Reader Store
良心の危機「エホバの証人」組織中枢での葛藤 せせらぎ出版刊
良心の危機「エホバの証人」組織中枢での葛藤 せせらぎ出版刊
レイモンド・フランズ、樋口久/アットマーククリエイト
作品詳細ページへ戻る

総合評価

1件)
5.0
1
0
0
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ・Wikipedia英語版に本の解説あり。「Crisis_of_Conscience」。Google翻訳して読むのが益。 ・第3版邦訳(2001年1刷,2010年2刷)を読んだ後,洋書第5版(2018)の追加箇所を読んだ。(序文(デイヴィッド・ヘンケ),エピローグ(著作権者デボラ・ダイクストラ),付録B(レイモンド・フランズ『キリスト教の自由を求めて』からの抜粋),付録C(ジョン・A・ミッチェル著の小冊子『神に仕える「大群衆」はどこにいるのか?』。) ・エホバの証人の公式資料がいかに当てにならないかがわかり,衝撃を受けた。批判ではあるが,悲しみ,哀れみに富む文章。それにしても,まるでイエスが批判したパリサイ人ではないかと思った。彼らは言うだけで実行しない(マタイ21:1-4),というか,統治体自らは実行していないことを言って他人にはそれを守らせる。また,過去の誤りを認めず資料も改変して無かったことにしてしまう,指示された側が悪かったことにしてしまう(責任転嫁)。3分の2以上の賛成でないと物事を変えられず,過去の苦しみを未来に引き継がないための改革を行うにもままならない。驚きの連続だった。新世界訳聖書成立の裏話も。 ・種々の当たらない予言(預言きどり)と,はずれた予言のゴマカシの指摘箇所は,資料としては有用なのだろうが,読んでてつらく(筆者も書いててつらい箇所があると冒頭に書いてたね),読み飛ばし気味。公式資料では,ぼかして(あるいは改変して)書いてあることも指摘されていて,これだけワールドワイドに各種資料WEB公開しているのだから,信用できる団体で正しいのだろうと素朴に読んでいた自分の過去が,恥ずかしくもある。5年間かけて聖書を学ぶ「いのちのみことば (Thru The Bible日本語版)」をちょうど(2025/4/23)終えたところではあるが,預言者と偽預言者を見分ける箇所がよく出てくる。「漸進的な理解」「増し加わる光」の皮肉。もう明らかだ。 ・エホバの証人の各人は信頼でき,いろいろ大切なことを学び,気づかせてもらって感謝している。しかし,トップがこうダメだとは正直思わなかった。新しい聖書が出来て,私自身も1985年版のあの表現がわかりやすくなったと最初喜んでたりしてたが,「聖霊」の言葉が無くなったり,あちこち削られた箇所を見つけたりしておかしいと思うようになったっけ。洋書第5版では,聖書の見方の変な箇所の指摘や,教義に合わせて聖書の翻訳を改変している箇所の指摘があり,まぁ,「いのちのみことば」でも,教派の立場によって翻訳(解釈)が違うということの説明があり,いまさら驚きもしないが,聖書を読むときは,注意が必要ということはよくわかった。洋書第5版「エピローグ」で元エホバの信者(著作権を譲渡された方)が,イエスが「真理」であることを悟って後,新世界訳以外の翻訳を少なくとも4つ,時には11もの翻訳を使って学ぶ素晴らしい時を過ごしたことを書かれているが,そのとおりだと思う。今ならWEBで簡単に複数訳を比較し閲覧できる時代になったのは喜ばしい(参考サイト:聖書研究(聖書本文や翻訳の比較等)に役立つウェブサイト・書籍のご紹介 by true-ark 2019-06-09)。「いのちのみことば (Thru The Bible日本語版)」でも,音声だけでなく解説書PDFを無料で読めるので,エホバの証人の解釈とも比較できる(洋書Kindle版は有料だが)。聖書の違いといえば,カトリックの聖書(エルサレム聖書)も昔は神の名前がちゃんと載ってたが最近の版では削られているし,日本の聖書もしかり(昔のフランシスコ会訳や文語訳にはちゃんと載ってた)。尾山令仁「現代語訳聖書」では,ヨハネ17:26のイエスの言葉「わたしはあなたの御名を彼らに知らせました」が「わたしは彼らにあなたを示しました」になってたりするしね(聖書本文の改変)。なんか気になったらチェック! しかし,そうして統治体の解釈に疑問を持ち,他を調べることで排斥になる仕組みというのは,まったく納得いかない。 ・洋書第5版の序文(デイヴィッド・ヘンケ)で,Stephen Arterburn氏の著者「Toxic Faith(有害な信仰)」の10の特徴(Google翻訳)「1. 自らを特別視する/2. 独裁的な権威/3. 他者を敵視する考え方/4. 懲罰的な性質/5. 過剰な奉仕/6. 信者は苦しんでいる/7. 閉鎖的なコミュニケーション/8. 律法主義/9. 客観的な説明責任の欠如/10. レッテル貼り」,そしてヘンケ自身の追加提案「11.情報統制」を挙げているが,思うにこのすべてが当てはまるように見えるのは驚くべきことだろうと思う。この辺の解説を読むだけでも洋書最新版に手を出す甲斐があったと思った。

    0
    投稿日: 2025.07.17