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螢川・泥の河
螢川・泥の河
宮本輝/新潮社
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総合評価

212件)
4.0
65
80
40
7
1
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    泥の河を読んで 私は同じ時代に大阪の狭い長屋に生まれましたが、そのような船があるとは知りませんでした。幼い頃はまだ皆んなが貧しく洗濯機もない時代。裏口で大きなたらいに水を出し洗濯板でゴシゴシ。お隣のおばさん達も皆んな朝から洗濯していて、そういえば、冬は母が熱湯を持ってきて少しずつたらいに入れました。 川では、枝を落としただけの幹の太い木を数本縛り、男の人がその上に立ち、長い竿を操りながら船のようにして大木を運んでいました。ポンポン船も大好きで、よく橋の上から眺めました。父が「昔は、よう土左衛門が流されてきたんやで」と言っていたのを思い出しました。それがそんな昔の話ではなかったのだと小説を読んで知り、戦後と高度成長期の間が短い年月であったこと、急成長の狭間で人々が苦しみもがいたのだと知りました。 私は中学生の頃、土や砂利道がアスファルトに変わり、木枠がアルミサッシの窓枠に変わることに息ができないような肩がキュンとなるような寂しさを感じました。 作者は、そんな私の大切な昔の風景と日常を、なんと美しい文章で書き綴ってくれたのでしょう。 今日一日を生きながらえていることが奇跡のように描かれており、そして、舟で暮らす姉弟を労わった夫婦の姿は、現代の無機質な世界に生きる私たちへ深いメッセージがあると思われます。 鮮やかな描写は、まるでその場にいるよう感覚に襲われ、再度読み返しました。名作です。

    0
    投稿日: 2026.01.08
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    マレーシアの首都、クアラルンプールは、川が交わるところという意味の地名なのだそうで、マレーシア旅行の飛行機での楽しみのために読んだ。のちに流転の海シリーズを書き上げるが、その要素が凝縮されている。著者が一貫して描き続けている父と子の関係性の機微や、女性の神秘的でありながら世俗的な二面性を見事に表現している。著者の美しい文章へのこだわりが光っていて、リズムよく、ちょっと小難しい視点で、懐かしくも痛々しい戦後の大阪や石川を描いた2作だった。

    14
    投稿日: 2025.12.20
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    螢川は、素晴らしい情景が見事に浮かんできて息を呑んだ。どちらも少年の感受性が絶妙に描かれていると思った。

    1
    投稿日: 2025.12.04
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    昭和三十年の大阪の街。 舟で水上生活を送る親子の取り残されたような現実が、一人の少年の目を通して美しく描かれた『泥の河』。 貧しさの生み出すどうしようもない物悲しさは、どこへ行くとも告げない感情となって漂った。 人の命の心許なさを感じ、 どこに身を置いたらよいのか戸惑うほどの正体をなくした悲しみが、余韻と呼べるものよりも遥かに深く刻まれる形で跡を残す。 暗闇から発せられる一筋の光を見るかのような『螢川』は、雪と桜と蛍とが束の間の安らぎを与えてくれた。 先の見えないこれからが、自分たちの行く末が、蛍の現れる一夜に落とし込まれている。 二作を通して胸に浮かび上がるのは、死という一線を越えていった者たちの澱みだ。 得体のしれない怒りと悲しみとが沸き起こり、せり上がっては叫びだしたくなる衝動に駆られる。 人の死と向かい合わなければならない時、脳裏に浮かぶ、死んでしまった者たちの顔形。 ぞっと立ちすくむほどの恐ろしさが確かにあるのに、なぜこんなにも美しいのか。 死というものに対して人が抱くある種の不気味さと、生きることで生まれる影とを描いた傑作の二編。

    5
    投稿日: 2025.11.30
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    「あーよかった!」という読後感を残して忘れてしまう小説があるが、この『泥の河』と『螢川』は情景が深く沈み忘れられない小説。 『泥の河』は昭和三十年の大阪。馬車引きは子どもの頃、目にしていた。乾いた馬糞を遊び道具にする逞しい子どもがいた。でも、水上生活者は想像するしかない。天神祭りの出来事、そして哀しい別れ。その情景は少年時代の不安や哀しみと共鳴する。 『螢川』の舞台は富山。思春期の少年の心は想像に難くない。でも、四人が金縛りにあうほどの螢川の情景は、はるかに想像を超えていた。華麗なおとぎ絵ではない。 「寂寞と舞う微生物の屍のように、はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の澱と化し、天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状となって舞い上がっていた。」 螢の乱舞の形容を読み、『錦繍』の。「生きていることと死んでいることとは、もしかしたら同じことなのかもしれません」という言葉か重なった。この小説にも川の煌めきが、一筋の「錦繍」に見えたという表現が出てきた。 情景描写の美しさ、思春期の男女の心理描写の細やかさに唸った小説だった。

    86
    投稿日: 2025.09.27
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    宮本輝さん、読んでないシリーズ。夏休みにゆっくり浸りたかったのですが、とっくに通勤電車に揺られながらの日常で対峙。 大作「流転の海」に通ずるものがありました。「泥の河」、「螢川」どちらも著者の過ごした土地、経験からくる感じがしたけどどうなのかな。 ある家族のお話しが、胸に迫る宮本輝作品がやっぱり大好きだ。 まだ読んでないシリーズを続けよう。 「螢の大群は、滝壺の底に寂寞と舞う微生物の屍のように、はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の澱と化し、天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状になって舞い上がっていた。」 見たこともないのに絵が浮かんでくるのだから、、、凄いなぁ

    41
    投稿日: 2025.09.17
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    「泥の河」哀切な日本の情景が多く見られ、主人公の眼を通して私も実際に経験してきたかのような没頭できる世界観だった。最後の水上生活者家族とのサヨナラの瞬間は切なかった。 「螢川」富山の三月末が舞台。美しい光景が広がる。家族の物語。螢火のような異次元に綺麗なものを見るときっと人は何かを終わらせたり、決断できる。

    3
    投稿日: 2025.09.08
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    物語がよくできていて、それを登場人物が力強く引っ張っていき、構成もすばらしいバランスなので、ラストの感動に繋がる。 デビュー当時から一流としか言いようがない!

    1
    投稿日: 2025.08.27
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    泥の川は太宰治賞、螢川は芥川賞。 戦後を生きるということ、底辺でも強く生きるということ、その中にも潜む淡い正直な大人への目覚め / いろんな感情が積み重なり、最後に花開く 全文はブログ記事にて https://wp.me/pgG1ce-y

    1
    投稿日: 2025.07.19
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    《蛍川》 私の好きな場面は、蛍の群れと遭遇するシーン。蛍が、先の見えない母と息子の不安な心を灯してくれているかのようだ。これからも、何度となく思い出される光景であろう。信じてこれからの人生を強く生き抜いてほしいと思った。 《泥の川》 登場人物の葛藤を想像しながら、読みすすめた。考察が必要であり、読者によって受け止め方は様々ではないか。私は感傷的な思いが残った。混沌としている世の中、時代に生きる少年の純粋さも印象的だった。それに向き合う思春期の葛藤、物悲しさがあった。人それぞれ、背景(貧しい家庭に生まれた等)をもっている。その中でも、その人が乗り越えられる試練が与えられ、生き抜いて行けるんだと信じたい

    1
    投稿日: 2025.07.05
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    泥の河は昭和30年の大阪、蛍川は昭和37年の富山が舞台。 高度経済成長が始まる直前の時代背景。生まれた頃なので記憶にはないが、なんとなく懐かしい雰囲気がする。 普通なら純文学系は手に取らないのだけど、たまにはこういうのもいいか。

    0
    投稿日: 2025.05.09
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    宮本輝さん、錦繍に続いて二作目。 最初は方言に慣れるまで戸惑ったが、泥の河、螢川ともに心理、情景描写が深くて、想像を掻き立てられる。 物悲しさのある暗い話だけど美しく感じた。 幼年期と思春期のふたつの視線で、人の世の哀歓を大阪と富山の二筋の川面に映し、生死を超えた命の輝きを刻む初期の代表作2編。 「泥の河」 太宰治賞 「螢川」  芥川賞 解説に書かれてあるように、 古くてなつかしい風景に宿る人の暮らしの哀しみを味わえたように思います。美しい文学的表現、再読したい。 本日、素敵な書店にて購入。感謝です。

    30
    投稿日: 2025.03.19
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    「螢川」は芥川賞に輝いた作品である。主人公竜夫少年時代より物語は始まるが昭和37年3月末からである。その時代に作者は生まれていないがその頃の庶民の生活実態を作者は如何にして斯様に描けたのであろうか。思わず小生の少年時代から苦労の青年時代を偲ばせられる思いでジーンと人生の真実が告げられた感じがして現実涙が流れた。芥川賞作品というと現実物は抽象的で作者よがりの作品が多く、読まず嫌いの感がなきにしもあらずだが、この様な平易な書き方で、ものすごい感動に接した。本が好きで良かったー。と切実に感激した。宮本輝の作品が俺を待っている。小生の健康も余り先が無いように思われるが、著作者の作品に心が動かされ、もう少し頑張って作者の著書に接してみたい。感動‼

    3
    投稿日: 2025.02.20
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    戦後の貧しかった日本の描写が、少し気持ちを暗くさせる。考えさせられることは多い良書。読むタイミングが大切。

    1
    投稿日: 2025.02.16
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    戦後の哀しい時代の空気が、文章を通して、強烈なイメージとして蘇る小説だった。 「泥の河」は、ずっと記憶に残りそう。素晴らしい小説だった。

    3
    投稿日: 2025.01.28
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    宮本輝をこの本から入った。 泥の河、とにかく泣ける、美しく哀しい。 昔の日本はこんな貧乏だったのかなぁと想像しながら読んだ。 映画もぜひ見たい

    0
    投稿日: 2025.01.17
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    風景描写がそのまま登場人物の心情を表す、お手本みたいだ。螢川の描写は特に美しい 蛍の大群は、滝壺の底に寂寞と舞う微生物の屍のように、はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の澱と化し、天空へ天空へと光彩をぼかしながら冷たい火の粉状になって舞い上がっていた。 土佐堀川に浮かんだ船に母、姉と暮らす不思議な少年喜一と小二の信雄の短い交流を描いて感動を呼んだ太宰治賞受賞の傑作「泥の河」。 北陸富山の春から夏への季節の移ろいの中に中三の竜夫の、父の死と淡い初恋を螢の大群の美しい輝きの中に描いた芥川賞受賞の名編「螢川」。

    1
    投稿日: 2025.01.15
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    感想 筆者の作品は似たような設定が多いから、前も読んだようなってなってしまうな。大阪、戦後、のぶちゃん、ポンポン船、きんつば、板金、遅くにできた子供など。 あらすじ 泥の河 戦後、大阪の安治川沿のうどん屋の倅の信雄は小学2年生。ある日、ポンポン船に住む喜一と銀子と出会う。喜一の母親は、ポンポン船でパンパンをして生計を立てていた。 蛍川 新潟に住む竜夫は中学生。父親の重竜が病気で余命いくばくもない。そんな中、英子という気になる女の子との関係、友達の関根の死、父親の死など思春期に様々なことを思う。

    12
    投稿日: 2025.01.12
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     とても綺麗な2作品です。子供の揺れ動く機微を繊細に捉えながら、悲しみを含んでいたり、社会の黒いところを切り取っている物語が素敵でした。とても哀愁を感じさせる物語でした。宮本輝さんは、2作品目ですが、また読んでみたいなと思います。

    0
    投稿日: 2024.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    泥の河 戦後、高度経済成長期前の日本での貧しい生き方を美しいと言えるような書き方で綴った作品。豊かさが美徳の損失であることを、感じざるを得なかった 子供心と他人と分かち合えないことなど直接的な内面の描写はあまり多くないのに行動で多くを考えさせられる作品だった 螢川 生と死を書き綴るとてもいい作品だった。 余りにも身近な死。その中で生きること。

    0
    投稿日: 2024.10.10
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    文章が美しく、情感に溢れている。泥の河が特に刺さった。 泥の河:悲しくも美しい戦後の風景。人々は逞しく生きるも、残酷な人生。 螢川:4年間住んだ富山の方言が懐かしい。

    0
    投稿日: 2024.10.06
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    宮本文学とも称される著者の作品の原点とも言うべき本を、遅まきながらも読了。 戦争の傷跡も癒えない戦後の大阪を舞台に、少年と廓舟で暮らす姉弟との交流を描いた太宰治賞受賞作『泥の河』。 春から夏へと移りゆく北陸富山を背景に、少年の淡い初恋を絡めた芥川賞受賞作『蛍川』。 何れの作品でも、明日は今日よりもきっと良い日になると、皆が希望を持てていた日々が甦り、懐かしさが満ちる。

    15
    投稿日: 2024.05.27
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    映画化された本らしい。 戦後復興のドロッとしたリアリティを清らかに流すような文体だった。 男性特有かもしれないが股間にグッとくる背徳感がある表現と内容はビジュアル化したときに美しいだろうなとも思う。

    0
    投稿日: 2024.05.11
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    螢川・泥の河どちらもとても良かった。特に泥の河(太宰治賞)は個人的にとても好きだ。 流れるように読めるけど、心理・情景描写がその流れを邪魔することなく綺麗におさまっているのが凄いと思った。『田園発 港行き自転車』で富山を舞台にしていたのだが螢川も富山であった。出身地を見ると関西なため、富山が好きなのかなと思っていた。が、解説を読むとどうやら著者は幼い頃、富山に一年間住んでいたことがあるとのこと。一年間だけで小説の舞台に度々登場するくらいなのだから、富山で得た色々は宮本輝にとって特別なものだったのだろうか。 とにかく良い小説だった。

    21
    投稿日: 2024.03.12
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     2篇とも死や不幸や性の目覚めが少年の目を通して描かれている。それらは劇的ではないが主人公に影響を与える。登場人物の日常が微かに変化していく様子が、美しさとうら寂しさを感じさせる季節や街の描写と相俟って妙なる調べとなっている。この作者の事物の描き方捉え方は自分の好みかもしれない。

    1
    投稿日: 2023.11.13
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    泥の河 11/8読了 言い回しが少々古く慣れるのに時間を要した。 読み始めてからかなり時間をかけて読み終えた。 哀愁漂うかんじだった。

    0
    投稿日: 2023.11.10
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    丁寧に綴られた言葉とリアルな情景が秀逸 人間の生の美しさと強さとそして嫌悪が 子どもの視点を通して不器用に映し出される 忘れた頃にまた読み返したくなる一冊

    9
    投稿日: 2023.11.01
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    『泥の河』では高度経済成長期間近の大阪の雰囲気を感じることができる。 小学生や中校生といった多感な時期特有の葛藤を2作品では見事に表現されていると感じた。 『泥の河』で出てきた巨大な鯉ってどんなものなのか想像しながら読むと少し面白かったです。 廓舟で生活する母と2人の子どもが、次の場所では平和に過ごせることを祈るばかり。 『螢川』は文句なしの面白さ、これこそ昭和の純文学という感じ。最後の螢が一面に飛んでいることを描写する文章が美しい。一昔前はこんなにも螢が多く綺麗だったのかと思いながら読み進めた。

    22
    投稿日: 2023.10.13
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    確かに美しい文体で、イメージの中の風景も自分の幼少期が思い起こされる。 今、考えると初恋だった近所の年上のお姉さん❗ 幸せになってたらいいなーと思いながら読めた作品

    0
    投稿日: 2023.10.08
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    昭和30年代という戦後復興真っ只中の日本が舞台の小説。 「泥の河」は、大阪で食堂を営む家族と、舟で様々な地域を転々としながら生活を営む家族との何か切なくなるような話。 「螢川」は、富山に住む家族に降りかかる友人、親との死別などの悲劇、幼なじみとの淡い恋心を交えながら家族の揺れ動く心の描写に美しくも切なくなるような話。 どちらの話も時代に翻弄されたが故に避けられない悲劇が描かれているにも関わらず、所々に差し込まれる風景描写が非常に美しく、とても惹きつけられるものがあった。古き良き時代のノスタルジーを想起させてくれる素晴らしい表現なので、風景描写だけでも読んで損はない小説。 「朝陽はまだ姿を見せていなかったが、鬱金色のさざめきがすでに川面で煌めいていた。」

    0
    投稿日: 2023.10.05
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    宮本輝の初期代表作、太宰治賞『泥の河』と芥川賞『螢川』を収録している。全てが代表作である純文学の権化のような作家だが、その中でもデビュー作と実質デビュー作はこの人を語るには欠かせないものだろう。 戦後経済成長期で、発展を遂げようとしている大阪府の2つの家族を描いた『泥の河』。 同じく戦後経済成長期で、衰退しつつある富山に住む少年と周辺を描いた『螢川』。 全く正反対の舞台であるが、方や田舎に移ろうとし、方や都会に移ろうとする。ほぼ同じ時代に暮らしていても、2つの物語が目指す生活は異なっていた。 しかし、彼らとて、自ら進んで計画したわけではない。運命とも、悲劇ともいえる状況に身を置かれ、やむなく決心したのだ。 昭和の時代、風景、人情、感情の起伏を流動的に描き、その上、読者の心には写真のように物語の光景を刻みつける。文学が閉ざされた現代においても、宮本輝の文学は輝度を増すばかりだ。

    0
    投稿日: 2023.06.25
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    太宰治賞を受賞した泥の河と,翌年に芥川賞を受賞した螢川のカップリング.恥ずかしながら宮本輝を読んだのは初めてだが,美しいですね.

    3
    投稿日: 2023.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

     1947年生まれ、宮本輝さん。芥川賞作家で好きな作家さんです。まさに、純文学と言った作品を書かれると思います。作風は変化するでしょうけど、この頃の作品が気に入っています。「蛍川・泥の河」、1994.12発行。「泥の河」は、太宰治賞。小学2年、うどん屋の信夫の「廓舟」の喜一(小2)、姉の銀子(小4)、母親へのそれぞれの思いが伝わってきます。「蛍川」は芥川賞。中学2年、竜夫の同級生、英子への恋心、いたち川のはるか上流に降る蛍の大群が。その情景が瞼に浮かびます!

    1
    投稿日: 2023.05.03
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    宮本輝全集での泥の河を読了。 小説らしい話。オーソドックスな文体と表現が安心感を与える。三島あたりより新しく、昨今の作者の何かというとsexしちゃう話とは一線を画す。 国語の教科書に載せるべき作品で、出版すべき物語。ちゃんと物語っている。 ラストシーンの感想は人それぞれだろう。信雄の叫びに喜一が応えなかった理由。 宮本輝作品は、全部読んでやろうと思っている。

    0
    投稿日: 2023.03.20
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    現代作品にはあまりない、古風で哀愁漂う独特な雰囲気を纏った物語。生きること、命とは、子供の非力さ、色々と投げかけ考えさせられる内容であるのに、その背後には美しさもあり、何とも不思議な感覚に囚われる。短編だけどとても奥深い作品だった。

    1
    投稿日: 2023.02.22
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    蛍川、昨日1日読んでいた。宮本輝の芥川賞受賞作。鮮やかな人物描写と細やかな自然描写。この後に錦繍が発表されたが、その萌芽を感じられる。

    0
    投稿日: 2022.12.19
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    宮本輝さんと言う作家はなぜこうも人間の生きていく悲しみを描いていくのだろう。 その文章が胸に沁み、浮かび上がる人間の優しさを感じながらもやっぱり読後感は淋しい。 泥の河 原作よりも映画を先に観ており、底辺に暮らす人とその底辺よりも少し上という感じの人々の思いやり優しさに感動したものだった。 原作を読んで映画の方は少し表現の仕方に違いがあると感じたが両者が私に与える心の震えは同じようなものだった。 水上生活者の喜一が信雄の家に招かれた時に誇らしげに軍歌「戦友」を歌う。 聞いた信男の父晋平が「うまい、ほんまにうまいなあ」と褒める。 なぜだろう、この文章を読んで私は涙が溢れ出た。 喜一の父親は戦争で受けた傷が元で死んでいる。 晋平は戦地でたくさんの戦友を失っている。 晋平が信雄に 「戦争はまだ終わってないでェ、なあ、のぶちゃん」 と語りかける場面がある。 そして 「一所懸命生きて来て、 人間死ぬ言うたら、ほんまにすかみたいな死に方するもんや。」 とも語る。 「泥の河」「螢川」、2作品とも人間の生と死に特別の感慨を持ち、逆らえない運命の中で必死に生きていかねばならない覚悟と、その中でも優しさがなければならないと訴えているのかもしれないと感じた。

    2
    投稿日: 2022.11.17
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    ■泥の河 情景がしっかり浮かぶ、まるで映像で見たか自分の記憶のよう 少年目線のおもいにどうにもならない切なさがあったり 燃える蜘蛛のくだりの表現、残酷美しく悲しいせつない‥

    0
    投稿日: 2022.10.29
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    作家・宮本輝の初期の代表作2編が収録されています。 本作収録の2編の短編により、宮本輝は作家としての地位を確立しました。 宮本輝は教科書では村上春樹や吉本ばなななどと並んで文学作家として紹介されることが多いです。 ただ、大体"第三の新人"あたりからの文学作品は大衆文学との境が薄れていて、宮本輝作品も文学といわれると違和感を感じます。 この頃に登場した作家達は、共通した思想や定義などはなく、各作家が作品毎に思想を込めている部分があります。 また、2022年8月現在も活動中である作家も少なくなく、本作は純文学と大衆文学の境目がなくなってきた時期の文学作品と言えるかと思います。 各作品の感想は以下の通りです。 ・泥の河... 宮本輝氏の作家デビュー作品。太宰治賞受賞作。 戦後の傷跡が残る大阪で、安治川の畔に住む少年「信雄」と、船に住む姉弟との交友を描いた作品です。 姉弟の母はその船で体を売って糊口を凌いでいます。 信雄は、船に住む「喜一」と友達になるのですが、喜一の母が客を取っている様子を垣間見てしまう。 周囲の大人に下劣な冗談を言われ、それでも喜一と友人でいようとする信雄の心理描写に長けた作品だと思います。 信雄が育ちの異なる喜一の"楽しいと言っていること"を理解できず、ラストは切なさがありました。 本作は宮本輝氏の幼少期をモチーフとしているようで、少年ゆえに処理できない自分の中の感情が書かれた名作です。 ・螢川... 芥川賞受賞作です。 富山県を舞台にした作品で、こちらも重要な舞台として"川"が登場します。 もう一編『道頓堀川』という作品があり、こちらを併せて「川三部作」をなすそうです。 中学二年生の「竜夫」を中心として書かれています。 かつては戦後復興時にタイヤ販売で成功し、北陸有数の商人にのし上がった父でしたが、行き詰まり、家には借財のみが残ってしまった。 老いた父は病に倒れ、母も看病のためにろくな仕事につけずにいる。 竜夫には関根という親友がおり、関根は同級生の英子と同じ高校へ進学するために猛勉強をしています。 実は竜夫も英子に憧れをもっているのですが、それを隠しています。 テーマとして、少年が直面する2つの死を描き、生命が対比されて浮かび上がってくるように思いました。 交尾に勤しむ蛍の、恐ろしいまでに幻想的な光によって浮かび上がる英子の姿は、竜夫にとっては正しく生命の輝きそのものであったのであろうと思います。 本作も、登場人物の心理描写や情景描写が巧みで、ノスタルジーを呼び起こします。 また、シンプルに読み物としておもしろい作品でした。

    1
    投稿日: 2022.08.26
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    幼いときの記憶ってなかなか消えない。 知らない町なのに、肌にまとわりつくジメジメした感じ、磯の香り、船の油のにおい、足元がグラグラする。ほんとに体験したかのように迫ってくる。 忘れたいよいな、申し訳ないような、気持ちになった。

    2
    投稿日: 2022.06.22
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    「泥の河」は後の「流転の海」にオーバーラップする原点の様な、ひいては著者の原点となる作品。唐突な死としぶとい生の印象が心に泥の様に溜まる。 昭和30年の大阪市福島の光景が目の前に現れる様だった。 「蛍川」はやや趣が変わった青春小説の感じ。父や友の死と自分のこれからの生き方、やはり生と死が作品の軸ではあるが、それに加えて幼なじみへの恋や家族の歴史等、読後感は一種の爽やかさがあった。 虎谷誠々堂書店ロサヴィア店にて購入。

    0
    投稿日: 2022.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    泥の河 大阪、堂島川と土佐堀川、安治川 水上生活者の消えゆく時代の話。今では消滅し、わずかにかき船などが残るのみ。格差是正が悪とは言わぬが過去の人間生活を忘れることは罪、記憶したい、記録したい。 螢川 常願寺川の支流、いたち川 白い街の底が汚れている 一年を終えると、あたかも冬こそすべてであったように思われる。土が残雪であり、水が残雪であり、草が残雪であり、さらには光までが残雪のよいyだった。春があっても、夏があっても、そこには絶えず冬の胞子がひそんでいて、この裏日本特有の香気を年中重く澱ませていた。 日本海側の陰鬱な様子を綺麗に描写している。

    0
    投稿日: 2022.04.09
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    どうしようもない、彼我の壁を他人と自分とに感じる事があると思う。言葉の壁、性別の壁、才覚の壁、文化、風俗の壁。    こどもが家庭、学校という社会を通じて次第に直面していくこれらの壁の一つを鋭く描いていると感じた。  取り分け、性差はこどもが直面する最初の壁。両岸に大きな隔たりのある、大河。飲食店の子どもと廓船(性風俗)の子どもとの間で、二つの相容れない日常が、はっきりと社会通念上の隔たりになって子どもの心を捉える筆致にぞくりとする。  宮本さんの、物語を暗示させるどうぶつたちの使い方に学びたい。  泥の河では、油に付けられた蟹を燃やすと、青白くぱちぱちと音を立てて燃え、燃えた蟹が廓船の娼婦(友達の母親)の姿を青白く闇夜に浮かびあがらせる。  蛍川でも、無数の蛍の交尾で、死んでいく蛍が、人の形を作る。  ここで終わらせる。説明的な文章はできるだけ省き、登場させる人物の無垢な視点が、描くストーリーは、真白なキャンバスを思わせる。  実在の動物や、虫が不自然でない形で作品に用いられているのも、現実のなかにあるファンタジーで、観念的でないのも勉強になる。

    2
    投稿日: 2022.02.13
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    太宰治賞受賞作「泥の河」、芥川賞受賞作「螢川」。名作である。 古典とも言われる名作は、何回読み返しても、また違う感動があります。 暗鬱な北陸の風土に、生き抜いていく人間の哀愁、命というものの叫びというものが、読み手に強烈に跳ね返ってくる。若い頃では感じ得ない感情を、感動がここにはある。

    0
    投稿日: 2022.01.29
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    「泥の河」と「螢川」の二篇。前者は太宰治賞、後者は芥川賞を受賞しています。両作品ともに性の目覚めにある少年が主人公。その目に映る大人の弱さ、泥臭さ、悲しさと、自然の儚さ、雄大さ、不気味さ、厳しさ……色とりどりに目まぐるしく変わる描写が叙情たっぷりでした。 少年は身近な者の死によって、常に死が意識下にあるような感じです。さらに二つの作品とも、怪しげな生物の動きが掉尾を飾っています。ラストはまさに衝撃的な一枚の絵となっています。余韻の中でなんとなく、生きることは刹那の繰り返しなんだろうなと思いつつ頁を閉じました。再読したい二作品です。

    14
    投稿日: 2022.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『戦後の貧しさの中で…力強く生き抜く子どもたち』 太宰治賞作品「泥の河」 芥川賞作品「螢川」 どちらも、昭和の薫り漂う時代背景のもと、子どもの視点から見た大人の世界、生と死、恋心を精緻な描写で描きだす。 戦後間もない貧しい環境の中、必死に生き抜く力強さを感じた。

    1
    投稿日: 2022.01.10
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    文学的表現が美しく、内容も素晴らしい。 こんな文学に出会えて良かったと心から思います。 泥の河 太宰治賞 螢川  芥川賞  

    6
    投稿日: 2021.12.23
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    敗戦後間もないまだ鬱蒼とした時代、川の畔の少年達の物語、中編2編。 太宰治賞「泥の河」 社会の底辺よりも底、泥の河で廓舟に暮らす母子と短い交流を持つ食堂の少年。日常が淡々と語られる。抵抗するでもなく、厳しい貧さを受け入れる母子。廓舟の友人の過ちを許せなかった少年。悲しみ辛さの心情を直接表現するものはないが、作品全体から悲しみが溢れる。 芥川賞「蛍川」 中学生という、これからの生き方が決まるであろう時期に父、友人の死に直面する少年。何かが終わろうとも、少年の生は続く。ラストの蛍の乱舞、少女にまとわりつ表現は、圧巻。

    14
    投稿日: 2021.11.29
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    芥川賞を受賞した螢川、太宰治賞を受賞した泥の河の短編二部。 螢川では富山を舞台に中学3年生の主人公が経験する父の死の寂しさと初恋の淡さを螢の美しさで表現しており、泥の河では戦後まもない時代に食堂を営む両親の子である主人公が母、無口な姉と共に川で船上生活をする少年と出会い、別れを通し、人間の影の部分を日常生活を通して描写した作品。

    1
    投稿日: 2021.08.16
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    「泥の河」戦後高度成長期の裏で必死に生きている人々やその生活を読みながら、昔どこかで見たテレビや映画の暗い映像が思い起こされた。当時は遠い世界のように思っていたが、現実にあったのだと今は思う。 信雄の両親が喜一姉弟に優しく接する心の持ち主だという所が良い。お祭りの場面は昭和の情景が鮮やかに蘇る。喜一母の行為を目撃してしまった信雄の衝撃から、喜一姉弟が抱えている心の闇、喜一の狂気に近い行動の理由が同時に分かって何とも言えない哀しい気持ちとなる。 終始暗いが心に重く強烈な印象が残る名作と思った。 「蛍川」主人公竜夫の思春期の恋心、友人が事故で死んだ衝撃、やはり死んでいく父への思いもさることながら、その母千代の心情描写も心に沁みる。 夫が死の直前に前妻の名前かと思われる言葉を呟いた事を心のわだかまりとしながら、夫の死後会いに来た前妻を前にした時の気持ちの遷移、蛍が出たら大阪に行こうと前向きな姿に変わっていく様が、蛍の大群に遭遇した鮮やかな描写と重なり合う。 母の出発点は竜夫の淡い恋の終わりでもあるが、新たな始まりでもあり、全体的に暗い中にも「泥の河」の読後感とは違ったものとなった。

    0
    投稿日: 2021.07.10
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    螢川の圧巻のラストは忘れがたい。20年も前に読んだのに、様々なシーンが記憶に残る。日本の情緒を見事に捕らえている。

    0
    投稿日: 2021.07.07
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    著者の初期を代表する「川三部作」のうち二編が収録されている。「泥の河」は太宰治賞、「蛍川」は芥川賞を受賞。 いずれの作品も貧しさによる閉塞感が主人公の周辺を包み、終始暗いトーンで進行する物語だが、未来へ向けて一歩踏み出そうとする人間の強さが描かれている。特に「蛍川」は富山の美しい情景に心が癒される。蛍の大群を観に川へ向かう4人が見た夕暮れの描写が圧巻で息を飲むほど。

    0
    投稿日: 2021.06.13
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    自分が若かりし頃の昔を思い出して なつかしく読みました あの頃はみんな貧乏だった 未来が唯一の希望だった。 そして、その希望が実現した 希望が実現した今となってみれば ああ、あの時代が懐かしいと思える

    0
    投稿日: 2021.06.05
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    SNSでお薦め頂いた作品。芥川龍之介賞受賞作(含む)。在り来たりかもしれないが、フレーズに挙げた(p154.9行〜同.16行)一連の行動が妙に心に残った。竜夫の友を思う心情に感嘆たる思いを抱いた。最後の蛍のシーンは幻想的でエロティックですらあった(^^ 星三つ半。

    3
    投稿日: 2021.01.22
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    『泥の河』は、如何にも高校生の模試の問題に出て来そうな文章。展開は『螢川』より分かりやすいと思う。 老人を飲み込んだお化け鯉が親子3人の船の後をついていくシーン。解説を読んで、ああそんな暗示にも読めるのかと思わされた。 『螢川』は、蛍のシーンが「綺麗だねー」と言うような想像できるお決まりの美しさじゃないのが良かった。 生きてまっせー!という熱気が鮮やか。 おまけ この本を薦めていた人が、「こんなん読んでる自分かっこいいですよね?ね?」という雰囲気を出していたのが腹立たしくて読んでやった。 絶対あいつ誰よりも中身分かってないぞ。

    0
    投稿日: 2021.01.11
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    何でもない日常の中で突如起きた知り合いの死から始まる『泥の河』。 子供の視点で書かれる理不尽な現実、無邪気な残酷さ、非力ゆえの抗えない境遇、大人の読者である自分からすると悲惨な生活に思える。 戦後間もない貧しく混乱した時代の話だということもある。けれど翻ってわが身を考えた時、ここまで極端じゃないけれど、現実に対して理不尽さ、非情さ、非力さを感じた記憶がある。 今だと折れてしまったり、立ち直れそうにない酷なこともあったけれど、子供ならではの柔軟さで切り抜けたような。 舞台と時代は違うのに強く過去を思い起こさせられた。 『螢川』は北陸の冬から夏にかけての物語。 卒中で半身不随になった父を持つ少年が主人公。 豪胆で情が深い父と、従順で笑顔のさびしい母、父の先妻や長年の友達、幼馴染の女の子や、彼女に恋をしている同級生、その彼の父親や、螢が乱舞する時期とその場所を知るお爺さん等々、短編なのに登場人物が盛りだくさん。 断片的な出来事が連ねられ、広げられた話が、何万、何十万の螢に包まれた最終場面で一つに収斂する。 初読の時と同じく、その描写の美しさは見事というより、怖かった。

    0
    投稿日: 2020.12.28
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    雑誌で著者の対談記事を読んで興味を持ち書店で購入しました。 こういう芥川賞っぽい小説、好きです。 自分では経験していない戦後の空気感を感じれるっていうのはやはり、著者の実力なんでしょうね。 登場人物のそれぞれが一生懸命生きている感じにも引き込まれました。

    2
    投稿日: 2020.11.12
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    どんよりした川。鈍い空から降る雪。 くすんだような色のトーンで、静かに染み込んでくる。 友、異性、死、情。親の事情。 ときめきやわびしさや哀しさも体で受け止めてゆく。 そっと見守る人々の目があたたかい。 主役の子どもたちのみならず、大人たちにも思いは飛んでゆく。 大切にしたい世界だった。

    0
    投稿日: 2020.11.07
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    ★3.5。 当たり前なんですが、時代を感じさせます。時代設定といった表面的なこともさることながら、文体と言うか語ろうとしている内容というか。そういう意味でこのお方も当方にとっては前の世代です。当たり前ですよね、戦争の空気を自然に語ることができる訳ですから。 やっぱり戦争って人の生活というか、纏う空気に決定的に影響を及ぼしますね。そしてそれは無いに越したことはなく、仮に平和ボケだと言われても。

    1
    投稿日: 2020.06.18
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    77年太宰治賞の『泥の河』と78年芥川賞の『螢川』。いずれも戦後昭和の中で、荒地にさく花のような切なさと逞しさを垣間見せる。妖艶でいながら、何処か暗く、生と死が描かれており引き込まれる。泥の河で出てくる巨大な鯉はまるで死神のよう。また螢川では、生と死の儚さがそのまま蛍で表現されている。各々の作品において、その年頃の少年がもつ恋心や不安、不満、戸惑いなどの感情が鮮やかに描かれており、平成の今読んでもまったく古くない。

    0
    投稿日: 2020.05.06
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    宮本輝の著作を読むのは実質初めて。むかーし映画化された優駿は映画館で観た記憶。 泥の河、螢川ともに、方言と自然描写が巧みで、その生活が活き活きと伝わってくる。大変美しい。 両作品とも、大人とのやりとりを通じた思春期ごろの子供の成長、過去を背負って前を向きつつも、わだかまりを持った大人たちの葛藤が描かれている。人間って、やっぱり簡単に割り切りシンプルに生きることは難しい。心は揺れる。そういう普通の人間の、どこにでもあるだろう話を、優れた方言表現と自然描写を背景に、深みをもって読ませる作品。

    6
    投稿日: 2020.04.16
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    馬と蠅と魚と蟹を描く情景が、登場人物の心情を暗喩していて、しみた。例えるなら、涙をこらえうつ伏せになってるとき、愛犬に濡れた鼻を押しつけて欲しい感じ。

    0
    投稿日: 2020.02.29
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    ものすごく昔に映画を見たけれど,そのままになっていた。大阪に住んで原作を読んでみると,すごく身近に感じる。そして,すごく切なく,美しい。

    0
    投稿日: 2020.02.09
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    泥の河 戦後の大阪、澱んだ川。埃が舞い、汗が滴る。無垢な主人公が、社会、人生の不条理に触れる。淡々とした展開、平易な文章であるが、風景、心情の描写力、無駄のない、研ぎ澄まされた表現力、紡がれた言葉の奥で漂う言葉にできない感触は、宮本輝作品にしか出せない魅力だと思う。

    0
    投稿日: 2020.02.08
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    昔の本ってなんでこんなに情緒溢れるんだろうなあ。 情緒、哀愁、という感じ… 物語にのめり込む感じではないんだけど、静かに読み耽ってしまう。 胸にしんと広がる感じ。 情景は美しく、人間は生々しく、描かれる。

    0
    投稿日: 2020.01.10
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    小説と言うと、人物の言動が物語のために作られすぎていて記号的で無機的に感じることがあるけど、この作者の紡ぐ言葉は一つ一つが自分の生活と非常に近い線にあって、普段当たり前すぎて気に留めないような言葉や空気が、小説の中にぽっと浮かんで来たりする。それは、断片的に自分の覚えている思い出のワンシーンに似ているように思う。 そうした表現の群れが生む生々しさと、扱われることの多い死、貧困、愛憎と言ったテーマとが相まって、人間の体臭とか空間のすえた臭いが本から漂ってくる。生を持った有機的な文、と言う印象がとても強い。

    0
    投稿日: 2019.10.23
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    方言のセリフが胸に染み入ってくる。情景描写の中に、しみじみとした死生観が宿っている。理解を超えたもの、訳のわからないものを現実として受け止め、物語として構成し直した端整な作品。

    1
    投稿日: 2019.03.15
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    「泥の河」は、まだ高度成長が始まる前の日本、大阪の風情を描いているが、陰鬱で哀しい話で、あまり引き込まれなかった。 「螢川」は、北陸富山を舞台に、父親と親友を亡くした主人公がきらめくばかりの蛍の光に包まれる物語。 叙情的でありながらも、人生の襞を描いた秀作であった。

    0
    投稿日: 2019.01.02
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    戦後の日本を描く小説は性に対してダイレクトだし、その表現も遠慮がない感じがする。 戦時中、いつ死んでもおかしくない状況、無数の弾から奇跡的に逃れて生き残ったのに、戦争が終わってなんでもない事で死んでしまう悲しい性がよくある戦後の日本。貧しい泥の河のほとりに住む少年と、船の上で売春して生活をする母と姉弟の交流を描く。弟はそんな曲がった環境の中でやはり心が荒むのか、残虐性を持つ一面があり、少年は慄く。 4月なのに雪が降る年は、川に無数のホタルがやってくる。父はかつての名士だか病に倒れた。母は、そんな父の愛人だった女。金銭的に苦しくなっていく家で、父の前妻がこれまた素晴らしい人物であることがよくわかる。かつての幼馴染で、今は淡い恋心を抱いている英子に対する、赤い実弾けた的な、心がズキズキする様子がよく表現されている。

    1
    投稿日: 2018.09.22
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    子は二十歳になるまでは生きていたいと願う親と早くに親を亡くした子。風景と心情がていねいに描かれているいい小説。

    0
    投稿日: 2018.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「泥の河」が、呆気なく引き裂かれた少年達の別れを冷酷なくらい淡々と描写して終わっちゃったので、、美しいクライマックスの「螢川」に、大阪へ引っ越した後の母子の苦労を予感してしまう。 深読み…というよりはひねくれてる、かな。

    0
    投稿日: 2017.12.14
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    少年少女と、その取り巻く大人達との戦後の日常と、現代では忘れ去られた日本があった。ただ淡々と物語は進んで終了。何考える事は確かにあるが、うっーん…これは純文学作品なのだろう。私の中ではどこが芸術的か理解不能。時代なのかなー…

    1
    投稿日: 2017.10.13
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    10年以上前に、20も年下の女子大生に、「今、宮本輝を読んでいるけど、宮本輝良いですよ。」と言われた。ずーっと気になっていた。学校に文庫本があったので、借りて来たら娘が先に読んでしまった。20代の娘もとても良かったーと言う。 で、読んだ。この本には2作品所収されているが、どちらもとても良かった。 「泥の河」の冒頭では、馬で荷物運ぶ男が悲惨な死に方をする。川舟で暮らす生活苦の親子も出てくる。川の汚れ、大人達の卑猥で意地悪な言動、主人公友達になった少年の異常な行動など私を息苦しくすることもあった。でも、人生は不条理だけど、生きて行かなければならないし、覚悟して生きて行かなければならないことを再度感じた。主人公の両親の優しさが読んでいて救いになった。 螢川は、お母さんの千代さんが存外に力強くて、ほっとした。

    0
    投稿日: 2017.09.23
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    生きていくって、哀しくてけど小さいながらも希望がある。 最初読んでた時は、暗い話なのかと思っていたけど、2作とも最後は希望が見えるようで、「がんばるか」というような感じを受けた。 この頑張るは、「ヨォーし!いっちょ、がんばるか!」と全面的に見える熱苦しいものではなくて、「駄目なら駄目て、がんばるか」と肩のチカラが抜けたようなもの。 読み終えて、温かい気持ちになれた。

    0
    投稿日: 2017.09.07
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    何故か目覚ましが鳴る前の明け方に目覚め、本書を読了した。「泥の河」の舞台である戦後すぐの大阪の街が目に浮かぶ。衝撃的な馬方の死。舟の家に住む親子の境遇と、彼らと信雄の悲しい別れ。純文学や~。やはり太宰治を先に読んでおくべきだったと反省。「蛍川」は、少年の淡い恋心と、家庭の事情に翻弄されていく様子が、最後の不気味とも言える蛍の情景に集約された感じだった。

    0
    投稿日: 2017.09.06
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    タイトルから勝手に下町のほんわかした話かと思っていたら、いい意味で『泥の河』冒頭で裏切られ、嚙みつくように読み終えた。 川に付きまとうどぶ臭さが染み付いた、焼きつくような死の情景と、その傍らで生きる人々の生活。 できることなら、夏に読みたかった。

    0
    投稿日: 2017.06.26
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    どぶ臭く息が詰まるような日常に、ほうと灯る火の美しさ。死の色濃い物語ふたつ。特に蛍川は凄まじいくらい死を感じた。

    0
    投稿日: 2017.06.03
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    尊敬する人に勧められて買った。 家族、恋、友情。 子どものころに感じはじめた「だいじなもの」が丁寧に、大切に書いてある気がする。 ラストシーンの描写がものすごく印象的。 主人公と周りの人たちを慰め、そして応援するような蛍のひかり。 わたしの実家の近くでは今でも蛍をみることができるけど、近年みられるのは数匹だけになってしまった。 たくさんの蛍の光が集まった風景は、平成生まれのわたしには想像することしかできない。 作品から、昭和という時代がもつ暖かさも感じとることができた。 □ 「運というもんこそが、人間を馬鹿にも賢こうにもするがやちゃ」

    0
    投稿日: 2017.04.09
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    泥の河が良かった。 生死なんて小さなもの。小動物の生死が簡単にコントロールできるように、人間の生死ももっと大きな力に簡単にコントロールされている。

    0
    投稿日: 2017.02.27
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    初めて読んだけど、好きな作家になった。情景描写とキャラクターの肉付けが上手。まずは前者だが、授業や小説でもあまり触れる事のなかった戦後、高度経済成長期直前の混沌とした世界をまるで臭気まで漂ってくるかと思う程リアルに描いている。次に後者、どの人物もまるで一度会って話した事があるかのような現実感と説得力。あと、主要人物が全員人柄が良いのが好きだった。特に「泥の河」の信雄と喜一が可愛すぎる…。ただ、そんなキャラクターにも容赦なく苦難を与える作者は真性のドSなんじゃないかと思えてきた。この作者の世界の登場人物には決してなりたくないなぁ。「泥の河」も「蛍川」も、美しい作品だった。老いた時にもう一度読みたい。

    0
    投稿日: 2017.02.12
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    光景が映像として眼に浮かぶ。「泥の河」油を呑まされ火をつけられた蟹が燃えながら這い回っている。蟹から放たれる悪臭を孕んだ青い炎。それを銀子がゆっくりつまんで川に投げ入れていく。「螢川」蛍の大群は、滝壺の底に寂寞と舞う微生物の屍のように、はかりしれない沈黙と死臭を孕んで光の澱と化し、天空へと火の粉状になって舞い上がっていく。

    0
    投稿日: 2016.12.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『泥の河』は大阪、『蛍川』は富山と場所は違えど、どちらも戦後から高度成長期にかけてのまだ日本が貧しかった昭和の時代を、2人の少年の視点を通して描かれています。貧しい家庭や、儚い人の命、淡い性の目覚め、自分ではどうしようもない情況の中、もどかしさや、理由の判らない衝動を抱えながら、こうやって人は川に流されるみたいにゆるやかに成長していくのだと感じました。

    0
    投稿日: 2016.12.06
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    花まんまを読んでいても思ったが、大阪は猥雑とした街だなと改めて感じる。もっともこちらの描写は戦後すぐの話だから一概に比較できるものでもないが。

    0
    投稿日: 2016.09.19
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    お金、愛情、生活、差別などが複雑に絡み合う日常を送る主人公ときっちゃんの目を通して人間の本質が描かれている作品。 自分が主人公と同じ頃に大阪で過ごし、まさにここに書かれていると同じような経験をしているという所為かもしれないが、是非とも皆にオススメしたい。 「蛍川」も、基本的には同じテーマ。決して豊かではないけれど、両親、同級生、父の元妻や友人等からの愛情を受けながら思春期を通過する主人公の物語。時差ぼけで眠れない夜、ベッドの中で何度も涙を流しながら読み進めていった。

    0
    投稿日: 2016.09.03
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    私の親も戦争の傷跡が残る時代、貧しく苦しい生活がきっとあったんだろうな。「上を向いて歩こうよ、涙がこぼれないように」今も同じだ。さまざまな人生を3・11以降痛切に感じる。

    0
    投稿日: 2016.06.13
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    「泥の河」戦後大阪、河のは畔に住む少年と廓舟に暮らす姉弟の交流 「蛍川」北陸富山父の死、友の事故、初恋を描き、蛍の大群のあなやす生死を越えた命の輝きを見る。

    0
    投稿日: 2016.03.20
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    「泥の河」 大阪湾につながる河の底で、泥に隠れた巨大な魚の存在 それは大人たちがけして信じようとしない、子供だけの真実であるが 誰もがやがて真実を忘れ、大人になっていかざるをえない 怒り、悲しみ、寂しさ、恥ずかしさ そういったものが渾然一体となってわけがわからないままに 蟹を燃やしてみたりする そんな真実なら忘れたほうがいいような気もするけれど 腐っても鯛、忘れたって真実は真実だ そいつはつねにあなたの隣にあるのですよ 非常に完成度の高い作品で、全体に詰め込みすぎの印象はあるものの それがまた大阪の下町らしさになっている 「蛍川」 過去への執着を断たねば前へは進めまい 死と新生が必ずしもつながっているわけではないが 蛍の大群が交尾するさまを見に行くという約束を果たすことで とにかく、子供の時代にひとまずはケリをつけて 大人へと生まれ変わる少年少女の話 もちろん保護者同伴だ!

    0
    投稿日: 2016.03.18
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    川とか沼とか、水辺がでてくる小説は好きです。 これはあんまり衝撃的とかそういうたぐいのものではなかったのですが 短編なので、すぐ読めました。

    0
    投稿日: 2016.02.27
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    生活を包み込んで流れてゆく河と、螢が火の粉のように舞う死臭を孕んだ川。宮本さんのお話の根底には永遠の生の哀しみが横たわっていて、普段私たちが鈍感なふりをして何気なく無視しているその哀しみの存在を、はっと知らされる気がする。定住するとしたら、川が流れる街に私は住みたい。

    0
    投稿日: 2016.01.25
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    初期作の、一部では”川三部作”と称される内の、太宰治賞 受賞作「泥の河」、芥川賞受賞作「蛍川」の二篇が収録された一冊。どちらも戦後間もない川を物語に織り込んだ、少年を主人公に描かれた物語になっている。 小説にしては、何の物語も無く呆気なく死んでいく人物がいたり、悲しさまで行かない気怠さを描いていたり、通俗と称されるかされないかの加減が上手く、そして綺麗に書かれているのに驚いた。意味を逆に転換すると、よくある古来の日本文学作品に似通った空気を感じさせるということにもなるのだが。よって決して明るい内容ではなく、読む手が進むとも言えないが、子供の目を通しての人々の営みは、間違い無くそこに生きているという事実を裏受けている。 『蛍川』は蛍という題材を、幼い瞬間的な青春を光という形に収める点なんかが上手い上にずるくさえ感じられる。世間的な評価はこっちの方が多分高いと思うけど、個人的には『泥の河』のシミジミと惜しむ後味や、いずれは死ぬがそれでも人は生きるということを二篇とも共通のテーマにしているように伺えたが、扱い方としてはこちらの作品の方が好み。

    0
    投稿日: 2016.01.13
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    太宰治賞や芥川賞の二部作が掲載されています。 「流転の海」の原点なのでしょうね。 この情景、情感がすばらしいです。

    1
    投稿日: 2015.12.29
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    龍ちゃんツイをきっかけに20年ぶり再読。自分で驚いたが、完全に千代さんを追っていた。また20年したら、俺は銀蔵になるがけ? 初読は思春期のもどかしさにモゾモゾした記憶あるが、やはり英子はエロかった。

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    投稿日: 2015.11.24
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    2015/10/28、泥の河のみ読了 比較的読みやすかった作品。ちょっと道尾秀介っぽくて好きかも、あと雰囲気としては蟹工船とかセメント樽の中の手紙とか。泥臭いような重い雰囲気がよく出てた。

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    投稿日: 2015.10.28
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    戦後復興間もない川を舞台に、生きることの哀しさをみる。この登場人物の生い立ちや貧しさ、もっというと宮本輝さんの小説の登場人物にはいつも強烈に惹かれてしまいます。

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    投稿日: 2015.05.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんだろう。純文学って言うか、もっと堅苦しくて読みづらくて詰まらないものを想像していたんだけど、思っていたより読みやすくて奥の広がりが伝わってくるような作品だった。 一見した派手さは無いんだけど、何回も繰り返して読むことが出来る、いや、読み返したくなるような小説。そんな印象を受ける。 何か食わず嫌いだったなぁ。とか思いたくなる。そんな作品だった。

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    投稿日: 2015.02.28
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    そこそこなまめかしい話であるが、これが「高校生に読ませたい」本ね~。 たしかに戦後の影が残る昭和の様子はよくわかります。

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    投稿日: 2015.02.07
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    昔学生時代の試験問題に泥の河の一説が出ていて、それから10年は気になっていた本。 うん、なんかいい。戦争の跡が生々しく残っている時代を静かに描く様子はまさに文学賞! とよくわからない感想を持つ。 こう描ける人はそんなにいないから。 すごい。

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    投稿日: 2015.02.01
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    戦後間もない時代を描いた作品。 大阪で暮らす少年少女の出会いと別れを描いた「泥の河」 父の死や、少年から青年になっていく恋心などを描いた「蛍川」 2作品とも長編ではないのでサラっと読めた。

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    投稿日: 2015.01.27
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    甘くほろ苦い少年時代を綴った「泥の河」。 父を亡くしつつある母子を描いた「蛍川」。 どちらも秀作ですが、どちらが好きかといえば、後者。 父が亡くなっていく場面は村上春樹氏の『1Q84』を連想させ、両作とも筆致が見事。

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    投稿日: 2014.10.28
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    中学か高校の時、先生か母親に薦められたんですが、どうも学校の夏休みの課題図書だった気がするんですよね。 どちらにしろ、中高生に胸を張って薦めるような健全な話ではないかも(笑) 泥の河は割りと性的な描写が少なく面白かったですが、個人的にこの作者がよく書くような、男の性欲をグロテスクに書いたものが嫌いです。 作者ごと嫌いになってしまいがちです。 欲に逆らえない事を開き直るような人が嫌いなんですきっと。

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    投稿日: 2014.08.12