物語自体の面白さですっかりファンになってしまった。
2投稿日: 2022.06.28
powered by ブクログギャルナフカの迷宮を読んだだけだけど,どうしてもこの気持ちを書いておきたすぎて… とにかくおんもろぉぉぉぉぉぉぉぉぉという感じ. 脳が死ぬかと思った. なんでだろ,小説読んだの久しぶりだからかな? よくわからんけど脳が焼け死ぬかと思った. なんだろ,「今まで読んだもの」の中で一番好きです.はい.
0投稿日: 2022.06.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めは全く関係のない短編集かと思ったのだが、人間の狭いスケールと時間感覚で測れるものではないと分かった。それほど壮大な宇宙感覚でまとめられた1冊で、神話のような悠久の時が流れている。 人類にとって当たり前に暮らす日々の均衡が崩れたらどうなるか、身体の能力に限界のあることをもどかしく思った。けれど『ギャルナフカの迷宮』や『漂った男』での人間の生きる力の逞しさにも出会い、「それでも生きよう」と思えるような前向きさを貰った。 特に『漂った男』が良かった。 偵察機で他の星で「生命の匂い」のする風を受ける、そういう表現が新鮮に届いた。パラーザの海はまるで羊水のようだと思った。その海に包まれて生きる地獄を、狂いながらも続けるところが特に良い。 最後の数ページで緊張感が一気に増し、なんとか帰還してほしいと思っていた自分に気付いた。
2投稿日: 2022.05.01
powered by ブクログSF素人の私が比較的読みやすいなと感じる小川一水さんの小説短編集。 どれも切り口がなるほど!という世界観で自分のなかにはないものが溢れ魅力的。 とくに最後に収録された「漂った男」のラストの駆け抜け具合がとても好きで、思わずドキドキしながらページをめくった。 読み終わってまさか泣くとは思わなかった。 小川一水さんはボーイミーツガールな短編集『青い星まで飛んでいけ』も大好きなので、そちらもおすすめです。
0投稿日: 2022.02.10
powered by ブクログ「ギャルナフカの迷路」 短編ながらもグングン引き込まれる世界観に脱帽。ページを捲る手が止められなかった。 「漂った男」 漂流系のお話は他にも沢山あるけれど、そこから切り込む!?っていう新しい視点で面白かった。最後はうやむやな感じで終わるので、スカッとした結末を望む人には不向きかも。 「幸せになる箱庭」 わりとありがち設定?途中から結末が想像できてしまった。読みやすく安定に面白かった。 「老ヴォールの惑星」 他の惑星に住む未知の生物のお話で(しかも特徴に関する描写が少なく理解するのが難しい)始終???状態だった。宮沢賢治の"やまなし"を彷彿とさせる。ゆっくりと、よーく読めば面白いのだろうけど、わたしにはあまり向いて無かったかな。
0投稿日: 2021.07.23
powered by ブクログ初小川一水。初期短編集。設定もすべて面白く、こういうSF好き。地球や人間とはかけ離れた設定で、社会と生き物の思いが成り立っているような想像とワクワクと少しの切なさが入る表題作が良かった。 地下の迷宮。緑の地図。弱肉強食。生肉喰い。仲間。共有知識。人間社会。 老ヴォール。夏の暴風。定位。水晶体。電流波。知識と経験。星空。受け継ぐ望み。 木星の噴出。トランザウト。ファーストコンタクト。知的生命体の姿と思考。現実と仮想。人類の幸せ。 八億万キロの海の星。Uフォン。過ぎる時間。正気。会話。友達。生きる目的。
0投稿日: 2020.12.07
powered by ブクログ・短編集。ぼくにとっては正統的なSF作品。古いタイプとも言う? その分安心して読める。 ・個と社会、といったふうなのが主潮低音のような気もするが単純にSF設定を楽しんでおけばいいとも思う。 ・「ギャルナフカの迷宮」政治犯とされ人工的な地下迷宮に放り込まれた主人公は誰も他者を信じない弱肉強食が確立された世界であがく。 ・表題作は地球とは全く異なる生物が日々サバイバルしている過酷な星に迫る終末の日。個体であると同時に全体がひとつであるような社会性を持つ生物がおもろい。 ・「幸せになる箱船」限界までリアルになった仮想現実は本当の現実と何かが異なるのか? それは誰にもわからないとは思う。 ・「漂った男」海しかない惑星に不時着したパイロット。絶対沈みそうにない装備と重くて沈みにくい海水だし何よりその海水は「食べる」ことができる代物で命の心配もなく通信機はどんな状態でも使える優秀さで会話にも不自由なく、ただ未知の惑星なので座標を割り出すことができず救助が来るまでひたすら漂うことになった。そんな彼の存在は? 安部公房の作品でも読んでる気分になった。
1投稿日: 2020.11.22
powered by ブクログ「テーマではなくルールをつくる」。小説、特にSFの書き方を説く講義にて聞いた言葉で、その際に紹介されていたのが本作。なるほどその言を得心する内容であり大変面白いSF作品。 四つの中編からなるが、それぞれの世界できちんと納得し得るルールがある。地下世界の迷宮牢獄、ホットジュピターの知性体、超知性体とのファーストコンタクト、海しかない惑星に漂着した男の孤独とその発見の困難。 先にルールが(さりげなく)提示されるので、その上でどのような展開になるのかのワクワク感が堪らない。そしてどれも素晴らしいラストだった。
0投稿日: 2020.10.26
powered by ブクログ漂流する人は名作 これほど応援したくなる主人公は滅多にいないと思います 最後のカタルシスがすごかった
0投稿日: 2020.05.01
powered by ブクログ日本人作家自体あまり読まないうえに、ごく最近の若い作家だという事で、最初は抵抗があった。何というか、薄っぺらい?軽薄?ラノベか?という感じが拭えなかった。でも、いつの間にかのめり込んでいる自分に気づいたとき、不思議な感覚に襲われた。「漂った男」では涙すら流しそうになってしまった。
1投稿日: 2019.10.18
powered by ブクログ個人的に物語を読むときは怒涛のように飲み込まれて余韻に浸るのが好きなので、短編(これは中編?)集だとまだアイデア段階のような気持ちになる。 最後の漂流者の話が一番面白かったかな。 物語を作るにはその人なりの思想が必要だとひそかに思っているのですが、思想が目立つのもあんまりなのだなと思う。 表題作のラストでは、人工物のような形態の生命体と地球人がコンタクトするんだけど、あっさり交流しすぎていて児童書のようだと思った。
0投稿日: 2019.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この人、天才です。 もっと早くこの人に出会いたかった…… と今までの人生を後悔するほどに、みずみずしく「美しい」と形容したいSF。 何か面白いのないかなーとハヤカワ文庫の棚をうろついた私は、気まぐれなジャケ買いでこの一冊との出会いを果たす。(本物の運命的出会い!) 「ギャルナフカの迷宮」「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱庭」「漂った男」の4篇が収録された短編集。 今までは短編が好きじゃなかった (※せっかくの素晴らしい設定がすぐ終わってしまう!設定の無駄遣いじゃ〜…と思ってしまうから) けれど、この出会いが私を短編好きに変えてしまった。 本当に甲乙つけがたいが、一番好きなのは「漂った男」。 人間の強さ・弱さが、彼の生き様そして関係者からジワジワ伝わってくる。(読んでくれ本当に) 短編で終わらせるなんてもったいない! と思えるほど凝った設定だし、読了後のカタルシスがハンパない…… 気づいたら涙が流れていた。 (読んでくれ本当に※2回目) 何かオススメの本は?と聞かれたら、必ずこの一冊を紹介しています。すべてのSF好きに読んでほしい……ホント買ってあげるから……… 心から読んでほしい一冊!! ------------------------------------ 「漂った男」 本作第4篇目に収録。 水で満たされた遠い惑星に不時着した男が「生き抜く」物語。 生きるとは?死ぬとは?どういうことなのか。 「生きる」ことは、ただ呼吸をするだけではない。 「死ぬ」ことは、ただ心臓が止まるだけではない。 頭ではわかっていても、それが本当の意味で理解できるのは、きっとこの男だけなのだろう。 生きるか死ぬかの極限ではなく、生きることも死ぬこともできない環境に放り込まれたら、私は彼のように強くいられるだろうか。 そして人は、自分以外の"誰か"がいなければ、「生きる」ことも「死ぬ」こともできないのだと、彼は私たちに教えてくれる。
0投稿日: 2019.01.05
powered by ブクログ146:小川節! と思わず唸る中編集。どれも自他のコミュニケーションと環境、「今あるあたりまえ」の価値を改めて問う作品ばかりで、興味深く読めました。「漂った男」には号泣……! 最近、涙もろすぎる。
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ【こんなに生きているものの力を信じて書かれたSFは読んだことがない】 一つ一つはそれぞれの秩序によって構成されているのに、四篇全て美しい藍色に包まれている。 渇望した奇跡は生き物が放つ光の中で簡単に色褪せ、生き物が生き物であるという事実の前で単なる必然に成り下がってしまう。 そのことに人は気づけないまま、起こった偶然に手を合わせ神に感謝する。 夢の中を心から楽しめるような、空想を頼りに道を歩くような、すごくここに居てくれるSFだった。
1投稿日: 2018.06.15
powered by ブクログSF短編集。登場人物には環境に適応/対抗しようとする前向きな力強さがあり、ストレスを感じることなく読了できた。 収録作品:「ギャルナフカの迷宮」「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱庭」「漂った男」
0投稿日: 2017.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初期作のためか、若干語り口がライトな印象を受けるが読み応えはあった。 「ギャルナフカの迷宮」 当初は話をどう持っていくのか見えなかったが、なるほどそっちに行くか、と。しかもそれすら予定調和であったという面白い展開。 「老ヴォールの惑星」 表紙のこれ生命体かよ!とびっくり。スケールの大きいファーストコンタクトを人間の側から描くものは数多いが、異星の側から描くものというのは稀だったように思う。最後のコンタクトは胸熱。 「幸せになる箱庭」 思考実験。ARやVRが一般的になってきた現状においてはあまり笑える話でもないし、ここに明確な答えが出せるものでもない。 「漂った男」 本作刊行後に『ゼロ・グラビティ』や『オデッセイ』といった宇宙遭難物がいくつか流行ったが、どちらにも類しない「生還も死亡もできない」という絶望。終盤の「むしろ帰るのが怖くなる」というあたりがリアル。最後の一文は『ゼロ・グラビティ』のラストにも通じるものが。
0投稿日: 2017.03.10
powered by ブクログSF。短編集。中編集。 はじめての作家。1作目「ギャルナフカの迷宮」の冒頭からハマり、夢中で読んだ。 文章は読みやすく、物語に魅力があり、読後感も良い。自分のようなSF小説初心者に最適な一冊。 素敵な出会いに感謝。 「ギャルナフカの迷宮」「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱庭」「漂った男」
0投稿日: 2016.11.02
powered by ブクログ迷宮と漂流の話が面白かった。結末として孤独になる、とか、突き刺さる言葉も多かった。漂流の話は、主人公が最後に、奮起してくれて良かった。
0投稿日: 2016.05.24
powered by ブクログ皿とコップの地図で投宮刑、ギャルナフカの迷宮。ホットジュピターに住む特異な知性体、老ヴォールの惑星。現実以上のトランザウト世界と鑑賞者、幸せになる箱庭。適温・可食な海の惑星に1人で漂流、漂った男。 絶妙な世界構築、その上に織りなすストーリー。
0投稿日: 2016.01.10
powered by ブクログSF作品集。普段あまりSFを読まないので、頭ん中のいつもと違う部分が刺激されました。いきなり訳のわからない世界に放り込まれて、手探りで進む内に色々と判明してきて楽しくなり、もっと先へと進みたくなる。そんな感覚を楽しみました。 過酷な環境の惑星に適した姿を得た知的生命体が、自分たちと別の存在へコンタクトしようとする「老ヴォールの惑星」には、小説ならではの味わいがありました。この惑星に住む生命体や生存法は、それこそ映像にすれば一目瞭然なのでしょうが、文章で表わされたものを想像する時の刺激は、何とも言えない面白味がありました。その後で表紙のイラストを見て改めて感嘆の声が出たものです。 また水の惑星に漂着した男を描いた「漂った男」では、究極状態に於いて人は何をもって人と為されるのかが問われます。絶対的孤独の恐怖を淡々と描いた後のラストの盛り上がりには身が奮えました。 SFとしての面白さはもちろん、人とは何か、知的好奇心の行き着く先は何かという普遍的な問題も提示されています。何より未来へのまなざしが明るいのが素敵です。
2投稿日: 2015.12.02
powered by ブクログおもしろかった。ハヤカワのSFだけど、文章が硬すぎず、かといってライトでもなく、でもしっかりSF。次は長編を読もうと思う。
0投稿日: 2015.04.19
powered by ブクログ読んでみたいと思いつつ、なかなか手を出せていなかったSFジャンルに、ついに挑戦しました。読みやすい短編(集)で検索していたら、こちらの作品が薦められていたので、手に取らせていただきました。 発想は驚きに満ちていて、文体は非常に読みやすく、描写は丁寧で深い。初めてにして、とても良質な本に当たったのでは、と思います。「SF小説には興味あるけど、難しい用語や描写ばかりで、なかなか取っつきにくいんじゃないだろうか」なんて思っていた私のような方には、ぜひお薦めしたいです。 四つの短編が収められていて、どれも五つ星ですが、あえて順位をつけるなら、個人的には「老ヴォールの惑星」>「漂った男」>「ギャルナフカの迷宮」>「幸せになる箱舟」でしょうか。特に「老ヴォールの惑星」と「漂った男」は、作者の宇宙に関する造詣の深さが、ひしひしと伝わってきます。
1投稿日: 2015.02.15
powered by ブクログ中・短編四編収録のSF作品集。 『ギャルナフカの迷宮』は政府の反逆者は広大な洞窟で投獄される国を舞台に、一人の教師が投獄されてからを描いた話。 絶望しかないように見えた世界が少しずつ理想へ向かっていく様子が非常に力強く描かれている作品でした。 『老ヴォールの惑星』は設定がとっつきにくいものの、それを感じさせない作品の引力を感じました。次世代への知識を受け継がせることが生んだ、ラストの結末は自分たち人間も学ぶべきものがあるように思いました。 『幸せになる箱庭』も序盤は話の内容が見えにくかったですが、最後の高美の対話は感じるものが多かったです。 『漂った男』は無人の惑星の海に着水したパイロットの生涯を描いた話。 SFは壮大なホラ話だ、的な言葉をどこかで聞いたことがありますが、まさにそんな印象です。とんでもない話の設定ながら細部や細かいエピソードもしっかりしていて、リアリティがあるだけでなく、そこから見えてくる人としての生き方や孤独感と人とのつながり、など描かれるテーマにもしっかりと踏み込んで、ラストの主人公の苦悩と決断までしっかりと描き切っています。受賞作というのも納得の出来! どの作品もさまざまな側面から生物や人類に対する可能性や希望を描いていたように思います。 第37回星雲賞日本短編部門受賞作『漂った男』
0投稿日: 2014.04.05これほど贅沢な短篇集は見たことがない。
収録された4篇がそろいもそろって傑作。 これほど贅沢な短編集は見たことがない。
0投稿日: 2013.12.30とてもSFらしいSF
4編収録の作品集ですが、どれも「これぞSF!」と実感できる本格SF作品となっています。 陸地のない星や大型の知性体(表紙で飛んでいるやつ)といったモチーフもいいし、それを硬質な文体で描ききる筆力も確かなものです。途中で「女性に夢を見すぎているんじゃ?」と思うような記述があり、そこは少々気になりましたが……。 驚いたのは、人間以外の生物を主役に据えて、これほど完成度の高い物語を紡ぎ上げてしまう著者の力量です。SFというジャンルの果てしない可能性を感じさせてくれる一冊でした。
2投稿日: 2013.11.20良質なSFを堪能できる中短編集
SF好きには、たまらない中短編集だ。全体的にあまり明るい話がないのだが、登場人物がかなり前向きで読んでいて元気がもらえる。またSFのガジェットをさりげなくしかもうまく使われているので物語の邪魔にならない。それだけ話に集中できる。あと軽い文章ではないのだけれど、非常に読みやすい。 表題作の「老ヴォールの惑星」以下、「ギャルナフカの迷宮」、「幸せになる箱庭」、「漂った男」の全4編を収録している。 「ギャルナフカの迷宮」は、最初は陰惨な話なのだが人間は社会の動物だということを示す、実験的な話になっている。 「老ヴォールの惑星」と「幸せになる箱庭」はファースト・コンタクトものだが異星体と人間のそれぞれの視点から描かれていて、同じコンタクトものでもアプローチの仕方でこんなにも違った面白さが出せるのかと感心した。 「漂った男」は、未知の惑星で遭難した男の話で主人公は悲惨な運命を辿ってしまうのだが、この設定でよくここまで物語を作れるなあとこれまた感心した話。この作品は第37回星雲賞の日本短編部門受賞している。 とにかくサクッと読めてSFを堪能したい方にはオススメの中短編集だ。
7投稿日: 2013.11.15
powered by ブクログ小川一水著、SF小説。地下の迷宮に放り込まれた主人公が独自のコミュニティーを築いていく「ギャルナフカの迷宮」、自然発生する生命体が星の危機に際し記憶の継承を目指す「老ヴォールの惑星」、木星における知性体との遭遇を通して現実と仮想空間の意味を探る「幸せになる箱庭」、海しかない惑星に不時着した主人公の孤独なサバイバル「漂った男」の四つの中篇を収録。 特に「老ヴォールの惑星」と「漂った男」が面白かった。私は普段あまりハッピーエンドの小説を読まず、読みたいとも思わないのだが、この二つはハッピーエンドでよかったと自信をもって言える。前者は生命体への愛着が湧いてきてそう願わざるを得ないし、後者は充分予想できるオチだが主人公の切実さが伝わってくるので説得力がある。ハッピーエンドを毛嫌いするのもよくないなと思わせてくれた。 唯一、不満が残るのが「幸せになる箱庭」。まず、前置きが長すぎるし、キャラクターも描き切れていない。結果、いろいろと設定は凝っているのに、ラストシーンが安直に見える。人間不信に陥る過程も「ギャルナフカの迷宮」に比べて随分劣る気がする。
0投稿日: 2013.10.26
powered by ブクログ4つの中篇小説。どの話もとにかく設定の緻密さに驚く。特に「ギャルナフカの迷宮」と「漂った男」には引き込まれページをめくる手が止まらなかった。小川さんの別の作品も是非読んでみたいと思った。
0投稿日: 2013.08.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
それぞれ4編の短編とうか中編が入っている。 それぞれ中々にこった内容というか、中編集だからなのかもしれないけど、なかなかに読みごたえがあった。 少なくとも、自分的に読み始めて話の終わりをどのように持っていくのかが読めなかった。 楽しく4編とも読めた。
0投稿日: 2013.08.07
powered by ブクログ小川一水先生の作品はこれで二作目ですが、またしてものめり込んでしまいました。。。 内容は中編が四作という形でした。個人的には「漂った男」と「ギャルナフカの迷宮」が好きです。どの作品も「これぞ、SF!」といった感じで楽しめました。これからも小川一水先生の作品を読んでいきたいです。
0投稿日: 2013.04.11
powered by ブクログSF中篇集。四作どれも面白かった。 全体的に漂う雰囲気は、藤子・F・不二雄先生のSF短編集のそれに似ている。 アイロニーに溢れていて、どこかノスタルジック…。 リスペクトしてると嬉しいな。特に大意はないけど。 主題である『老ヴォールの惑星』は、もう読んでいて天地が分からなくなるくらい 自分が持っている常識の感覚と想像力を超越した世界だった。素晴らしい。 『幸せになる箱庭』は、まるでマトリックス。 誰しも一度はこんな状況を夢想したことがあるのではないだろうか。 「今の世界は実は現実ではなくて本当の自分は…」なんていう風に。 ボクはある。今でもときどき。持病の中二病をこじらせたかな。 『ギャルナフカの迷宮』は、フレッシュイーターという呼び名に鳥肌が立った。 そして自分は誰になるだろうか…と考えさせられる。 唯一の食料(除く人肉)はちょっと食べてみたいかも。 『漂った男』は、最後が素晴らしい。そして未来も。 実際に経過した時間を思えば、本当に目も眩むような…。 ボクなら正気を保つ自信がないな…。 それにしてもカバーの絵、めちゃくちゃカッコいい。 はじめは宇宙船かなんかだと思ってた。 こちらもボクのイメージをはるかに凌駕している。あわせて素晴らしい。
0投稿日: 2013.03.05
powered by ブクログ珠玉のSF短編集。表題作は独特で好みが分かれるが設定がしっかり考えられていて良い。他レビューでも高評価の漂った男はSFというよりドラマチックで熱い話。とても気に入った。
0投稿日: 2013.02.23
powered by ブクログ中編4編を収めた中編集です。4編の作品全てが素晴らしくレベルの高い作品だと思いますが、個人的には「漂った男」がベストでした。1人だけで極限状況の中生き抜くには、逆説的ですが他人とのつながりが不可欠であることを強く認識させてくれます。希望を抱かせるラストも良いです。
1投稿日: 2013.02.21
powered by ブクログ小川一水を読むのは2冊目。 至極読みやすくてサクサク読めてしまうので、 ラノベっぽいのかなと思いきや、 この中編集で改めました。 不親切じゃないかと思えるようなSF特有の難解さは一切無く、 やはり読みやすいのですが、面白い! サクッと読めてしまう小説は残らない物が多いのですが、 残るし、結局後でまたじわじわ読みなおしてしまいました。 「漂った男」が一番お気に入りです。 最後まで描き切らない、読み手の思考の余地を残す描き方が どれも秀逸でした。 もう少しボリュームのある物が読みたいので、 今度は続きものにしようかな。
2投稿日: 2013.01.16
powered by ブクログーーー偵察機の墜落により、おれは惑星パラーザの海に着水した。だが、救援要請は徒労に終わる。陸地を持たず、夜が訪れない表面積8億平方キロの海原で、自らの位置を特定する術はなかったのだ―通信機の対話だけを頼りに、無人の海を生き抜いた男の生涯「漂った男」、ホット・ジュピターに暮らす特異な知性体の生態を描き、SFマガジン読者賞を受賞した表題作ほか、環境と主体の相克を描破した4篇を収録。 傑作長篇『時砂の王』で出会った小川一水の短編集 「ギャルナフカの迷宮」「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱庭」「漂った男」 甲乙つけがたい作品たちやけど、敢えて一つ選ぶとすればやはり「幸せになる箱庭」やろう。 超技術に裏打ちされた相手と環境は"お前ならどうする?"という問いかけを、読者にも容赦なく刺しこんでくる。 他にも、表題作で感じるトキメキや「漂った男」の刻々と変化する展開など 見どころばかりの一冊 理解できないと思うが、天文航行省の三十年分の予算を費やしたよ
0投稿日: 2012.12.30
powered by ブクログ今、読み終わった本があまりにも良かったので、久々に感想を。 涙ぐみながら、書いてます。 小川一水さんのSF短編集です。 4編あるんですが、どれも一級品です。 素晴らしいの一言。 どれも素晴らしいんですが、とくに印象的な2編をご紹介します。 『ギャルナフカの迷宮』 短編集の一話目で、ガッツリ掴まれました。 とある国で、主人公の男性が政治犯として、逮捕され、刑として地下迷宮閉じ込められます。 中の条件は 「他にも国に盾突いた政治犯が閉じ込められている」 「パンみたいな食べ物と水が、どこかで発生しているが、そこを特定するのが困難であり、中の人が奪いあっている。それによって疑心暗鬼になっている」 「食料に満足できない人たちが、人喰いを始めている」 というもの。 そんな苛烈な環境を、主人公が徐々に変えていきます。 与えられた環境をどう幸せなものにしていくか?という話でした。 ワクワクしながら、それでも幸せって何だろう?って考えさせられます。 素晴らしい!! 『漂った男』 ある惑星の探索中に事故にあい、水しかない惑星で漂流する人生を送ることになった男性のお話。 電話みたいなもので母星の人と会話はできるんですが、それだけしかできなくなります。 この短編集全てで言えることなんですが、テーマは「幸せになるには?」「何のために生きるのか?」です。 ちょっと宗教チックなテーマではありますが、誰もが考えたことがありますよね? それを突き詰めて、最高に表現するにはどうすればよいのか?と考えられたのが『漂った男』だと思いました。 読む人によって、結論が変わる類のお話ですね。 とにもかくにも、ラスト数ページで僕はガンガン泣かされて、最後の一行は今年読んだ本の中で最高でした。 そんな短編集。 SFなんですが、近未来的な環境を用意するに留まり、中身は普遍的なテーマを扱っています。 や~ここ最近、小川さんの本を何冊か読んでるんですが、大好きです!!
1投稿日: 2012.12.08
powered by ブクログ中編4話 1 脱出困難迷宮牢獄の話。そんなものつくる労力があったら他へ使うわい!という舞台設定への文句は言っちゃダメです。こういう舞台では当然ある人間への悲観という展開を丁寧に覆していく。若さと力強さと温かい期待にあふれるお話。 2 表題作。いきものの描写が緻密で楽しい。先人の知識をまるごと受け継ぐシステムが素敵。口語伝承を続ける部族みたいな雰囲気だなあ。最後に会うのが人類じゃなくても良かったかな。 3 星間飛行の末、辿り着いた星は…。よくある展開のように思うが、ラストが爽やか。青年と異星人?との会話が噛み砕くように進むのでありがたい。世(ほかのSF)の異星人は、このシチュエーションでそんな親切な態度にはでてくれないぜ。 4 漂った男。コミュニケーションが人間を形作る、という普遍的話題を突き詰めた話。そんなご都合主義な場所があってたまるか、という舞台設定への文句は言っちゃダメです。SFとして屈指の作品だと思う。泣かせる。 総じて甘く青いけれど、そこを楽しむこともできる。巧さも楽しめる。 追っかけしたかったなあ。今からみんな読むけどさ。
0投稿日: 2012.12.04
powered by ブクログひさしぶりにSFが読みたくなって購入。前から気にはなっていた本だったので。 どの話も魅力でいっぱい♪ お気に入りは表題作の知的生命体の盛衰記と 無人の大洋惑星での漂流記です。 この著者の作り出す世界の雰囲気が気に入ったので また買ってみたいと思いました~(^^)
0投稿日: 2012.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
SF中編集。 面白かった! この本で描かれる女性たちは全体的にあまり好きではないんだけれど(作者が女性をこう見ているのかと思うと…ちょっとなぁ。 笑)、比べて話自体と男性キャラクターたちが良い。 特に最後の「漂った男」 これが良かった! 私がこの状況だったら絶対に気が狂います。
0投稿日: 2012.10.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
極限状況における生存、みたいな設定の4編を収録。非常にシンプルな設定で、短編SFだと人工的な思考実験的なものになりがちだが(それはそれで面白いけど)、物語としても面白いし(ラノベで鍛えたリーダビリティの高さのおかげ?)、なんだか熱いw 「ギャルナフカの迷宮」ホッブス的原始状態から社会を作ることを描いた寓話。そう都合よくいくかよ、と突っ込みつつ、ハッピーエンドでよかったよ。 「老ヴォールの惑星」嵐の中鰭肢を踏ん張って立ち尽くすのは、皇帝ペンギンがヒント?? でも体表に無数の汎眼を持つ円筒体の知的生命体が、冬夏には隊列を組んで踏ん張り、春秋に飛行するてほうがロマンだわ。まさか、その円筒体生命体の成し遂げたことと運命に大泣きするとは、自分がびっくり。 「幸せになる箱庭」私にはクインビーの提案(?)を拒む自信はない… トランザウト状態が、各人の意識内だけでなく、みんなで共有されたヴァーチャル状態だとすると、各人の要望が常に満たされるってホントかな? 2人のエリカ状態みたいな矛盾が生じて、欲求を満たされない人も出てくるのでは。要望までコントロールされるのはイヤだなあ。 「漂った男」昔店番バイトで、1日中誰とも会話しない日があったりして、意識の内外の境界(?)がぐちゃぐちゃになってきて、頭へんになりそう、と思ったことを思い出したわw タテルマ少尉の究極に単調な日々もなぜか面白く読み進めたが、終盤怒涛の展開で、最後は号泣しました。「こんなラストは認めない。ハッピーエンドを自分で書いてやる」と思って作家を志した(解説より)というくらいだから、ハッピーエンドにしてくれるとは思っていたけど、ホントによかった。甘さ・青さ上等。
0投稿日: 2012.09.09
powered by ブクログはじめて読んだのは「フリーランチの時代」だが、ベストはやはりこれを挙げる。表題作はじめ、粒ぞろいの作品集。 「第六大陸」「妙なる技の乙女たち」や、刊行中の「天冥の標」シリーズも好き。 「復活の地」「導きの星」「時砂の王」とかが実は未読。 この人の作品は、「SFを読んだ!」て気分にしてくれる。それでいて難しくはなくて、ポジティヴ。人間を信じてる感じがする。ポジティヴすぎて「甘い!」って思うこともあるけど、基本はその前向きさを信じたい気持ちがあるから、やっぱり勇気付けられてしまうんだろうと思う。「漂った男」いいよ。
0投稿日: 2012.08.20
powered by ブクログSFマガジン読者賞受賞作。 短編と中編の区別を知らないけど、解説によると中編集になるらしい。 「ギャルフナフカの迷宮」「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱庭」「漂った男」 の4編が収録されている。 SFはあんまり読んだ事のない分野だけど、この本は哲学的な思索が随所にみられるように感じた。他のSFもそうなのだろうか。 既に書いた文章から感想を持ってくると、「ギャルナフカの迷宮」は、 映画でいうと「CUBE」とか「SAW」とかに分類されそうな、(笑いを入れると松本人志監督「しんぼる」も含まれる)「閉鎖空間でのサバイバル&脱出系」の作品でした。 外界から隔絶された空間で同じ状況に置かれた者同士が、相互不信や疑心暗鬼に陥ったりしながら、知恵を出して生存と脱出のために奮闘するというのが、私の置かれた心理的状況とシンクロするものがありました。 生贄として、最下層民として囚人が必要とされたというのは、自分の状況認識と似ているなと思いました。 「老ヴォールの惑星」は、想像だけで書かれた生物の住む惑星が舞台の話で、将来に隕石の衝突による種族の滅亡が確実の中、別の知的生命体に知恵や経験を託せないかと種族が連帯してメッセージを送る話。 これは死を身近に感じる精神状態で、私が読書経験の中で得た最良のものを人に伝えようとするのと似ているなと思いました。 「幸せになる箱庭」は「仮想現実と現実」が主題の話で、マトリックスのような仮想世界に生かされている世界と現実の世界の区別はできるのか、という哲学的な思索がある。 これは「培養液の中の脳」といった哲学で時々話題になる話を思わせる作品でした。 「漂った男」は、自分の住んでいた惑星から遠く離れた無人の海だけの惑星に漂流した男が、通信のみを心の拠り所にして救出を待って生き延びる話。 これは、私の支持者なんて一人もいないんじゃないかという無人島への漂流に似た心理的風景と、パソコンによる通信を心の拠り所にしているという自分の状況と重なるものがありました。 バイタルデータもとられたり、生存のために脳内妄想の世界に逃避したり、通信手段の機械での情報伝達経路が政府によって把握され、心の拠り所としている存在が実際には代理役を立て相手している事を隠している、というのも自分の状況と似ているなと思いました。
0投稿日: 2012.08.13
powered by ブクログSF中篇4作品収録。 日本にはすごいSF作家さんが誕生していたのですね。 いやぁ、全然知りませんでした。 「漂った男」が一番好きです。
0投稿日: 2012.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小川一水さんの、おそらく出世作になるであろう中短編集。 そんでもって、これサイン本なんですよ。神保町にてゲット。 ドリルではなく、知性と秩序をもって地下に光をもたらす「ギャルナフカの迷宮」、 ティプトリーっぽい異星生命の話でありつつやっぱり一水さんっぽくまとまるタイトル作の「老ヴォールの惑星」、 「幸せになる箱庭」はまぁ、どこかで読んだことある感じですが。 どれも綺麗に纏まっている。 個人的にこの三つでは「ギャルナフカの迷宮」が好きですが。 しかし何といっても「漂った男」でしょう。 これは日本SFのオールタイムベストに入るべき作品だと思う。 おそらく、時空を超えて面白い。 GPSが前提の今では突飛に見える設定ですが、 Locator/ID分離が本気で実現されて物理層が隠蔽されれば、 それっぽくなる・・・かも? 今改めて読むと、天冥の標のアーキタイプになってそうなギミックもチラホラ。
0投稿日: 2012.07.24
powered by ブクログSF短編4本。共通のテーマとして既存の価値観を捨てる状況に半ば強制的に追い込まれた時に、生命体が新しいシステムを構築するまでの葛藤と執念が描かれている気がする。そこには、思考する生命体の無限の可能性のようなものを感じさせてくれる。 「ギャルナフカの迷宮」と、「漂った男」が読み応えあった。
0投稿日: 2012.06.27
powered by ブクログ最近お気に入りの作者の短編集。「ギャルナフカの迷宮」はSFとはいえないけれど、なかなか読ませる。オチは想定の範囲内というか筋書きに新鮮さはないけれど、読ませる技術というのかなぁ、すばらしいな。 表題作「老ヴォールの惑星」は異星人知的生命体視点での話。「重力の使命」っぽいな。ハートウォーミングな展開で、地球人が彼らを救出するんだが、乗り切れなかったのも事実。なんでやろなぁ。 三番目は既読「幸せになる箱庭」。これは良かったんだよなぁ。ディック風で。 ラストは「漂った男」。ハッピーエンドというか、ひねりがない終わり方というか、なかなか味わい深いというか評価に迷うのだが、良い作品であることは事実。 実は表題作が一番インパクトが小さい気がする不思議な短編集だ。
0投稿日: 2012.05.14
powered by ブクログニュージェネレーションSF作品 「ギャルナフカの迷宮」、「漂った男」はとても楽しめた。 「老ヴォールの惑星」はちょっと苦手です。
0投稿日: 2012.04.17
powered by ブクログSFっぽくなくて、きちんとエンターテイメントとして書かれていた。物語世界に引き込まれて、展開にハラハラドキドキして、読後の満足感に浸れる、そんな小説。文体も癖がなく、簡明な記述で読みやすい。ただ、主人公が若干マッチョなのがたまに気に障る。その分「漂った男」はブラマンスとして魅力的なのかもしれないけれど。
0投稿日: 2012.03.29
powered by ブクログ表題作は地球外知的生命体による自惑星外知的生命探査のお話。有川浩『空の中』に出てくる巨大空中浮遊生物みたいなのが出てくる。お勧めは最終作『漂った男』。全球を海に覆われた未踏の惑星に不時着した男。惑星には呼吸可能な大気と栄養充分の海水があり、人間の長期生存が可能。捜索隊との通信は確保されているが大海原の中、場所を特定できず男は波間をひたすら漂い続ける。捜索隊隊長と漂う男との10年余にも渡る通信内容が淡々と描かれている。異国にて深夜にツイタ―をしていると、自分が『漂った男』であるかのような錯覚に陥る時がある。
0投稿日: 2012.02.10
powered by ブクログ表題作「老ヴォールの惑星」は、珪素生物というイキモノ視点で描かれていて、一番SFっぽいというか、設定だけでも楽しめる素敵な話だった。 他の短編はSFというジャンルではあるけれど、限定された状況の中での人間の行動を追跡実験するように描く…というスタイルで…これが短編SFの王道なのかな? その中で一番楽しめたのは「漂った男」。任務中の事故で海しかない惑星に墜落した男の話。
0投稿日: 2012.02.06
powered by ブクログ紹介文には“環境と主体の相克を描破した”とあるが、個人的には異なる状況・環境下における人と人、人と知性体とのコミュニケーションを描いた四つの物語、だと思った。 表題作「老ヴォールの惑星」が一番好み。記憶や知識が失われず、種族を超えて受け継がれていくことを想像し、暖かい気持ちになれた。 「漂った男」はサバイバルものというよりも、男の友情物語と捉えた。
0投稿日: 2012.01.24
powered by ブクログ久しぶりに表紙買いをした一冊。 ただ綺麗だった表紙が読後意味を持つのもまた、素敵。 「人」じゃないもののためにも泣けるんだなと思って物語の凄さを感じた。 認識を変えることと伝え合うこと、を大切に書いている作品群で、最初訳分からない地平に連れて行かれるんだけど、最後は共感できてる。 SFの飛距離っていうのは、圧倒的だな。 在り得ない世界を打ち捨てないで、何か読み取ろうとする頭も楽しい。 私のわずかなSFリソースの中で想起したのは星新一と有川浩。 星さんのジャンプ力と着地力と、有川さんのふくらみと読後感に近いものがあるなあと思って。解説によれば、小川さんもハッピーエンドの人なみたい。 折に触れて一冊ずつ宝物みたいに増やしていきたいなと思う書き手が見つかった。おもしろかった。
0投稿日: 2012.01.22
powered by ブクログ情報は持って帰ってこそ。 真理を求めるものは、得た情報で貢献するために、帰ってこなければ意味がない…。 知識を得ていく上で、大切にしたい姿勢を思い出させてくれる短編集。
0投稿日: 2011.09.18
powered by ブクログ環境と生物が共通で取り上げられている作品集。どれもが特異な環境とそれに対するシミュレーション的な印象を受けた。奇異な物を見る面白さはあった。
0投稿日: 2011.09.10
powered by ブクログ好きな順番に。 老ヴォールの惑星 非常に好み。フライマたちの姿は表紙に描かれた絵だろう。 異星の知的生命体が地球人に出会う話。 ギャルナフカの迷宮 漂った男 サバイバルな二作品。どちらもラストが力強く、勇気が出る。 幸せになる箱庭 老ヴォールの惑星の逆。四作品の中で最もハッピーエンドではない。 人物に全く共感出来なかった。 全てよくある設定の話で、わくわくさせるような新世界はとくにない。 気楽に読める。
0投稿日: 2011.09.08
powered by ブクログ初小川一水。どの話も新鮮で面白かった。めちゃくちゃ読みやすい 『ギャルナフカの迷宮』 極限状態に陥った状況でも立派に社会を構築していく様には感動した。 『老ヴォール惑星』 一番イメージしづらかった。最後は「ああ、なるほどね」とスッキリできた。 『幸せになる箱庭』 選択の余地なんてなかった。現実の価値を考えよう。 『漂った男』 いきなりのぶっとんだ状況に驚き、終盤の劇的な展開に興奮した。
0投稿日: 2011.04.28
powered by ブクログ表題作よりも『幸せになる箱庭』が気に入った。超光速技術を持った種とのファーストコンタクトを描いた作品。
0投稿日: 2011.03.29
powered by ブクログ面白かった。こんな独創的で面白いSFがあったなんて、知らなかった。でも、こうして知ることができたのだから、自分はついているのだと思う。今後も氏の作品を読んでいきたい。
0投稿日: 2011.02.17
powered by ブクログSFをあまり読まないので最初はとっつきにくいかと思ったが、用語や設定に「?」を浮かべつつ引き込まれる感じで読み終わった。 個人的に「ギャルフナカの迷宮」が一番好き。
0投稿日: 2011.02.17
powered by ブクログ【とりあえず「漂った男」のみ】 陸がなく海ばかりの惑星パラーザに不時着(遭難)し、救助を待って海面を漂い続けるパイロットのお話。そんな星新一っぽいショートショートな設定とけっこうある残頁数を比較して「このワンシチュエーションでこんなに引っぱるの?」ってな不安もおぼえたが、何のことはない、読み終わったら傑作ばかりのこの中編集でいちばんのお気に入りとなった。 真摯な作風の小川氏らしく、このトンでもない設定を茶化すのではなく、描かれるテーマは、極限におかれた人間の心理状態。漂う主人公・タテルマ少尉の愚痴っぽいキャラが軽妙さを醸しだし、怒ったり喚いたり泣いたり笑ったりとワンシチュエーションでも飽きることはない。そして物語は、通信で励まし続けるタマリ中尉との友情を軸に、残された妻とのやり取りから、軍部の思惑、揺れる戦局等の大状況が交差していく。 時折、通信に登場(乱入)してくる宗教家や大量殺人犯とのやり取りを通じて、実存への深い考察が展開するが、その辺は小川氏らしく、哲学や宗教やスピリチュアルに偏らずぼやかさず、極太の人間ドラマに仕上げているのが嬉しかった。 いやしかし、人間ひとり海に漂わせてこういうお話を描けるのは凄い!
1投稿日: 2011.01.05
powered by ブクログすばらしい。これだからSFはやめられない。知的生命体(←人間だけじゃないのよ)というものは、いつだって明日のために闘い続けるものなのだよ!って我ながら臭いですけど、ちょっとハインラインを思い出させるようなやみくもな前向きさがたいへんいい味を出している一冊。全国の少年少女に読ませたいけどそれはなかなか難しいだろうから、どっかでアニメ化してくれないだろうか。
1投稿日: 2010.11.07
powered by ブクログ短編?中編集?です。表題作以外のモノが気に入った。一番気に入ったのは「幸せになる箱庭」です。「漂った男」も「ギャルフナカの迷宮」も良かった。それにしても、仮想世界と現実との関係、今の自分が知らないだけで仮想現実の中にいるかどうかというのは、この世界から離れられない私達には永久にわからないですからねぇ。逆に仮想世界なら、ファンタジーの様な魔法も超能力も使える世界に生きてみたい気もします。実は覚えてないだけだったりして…
1投稿日: 2010.10.21
powered by ブクログ表題作と『漂った男』がお勧めです。 収録4作品ともテイストが違うので、きっとどれか気に入ると思います。 とにかくお勧め。安心して読めるSF作家の一人です。
0投稿日: 2010.10.09
powered by ブクログとても好き。 先が気になってぐいぐい読める作品はたくさんあるけど、こんなふうに読後の余韻が素晴らしいのはそうそう無い。 生きてく元気が出るよ。
0投稿日: 2010.09.07
powered by ブクログ政治犯が投獄される迷宮で 人間が弱肉強食の世界に置かれる「ギャルナフカの迷宮」 天体の衝突で自分たちが滅亡することを知った生命体が 持てる知識をまだ見ぬ生命体に伝達しようとする「老ヴォールの惑星」 木星を救うために人間より遥かに優れた生命体のもとへ 交渉に行く「幸せになる箱庭」 栄養価の高い海の惑星に漂流し続ける「漂った男」 ドSFです。 SFは説得力を持たせるために科学的説明がつらつらある所が あまり好きではないんですが、 それを除けば舞台はSFでも人間の根源を問いただしている作品。 特に最初と最後の話は脱コミュニケーションの場において 人間がどれだけもろいかを如実に描いています。
1投稿日: 2010.09.02
powered by ブクログ表題作とラストがよかった 幸せになる箱庭の対話はもう少し落ち着いてやって欲しかったと思うが、19歳にそこまで求めるのもなんか違う気もする 全編通して若干のNTR臭が
0投稿日: 2010.08.29
powered by ブクログ「フリーランチの時代」がとても好みだったものの、これに比べるといまいち、という感想がある理由がよくわかった。 フリーランチの軽やかさをなんとなく思い浮かべつつ読み始めたら、壮大で必死で寂しい話が多かった。解説の「力強い」という表現がしっくり。 一話一話、長編にもできそうなので、読み終わると寂しいような気分になる。物足りないのではなく。そういう読後感は結構好きだ。 読みやすいのと同時に難しいので再読したい。ので欲しい。 書き出しから予想を裏切られ続け。一年目、七年目、ってあのあたりが一番感動した。 「ギャルナフカの迷宮」 もったいないからよっぽど読みたくなった時読もう、とこの短編集自体思っていたけどこれは特に。読書楽しいなあと久しぶりにニヤニヤしながら読んだ。 解説がさらっと黙っておくべきことにふれているので、先に見てしまって後悔。 あれに「孤独死」って名付けたあたりがもう。語るべきことにぴったりくる名前。 「老ヴォールの惑星」 だいたい気付いたけどそれでつまらなくなるような話ではなく。Live Me me.でも似たような表現があった。これは、自分でもこれはこれでいいんじゃないのと思ってしまう。思ってしまうのがどうなのとも。 「幸せになる箱庭」 「あのまっ平らな世界」。漂流者の心理とかサバイバルとかそれももちろんなんだけど、こういう内容を平易に語ってしまうのは凄いな。一人称で大正解というか。細かいエピソードを積み上げつつ最後の「泳ぐのに邪魔だ」あたりで回答まで出したのかこれは。 「漂った男」
0投稿日: 2010.07.22
powered by ブクログ初SF。楽しかった! SF書くのって頭良くないと駄目ですね!なんて頭の悪い感想も述べつつ。 「漂った」と「ギャルナフカ」が特に面白かったです。 「漂った」は描写想像が一番し易い。なんせ何もないところですからね! 内容・心理描写の巧以外にも喜劇的なところも読んでて楽しめる要素ですが、なんといっても少尉と中尉の友情でしょう……中尉かっこいい泣けてくる。 「ギャルナフカ」は文明と社会構築の縮図。ずっと土の臭いがしていた。 「老ヴォール」はなんだか有川浩さんの「空の中」のディックたちを思い出す。 「環境と主体」な4中篇でした。SFの空気ってこういうのなんだ、新鮮でした。
0投稿日: 2010.07.14
powered by ブクログ4短編収録 面白かった順 1 老ヴォールの惑星 何世代もかけてヴォールの夢見た惑星(木星)に辿り着く 2 ギャルナフカの迷宮 脱出不能、最小限の水と食料しかない迷宮に投獄された人々が、人間らしい社会を形成する 3 漂った男 無人の星に不時着した男が、長い間母星との通信のみで生きていく 4 幸せになる箱庭 自星の危機回避のために、危機の元の星に辿り着いた訪問団が体験する、超進化した文明 難しかった どの話も、人間の心理や哲学や根源などについて深い考察・描写が含まれている。普段の作者はどんなことを考えて生活してるんだろな、と思った。 そして、どこかに、本当に描かれているようなことが起こっているかも。いや、「本当」っていったい何?って考えちゃう。
1投稿日: 2009.12.23
powered by ブクログ本当は数十年以内に実現されそうな近未来を描いたSFがすきなんだけど、この作品を読んでその価値観の縛りが外れてしまいそうだ。 極限状態で置かれた人間の姿を描いた「漂った男」と「ギャルナフカの迷宮」が特に好きだ。 つまらない事で悩んでいるのがバカらしくなるような、勇気をもらえる作品。 小川一水は初めて読んだけど、才能ある作家だな。他の作品も読んでみよう。
0投稿日: 2009.11.08
powered by ブクログとにかく老ヴォールの惑星がかっこいい。強い。 命と輪廻の形からして地球の生物とは違うのだけど、それが素敵。
0投稿日: 2009.10.26
powered by ブクログこの人のSFはどれも好きですが、中でもお勧めなのがこの短編集。 むしろ、中編集なのかな? 電撃に打たれたような間隔を受けることはありませんが、じんわりと、感動と衝撃を与えてくれる作品です。 SFが好きな人も、SFが苦手な人も、きっと楽しめる作品。
1投稿日: 2009.07.07
powered by ブクログ表題作が最高。最高に切なくなる。人間の形をしてない、地球外生命体に これほど萌えたのは初めてかもしれない。たまには夜空を見よう。
0投稿日: 2009.07.05
powered by ブクログ−−希望が百億光年星の彼方だとしても、それは確かにあるのだ。 『老ヴォールの惑星』。書店でふと手に取った、名も知らない作家の、SF中篇集。 寄ったマックで熱中し、最後まで読んで、動揺を隠せない自分に気付いた。 すごいものを読んでしまった、という驚きだった。 それが「ギャルナフカの迷宮」。これは二段三段と展開が急スピードで変化に富み、まったく退屈するヒマがない。 社会を作るって正しいこと?統治者は必要か? 主人公と一緒に自分の価値観もがつんと揺さぶられた作品。 この短編集は、ひとつひとつの物語の世界観がものすごくしっかりしている。 それゆえに、一気には読めない。 ひとつひとつ丁寧に噛み砕いて、読んでいった、そして最後の作品を読み終えたのが今日だった。 「老ヴォールの惑星」。 最初読んだ時は一番意味がわからない話だったけど、読み終えて思い返してみると、壮大さに心がふるえる。 老ヴォールの願いが、たわごとが、引き継がれていって、最後には強く輝く光になった、というような。 「幸せになる箱庭」。 おまえはどうやって自分が自分だと証明できるんだ?現実が現実だと認識できるんだ? 幻覚を現実として認識させ、理想の世界を差し出してくる異星人。 人類の前に立ちはだかる絶対的な力をもった存在と、それに翻弄される人間の姿を描いた作品。 「漂った男」。 絶望って、なんだ。 それを、絶望を経験した男が言うような、そんな気持ちよさ。 ある星に遭難して、Uフォン越しの会話だけを支えに生きていく男の話。 その星には生命を維持できる水があって、ただ生きる目的だけがなかった。Uフォン越しに会話する相手は、いつしか友となっていた。 「君が心の支えになっていた。どんな戦火も、君には届かないんだと思うとね」は、すごくすてきな台詞。まさにこのシチュエーションで言うべき台詞! 小川一水の作品では、登場人物たちは一度どうしようもない絶望を経験する。 時には正論だったり、環境だったり、そういうものに打ちのめされて、でも主人公たちは「それでも生きよう」と立ち上がるのだ。 それは宇宙の彼方で光る星の姿にも似ている。 こんなに高レベルの短編集があっていいのか、と正直思う。読まないで死んだら損以外の何者でもないなと思う。
2投稿日: 2009.06.17
powered by ブクログ短編4編を収録した短編集。 人を信じることのできない世界を描いたギャルナフカの迷宮と孤独に生きる漂った男がお奨め。
0投稿日: 2009.06.14
powered by ブクログ文庫の表紙に一目惚れ。 勿論表題作含め、全て好き。 この人が描く、“遙かなる時の流れの中で繰り返される命の営みと、受け継がれる想い”の描写が好き。
1投稿日: 2009.04.09
powered by ブクログSFの楽しさを最初に教えてくれた一冊。短編集。表題作『老ヴォールの惑星』はホットジュピターに生まれた知的生命と人類のファーストコンタクトを描いた傑作。『漂った男』はパニックもの好きの僕にとっては最高の仕上がり。
0投稿日: 2009.03.10
powered by ブクログ偵察機の墜落により、おれは惑星パラーザの海に着水した。だが、救援要請は徒労に終わる。陸地を持たず、夜が訪れない表面積8億平方キロの海原で、自らの位置を特定する術はなかったのだ―通信機の対話だけを頼りに、無人の海を生き抜いた男の生涯「漂った男」、ホット・ジュピターに暮らす特異な知性体の生態を描き、SFマガジン読者賞を受賞した表題作ほか、環境と主体の相克を描破した4篇を収録。
0投稿日: 2008.08.12
powered by ブクログこの作品と出会えて、小川一水さんと言う作家と出会うことが出来ました。久々にSF作家で好きだ〜と思う人と出会えましたよ。(なぜかと言うとあまり新しい作家を開拓していないから…)昔も今も結構保守的に好きになった作家さんばかりを読んでいるので新しい作家さんと出会う機会が… この本は本屋で衝動買いしました。 何せ世界の作り方が実に丁寧で好きだ。SFだからこそ、架空の世界を作り上げるからこそ、細部にまで拘ってリアリティを出して欲しいなあ〜と常々思っている自分にぴったりのお話でした。と言うわけでそれから全部揃えましたよ!…といいたいところですがラノベは買ってないなあ〜 探すのが大変で…
0投稿日: 2008.03.30
powered by ブクログギャルナフカの迷宮と漂った男の二編はすごくよかった老ヴォールの惑星も良い部類に入る。一冊の中に良いと思えた作品が3作あるのはすごいなぁと思う。 全編の鍵になる言葉は多分「信頼」 とは何か?
0投稿日: 2007.09.25
powered by ブクログ中短編が4編。全部すばらしい出来ですが、中でも『漂った男』は秀逸。 『ギャルナフカの迷宮』の舞台設定は好きだなぁ。
0投稿日: 2007.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小川一水、初の短編集。 四篇ともどれも趣きが異なっていて飽きが来ない。 ギャルナフカの迷宮 反社会的な政治犯として一枚の地図とともに地下迷宮に落とされた元教師テーオ。地下には人数分の水場ときのこみたいなものが生える餌場しかない。生き残るために水場と餌場の記されている地図の奪い合いが起こり、人々は疑心暗鬼になっていた。一部の人間は、食べ物を求める欲望を抑えきれずに、野蛮な生肉食いと化していた。テーオはこの無秩序な迷宮に、文明的な社会を作ることを決意した。 閉鎖された厳しい環境下での生への渇望がナマナマしくてエグい。嫌いじゃないけど。 老ヴォールの惑星 巨大な海の惑星。その表面に生きる知的生物。体から光を発することにより、情報を種全体で共有することができる。多くの知識を溜め込んだ長老ヴォールは若者に、空の星のひとつに彼らの惑星サラーハに似た世界がある事を教えてその生を終える。サラーハに危機が迫ったとき、残された彼らは老ヴォールが発見した星を探し出そうとする。 この本のなかではやっぱり表題作であるこの短編が好き。地球起源の生命とは根本から異なる知的生命体の不思議な生活様式の描写に惹かれる。 幸せになる箱舟 火星まで生活圏を広げた人類は、木星で地球外知性体によって作られた自動機械を発見した。ビーズと呼ばれるようになったそれは、木星の大気を採取し彼らの母星に向かって超高速で射出していた。このままでは木星の重量が変化し、近い未来太陽系の惑星の軌道がずれていってしまう。人類はビーズを作り出した知性体クインビーと交渉するため、専門家達を特使として送り込んだ。危険と困難を極めると思われたそのミッションは、予想に反してとんとん拍子にことが運び、うまく行き過ぎることに疑問を抱いた時・・・。 人類を危機に追い込む地球外生命体による太陽系への干渉+人間の望んだ夢を見せてくれる未知の星。辛めに言うと、既出のアイディアを二つくっつけただけかも。 漂った男 未開の惑星の偵察任務中、タテルマの乗った機は墜落。海しかない巨大な惑星パラーザで漂流してしまった。救助を要請したが、広大な面積のため惑星のどこを漂っているのか特定できず、発見は絶望的だった。栄養価の高い海の水と空間距離に影響されないU(アルティメイト)フォンを命綱に、タテルマは漂流し続ける。 ほとんど何も起こらないことがポイントのストーリー。x年も独りぼっちで海を漂うなんて気の遠くなるような話だ。
0投稿日: 2007.03.31
powered by ブクログ最近読んだ国産SFでは一番のお気に入り。この作品集で感じたのは景色、頭の中に浮かぶ風景です。幸せになる箱庭以外の3編は首題とは別に私に新鮮な風景、景色を見せてくれました。全編を通じて結末には大きな不満がありますが、風景の点では楽しませてもらえました。特に「老ヴォールの惑星」と「漂った男」の2編は楽しめました
0投稿日: 2006.11.08
powered by ブクログ期待して読んだのですが、ハードSFファンとしては方向が違っているので残念ながら厳しい評価に成ってしました。
0投稿日: 2006.11.03
powered by ブクログ■「導きの星」や「第六大陸」は読んでたのですが、なんとなく手が遠のいてました。これは長編ではなく中短編集。100頁デコボコのが三つとその半分の表題作で計4編。 ■地下迷宮に投獄された男を描く「ギャルナフカの迷宮」。 木星型ガス惑星の知的生物を描く表題作。 異星人とのファーストコンタクトかと思いきや…「幸せになる箱庭」。 大地のない惑星に着水、延々と救援を待つ「漂った男」。 ■短編よりアイデアを充分に膨らませられて、長編のようにキャラクターに左右されない中編てのは好きなので、その点、大満足。 いやホント、「漂った男」なんて、このシンプルな設定で飽きさせませんから。 ■今年は小川一水を掘り進めようか、と思わせる一冊。 引き込まれます。
0投稿日: 2006.02.13
powered by ブクログ「群青神殿」しか読んだことがなかった。というか、読めなかったというか・・・おもしろいとは思いつつも、ただ一点ヒロインのあまりにも「萌えキャラ」なたたずまいに拒絶反応が出たというのが正直な感想。今回五つ星なのは拒絶反応がおきなかったからってことでしょう。なにせ、話はべらぼうにおもしろいのだもの。
0投稿日: 2005.10.06
powered by ブクログhttp://mit56.way-nifty.com/dawn/2005/08/post_6c62.html
0投稿日: 2004.01.21
