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泣き虫ハァちゃん
泣き虫ハァちゃん
河合隼雄、岡田知子/新潮社
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総合評価

21件)
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    豊かで、温かい、おはなしだった。 兄弟も、両親も、友達も、その他の周りの大人たちも。もちろんハァちゃんも。

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    投稿日: 2025.12.12
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    この小説は、世界文化社発刊の「家庭画報」に連載されていたが、著者が脳梗塞で倒れ、帰らぬ人となったため、それまで書き溜めていた執筆分を新潮社が受け出版された。  あとがきの妻の河合嘉代子さんによると、「この本の舞台は自身の出身地、兵庫県・丹波篠山です。話はフィクションですが、夫の少年時代のイメージそのものと言っていいと思います。夫は両親と大勢の兄弟で過ごした篠山の思い出を大切にしていました」と書いています。  全十二話で構成され、どれもが秀逸です。 主人公の「ハァちゃん」(城山隼雄)は感受性が高く国語と算数が好き、唯一の欠点は、泣き虫である。でもその泣き虫が瑞々しいばかりの清らかな感情表現で、河合隼雄さんの大人目線と、子供時代の目線の表現が素晴らしいのです。  ご自身は、昭和三(一九二八)年生まれなので時代を考慮しなければなりませんが、素朴な疑問に大人である読者も、共感するのではなかろうか。勿論、子供目線で思わなければなりませんが…。  特に第二話 どんぐりころころが好きです。  ハァちゃんは、歌詞を間違って覚えていたのです。その意味を兄さんに教えてもらった時、ハアちゃんは、「どんぐりころころは、家に帰れたんやろか」と心配になってきて、泣いているどんぐりの姿が目に見えるようだった。ハァちゃんはおうちに帰れないどんぐりさんのこと思うだけで、涙が出そうになってくる。「かわいそう」「どんぐりさんはおうちに帰れへんのやで」  城山家のねえや(お手伝さん)は、「そら帰れませんで」(泣) 「せやけどな、どんぐりさんはおうちに帰らんでもええんやで」「どんぐりのさんはな、そこで芽を出して、どんぐりの木になるんや」  ハァちゃんは、段々と話がわかってきたし、もう泣いていなかった。もう晴れやかな顔をしていた。段々大きい木になっていくのが見えるような気がした。(詳細は本書で)  また、岡田知子さんの水彩画の挿絵も素晴らしく心が洗われるようです。僕の子供時代を振り返るのはまだ早いかもしれませんが、何となく懐かしみを覚えました。  読書は楽しい。

    45
    投稿日: 2024.01.07
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    河合先生の遺作となった作品。 小学校4年生までの思い出が、昭和時代の自然豊かな風景とともに、まざまざと浮かんできます。最終話の「夜が怖い」は含蓄のある、示唆的な憂いに満ちていてとても印象的でした。小学生は3・4年生の頃が最も難しいというのを聞いていたので、こういうことなんかなと推察しながら読み進めました。 もっともっと続きが読みたかった。 最後の谷川俊太郎さんの詩に目の奥が熱くなりました。

    2
    投稿日: 2023.09.15
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    古き良き昭和初期の温かな日常を、小学生低学年の男の子目線で書かれたお話。 兄弟、両親との愛情いっぱいの生活や、昔のこどもは小さなうちから両親や先生に対してきちんと敬語を使えていたんだな、ということに感心するのと同時に、人を敬う気持ちが現代では失われつつあることに寂しさを感じた。 それにしても幼き頃の自叙伝が遺作だなんて、それだけでも染み入ってしまう。 文字が大きくてこどもでも読めると思う。おすすめ。

    2
    投稿日: 2022.03.13
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    とても優しい物語。 兄弟が多くて、 お父さんが家族の長で、 令和にない絆や愛や優しさがある気がした。 こんな時代もあったんだなーと感じた。 谷川俊太郎さんの後書きも 孤独のなかに立ってるけど、 孤独じゃない感じも良かった。

    2
    投稿日: 2021.11.14
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    尊敬する河合隼雄さんの自伝的小説。 あの素晴らしい人格はこんな子ども時代を過ごすことによって形成されたんだなあ、と腑に落ちました。舞台となる篠山(現在の丹波篠山市)の自然を思い浮かべると故郷に帰ったような懐かしい気持ちになりました。

    1
    投稿日: 2021.02.14
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    時代も国も違うけど、リンドグレーンのやかましむらの世界と同じ。幸福感に満たされる。谷川さんの詩もよい。

    1
    投稿日: 2020.08.22
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    河合隼雄さんらしい、やさしい物語。自伝的小説、ということでフィクションのはずなんだけど、ついつい、「そうか、河合隼雄さんの子供の頃ってこんなだったんだ」とまるで本当のことのように感じてしまった。 友達とのいざこざは、そういうこと、自分にもあったな、と思わせる。一方、家族や大人がとても優しくて、そこはもしかしたら、理想の大人たちなのかもしれない。 もうすぐ春が来る、というところで突然物語が終わり、納得いくような、唐突なような、と思っていたら、そこで絶筆ということだった。どんな物語の続きがあったのか、と思うと残念だったけれど、巻末の解説を読んで、満足してしまった。小川洋子さんの解説がとても好きだ。

    1
    投稿日: 2018.04.15
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    環境だけでなく行動も昔の子と随分違ってきているなと思う。一つは兄弟の数だろう。兄弟が多いと喧嘩もするけど思いやりも育つ。いつまでも口をきかないなんてことにはならない。 さて、河合隼雄さんがこの本を世に出そうとした意図は何だったのだろう。読者の対象はどういう層を想定したのか、そのあたりは訊いてみたかった。また、岡田知子さんの絵が本の内容にマッチしていてすごく良かった。2017.9.14

    1
    投稿日: 2017.09.14
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    河合隼雄先生はこんな素敵な環境で両親、兄弟に愛されて育ったんだなぁと読みながら気持ちが温かくなった。サンタクロースをみんなで捕まえる作戦がとても好き。挿絵がまたとても素敵で何度も本をめくりたくなる。

    1
    投稿日: 2017.05.29
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    子(小五男子)が国語のテストの問題文で読みかじり、良かったから全部読みたいとのことで図書館で借りてきた。読後、是非父も母も読んでみてというので、私から早速。 何の前情報も先入観もなく読み始めたので、最初の話から盛大に涙腺決壊。ダンナ君にお勧めしようとしてほんの少しあらすじ話そうとしただけでまた涙腺決壊しそうになり「是非読んで。いいから読んで。」ということで結んだ。興味持った人は是非、感受性全開で読んで欲しい。 子にもこのお話の訴えている内容に何か感じるものがあったんだなということを知ることが出来て嬉しい。

    1
    投稿日: 2015.10.13
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    Tue, 08 Jun 2010 フィクションらしいが,河合隼雄先生の幼少時代をつづったもの. なんか,ちびまるこちゃん みたいな感じ. ユング心理学の日本での大家であり,精力的な執筆活動などをされた,河合先生の幼少期,そのパーソナリティがのぞき見られる. 好奇心旺盛な子供を持つ父となり,自分と重ね合わせるより, 子供と重ね合わせながら読んだ. 一度もお会いしたことは無いが,私は河合隼雄先生から多大な影響を受けている. 母が,大学時代に河合隼雄先生に師事したこともあり, 小さな頃から家の母の本棚に,「こどもの宇宙」など河合先生の著作が並んでいた. 中学生や高校生のころから,勝手にこれを読んで.子供の教育について考えていた. 学校で得意な科目は数学で,完全な理系っ子だったのだが, 多分,「心理学」に対する関心は,このころからあった. しかも,僕の関心のコアは知覚心理学や,認知心理学ではなく,ユング,フロイト,ラカンなどの深層心理学,精神分析的なものだ. これらと知能研究が交わる日はいつのことになるのか・・・. だから,僕が知能研究の中で「感覚・運動」「認知」「記憶」なんて心理学ワードをつかっていても 心の中には,ずっと,満たされないものがあるわけで・・・. エスってなんだ,とか,ラカンのいう「大文字の他者が~」みたいなことを,本気で構成論的に取り組みたいと思っている自分が,どこかにいるわけで. まぁ,とくに本書はそういう内容ではないのですが. 心理学という,一番私達に身近な,というか,内部な研究に携わる人間というのは 幼少期から存在するパーソナリティに,なにかその根源がある気がする. というわけで,なんとなーく,河合先生のパーソナリティに浸れた一冊でした. ちびまるこちゃん的読み物として普通に読む分にも可

    1
    投稿日: 2015.01.04
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    河合先生の遺作となった自伝的小説。おもしろい。抜群におもしろい。ユーモアがあちこちにちりばめられていて、しかも幼い頃の隼雄くんのせつない思いが伝わってくる。小学4年生になる娘に読み聞かせました。娘にとっても大好きな1冊になったようです。その中から1節。「みそしるサンタ」6人兄弟のうち中学生になっている2人は別として、残りの4人はサンタがいつどのようにしてプレゼントを運んでくるか知りたくて興味津々。タト兄ちゃんが「サンタを捕まえる」と寝ずの番。お父さんも付き合うことに。2時頃までは起きていたはずだが、ついうとうとと寝ているうちにサンタはやってきてプレゼントをおいていった。どうしてサンタは2人がちょっと寝入ったすきが分かったのか。我が家の娘も興味津々。横で聞いていた6年生の長男は・・・。読みながら私はひやひやしていたのだけれど、さすがは河合先生。子どもたちの思いが良く分かっていらっしゃる。うまく切り抜けた。マト兄ちゃん(雅雄先生)の本もおもしろかったし、おそるべし河合兄弟。まだまだ書き足りなかっただろうに、続きが読めないのは残念です。

    1
    投稿日: 2014.12.10
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    河合隼雄さんの自伝的お話。なんで六人兄弟の中で僕だけ泣き虫なの?って聞いたらお母さんの意外な答え…どんぐりコロコロの歌でも泣いちゃう優しい子。(考えた事もなかった…)。お母さんの珠玉の言葉の数々… なんとこの作品連載中に倒れられたのだとか。もっと色々読みたかった。谷川俊太郎さんのステキな詩が捧げられています。

    1
    投稿日: 2012.12.05
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    「臨床心理士」の創設者である河合隼雄先生の最後の著作であり、 最初の(自伝的)小説である。 主人公のハァちゃんが河合先生なのだが、心優しいく泣き虫、 けれどいざというときは芯が強く頼りになる。 6人の兄弟、父、母がとても魅力的で、こんなユーモアが飛び交う温かい家庭で、 彼が子供時代どんなにたっぷり愛情を充電したかが伺える。 河合先生が人を見つめる温かい視線は、こんな環境から育まれてきたのかなぁと、 講演会での言葉の数々が思い浮かんだ。 また、子供のこころを写し出している児童文学は今こそ再読すべきだなぁ、とも思った。 とりあえず、彼が講演会で紹介していた「シャーロットのおくりもの」から 読んでみようかな。

    1
    投稿日: 2012.10.12
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    ノンフィクションのような暖かいフィクション。 大きな小4という壁を抜けてはぁちゃんがどうかわっていくのか、 どう変わって行くように書くのかを見たかった、 残念。 心が温まる、まさにそんなお話。はぁちゃんの素直な涙は複雑に入り組んでしまった大人の感情がちょっとバカバカしいのを思い出させてくれる感じ。

    1
    投稿日: 2012.07.19
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    河合隼雄さんの遺作となった自伝的小説。河合隼雄さんが意識不明の状態になり、その後亡くなられたことは知っていたが、倒れられる前にこの作品の執筆途中であった、ということは恥ずかしながら知らなかった。 温かな物語、といっていいと思う。随所に挟まれる岡田知子さんの絵も温かみがある。大人が読むには少々物足りないかもしれないなと思ったが、これを世の中に問おうとした河合隼雄さんの考えの方に、むしろ強い関心があった。河合さんの著作の全てを読んだわけではないが「物語」と「人生」についてのご自身の考えを記すことがテーマの一つだったのではないかと思う。そうすると、この小説を書くことはある意味河合さん自身の集大成のようなものだったのではないかと思えてくる。 私自身は本を読みだした初めの頃、あまたある小説の「物語性」(ストーリーの面白さ)に惹かれていたのだったと思うが、次第にその「物語性」を読者に阿るための「わかりやすさ」ととらえるようになり、物語としてのわかりやすさを拒否するような力を持つ小説の方がよい小説だと思うようになっていった。そんな中でも中上健次が語る「物語」についての言葉などに、物語のある種の力を意識せざるを得なかったことはあるが、基本的にはストーリー性の強いものは下に見ていたような時期があった気がする。 しかし、いつの日からかまた物語性の強いものも読むようになっていった。例えば重松清さんとかを好んで読むようになった(奇しくも重松さんは生涯の本として上に出てきた中上健次の「枯木灘」を挙げていたと記憶していますが)。これには「その本が誰に向けて書かれているのか」ということを意識して考えるようになってきた、という自身の変化があると思う。そして物語にはやはりとてつもない力があるのではないか、という思いもある。最近読んでみようという気になっている角田光代さんや西加奈子さんもそんな力を持っている人ではないのだろうかと期待しているところである。 小川洋子さんが本書の解説を書いているが、その中で「寄り添う」という言葉が使われている。物語の効能としてこの「寄り添う」という感覚はあるのだろうと一つ考える。いい物語というのはわれわれのあずかり知らないところでわれわれの栄養になっているのではないだろうか。そしてそのことを河合さんが実践されようとされたのではないかと思っている。 今週風邪をひいて体調が悪くほとんど臥せっている冴えない週末に本書を再度開き、その中に添えられている谷川俊太郎さんの「来てくれる」という詩を読んで思わず涙がこぼれそうになった。

    4
    投稿日: 2011.12.11
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    河合隼雄自身の少年時代の出来事をモチーフに書かれた12話。著者本人であるハァちゃんは感受性が豊かで、とっても優しい子。何かにつけて、すぐに泣いてしまう。優しい両親と頼りになる兄弟に囲まれ、逞しく成長してゆく。私自身が親になる前に、この本に出会えていたら、子育ての方法も変わっていたに違いないと思えた。これから、親になる方にお勧めの1冊です。

    1
    投稿日: 2011.08.21
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    大好きな河合さんの最後の本。自分の幼少時代をもとにして書かれた物語です。 今まで、私の知らない世界の知りたい事を教えてくれた本の中の先生。どんな著書でも読みやすく書かれていると思いますが、この本は本当にどんな人にも勧めることのできる読みやすくて優しい気持ちになれる本だと思います。 あー私も子供の時こー思った、とか、こんなときこんなふうに諭してくれるひとがいたらな、とか思いながら何度も繰り返し読みました。 もっともっと続きが読みたかったと思い、それと同時に最後にこんな本を残してくれてよかった、とも思いました。

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    投稿日: 2011.05.27
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    泣き虫ハァちゃん、かわいいなぁ。どんぐりころころの歌に泣き、大好きな幼稚園の先生とのお別れに泣き、日々の小さな出来事に心を響かせて泣く。素直で純粋でかわいい。 泣き虫な小さいハァちゃんを見守り、小学校4年生の思春期のちょっと手前の難しくなりかけたハァちゃんを厳しくしっかり受け止めた、お母さんがとってもすごい。そういうお母さんに私もなれたらいいのだけれど。。。 ハァちゃんのお兄さんたちも最高です。 河合隼雄先生の自伝的小説のようですが、とても素晴らしい少年時代を送られたのだなと感心します。 小川洋子さんの書かれたあとがきも素敵です。

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    投稿日: 2010.11.01
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    ハァちゃんと呼ばれている泣き虫の姪っ子がいるのでつい購入。具体的な出来事などはフィクションだそうですが、河合隼雄さんが少年時代の思い出をもとに書かれた小説。両親と兄たちに囲まれ好奇心いっぱいの少年がせいいっぱい自分なりに生きる姿が清々しいです。童話のような感じですぐ読み終わってしまいましたがとても良い本でした。

    1
    投稿日: 2010.06.16