
総合評価
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powered by ブクログ戦争がどんな場合に起こってしまうのか、それがタイトルと私なりに判断したが、著者は結びで戦争を避けるための条件、それでも戦争に訴えなければいけないときに満たす条件という2つの意味が込めているらしい。とにかく戦争を避けることは絶対条件であるという認識で、いろんなケース事例ごとに、A国、B国、C国と言う呼称を使って読者に考えさせるという本が明らかに米、ロシア、中国、北南朝鮮、イスラエル、イラン、旧ユーゴスラビア各国、その他の国々を想起させる。世界中から専制主義国が消えて民主主義国になれば戦争は無くなるという理想が本当にそうなのか?民衆が戦争を望んでいる場面がある!(かつての日本そして…)という残念な事実を思わざるを得なかった。領土問題での衝突を避けるために棚上げ(先送り)することの有効な意味については、初めて理解できた。大切な考え方だ。 戦争の記憶についての解説は日本において、広島の語り、空襲の語り、そして靖国(つまり戦死した日本兵士)の語りが中心で、南京の語りが飛んでいたということについては全く同感!。この著者の「戦争を記憶する」など巻末に紹介されている30冊にはぜひチャレンジしたい!
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ今年退官の藤原氏の講義録。論点を提示するスタイル(おそらく授業で討論?)。保護する責任と沈黙の陰謀は初耳、人道的介入は戦争回避と矛盾するがそこが課題。 アメリカと同盟を結ぶ各国の存在から勢力均衡ではなく公共的覇権国の意義を見出すが、筆者はその意義を疑問視。覇権国による恣意的判断には不満が募るが、強制力に疑問符がつく多国間協調よりは実効性があるのではないか。 民主主義による文民統制が平和を生むという仮説を三浦瑠璃の議論から反論する。民主主義は国際関係よりも国内社会を優先するため両者の調整には外交官が不可欠だと思う。 権力移行論については両者が合理的行動を取れば覇権戦争は起きない立場をとっているが、筆者は勢力が同程度の場合を見落としている。勢力均衡だから大丈夫ということだろうが、この場合は成長速度に有意に差があるので成立しないと思う。割愛したのだろうが、場合分けをしているのだから説明してほしかった。経済(生産力)と軍事が一体化する近現代において分離して考えるのは違うと思った。 領土対立については、国益増進における国土の重要性が減ったという理屈には概ね首肯できる。民族意識に基づく国民国家の思想と国際法の矛盾(棚上げ最適?)が対立を起こしているのも理解できた。歴史問題について、国内被害者・兵士・国外被害者の三者に双方が目を配れていないことが問題と語る。ナショナリズムと結びつき、増々拗れてしまう。 そのナショナリズムであるが、民族自決に基づく分断回避のための自己欺瞞として「国民」の中に包摂することで共通の歴史を創造するものとして評価している。今年の東大入試に出題されたが、日本人としては歴史的資料から日本は古来より一体の国であったといいたいが、中々難しいものではある。 最後に核開発について、軍事行動・経済制裁・国際対話から手段を選ぶが、結局は主観的リスクと相手の信頼だと喝破する。そこから平和の条件として勢力均衡・絶対平和主義の止揚としての戦争違法化と好戦国排除を提案するが、実効性・正当性を齎すには課題山積である。玉石混交の国際政治で玄人の貴重な意見に触れられてよかった(タイムリーでもあったし)。 2022/3/5
0投稿日: 2022.03.23
powered by ブクログ「A国に軍事侵攻されたB国が、第三国Cに派兵を求めてきた。C国はどのような行動をとるだろうか」という様に、固有名詞を避けた問いかけを軸にして国際政治について考えてゆく一冊。 様々な考え方を披露するものの、結論があるわけではなく、「まさに現代国際政治のジレンマそのもののなかに読者を放置したまま、この章を終えることとしたい」などと突き放してしまう。読んでいる途中は、正直言って疑問を感じていたが、「結び」を読んだ瞬間、著者のこの突き放しの意図がわかってスッと落ち、星の数もひとつ増えた。曰く「教育問題と並んで、国際問題は素人の発言が専門家と横並びにされる領域である。…(中略)…国際問題について行われる議論の多くは、白い鳥を集めて鳥は白いと言う人と、黒い鳥を集めて鳥は黒いと言う人との間の争いに過ぎ」ない、と。なるほど。 この本は、まず「結び」を読むのが正解だ。
0投稿日: 2018.11.18
powered by ブクログ具体的な国名を出さず、ある程度抽象的な議論を提示させて、国際紛争について考えさせる本。自分の頭で考えるという点でなかなか画期的な本だと思う。高校あたりの政治経済で、こういう本で勉強しても良いのではないだろうか?後半の、ユーゴの詳細な記載は、ボスニア問題を考える上で非常に参考になるだけでなく、民族自決ということの意味を考えるきっかけとなる非常に良い題材と思った。民族自決を唱えたウィルソンが、民族とは言っていなかったというところが興味深く、また自分の意見とも一致していると思えたのが興味深かった。
0投稿日: 2018.11.12
powered by ブクログ国際経済学の入門書。答えでない問を通して国際関係について考えるという手法を取っており、いろいろ考えることのきっかけになった。
0投稿日: 2018.10.07
powered by ブクログ抽象化のせいか記述が薄い。思考訓練にはちょっと歯ごたえが足りないか。 全体として、著者があとがきで述べている「暴力の存在を諦めたり、まして武力行使を美化したりすることではなく、また暴力と戦争の排除を訴えるなら世界も変わるという過剰な楽観に走ることでもない」道筋を示すことには合格しているとはいいかがたい。 *ハッとした記述 ・広島の語り(日本国民の犠牲)、南京の語り(日本軍の犠牲)、靖国の語り(日本軍兵士の犠牲)。戦争の異なる側面が語られている。 ・多数派の非暴力と少数派の暴力という対照は、少数派は民主政治による自己実現を期待できないという制度的な特徴にねざしたもの。 ・(ナショナリズムは)歴史的には新しい意識であっても悠久の歴史を主張し、その悠久の歴史を当事者も固く信じ込む。それが当たり前のことであるかのように信じ込む信念の強さは、自由主義や社会主義とは比較にならない。
0投稿日: 2015.11.20
powered by ブクログ著者は国際政治学を専門とする東大教授である。本書は、A国やB国などさまざまな仮定の状況を設定し、どのような対応が起こるかを考察するという形式を繰り返して、国際政治の初歩を考える、という書である。本書を自ら読もうとする人ならば、専門家でなくてもすんなり理解できるような内容であり、そんなに難解な内容ではない。 最近のマスコミや識者の論調には、自論に合った現実を提示し自説の正しさを強調するものが多く見られるが、その一方、反対者も同様なので議論は深まることなく互いに罵るだけ、という見苦しい状況にあるように感じているが、そのような不毛で本質に遠い論議にさらされている人やうんざりしている人にこそ、国際政治の初歩としての本書を読んでほしい。 世界の現実と歴史を目をそむけずに客観的に学んでこそ、平和の実現の第一歩なのだから。
0投稿日: 2015.10.04
powered by ブクログ国際政治の問題は筆者も言う通り、一般の市民でも議論しやすい。しかし、その議論は短絡的な感情論に陥りやすいのも事実で、現実にはもっと複雑なジレンマとも考えられる問題が山積している。リベラリズムとリアリズム、多文化主義と普遍主義、国際政治的な判断か民主主義の本命たる国内世論、そして覇権国家論など、相反する概念のせめぎあいが国際政治にはある。そのような複雑性を筆者がすっきりと章立てしてまとめており、今後の考えるベースとなる議論が多くあった。
0投稿日: 2015.08.01
powered by ブクログ具体性をそぎ落として、即ちなるべく主観やイメージが入り込まないように、問いが提示される。自分がこれまでメディアや教科書を通じて得た知識の枠の中でしか考えることができなかった国際問題が国際政治学上の問いに抽象化されていくのがおもしろかった。
0投稿日: 2015.04.05
powered by ブクログ[ 内容 ] アラブの春を皮切りに、中東情勢の先行きがますます混迷の度合いを深める一方、尖閣諸島、竹島、北朝鮮の核開発をめぐって、東アジアでもかつてない軍事的緊張が高まっている。 戦争はあってはならないという考えに反対する人は少ない。しかし、信頼できない外国政府の行動を押さえ込むために軍隊が必要だと考える人も多い。 平和を壊すのも平和を保つのも軍隊であるという国際政治の逆説のなかで、私たちはいかにして判断し、行動すべきなのか? 戦争の条件を考え抜くことで、逆説的に平和の条件に至る道を模索した、もっともリアルで読みやすい、国際政治学の入門書。 [ 目次 ] 第1章 戦争が必要なとき 第2章 覇権国と国際関係 第3章 デモクラシーの国際政治 第4章 大国の凋落・小国の台頭 第5章 領土と国際政治 第6章 過去が現在を拘束する 第7章 ナショナリズムは危険思想か 第8章 平和の条件 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
0投稿日: 2014.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日本の立場で考えると硬直する事も、A国B国と条件を提示されると少し俯瞰した位置から考える事が出来、相手国を思いやれるような気がした。こういう事が国際政治の、戦争回避の条件だと思った。とても分かりやすい国際政治の授業だった。
0投稿日: 2014.08.16戦争と平和を考える、時宜にかなった本です。
国際政治学者で藤原帰一東大教授の本です。「書籍説明」欄にも書かれているように一筋縄でいかない国際政治を、いくつかの問いを立て、それに答えていくという形で議論が進められます。答えるとはいっても、そこは国際政治です、誰もが認めるただひとつの正解なんてあるはずがありません。昨今のわかりやすそうに聞こえる「日本国民を守るため」と称する思考停止の単純な議論ではなく、いろいろな条件を丁寧に考えることで平和の条件を考えるという、真正面から国際政治の思考方法に触れられる本だと思います。とはいっても、難解な本ではありません。もちろん国際政治を扱っているので、たてられている問いはどれも簡単に答えられるものではありませんが、問の難度と記述の平易さは別ものです。勇ましい議論でカタルシスが得られるような本ではありません。今の日本、戦争と平和を考えるとき、時宜にかなった本だと思います。
1投稿日: 2014.08.15
powered by ブクログ軍事介入、覇権国家、民主主義と国際関係、権力移行論、領土、歴史問題、ナショナリズム、平和の条件といった国際関係論の基本的なテーマを抽象化した問いかけをしつつ、現代の東アジアや中東、東欧の実例を挙げていろいろと解説。国際関係論への入門に良い。
0投稿日: 2014.02.11
powered by ブクログ高知大学OPAC⇒ http://opac.iic.kochi-u.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?isbn_issn=4087206866
0投稿日: 2014.01.30
powered by ブクログ平和を保つのも壊すのも武力という悲しいパラドクスが最も露骨に現れるのが国際政治。一見、簡単な対立の中には複雑な諸問題が現実として折り重なっている。それを単純な問題設定から紐解いていく、国際政治の入門の入門書。覇権、国家を超えたシステム、民主主義と戦争、領土問題、歴史問題、ナショナリズムなど、基本的な視点がまんべんなく取り扱われている。個人的には、平和の可能性は、理念の中ではなく、一つ一つの現実の対応の中にしかありえないんだろうなと改めて思う。国際政治に興味ない人こそ一読を勧める、良書です。
0投稿日: 2013.09.19
powered by ブクログ藤原さんということが、目に留まり購入した。 細かいことを説明せず、国際政治に関心のある初学者にすすめる。ただ、私など大学等で少しかじったものには物足りない。 国際政治学に興味のある者で何を読めばいいかわからない者にすすめる。
0投稿日: 2013.09.12
powered by ブクログ問1: A国がB国に軍時侵攻を開始した。 B国はどうすればよいだろうか。 この場合の答えは明確。 反撃。 問2: A国に軍時侵攻されたB国が、第三国Cに派兵を求めてきた。 C国はどのような行動をとるだろうか。 問3: A国が、A国国民に対して大規模な虐殺を開始した。 B国はどのような選択をとるだろうか。 このような問いが提示され、答えを考えながら読み進めていく。 気持ちがいいぐらいに徹底的に論理的。 思考力も鍛えられるし、現代国際社会の感覚をなんとなく見えてくる。 名著だと思いました。
0投稿日: 2013.09.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
国際社会で戦争や紛争がなぜ起こるか、どう防ぐのか、なにをするのが正しいのか考える本。考えるってのは、藤原さんが答えを出してるのではなく、ケーススタディ方式で問いかけをし、答えってないんだよ、ってことを示すのがメインの目的だからです。 こと国際問題になると意識してるしないに関わらず感情や意見に支配された妄言じみた議論が展開される世間ですけど、そもそもどんな状況であっても絶対的に正しい指針はなく、それに拘ることは思考放棄と同じだとのこと。 答えがない中で少しでも良い状況を必死で考えていかなければならない。その考え方の一部を紹介しています。 ページは少ない中でも、国際問題に関する知識と豊富に紹介されてるのでお得です。簡単そうにみえて、結構文章難しいけど••• 歴史認識に対する考察部分は、日本中国韓国の関係に一家言あるひとは読むといいです。感情をできるだけ捨てて。
0投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログ極力一般化して(といっても、想定国はすぐわかるのだけれど)、複数の国家の情勢から自国の取るべきスタンスを演習できる本。kotobaという雑誌に掲載した論考を中心に構成されたものだが、こういった思考実験は戦争をいかにして回避すべきか、どういった点は引くべきではないかということを考えるきっかけを与えてくれる。
0投稿日: 2013.06.28
powered by ブクログ世界に存在するのは各国の政府であって、国際社会などというものは存在しないと考えることもできる。 無政府状態としての国際政治はリアリズム、国際的な価値と制度の共有と拡大に注目するのがリベラリズム。それらが向かいあい、争い続けるのが国際政治学だった。 リアリズムもリベラリズムも現代世界が国家に分断されており、世界政府のようなものは存在しないという判断においては共通した考えに立っている。すなわち、国際社会に政府はないという前提。 世界政府に代わる役割を覇権国家が担ってきたのではないか。国際関係では覇権が公共財供給の基礎であるという考えが生まれる。 覇権国家との体制の違いや対立の有無によって、覇権の意味について異なる解釈が生まれる。アメリカの中から見ればアメリカとは世界の人々のため国民の財産を提供し、兵士の命までも犠牲にすることを厭わない利他的な存在である。だが、アメリカ国民以外の人々から見れば、アメリカ政府が自分たちの力によっては行動を変えることのできない巨大な権力である以上、専制支配と選ぶところの存在となる。
0投稿日: 2013.06.05
powered by ブクログ国際政治の練習問題。「正解」のない問いに,どう答えていくか。リアリズム・リベラリズムという対立する視点,民主主義と国際関係のどちらを重視するか,などなど。タイトルに「戦争」とあるが,そこまで限定された内容ではない。
0投稿日: 2013.05.27
powered by ブクログ先生の国際政治の授業を思い出した。。 すっきり分かりやすくひとつの正解があるわけじゃないんだよ、ということが、すっきり分かりやすく説明されてました。 「戦争反対」とか、一つの思想・方向性を決めただけで、選択肢が絞られるわけではないと気づかされました。 裁判も答えはない。でも、判決は基本的には一つ一つの事件の評定で、法律の解釈だけれど、国際政治の各々の選択は、過去の選択を前提に次の選択を迫られて、さらにその状況を前提にして…と積み重なって行くところも、何かの解釈っていう一応の枠がないところも、違うな、と思いました。
0投稿日: 2013.05.27
