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暗殺者たち
暗殺者たち
黒川創/新潮社
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総合評価

4件)
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     ロシアのサンクトペテルブルクに招かれた一人の日本人作家が、徳川時代のロシアと日本との「縁」を語る中で、漱石の小説『門』に描かれた伊藤博文暗殺事件と安重根、そして漱石が所属した東京朝日新聞記者の杉村楚人冠と幸徳秋水との関わりが紐解かれていく。小説の体裁をとった歴史エッセイ、というところか。連想が連想を呼び、後半は荒畑寒村、管野スガ、大石誠之助にまで話題が及ぶ。リサーチ力はさすがで、いろいろ教えてもらった。  ただし、学生を前にした講演という設定にもかかわらず、まったく対話性が感じられないことに驚かされる。ずっと口語体が維持されているから、「講演」という設定は一貫しているものの、こんな話を延々と聞かされる側はたまったものではないだろう。

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    投稿日: 2024.10.24
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    夏目漱石の、全集にも収録されていないエッセイをネタ元に、ロシアの日本語学科学生に講義するという設定が斬新。 伊藤博文を暗殺された者としてだけでなく、暗殺した側としても捉えているのが面白い。 どこまでが史実でどこまでがフィクションなのかもよく分からず、一番ページが裂かれているのが伊藤でも、伊藤を暗殺した韓国の英雄である安重根でもなく、幸徳秋水と愛人の管野スガ、そしてスガを奪われた荒畑寒村であるところも独特である。 エンディングも収まりがはっきりせず投げ出された感じなのだが、少なくとも、180ページの本を数時間で読んでしまったので、これは面白い小説だと思う。

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    投稿日: 2021.11.26
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    黒川創『暗殺者たち』新潮社、読了。安重根の伊藤博文暗殺から大逆事件に至るまで、当時の思想家群像を描き出す長編小説。ロシアの大学での講演「ドストエフスキーと大逆事件」という体裁で、当時の人間群像を生き生きと描く。学者が見落としがちなエピソードを拾い上げ、時代の雰囲気の描写がリアル。

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    投稿日: 2013.09.17
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    独特の構成。 これだけでもこの本を読んだかいがある位、なかなか珍しいと思うし、かつ、成功している。 現実を苦々しく見るだけで受け入れるしか手が無い大多数の人間の象徴として漱石という日本を代表する知識人の動向を基底におきつつ、現実を能動的に変えようとする暗殺者達の協奏、特に伊藤と安の同質性が上手く描かれている。 またこういう結末、村上春樹的に言えば読者に委ねられた開放的な構成は当方好み。 つまるところ読み応え十分の作品かと。

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    投稿日: 2013.07.23