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卍(まんじ)
卍(まんじ)
谷崎潤一郎/新潮社
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総合評価

183件)
3.8
28
77
46
8
1
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    あの谷崎潤一郎が、百合を……!?と食いついてしまい、購読。 口語体の上に関西風で読みづら〜い!と思いつつ、序盤の園子さんと光子さんの出会いから関係が深まるまでの描写がやはり、百合に惹かれて手に取ったものとしてはたいへんよかったです

    0
    投稿日: 2025.12.03
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    やや久々の谷崎。卍というタイトルの通り、男女の入り組んだ関係が題材で、主要人物の一人である園子による過去の出来事の告白体、ほぼ全編が絡みつくような大阪弁の会話主体で構成されている、という辺りが特徴。解説では「変態性欲」とざっくり評されているけれど、個別の関係に倫理や常識を踏み外すものがあるのは確かだけど、『痴人の愛』のような倒錯感はそれほど強く感じないし、よりフェティシズム的な側面が強い作品に比べると「変態」感はむしろ感じなくて、それぞれの人物がそれぞれの弱さや執着の中で絡み合っていくという意味ではそこまでドロドロはしていない印象を受ける。この構成や語り口で描きたいんだという谷崎の狙いやこだわりを強く感じるのも良いところ。

    0
    投稿日: 2025.11.28
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    (Audibleにて、ナレーター:斉藤範子) Audibleを初体験するのに何が良いかと思いつつ選んでみたが、なかなか良かった。ナレーターさんの関西弁は多少不自然だったが、耳当たりが良く楽しく鑑賞できた。 本で読むのとはだいぶ印象が変わるのかもしれないが、改めて読むつもりはないのでそれはわからない。 ハズに色々とバレたあたりからのドンデン返しのような展開は予想を超えていて呆気にとられた。え?そんなことになるん?すっかりモブキャラと思ってたハズさんの豹変にびっくり。それまでの長々とした筋書きは手の込んだ仕込みだったとは。 純粋なのか異常なのか、「先生」はどう思ったのでしょうね。

    0
    投稿日: 2025.10.22
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    いやーすごいなぁ 谷崎潤一郎が書く女は強烈に強い!ほんで美しい! 男を狂わすほどの強い女、今回は女も狂わせちゃってるので相当な女でした 面白くてすぐ読めるんやけどすんごい疲れた わたし大阪人なので心斎橋の大丸とか、宗右衛門町とか、天王寺公園、梅田などなど出てくる度にウホホとうれしくなりました、最後までベタベタな古い大阪弁です

    19
    投稿日: 2025.09.15
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    関西弁の告白態小説。疑心暗鬼に陥る様が丁寧に描かれていて面白かった。光子の自分勝手で強欲な所が周りを狂わせていく感じとか、登場人物は少ないのにドロドロとしていた。

    0
    投稿日: 2025.07.24
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    2025.4.16 谷崎潤一郎2作目 何が起こってるのかいまいち理解出来ず… 最初からずっと話し言葉で 方言も強くなかなか読み進まなくて根気が要った でも最後の頁の括弧書きで 初めて第三者視点の文が来たのに喰らいました 園子は江口のりこ氏で再生でした。

    0
    投稿日: 2025.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    個人的に光子にそこまでの魅力を感じない。 初期〜の色香がぷんぷんする女性達とも違うし… 結末は最初からわかっているけど、怒涛の展開

    0
    投稿日: 2025.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これを『卍』というタイトルにしたのも凄い。 谷崎潤一郎全開の世界だったな…。普通に趣味として読んでも面白い。

    1
    投稿日: 2025.03.05
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    有名な話なのであらすじは知っていたのだが、読んでみると面白くて。話の展開が上手くて、若奥様の語りが魅力的。 巻末の中村光夫の解説には「変態性欲」の話で、約十年後に書かれた『細雪』に比べると劣るみたいなことが書いてあって身も蓋もないが、いやいや大したものだと思った。『細雪』読んでないので比べられないけど。 「変態性欲」なんて書かれるとエロ本みたいだが、エロ本と違うのは「行為」は書かれていないところである。それを書かずにここまで異様な盛り上がりが描けるのはすごいと言うしかない。何度も映像化されて、エロ的に消費されがちな設定ではあるが、映像と文学は違うのである。 映像で描ききれないのは、語り手と作者の距離、一歩引いて見た時の人間の愚かさである。 光子は悪魔的なファムファタルというより、どこか自己肯定感の低い人間のように感じる。だからいつでも自分を賞賛してくれる人を求める。命をかけて自分を好きでいてくれる人がいて、はじめて生きている喜びを感じる。そのせいで綿貫のような人物につけ入れられてしまう。光子が観音の格好をした自分を鏡にうつしてうっとりするシーンがあるが、この美しさをちゃんと認めてくれたのが園子である。しかし光子が園子にしろ、孝太郎にしろ、本気で愛していたとは思えない。 美貌で、裕福な家の娘で、良い縁談(つまり金も地位もある人物からの求婚)が次々に来る、傍目にはなんの不自由もない光子がどうしてこうなっちゃったかと考えてみると、もちろん谷崎はそれを意識していたとは思えないが、社会の圧力だったのではないか。美人であっても、望めるのは結婚だけである。結婚してしまえば、園子同様特にすべきこともなく(家事は使用人がする)、習い事をするか浮気するくらいが関の山。子どもを産むことは今よりあからさまに強制された時代である。(園子が輸入した英語の本で避妊を工夫しているのが印象的。)何も面白くない。わくわくもウキウキもドキドキもなし。それが死ぬまで続く。夫も最初は優しくてもしばらくすれば妾を囲ったりする。(当時の金と地位のある男はそうだった。)そんな人生、光子のような女性にはつまらなすぎる。 光子は現在ならビジネスで才能を開花させたかもしれない。あるいはモデルや俳優となって自由に生きたかも。 当時としては彼女の死は避けられなかった。本当は園子と孝太郎も一緒に死んで欲しかったんだよね。 語り手として園子を残したわけだけど、最後ちょっと違っていたらもっと良かったかもしれないと思った。文豪に対して無礼ではあるが。

    1
    投稿日: 2025.02.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和二年、大阪、有閑階級の四人の男女がおりなす愛憎劇である。柿内園子(語り手)、徳光光子、柿内孝太郎、綿貫栄一郎である。徳光光子は美人で怪しい魅力があり、崇拝者がいないと生きていけないという人間で、柿内園子は主婦、柿内孝太郎は園子の夫で弁護士、綿貫栄一郎はやさ男で何をしているのかは分からない。 第一フェーズ:女子技芸学校で園子と光子が同性愛関係ではないかという噂がたつ。園子は否定するが、光子と会うと同性愛が本当になる。 第二フェーズ:着物を盗まれたという電話で園子は光子に呼び出され、指定された宿に行くと綿貫がいる。その後、綿貫と光子の関係が明らかになっていく。綿貫は基本的に陰謀家で不能者ということを隠し、園子と同盟を結び自分が光子と結婚できるように画策するが、光子にとっては綿貫は自分を証文で縛る陰険な男である。綿貫は園子が光子と心中するのではないかと疑い、園子と交わした証書を孝太郎のもとにもちこむ。 第三フレーズ:同性愛の関係が夫にバレた園子は光子と狂言自殺をはかり、睡眠薬でのむ。看病をしている間に孝太郎が光子と関係をもつ。そして孝太郎は綿貫が光子につきまとわないように金で処理をするが、園子と孝太郎夫婦はふたりして光子に魅了され、夫婦はたがいに光子の愛を競って嫉妬しあい、毎晩、光子に睡眠薬を飲むように強制されて衰弱していく。そして、ある日、すべての内幕が綿貫と梅どん(光子づき女中)によって新聞にあばかれ、三人は睡眠薬で自殺をはかるが、園子一人だけが死ねず、二人が実は自分を裏切って情死したのではないかと疑う。 スリルがある作品である意味でミステリーではないかと思った。戦前の民法では妊娠中絶が重罪だったり、男30歳、女25歳に達しないと親の許可をえない「自由結婚」できないという話などもあって興味深い。

    1
    投稿日: 2024.11.08
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    これほど人間の愛情という感情に切り込んだ小説を初めて読んだような気がする。 物語は当事者である柿内未亡人の語りで語られるのもリアルさが増し、どんどん引き込まれた。 ただ内容に引き込まれれば引き込まれるほど、気持ち悪い感情が出て来て、読むのを止めようかと思うけど辞められない麻薬のような物語だった。

    0
    投稿日: 2024.09.05
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    随分と前に読んだ川端康成の乙女の港振りにシスターフッド(のようなもの)を題材とした本を読んだ!やはりこの関係性が異性との関係よりも上等なものとされるのは、男尊女卑だった当時だったからこそなのだと思う。同性に崇拝される方が何倍もよい気持ちになるの、すごくわかる。ただの安っぽい褒め言葉なんかでなく、本当の意味での崇拝。異性間では出せない神々しさを感じる。

    0
    投稿日: 2024.09.03
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    エスがもつ特有の愛のカタチ。周りからは理解されないかもしれないけれど、男尊女卑が激しかった当時では、女性同士の絆というものは特別に固かったかなと考える。進んでいくにつれて新情報がたくさん出てきて振り回され、読み終えるまでが早く感じた。普通に面白かった。

    0
    投稿日: 2024.07.12
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    いやはや恐ろしい女よ光子は。これはこれは全員光子の沼にハマっていく様子が面白かったわぁ 4人全員の絡み合いを描いた作品の題名が卍って谷崎潤一郎のセンスの良さひかりすぎている。最後にかけて本当にページを捲る手がとまらなくなった。そんで持って夫まで死ぬんかい!!で園子は生き残るかい!!驚愕のラストでした。夫が園子といた時は恋愛を分からなかったけど光子としてからは恋をしたことに気づくのが好き。これの実写化はハードル高そう〜

    1
    投稿日: 2023.11.09
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    良家の若奥様だった園子の告白というかたちで、大阪のことばで語られる。標準語にはない物腰の柔らかい口調に、自然と引き込まれる。登場人物である園子、園子と禁断の関係に落ちる光子、光子の愛人・綿貫、そして園子の夫。みんながそれぞれ愛に盲目的になり、その愛を失わないようにと画策する様は醜いようであり、反面自分の心に正直で純真なのかもしれないと感じた。

    0
    投稿日: 2023.10.23
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    光子と園子の恋文がやけに生々しい。 不倫してる人たちのやりとりって感じでリアル。 場面場面では綺麗だなと思うけど、全体的に胸糞だった。

    0
    投稿日: 2023.09.25
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    女性同士の恋愛関係で有名な作品かもしれないけども……。 個人的には、ラストの展開を押したい。実際にあった事件を参考にしたのか、それとも……。 大谷崎には、もっとミステリーやサスペンスを書いて頂きたかったな……。

    0
    投稿日: 2023.06.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでいて、光子と園子のやり取りや、園子自身の感情の起伏がすごくリアルで怖かった。 最後、自分は騙され二人だけ死んで行ったのだと思って、どうにも出来ず園子は項垂れていたけど、実際光子の中で、夫や綿貫は同じ枠だとしても、園子は別の枠にいたから特別だったんじゃないかなと思う。 同性に崇拝されている時が一番気持ちいい光子なら、園子が二人に騙されて、取り残されたんだと思いこんでもなお、自分に会うために死のうとするような園子の崇拝(愛?)を望んでるんじゃないかな 光子は園子が光子の事だけを考えて苦悩し、選択する瞬間を地獄からじいっと見てるのかなとか 一組の百合に振り回された男たちの話です面白かったです♡ あとずっと会話文で改行がなかったから読んでてめちゃ疲れた、そこだけ注意です。 綿貫が自分の無精子症のことを知ってもなお突き放さなかった光子に執着してるのと同様に、光子もまた自分のことを崇拝して光子観音にしてくれちゃう園子に執着したのかなとか思うとおもしろい 光子の園子に対する執着、よく言えば一途な愛がここまでのラストを起こしたと思うと読後感はスッキリです× ̫ ×

    1
    投稿日: 2023.06.22
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    谷崎は美文をものす、という点は疑いない。でも私は多分谷崎の文章に滲み出る図々しさ、いぎたなさが苦手なんだと思う。川端や三島の文章にある自己肯定感が低いがゆえの繊細さが谷崎の文章にはあんまり見当たらないと思いませんか??それが最高潮に達してるのがこの『卍』だと思う。川端も三島も自死しちゃうけど、谷崎は開き直って人妻にストーカーした上に自分のものにして、随分長生きしたじゃありませんか!そういうことです。 自分を崇拝してくれる人が複数人いないとだめな光子は弱い人なのだ。かわいそうに。

    1
    投稿日: 2023.06.10
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    風来坊のような人間が何人と関係を持とうが何をしようがどうでもいい。ただ、恋人がいる、或いは、欲しているくせに、不特定多数と寝るやつの気が知れない。言ってることとやってることがちぐはぐで、一丁前に人間らしく悩んでいるような姿を見るとイライラする。俺の血圧が高いのもそんなやつらのせい。

    0
    投稿日: 2023.06.05
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    知人と「パートナーがその同性と浮気したらどうする」という話になった。「なんか、敵わないよね」という結論に至った気がする。本書はそんな昔話を思い起こさせる。 ただ、設定としての同性愛や中村光夫が解説で使う「変態性欲」というキツめの言葉、触れ込みの「淫靡で濃密な愛憎」を真に受けると谷崎は誤読すると思う。 見えてくるのは周囲を誤魔化してでも崇拝される者たろうとするエゴに満ちた悪魔的人間と、跪かざるを得ない凡夫たちだ。悪魔はそのまま谷崎的な女性崇拝につながるのだろう。 物語はその関係性を構築するため緻密に稼働する。まるで悪魔に奉仕するかのように。

    1
    投稿日: 2023.05.03
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    谷崎潤一郎作品の山に踏み入ろうと思い、かなり過去に読んだ、短編集の刺青に続いて。女性の魔性を描く、というスタイルは一貫していて、その魔性をもってして、周囲の社会的ゲシュタルトが溶解していくのだが、この溶解されゆく感じ、こそがマゾヒズムの真骨頂だと思いました。ゆえにして、肉体的ではなく、それさえ生温いゲシュタルトの内にある低次元な快楽でしかないと告げるように、飽くまで精神的耽溺、一種の麻薬的プラトニックラブが称揚されている。谷崎イズ谷崎。ドープでした。

    0
    投稿日: 2023.04.22
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    これから語られる二組の男女の複雑な愛憎劇の当事者の女性が、大阪弁で告白する形式で書かれています。一人の語りだけで、これだけの物語を読ませ、引き込むという流れが高度だなぁと。 園子(語部)は絵画教室で知り合った美貌の光子の小悪魔的な振舞いに夢中になっていく。そこに光子の元婚約者のイケメン男性が入り込む。彼は三人の関係を均衡を持たせようとする。そして、弁護士である園子の良人までも巻き込んでいく。夫は、理性的な人間だったが、光子の奔放な妖艶さに妻と共に支配され始める。光子が思いのまま振る舞い策略していく様子は、恋愛サイコかな。真面目な夫が、どこか真面目な感じに狂っていく様子が救えない。最後は、なかなか。

    61
    投稿日: 2023.04.07
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    光子の誘惑というか、悪魔的な魅力がホント恐ろしい…。 異性のみならず、同性をこうも骨抜きにまでしてしまうその手段。少し味わってみたいけど、味わったら多分ハズさんと同じ道に陥るんだろうな(笑) ミステリーみたいな感じもして、ハラハラしながら読み進められました。

    0
    投稿日: 2022.11.19
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    序盤に園子さんの肩書きが書いてあったことをすっかり忘れて読み進め、感情が揺り動かされたラストでした。情緒の細かいところまで語られているので何ともリアリティがあり、読者の私も光子さんに翻弄されました。最初は女学生の百合だ!って喜んでいたのに…(笑) 生まれ持った性質で人を自然と堕としてしまう魅力の女性というのは、こういう人なんでしょうか。会ってみたいような、恐ろしいような、そんな感じがします。 大阪弁の口語調で綴られているので、関西弁になじみがない人には読みにくいかもしれません。時間はかかりますが、心の中で音読しながら読むのが何とも楽しく、日本語の美しさを感じます。 中村さんの解説も、谷崎氏の作品のなかでどういった位置付けなのかが書かれていて、参考になりました。

    0
    投稿日: 2022.08.29
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    「刺青・秘密」の次に好きでお気に入り。 美しくて残忍な、悪魔な女を描く谷崎潤一郎はやはり凄いし素晴らしい作家だと再認識できた本。

    0
    投稿日: 2022.08.16
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    戦前の小説のわりに、ストーリーに起伏があって二転三転する。作者は事実そのままを描く自然主義には反対の立場だったらしい。

    0
    投稿日: 2022.04.21
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    故郷の祖母と話しているような文体が懐かしかった。 内容はスキャンダラス、だけどはっきりとは書いていないから上品でもあった。後半の薬を多用する辺りからはヤベーな・・・と思って読んだ。

    2
    投稿日: 2021.12.21
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    関西を舞台にしている作品で、物語の中のやり取りも大阪弁で交わされており親近感が湧く。女のバトルはいつになっても恐ろしいものだ。

    1
    投稿日: 2021.10.10
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    おばけとかそういう特殊なもの使わなくてもこんなホラーが描けるんだなぁ...というお話。 柿内夫人は女子技芸学校に通い、日本画を勉強していた。ある日観音様を描く勉強をしていた時にその観音様の顔が同じ学校に通う徳光光子に似ているのではないか?と言われ、同性愛者の噂を立てられる...柿内夫人は光子を見かけたことはあるものの実際に喋ったことはないのだがその噂をきっかけに光子と喋るように。 そして光子の魅力に取り憑かれてしまい、光子も光子で柿内夫人を「姉ちゃん」と呼び慕う仲に...嘘から出たまことになってしまう。夫に内緒で光子に会う柿内夫人、そのうち周りの人間関係が複雑になっていき、それぞれの情念が渦巻く。この「愛したい、愛されたい」の愛憎のタガが外れていくのが怖い。猜疑心が猜疑心を生み正常な判断がどんどんできなくなっていく...。 周りにいる人を狂わせていく存在...これほど怖いものはないなと思った。

    6
    投稿日: 2021.10.09
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    何故かここ数日、朝の爽やかな時間帯に、このねっとりとした話を読んでいた。 婦人が体験した奇妙な同性愛の顛末について語る。 語り口が軽やかな関西弁で、言葉の一つがなんともひらひらと漂うように響いてくるせいか、起きていることの湿気のようなものが薄まっていく。 でも、だんだん面では被害者を装いつつ、自分の利益を常に考えている人、ただただ人を振り回す癖のあるネチっこさみたいなものが同じ関西弁で濃く嫌らしく響いてくる。 谷崎潤一郎さんは「痴人の愛」を読んで以来で久しぶり。 またもや一人の女性に振り回される話、この人Mだな。 追記:江戸川乱歩さんも新潮文庫の夏カバー(赤一色)に惚れて購入し読み、いつのまにか命日に読んでいた。 この「卍」も2018年の夏カバー(赤一色)そして読了した本日(2021年7月24日)は谷崎潤一郎さんの誕生日…なんかカバーの魔力とかあるのかな?

    44
    投稿日: 2021.07.24
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    あまり読み慣れない文体(関西弁、昔の言葉)だったので、最初の方は読みづらかったが、慣れるとテンポよく読めた。 1回2人が離れたとき、このまま夫と幸せになれと思ったがそうもいかず(笑)、まさか夫まであんなことになろうとは…。 私も、園子と同じように、最初は光子さんは好きで綿貫と付き合っているのかと思ったけど、綿貫のことが分かってきてから状況が一変。 光子さんはどこまで計算していたのか、本当は園子とその夫のことをどう思っていたのか…。 光子さん側の独白も見てみたかった。 物語には関係ないが、2人が園子の夫のことを「ハズさん」と呼んでいるのが可愛くていいなと思った。

    2
    投稿日: 2021.05.16
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    関西の文語のような表現で、いささか理解力が無いと苦労しました。主人公が欺かれる所は何とも言えない虚無感があり、読者にとっての読み応えのあるものにとって代わった様です。嫌らしい綿貫の誓約書により破滅まで追いやられる様子や、最後に夫までもが光子に靡いてしまうという設定は見るに堪えませんが、それこそ人間のいやらしさを描いていて良かったです。最期の盛り上がりに欠けたような気もしましたが、園子が実は冷静な女だった事が分かったので安心しました。

    0
    投稿日: 2021.05.16
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    ひと昔前の昼ドラを思わせる、衝撃の展開。 四人の感情が複雑に絡まりあっていく。 独占したくて、欺く。 信じるがゆえ、欺かれる。 光子が本当に愛したのは誰だったのか。

    1
    投稿日: 2021.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公 園子の大阪弁による一人語りで物語は展開される。美術学校で出会った両性愛の女性 光子に、関係する男女が翻弄されていく。昭和初期の作品ではあるが、一風変わった愛のカタチとして、三浦しをん著『きみはポラリス』の1編として加えてもいいかも。。。

    0
    投稿日: 2021.03.17
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    「卍」は吉祥の徴と聞いていたのだけれど、この作品に限っては、捩れた情愛の兆だったようです。 正直、「その三十」に来るまでは、「なんでこのタイトルにしたんだ?三つ巴くらいがちょうどじゃない?」と思っていました。 「今まで読んだ谷崎より全然気持ち悪くないや」と侮ってさえいました。 それが、「その三十」を読んだ途端。 それまで確かに見ていたはずのたおやかな大阪弁たちは曖昧に去り、気づけば、赤地にぬめりと刷り込まれた「卍」が頭の中を埋め尽くして。 男女四人の情愛が、崇敬が、執念が、ぐるぐるぐると、「卍」のように誰もが誰にも追いつけないまま回っているような。 それでいて、誰かと誰かは繋がり合っているような、いや、どこかで全てが結ばれているような。 なんとも不気味な気持ち悪さに囚われていました。 作中の、一人の女をめぐって堕ちていく男女について語る園子の緻密な破綻の描き様は、さすが谷崎、なのですが。 それより何より、このタイトルの妙が、凄まじい。 このタイトルより他に、この作品を説明するのに相応しい言葉も文字も、私には思いつきません…

    4
    投稿日: 2021.02.01
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    「卍」は、女性の同性愛について書かれた本。著者の谷崎潤一郎は生涯にわたり性を追求した人物。半自伝的小説と言われる「仮面の告白」と比較して内面を深掘りしたような描写が少なくストーリー色がより強い。大阪弁で「先生」に伝えるという形式で書かれているが、強い大阪弁が少し読みづらい。しかし、大阪弁の表現であるからこそ、力強く伝わってくる部分がある。難解な文章で理解できなかった部分も多いが再び挑戦したい。 名作には違いないが、自身がこの本を理解しきれていない部分も多いため、今回はこの評価

    0
    投稿日: 2021.01.10
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    昭和の街並みが目に浮かぶような情景の数々。光子という一人の女性の奔放で、教祖的な口のうまさと人を支配する毒気。それにあてられたのは平凡な人妻の園子で、その夫で、種なしドンファン綿貫。これはもう関わってしまったが運の尽き。園子が主な語り口。はじめはただの友達が、気がつけば愛してるの愛されてる話に変わっていく様が女性特有の勝手に盛り上がって、盛り上がったことでその世界に入り込んでいく感じが恐ろしく生々しかった。園子も光子も男を軽んじて、侮ってているのが空恐ろしい。

    0
    投稿日: 2020.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    卍 (和書)2009年10月31日 14:52 1951 新潮社 谷崎 潤一郎 関西の言葉で書かれた女性の同性愛の話だけど、解説にあったように素人の言葉遣いがとても色気を感じさせて女性の感覚がとても面白く読めました。 谷崎潤一郎の他の本も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2020.09.25
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    こじれていく同性愛の物語。主人公は有閑階級の婦人で、ある日趣味で通う芸術学校で、光子という美人に恋をする。 レズビアン小説でありながら性愛の描写は一切なく、実際コトはしているが書いていないのか、あるいは精神的にレズというだけなのかもしれない。 醜聞が噂になったり、恋愛が元で死んでやるとか、心中しようとかが出てくるあたりに時代を感じた。終始昔の関西弁で書かれていて、関西人の自分でも慣れるまでは読みづらかった。やっぱり今の関西弁とは色々違うんだなぁと思った。私のこと「あて」と言ったり、〜のほうに行くを「ほうィ行く」などと言ったりする。 話のほうはというと、二転三転してどんどん込み入って、どろどろした三角関係が展開される。谷崎氏は話の筋をしっかり作るらしいから、あらかじめ決めておいたのだろうか。それにしても複雑な話だと思った。 でも面白いかというと、『春琴抄』もそうだったけど、『痴人の愛』と比べると少し面白さに欠けるかなと思った。

    2
    投稿日: 2020.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こんなにややこしい恋愛小説は、生まれてはじめて読みました。 隙間のないほど埋め尽くされた語り口調の羅列、永遠に続く大阪弁…。 異性愛+同性愛という複雑な三角関係が重なりあった物語ゆえ、一度読んだだけでは理解できない部分があった。 何かがあると死にたい、殺してやる… 彼らは狂っていると思った。 けれども愛は、人をそんな風に変えてしまうものなのかもしれない。 結局 園子だけが生き残った。彼女は、夫も、愛していた光子も失った。 彼女は幸せそうには思えなかったし、可哀想だと思った。

    3
    投稿日: 2020.08.17
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    ひととの距離を掴めないひとたち。 光子の場合には歪んだ自己愛を見せる。 P.103『異性の人に崇拝しられるより同性の人に崇拝しられる時が、自分は一番誇り感じる』 人格の異常(personality disorder)に魅力を感じるということは往々にして実存しうる。 人格、認知や行動に一貫した偏りがあったり、他者操作性があるようなひとを魅力的であると感じるのは別段おかしなことではない。 そして、この物語では光子という歪んだ自己愛に魅入られてしまったひとたち。 中盤以降、どうもおかしな方向へ話しが傾いてしまい、猜疑心或いは嫉妬によって操作されていく。 冷静で客観的な思考、現実を吟味する力が弱まり、渦中にいるひとすべてが身動きがとれなくなる。 まるで卍のように。 彼女たちの関係がいよいよ決定的ににっちもさっちもいかなくなった時、読み手は思わずこう呟くことになる。 マジ卍。

    8
    投稿日: 2020.07.31
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    淡々とした語り口ながらも大阪弁(船場言葉)によって優美さを備えた文体となっており、淫靡な内容ながらも明るさ、華やかさを感じた。 内容に関しては既に様々に書かれているため敢えて記すことはしない。 特殊な三角、いや四角関係をもった者たちの逼迫した心理描写、今後どのような展開を迎えるのか気になって思わず読み進めてしまった

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    投稿日: 2020.05.21
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    谷崎潤一郎の作品を読むのは初めて。 今でこそ理解も少しづつ広まっているが昭和の時代に同性愛の物語を書いている事に驚いた。 同性愛だけでなく、光子という1人の女性を中心に夫婦問題、不倫、男女関係など様々な関係とその間の問題が浮かび上がってくる作品である。 光子という女性をめぐって巻き起こる様々な問題とストーリーの展開に引き込まれた。 また、関西口調も作品の面白みを引き出す要素になっているのではないかと思われた。

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    投稿日: 2020.05.13
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    はじめは慣れない関西弁で読みにくいなと思ったけど、慣れたら続きが気になりすぎてお風呂でも読んでました。 自分とは住む世界も時代も違う話なんだけど、登場する女の人がリアル!いるいるこんな女!笑 谷崎潤一郎はちょっと苦手と思ってたけど、これは好き!

    0
    投稿日: 2020.04.10
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    大阪弁の柔和で湿っぽい言葉遣いで展開する禁断の愛憎劇。 サキュバス的、ニンフ的なメンタリティな奸婦光子が誘う背徳の底無し沼。 窮地にすぐ「死ぬ死ぬ」言い、約束を全く守らず自由に行動する園子に、共感よりも戦慄した… 人間の欲望と弱さ、愚かさが怖すぎる!

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    投稿日: 2020.03.28
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    谷崎氏は淫靡な悪女を描くのが本当に巧い。三角関係の話であるが、そこには同性の愛、異性の愛、不倫が複雑怪奇に絡み合う。物語は終始園子の独白という形で進む。話題が往来しながら古風な関西弁を畳み掛ける女性特有の語らい、一字下げを排した独特な構成と文体にも関わらず読み辛さは感じない一方で読者は心地よい錯綜を味わう。 不謹慎ながら綿貫を本書の園子の姿は「北九州監禁事件」を思い出してしまった。狂気に落ちた綿貫と、光子観音と称し園子とハズを真綿で弱らす描写はなんとも凄まじい。しかしその物語をなんのかんの言って始終抑揚と平静さを以て語る園子が最たる悪魔なのかもしれない。

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    投稿日: 2019.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2019.11.13 青空 「春琴抄」「細雪」に次ぐ谷崎。 タイトルが斬新でずっと読みたいと思っていたので。 あと、どこでそう思ったのかは謎だが、前から「卍」は谷崎の中でもエロくてSMチックだという認識だった。 谷崎3作読んでわかったけど、谷崎本のエロティシズムはわかりやすいエロではなくて、本の雰囲気が妖艶でエロティシズムを感じるということだった。 なんとなく谷崎本はエロいと思っていたけど、違った。 というか、そういう場面を描写している箇所がないのにエロティシズムが代名詞になるのってすごいことだ。 前評価で判断してはだめだなあ! もしかして他の本にはわかりやすくエロいのもあるのかな? とにかく卍はエロくてサディストな本ではなかった!(私的に) 複雑な心情と対人関係が織りなす愛憎劇だった。 そんで読みにくい! 文体は昔の関西弁で「細雪」と似ていたが、終始主人公の独白という体なので、会話にも改行が全くない。 大変だったー。どこ読んでるかわからなくなってくる。 「春琴抄」も改行なしだったな確か。 これが谷崎スタイルということが今回でわかった。 こんなに読みずらいのにコロコロ展開して矛盾なく詰め込まれているのがすごい。 書いててもわけわかなくなってきそう。 夫婦仲が冷え切った主人公「園子」が、美人な女学生「光子」と秘密に同性愛をはぐくむ。しかし光子は裏で「綿貫」という美男子学生とも恋仲にあり、嫉妬とけん制の三角関係がはじまる。 綿貫のエスカレートした束縛を断ち切るべく、園子の夫が介入し、綿貫が離脱するが、夫の目をかいくぐるための心中計画をきっかけに、園子夫と光子が体の関係をもってしまい、園子夫婦と光子の三角関係へ。 光子の独占行動がエスカレートし、三者三葉に疑心暗鬼になっていたところで綿貫が世間に全てを公表し、三人で心中するが園子だけ生き延びる。 終盤で園子夫が光子とそうなるとはまさかすぎた。 全く想定外…。あれだけ嫌悪していたから絶対ないと思ってた。 というか、唯一の常識者が光子の手に落ちて震えた。 ラストの恐怖の三角関係が強烈すぎて、中盤まで圧倒的存在感でやべーやつだった綿貫の存在が一気にかすんだ。 どんどん展開していって、ものすごく読みづらいのに一気に読めた。 というか、光子が結局悪女なのか、素直な自己中なだけなのか、最後までわからなかった。 結局死んだってことは本当にただ欲求に素直に生きただけで、無意識に周りを振り回していたのか…。 どこまでが計画でどこが本心なのかわからなくて怖い。 すごいものを読んだ! いろんな人間の欲とか狡さとかが詰まってた。 現実にありそうでなさそうでない。と思いたい。

    0
    投稿日: 2019.11.13
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    内田樹先生がブログで無人島に一冊持って行くとしたら「細雪」と書いておられるのを見て、半年前に初めて谷崎の細雪を読んで面白かったので、この卍で2冊目。こんな昔(昭和初期?)に同性愛を描いた小説があったんだっていう単純な驚きと興味。 超美人の独身光子と柿内夫人園子の関係を中心に、ストーカーのように光子につきまとう性的不能の綿貫、最後は光子と深い関係を持ってしまう園子の夫等が複雑に絡んできて繰り広げられるドロドロの愛憎劇。 嫉妬、疑心暗鬼、狂言、駆け引きの中で皆が狂気に駆られて行く様に背筋が寒くなる一方、なぜ誰もこの泥沼から抜け出そうとせずに、むしろこの状況に耽溺しようとすら見えるのは滑稽な感じもしたのだが、これが美の持つ魔性なのか。 読み終わって、蓮池の淵から地獄の底を眺める仏様の心境。細雪も卍もどちらも金と暇のある有閑階級のお話。

    1
    投稿日: 2019.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    園子の独白 3人で心中して光子と夫だけが死ぬところ 光子が睡眠剤飲ませてくところ 2019年9月6日

    0
    投稿日: 2019.09.07
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    夫に不満のある若い妻・園子は、技芸学校で出会った光子と禁断の関係に落ちる。しかし奔放で妖艶な光子は、一方で異性の愛人・綿貫との逢瀬を続ける。光子への狂おしいまでの情欲と独占欲に苦しむ園子は、死を思いつめるが――。おたがいを虜にしあった二人の女が織りなす、淫靡で濃密な愛憎と悲劇的な結末を、生々しい告白体で綴り、恋愛小説家谷崎の名を不動のものとした傑作。

    0
    投稿日: 2019.06.18
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    今まで読んできた小説のどれとも似ていない。 読んでるはずなのに言葉が耳に残る。 読み終わった後、タイトルがとても良いと思った。

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    投稿日: 2019.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全編ほぼ会話でちょっと読み難さを感じてしまいましたが、関西弁の会話が生き生きとしていて面白かったです。 園子と光子の恋愛ものかと思っていたら、誰か出てきた…えっ、そっちとくっつくの!?とびっくりでした。 光子の悪女っぷりがすごかったです。 ラストの展開も好きです。これからどう生きていくんだろう園子。。

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    投稿日: 2019.04.21
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    谷崎さん、あなた叙述の天才です。 特に関西弁でこれをやらせたら右に出るものいません。 おかげで内容が内容というこんな話を、まぁよくもこれだけぐいぐいと、読ませてくれました。 なんか、もう参りましたと言うほかはない。

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    投稿日: 2019.01.25
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    垣内夫人、その夫、光子、綿貫の四つ巴にからんだ愛欲を、全編まったりとした大阪弁で語られる希有な小説。

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    投稿日: 2018.12.23
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    谷崎潤一郎二冊目。この歳で文豪の本を読むとは・・・もっと早く読んでおけよと思った。 古典の文庫版には後ろに懇切丁寧な解説があり、いつもついついそっちを先に読んでしまうのだが、その解説に「変態小説」とあった。これは変態小説なのか!! 最初は二人の女性(一人は人妻の園子、もう一人は独身の光子)の恋物語かと思って読み進めていたのだが、光子の「中性的」な恋人との三角関係が終わったと思ったら、なんと最後の方で園子の夫2を交えた三角関係になってしまい、夫婦二人で光子を分かち合い(というか完全に光子に翻弄され)、光子にネチネチといじめられたり嫉妬に狂わされたり薬でヘロヘロにされたり、なかなかの急展開だった。しかもそれを改行なしの会話文で延々とやっているのだから、ページすうそのものは少ないのに濃厚である。セックスの描写なんて全然ないのに、二人の女が夢中になって貪りあってるようなイメージが浮かんでくるので、出版された時代を考えると、これはかなりエロくて変態的とみなされたのかなとおもう。 私は関西の言葉はわからないのだが、会話の掛け合いが深刻な場面でちょっとコミカルだったりして、生粋の東京人だった谷崎がうまいこと書いたものだなあと感心した。

    0
    投稿日: 2018.12.01
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    一貫して語られる大阪弁がやわらかで美しく、力強く、この見事なまでに複雑に絡んだ人間関係の中に自らも組み込まれていくような感覚を抱いてしまう。

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    投稿日: 2018.11.16
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    名前だけはうんと昔から知っていたけど、いやぁ、面白かった。 サイコロの目のような小説だと思った。最初一番上の目だと思っていた主人公がコトンコトンと回転し、主役が入れ違い、さっき一番下に敷かれてた人がいつの間にやら主役になっている、みたいな感覚。 語り口の大阪弁が強烈で面白い。

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    投稿日: 2018.11.08
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    『痴人の愛』で懲りたはずなのに何故また買ってしまった谷崎作品…。 ほんとすごい、ずーーーっと大阪のおねぇちゃんが最初から最後まで話し続けるやつ。 ラストもまぁ(笑) でもわりとこれ面白かったっていうかずっと半笑いで読んでた。 しかも解説で変態性欲変態性欲連呼されてて笑う。 でも『細雪』はこんなんじゃないんですよね…それはそれで気になる…いつか読もう。

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    投稿日: 2018.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こんなに理解があって優しい夫がいるのに我儘だなぁなんて思っていたら、終盤カオスすぎて…。現実でも一家を洗脳して殺人にまで追い込むサイコな事件が稀に起きるけど、光子はまさにそういう犯人と同じ種類の人間。

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    投稿日: 2018.09.08
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    とある未亡人が、自分が関係した「事件」を先生(小説家)に語るという形式で描かれる恋愛物語。 三角(四角?)関係の中心人物である光子が、己の美しさと奔放さで関係者が次々籠絡されていく様が鮮やか。ドロドロの関係っちゃ関係なんですが、全体を通して上方の女性言葉で綴られているので妙にソフトでエロチックな印象になるのが流石谷崎ですね。

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    投稿日: 2018.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    谷崎が好きなのと、装丁の美しさに惹かれて購入。 谷崎らしい狂人の愛、後年の谷垣に通じる関西貴婦人の柔らかい言葉。 ラスト10頁くらいの話の展開には驚く。

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    投稿日: 2018.08.20
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    よくもまぁ230ページぐらいの厚さで、とことんヌルい登場人物の誰にも共感できない昼ドラの世界。 よく新潮文庫の100冊にしたなぁ。10代が読む本ではない。唯一、共感しかけた主人公の旦那も…人間のクズばかりがでてくる本です。

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    投稿日: 2018.07.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    新潮文庫の2018プレミアムカバーの赤い表紙に惹かれ購入。 学生時代の『刺青』以来の谷崎作品ですが大阪弁での告白体小説という設定のせいで読みづらくてなかなか頭に入って来ず......束縛された状況の中での恋愛の熱情はより過激に爆発する。現代では実現しないお話しだろうなあと読みながら思いました。

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    投稿日: 2018.07.21
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    初めて読んだ谷崎潤一郎。タイトルが気になって買ったけど、こんな話だとは思わなかった。マインドコントロールで支配していく光子のサイコっぷりが恐ろしい。

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    投稿日: 2018.07.10
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    同性愛が一つの核になった物語なんだけど、これが壮絶の一言に尽きる。『痴人の愛』と同じように、愛に溺れる登場人物たちによる、すさまじい神経戦。徹底した心理描写が、読む者の心に差し込むように入り込んでいく。息苦しさを感じながら、読み進まずにはいられない、こういう小説はそう多くない。 具体的な性的描写のシーンはおよそ無く、それがかえって官能性を際立たせている。また、LGBTといった言葉が認知されるようになった現代にこそ読まれる内容、といっていい。「谷崎は時代を先取りしていた」、と大げさかもしれないがそう伝えたい。

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    投稿日: 2018.06.27
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    大阪弁が美しい。私がよく行く土地が出てきて面白かった。光子の悪魔的な魅力とそれに振り回される夫婦が滑稽でもあり、憐れでもあり。なんともスキャンダラスでドキドキする内容でした。 思ってたより変態ではなかった。もっと生々しい描写があるかと思ったけどそうでもなかった。

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    投稿日: 2018.04.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

     や、やべえ奴しか出てこなかった…。見てはいけないもの、人の恥部を覗き見してしまったようないやーな気分がつきまとい、その背徳感がまたページをめくる手を加速させてくれる。貪るように読んでしまった。  最初は遊びのような形で始まった同性愛。綿貫という姑息で狡猾な男との三角関係、そして語り手である園子の夫が複雑に絡み合う四角関係へと発展する。誰と誰がグルなのか、何が本当で何が嘘なのか、だんだんと世界そのものが幻想めいてくる。各々が自分に酔いしれてるさまに、吐き気を催す。  中心にいるのは他ならぬ淫婦光子だが、誰もが籠絡されてしまうような美貌とはいかなるや。自分がどれくらい崇拝されているか試し、懐柔しては愉快がるなんて、悪趣味だとしか思えないのだけど、最後は死んでしまうんやから、彼女も彼女なりに本気で生きてたんやなあと…。人生なんてマスターべーションのようなものなのかしらん。  こんな滑稽な物語には、やりすぎなくらいの大阪弁で語られるのがぴったりだった。注釈なしでも理解できる言葉が多く、反対に「これって大阪言葉やったんや!」と知ることもしばしば。瞬時に情報が世界を駆け巡る現代では考えられないが、土地の言葉がその土地の外に出る、それ自体に価値があったのだろう。いやー、大阪弁いいよね。

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    投稿日: 2017.12.14
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    ヒロインの光子は谷崎の小説によく出てくる典型的な悪女タイプ。ただ『痴人の愛』のナオミのような存在感には乏しい。 光子にしても主人公の園子にしても。光子が付き合っているチャラ男の綿貫にしても、園子の夫でさえ、なんだか幼い。何かと言うと「死ぬ。死ぬ」いい加減にしなさい!働かなくても暮らしていける人たちの優雅な遊戯?でもそれほど優雅でもない。

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    投稿日: 2017.11.18
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    ★2.5ですか。 今から読めば変態でも何でもないですな、正直に言って。可愛いプラトニックラヴくらいかもしれん、それ位時が流れてしまったし、こういう風俗的要素を前面に出した時点で本作の寿命は決まっていたのかもしれませんが。 後半部の駆け足感も少々雑な感じもするし、関西弁の文章化も現在の話し言葉からすると成功しているのか否かも微妙感あり。

    0
    投稿日: 2017.08.05
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    細雪にど嵌まりしたあとで、読んだ卍。後ろのほうの解説にもありましたが、この小説のあと年月を経て、細雪に昇華したんだなーと思うと感慨深いです。

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    投稿日: 2017.06.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔、さぁっと読み飛ばしただけだったので今度は精読。あれぇこんなにドラマチックだったっけ?と目から鱗状態。 「細雪」をイメージしながら(大阪弁の若奥様)読んでいたらあれあれと足元をすくわれる。こんなに色っぽい内容なのに何だかきれい。そしてどんでん返し。 谷崎文学の奥深さに改めて感じ入ってます。

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    投稿日: 2017.05.04
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    有閑マダムである園子さんに愛人ができます。相手は若い独身の美女・光子。やはりお金持ちのお嬢様。性的なコトも含む、同性愛です。 ところが美女・光子には以前から別に相手がいた。栄次郎。男性。つまり、若き美女・光子は両刀使い。バイだった。 (人妻・園子も人妻なんで、本質的にはバイな訳ですが) 目眩がするのはまだ早くって。その情夫・栄次郎は性的不能者。昔から。だから、プラトニック?…。 美女・光子を巡るライバル同士。不能者・栄次郎と人妻・園子。ともに捨てられたくない一心で、疑心暗鬼ながらも共存同盟を締結。 ところがひょんなことから、人妻・園子の夫・孝太郎と、美女・光子が男女の関係を持ってしまって…。 *夫・孝太郎は、どうやら不能者ではない。 # 「卍」。谷崎潤一郎さん。文庫で199頁。 1931年。発表当時の現代劇、舞台は大阪。 谷崎潤一郎さんなので、ヘンタイな世界は十八番なわけですが、コレは中でも白眉…。 唖然茫然、抱腹絶倒の面白さ。 まず、エロくは全然ありません。 性行為の描写は一切なくて、全体に上品で格調が高い。 描いているのは圧倒的に心理描写で、金持ちで暇で文化的な人が異常な情熱に溺れていく。どんどん道を踏み外していく。なんだけど、それがインモラルであるということを味わいたい小説ではなくて。 それなりに必死に懸命に、つまりはシアワセになろうとする。 結局は人間関係であり、対人関係であり、相手に愛されたい、愛したい(愛情を受け止めて欲しい)、認められたい、孤独になりたくない…という。 それがまた、ヘンタイではあるのだけど、陰惨ではまったくなくて。 むしろなんだかコッケイでコメディで笑っちゃう。人間喜劇。 お金も地位も家族もあって、どうしてそこまで歪むねん! と突っ込みたくなる風景を見せられると、後味として感じてしまうのは… 振り付けの決まった踊りを求められるような社会、世の中。 その中でひとりヒトリが個人として本当に充足しようとしたときの、自我を意識したときの、絶望的な孤独感。 …というなんとも言えない論というか、ためいきというか。自意識の業。 味わいが染みてくると、2017年現在で言うと、ぎくっとするくらい実は村上春樹ワールドにも通じるような。 # 人妻・園子のひとりがたりで進む物語。 谷崎さんらしき?とある小説家に向かって顛末を語ります。 語り部の園子は、全ての事件が終わった状態で回想してしゃべっているので、語り手は結果を知って話しているのだけど、読者の方が結果が分からずに読んでいく。 この話法を駆使したサスペンス具合、ミステリー仕立ての豊穣さと言ったら、トンデモなく旨い。ハラハラドキドキしっぱなし。 心理描写なのだけど、折々に偶然と必然が呼び起こす小事件の数々も、実に飽きさせないスピード感。 人間味の溢れる関西弁、仮名使いにまで工夫が凝らされています。小説ならではの愛欲地獄のドタバタ・エンターテイメント。 # 1931年は昭和6年。 まだまだ、こういう本が受け入れられたんですね。 軍国の風潮が全てを押し流し、谷崎さんが「源氏物語」の現代語訳に逃避し、人知れず「細雪」の執筆を始めるのは、10年後くらいでしょうか。 知るたびに舌を巻く谷崎世界。 ヘンタイなこと自体は実はちょっといつも及び腰なのですが、読んでみると、やっぱり素晴らしい。 揺るぎなくヘンタイではあることも、確かなのだけれど。

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    投稿日: 2017.02.22
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    ドボドボと、読んでるこちらも深みに嵌ってゆく。 光子を自分のものにするために、 もう誰を信じればいいのか分からない。 光っちゃん、光っちゃん。 こんな風に生活も人間も容易く変わってしまうのでしょうか。 こわいです。

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    投稿日: 2017.02.17
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    濃厚過ぎて疲れた(*_*)こんなに精神的なドロドロ具合が書かれた話だとは。 でもさすが古典、読ませますね。光子が魔性すぎてゾッとしたという印象。端からみると全く誠意なんぞ信じられないのに、虜になってしまうとああも支配されてしまうんやなぁ(*_*)園子の残りの人生が不憫でなりません。

    0
    投稿日: 2016.10.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上品に、でも正直に性について書かれていて、文章は美しく、戦前の雰囲気がわかる小説としても最高傑作!平凡な結婚生活で満足だったのに変態の世界に足を踏み入れ、悩み後悔し、少し嫌なやつになって悲惨な最後を迎える夫。何かの新聞で読んだ「清廉潔白に生きて死ぬだけなら動物と変わらない」という言葉思い出した。過ちをおかして苦しむからこそ人間らしいのだろう。それにしても昔の新聞って私人のスキャンダルを記事にしていたのか。

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    投稿日: 2016.09.03
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    上流階級の夫人と、年下の女性による百合物語・・・と聞いていたのだが、後半に近づくにつれ、登場人物達のおどろおどろしさが際立ち、予想だにしなかった方向へと話が進む。「痴人の愛」の毒々しい魅力と、「蓼食う虫」の冷え切った人間関係が見事に融合した作品だと思う。

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    投稿日: 2016.07.28
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    ページに文字がびっしりで、読んでも読んでもなかなか終わらないけれど、がんばってよんでください。 そのうちに、谷崎の関西弁の文体がお経のように回って抜け出せなくなる。 細かくも正確な言い回し、谷崎のきちっとした性格が感じられる。 個人的には登場人物の狂いっぷり、いかれっぷりが最高。 「ステッキボーイ」という言葉に、クスっと笑ってしまった。 読後、あらためて「卍」というタイトルを見る。谷崎、かっこいい。

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    投稿日: 2016.05.02
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    今まで読んだ谷崎作品の中でいちばん怖かった……ぞっとした………なにが怖いって、我を忘れて好きな人を信じ切って恋愛や欲望に走るのではなく、どうやって周りの目を誤魔化して会えるか考えてたり、疑いの気持ちすら持ってても結局ずぶずぶと逃げないあたりが生々しい。嫌いじゃないどころかむしろ好きですが気力はつかうな、ほんと女性の醜さを魅力的に書かせたら誰も右に出ないな、と思いました。

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    投稿日: 2016.04.26
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     柿内園子が作者に告白するという形式をとった物語。大阪弁がするすると入ってくるのでどんどん読み進められる。夫持ちの園子が光子と同性愛を育む一方で、光子に異性の恋人・綿貫ができた辺りから話は深みへとはまっていき、最後の方はまさかの展開。ストーリー展開の妙とテンポの良さがすごくて、本当に面白かった。奔放で妖艶な光子の魅力に抗えない人達が疑心暗鬼になったり苦しんだりする様子は凄まじく、濃密な物語だ。

    0
    投稿日: 2015.12.13
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    松子さんの方言指導を貰いながら書いたのかなぁと、勝手に妄想しながら読みました。 谷崎先生すみません。

    0
    投稿日: 2015.10.29
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    谷崎の変態異常性欲小説として有名(!)な本書ですが、自分としては、葛藤する恋愛心理や策略のド派手さ、どこまでも果てしのない疑心暗鬼、そして、誰もが陥っていく性愛の強欲ぶりが特に目を引き面白かったです。 とかく女性同士の性愛の方が脚光を浴びがちですが(自分も見学したいですけど(笑))、本書の本質からするとそんな異常性欲も可愛らしいものになって見え、むしろ、強欲ぶりと、それに伴う駆け引きというか策謀というか策略の凄まじさの方に圧倒されてしまいました。 性愛に取りつかれてしまった面々は誰もが真面目でもあり、誰もがねじれているようにも思え、一体全体、どういう駆け引き具合になっていて、結局、誰がどうしたいのかがまるで掴めないようなドロドロの愛憎劇に、こちらの頭もドロドロになってしまった感もあります。(笑) つまるところ、このドロドロ劇の中心にいたのは美少女で処女(?)の光子であり、光子も含めて皆が強欲な性愛に翻弄されていたのですが、こうした泥沼から抜け出しひと皮剥け新たな段階に昇華できたのはやはり光子で、こうしたストーリー展開は美少女崇拝の谷崎の美的感覚の真骨頂であったともいえるでしょうね。 登場人物の誰もに驚かされる人物設計となっていて、「女の腐ったような」綿貫や語り手の園子夫人のハズ、それにお梅どん等の行く末を考えると、最初にレズに目覚めた語り手の園子夫人が一番真面目で正気であったのではとさえ思えてきます。(笑) 本書の構成がまたふるっていて、園子夫人が先生(谷崎を擬していと思われる)に振り返り語るというスタイルで全てが大阪弁で語られていて、凄まじい愛憎状態にもかかわらず、こうした趣向により、弾んだ調子とともに柔らかで温かくオブラートに包み込まれたような丸みを帯びた語り口がクッションとなって、なぜか読者に安心感を与えていたともいえます。光子が園子を「姉ちゃん」と呼ぶ様などはどこか可笑しみすら感じさせます。このような異常性愛もなんだ大したことはないのではないかという・・・。これは谷崎の術中に陥っていますかね?(笑) 谷崎が大阪に行きたての頃の作品ということで、後年のスマートな(?)異常性愛を基調とする作品と比べると少しごちゃごちゃ感があるように思えます。以降、より純化路線(性愛の)を歩んでいくことになるのでしょうね。(笑)

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    投稿日: 2015.10.12
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    谷崎4作品め。 まるまる大阪弁の語り口調で、読みやすいけど、終わりかたがあんななんで、全てが自白というより言い訳的な印象で終わった。ながーい独り言。 最後にダンナも絡んでくるところがすごい。この時代にセンセーショナルだわぁ。

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    投稿日: 2015.08.27
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    最初読みにくかったけどすぐ慣れた。告白形式になっているのでフンフンなりながら読んだ。 光子なー。光子って名前の子はきっとみんな傅かずにおれないのだ、きっとそうだ。バトロワを思い出しながら。

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    投稿日: 2015.08.18
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    関東出身の谷崎が初めて全編を関西弁で執筆したのが本作である。執筆にあたり関西弁翻訳もつけたという。とある1人の女に振り回される女1人、男2人の奇妙な四角関係。魔性の女に翻弄されるスタイルは谷崎の性質のあらわれか。

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    投稿日: 2015.06.19
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    妖艶な谷崎文学。 谷崎潤一郎の描く人物たちは、 自由で、生き生きしていると思う。 そして言葉にも、とても色気があります。 私は好き。

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    投稿日: 2015.03.07
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    この独特な関西弁、なんと読みづらいのだろうとげんなりしていたが、読む進めて行くうちに段々と親しみが湧いてくる。百合小説とかかって読むと痛い目にあう。これの本題はそこであって、そこではない。お互いに搾り取っていくような、最後には何もなくなってしまうような恋。女同士の愛は男女のそれよりもねちっこくて嫉妬にまみれていて欲深い。エスのような少女小説を求めている方は吉屋信子の方へどうぞ。

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    投稿日: 2015.01.14
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    昭和3年ころに書かれた作品やそうです。全編、大阪の女の人の声を通して描かれています。ちょっとそこまで書かんでええやろいうくらい大阪弁で、かえって読みにくいとこもあるくらいでした。そやけど、この光子いう女はいったい何もんなんやろ。どこにそんな魅力があるんやろ。この小説の語り手である園子は、何にそんなひかれたんか。肉体的なもんやろか、それとも精神的なもんか。具体的に二人で何をしたいうことまで書いてないんで、そこは想像するしかあれへん。ほんで、園子のダンナも、一発で光子の魅力に負けてしまう。これはどうやら肉体的な快楽がともなっていそうやけど、それにしたかて最後の死にいたるとこまでは異常としか言いようがない。それと、光子と結婚するとかどうとか言うてる綿貫いうヤツはいったいどうなったんやろ。結局最後は出て来いひんかったけど、あれはもともと綿貫が異常なんか、それとも光子にそうさせられてしもたんか。まあ、そやけど、こういうもんが昭和のはじめに書かれて、それがまた今まで残っているいうのんは、日本やからなんやろか、それともどこでもおんなじようなもんなんやろか。あとで解説読んだら、谷崎が大阪に移り住んで、大阪の女の言葉に魅了されて書いた小説らしいねんけど、なんぼそうやいうたかて、こんなストーリーあるか???いったい、どないせいちゅうねん?

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    投稿日: 2014.10.10
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    谷崎潤一郎が1928年に雑誌"改造"に発表した長編小説。主人公の柿内園子が自分が係わった事件について先生に話すという体裁の作品で、初めて読む人は、関西弁の口語体で書かれている文章で面食らうと思いますが、慣れればけっこうすらすらと読めます。前半の園子と光子の同性愛的な話から、後半、光子の婚約者である綿貫が登場した辺りから展開が不穏な空気を漂わし始め、ラストの園子の夫まで巻き込んだ事件への発展はハラハラして、物語に引き込まれます。誰に感情移入して読むかによって感じ方が変わる作品です。

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    投稿日: 2014.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この小説は、初めから終わりまで典型的な関西式の若奥様が、その「異常なる経験」を作者に打ち明けるという告白の形式をとっています。 内容は、女性同士の同性愛と、一種の淫婦である女性をめぐる男達の動きをあわせた在来の谷崎の変態性欲を扱った作品です。 あとがきに『彼の後期の作品にはめずらしい例外ですが、女性崇拝の雰囲気は濃淡の差こそあれ、彼のどのような「健全」な作品にもただよっているのです』とあります。 えーっ、充分変態性欲の女性崇拝の美学を堪能しました。感謝します。 元々関西人である僕にとって、何処が変態なのかと思う次第なのですよ・・・。(笑)

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    投稿日: 2014.09.03
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    面白かった。 最初から最後までずっと告白の形だったので普通に彼女から話を聞いてるかのような感覚で、早く先聞かせて!ってなった。 けど私にはよくわからない感覚だった。 恋に純粋にハマるとあぁなるのかしら?

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    投稿日: 2014.09.02
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    自分がドロドロな人間のせいか、至極普通の純愛小説にしか見えなかった。別に変態でもないし狂気でもないと思う。光子の性癖も至って普通のものでは。

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    投稿日: 2014.08.27
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    初めから終わりまで延々と続く女性の独白。 なので、どこまでが事実でどこまでが思い込みなのかわからない。 読んでいてとことん疑心暗鬼。 同性愛や不倫という言葉だけでは表せない1人の女性への崇拝。 関西弁の話し言葉が艶っぽくて、本当に目の前にいる 女の人から話を聴いているよう。 『百%安全なるステッキ・ボーイ』の綿貫は 本当にクズなんだけど、ハンサムっていう設定がずるい。

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    投稿日: 2014.04.27
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    お互いが強欲な程に女だ。 何もかも欲しい。 手に入らないもの、相手が持っているもの、全て欲しい。 一人だけ幸せになるなんて許せない、一緒に地獄まで堕ちて。 内容的には救いもなく重たいのだけれど、園子の関西弁での告白で始まり終わるので読み易いし入り込み易い。 二人のやり取りする手紙や、その文通に使われる便箋の描写からまた年齢からの幼さやまだ少女らしさが抜け切らない可愛らしさも感じる。 可愛らしさは時に毒になる。 光子は絶世の美女とあったが、言動や行動は少女のままで、それが素直に捻じ曲がる事で毒々しさを増すのかもしれない。 「異性の人に崇拝しられるより同性の人に崇拝しられる時が、自分は一番誇り感じる。」 これは多分圧倒的に女性の方が強く感じる感情だと思う。 いや、主観かなぁ。 でも世のアイドルブームとか見てると理解出来る気がするんだけれど。 面白かったです。

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    投稿日: 2014.03.27
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    大阪の言葉は最初は読みづらいけど、だんだん流れるように読めてくる。 内容は疑いと嘘の塗り重ねで、しっちゃかめっちゃか。

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    投稿日: 2014.03.13
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    一人の女性の口から語られる、ある美しい女をめぐる愛憎劇。関西弁だからこそ出せる味が、ドロドロな内容に色っぽさと上品さを与えている。 ただ、園子が光子に惹かれ、のめり込んでいく過程の心理描写が意外に少なかったような。「綺麗な人」というだけで禁断の関係になるのは、少し現実味に欠ける。既婚女性が同性に恋をするというのには、もっと複雑で特殊な感情があるのではないだろうか。 同性愛を描いたというわけではなく、ただ純粋に、女性の美に翻弄される愚かな人間の姿を描いた作品なのだと思った。

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    投稿日: 2014.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自由で強気、そして魅力的な女。それに逆らえない男... これぞ谷崎!と言わざるを得ない登場人物。 全篇通して大阪弁で紡がれるこの物語は、不思議な色気と 美しさで満ちています。 愛欲・情欲・同性愛というなかなかドロドロしたストーリーですが、独特な語り口で気品さえ感じます。

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    投稿日: 2014.02.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    光子どんだけ魅力あんねん。 私の中ではかなりの美人。 大阪弁ばりばりで。同性愛で。 えええええ!!ってゆう裏切りが沢山。 光子に会ってみたい。

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    投稿日: 2014.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    レズビアンを題材にした当時はかなりの問題作だったと思わせる作品。 思った以上の変態小説ぶりにビックリ。 3人の男女を魅了する光子。それぞれの思惑が縺れ合いますが、絶対的に中心にいる光子にはある種の恐ろしさを感じます。 倒錯的な依存と官能的なマゾヒズムの世界。 絡みつくような関西弁で「先生」への語り口調で書かれています。耽美的でエロティックだけど、具体的な性描写は全く出てきません。過激なことを書いていながら最終的な部分には触れない。時代の制約なのかもしれませんが、ねっとりした文体と卍というタイトルがいろんなことをを想像させます。卍とは絡み合う男女の破滅といったところなんだろうか。 一番気になるのは当時の人たちはどう思ったのだろう。。。

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    投稿日: 2014.01.17
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    主人公の園子の告白で、同性の光子との関係や光子の婚約者綿貫、そして園子の夫との愛憎劇を語る。関西弁で全て書かれているのが生々しい濃密な関係性を際立たせている。園子の光子に対する独占欲や光子の支配欲は異常だが、そこにずるずると落ちてしまい、そんな自分たちにうっとりとしている。谷崎潤一郎らしいといえばらしい。どろどろとした人間の感情のいやらしさが嫌というほど伝わってきてしまう。

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    投稿日: 2013.12.28